JP4693489B2 - 撒き出し装置および撒き出し工法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状物を撒く撒き出し装置および撒き出し工法に関し、特に無限帯搬送装置により搬送される粒状物を撒く撒き出し装置及び撒き出し工法に関するものである。
海底の軟弱地盤の上に敷砂・覆砂を施して、ヘドロ層のような軟弱な地層を封じ込めて改善浄化する工事は、以前より行われてきた。また、最近では、失われた自然環境を取り戻すために、海底に土砂を入れて干潟を造成する工事も行われている。これらの工事には種々のやり方がある。一般的なものは、ポンプで砂と水とを一緒に吸い上げてパイプで海底近くまで送り込み、特殊な構造の散布管や散布装置などの砂撒きヘッドによって拡幅して散布する水搬工法である。それ以外では、ベルトコンベアを使用して船から砂を撒く方法やホッパーとシュータとの組み合わせによる落下方式などがある(例えば、特許文献1参照)。ベルトコンベアを使用する場合は、ベルトコンベアを左右にスイングさせて扇状に砂を撒く。
特開2000−136533号公報
しかしながら、水搬工法では砂撒きヘッドの開口部の全面に亘って砂が均一になるように砂を分配するのは極めて難しく、撒き砂散布厚さにむらが生じてしまう。ベルトコンベアをスイングさせて撒く方式では、スイングを1度行って砂撒きしたら砂の落下をストップさせて船を移動させ、それから次のスイングにより砂撒きを行うので、砂を撒かない移動時間が多く作業効率が悪いのでコスト高になる。また、スイングとスイングとの間で砂を撒いた部分をある程度重ね合わせないと砂の撒かれない部分が生じるため、撒いた砂のオーバーラップ部分が多くなり、砂が無駄になる。さらにホッパーとシュータとの組み合わせによる落下方式では、幅が広くなると落下位置を高くしなければならず、安全性や施工精度の面で問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粒状物を均一に且つ効率よく撒き出す撒き出し装置および撒き出し工法を提供することにある。
本発明の第1の撒き出し装置は、粒状物を撒く撒き出し装置であって、粒状物を供給するホッパーと、前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を当該帯から掻き落とす複数のスクレーパとを備え、前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて設置されており、前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパと前記帯との間の離間距離は小さくなっていく。このような構成であると、全てのスクレーパが確実に粒状物を掻き落とすことが可能となり、搬送方向に沿ってスクレーパの位置毎に粒状物が撒き出される。
ここで無限帯搬送装置とは、ベルトコンベアやエプロンフィーダなどを指す。
ある好適な実施形態において、前記複数のスクレーパは、搬送方向に向かって前記帯の両側に前記粒状物を掻き落とすように設置されている。
ある好適な実施形態において、前記複数のスクレーパは、搬送方向に向かって前記帯の両側に交互に前記粒状物を掻き落とすように設置されている。
本発明の第2の撒き出し装置は、粒状物を撒く撒き出し装置であって、粒状物を供給するホッパーと、前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を当該帯から掻き落とす複数のスクレーパとを備え、前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて且つ前記帯の幅を二分する二分線の両側に交互に設置されており、前記二分線により二分されたそれぞれの側において、前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパと前記帯との間の離間距離は小さくなっていく。このような構成であると、全てのスクレーパが確実に粒状物を掻き落とすことが可能となり、搬送方向に沿ってスクレーパの位置毎に粒状物が撒き出される。
