JP4689875B2 - シフト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両に使われるシフト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機では、複数の前進(D,3,2,L)レンジ、後進(R)レンジ、パーキング(P)レンジやニュートラル(N)レンジ等の各シフトレンジの選択は、前記変速機に設けられたレンジ切換弁(マニュアルバルブ)の切換えによって行われる。前記レンジ切換弁は、手動操作可能なシフト装置に対して機械的に連係されており、一般に手動操作によって切換えられるようにしている。しかし、最近では、シフト装置を操作して各シフトレンジの切換えを行う場合、前記シフト装置から、電気的な制御で行う構成の自動変速機が提案されている。このようなシフト装置は、シフトバイワイヤー式シフト装置と呼ばれている。以下、シフトバイワイヤー式シフト装置を単にシフト装置という。
【0003】
このシフト装置は、複数のシフト位置に変位可能で、かつ手動操作可能なシフト部材を備えている。そして、シフト部材のシフト位置に応じてシフトスイッチから電気信号が出力され、その電気信号に基づいて自動変速機の各シフトレンジの選択が電気的に制御されるようになっている。
【0004】
一方、車両搭載のエンジンの始動は、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)をオン作動させることが行われるが、最近は、イグニッションスイッチのオン作動を許容するために、機械キーの代わりに電子キー等の特殊キー(以下、代表的に電子キーという。)が使用されるようになっている。この電子キーは、使用時に識別コードを発信するようにされている。又、電子キーから発信された識別コードは、車両に設けたコイル等のアンテナにて受信するようにしている。そして、車両に設けた受信機では前記アンテナで受信した識別コードがこの車両の正規ユーザーか否かを判定し、正規ユーザであると判定した場合には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)のオン作動を許容し、エンジンスタートが可能になっている。具体的には、正規ユーザであることが判定された場合のみ、イグニッションスイッチをオン操作する操作部材を操作可能にする構成としている。
【0005】
このような電子キーは、車両の盗難防止のために有効なものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両インストルメントパネル等のスイッチ配置場所におけるスペース有効利用の観点から、前記シフト装置のシフト部材と、エンジン始動を行わせるためのイグニッションスイッチを操作する操作部材(エンジンスタート操作手段)とをまとまった所定配置空間に納めることが要望されている。
【0007】
このような、スペース有効利用の観点から、前記各部材をまとまった配置空間に設ける場合、さらに、シフト部材と、エンジン始動に使用されるイグニッションスイッチを操作する操作部材(エンジンスタート操作手段)のうち、少なくともシフト部材には、車両盗難防止の面から正規ユーザでない場合において、シフト操作ができないように機械的にロックすることが望まれる。
【0008】
従って、本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的はシフト位置に応じて電気信号を出力可能なシフト部材とエンジンスタート手段を操作するエンジンスタート操作手段とをまとまった空間に配置することができるとともに、シフト部材をロックする際に機械的にロックできるシフト装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のシフト位置間を回転操作自在に設けられたシフト部材を備え、前記シフト部材のシフト位置に応じて電気信号を出力するシフト装置において、シフト装置外部から受信した識別信号が正規ユーザの識別信号か否かを検出する検出手段と、前記シフト部材に対して係脱可能に設けられ、前記検出手段の検出結果に基づき、前記シフト部材に対する係合を解除して操作許容を行い、或いは、前記シフト部材に対して係合して機械的操作ロックを行うロック手段と、前記シフト部材自体又はその周辺において押圧操作自在に設けられ、かつエンジン始動信号を出力可能なエンジンスタート手段に対して作動連結され、押圧操作されることでエンジンスタート手段をオン作動させて、エンジン始動信号を出力させるエンジンスタート操作手段とを備え、前記エンジンスタート操作手段とシフト部材は、共通のロック手段にて操作許容又は機械的操作ロックされ、前記シフト部材には、前記ロック手段を構成するソレノイドのプランジャが進出及び後退することで同プランジャが挿脱されるロック孔が形成され、前記プランジャが前記ロック孔に挿入されて同プランジャがロック位置に位置しているとき、該プランジャとの当接により前記シフト部材が回動不可状態となる機械的操作ロック状態になるとともに、該プランジャとの当接により前記エンジンスタート操作手段が押圧操作不可状態となる機械的操作ロック状態になり、一方、前記プランジャが前記ロック孔から退出して同プランジャがアンロック位置に位置しているとき、前記シフト部材が回動可能状態となる操作許容状態になるとともに、前記エンジンスタート操作手段が押圧操作可能状態となる操作許容状態になることを要旨とする。
