JP4686933B2 - 血管内皮障害の推定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本願発明は、血管内皮障害の診断方法又は動脈硬化病態の診断方法に関するものであり、言い換えれば、血管内皮障害や動脈硬化の状況を正しく反映するセロトニン値の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冠動脈疾患での死亡者は多く、この疾患を早期発見して治療することは重要である。冠動脈疾患は、そのほとんどが動脈硬化性血管病変を伴っており、動脈硬化病態を診断したり、その病態の変化を診断するための診断マーカーが探索されてきた。動脈硬化病態を診断し得る診断マーカーは、動脈硬化疾患の診断にとっても重要である。
【0003】
高コレステロール血漿は動脈硬化の危険因子であり、コレステロールは動脈硬化病変の原因物質の1つと考えられている。1983年に発足した厚生省特定疾患原発性高脂血症調査研究班の報告では、血清コレステロール199mg/dL以下では冠動脈疾患の発生率は2.3%であるが、400mg/dL以上であると12.9%と約5倍とされている。近年では、動脈硬化の原因物質と考えられるLDLコレステロールや酸化LDL等が、動脈硬化病態を診断するための診断マーカーとして検討されている。
【0004】
動脈硬化疾患のリスクファクターとして、炎症マーカーであるCRP(C−reactive protein)も検討されている(Paul M.Ridker et al., The new england J. Medicine, 23, p836(2000))。動脈硬化では血管内皮障害が起こり、強いては血管内皮に炎症が生じて炎症マーカーであるCRPが上昇するためである。しかし、CRPは血管内皮に障害が起きた場合以外にも、臓器等の組織破壊や細菌感染の場合にも値(濃度)が上昇するなど特異性に課題があり、動脈硬化病態や血管内皮障害を的確に診断するためには不適当である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、血管内皮障害の診断マーカーは、血管内皮の障害を診断するうえで、更には動脈硬化病態を診断するうえで非常に重要である。そこで本願発明は、新たな血管内皮障害、強いては動脈硬化病態の診断マーカーとなり得る物質を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、新たなマーカー物質の探索を行った結果、消化管系の腫瘍(Ming−shih Lee、 et al.,Clinical Chemistry,46,p422 (2000))、そして胃腸管内分泌細胞から発生する腫瘍であるカルチノイド(西條清史、日本臨床、53、p527(1995増刊号))が生じると血漿中の濃度が上昇する、セロトニンが見い出された。血漿中のセロトニン濃度は、冠動脈に狭窄が認められ、冠血管形成術を行った際に、その冠状動脈局部において一過的に上昇することが知られている(Paolo Golinoら、The New England J.Medicine,330,p523,1994、又は、Dario Leoscoら、The American J.Cardiology,84,p1317,1999年)が、冠血管形成術を行っても、腹部大動脈血液の血漿中セロトニン濃度には変化がないとも報告されている(Paolo Golinoら、The New England J.Medicine,330,p523,1994)。
【0007】
また、冠動脈疾患を煩った患者の血液を450×gで5分間遠心分離して得られた、血小板を多く含む血漿中のセロトニン濃度測定の結果から、60歳未満の患者からの試料においては、冠動脈疾患を煩っていない健常人からの試料と比較して、有意に高い値を示すことも報告されている(Kjell Vikenesら、Circulation,100,p483,1999)。しかしながら、血液中の血小板等の血球外に存在する遊離のセロトニン、即ち血小板を含まない血漿試料中のセロトニンが血管内皮障害や動脈硬化病態を診断するためのマーカーとなり得ることについては、従来報告されていない。
【0008】
また、血漿中セロトニン濃度が健常人と比べて高値となるカルチノイド疾患の患者において、冠動脈疾患を併発している患者群と冠動脈疾患を発病していない患者群とを比較した場合、冠動脈疾患を併発している患者群の血漿中セロトニン濃度が有為に高いことも報告されている(Paul A.ら、Circulation,92,p790−795、1995)。しかしながらこの結果は、血漿中セロトニン濃度が高値となるカルチノイド疾患を発病している患者群内での結果であり、カルチノイド疾患を発病していない場合の血管内皮障害や動脈硬化疾患と血漿中セロトニン濃度の関係を示すものではない。
