JP4690196B2 - 復活技術によって生成された炭疽菌毒素に対する中和ヒト抗体 - Google Patents

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Description

本発明は、完全ヒトモノクローナル抗体の分野、その製造方法、ならびに炭疽菌の予防および治療への応用におけるそれらの使用に関する。より詳しくは、炭疽菌防御抗原(PA)毒素に対して結合特異性を有する抗体が提供される。
炭疽菌は、世界の多くの地方特有の人畜共通土壌生物である。炭疽菌生物は、開発された最初の細菌戦争剤の1つであり、この点で重大な脅威であり続ける。ワクチン株が開発されているが、現在、それらの効力および入手可能性に関して懸念がある。受動免疫法は、中期保護を付与するのに役立つかもしれず、また、抗生物質治療だけが有効な時点の後、治療法を捜し求める免疫のない患者にも有益である可能性がある。Casadevall,A.、Emerging Infectious Diseases,8:8(2002);Maynard,J.Aら、Nature Biotechnology,20:597(2002)。哺乳類により吸入された後、炭疽菌胞子は肺胞マクロファージ内で発芽し、その後リンパ節に移動し、そこで増殖して血流に入る。増殖期の細菌は、疾患の病因となる3部からなる外毒素を排出する。莢膜に加えて、炭疽菌の毒性株は、1組の3つの異なる抗原タンパク質成分、すなわち防御抗原(PA)、浮腫因子(EF)および致死因子(LF)を分泌する。PAはLFまたはEFのいずれかと結合して、致死毒素(LeTx)または浮腫毒素(EdTx)を形成することができる。ひとまとめにして、これらの2つの毒素は、炭疽菌毒素と呼ばれる複合外毒素と見なされる。毒素の各成分は、80kDaを超える分子量の熱不安定性のタンパク質である。浮腫因子(EF)は、炭疽菌感染で見られる浮腫の原因であるアデニル酸シクラーゼである。致死因子(LF)は、マクロファージに対する炭疽菌毒素の致死作用に必須である亜鉛メタロプロテアーゼである。防御抗原(PA)は炭疽菌毒素の結合領域を含み、これは、最近特定された細胞表面の受容体に結合して、エンドサイトーシスによる細胞内へのLFまたはEFの移動を可能にする。
hu−PBL−SCID系が復活(recall)抗体反応を得るために使用することができるという証拠は、Mosierおよび共同研究者による方法の最初の発表に遡る。Mosierら、Nature 335:256(1988)。この報告では、ヒトPBLを植え付けたマウスに破傷風トキソイドを投与し、破傷風に対するヒト抗体が免疫化後の血清中で見つかった。この最初の報告以来、世界中の様々な研究室の多くの研究者がhu−PBL−SCID系を使用して、多数の抗原に対するヒト復活抗体反応の態様を検討してきた。Nonoyama,S.ら、J.Immunol.,151:3894(1993);Walker,W.ら、Eur.J.Immunol.,25:1425(1995);Else,K.J.およびBetts.C.J.、Parasite Immunology 19:485(1997)。しかし、そのような植え付けられたマウスからの有用なモノクローナル抗体の生成を記載している報告は散発的である。Satoh,N.ら、Immunology Letters 47:113(1995);Duchosal,M.A.ら、Letters To Nature:258(1991);Smithson,S.L.ら、Molecular Immunology 36:113(1999);Coccia,M.A.およびP.Brams、Amer.Assoc.Immunologists:5772(1998);Nguyen,H.ら、Microbiol.Immunol.41:901(1997);およびUchibayashi,N.ら、Hybridoma 14:313(1995)。
したがって、特定の抗原に特異的なヒトモノクローナル抗体を産生する有効な方法が依然として必要である。さらに、炭疽菌毒素に特異的なヒトモノクローナル抗体が依然として必要である。
本発明のいくつかの実施形態の目的は、3部からなる炭疽菌外毒素のPA成分に結合する抗体を提供することである。これらの抗体は、単剤として、またはカクテル中、組み合わせられて防護を与える。他の目的は、一連の完全ヒト抗炭疽菌PA毒素抗体を生成する方法を提供することである。
一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を特異的に認識する、完全ヒトモノクローナル抗体またはその断片が開示される。一変形形態では、炭疽菌外毒素の一部は、防御抗原(PA)、致死因子(LF)および浮腫因子(EF)からなる群から選択される。
好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片は図5に示すアミノ酸配列を含んでいる免疫グロブリン重鎖を含む。一変形形態では、前記免疫グロブリンまたはその断片は、図5に示すヌクレオチド配列によってコードされている。
他の実施形態では、前記免疫グロブリンまたはその断片は、CDR1、CDR2およびCDR3を含む免疫グロブリン重鎖を含み、CDR1は図5に示すアミノ酸配列からなり、CDR2は図5に示すアミノ酸配列からなり、CDR3は図5に示すアミノ酸配列からなる。一変形形態では、免疫グロブリンのCDR1、CDR2およびCDR3領域は、それぞれ図5に示すヌクレオチド配列によってコードされている。
他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片は図6に示すアミノ酸配列を含んでいる免疫グロブリン軽鎖を含む。一変形形態では、前記免疫グロブリンまたはその断片は、図6に示すヌクレオチド配列によってコードされている。
他の実施形態では、前記免疫グロブリンまたはその断片は、CDR1、CDR2およびCDR3を含む免疫グロブリン軽鎖を含み、CDR1は図6に示すアミノ酸配列からなり、CDR2は図6に示すアミノ酸配列からなり、CDR3は図6に示すアミノ酸配列からなる。一変形形態では、免疫グロブリンのCDR1、CDR2およびCDR3領域は、それぞれ図6に示すヌクレオチド配列によってコードされている。
本発明の好ましい一実施形態では、完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片は、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する一本鎖である。
好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片はCDR1、CDR2およびCDR3からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域を含む免疫グロブリン重鎖を含み、CDR1は図5に示すアミノ酸配列からなり、CDR2は図5に示すアミノ酸配列からなり、CDR3は図5に示すアミノ酸配列からなる。
好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片はCDR1、CDR2およびCDR3からなる群から選択される少なくとも1つの相補性決定領域を含む免疫グロブリン軽鎖を含み、CDR1は図6に示すアミノ酸配列からなり、CDR2は図6に示すアミノ酸配列からなり、CDR3は図6に示すアミノ酸配列からなる。
他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片は図8に示すアミノ酸配列を含んでいる免疫グロブリン重鎖または軽鎖を含む。
他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片は図9に示すアミノ酸配列を含んでいる免疫グロブリン重鎖または軽鎖を含む。