【0012】
(作用)
従って、請求項1に記載の発明においては、シフト部材は複数のシフト位置間を回動操作自在とされる。シフト装置は、シフト部材のシフト位置に応じて電気信号を出力する。検出手段は、シフト装置外部から受信した識別信号が正規ユーザの識別信号か否かを検出する。検出手段が正規ユーザの識別信号であると検出すると、ロック手段はシフト部材に対する係合を解除する。すると、シフト部材は操作許容される。一方、検出手段が正規ユーザの識別信号でないと検出すると、ロック手段はシフト部材に対して係合する。すると、シフト部材は機械的操作ロックされる。エンジンスタート操作手段は、シフト部材自体又はその周辺において回転操作自在に設けられる。エンジンスタート操作手段を押圧操作すると、エンジンスタート手段はオン作動される。エンジンスタート手段がオン作動されると、エンジンスタート手段はエンジン始動信号を出力する。
そして、エンジンスタート操作手段とシフト部材は、共通のロック手段にて操作許容又は機械的操作ロックされる。
すなわち、ロック手段を構成するソレノイドのプランジャがシフト部材のロック孔に挿入されて同プランジャがロック位置に位置しているとき、該プランジャとの当接によりシフト部材が回動不可状態となる機械的操作ロック状態になるとともに、該プランジャとの当接によりエンジンスタート操作手段が押圧操作不可状態となる機械的操作ロック状態になる。一方、前記プランジャが前記ロック孔から退出して同プランジャがアンロック位置に位置しているとき、シフト部材が回動可能状態となる操作許容状態になるとともに、エンジンスタート操作手段が押圧操作可能状態となる操作許容状態になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の車両用シフト装置13を備えたA/T車の運転席近傍を示している。運転席11から見て左前方のインストルメントパネル12にはシフト装置13が埋設され、前記運転席11から見て足元前方にはブレーキペダル37が設けられている。
【0017】
以下、本実施形態では、図3における左側を前側、右側を後側、紙面に直交する手前側を右側、そして紙面に直交する奥側を左側とする。
図2,3に示すように、前記シフト装置13は、支台14、固定台15、シフト部材としての操作ノブ16、及びエンジンスタート操作手段としての押圧ボタン17を備えたユニット構造をなしている。
【0018】
前記支台14は有蓋円筒状をなし、その開口縁部外周に設けられたフランジ14aがインストルメントパネル12内部の図示しない固定部材に対して固定されている。
【0019】
前記支台14の蓋部後面における支台14の軸心Oより上方の位置にはシフトECUである中央制御部18が設けられ、軸心Oより下方の位置には同中央制御部18に電気的に接続されたロック手段としてのソレノイド19が固定されている。前記ソレノイド19のプランジャ19aは、前記支台14の蓋部に設けられた貫通孔14bを介して支台14の蓋部を突き抜けるように配置されている。
【0020】
前記プランジャ19aは第2位置としてのロック位置、及び第1位置としてのアンロック位置に移動可能に構成されている。前記プランジャ19aはロック位置に位置したときソレノイド19本体から前方へ進出し、アンロック位置に位置したときソレノイド19本体内に後退するようになっている。前記プランジャ19aの長手方向中程には、フランジ19bが突出形成されている。前記プランジャ19aの外周において、同フランジ19bと前記支台14の蓋部前面との間にはプランジャ19aをロック位置側へ付勢するスプリング20が巻装されている。
【0021】
前記支台14の蓋部前面には前記固定台15が設けられている。同固定台15は有蓋円筒状をなし、その開口縁部外周に設けられたフランジ15aが支台14の蓋部前面の縁部全周に対して固定されている。図4に示すように、固定台15の蓋部において、軸心Oと外周部下端とのなす略中央位置には、プランジャ19aの先端部が挿通可能な貫通孔15bが形成されている。又、固定台15の蓋部において、同軸心Oを中心として形成された円弧状をなす長孔15cが形成されている。長孔15cの一端部から他端部は軸心Oを中心として時計方向周りに90度離間しており、同長孔15cの一端部は軸心Oの上方に位置している。図3に示すように、固定台15内にはコイル21が同固定台15の側壁内面に対して周回した状態で固定配置され、同コイル21は中央制御部18に電気的に接続されている。前記中央制御部18及びコイル21にて検出手段が構成されている。