【0009】
従って、前記目的を達成するためになされた本願請求項1の発明は、血漿試料中のセロトニン濃度を測定することからなる、血管内皮障害の診断方法である。また前記目的を達成するためになされた本願請求項2の発明は、血漿試料中のセロトニン濃度値と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度値の比率を測定することからなる、血管内皮障害の診断方法である。また前記目的を達成するためになされた本願請求項3の発明は、血漿試料中のセロトニン濃度を測定することからなる、動脈硬化病態の診断方法である。そして前記目的を達成するためになされた本願請求項4の発明は、血漿試料中のセロトニン濃度値と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度値の比率を測定することからなる、動脈硬化病態の診断方法である。以下、本願発明を詳細に説明する。
【0010】
冠動脈疾患が40〜50歳以上の高齢者において多く発生する。このことは、健常人と呼ばれる集団の中の40〜50歳以上においては、血管内皮障害を起こし、動脈硬化病変が存在し、冠動脈疾患が起こる確立が高くなっている人が多く存在することを示している。そこで、健常人20〜70歳における、血漿試料中のセロトニン濃度や、血漿試料中のセロトニン濃度と全血試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率を測定し、年代別に測定値を比較した。更に、冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)が施行された患者のCAG検査前の血液において、血漿試料中のセロトニン濃度や、血漿試料中のセロトニン濃度と全血試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率を測定した。
【0011】
その結果、健常人の血漿試料中のセロトニン濃度と全血試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率の値は、40歳代以上で有意に高い値を示した。また、CAGにより器質的病変を認め、PTCAが施行された患者群と40歳以上の健常人との比較では、血漿試料中のセロトニン濃度や、血漿試料中のセロトニン濃度と全血試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率の値は、PTCAを試行された群で有意に高い値を示した。
【0012】
以上の結果は、血漿試料中のセロトニン濃度や、血漿試料中のセロトニン濃度値の、全血試料中のセロトニン濃度値又は血小板試料中のセロトニン濃度値との比率を測定することにより、血管内皮障害を知見又は推定し、動脈硬化を知見又は推定可能であることを示している。即ち上記のようにして測定したセロトニン値は、動脈硬化病態をモニターする等の診断のためのマーカーとなることを示すものである。また、これらの測定値は、冠動脈疾患が起こりうる確立の高さの指標にもなりうることを示している。なお、血小板中のセロトニンは血液凝固の際に血清中に放出されるため、全血試料中のセロトニン濃度の代わりに、血清試料中のセロトニン濃度値を用いることも出来る(西條清史、日本臨床、53、p527(1995増刊号))。また、全血試料中のセロトニンのそのほとんどは血小板中に含まれるので、450×gで5分程度遠心して得られた、血小板を多く含んだ血漿試料中のセロトニン濃度値は、全血試料中のセロトニン濃度値の代わりに用いることが出来る。
【0013】
ところで、セロトニンは、主に消化消化管粘膜にある腸クロム親和性細胞で産生され血液中に放出される。血小板自体はセロトニンを産生せず、血液中のセロトニンを取り込み貯蔵する。腸クロム親和性細胞のセロトニン産生量には個人差があると考えられることから、血漿試料中のセロトニン濃度によって診断を行うよりも、血漿試料中のセロトニン濃度値と、血液試料全体のセロトニン濃度値(全血試料中のセロトニン濃度値又は血清試料中セロトニン濃度値)か、或いは血小板試料中のセロトニン濃度値との比率を用いた方が、診断用マーカーとしての信頼性が高く、好ましい。
【0014】
さらに、動脈硬化病変の存在は、血小板を活性化してセロトニンなどの放出を促し、血漿試料中のセロトニン濃度が上昇し、そのセロトニンがさらに血小板の持つセロトニンリセプター(5HT2受容体)を刺激し、さらに血小板を活性化するため、血小板中のセロトニン濃度が低下すると考えられる。このことは、血漿試料中のセロトニン濃度値そのものよりも、血漿試料中のセロトニン濃度値と、血液試料全体のセロトニン濃度値(全血試料中のセロトニン濃度値又は血清試料中セロトニン濃度値)か、或いは血小板試料中のセロトニン濃度値の比率の方が、より病態の変化を大きく数値として捉えることが出来ることを示すものである。