他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片が開示され、前記免疫グロブリンまたはその断片は図10に示すアミノ酸配列を含んでいる免疫グロブリン重鎖または軽鎖を含む。
本発明の他の実施形態に従い、図5および図6にそれぞれ示すヌクレオチド配列が開示される。これらのヌクレオチド配列は、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をそれぞれコードする。
本発明の他の実施形態に従い、図8に示すヌクレオチド配列が開示される。これらのヌクレオチド配列は、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をそれぞれコードする。
本発明の他の実施形態に従い、図9に示すヌクレオチド配列が開示される。これらのヌクレオチド配列は、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をそれぞれコードする。
本発明の他の実施形態に従い、図10に示すヌクレオチド配列が開示される。これらのヌクレオチド配列は、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒト免疫グロブリンまたはその断片の重鎖可変領域および軽鎖可変領域をそれぞれコードする。
本発明の他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の少なくとも一部を特異的に認識する完全ヒトモノクローナル抗体を生成する方法が開示される。この方法は、炭疽菌に曝露された1人以上のヒトドナーからの末梢血単核細胞を免疫無防備状態の動物に投与することと、前記動物から少なくとも1つのリンパ球細胞を単離することと、前記少なくとも1つのリンパ球細胞をハイブリドーマ融合パートナーと融合させ、それによって完全ヒトモノクローナル抗体を生成することとを含む。
上記の方法の変形形態では、この方法は、生成された抗体をスクリーニングすること、前記リンパ球細胞の少なくとも一部をEBVで形質転換すること、試験採血を使用して動物の免疫反応を特徴付けること、動物に炭疽菌抗原のブースター注射を1回以上行うこと、動物に抗CD8注射を1回以上行うこと、望ましくない細胞を逆選択する二重選択法を使用することをさらに含むことができ、前記二重選択法はHAT選択を使用すること、またはウアバインを使用することを含む。
この方法の更なる変形形態では、前記ヒトドナーは炭疽菌ワクチン接種されたドナーであり、および/または、前記ヒトドナーは炭疽菌に偶然に曝露された者である。
好ましい実施形態では、前記動物はSCIDマウスである。
好ましくは、前記ハイブリドーマ融合パートナーはマウス骨髄腫MOPC21に由来する。一実施形態では、前記ハイブリドーマ融合パートナーは骨髄腫である。他の一実施形態では、前記ハイブリドーマ融合パートナーはP3x63Ag8.653である。
好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素の一部は、PA、LFおよびEFからなる群から選択される。
本発明の他の好ましい一実施形態に従って、ヒトの受容体上での炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)の集合を妨げる方法が開示される。好ましくは、この方法は、そのようなヒトに図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの抗体を投与することを含む。
本発明の他の一実施形態に従って、哺乳類に炭疽菌に対するワクチン接種をするための薬剤組成物が開示される。この薬剤組成物は、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体を含む。
本発明の他の一実施形態に従って、炭疽菌外毒素に曝露された哺乳類を治療するための薬剤組成物が開示される。この薬剤組成物は、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体を含む。
他の一実施形態では、哺乳類に炭疽菌に対するワクチン接種をする方法が開示される。この方法は、哺乳類に対して、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体の免疫量を投与することを含む。
炭疽菌に曝露された哺乳類を治療する方法も開示される。この方法は、哺乳類に対して、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体の治療量を投与することを含む。
本発明の他の一実施形態に従って、試料中の炭疽菌外毒素の存在を確認する方法が開示される。この方法は、前記試料の少なくとも一部を、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体と接触させることと、前記試料中の炭疽菌の存在の指標である、炭疽菌外毒素と抗体との結合を測定することを含む。
試料中の炭疽菌外毒素の存在を確認するためのキットも開示される。このキットは、図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの完全ヒトモノクローナル抗体と、前記試料中の炭疽菌の存在の指標である、炭疽菌外毒素と抗体との結合を測定するためのアッセイシステムを含む。
図5、6、8、9および10に記載されているものを含む上記の免疫グロブリンまたはその断片のいずれかの他の好ましい一実施形態では、炭疽菌外毒素は3部からなる。一変形形態では、前記外毒素は天然のものか、または合成されたものである。
3部からなる炭疽菌外毒素の1つ以上の構成要素に結合する抗体、前記抗体の製造方法、および前記抗体の使用方法が提供される。いくつかの実施形態においては、これらの抗体は単剤として、またはカクテル中、組み合わせられて防護を与える。本明細書で定義される炭疽菌は、その通常の意味が与えられているものとし、また、合成物であろうが天然物であろうが、3部からなる炭疽菌毒素を含むものとし、また広義に定義されて、合成物であろうが天然物であろうが、以下の構成要素、すなわち防御抗原(PA)、致死因子(LF)および浮腫因子(EF)の1つ以上を含むものとする。したがって、「炭疽菌」に対する抗体は、炭疽菌毒素の1つ以上の構成要素のいかなる部分に対する抗体も含むものとする。さらに、本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに異なった規定をしていない限り、複数形を含む。したがって、例えば「宿主細胞(a host cell)」と言うときは、複数のそのような宿主細胞を含み、「抗体(an antibody)」と言うときは、当業者に公知の1つ以上の抗体およびその同等物にも言及している。
図1に一般的に示されているように、一実施形態では、炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)の少なくとも一部を特異的に認識する完全ヒトモノクローナル抗体を調製する方法が提供される。一実施形態では、この方法は、ヒトドナーから末梢血単核細胞を得ることを含む。ドナーから末梢血単核細胞を得た後、これらの血球を免疫無防備状態の動物に投与する。リンパ球細胞を単離し、ハイブリドーマ融合パートナーと融合させる。