【0022】
前記支台14の蓋部前面における軸心O近傍には、同軸心Oを中心とした有底円筒状の固定筒22が支持筒23を介して固定されている。図5,6に示すように、前記固定筒22の底部中央には円形状の嵌合孔22aが形成され、同固定筒22の底部前面には前記嵌合孔22aを囲むように形成されたプリント基板24が固定されている。図6に示すように、前記プリント基板24には軸心Oを中心とした仮想円に沿って4つの固定コンタクタとしての固定電極24a〜24dが設けられ、同固定電極24a〜24dはそれぞれ前記中央制御部18に電気的に接続されている。図6において、前記固定電極24aは軸心Oに対して下方に配置されており、同固定電極24aから時計回り方向へ30度おきに固定電極24b〜24dがそれぞれ配置されている。
【0023】
図5に示すように、前記固定筒22の開口側端面に摺接するように、固定筒22には回転板25が回動自在に設けられている。すなわち、回転板25は中央に設けられた筒状の軸体25aが嵌合孔22aに対して軸心Oを中心にして回動自在に貫通されている。前記軸体25aはその先端部外周に設けられた係止フランジ25bが固定筒22の底部後面に対して当接係止することにより抜け止めされている。前記回転板25の後側面には、導電性の金属からなる可動コンタクタとしての摺動電極26が固定され、同摺動電極26は図示しないリード線等を介して前記中央制御部18に電気的に接続されている。
【0024】
前記摺動電極26は金属片からなり、プリント基板24の前側面に対して常に当接するように自身の弾性力により付勢され、且つ回転板25の回動変位にて前記各固定電極24a〜24dに選択的に摺動接触するようになっている。前記固定電極24a〜24d及び摺動電極26にてシフト位置検出手段としてのシフトスイッチ31が構成されている。前記回転板25において、前記固定台15に設けられた長孔15cの一端部と対向する位置には、連結孔25cが形成されている。
【0025】
図3に示すように、前記固定台15の蓋部前面には固定台15を覆うように有蓋円筒状の操作ノブ16が設けられている。同操作ノブ16の軸心は前記支台14の軸心Oと同一線上に位置している。前記操作ノブ16の蓋部後面における軸心Oよりやや上方の位置には、連結突部16aが後方へ向け突出され、同連結突部16aは前記長孔15cに対して挿通されると共に、前記連結孔25cに対して圧入固定されている(図5参照)。この長孔15cは軸心Oを中心にした連結突部16aの回転移動を許容し、この結果、同操作ノブ16は前記回転板25を伴って軸心Oに対して回動可能に構成されている。
【0026】
図7に示すように、前記操作ノブ16の蓋部前面における軸心O近傍には凹部16bが設けられ、同凹部16bには基板27が固定されている。図8に示すように、基板27の表面下部には導電性の金属からなる一対の固定電極27aが設けられている。前記両固定電極27aは中央制御部18に電気的に接続されている。
【0027】
図2,3に示すように、操作ノブ16の蓋部前面における下端近傍から軸心Oへ向けて徐々に突出量が大きくなる断面四角形形状のつまみ16cが形成されている。つまみ16cの先端は軸心Oを若干越えたところまで延出されており、その延出部は断面チャンネル形状の案内部16dとされている。
【0028】
図3,8に示すように、前記操作ノブ16の蓋部において、つまみ16cの先端付近に位置する部位には、前記プランジャ19aの先端部にてロック又はアンロックされるロック孔16eが形成されている。同ロック孔16eは操作ノブ16に設けられた後記する指示マーク30がインストルメントパネル12に表示された「P」を指し示す位置に配置されたときのみ、プランジャ19aと相対するように配置されている。
【0029】
同ロック孔16eに前記プランジャ19aの先端部が挿入されているとき、即ち、プランジャ19aがロック位置に位置しているときには、同プランジャ19aとの当接により操作ノブ16は軸心Oを中心に回動不可(機械的操作ロック)となっている。又、プランジャ19aがロック孔16eから退出しているとき、即ち、プランジャ19aがアンロック位置に位置しているときには、操作ノブ16は軸心Oを中心に回動可能(操作許容)となっている。
【0030】
前記案内部16d内には案内部16dに対して押圧ボタン17が上下方向に摺動自在に挿入され、同押圧ボタン17は下端に開口を有する中空状に形成されている。即ち、押圧ボタン17は操作ノブ16自体に設けられている。前記押圧ボタン17の中空内には案内部16d内の底面に一端が当接されたスプリング28が挿入され、同押圧ボタン17は同スプリング28により上方へ向け付勢されている。前記押圧ボタン17の後側面下部には係止部17aが後方へ突出形成されており、同係止部17aは前記ロック孔16eの上端面とプランジャ19aの先端部上面とのなす隙間に配置されている。