本発明の第3の撒き出し装置は、粒状物を撒く撒き出し装置であって、粒状物を供給するホッパーと、前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を当該帯から掻き落とす複数のスクレーパとを備え、前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて且つ前記帯の幅を二分する二分線の両側に設置されているとともに、当該帯の側端から当該二分線の方へ延びており、前記二分線により二分されたそれぞれの側において、前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパの当該二分線側の先端と当該二分線との間の離間距離は小さくなっていく。
前記無限帯搬送装置の少なくとも下方にさらにシュータを備え、前記シュータは前記帯から掻き落とされた前記粒状物を受け入れる受け入れ口と、前記搬送方向に沿って延びており前記粒状物を排出する排出口を備えていることが好ましい。
少なくとも前記ホッパーと前記無限帯搬送装置と前記スクレーパとを移動させる移動装置をさらに備え、前記移動装置の移動方向は、前記粒状物の搬送方向に略直交している方向であることが好ましい。ここで略直交しているというのは、数学的な厳密な意味での直交を含み、装置の操作により生じるずれや移動環境による方向のずれによって厳密な意味での直交からずれていることを含んでいるという意味である。
ある好適な実施形態において、前記移動装置は船である。
本発明の撒き出し工法は、ホッパーと無限帯搬送装置とを用いて粒状物を撒く撒き出し工法であって、前記ホッパーから前記無限帯搬送装置に粒状物を供給する工程と、前記無限帯搬送装置により粒状物を搬送する搬送工程と、前記粒状物の搬送中に前記無限帯搬送装置の帯に沿って当該粒状物を撒く工程とを含み、前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に沿って間隔をおいて設置された複数のスクレーパにより当該粒状物が前記帯から掻き落とされる。
前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に沿って前記帯の両側に交互に当該粒状物を掻き落とすことが好ましい。
前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に略直交する方向に前記前記ホッパーと前記無限帯搬送装置とを移動させることが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記粒状物を海面に撒き出して当該粒状物により海底を被覆する。
無限帯搬送装置により粒状物を搬送し、その搬送方向に沿って間隔をおいて設置された複数のスクレーパにより粒状物を掻き落とすので、当該搬送方向の全幅に渡って定常的にほぼ均一に粒状物を撒き出すことができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に至った経緯を説明する。
背景技術において説明したように、最近干潟造成工事が行われるようになってきたが、この場合環境保護の観点から、造成土砂の大半は港に溜まった土砂を浚渫した維持浚渫土砂が用いられる。けれども、維持浚渫土砂は粘土成分(シルト分)が多いので、海草が育ちにくい。そのため維持浚渫土砂の表面には海砂が撒かれ海草が育ちやすいようにしている。
しかしながら瀬戸内海をはじめとする日本の近海では、海砂の採取が大規模に行われたため、海砂採取を禁じられているところが多い。従って、砂の代わりに石炭灰をセメントで固めて粒状物とした石炭灰造粒物を用いることを本願発明者らは考えた。石炭灰造粒物は、火力発電所から発生するフライアッシュを用いたリサイクル製品であり、赤潮の原因となるリン、窒素等の富栄養化物質を吸着し、また砂よりも比重が小さいため海水中で拡散しやすく、海底に均一に撒きやすい、といった利点を有している。
そこで石炭灰造粒物の海底撒き出しに向いている工法の検討を行ったところ、従来の方法は上述のように何れも問題点を有していた。特に水搬工法では、ポンプ内やパイプ内で石炭灰造粒物が砕けてしまい微粒子となってしまって、多量の濁水が発生してしまい海を汚してしまうという新たな問題も浮かび上がった。このような従来工法の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、搬送物をこぼさないように運ぶベルトコンベアを用いて、従来の考えとは全く逆に搬送しながら搬送物を途中でこぼすことで均一かつ効率よく粒状物を撒き出す本願発明に思い至った。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施形態1)