【0015】
血漿中のセロトニン濃度を測定するに当たっては、血小板中のセロトニンが血液中に放出されるのを抑制することが重要である。血小板中セロトニンの放出は、血小板の活性化(凝固)により引き起こされるから、血小板活性化の中心物質であるカルシウムイオンを捕捉した状態でセロトニン測定を実施したり、又は、そのような状態で血液から血漿試料を調製することが好ましい。例えば、カルシウムイオンを捕捉し、血液の凝固を防止する抗凝固剤を共存させた状態で測定等を実施することが例示できる。抗凝固剤としては、抗凝固効果が高く、取扱いや入手が容易であること以外に、採血した血液をセロトニン以外の血中成分の測定にも供することが可能であることが好ましい。かかる抗凝固剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(以下EDTAと記載する)又はクエン酸を具体的に例示できるが、クエン酸を用いると血液が弱酸性になり、血小板がダメージを受けて微量ながらセロトニンが放出される可能性があるため、特にEDTAが好ましい。
【0016】
EDTAの中でも、血液と混合した際に血液のpHを変化させないものが特に好ましい。pHの変化により血小板がダメージを受け、セロトニンが放出されてしまう可能性があるからである。かかる特に好ましいEDTAとしては、EDTA2カリウム2水和物又はEDTA2ナトリウムが好ましく、特にEDTA2カリウム2水和物は溶解速度が速いという効果もあり、特に好ましい。溶解速度が遅いと、その溶解時、部分的にEDTA濃度が高くなるため、血小板にダメージを与える可能性が高まるからである。
【0017】
抗凝固剤としてEDTAを血液に加える場合は、血液と混合後の濃度を0.0025〜0.0049mol/Lとするのが普通であるが、後の実施例で具体的に示したように、前記濃度となるようにEDTAを混合すると試料によっては血漿中セロトニン濃度が高くなる場合が確認された。これは、前記EDTA濃度では血小板の活性化が完全には抑制されず、血小板から徐々にセロトニンが放出されたことを示すものである。一方、EDTA濃度が高い場合には、浸透圧差により血小板がダメージを受け、血小板中のセロトニンが放出されることがある。従ってセロトニンの測定又は血液からの血漿試料の調製に際しては、0.0074〜0.0148mol/L、好ましくは0.008〜0.014mol/L程度となるようにEDTAを血液に混合することを例示できる。特に血液からの血漿試料の調製からセロトニンの測定までの全工程を、前記濃度のEDTA共存下で実施することが特に好ましい。
【0018】
本発明において、セロトニンの測定は、具体的には例えば液体クロマトグラフを用いた方法(特開2001−56326号参照)により、またセロトニンに対して特異的な抗体を用いる、通常の免疫測定法により、実施することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施例1
健常人(血中の総コレステロール値が220mg/dL以下である人)である20歳代男性3人女性3人、30歳代男性15人女性4人、40歳代男性5人女性3人、50歳代男性7人女性5人、70歳代男性1人女性2人から、同意を得たうえで、抗凝固剤EDTA−2K入り採血管(ベクトン デイッキンソン製;エチレンジアミン四酢酸2カリウム2水和物濃度が2mg/mLとなる採血管)を用いて血液試料(全血試料)を肘正中静脈から採血した。全血試料の一部を、1000×g、4℃、25分の遠心分離に供して血漿試料を得た。血小板試料中のセロトニンは全血試料中のセロトニン濃度から血漿試料中のセロトニン濃度を引くことにより算出した。
【0020】
表1から5に、各試料中のセロトニン濃度(平均値)及び標準偏差を示す。また、表6には、30歳代の男性15人女性4人から採取した試料と、40歳代男性5人女性3人から採取した試料、50歳代男性7人女性5人から採取した試料、70歳代男性1人女性2人から採取した試料についての有意差検定p値の結果を示す。
【0021】
【表1】
Figure 0004686933
【表2】
Figure 0004686933
【表3】
Figure 0004686933
【表4】
Figure 0004686933
【表5】
Figure 0004686933
【表6】
Figure 0004686933