【0031】
同ロック孔16eに前記プランジャ19aの先端部が挿入されているとき、即ち、プランジャ19aがロック位置に位置しているときには、同プランジャ19aとの当接により押圧ボタン17は下方に押圧操作不可(機械的操作ロック)となっている。
【0032】
前記係止部17aはプランジャ19aがロック孔16eから退出したときにはロック孔16eの下部底面まで押圧操作可能(操作許容)とされ、このとき押圧ボタン17はスプリング28の付勢に抗して下方へ摺動可能となっている。前記押圧ボタン17の後側面には、導電性の金属からなる可動電極片29が固定されている。前記可動電極片29は基板27の前側面に対して常に当接するように自身の弾性により付勢されている。そして、係止部17aがロック孔16eの下部底面に当接するように押圧ボタン17を押圧操作した際に、可動電極片29は前記一対の固定電極27a間を導通(オン作動)するように両固定電極27aに同時に接触する。前記一対の固定電極27aと可動電極片29にて、エンジンスタート手段としてのイグニッションスイッチ35が構成されている(図7参照)。
【0033】
又、図2に示すように、インストルメントパネル12に表示された「P」は駐用位置、「R」は後進走行用位置、「N」は非駆動位置、及び「D」は前進走行用位置を示している。前記操作ノブ16の盤面には指示マーク30が設けられており、同の指示マーク30が「P」を指している際には、前記摺動電極26と前記プリント基板24の固定電極24aとが電気的に接続されるようになっている。同様に、操作ノブ16の指示マーク30が「R」,「N」,「D」をそれぞれ指している際には、前記摺動電極26と固定電極24b、前記摺動電極26と固定電極24c、前記摺動電極26と固定電極24dとのそれぞれが電気的に接続されるようになっている。
【0034】
なお、本明細書では、操作ノブ16の指示マーク30が「P」,「R」,「N」,「D」をそれぞれ指すときを、操作ノブ16がシフト位置に位置するという。
【0035】
次にこのシフト装置及びその関連装置の電気的構成について説明する。
図9に示すように、前記シフト装置13と別体に設けられたカードキー32の内部には、イモビライザ用識別コードを記憶したトランスポンダ32aが埋設されている。前記イモビライザ用識別コードは識別信号に相当する。前記トランスポンダ32aはカードキー32をコイル21に近づけると、コイル21を介して中央制御部18にイモビライザ用識別コードを出力するようになっている。前記ブレーキペダル37の近傍には、ブレーキペダル37が踏み込まれたときに中央制御部18に制動検出信号を出力するブレーキスイッチ37a(図10参照)が設けられている。同じく図10に示すように、シフト装置13の中央制御部18はエンジンECU70を介してエンジンEGに対して電気的に接続されている。
【0036】
前記中央制御部18とコイル21との間には、ヘッドアンプ36が電気的に接続され、同ヘッドアンプ36は中央制御部18からコイル21へ出力される判定要求信号を増幅するようになっている。
【0037】
中央制御部18はレンジ切換弁であるマニュアルシフトバルブ(図示しない)を切換え動作させるためのモータ等のアクチュエータ71を制御する。すなわちマニュアルシフトバルブは、従来の手動によりレンジを切換える自動変速機におけるマニュアルシフトバルブと同様にスプールタイプのバルブであり、制御および駆動のための元圧となるライン油圧が供給され、シフト位置に応じて各走行レンジに応じた経路で所定の摩擦係合装置(図示しない)に油圧を供給するように構成されている。
【0038】
次に、上記第1実施形態のシフト装置13の作用について説明する。
なお、シフト装置13の初期状態、即ち、エンジンEG停止状態では、操作ノブ16の指示マーク30は「P」を示しているものとする。この結果、固定電極24aと摺動電極26とは電気的に接続され、中央制御部18に停止位置信号が入力されている。又、プランジャ19aがロック位置に位置しており、操作ノブ16は回動不可状態(機械的操作ロック状態)、及び押圧ボタン17は押圧操作不可状態(機械的操作ロック状態)となっている。
【0039】
さて、中央制御部18はインストルメントパネル12に設けられた電源スイッチSが押圧操作されると、ヘッドアンプ36に判定要求信号を出力し、同ヘッドアンプ36は判定要求信号を増幅する。そして、ヘッドアンプ36はコイル21に判定要求信号を出力する。この状態でカードキー32をシフト装置13に近づけると、コイル21はトランスポンダ32aに判定要求信号を送信する。トランスポンダ32aは判定要求信号が入力されると、イモビライザ用識別コードをコイル21を介してヘッドアンプ36に送信し、ヘッドアンプ36はイモビライザ用識別コードを中央制御部18に出力する。
【0040】
