JP4692332B2 - ステーブクーラ及びその設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銅又は銅合金等からなり、例えば高炉等の溶融炉の炉壁を冷却するためのステーブクーラ及びその設置方法に関する。
溶融炉(以降の説明では高炉を例にとる)の炉壁の冷却は、炉体の保護とその結果としての炉寿命延長の観点から、極めて重要である。従来の炉壁の冷却は、冷却盤による冷却盤式と、ステーブクーラによるステーブクーラ式とに大別される。冷却盤式は、炉壁れんがに水平方向へ冷却盤本体を挿入するものであり、ステーブクーラ式は、鉄皮の内面に沿ってステーブクーラ本体を設置するものである。
近年、高炉では羽口からの微粉炭の吹き込み量が増加する傾向にあり、これに伴って高炉の炉壁への熱負荷やその変動幅が増加するようになってきた。このように高まる熱負荷から高炉の鉄皮を保護するため、ステーブクーラ式では、従来の鋳鉄製ステーブクーラに替えて、銅又は銅合金製のステーブクーラが採用されようになってきた。以下、銅又は銅合金製のステーブクーラ本体に給排水管を溶接により接合した従来のステーブクーラの構造を説明する。
図6、7は、いずれも、特許文献1により開示されたステーブクーラとステーブクーラの高炉の鉄皮への取付け構造を示す断面図である。図6、7に示すように、本例では、ステーブクーラ本体1への冷却液体の供給又はステーブクーラ本体1からの冷却液体の排出を行う給排液管2と同心円状に、封止管として短尺のシールパイプ3が装着される。ステーブクーラ本体1を所定の位置に配置する際には、ステーブクーラ本体1の背面(炉外側)と鉄皮4との間に流れ込む熱風(以下、「裏風」ともいう)を防止して鉄皮4を守るために、ステーブクーラ本体1を所定の位置に設置した後に、ステーブクーラ本体1と鉄皮4との隙間に不定形耐火材5の圧入又は流し込み等を行う。上述したシールパイプ3は、その鉄皮4側の端面が鉄皮4の内面に当接することにより、充填される不定形耐火材5が鉄皮4の貫通孔から外部へ漏洩することを防止するために、配置される。
なお、本明細書では、ステーブクーラ本体1の炉内側の面を内面といい、炉外側の面を背面という。また、図6、7における符号11はスペーサパイプを示し、符号12は耐火材料を示し、符号13は冷却流路を示し、さらに、符号14はプラグを示す。以降の各図の説明では、同一のものには同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
このように、一般的に、ステーブクーラを例えば高炉のような高温の溶融炉の炉内壁に設置する場合、ステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に侵入する裏風の熱によって鉄皮4が損傷することを防止するため、ステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に形成される空間に不定形耐火物5等を圧入又は流し込むことが行われる。
しかしながら、図6、7を参照しながら説明したようにシールパイプ3の先端面を鉄皮4の内面に突き当てても、鉄皮4の内面は円筒面をなすのに対してシールパイプ3の先端面は平面をなすために、シールパイプ3の先端面のうちの上部及び下部付近の開口寸法が最大になるとともに左右部分付近の開口寸法が0になる複雑な輪郭の隙間が不可避的に発生する。このため、このシールパイプ3を用いても完全なシールを行うことはできず、特に不定形耐火物5等をステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に形成される空間に圧力をかけて送り込む場合には、この隙間からの不定形耐火物5等の漏洩は免れない。したがって、実際にステーブクーラ本体1を配置する際には、例えばシールパイプ3の先端部の周囲にブランケット等を巻き付けて不定形耐火物5の外部への流出を防止している。