血漿試料中のセロトニン濃度/全血試料中のセロトニン濃度の比、血漿試料中のセロトニン濃度/血小板試料中のセロトニン濃度の比の両者において、40歳代以上において有意に値が高いことがわかる。動脈硬化を原因とする冠動脈疾患は、40〜50歳以上において多く発生することから、この結果は、血漿試料中のセロトニン濃度/全血試料中のセロトニン濃度、血漿試料中のセロトニン濃度/血小板試料中のセロトニン濃度の比が、動脈硬化病態を把握する診断マーカー、および、血管内皮障害の診断マーカーとなることを示している。
【0022】
本実施例において、測定は特開2001−56326号の実施例1に記載した、市販のカラム(TSKgelODS−80Ts、商品名、東ソー(株)製)を用いる方法に従った。全血試料、血漿試料共に、純水1Lに0.19gアスコルビン酸、0.38gEDTA2Na、34mL 60%過塩素酸溶液を加えて均一にした希釈液により、20倍希釈し、10000xg5分遠心分離し上清を測定試料として用いた。
【0023】
全血試料中のセロトニン濃度と血小板試料中のセロトニン濃度が30歳代に比べ、40歳代、50歳代、70歳代で低いのは、腸クロム親和性細胞からの産生量が低下しているためと考えられる。図1から5にそれぞれの棒グラフを示す。グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【0024】
実施例2
冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)を施行した患者男性18人女性4人のCAG前に抗凝固剤EDTA−2K入り採血管(ベクトン デイッキンソン製)を用いて肘正中静脈から採血した血液試料において、実施例1と同様に測定を行った。試料を採取した患者はすべて40歳以上であったため、実施例1における40歳以上の群のデータと比較した。
【0025】
表7にそれぞれ平均値および標準偏差を、表8に有意差検定p値の結果を示す。また、図6から10にそれぞれの棒グラフを示す。グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【0026】
【表7】
Figure 0004686933
【表8】
Figure 0004686933
冠動脈造影検査(CAG)を受けていない実施例1における40歳以上の群の試料に関する測定結果との比較において、CAGを受けた群からの試料に関する、血漿試料中のセロトニン濃度は有意差(p値=0.0796)が認められた。また、血漿試料中のセロトニン濃度/全血試料中のセロトニン濃度の比について両者を比較すると、さらに高い有意差(p値=0.0517)が認められた。この結果は、CAGにより器質的病変を認めPTCAが施行された患者では、動脈硬化疾患および血管内皮障害を有していることから、血漿試料中のセロトニン濃度、血漿試料中のセロトニン濃度/全血試料中のセロトニン濃度の比が、動脈硬化病態を診断し、又は、血管内皮障害を診断するための診断マーカーとして有効であることを示している。
【0027】
血漿試料中のセロトニン濃度/血小板試料中のセロトニン濃度の比についても、CAGを受けていない群に比べ、CAGにより器質的病変を認めPTCAが施行された患者群の値は明らかに高く、動脈硬化病態を診断し、又は、血管内皮障害を診断するための診断マーカーとして使用し得ることが分かる。もっとも、患者群の値を個々に検討すると低い患者も存在し、標準偏差が大きく、血漿試料中のセロトニン濃度や血漿試料中のセロトニン濃度/全血試料中のセロトニン濃度の比と比較すると低い有意差となった。
【0028】
実施例3
8本の試験管にエチレンジアミン四酢酸2カリウム2水和物を各々2、4、6、8、10、12、14又は16mg入れ、同意を得た3名の患者から採血した血液を2mLずつ分注し、緩やかに混合した。混合液中のEDTA2カリウムの濃度は、それぞれ0.0025、0.0049、0.0074、0.0099、0.0124、0.0148、0.0173又は0.0198mol/Lである。
【0029】
上記混合液からそれぞれ50μLを取り、192mLの純水に60%過塩素酸溶液8mL及びアスコルビン酸7.04gを溶解した液を1mL加えて混合し、4℃、10000×g、5分間遠心分離した後、得られた上清を、198mLの純水に過塩素酸ナトリウム4.9gとEDTA2ナトリウム0.07gを溶解した、等量の液と混合し、全血試料として実施例1と同様の測定に供した。
【0030】
一方、残りの混合液からは、4℃、1000×g、25分間の遠心分離により血小板を含まない血漿を得た。この血漿から250μLを取り、187mLの純水に60%過塩素酸溶液13.4mL及びアスコルビン酸0.44gを溶解した液を1mL加えて混合し、4℃、10000×g、5分間遠心分離した後、得られた上清を、198mLの純水に過塩素酸ナトリウム4.9gとEDTA2ナトリウム0.07gを溶解した、等量の液と混合し、血漿試料として実施例1と同様の測定に供した。