実施形態1に係る撒き出し装置を図1から図3に示す。図1は、上面図であり、図2は正面図、図3は図1の右側から見た側面図である。
この撒き出し装置は、ホッパー10とベルトコンベア(無限帯搬送装置)20と複数のスクレーパ40,40,…とシュータ50とを備えている。そして、この撒き出し装置は台船の舷に積まれており、舷から海面に撒き出しを行う。
ホッパー10には、粒状物である石炭灰造粒物が投入されて貯蔵される。そして、石炭造粒物はホッパー10下部の供給口からベルトコンベア20に供給される。石炭灰造粒物は、ここでは石炭灰約85%、セメント約15%の割合で混合して固めたものであり、直径をおよそ1mmから40mmに設定している。なお、石炭造粒物は搬送時等に砕けて径が小さくなってしまう場合があるが、大部分は元の径のままであるので、問題はない。また、比重が砂よりも小さく、砂に比べてアンモニア性窒素やリン酸など、富栄養化物質を多く吸着する吸着能を有している。
ホッパー10からベルトコンベア20上に供給された石炭灰造粒物は、ベルト(帯)30に載って図1の下側、図2の右側に運ばれていく。ベルト30の上方には金属板からなる複数のスクレーパ40,40,…が設置されていて石炭灰造粒物をベルト30から掻き落としていく。掻き落とされた石炭灰造粒物は、ベルト30の側方及び下方に設置されたシュータ50内に落ちて、シュータ50内を通って海に撒き出される。
複数のスクレーパ40,40,…は、ベルト30の進行方向(石炭灰造粒物の搬送方向)に沿って互いに間隔をおいて設置されている。スクレーパ40,40,…間の間隔はほぼ等間隔である。各スクレーパ40は、ベルト30の進行方向に延びるベルト30中心線を起点にベルト30側部から少しはみ出す位置を終点にしている。また、各スクレーパ40の起点よりも終点の方がベルト30の進行方向後方に置かれており、ベルト30の進行方向を基準にするとスクレーパ40,40,…は斜めに設置されていることになる。スクレーパ40,40,…のベルト30の進行方向に対する設置角度は約45度である。スクレーパ40,40,…は板状であり、ベルト30上面に対してスクレーパ40,40,…の面がほぼ垂直になるように設置されている。このようにスクレーパ40,40,…が設置されているので、ベルト30上の石炭灰造粒物はベルト30の進行に従ってスクレーパ40,40,…の面に当たってベルト30側方に押し出され、ベルト30の外に掻き落とされる。
本実施形態では図4に示すように、ベルト幅を二分する二分線60の両側に、且つベルト進行方向に向かって交互にスクレーパ40a,40b,40c,40dが設置されており、ベルト30上の石炭灰造粒物が二分線60の両側において、ベルト30のどの位置においてもほぼ同じ量であるように掻き落としを行っている。このようにすることで、ベルト30の何れか一方の側に荷重が偏ってしまうことを避けることができ、ベルト30の蛇行を防いで安定した搬送を行うことができるようにしている。
また図4に示すように、スクレーパ40a,40b,40c,40dとベルト30上面とは所定の離間距離を設けてあるが、ベルト進行方向に沿って均一に石炭灰造粒物を撒くために、二分線60の一方の側に並べられたスクレーパ群(例えば図4(a)の上側のスクレーパ40a,40c)において当該離間距離はホッパーからの距離が遠くなるほど小さくなるように設定されている。即ち、当該スクレーパ群において隣り合うスクレーパ40a,40cの当該離間距離を比べると、ホッパー10から遠い方のスクレーパ40cの方が当該離間距離が小さい。この離間距離の設定は、二分線60の他方の側のスクレーパ群(図4(a)の下側のスクレーパ40b,40d)においても同様である。このように離間距離を設定することにより、何れのスクレーパ40a,40b,40c,40dも常に石炭灰造粒物を掻き落とすことができ、ベルト進行方向に沿って均一に石炭灰造粒物を撒くことができる。なお、本実施形態ではスクレーパ40aとスクレーパ40b、およびスクレーパ40cとスクレーパ40dとではベルト30との離間距離を同じに設定しているが、異ならせても構わない。