また、ステーブクーラは、ステーブクーラ本体1と給排液管2とが溶接により接合された状態で現地に搬入されるため、現地で保管する際に段積みすることができず、平積みせざるを得ない。このため、交換用のステーブクーラを保管するためには広大な保管場所が必要となり、屋外に保管せざるを得ない場合が多い。屋外に保管すると、このシールパイプ3の内部に雨水が溜まり、ステーブクーラ本体1と給排液管2との溶接部が腐食することがある。
さらに、ステーブクーラ本体1と給排液管2とは、図7に示すように、レ開先形状で溶接により固定される。このため、鉄皮4の外面で固定された給排液管2は、ステーブクーラ本体1の熱変形に追従して変位し、溶接部6に過大な応力が発生し、最悪の場合は漏水等のトラブルが発生する。特に、銅又は銅合金製のステーブクーラ本体1が使用される高熱負荷かつ高熱変動頻度の部位では、長年の使用によって給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6に繰り返し応力が蓄積し、累積損傷等による溶接部の亀裂に至り、漏洩に至る危険性が高い。
図8は、特許文献2により開示されたステーブクーラの給排液管2の溶接部6付近を拡大して示す断面図である。
同図に示すように、この発明は、溶接部6への応力緩和を目的として、鉄皮4とのシール接合に伸縮管7等を用いることによって、給排液管2の変位追従性を確保しようとするものである。この発明によれば、確かに、伸縮管7が炉内熱変動を吸収するので、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6への応力がある程度は緩和されることが期待される。
しかし、ステーブクーラ本体1の背面と鉄皮4の内面との間に形成される空間に不定形耐火材5を圧入したり流し込んだりする場合、シールを完全にしなければ、伸縮管7の内部に不定形耐火材5が混入し、伸縮管7を用いる目的である伸縮機能を確保できなくなる。
すなわち、ステーブクーラ本体1の背面(鉄皮側)には、給排液管2等の鉄皮4を貫通する部品が取り付けられており、当然鉄皮4にはそれらの部品を貫通させるための貫通孔が予め施工されている。特に、給排液管2をステーブクーラ本体1に溶接により接合することが多い、銅又は銅合金製のステーブクーラでは、その溶接部6を高炉の稼働中における長年の変動から保護するため、一般的に、図8に示すように鉄皮4との接合に伸縮管7等を介して行う。この伸縮管7の伸縮性を維持するためには、ステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に形成される空間に圧入又は流し込まれる不定形耐火物が、伸縮管7の内部に混入することは許されない。
特表2001−507630号公報 特開2004−131748号公報
溶融炉内の熱変動による繰り返し変位に起因する、給排液管とステーブクーラ本体との溶接部への繰り返し応力は、鉄皮との接合を伸縮管を介したいわば柔構造とすることによりある程度緩和される。しかし、このような柔構造を採用しても、長年の使用によって溶接部への繰り返し応力が蓄積し、累積疲労による亀裂や漏洩が発生する危険性が高い。現実に、鉄皮との接合に伸縮管等を介した柔構造とした稼働中の高炉で冷却水の漏洩事故が発生する事例がある。
このように、従来のステーブクーラでは、設置時にステーブクーラ本体の背面と鉄皮の内面との間に形成される空間に不定形耐火材等を圧入したり、又は流し込んだりすると、鉄皮の貫通孔からの不定形耐火材等の漏洩は避けられない。また、耐火ブランケット材等を用いてシールするのでは、施工数量が数百程度の多量であることから、施工工数やコストが著しく嵩む上に、施工のばらつきも回避できず、シール方法として満足すべきものではない。
また、稼働後の高熱負荷によってステーブクーラ本体が大きな熱変形を繰り返した場合、ステーブクーラ本体と給排液管との溶接部への過大な繰り返し応力が発生し、長年の使用によって溶接部に亀裂が発生して漏水に至る可能性がある。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、簡素な手段で、ステーブクーラを所定の位置に配置する際における、鉄皮の貫通孔からの不定形耐火材等の漏洩を解消でき、これにより、長期間に渡る使用にも十分に耐え得るステーブクーラ及びその設置方法を提供することである。