【0031】
表9は、全血試料中のセロトニン濃度の測定結果の一部を示すものであり、混合したEDTA2カリウムの濃度が異なるにもかかわらず、測定結果はほとんど変化しないことが分かる。表10は、血漿試料中のセロトニン濃度の測定結果を示すものである。患者1からの血漿試料では、EDTA2カリウム濃度が0.0074〜0.0148mol/Lの範囲で10nmol/L以下の値を示したが、0.0049mol/L以下又は0.0173mol/L以上の場合は10nmol/L以上の高値を示した。患者2からの血漿試料では、全てのEDTA2カリウム濃度で同様の値を示した。そして患者3からの血漿試料では、EDTA2カリウム濃度が0.0198mol/L以上の場合は他の場合に比較して高い値を示した。患者1からの血漿試料においてEDTA濃度0.0173mol/L以上で、患者3からの血漿試料においてEDTA濃度0.0198mol/Lで血漿中セロトニン濃度が高い値となったのは、EDTA濃度が高いため浸透圧差が生じて血小板がダメージを受け、血小板中のセロトニンが放出されたことを示すものである。
【0032】
【表9】
Figure 0004686933
【表10】
Figure 0004686933
実施例4
健常人(血中の総コレステロール値が190mg/dL以下である人)21名(20才代9名、40才代12名)及び冠動脈疾患患者65名(30〜70才代)から同意を得て血液を採血し、全血中セロトニン濃度及び血漿中セロトニン濃度を測定した。採血に際しては、予め6mgのEDTA2カリウム2水和物が入れられた、容量2mLの真空採血管を用い、該採血管に2mLの血液を採血した。
【0033】
上記混合液からそれぞれ50μLを取り、192mLの純水に60%過塩素酸溶液8mL及びアスコルビン酸7.04gを溶解した液を1mL加えて混合し、4℃、10000×g、5分間遠心分離した後、得られた上清を、198mLの純水に過塩素酸ナトリウム4.9gとEDTA2ナトリウム0.07gを溶解した、等量の液と混合し、全血試料として実施例1と同様の測定に供した。
【0034】
一方、残りの混合液からは、4℃、1000×g、25分間の遠心分離により血小板を含まない血漿を得た。この血漿から250μLを取り、187mLの純水に60%過塩素酸溶液13.4mL及びアスコルビン酸0.44gを溶解した液を1mL加えて混合し、4℃、10000×g、5分間遠心分離した後、得られた上清を、198mLの純水に過塩素酸ナトリウム4.9gとEDTA2ナトリウム0.07gを溶解した、等量の液と混合し、血漿試料として実施例1と同様の測定に供した。
【0035】
20才代と40才代の健常人の全血中セロトニン濃度、血漿中セロトニン濃度、及び、血漿中セロトニン濃度/全血中セロトニン濃度の比について、結果を表11に示す。実施例1では年代別に測定結果に有為差が見られたが、本実施例では年代別の有為差は確認されなかった。本実施例では総コレステロールを190mg/dL以下の場合を健常人定義したため、20才代と40才代での血漿中セロトニン濃度、及び、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比について年齢差が見られなかった。実施例1では総コレステロールが220mg/dL以下の場合を健常人と定義したため、年齢が高い患者からの試料では血漿中セロトニン濃度、及び、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比が有為に高かったが、このことからは、実施例1の健常人群には軽度な動脈硬化疾患を持つ患者が含まれることを示唆するものである。以上のように本実施例では、試料を採取した健常人の年齢による差が見られなかったため、以下の患者群との比較においては年齢を考慮していない。
【0036】
実施例1と本実施例では、採血した血液と混合したEDTAの濃度等、採血した血液の処理方法が異なるが、本実施例では、血漿中セロトニン濃度や全血中セロトニン濃度をより安定的かつ正確に測定可能である。なお、実施例1及び2における結果と比較した場合、血漿中セロトニン濃度はより低い、全血中セロトニン濃度はより高い、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比はより低い測定値が出ることになる。
【0037】