スクレーパ40,40,…により掻き落とされた石炭灰造粒物は、シュータ50の受け入れ口52に落ちる。シュータ50は石炭灰造粒物が確実に海面の所定の場所に落ちるように設置された石炭灰造粒物の通り道であり、ベルト30の両側に掻き落とされた石炭灰造粒物を合流させて排出口54から排出する。またベルト長手方向に沿って石炭灰造粒物が均一に撒かれるように、シュータ50内には散乱部材(不図示)が設けられていて、落下していく石炭灰造粒物を均等に散らしている。
シュータ50の排出口54から排出された石炭灰造粒物は、台船の舷に沿って海面に撒き出される。石炭灰造粒物は砂に比べて比重が小さいので、海水中で拡散しやすく、この拡散によりさらに均一に撒かれる。本実施形態の撒き出し装置では、ベルト30の長手方向全幅に渡って常時均一に石炭灰造粒物が撒き出されるので、撒き出しとともに台船をベルト進行方向とは垂直な方向に一定速度で移動させれば、海底に均一厚みの石炭灰造粒物を敷設することができる。石炭灰造粒物の敷設厚みは、ベルトコンベア20の搬送速度と台船の移動速度とにより調節できる。
本実施形態では、上述の通りの撒き出し装置用い、撒き出し工法を行っているので、以下のような効果を奏する。
複数のスクレーパ40,40,…を用いて、ベルト30の進行方向に沿って均一に石炭灰造粒物の掻き落としを行っているので、ベルト30全長に渡って常時均一に石炭灰造粒物の撒き出しを行うことができる。そして、ベルト30の搬送速度と撒き出し装置自体の移動速度とを調節することにより、撒き出された石炭灰造粒物の敷設厚みを自在に調節できる。特に敷設厚みを薄くすることを容易に行うことができる。
撒き出し装置自体を一定速度で移動させることにより撒き出しを途中で止めることなく連続して撒き出しを行えるので、短時間で撒き出し工事を行える。特に敷設厚みが薄い場合は、移動速度を速くすることにより短時間で広範囲の撒き出しを行え、施工能率が非常に高くなり、施工コストを低く抑えられる。
本実施形態では他の従来の方法とは異なり、撒き出された石炭灰造粒物がオーバーラップすることがないので、厚みの均一性が良好であるとともに石炭灰造粒物を無駄に撒く必要がない。
本実施形態では、ベルトコンベア20の幅を広くしたり、搬送速度を高めたり、ホッパー10からの石炭灰造粒物の単位時間当たりの排出量を増やしたりすることなどで、単位時間当たりの撒き出し量を容易に増やすことができ、施工能力の増強が簡単に行える。
また、撒き出し装置を一定の速度で移動させることは比較的容易であるので、撒きだした石炭灰造粒物の敷設厚みの均一性を高く保つことは容易である。
(実施形態2)
実施形態2に係る撒き出し装置は、実施形態1のものとスクレーパが異なっているだけで残りの構成は同じであるので、実施形態1と異なっている部分を説明する。
図5は本実施形態に係る撒き出し装置の上面図である。本実施形態のスクレーパ41,41,…は上から見た場合にV字形状を有している。このうち、中央の尖った部分をホッパー10側に向けている。スクレーパ41,41,…間の間隔はほぼ等間隔である。そして、隣り合うスクレーパ41,41同士では、ホッパー10よりも遠い側に配置されている方がベルト30との間の離間距離が小さく設定されている。このような構成を有しているので、本実施形態ではベルト30の両側に常に同じように石炭灰造粒物が掻き落とされ、従ってベルト30上では二分線の両側に常に同量の石炭灰造粒物が載っているので、偏荷重によるベルト30の蛇行は生じない。そのため安定して石炭灰造粒物を搬送でき、常に均一に撒き出しを行うことができる。
上記の効果以外に実施形態1と同じ効果も奏する。
(実施形態3)
実施形態3に係る撒き出し装置は、実施形態1のものとスクレーパが異なっているだけで残りの構成は同じであるので、実施形態1と異なっている部分を説明する。
図6は本実施形態に係る撒き出し装置の上面図である。本実施形態のスクレーパ42,42,…はベルト30の全幅に渡って、ベルト30の進行方向に対して45度傾いて設置され、互いに平行に配置されている。本実施形態の効果は実施形態1と同じである。
(実施形態4)
実施形態4に係る撒き出し装置は、実施形態1のものとスクレーパが異なっているだけで残りの構成は同じであるので、実施形態1と異なっている部分を説明する。