中央制御部18は入力したイモビライザ用識別コードと予め記憶した車載側識別コードとを比較し、一致するときには正規ユーザの識別コード(識別信号)と認識し、中央制御部18内にキー認識情報を記憶する。
【0041】
この状態でブレーキペダル37を踏み込みすると、ブレーキスイッチ37aは中央制御部18に制動検出信号を出力する。
中央制御部18は前記キー認識情報が記憶され、且つ制動検出信号が入力されたことに基づいてソレノイド19に励磁信号を出力する。すなわち、中央制御部18は、エンジンEGが駆動されていない状態の元では、正規ユーザの識別コードであると認識結果が得られているキー認識情報と、制動検出信号の入力とのアンド条件でのみソレノイド19のロック解除を行う。
【0042】
ソレノイド19は励磁信号に基づき、プランジャ19aをロック位置からアンロック位置へ移動させる。すると、押圧ボタン17は押圧操作可能状態(操作許容状態)となり、且つ操作ノブ16は回動可能状態(操作許容状態)となる。そして、この状態で図7に示すように、押圧ボタン17を押圧すると、可動電極片29が一対の固定電極27a間を導通(オン作動)し、中央制御部18にはエンジン始動信号が出力される。中央制御部18はエンジン始動信号に基づき、エンジンECU70にエンジン駆動許可信号を出力する。このエンジン駆動許可信号に基づいてエンジンECU70はエンジンEGを始動させる。
【0043】
この後、ブレーキペダル37を踏み込みした状態で、操作ノブ16が操作されて「P」の位置から「R」に回動変位されると、固定電極24bと摺動電極26とが電気的に接続され、中央制御部18に後進位置信号が入力される。中央制御部18は後進位置信号に基づいてアクチュエータ71を制御駆動する。
【0044】
この後、このエンジンECU70によりエンジンEGが駆動された後では、ブレーキペダル37の踏み込み操作が解除されると、ブレーキスイッチ37aからの制動解除信号に基づいて、中央制御部18はソレノイド19を消磁する。従って、ソレノイド19のプランジャ19aはスプリング20によりロック位置側に移動するが、操作ノブ16が回転移動しているため、ロック孔16eはこの状態ではプランジャ19aとは相対しておらず、プランジャ19aは操作ノブ16の後面に当接する。
【0045】
そして、さらに操作ノブ16が操作されて「N」を示すように回動変位されると、固定電極24cと摺動電極26とが電気的に接続され、中央制御部18にニュートラル位置信号が入力される。このニュートラル位置信号に基づいて中央制御部18はニュートラル位置に応じた制御をアクチュエータ71に対して行う。
【0046】
又、操作ノブ16が操作されて「D」を示すように回動変位されると、固定電極24dと摺動電極26とが電気的に接続され、中央制御部18にドライブ位置信号が入力される。中央制御部18はドライブ位置信号に基づいてドライブ位置に応じた制御をアクチュエータ71に対して行う。
【0047】
そして、ブレーキペダル37が踏み込み操作されていない状態で、操作ノブ16の指示マーク30が操作されて「R」、「N」及び「D」のうちいずれかの位置から「P」の位置に回転変位されると、ロック孔16eはプランジャ19aと相対するため、プランジャ19aはスプリング20の付勢にてロック位置に移動する。すると、プランジャ19aの先端部は貫通孔15b及びロック孔16eに挿入され、操作ノブ16はロック状態となる。
【0048】
なお、エンジンEG駆動中において、ソレノイド19のプランジャ19aはブレーキペダル37を踏み込み、ブレーキスイッチ37aが中央制御部18に制動検出信号を出力すると、中央制御部18はソレノイド19を駆動制御してプランジャ19aをアンロック位置に移動するようになっている。従って、エンジンEG駆動中に操作ノブ16の指示マーク30を「P」の位置から「R」、「N」及び「D」のうちいずれかの位置に移動させる際には、再びカードキー32の照合を行う必要はなくブレーキペダル37を踏み込むだけでよい。
【0049】
そして、エンジンEGを停止させる際には、操作ノブ16の指示マーク30が「P」を示した状態で電源スイッチSを押圧操作する。すると、中央制御部18はエンジンECU70にエンジン停止信号を出力し、このエンジン停止信号に基づいてエンジンECU70はエンジンEGを停止させる。
【0050】
従って、上記第1実施形態のシフト装置13によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、押圧ボタン17を操作ノブ16自体に設けた。エンジンEG停止状態において、検出手段(中央制御部18及びコイル21)がカードキー32のトランスポンダ32aを正規ユーザのものであると照合(検出)し、且つブレーキペダル37が踏み込まれブレーキスイッチ37aから中央制御部18に制動検出信号を出力している時に、中央制御部18はソレノイド19のプランジャ19aをロック位置からアンロック位置に移動させるようになっている。その結果、押圧ボタン17は押圧操作可能状態となり、且つ操作ノブ16は回動可能状態となる。従って、エンジンEG停止状態において、検出手段である中央制御部18がカードキー32を正規ユーザのものと確認しない限り、操作ノブ16は回動不可状態となり、又、押圧ボタン17も押圧操作不可状態となるため車両の盗難防止性を高めることができる。加えて、ブレーキペダル37を踏み込んでいないと操作ノブ16を回動操作できないため、車両の急発進を防ぐことができる。