冷却液体が流通するための給排液管と、この給排液管が接合されるとともに冷却流路を有する銅又は銅合金製のステーブクーラ本体と、給排液管の周囲に配置される封止管とを備えるステーブクーラでは、さらに、この封止管の反ステーブクーラ本体側の端面に、例えばゴムスポンジ等からなる封止部材を設け、このステーブクーラを所定の位置に配置すると、この封止部材により、封止管の端面と鉄皮の内面との隙間が完全に閉塞されるので、ステーブクーラ本体の背面と鉄皮との間の空間に流し込むか圧入される不定形耐火材等が、鉄皮に穿設された貫通孔から外部へ流出することを、確実に防止できる。なお、この封止部材は、冷間で流し込み又は圧入されてシール材として使用されるものであるので、耐熱性は不要である。
また、封止管と給排液管との間にドーナツ状に形成される空間に、モルタル等のアルカリ性流し込み剤を注入すること、さらには注入されたアルカリ性流し込み剤により給排液管とステーブクーラとの溶接部を被覆することによって、給排液管とステーブクーラ本体の溶接部を腐食等から保護することができる。
さらに、封止管に設けた支持部材によって給排液管を支持することにより、給排液管とステーブクーラ本体との溶接部における応力集中を緩和でき、給排液管の溶接部の破損による冷却液の漏洩というトラブルを解消できる。
本発明は、これらの重要な知見に基づいてなされたものである。
本発明は、溶融炉の炉壁を構成する鉄皮の内側にこの鉄皮の内面から離間して配置され、この鉄皮を冷却するための冷却液体が流通する冷却流路を内蔵する銅又は銅合金製のステーブクーラ本体と、一端がこのステーブクーラ本体に固定され冷却流路への冷却液体の供給又は冷却流路からの冷却媒体の排出を行う給排液管と、この給排液管の一部を包囲しながらステーブクーラ本体側に配置される封止管と、この封止管の反ステーブクーラ本体側に配置され、かつ鉄皮の内面と当接される封止部材とを備えることを特徴とするステーブクーラである。
この本発明に係るステーブクーラでは、さらに、給排液管と封止管との間であって、ステーブクーラ本体と給排液管との固定部を被って固化されたアルカリ性流し込み剤を備えることが望ましい。
これらの本発明に係るステーブクーラでは、さらに、少なくとも封止管に固定されて、給排液管を支持するための支持部材を備えることが望ましい。
これらの本発明に係るステーブクーラを、溶融炉の鉄皮の内側における所定の位置に配置すればよい。
別の観点からは、本発明は、封止管を固定されたステーブクーラ本体を有するステーブクーラを、溶融炉の鉄皮の内側における所定の位置に配置する前に、この封止管の鉄皮側端面と鉄皮の内面との間に封止部材を介在させ、ステーブクーラ本体を所定の位置に配置する際には、封止部材を、封止管の鉄皮側端面及び鉄皮の内面のいずれにも当接させることにより、封止管の鉄皮側端面及び鉄皮の内面の間に形成される隙間を閉塞することを特徴とするステーブクーラの設置方法である。
(実施の形態1)
以下、本発明に係るステーブクーラ及びその設置方法を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、ステーブクーラを高炉設備に設置し、冷却液体が冷却水である場合を例に取る。
図1は、本実施の形態のステーブクーラ0は、ステーブクーラ本体1と、給排液管2、封止管3と、封止部材であるゴムスポンジ8とを備えるので、これらの構成要素を中心に説明する。
ステーブクーラ本体1は、銅又は銅合金からなる。図1では、ステーブクーラの上部のみ拡大して示すが、図示しない下部もこの上部と略同様に構成されている。
ステーブクーラ本体1には、上端面又は下端面から穿孔加工によって冷却流路13が設けられ、各端面の開口部にはプラグ14が装着されて封止される。このように、ステーブクーラ本体1には、鉄皮4を冷却するための冷却水が流通する冷却流路13が内蔵されており、これにより、ステーブクーラ本体1は鉄皮4を冷却することができる。