好ましい一実施形態では、炭疽菌に曝露されたドナーからの血球を得る。そのような曝露は、曝露によって自然に起こったものでもよいし、ワクチン接種によって起こったものでもよい。さらに、一実施形態では、曝露はドナーの血球を得る数十年前、数年前または数日前に起こったものであってもよい。一実施形態では、前記曝露の「記憶」が捕えられるか呼び戻され、移植SCIDマウスを免疫化することによって選択可能に拡張される。したがって、好ましい一実施形態においては、前記復活技術(recall technology)は、ヒトモノクローナル抗体を生成するために使用される。一実施形態では、ヒトドナーは、炭疽菌に対するワクチン接種をされている。炭疽菌または他の標的抗原に「予め曝露されていた」ヒト血球の使用は、驚くべき、予期しない利点をもたらす。これらの利点には、親和性がより高く、特異性がより高く、中和能がより強力な抗体の生成が含まれる。
他の一実施形態では、曝露されていない、または実験、投薬を受けてない血球が使用される。一実施形態では、曝露されていない血球は、免疫不全のマウスへの移植前に、ex vivoまたはin vitroで炭疽菌に曝露される。このようにして、最初は曝露されていない細胞が曝露された細胞に形質転換され、上述の復活技術に従って使用することができる。
好ましい一実施形態では、末梢血単核細胞はドナーから得られる。他の一実施形態では、他の細胞型、例えば、それらに限定されないが、リンパ球、脾細胞、骨髄、リンパ節細胞および免疫細胞などが得られる。
一実施形態では、血球は免疫無防備状態または免疫不全の動物に投与される。一実施形態では、この動物はSCIDマウスである。
本発明の一態様では、動物の免疫反応が試験採血を使用して特徴付けされる。他の一実施形態では、生成された抗体はスクリーニングされて単離される。さらなる他の一実施形態では、リンパ球細胞はEBVで形質転換される。一実施形態では、免疫無防備状態の動物に炭疽菌抗原のブースター注射が1回以上行われる。他の一実施形態では、動物に抗ヒトCD8注射が1回以上行われる。さらなる他の態様では、望ましくない細胞を逆選択する二重選択法が使用され、これにはHATおよびウアバインの使用が含まれるが、これに限定されるものではない。本発明の一実施形態では、ハイブリドーマ融合パートナーは、マウス骨髄腫P3x63Ag8.653である。本発明の他の一実施形態では、ハイブリドーマ融合パートナーはマウス骨髄腫P3x63Ag8.653に由来する。
本発明の一実施形態では、一連のヒト抗炭疽菌PA毒素抗体が提供される。一実施形態では、モノクローナル抗体(IJ8:21D9または「21D9」)が提供される。図4に示されるように、抗体21D9は、RAW細胞アッセイにおいて、毒性抑制に有効であった。抗体21D9はまた、in vitroで、マウスマクロファージ細胞系を毒素攻撃から保護することも示された。21D9のIC50値は、ピコモルの範囲にあり、また投入PA毒素とほぼ等モルの化学量論にあることがわかった。BiaCore分析で測定した平衡解離定数(K)は、この実施形態が抗原と、ピコモルの範囲で、高親和性で結合することを明らかにした。21D9ハイブリドーマの重鎖および軽鎖cDNAから導かれたアミノ酸配列は、公知のVHおよびVL遺伝子ファミリーへの帰属を許したが、これらの生殖細胞系配列からの著しい変化も観察され、それによって体細胞超変異の発生を示していた。一実施形態では、21D9が保護を与えるメカニズムも提供される。抗体21D9、および本明細書に記載される他の抗体は、炭疽菌A級細菌戦毒素の予防および治療のためのin vivoでのヒトの使用のために使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、炭疽菌感染を予防するための方法が提供される。一実施形態では、炭疽菌感染を予防するために哺乳類にワクチン接種をする方法が提供される。他の一実施形態では、炭疽菌に曝露された哺乳類を治療する方法が提供される。
一実施形態では、抗体22G12、およびこれを製造および使用する方法が提供される。他の一実施形態では、抗体1C6、およびこれを製造および使用する方法が提供される。他の一実施形態では、抗体4H7、およびこれを製造および使用する方法が提供される。
好ましい実施形態では、炭疽菌外毒素の構成要素またはその構成要素の組合せに特異的に結合する完全ヒトモノクローナル抗体が提供される。炭疽菌外毒素は3部からなる形態でもよく、また、炭疽菌毒素は天然のものでも、合成されたものでもよい。3部からなる形態では、炭疽菌外毒素は防御抗原(PA)、浮腫因子(EF)および致死因子(LF)を含む。
好ましい実施形態では、抗体産生細胞から抗体可変領域をコードしている遺伝子を取り出し、全IgG/κまたはIgG/λを産生する安定組換え細胞株を確立することによって、モノクローナル抗体が生産される。一実施形態では、免疫動物から回収される抗体産生細胞は、適当な融合パートナーと細胞融合させられる。得られたハイブリドーマは、次いで、生産された抗体の活性に関してスクリーニングされる。選択されたハイブリドーマは、まず、3部からなる炭疽菌外毒素の構成要素との結合活性に関してスクリーニングされる。一実施形態では、ハイブリドーマは、ELISA試験などのイムノアッセイおよびバイオアッセイにおけるPA、LFおよび/またはEFタンパク質との結合能に基づいて選択される。一実施形態では、ハイブリドーマはバイオアッセイにおいて保護作用を示す。陽性ウェルからの細胞は、mRNAを単離するために使用される。mRNAから、cDNAが逆転写される。CH1ドメインまたは軽鎖のフレームワーク4のプライマーおよび逆方向プライマーのどちらかを使用して、可変ドメインがPCR増幅される。
一実施形態では、PA、LFおよび/またはEFとの所望の結合活性を有する抗体の可変領域を構成しているアミノ酸配列、およびこれらをコードするヌクレオチド配列が提供される。いくつかの実施形態では、図5、6、8、9および10に示されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を含んでいる免疫グロブリン可変領域が提供される。図5は、21D9 MAb重鎖可変領域のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す。図6は、21D9 MAb軽鎖可変領域のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す。他の一実施形態では、図5および図6に示すヌクレオチド配列を含んでいる免疫グロブリン可変領域をコードするcDNAが提供される。一実施形態では、これらのアミノ酸配列またはcDNAヌクレオチド配列は必ずしも同一ではなく、PA、LFおよび/またはEFに対する特異的結合活性が維持される限り変化してもよい。他の一実施形態では、ヌクレオチド配列の変形形態が提供される。後で記載するように、いくつかの実施形態では、CDRに対応する部位は非常に変異しやすい。CDR領域では、ときには全てのアミノ酸が変化することがある。
一実施形態では、各免疫グロブリン分子は、分子量のより大きい重鎖と、分子量のより小さな軽鎖とからなる。重鎖および軽鎖はそれぞれ、N末端に約110のアミノ酸残基の「可変領域」と呼ばれる領域を有し、それらは分子間で異なる。重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、VHおよびVLと称される。抗原結合部位は、重鎖可変領域VHと軽鎖可変領域VLの間の静電的相互作用を通して二量体を形成することによって形成される。可変領域は、3つの相補性決定領域(CDR)および4つのフレームワークからなる。CDRは抗原分子と相補性立体構造を形成し、抗体の特異性を決定する。4つのフレームワーク領域(FR)の間に挿入された3つのCDRは、可変領域においてモザイク状に存在する(E.A.Kabatら、Sequences of proteins of immunological interest,vol.1、第5版、NIH Publication、1991年)。FRのアミノ酸配列はよく保存されているが、CDRのアミノ酸配列は非常に変化しやすく、したがって超可変領域と呼ばれることがある。一部の実施形態では、PA、LFおよび/またはEFを特異的に認識する抗体のアミノ酸配列の中で、抗原への結合活性を決定するCDRが提供される。好ましい実施形態では、図5および図6に示され、その図に応じてラベルされているCDRが提供される。