【0051】
(2)本実施形態では、押圧ボタン17が操作ノブ16に収納状態で設けられている。従って、押圧ボタン17と操作ノブ16とを別体で離間して設けた場合と比べて、シフト装置13は部品点数を削減できると共に、省スペース化、コンパクト化を実現できる。これはユニット化する場合に有利な構成である。
【0052】
(3)本実施形態では、操作ノブ16と押圧ボタン17との両者において、単一のソレノイド19で操作許容又は機械的操作ロックを行えるため、操作ノブ16及び押圧ボタン17にそれぞれソレノイド19を設けた場合と比べて低コストでシフト装置13を構成することができる。
【0053】
(4)本実施形態では、プリント基板24の前面に軸心Oを中心とした仮想円に沿って固定電極24a〜24dを設け、操作ノブ16に追従する回転板25の後側面に前記固定電極24a〜24dと電気的に接続可能な摺動電極26を固定した。そして、操作ノブ16を回動変位させると、摺動電極26と複数の固定電極24a〜24dのうち何れか一つが電気的に接続する。従って、前記固定電極24a〜24dは中央制御部18に変位位置に応じた電気信号(停止位置信号、後進位置信号、ニュートラル位置信号、ドライブ位置信号のうち何れか)を中央制御部18に出力できる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、シフト装置の第2実施形態を図11〜図15に従って説明する。なお、第2実施形態は、前記第1実施形態を変更したものであり、前記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、その詳細な説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0055】
前記第1実施形態では、シフトスイッチ31及びイグニッションスイッチ35を接触型スイッチとしていた。しかし、本実施形態ではそのシフトスイッチ31及びイグニッションスイッチ35の代わりに非接触型のセンサであるシフトセンサ72及びイグニッションセンサ73を備えている。前記イグニッションセンサ73はエンジンスタート手段に相当する。そして、本実施形態のシフト装置50では、前記第1実施形態の長孔15c、連結突部16a、凹部16b、固定筒22、支持筒23、プリント基板24、回転板25、摺動電極26、基板27、及び可動電極片29が省略されている。
【0056】
図12,13に示すように、シフト装置50の前記固定台15蓋部前面において、軸心Oとその上方近傍には凹部15dが設けられ、同凹部15d内には、磁気抵抗素子55a〜55eを固定した基板56が固定されている。前記磁気抵抗素子55b〜55eは磁気検出手段に相当する。前記磁気抵抗素子55a〜55eは中央制御部18に電気的に接続され、前記磁気抵抗素子55aは固定台15の軸心O近傍に配置されている。図13に示すように、前記磁気抵抗素子55b〜55eは、軸心Oを中心とした仮想円に沿うように配置されている。図13において、前記磁気抵抗素子55bは軸心Oに対して上方に位置されており、各磁気抵抗素子55c〜55eは、前記磁気抵抗素子55bから時計回り方向へ30度おきにそれぞれ配置されている。
【0057】
図12,14に示すように、前記操作ノブ16の蓋部後面において、前記磁気抵抗素子55bに対向する位置には磁気発生手段としての磁石57が固定され、操作ノブ16が軸心Oを中心として回動変位した際に、前記磁石57と各磁気抵抗素子55b〜55eとがそれぞれ対向するようになっている。本実施形態では、前記磁気抵抗素子55b〜55eにてシフト位置検出手段が構成され、これら磁気抵抗素子55b〜55eにてシフトセンサ72が構成されている。
【0058】
図11,12に示すように、前記案内部16dの上端部中央には、ガイド溝16fが切欠き形成されている。前記案内部16d内には案内部16dに対して上下方向に摺動可能なエンジンスタート操作手段としての押圧ボタン58が挿入され、同押圧ボタン58は下端に開口を有する中空状に形成されている。前記押圧ボタン58の中空内には案内部16d内の底面に一端が当接されたスプリング28が挿入され、スプリング28により同押圧ボタン58は上方へ向け付勢されている。前記押圧ボタン58の上面後部は、操作ノブ16のロック孔16eの上端面に当接係止するようになっている。前記押圧ボタン58の後側面下方には後方へ向け突出する係止部58aが形成されており、同係止部58aはロック位置に位置するプランジャ19aの先端部上面に対して当接するように配置されている。