高炉の炉内面を形成するステーブクーラ本体1の内面には、凹凸状の溝が刻設されている。冷却水は図示しない下部の給排液管から流入し、冷却流路13を通り、この冷却流路13に連結する貫通孔15から上部の給排液管2に流出する。ステーブクーラ本体1と給排液管2とは、レ開先形状の溶接部6により接合される。
本実施の形態では、ステーブクーラ本体1の鉄皮4側に固定されるとともに、給排液管2の一部であって、ステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に存在することとなる部分を包囲する封止管であるシールパイプ3を備える。
さらに、シールパイプ3の鉄皮側端面に配置されて、シールパイプ3の鉄皮側の端面と鉄皮4の内面との双方に当接することにより、シールパイプ3の鉄皮側の端面と鉄皮4の内面との間に形成される隙間を封止するための封止部材を備える。以降の説明では、封止部材としてゴムスポンジ8を用いた場合を例にとる。
ゴムスポンジ8は、給排液管2の外径とおおよそ同一の内径を有し、シールパイプ3の外径より大きい外径を有する。以下、ゴムスポンジ8に要求する特性を説明する。
ゴムスポンジ8の圧縮代を見極めるべく確認実験を行った。図2は、この確認実験で用いた装置22の概要を示す説明図である。
この実験装置22は、ステーブクーラ本体1を模したケース1aが、鉄皮4を模した開口を有する蓋4aとフランジで密閉接続される構造となっている。ケース1a上部には、給排液管2に相当するパイプ2aと、シールパイプ3に相当するパイプ3aとが溶接により接合される。ドーナツ型のゴムスポンジ8をパイプ2aに嵌め込んだ状態で蓋4aをセットすると、予め決められた圧縮率でゴムスポンジ8を圧縮し、シール状態が確保される。圧縮率は、ゴムスポンジ8の厚さ、又はパイプ3aの長さを変えることによって変更できる。
このようにケース1aと蓋4aとをゴムスポンジ8を介してセットした状態で不定形耐火物流入口17より、図2に示すように不定形耐火物5を流し込む。さらに、圧入での圧力負荷を考慮して、加圧口18より圧縮空気等の気体で上部空洞部に圧力をかけることにより、シール部に不定形耐火物5を介して加圧することができ、実際の圧入と同様の条件を生み出すことが可能となる。加圧の圧力は、加圧口18に設置した減圧弁19及び圧力計20で調整し、調整後は遮蔽バルブ21を閉止して圧力を保つ。この状態で約15分間放置し、蓋4aの開口部からの漏れ状況を確認し、最適なゴムスポンジ8の圧縮率を見い出した。
図3は、実験結果を示すグラフである。図3のグラフでは、実際に圧入作業で負荷する圧入圧力0.3MPaを器具内に負荷したときの、ゴムスポンジ8からの漏洩の有無を確認し、縦軸にゴムスポンジ8の硬度をとるとともに横軸に圧縮率をとり、漏洩の有無をプロットした。なお、ゴムスポンジ8の硬度はJIS K 6253のタイプEデュロメータ硬さ試験に準拠して測定されたものである。
ゴムスポンジ8を使用しない場合には、シールパイプ3に相当するパイプ3aと
鉄皮4を模した開口を有する蓋4aとが直接に接するため、圧入圧力0.3MPaを器具内に負荷したときには、不定形耐火物5の漏洩が顕著であった。ゴムスポンジ8を使用した場合には、実用上問題にならない程度の少量の漏洩に抑制でき、問題となるような顕著な漏洩は防止できた。
図3にグラフで示す結果より、漏洩を完全に防止するためには、硬度40の場合には圧縮率25%%以上を確保し、硬度30の場合には圧縮率50%以上を確保し、さらに、硬度25の場合には圧縮率70%以上を確保することが望ましいことが分かった。
このように、ゴムスポンジ8の圧縮率は、ゴムスポンジ8の硬度に依存するが、例えば硬度40で背面圧入の圧力を0.3MPaとした場合には、25%程度が適当である。
なお、図3のグラフに示すように、ゴムスポンジ8の硬度(Hd)と圧縮率(%)との関係は、硬度≧(500/圧縮率)+20の関係を満足することが、漏洩を完全に防止するためには望ましい。