免疫グロブリン分子の可変領域をコードしているヌクレオチド配列をもつcDNAは、3部からなる炭疽菌外毒素のPA、LFおよび/またはEFに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマからクローニングすることができる。配列を増幅するために、PCRを実施することができる。活性クローンを確認するために、ELISAを使用して、3部からなる炭疽菌外毒素のPA、LFおよび/またはEFとの結合を決定することができる。3部からなる炭疽菌外毒素のPA、LFおよび/またはEFに結合することができる抗体の親和性に関するさらなる研究は、結合親和力および結合動態を測定するためのBiaCore(BiaCore、Piscataway、NJ)表面プラズモン共鳴装置などの装置を使用した動態学的および熱力学的研究で決定することができる。したがって、一実施形態では、特定のcDNA配列が提供される。
一実施形態では、炭疽菌外毒素のPA構成要素のオリゴマー化を妨げることができるモノクローナル抗体が提供される。したがって、好ましい実施形態のモノクローナル抗体は、予防的または治療的な用途を有することができる。好ましいモノクローナル抗体は、炭疽菌に対しての哺乳類のワクチン接種として、または炭疽菌外毒素に曝露された哺乳類の治療法としての薬剤組成物で使用することができる。したがって、好ましい実施形態では、哺乳類に炭疽菌に対するワクチン接種をする方法および/または炭疽菌に曝露された哺乳類を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態のモノクローナル抗体は、薬剤組成物として投与することができる。したがって、一実施形態では、抗体はいくつかの異なる経路により、例えば、それらには限定されないが、経口、非経口および局所的経路により投与することができる。本明細書で使用される用語「非経口」は、その通常の意味が与えられているものとし、また、それらには限定されないが、皮下、静脈内、動脈内の注射または注入法も含むものとする。本明細書で使用される用語「局所的」は、その通常の意味が与えられているものとし、また、皮膚ならびに口および鼻の粘膜というより一般的な経路と同様に、直腸投与および吸入スプレーによる投与も含むものとする。当業者ならば、投与すべき適当な投薬量を理解するであろう。薬剤組成物中の好ましい抗体の実際の投薬量レベルは、特定の患者に対して所望の治療反応を達成するために有効な好ましい抗体の量を投与するように変えることができる。選択される投薬量レベルは、その化合物の活性、投与経路、治療している病気の重篤度、および治療している患者の状態と以前の既往歴による。しかし、その化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるものより低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで、投薬量を徐々に増加させることは当業者の技術の範囲内である。所望により、有効な1日用量は、投与のために複数回投与に、例えば1日につき2〜4回の投与に分割することができる。しかし、いかなる特定の患者のための特定の用量レベルは、体重、全般的な健康状態、食事、投与時間および経路、他の薬剤との組合せ、ならびに治療しているその疾患の重篤度を含む様々な要因に依存することは理解されよう。本発明のいくつかの実施形態によれば、この医薬製剤は様々な形態、例えば、それらには限定されないが、注射液、坐薬、散剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤およびエリキシル剤をとることができる。
本発明の好ましい実施形態では、試料中の炭疽菌外毒素の存在を確認するためのキットが提供される。好ましいキットは、炭疽菌外毒素の構成要素の少なくとも一部を特異的に認識するモノクローナル抗体を含む。試料は、炭疽菌外毒素の構成要素の少なくとも一部を特異的に認識するモノクローナル抗体と接触させる。炭疽菌外毒素が存在するならば、炭疽菌外毒素とモノクローナル抗体との結合を測定することができる。
以下の開示は、本発明のいくつかの実施形態に従って化合物を製造するための好ましい方法を示す、具体的な実施例である。これらの実施例は、その範囲を限定するものではなく、むしろ好ましい実施形態を例示するものである。例えば、以下の実施例は炭疽菌に対する抗体の生成を記載しているが、他の抗原に対する抗体も以下に示す実施例に従って製造することができる。本明細書に記載されているプロトコルを適合するための様々な改変および変更は当業者ならば理解するであろう。
<実施例1>
間接ELISA
平底マイクロタイタープレート(Nunc F96 Maxisorp)を、PBS中、1μg/mLの濃度の炭疽菌防御抗原(PA)および致死因子(LF)(List Biological Laboratories(市、州))50μlで、4℃で一晩コーティングした。プレートはTween 20を0.1%加えたPBSで4回洗浄し、50μlの希釈血清を室温で1時間ウェルに加えた。プレートを前のように洗浄し、50μlの二次抗体、ヤギ抗ヒトIgG,Fcγ特異的−HRP(Jackson Immuno Research 109−036−098)またはヤギ抗ヒトIgM,Fc5μ特異的−HRP(Jackson Immuno Research 109−036−043)を加え、室温で1時間インキュベートした。もう1回の洗浄工程の後、クエン酸緩衝剤(pH5.0で0.025M)中、OPD(O−フェニレンジアミンジヒドロクロリド)を0.4mg/mL含む基質溶液100μLを加えた。15分後に、25μlの3N HClを加えて反応を停止し、その後、プレートをマイクロプレートリーダー(VersaMax、Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で、490nmで読み取った。
<実施例2>
RAW264.7細胞株 in vitro バイオアッセイ
抗血清中の炭疽菌毒素PAおよび/またはLFに対する中和(保護)抗体の存在を、マウスマクロファージRAW264.7標的細胞株を用いたin vitro保護バイオアッセイを使用して測定した。Hanna,P.ら、Microbiology 90:10198(1993)。PA(100ng/ml)およびLF(50ng/ml)は、10%のウシ胎仔血清、2mMのL−グルタミン、100IU/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを加えたDMEM培地の有効体積100μl中、37℃で30分間、示された抗血清希釈液と共にプレインキュベートした。その後、この100μl体積を、100μlの同じ培地中で1×10のRAW264.7細胞/ウェルを含む96ウェル平底組織培養プレートに移した。培養物は、37℃で3時間インキュベートした。ウェルは、培地で2回洗浄した。残りの付着している細胞を溶解し、解離した乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルをCytoTox 96キット(Cat#PAG1780 Promega、Madison、WI)を使用して測定した。簡単に言うと、10μlの溶解液を1ウェルにつき100μlの培地に加え、その混合物を5%CO、37℃の加湿チャンバー内で45分間インキュベートした。溶解物のアリコート(50μl)を新しいプレートに移し、50μlのアッセイ緩衝液を加えた。プレートは30分間インキュベートした。その後、50μlの停止液を加えた。プレートは、Tecan Spectra Fluor(Zurich、Switzerland)リーダーを使用して490nmで読み取った。