【0059】
前記押圧ボタン58は、プランジャ19aがアンロック位置に位置するときにスプリング28の付勢に抗して下方へ摺動可能となっている。前記押圧ボタン58の後側面には磁石59が固定され、同磁石59は押圧ボタン58をロック孔16eの下面まで押圧操作した際に、前記磁気抵抗素子55aと対向するようになっている(図14参照)。本実施形態では、前記磁気抵抗素子55aにて磁石59を検出するイグニッションセンサ73が構成されている。図11,12において、前記押圧ボタン58の上面には凹球面状の凹部58bが形成され、同凹部58bの中央部には十字をなす凹溝58cが形成されている。
【0060】
図11に示すように、前記シフト装置50と別体に設けられたキー60は前記凹部58bと同曲率をなす球状に形成され、同キー60の内部には前記トランスポンダ32aが埋設されている(図12参照)。前記キー60の表面には前記凹溝58cに嵌合する十字状の突部60aが突出形成されている。前記キー60は可撓性の連結部61を介してキーホルダ62に接続されている。前記連結部61はキー60にて押圧ボタン58を押圧操作する際に、ガイド溝16fに対してガイドされるようになっている。そして、本実施形態のシフト装置及びその関連装置の電気的構成は図15に示すようになっている。
【0061】
次に、上記第2実施形態のシフト装置50の作用について説明する。
なお、シフト装置50の初期状態、即ち、エンジンEG停止状態では、操作ノブ16の指示マーク30は「P」を示しているものとする。この結果、磁気抵抗素子55bと磁石57は対向状態となっており、磁気抵抗素子55bは磁石57の磁束を検出し、中央制御部18に停止位置信号を出力している。又、プランジャ19aがロック位置に位置しており、操作ノブ16は回動不可状態(機械的操作ロック状態)、及び押圧ボタン58は押圧操作不可状態(機械的操作ロック状態)となっている。
【0062】
さて、中央制御部18はインストルメントパネル12に設けられた電源スイッチSが押圧操作されると、第1実施形態の作用と同様にヘッドアンプ36はコイル21に判定要求信号を出力する。この状態でキー60をシフト装置50に近づけると、第1実施形態の作用と同様にトランスポンダ32aはコイル21及びヘッドアンプ36を介してイモビライザ用識別コードを中央制御部18に出力する。
【0063】
中央制御部18は入力したイモビライザ用識別コードと予め記憶した車載側識別コードとを比較し、一致するときには正規ユーザの識別コードと認識し、中央制御部18内にキー認識情報を記憶する。
【0064】
この状態でブレーキペダル37を踏み込みすると、ブレーキスイッチ37aは中央制御部18に制動検出信号を出力する。
中央制御部18は前記キー認識情報が記憶され、且つ制動検出信号が入力されたことに基づいてソレノイド19に励磁信号を出力する。すなわち、第1実施形態の作用と同様に中央制御部18は、エンジンEGが駆動されていない状態の元では、キー認識情報と、制動検出信号の入力とのアンド条件でのみソレノイド19のロック解除を行う。すると、プランジャ19aがロック位置からアンロック位置へ移動され、押圧ボタン58は押圧操作可能状態(操作許容状態)となり、且つ操作ノブ16は回動可能状態(操作許容状態)となる。
【0065】
さて、図11に示すように、押圧ボタン58が押圧操作可能状態となっている際(プランジャ19aがアンロック位置に位置した状態)に、キー60の突部60aを押圧ボタン58の凹溝58cに嵌合する。そして、この状態で図14に示すように、キー60を介して押圧ボタン58を押圧し、磁気抵抗素子55aと磁石59とが対向すると、磁気抵抗素子55aが磁石59の磁束を検出(オン作動)し、磁気抵抗素子55aは中央制御部18にエンジン始動信号を出力する。すると、第1実施形態の作用と同様にエンジンECU70はエンジンEGを始動させる。
【0066】
この後、ブレーキペダル37を踏み込みした状態で、操作ノブ16が操作されて「P」の位置から「R」に回動変位されると、磁気抵抗素子55cと磁石57とが対向し、磁気抵抗素子55cが磁石57の磁束を検出する。すると、磁気抵抗素子55cは中央制御部18に後進位置信号を出力し、中央制御部18は後進位置信号に基づいてアクチュエータ71を制御駆動する。
【0067】
この後、このエンジンECU70によりエンジンEGが駆動された後では、ブレーキペダル37の踏み込み操作が解除されると、第1実施形態の作用と同様に中央制御部18はソレノイド19を消磁する。従って、第1実施形態の作用と同様にロック孔16eはこの状態ではプランジャ19aとは相対しておらず、プランジャ19aはロック位置側に移動すると、操作ノブ16の後面に当接する。
【0068】