表12〜14及び図11〜13は、血液を採血した冠動脈疾患患者65名を、病態により、陳旧性心筋梗塞の心筋梗塞発生後1年以上経過した患者群(30才代から70才代の18人、以下OMIと記載する)、労作性狭心症の患者群(50才代から70才代の24人、以下e−APと記載する)、不安定狭心症の患者群(40才代から70才代の5人、以下u−APと記載する)、陳旧性心筋梗塞の心筋梗塞発生後1年を経過していない患者群(50才代から70才代の18人、以下OMI−1と記載する)に分けた場合の測定値と健常人(以下Nと記載する)の測定値をそれぞれ示すものである。
【0038】
血漿中セロトニン濃度及び血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比については、N、OMI、e−AP、u−AP、OMI−1の順に高くなっていることが分かる。血管内皮の障害という点で、少なくとも病態としてはe−APに比べu−APが悪く、治療が良好に行われていればOMIはOMI−1より良好な状態にあると考えられる。実際、血漿中セロトニン濃度及び血漿中セロトニン濃度/全血中セロトニン濃度の比について、e−APに比べu−APが、OMIに比べOMI−1が高い結果が得られた。
【0039】
各結果についてのp検定(検定の値が0.05以下で有為差がある)行ったところ、血漿中セロトニン濃度では、Nに対するe−AP、u−AP及びOMI−1の値で有為差が確認され、また、OMIに対するOMI−1、そして、e−APに対するOMI−1の値で有為差が確認された。血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比では、Nに対するOMI、e−AP、u−AP及びOMI−1の値、そして、e−APに対するOMI−1の値で有為差が確認された。Nに対して値の近いe−AP、u−APについては、血漿中セロトニン濃度に比べ、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比の方が有為差について良好な測定結果が得られた。
【0040】
また、NとNに平均値の近いOMIについて、これら2群のp検定(検定の値が0.05以下で有為差がある)の結果を見ると、血漿中セロトニン濃度の測定結果では有為差がないが、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比では有為差があることが確認された。このことから、正確に血管内皮障害の病態を把握するためには、血漿中セロトニン濃度を単独で用いて本発明の診断を行うよりも、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比を用いる方が好ましいことが分かる(表13、14)。p検定の結果からは同様に、Nに対するe−AP又はu−APについても、血漿中セロトニン濃度を単独で用いるよりも、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比を用いる方が好適であることも分かる(表13、14)。
【0041】
表15〜17及び図14〜16は、血液を採血した冠動脈疾患患者65名のうち冠動脈造影検査(CAG)による狭窄の所見が明らかな62名についての解析結果である(残り3名は、CAGによる狭窄の所見が明らかではなかったため、本解析からは除外した)。この62名の患者のうち、50%の狭窄ありとされた46名を選び、更に70%以上の再狭窄がある患者群(50才代から60才代の13名、以下Cと記載する)、70%以上の再々狭窄がある患者群(50才代から70才代の5名、以下Dと記載する)、そして始めて50%以上の狭窄が確認された患者群(40才代から70才代の28名、以下Bと記載する)に分けた場合の測定値、最終的に50%以上の狭窄なしとされた16名(30才代から70才代、以下Aと記載する)、そして健常人21名(以下Nと記載する)の測定値を比較した。
【0042】
全血中セロトニン濃度については、N、A、B、C、Dの順に測定値が低下していることが分かる。狭窄が多ければ、それだけ血管に障害が生じていることになり、この血管内皮障害部位で血液凝固溶解反応が生じることにより血液中全体のセロトニンを消耗する。N、A、B、C、Dの順に狭窄が多いと考えられるが、この結果は全血中のセロトニン濃度の低下順と一致する。また、血漿中セロトニン濃度は、全血中セロトニン濃度とは逆に、N、A、B、C、Dの順に上昇すると考えられるが、実際には、N、A、C、B、Dの順となっている。このことは、血漿中セロトニン濃度の変動は、特に細い動脈系の血管内皮障害の影響を受けると考えられ、大きな動脈である冠動脈の狭窄の所見とは、必ずしも一致しないことを示している。しかしながら、少なくともA(狭窄なし)の患者群よりB(狭窄あり)の患者群は障害が多いはずである。現に血漿中セロトニン濃度および血漿中セロトニン/全血中セロトニンでは、有為差はないもののAに比べてBが高い値を示した。