<実施例3>
炭疽菌ワクチン接種されたドナーからのヒトPBMCのSCIDマウスへの移植
末梢血単核細胞は、Histopaque,1077−1(Sigma、St.Louis、MO)を使用した密度勾配により、炭疽菌ワクチン接種されたドナーの全血から濃縮した。本発明のいくつかの実施形態に従って、他の型の細胞も使用することができることを当業者は理解するであろう。典型的には、ドナーから1単位の血液を得た。12週齢の雌のSCID/bgマウスそれぞれに、2.5e7の単離されたヒトPBMCを移植した(腹腔内接種によって)。それらのマウスは、細胞外620ハイブリドーマ無血清培地(JRH、KS)および0.2mgの抗CD8抗体(さらなる精製をすることなく、直接使用された)を含む2mMのL−グルタミン中で成長させたOKT8マウスハイブリドーマからの調整培地1容量で同時に腹腔内投与した。これらのマウスは、ミョウバン(Imject(登録商標)、Pierce、Rockford、IL)に吸着させた各2μgのPAおよびLFの組合せで(腹腔内)免疫化され、その後、7日目、19日目および26日目にブースト(腹腔内注射)した。マウスには、7日目に、B95−8マーモセット細胞株の使用済み調整培養培地から得られた0.5mlのEBVを接種した。試験採血は、14日目および29日目に、眼窩洞から得た。42日目に融合のために細胞を採取し、また同時に、さらなる試験採血試料を得る前に、2つの連続した、PAおよびLFの腹腔内および静脈内ブーストを行った(生理食塩水に溶解したものを40日目および41日目にそれぞれの経路で5μg投与)。
<実施例4>
ヒトハイブリドーマの生成
脾細胞および大細胞リンパ腫(LCL)腫瘍を、42日目に、間接ELISAで陽性の試験採血を示したマウスから採取した。ヒトハイブリドーマは、Kearney JF、Radbruch A、Liesegang B、Rajewski K(1979年)に記載されているように、融合のためのP3x63Ag8.653:リンパ球の比率が1:3〜1:5となるように変更して、マウス骨髄腫P3x63Ag8.653をPEG−1500(Sigma、St.Louis、MO)と共に使用し、別々の融合体としてこれらから生成した。マウス骨髄腫細胞株は、免疫グロブリン発現を失っているが、抗体分泌ハイブリドーマ細胞株の構築を可能にする。J.Immunol 123:1548〜1558。
この例示的な方法ではP3x63ag8.653を使用したが、本発明の様々な実施形態に従って、いくつかの融合パートナー、例えば、それらには限定されないが、マウス骨髄腫MOPC21、トリオーマなどに由来する細胞を使用することができることを当業者は理解するであろう。EBV−LCLおよび融合していないP3x63ag8.653融合パートナーを逆選択する二重選択は、HAT選択およびウアバインの組合せを使用して実施した。濃度8μMのウアバイン(Sigma、St.Louis、MO)を使用した。本発明のいくつかの実施形態に従って、Na+/K+ ATPアーゼに干渉する他の毒または毒素も使用することができることを当業者は認めるであろう。加えて、他の選択方法も使用できることを当業者は理解するであろう。
<実施例5>
21D9ハイブリドーマ細胞の処理およびサブクローニング
融合の16日後に、96ウェルプレートからのハイブリドーマ上清を間接ELISAで試験した。1248ウェル(13プレート)中、約17ウェルは、PAについて初期陽性ELISAシグナルを示した。それらの全てはさらなる分析のために選択され、10%のFBS、20%のハイブリドーマクローニング因子(IGEN、Gaithersboug、MD)、5ng/mlのヒトIL6(I−188、Leico)、1×HT(Sigma)、1×ビタミン類(Omega)、1×ピルビン酸ナトリウム(Omega)、1×NEAA(Omega)、2×L−グルタミン(Omega)を加え、抗生物質を含まないRPMI(Omega、San Diego、CA)中の放射線を照射されたNHLF(Cat#CC−2512、Cambrix、Baltimore、MD)のフィーダー層上で、5細胞/ウェルでサブクローニングした。サブクローニングプレートは、10日後に、間接ELISAで試験した。陽性の強いウェルからの個々のコロニーは、先を引っ張って鋭くしたパスツールピペットを使用して、顕微鏡下、手で採取した。2週間後に、個々に採取したクローンを間接ELISAで再試験した。陽性細胞を回収し、免疫グロブリンをコードしている転写mRNAを逆転写して、cDNAを形成した。抗体21D9についての方法論が本明細書に記載されているが、本明細書に記載されている例示的な方法論が本明細書に記載され、クレームされている他の抗体を製造および試験するためにも使用できることを当業者は理解するであろう。
<実施例6>
可変領域21D9 IGGおよびIGKのcDNAクローニングおよび発現
総RNAは、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Valencia、CA)を使用し、特定のELISA陽性ハイブリドーマから調製した。VHおよびVLのcDNAの混合物を合成し、同じ試験管内でワンステップRT−PCRキット(Qiagen、Valencia、CA)を使用して増幅した。サイクルパラメーターは、50℃で35分間、95℃で15分間、1サイクル:94℃で30秒間、52℃で20秒間および72℃で1分15秒間を35サイクル、72℃で5分間であった。
RT−PCRのためにプライマーを使用した。これらのRT−PCRのために使用したプライマーは以下のものである。
Figure 0004690196
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Figure 0004690196
RT−PCRの後に、高フィデリティ白金PCRミックス(High Fidelity Platinum PCR Mix;Invitrogen、Carlsbad、CA)で、ネストPCRを実施した。1マイクロリットルのRT−PCR生成物を、別々の試験管で、VHγ、VLκまたはVLλ特異的cDNA増幅のために使用した。実質的に同時に、制限酵素部位を両端に導入した。サイクルパラメーターは、94℃で2分間、6℃で30秒間および68℃で45秒間を1サイクル、1サイクル:94℃で40秒間、54℃で25秒間および68℃で45秒間を35サイクル、68℃で5分間であった。
各特異的PCR生成物を別々に精製し、制限酵素で消化して、下記のように適当な哺乳類の完全長Ig発現ベクターにサブクローニングした。
<実施例7>
ベクターへのサブクローニング
ネストPCRのためのプライマーを使用した。これらのプライマーは以下の通りである。
Figure 0004690196
VHγPCR生成物をBsrG IおよびApa Iで消化し、Spl IおよびApa I二重消化によって線状化されるpEEG1.1ベクターに連結する。
Figure 0004690196
VLκPCR生成物をAge IおよびSpl Iで消化し、Xma IおよびSpl I二重消化によって線状化されるpEEK1.1ベクターに連結する。
Figure 0004690196