以上の説明では、封止部材としてゴムスポンジ8を用いた場合を例にとったが、ゴムスポンジ以外にもポリウレタンやポリエチレンにより代替して用いることができる。つまり、本発明における封止部材は、シールパイプ3の鉄皮4側の端面と鉄皮4の内面との間に配置されて、ステーブクーラ本体1の背面と鉄皮4の内面との間に流し込み又は圧入等される不定形耐火材等が、鉄皮4に設けた貫通孔から外部へ流出することを防止し得る部材であればよく、特定の部材には限定されない。
さらに、図1に示すように、本発明のステーブクーラでは、給排液管2とシールパイプ3との間に、固化されたアルカリ性流し込み剤9を備えることが、望ましい。
すなわち、ステーブクーラ本体1の炉内面を鉛直下にした状態で、シールパイプ3内にモルタル等の充填材9を操業前に予め注入する。これにより、以下に列記する効果が奏せられる。
一つは、モルタル等のアルカリ性流し込み剤9は、硬化後アルカリ性に保たれるため、金属製部品の腐食を防止できる。さらにステーブクーラ本体1は、背面側に給排液管2等の突起を一般的に有するため、炉内面を下にして保管される。また、給排水管2等の突起物があるために、段積みすることが困難であり、しばしば平積み状態で保管される。このため、高炉の新設や改修等の大がかりな工事では、高炉1に装着する多量のステーブクーラを保管する屋根付き倉庫を確保することは極めて困難であることから、やむなく野積みでしかも長期間保管せざるを得ないことが多々ある。この場合、給排液管2とシールパイプ3との間、すなわち給排液管2とステーブクーラ本体1の溶接部6は、雨水によって水没することになり、腐食にとっては極めて不利な状態になる。このため、モルタル等のアルカリ性充填材9を充填することは、溶接部6を水没から回避するためにも極めて有効な手段となる。
もう一つは、給排液管2とシールパイプ3とをモルタル等のアルカリ性充填剤9で連結させることにより、固定部の強度をさらに向上させることができ、高炉の炉内の熱負荷変動によるステーブクーラ本体1の熱変形に対する、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6の抵抗性を高めることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。以下の説明は、上述した実施の形態1と相違する部分のみ説明し、重複する説明は省略する。
図4は、本実施の形態の取付け構造を示す説明図であり、図4(a)は本実施の形態のステーブクーラ23の取付け構造を示す部分断面図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A断面図である。
本実施の形態が上述した実施の形態1と相違するのは、給排水管2とシールパイプ3の少なくとも一方に固定されて給排水管2を支持するための支持部材16を備える点である。
図4に示すように、実施の形態1で用いたモルタル9(図2では図示しない)とともに、給排液管2を支持するための支持部材であるステー16を追加する。
ステー16を追加することにより、モルタル9を単独で用いる場合よりもさらに、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6に負荷される繰り返し応力を緩和することができる。また、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6から遠ざけること、すなわちシールパイプ3の先端付近にステー16を設けることにより、溶接部6に作用するモーメントを緩和することも可能となる。
なお、ステー16は必ずしもシールパイプ3及び給排水管2の両方に固定しておく必要はなく、少なくとも一方に固定しておけばよい。図2は、シールパイプ3に固定した例を示す。
なお、ステー16を設けるとともにモルタル9を施工しないようにしてもよい。これにより、モルタル9を施工することによる工数やコストの増加を抑制することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を説明する。以下の説明は、本発明のステーブクーラを高炉の鉄皮に取付ける方法を説明する。