図8は本実施形態に係る撒き出し装置の上面図である。本実施形態のスクレーパ44a,44b,…は、実施形態1のスクレーパと同様にベルト幅を二分する二分線60の両側に、且つベルト進行方向に向かって交互に設置されている。スクレーパ44a,44b,…の二分線60側の先端と二分線60とは離間距離を設けてあるが、ベルト進行方向に沿って均一に石炭灰造粒物を撒くために、二分線60の一方の側に並べられたスクレーパ群(例えば図8の下側のスクレーパ44a,44c,44e)において当該離間距離はホッパーからの距離が遠くなるほど小さくなるように設定されている。即ち、当該スクレーパ群において隣り合うスクレーパ44a,44c,44eの当該離間距離を比べると、スクレーパ44aよりホッパー10から遠い方のスクレーパ44cの方が当該離間距離が小さく、スクレーパ44eの方がスクレーパ44cよりも当該離間距離が小さい。この離間距離の設定は、二分線60の他方の側のスクレーパ群(図8の上側のスクレーパ44b,44d,44f)においても同様である。このように離間距離を設定することにより、何れのスクレーパ44a,44b,…も常に石炭灰造粒物を掻き落とすことができ、ベルト進行方向に沿って均一に石炭灰造粒物を撒くことができる。なお、本実施形態においては二分線60の両側においてベルト進行方向に向かってスクレーパ44a,44b,…が交互に設置されているが、交互ではなくてもよい。本実施形態の効果は実施形態1と同じである。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本発明の例示であって、本発明はこれらの例に限定されない。
撒き出し装置から撒き出す粒状物は石炭灰造粒物に限定されない。砂や小石であってもよいし、コンクリートや岩石などを砕いたもの、穀物や豆、食物の破砕物など粒状であればどのようなものでもよい。なお、本発明の撒き出し装置及び撒き出し工法は粉体の撒き出しにも用いることができる。
撒き出し装置に用いる無限帯搬送装置は、ベルトコンベアに限定されない。例えばエプロンフィーダなどを用いても構わない。
スクレーパは粒状物を掻き落とすことができればどのような形状であってもよいし、材質もどのようなものであっても構わない。また、ベルトに対する設置角度や設置位置、配置する数なども限定されない。例えば、図7に示す形状の金属板をスクレーパ43としてもよい。この場合、図の左端がベルトの二分線上方に配置され、右端がベルト側端から外方へはみ出した位置に配置される。また、形状も板状ではなく棒状や櫛歯形状等でも構わない。
撒き出し装置に用いる移動装置は、台船に限定されない。車両であってもよいし、レール上を走行する装置であっても構わない。
シュータの中に設置される散乱部材はどのような形状でもよい。複数枚の板であっても良いし、例えばパチンコの釘のようなものであってもよい。
本発明に係る撒き出し装置及び撒き出し工法によれば、所定の幅に渡って均一に粒状物を撒き出すことができ、砂利や石炭灰造粒物等を敷設する工事や、食品等の製造等に用いることができ有用である。
実施形態1の撒き出し装置の上面図である。 実施形態1の撒き出し装置の正面図である。 実施形態1の撒き出し装置の側面図である。 スクレーパの設置状態を示す一部の模式的な拡大図である。 実施形態2の撒き出し装置の上面図である。 実施形態3の撒き出し装置の上面図である。 スクレーパの一例を示す図である。 実施形態4の撒き出し装置の上面図である。
符号の説明
10 ホッパー
20 ベルトコンベア(無限帯搬送装置)
30 ベルト(帯)
40 スクレーパ
41 スクレーパ
42 スクレーパ
43 スクレーパ
44 スクレーパ
50 シュータ
52 受け入れ口
54 排出口
60 二分線

Claims (12)

  1. 粒状物を撒く撒き出し装置であって、
    粒状物を供給するホッパーと、
    前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、
    前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を搬送方向の全幅に渡って定常的に均一に当該帯から掻き落とす複数のスクレーパと
    を備え、
    前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて設置されており、