VLλPCR生成物をApa IおよびAvr IIで消化し、Apa IおよびAvr II二重消化によって線状化されるpEELgベクターに連結する。陽性クローンは、一時的な同時トランスフェクションの後に、PAでコーティングされたプレート上での間接ELISAによって上清中の発現を測定することにより同定された。CHO K1細胞は、リポフェクトアミン−2000(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して、IgGおよびIgKのcDNAの異なる組合せでトランスフェクションした。上清は、トランスフェクションの約48時間〜約72時間後に採取した。複数の陽性クローンをABI 3700自動シーケンサ(Applied Biosystems、Foster City、CA)で配列決定をし、Sequencher v4.1.4ソフトウェア(Gene Codes、Ann Arbor、MI)で分析した。
<実施例8>
安定した細胞株の確立
Ig重鎖または軽鎖の発現ベクターをNot IおよびSal Iで二重消化し、次に、両方の断片を連結して、二重遺伝子発現ベクターを形成した。6ウェルプレート内のCHO−K1細胞を、リポフェクトアミン2000(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して、二重遺伝子発現ベクターでトランスフェクションした。24時間後、トランスフェクション細胞を選択培地(10%の透析FBS、50μMのL−メチオニンスルホキシミン(MSX)、ペニシリン/ストレプトマイシン、GSサプリメントを加えたD.MEM)の入っている10cmのペトリ皿に移した。2週間後、MSX抵抗性のトランスフェクタントを単離して増大させた。PA特異ELISAアッセイで上清を測定することによって、抗PA抗体高生産性クローンを選択した。MSX濃度を50μMから100μMまで高くして、抗体生産性を高めた。
<実施例9>
無血清適応手法
細胞を液体窒素保存から解凍し、この細胞を1×GS(JRH、cat.#58672−100M)および25〜100mMのL−メチオニンスルホキシミン(Sigma、cat.#M5379)を含むExCell 302無血清培地(JRH、cat.#14312−1000M)の10%FBS中に入れた。細胞をトリプシン(Omega、cat.#TE−91)で処理し、1:5で分割した。培養培地を5%のFBSを含んでいる培地に変え、2日間細胞を培養した。細胞が5%のFBSを含んでいる培地での成長に適応したとき、培地を100%の無血清培地+2.5%のdi FBSに変えて1〜2日間おき、次いで、100%の無血清培地に変えた。この時点で、細胞は懸濁状であった。この細胞を、無血清培地での小規模生産のためのインテグラフラスコに拡張した。使用済み培養培地を0.2μのフィルターを通してろ過し、次いで、HiTrapプロテインAカラム(Pharmacia)に直接流し入れ、続いて20mMのリン酸ナトリウムpH7.4で洗浄することによって精製を行い、0.1MのグリシンHClpH3.4で抗体を溶出して、直ちに1/10容量の1Mトリス塩酸pH8.0で中和した。分画タンパク質含有量は280nmの吸光度で測定し、抗体を含んでいる分画をプールして、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(2×500容量)に対して透析し、0.2μのフィルターを通してろ過殺菌した。抗体の特性をSDS−PAGEでさらに調べ、純度は95%を上回っていた。
<実施例10>
親和性の測定
親和定数は、表面プラズモン共鳴(SPR)の原理とBiacore 3000(Biacore Inc.)とを使用して測定した。Biacore CM5チップは、製造業者の使用説明書に従って、CM5チップの2つのフローセルに接合されたアフィニティ精製ヤギ抗ヒトIgG+A+M(Jackson Immuno Research)と一緒に使用した。まず、最適濃度の抗体調製物を2つのフローセルの1つに導入し、抗ヒトIgによって捕獲する。次に、既定濃度の抗原を既定期間、両方のフローセルに導入し、抗体を含まないフローセルを参照シグナルとして使用する。抗原が捕獲された関心の抗体に結合するにつれて、SPRシグナルに変化が起こり、これは結合した抗原の量に比例する。既定期間の後、抗原溶液を緩衝液で置換し、次いで、抗体からの抗原の解離を再びSPRシグナルによって測定する。Biacoreによって提供される曲線適合ソフトウェアは、会合速度および解離速度、親和性の推定値を出す。
この研究からの結果は、下記の表1に要約する。21D9 MAbの組換え型についての平衡解離定数(K)は、BiaCore分析で測定した。速度定数konおよびkoffは、BiaCore分析においてセンサーグラムから直接評価し、Kを導いた。
Figure 0004690196
<実施例11>
免疫酵素アッセイによるヒトIgG定量化
平底マイクロタイタープレート(Nunc F96 Maxisorp)を、PBS中、1μg/mLの濃度のヤギ抗ヒトIgG,Fcγ特異的(cat# 109−005−098、Jackson Immuno Research、West Grove、Pennsylvania)50μlで、4℃で一晩コーティングした。プレートは、PBS−0.1% Tween 20で4回洗浄した。一方、別の調製プレートにおいて、標準品(duplo中)および未知のものの希釈物を、1mg/mlのBSAを含む100μl容量のPBS中で調製した。精製したモノクローナルヒトIgG1K骨髄腫タンパク質(cat#I−5154 Sigma、St.Louis、MO)を標準として使用し、異なるIgG1K骨髄腫タンパク質(Athens Research、Athens、Georgia)が比較のための内部較正物質として働いた。希釈された試験試料(50μl)をアッセイプレートのウェルへ移し、室温で1時間インキュベートした。プレートを前のように洗浄し、50μlの検出抗体(1mg/mlのBSAを含むPBS中、1:4000)ヤギ抗ヒトκ−HRP(Cat.#2060−05、Southern Biotechnology Associates,Inc.、Birmingham、Alabama)を加えて、室温で1時間インキュベートした。もう1回の洗浄工程の後、クエン酸緩衝剤(pH5.0で0.025M)中、OPD(O−フェニレンジアミンジヒドロクロリド)を0.4mg/mL含む基質溶液100μLを加えた。15分間の基質インキュベーションの後に、25μlの3N HCl停止溶液を加え、プレートをマイクロプレートリーダー(VersaMax、Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で、490nmで読み取った。未知溶液は、SoftMaxPro v4.0ソフトウェア(Sunnyvale、CA)を使用し、標準曲線値から内挿した。
<実施例12>
結果
炭疽菌ワクチン接種されたドナーからのヒトPBMCを移植し、さらにin vivoで予防接種によってブーストしたマウスから試験採血を得た。図2A〜Hは、移植マウスの血清と比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルの比較結果を示す。図2A〜Hは、マウス血清中の機能的免疫反応性(間接ELISA)抗体のレベルが、ドナーで観察されたものよりもかなり高いことを示している。様々なレベルの免疫反応性抗体が移植マウスで観察された。移植マウスからの試験採血はまた、マウスマクロファージRAW細胞バイオアッセイにおいて、抗PA/LF防御抗体の存在についても評価した(図3)。このバイオアッセイでは、細胞へのPA/LF複合体の移動は、細胞死に至るシグナル伝達事象(MAPKK媒介)、および低いバイオアッセイシグナルを引き起こす。防御抗体の存在はこれを逆転させる。元のドナー血漿は、移植マウスと比較すると、検出可能なレベルの防御抗体を含んでいないようであった(低希釈溶液で試験した場合でさえも)。移植マウスにおける免疫反応性(ELISA)抗体の増加および血清防御の様相の両方は、ヒトPBMC移植SCIDマウスの反復免疫化によって導き出される、炭疽菌毒素に対する血清防御免疫反応の増幅を示す。一実施形態では、適当な血清陽性の存在は、ヒトハイブリドーマを生成するための融合のために適当な動物を選択するための好ましい一基準である。