図5は、本発明のステーブクーラを高炉の鉄皮に取付けた構造を示す部分断面図である。図5では、ステーブクーラ本体1の上部のみ拡大して示すが、図示しない下部もこの上部と略同様に取付けられる。
ステーブクーラ本体1の鉄皮4側の背面には取付ボルト10がねじ止めされ、さらにその取付ボルト10の周りには同心円上にスペーサパイプ11が設けられる。これにより、ステーブクーラ本体1を鉄皮4の所定位置に据え、取付ボルト10を締め込むことによってスペーサパイプ11が鉄皮4とステーブクーラ本体1との間に挟み込まれるようになって、決められた背面距離(ステーブクーラ本体1の背面と鉄皮4の内面との間の距離)が保たれ、鉄皮4に保持される。このようにして、ステーブクーラ本体1は、高炉の炉壁を構成する鉄皮4の内側にこの鉄皮4の内面から離間して配置される。
さらに、高炉の炉内面を形成するステーブクーラ本体1の内面には、凹凸状の溝が刻設されており、この溝に耐火材料12が装着される。
一方、給排液管2は、ステーブクーラ本体1に溶接部6によりシール溶接接合された一端と反対側の他端は、鉄皮4を貫通して延設されて鉄皮4の外部に位置する。
さらに、給排液管2の鉄皮4の外部には、鉄皮4とのシール接合に伸縮管7を用いる。これにより、給排液管2の変位追従性を高めることができ、伸縮管7が炉内熱変動を吸収するので、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6への応力緩和を図っている。
このようにして、給排液管2は、冷却流路13への冷却液体の供給又は冷却流路13からの冷却媒体の排出を行う。
図5に示すように、本実施の形態では、給排液管2のうちでステーブクーラ本体1と鉄皮4との間に形成される空間に存在する部分を包囲する封止管であるシールパイプ3が、ステーブクーラ本体1に配置される。本実施の形態のステーブクーラ0の取付け構造では、シールパイプ3の反ステーブクーラ本体1側の端面と鉄皮4の内面との間に、ゴムスポンジ8を挟み込まれた状態で配置される。ドーナツ状のゴムスポンジ8は、予め給排液管2に嵌め込んだ状態で鉄皮4の内面からステーブクーラ本体1を配置して据え付けることによって、もしくは、給排液管2を通すための貫通孔と中心部を合わせるように配置しておくことができる。予め自然とシールパイプ3と鉄皮4とによってシールに必要な圧縮率で圧縮されるように、シールパイプ3の長さを決めておくことにより、鉄皮4とシールパイプ3との間に挟み込むことができる。
このように、本実施の形態では、鉄皮4の内側の所定の高さに、上述した本発明に係るステーブクーラ0を配置し、ゴムスポンジ8を鉄皮の内面に当接させながら、鉄皮4の貫通孔から給排液管2を鉄皮4外側へ貫通させてステーブクーラ0を所定の位置へ配置する。
本実施の形態により、以下に列記する効果(i)〜(iv)が奏せられる。
(i)シールパイプ3と鉄皮4とに挟み込むようにゴムスポンジ8を介在させることによってステーブクーラ1と鉄皮4の間に圧入される不定形耐火材5が鉄皮4の開口から流出することを防止できる。したがって、シールのための施行コストを削減できるとともに、伸縮管7の本来機能である炉内熱変動を吸収することが可能になるので、給排液管2とステーブクーラ本体1との溶接部6への応力緩和が図ることができる。
(ii)シールパイプ3内にモルタル等のアルカリ性充填材9を予め注入することにより、給排液管2とステーブクーラ本体1の溶接部6を腐食から守り、また溶接部6への繰り返し応力を緩和することができる。
(iii)シールパイプ3と給排液管2との間に支持部材を備えることにより、給排液管2とステーブクーラ本体1の溶接部6への繰り返し応力を緩和することができる。
(iv)項目(i)に加えて、項目(ii)および/または項目(iii)を併用することで、さらに溶接部6を腐食・応力破壊から保護することができる。