    前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパと前記帯との間の離間距離は小さくなっていく、撒き出し装置。
  2. 前記複数のスクレーパは、搬送方向に向かって前記帯の両側に前記粒状物を掻き落とすように設置されている請求項1に記載の撒き出し装置。
  3. 前記複数のスクレーパは、搬送方向に向かって前記帯の両側に交互に前記粒状物を掻き落とすように設置されている請求項1に記載の撒き出し装置。
  4. 粒状物を撒く撒き出し装置であって、
    粒状物を供給するホッパーと、
    前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、
    前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を搬送方向の全幅に渡って定常的に均一に当該帯から掻き落とす複数のスクレーパと
    を備え、
    前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて且つ前記帯の幅を二分する二分線の両側に交互に設置されており、
    前記二分線により二分されたそれぞれの側において、前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパと前記帯との間の離間距離は小さくなっていく、撒き出し装置。
  5. 粒状物を撒く撒き出し装置であって、
    粒状物を供給するホッパーと、
    前記ホッパーから供給された前記粒状物を搬送する無限帯搬送装置と、
    前記無限帯搬送装置の帯の上方に設置され、前記粒状物を当該帯から掻き落とす複数のスクレーパと
    を備え、
    前記複数のスクレーパは、前記粒状物の搬送方向に沿って互いに間隔をおいて且つ前記帯の幅を二分する二分線の両側に設置されているとともに、当該帯の側端から当該二分線の方へ延びており、
    前記二分線により二分されたそれぞれの側において、前記スクレーパと前記ホッパーとの距離が大きいほど、当該スクレーパの当該二分線側の先端と当該二分線との間の離間距離は小さくなっていく、撒き出し装置。
  6. 前記無限帯搬送装置の少なくとも下方にさらにシュータを備え、
    前記シュータは前記帯から掻き落とされた前記粒状物を受け入れる受け入れ口と、前記搬送方向に沿って延びており前記粒状物を排出する排出口を備えている請求項1から5の何れか一つに記載の撒き出し装置。
  7. 少なくとも前記ホッパーと前記無限帯搬送装置と前記スクレーパとを移動させる移動装置をさらに備え、
    前記移動装置の移動方向は、前記粒状物の搬送方向に略直交している方向である請求項1から6の何れか一つに記載の撒き出し装置。
  8. 前記移動装置は船である請求項7に記載の撒き出し装置。
  9. ホッパーと無限帯搬送装置とを用いて粒状物を撒く撒き出し工法であって、
    前記ホッパーから前記無限帯搬送装置に粒状物を供給する工程と、
    前記無限帯搬送装置により粒状物を搬送する搬送工程と、
    前記粒状物の搬送中に前記無限帯搬送装置の帯に沿って当該粒状物を撒く工程と
    を含み、
    前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に沿って間隔をおいて設置された複数のスクレーパにより当該粒状物が搬送方向の全幅に渡って定常的に均一に前記帯から掻き落とされる、撒き出し工法。
  10. 前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に沿って前記帯の両側に交互に当該粒状物を掻き落とすことを特徴とする請求項9に記載の撒き出し工法。
  11. 前記粒状物を撒く工程では、当該粒状物の搬送方向に略直交する方向に前記ホッパーと前記無限帯搬送装置とを移動させることを特徴とする請求項9または10に記載の撒き出し工法。
  12. 前記粒状物を海面に撒き出して当該粒状物により海底を被覆することを特徴とする請求項9から11の何れか一つに記載の撒き出し工法。
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