移植マウスの様々な区画(腹膜洗浄(PW)、脾臓(SP)または腹腔内のLCL腫瘍(TU)のいずれか)から得られた細胞を用いて、一連の14の個々の融合を実施した。いくつかの融合では、融合の前に間接ELISAおよびRAW細胞バイオアッセイによって特異的抗炭疽菌毒素抗血清を生産していると決定されたいくつかの移植マウスから、細胞をプールした。融合の結果の概要を表2に示す。
Figure 0004690196
最初に、間接ELISAにおいてポリスチレンマイクロタイタープレートウェルに吸着したPA(83kD)タンパク質と結合する能力に基づいて、ハイブリドーマを選択した。広範囲にわたる、上清中の特異的抗PA抗体の相対量についての値が観察された。平行して、各上清を炭疽菌毒素防御RAW細胞バイオアッセイで個々に試験した。
PA(83kD)およびLF毒素のカクテルを使用し、有効なin vitro IC50保護濃度を評価するために、RAW細胞バイオアッセイにおけるハイブリドーマ由来の21D9の用量反応曲線を使用した。0.21nMの抗体IC50値が観察された(図5)。
21D9抗体は、PA毒素の切断型(63kD)と同様に非切断型(83kD)に結合するが、七量体にはより低い度合いで結合することがBiaCore(Pharmacia、Peapack、NJ)を使用して見出された。さらに、BiaCoreでの連続したインキュベーションによって決定されたように、この抗体がPA(63kD)七量体へのLF結合を妨げることができるという証拠はなかった。この知見は、PA毒素のドメイン2が、この抗体によってブロックされるエピトープであることを含意している可能性がある。
21D9 MAb重鎖および軽鎖可変領域のヌクレオチド配列が決定された(図5および図6)。
V BASE DNAPLOTソフトウェア(18)を使用した可変領域のアラインメントは、21D9重鎖が、VH3ファミリーからのVH遺伝子(3〜43遺伝子座)、N領域付加したD領域セグメント6〜19(第1の読み枠内)およびJH4bを使用することを示した。21D9軽鎖は、VKIファミリー(L12遺伝子座)からのものであり、JKI領域セグメントを使用した。最も緊密に関連した生殖細胞系からの突然変異の数は、26(重鎖)および14(軽鎖)であった。生殖細胞系V遺伝子との比較は、21D9のV領域で、Ag誘導免疫反応の特徴である広範な体細胞変異が起きたことを示唆している。
<実施例11>
免疫化されたドナーからのヒトモノクローナル抗体は、in vivoで炭疽菌致死毒素から保護する
炭疽菌によって生産される主要な毒性因子である炭疽菌外毒素は、防御抗原(PA)、致死因子(LF)および浮腫因子(EF)の3部の組合せである。これらの毒素は、炭疽菌病原において重要な役割を有しており、最初は免疫系を害し、炭疽菌が免疫学的監視を逃れて拡散し、高濃度に達することを可能にし、感染後期には、毒素はヒトを含む宿主動物の死に直接寄与すると考えられる。外毒素のPA構成要素を中和する抗体は、感染初期および可能性としては後期においても、炭疽菌毒素曝露からの有効な保護を与えることができた。一実施形態では、ワクチン接種されたドナーから得られるPBMCに由来する、一群の非常に強力な完全ヒト抗PA中和抗体の生成が提供される。
これらの抗体は、ヒトPBMCで再構成されたSCIDマウスのin vivo免疫化の併用(米国特許第5,476,996号、第5,698,767号、第5,811,524号、第5,958,765号、第6,413,771号、第6,537,809号)と、続いての抗PA抗体を発現しているヒトB細胞の回収およびマウス骨髄腫細胞との細胞融合による不死化を通して生成された。ヒト免疫グロブリンcDNAを単離して、哺乳類の発現ベクターにサブクローニングした。組換え抗体は、まず、RAW264.7マウスマクロファージ細胞株を使用したin vitro中和アッセイによってスクリーニングした。さらに、選択された抗体は、in vivoで、Fisher344ラットボーラス毒素攻撃モデルにおける致死毒素の中和について評価した。
可変領域の分析は、SCIDマウスから回収された抗体は多様であり、超変異していることを示した。これらの抗体の中で、AVP−21D9またはAVP−22G12の単回静脈内投与が、ラット毒素攻撃予防モデルで、PAに対して0.5×(AVP−21D9)または1×(AVP−22G12)モル過剰なだけで完全な保護を与えることが見出された。アグリコシル化PA中和抗体も、致死毒素攻撃からラットを保護した。以下の理論に束縛されることを望むものではないが、in vivoのPA毒素中和活性はFc媒介エフェクター作用に依存しないと考えられる。
一実施形態では、生成されるこれらの強力な完全ヒト抗PA毒素中和抗体は、炭疽菌A級バイオテロリズム毒素に対する予防および/または治療のためにin vivoでヒトのために使用することができる。
<実施例12>
免疫されたドナーからの一群の強力な炭疽菌毒素中和ヒトモノクローナル抗体のキャラクタリゼーション
一実施形態では、3部からなる炭疽菌毒素のPA構成要素に結合し、単剤として保護を与える抗体が提供される。一実施形態では、抗体21D9が提供される。他の一実施形態では、抗体22G12が提供される。他の一実施形態では、抗体1C6が提供される。一実施形態では、これらの抗体は、炭疽菌感染の予防および/または治療において、単剤として使用される。他の実施形態では、これらの抗体の2つ以上の組合せを使用して、エアロゾル化炭疽菌胞子に曝露された、または他の形態の炭疽菌に曝露された哺乳類を治療する。
一実施形態では、表面プラズモン共鳴(BiaCore 3000)で測定されるように、約82pMから約700pMの範囲の高親和性でPAに結合する抗体が提供される。実験データは、特有の非競合部位を認識し、また可溶性TEM−8のPA認識を妨げないようである抗体1C6、21D9および22G12が提供されることを示した。これら3つの抗体の生物学的効力は、in vitro炭疽菌致死毒素中和アッセイにおいて測定した。3つの抗体はすべて、RAW264.7細胞を毒素誘導細胞死から保護し、また等モル未満の毒素に対する抗体の比率で50%の中和をもたらした。
多数の本発明の好ましい実施形態およびその変形形態を詳述したが、有用な他の変更および方法は当業者にとって容易に明らかになるであろう。したがって、様々な応用、変更および置換形態が、本発明の精神または請求項の範囲から逸脱することなく、同等物となることを理解するべきである。
炭疽菌ワクチン接種されたドナーからのヒトPBMCのSCIDマウスへの移植のスケジュールを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 移植マウスと比較してのドナー血漿中の抗炭疽菌毒素レベルを示す図である。 ドナーおよびHuPBL−SCID移植マウス血清中の中和PA生物活性の存在の試験を示す図である。 21D9 MAbによる炭疽菌PA毒素生物活性の抑制の用量反応曲線を示す図である。 21D9 MAb重鎖可変領域の全ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す図である。 21D9 MAb軽鎖可変領域の全ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す図である。 ラット保護モデルにおける生存データを示す図である。 1C6 Mab VHおよびVK鎖可変領域の全ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す図である。 4H7 Mab VHおよびVL鎖可変領域の全ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す図である。 22G12 Mab VHおよびVL鎖可変領域の全ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す図である。