【0043】
更に血漿中セロトニン濃度についてp検定(検定の値が0.05以下で有為差がある)を行ったところ、Nに比べA、B及びDで、またAに比べDで、そしてCに比べDで、有為に高い測定値(有為差)が確認された。また血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比については、Nに比べA、B、C及びDで、またAに比べDで、そしてCに比べDで、有為に高い測定値(有為差)が確認された。特にNとCとの比較については、血漿中セロトニン濃度では有為差はないが、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比では有為差が確認された。
【0044】
【表11】
Figure 0004686933
【表12】
Figure 0004686933
【表13】
Figure 0004686933
【表14】
Figure 0004686933
【表15】
Figure 0004686933
【表16】
Figure 0004686933
【表17】
Figure 0004686933
実施例5
実施例4で述べた冠動脈疾患患者65名から採血した血液について、フィブリノーゲン、白血球数、高感度CRP、総コレステロール、中性脂肪、Lp(a)、クレアチニンキナーゼを測定し、全血中セロトニン、血漿中セロトニン、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比に対する関連性を調べた。結果(相関係数の2乗の結果)を表18に示す。なお、フィブリノーゲンはトロンビン凝固時間法により、白血球数は電気抵抗検出法によるフローサイトメトリーにより、高感度CRPとLp(a)はラテックス凝集比濁法により、総コレストロールと中性脂肪とクレアチニンキナーゼは酵素法により測定した。
【0045】
表18から明らかなように、全血中セロトニン濃度、血漿中セロトニン濃度、血漿中セロトニン/全血中セロトニンの比は他の測定値と関連せず、血漿中セロトニン濃度により診断し得る病態は、これまで知られている検査マーカにより診断し得る病態とは異なるものであることを示している。また血漿中セロトニン濃度の測定値は、他の検査マーカの値で代用できるものではなく、冠動脈疾患等の血管内皮障害や動脈硬化病態を把握することにおいて重要な1つの検査マーカであることが分かる。
【0046】
【表18】
Figure 0004686933
【発明の効果】
本発明は、従来知られていない、新たな血管内皮障害の診断方法又は動脈硬化病態の診断方法を提供するものである。本発明では、動脈硬化病態を診断し、又は、血管内皮障害の診断するために、血漿試料中のセロトニン濃度、血漿試料中のセロトニン濃度値/全血試料中のセロトニン濃度値の比を使用することを特徴とする。
【0047】
本発明では、セロトニンの測定自体は従来知られた液体クロマトグラフィーによる方法や免疫測定法を適用することができ、また血漿試料等の調製も、従来の方法を適用することが可能であるなど、容易に実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における血漿中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図2】実施例1における全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図3】実施例1における血小板中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図4】実施例1における血漿中セロトニン/全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図5】実施例1における血漿中セロトニン/血小板中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図6】実施例2における血漿中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。Nは非検査群であり、RTCAは心臓カテーテル検査により異常が確認され経皮的血管形成術(PTCA)を試行された患者群である。
【図7】実施例2における全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。Nは非検査群であり、PTCAは冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)が施行された患者群である。