このようにして本実施の形態によれば、簡素な手段で長期間に渡る使用にも十分に耐え得るステーブクーラ及びその設置方法を提供できる。
さらに、図5により示す設置方法とは異なり、ゴムスポンジ8をシールパイプ3の端面に装着せずに、鉄皮4の内面に予め貼付しておき、ゴムスポンジ8を装着させていないステーブクーラを、鉄皮4の内部の所定の位置に配置することにより、図5に示すように配置してもよい。すなわち、シールパイプ3を固定されたステーブクーラ本体1を有するステーブクーラ0’を鉄皮4の内側の所定の位置に配置する前に、鉄皮4の内面に予め貼付することによってシールパイプ3の鉄皮4側の端面と鉄皮4の内面との間にゴムスポンジ8を介在させておき、ステーブクーラ本体1を所定の位置に配置する際には、このゴムスポンジ8をシールパイプ3の鉄皮4側の端面および鉄皮4の内面のいずれにも当接させて、シールパイプ3の鉄皮4側の端面および鉄皮4の内面に形成される隙間を塞ぐようにして施工してもよい。このような施工によっても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
本発明によるステーブクーラを示す部分断面図である。 実施の形態2の取付け構造を示す説明図であり、図3(a)はステーブクーラの取付け構造を示す部分断面図であり、図3(b)は図3(a)におけるA−A断面図である。 確認実験で用いた装置の概要を示す説明図である。 実験結果を示すグラフである。 本発明によるステーブクーラの取付け構造を示す部分断面図である。 特許文献1により開示されたステーブクーラを示す断面図である。 特許文献1により開示されたステーブクーラの取付け構造を示す断面図である。 特許文献2により開示されたステーブクーラの給排液管の溶接部付近を拡大して示す断面図である。
符号の説明
0 :ステーブクーラ
1 :ステーブクーラ本体
1a:ケース
2 :給排液管
2a:パイプ
3 :シールパイプ
3a:パイプ
4 :鉄皮
4a:蓋
5 :不定形耐火物
6 :溶接部
7 :伸縮管
8 :ゴムスポンジ
9 :モルタル等充填材
10 :取付ボルト
11 :スペーサパイプ
12 :耐火材料
13 :冷却流路
14 :プラグ
15 :貫通孔
16 :ステー
17 :流し込み材投入孔
18 :加圧口
19 :減圧弁
20 :圧力計
21 :遮蔽バルブ

Claims (4)

  1. 溶融炉の炉壁を構成する鉄皮の内側に該鉄皮の内面から離間して配置され、該鉄皮を冷却するための冷却液体が流通する冷却流路を内蔵する銅又は銅合金製のステーブクーラ本体と、一端が該ステーブクーラ本体に接合され前記冷却流路への冷却液体の供給又は前記冷却流路からの冷却媒体の排出を行う給排液管と、該給排液管の一部を包囲しながら前記ステーブクーラ本体側に配置される封止管と、該封止管の反ステーブクーラ本体側に配置され、かつ前記鉄皮の内面と当接される封止部材とを備えることを特徴とするステーブクーラ。
  2. さらに、前記給排液管と前記封止管との間であって、前記ステーブクーラ本体と前記給排液管との接合部を被って固化されるアルカリ性流し込み剤を備えることを特徴とする請求項1に記載されたステーブクーラ。
  3. さらに、前記封止管に固定されて、該給排液管を支持するための支持部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたステーブクーラ。
  4. 封止管を固定されたステーブクーラ本体を有するステーブクーラを、溶融炉の鉄皮の内側における所定の位置に配置する前に、該封止管の鉄皮側端面と前記鉄皮の内面との間に封止部材を介在させ、前記ステーブクーラ本体を前記所定の位置に配置する際には、前記封止部材を、前記封止管の鉄皮側端面及び前記鉄皮の内面のいずれにも当接させることにより、前記封止管の鉄皮側端面及び前記鉄皮の内面の間に形成される隙間を閉塞することを特徴とするステーブクーラの設置方法。
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