Claims (27)

  1. 炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)部分に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合性断片であって、
    重鎖可変領域(VH)が、配列番号2の31〜35番目、50〜66番目および99〜110番目のアミノ酸をそれぞれ含み、かつ、軽鎖可変領域(VL)が、配列番号4の24〜34番目、50〜56番目および89〜96番目のアミノ酸をそれぞれ含むことを特徴とする単離抗体またはその抗原結合性断片。
  2. 重鎖可変領域(VH)が、配列番号2のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
  3. 軽鎖可変領域(VL)が、配列番号4のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
  4. 重鎖可変領域(VH)が、配列番号2のアミノ酸配列を含み、かつ、軽鎖可変領域(VL)が、配列番号4のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
  5. 重鎖可変領域(VH)が、配列番号1の91〜105番目、148〜198番目および295〜330番目のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
  6. 重鎖可変領域(VH)が、配列番号1のヌクレオチド配列にコードされることを特徴とする、請求項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  7. 軽鎖可変領域(VL)が、配列番号3の70〜102番目、148〜168番目および265〜288番目のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
  8. 軽鎖可変領域(VL)が、配列番号3のヌクレオチド配列にコードされることを特徴とする、請求項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  9. 前記炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)部分が、天然のものか合成されたものであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  10. 前記抗体が、モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  11. 前記抗体が、完全ヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項10に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を含む炭疽菌感染の治療または炭疽菌感染に対するワクチン接種のための薬剤組成物。
  13. 炭疽菌感染の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片または請求項12に記載の薬剤組成物の使用。
  14. 炭疽菌感染に対するワクチン接種のための薬剤の製造における請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合性断片または請求項12に記載の薬剤組成物の使用。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を含むハイブリドーマ。
  16. 前記抗体またはその抗原結合性断片がCHO細胞中の組み換えタンパク質として発現することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を発現させる安定CHO細胞株。
  18. 炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)部分に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変領域(VH)をコードする単離ポリヌクレオチドであって、配列番号2の31〜35番目、50〜66番目および99〜110番目のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  19. 配列番号1のヌクレオチド配列を含む請求項18に記載のポリヌクレオチド。
  20. 炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)部分に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変領域(VL)をコードする単離ポリヌクレオチドであって、配列番号4の24〜34番目、50〜56番目および89〜96番目のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  21. 配列番号3のヌクレオチド配列を含む請求項20に記載のポリヌクレオチド。
  22. 請求項1821のいずれか1項またはこれらの組合せのポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  23. 請求項22の発現ベクターを含む単離されたCHO細胞。
  24. インビトロにおいて炭疽菌外毒素の防御抗原(PA)の集合を抑制する方法であって、前記集合を分裂するために、請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を与える方法。
  25. 試料中の炭疽菌細胞外毒素の存在を確認する方法であって、
    前記試料の少なくとも一部を請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と接触させること、および
    前記試料中の炭疽菌の存在の指標である、炭疽菌外毒素またはその一部と前記抗体またはその抗原結合性断片との結合を測定することを含む方法。
  26. 試料中の炭疽菌外毒素の存在を確認するためのキットであって、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と、
    前記試料中の炭疽菌の存在の指標である、炭疽菌外毒素またはその一部と前記抗体またはその抗原結合性断片の結合を測定するためのアッセイシステムとを含むキット。
  27. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の完全ヒトモノクローナル抗体を生成する方法であって、炭疽菌に曝露された1人以上のヒトドナーからの末梢血単核細胞を免疫無防備状態の非ヒト動物に投与することと、
    前記非ヒト動物から少なくとも1つのリンパ球細胞を単離することと、
    前記少なくとも1つのリンパ球細胞をハイブリドーマ融合パートナーと融合させ、それによって炭疽菌外毒素の少なくとも一部を認識する完全ヒトモノクローナル抗体を生成することと
    を含む方法。
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