【図8】実施例2における血小板中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。Nは非検査群であり、PTCAは冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)が施行された患者群である。
【図9】実施例2における血漿中セロトニン/全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。Nは非検査群であり、PTCAは冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)が施行された患者群である。
【図10】実施例2における血漿中セロトニン/血小板中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。Nは非検査群であり、PTCAは冠動脈造影検査(CAG)により器質的病変を認め冠血管形成術(PTCA)が施行された患者群である。
【図11】実施例4における全血中セロトニン濃度のヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図12】実施例4における血漿中セロトニン濃度のヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図13】実施例4における血漿中セロトニン/全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。
【図14】実施例4における全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。「なし」、「狭窄」、「再狭窄」、「再々狭窄」、「正常」は、それぞれ、冠動脈造影検査(CAG)により50%以上の狭窄が認められなかった患者群(A)、50%以上の狭窄が認められた患者群(B)、70%以上の再狭窄が認められた患者群(C)、70%以上の再々狭窄が認められた患者群(D)、そして健常人(N)の結果をそれぞれ示す。
【図15】実施例4における血漿中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。「なし」、「狭窄」、「再狭窄」、「再々狭窄」、「正常」は図14と同一である。
【図16】実施例4における血漿中セロトニン/全血中セロトニンのヒストグラムであり、グラフ中のエラーバーは95%信頼区間を示す。「なし」、「狭窄」、「再狭窄」、「再々狭窄」、「正常」は図14と同一である。

Claims (5)

  1. 血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度を測定し、
    健常人における血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と比較することからなる、
    血漿試料中のセロトニン濃度を、血管内皮障害を把握するための検査マーカーとする方法。
  2. 血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率を測定し、
    健常人における血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率と比較することからなる、
    血漿試料中のセロトニン濃度を、血管内皮障害を把握するための検査マーカーとする方法。
  3. 血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度を測定し、
    健常人における血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と比較することからなる、
    血漿試料中のセロトニン濃度を、動脈硬化病態を把握するための検査マーカーとする方法。
  4. 血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率を測定し、
    健常人における血小板を含まない血漿試料中のセロトニン濃度と、全血試料、血清試料又は血小板試料中のセロトニン濃度の比率と比較することからなる、
    血漿試料中のセロトニン濃度を、動脈硬化病態を把握するための検査マーカーとする方法。
  5. 前記請求項1から4のいずれかの方法であって、0.0074〜0.0148mol/L濃度のエチレンジアミン四酢酸共存下で実施することを特徴とする方法
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