そして、さらに操作ノブ16が操作されて「N」を示すように回動変位されると、磁気抵抗素子55dと磁石57とが対向し、磁気抵抗素子55dが磁石57の磁束を検出する。すると、磁気抵抗素子55dは中央制御部18にニュートラル位置信号を出力し、このニュートラル位置信号に基づいて中央制御部18はニュートラル位置に応じた制御をアクチュエータ71に対して行う。又、操作ノブ16が操作されて「D」を示すように回動変位されると、磁気抵抗素子55eと磁石57とが対向し、磁気抵抗素子55eが磁石57の磁束を検出する。すると、磁気抵抗素子55eは中央制御部18にドライブ位置信号を出力し、このドライブ位置信号に基づいて中央制御部18はドライブ位置に応じた制御をアクチュエータ71に対して行う。
【0069】
そして、ブレーキペダル37が踏み込み操作されていない状態で、操作ノブ16の指示マーク30が操作されて「R」、「N」及び「D」のうちいずれかの位置から「P」の位置に回転変位されると、第1実施形態の作用と同様に操作ノブ16はロック状態となる。
【0070】
なお、エンジンEG駆動中において、操作ノブ16の指示マーク30を「P」の位置から「R」、「N」及び「D」のうちいずれかの位置に移動させる際には、第1実施形態の作用と同様に再びキー60の照合を行う必要はなくブレーキペダル37を踏み込むだけでよい。そして、エンジンEGを停止させる際には、第1実施形態の作用と同様に操作ノブ16の指示マーク30が「P」を示した状態で電源スイッチSを押圧操作する。
【0071】
従って、上記第2実施形態では前記第1実施形態の(1)〜(3)と同様の効果を奏すると共に以下の効果を奏する。
(1)本実施形態では、基板56の前面に軸心Oを中心とした仮想円に沿って磁気抵抗素子55b〜55eを固定し、操作ノブ16の蓋部後面の前記磁気抵抗素子55bに対向する位置に磁石57を固定した。そして、操作ノブ16を回動変位させると、磁石57と複数の磁気抵抗素子55b〜55eのうち何れか一つとが対向する。従って、前記各磁気抵抗素子55b〜55eは、磁石57の磁束を検出することで中央制御部18に変位位置に応じた電気信号(停止位置信号、後進位置信号、ニュートラル位置信号、ドライブ位置信号のうち何れか)を中央制御部18に出力できる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下のような他の実施形態に変更して具体化してもよい。
【0072】
・前記第1実施形態では、押圧ボタン17を操作ノブ16に対して設けていた。これに限らず、操作ノブ16外周のインストルメントパネル12に対して押圧ボタン17を埋設するように構成してもよい。即ち、押圧ボタン17を操作ノブ16の周辺に設けてもよい。この場合、前記操作ノブ16及び押圧ボタン17のそれぞれに対して別々にソレノイド19を設ける。そして、押圧ボタン用のソレノイド19におけるプランジャ19aがロック位置に位置している際には、押圧ボタン17の下方にプランジャ19aが位置し、押圧ボタン17の下方への押圧操作を不可(機械的操作ロック)にする。押圧ボタン用のソレノイド19におけるプランジャ19aがアンロック位置に位置している際には、押圧ボタン17の下方にプランジャ19aが位置せず、押圧ボタン17を下方へ押圧操作可能(操作許容)にする。このような変更を第2実施形態において具体化してもよい。
【0073】
・前記第1実施形態では、単一のソレノイド19にて操作ノブ16及び押圧ボタン17の操作許容又は機械的操作ロックを兼用して行っていた。これを、前記操作ノブ16及び押圧ボタン17のそれぞれに対して別々にソレノイド19を設けてもよい。又、このような変更を第2実施形態において具体化してもよい。
【0074】
・前記第1実施形態では、シフト装置13は停止位置信号、後進位置信号、ニュートラル位置信号、及びドライブ位置信号を出力する構成となっていた。これを、図16に示すように、操作ノブ16近傍のインストルメントパネル12に「R」、「N」、及び「D」を示し、指示マーク30が前記「R」、「N」、及び「D」をそれぞれ指したときに後進位置信号、ニュートラル位置信号、及びドライブ位置信号を出力する構成としてもよい。この場合の「N」は、前記第1実施形態の「N」及び「P」を兼用している。又、このような変更を前記第2実施形態において具体化してもよい。
【0075】
・前記第1実施形態では、検出手段である中央制御部18及びコイル21をシフト装置13内に配置していた。しかし中央制御部18及びコイル21のうち少なくとも一方をシフト装置13の外部に設けてもよい。例えば、コイル21をインストルメントパネル12におけるシフト装置13と別の位置、車両のドア部等に設けてもよい。上記のようにコイル21を車両のドア部に設けると、車両外部からカードキー32の照合を行うことができる。同様に中央制御部18をインストルメントパネル12におけるシフト装置13と別の位置、車両のドア部等に設けてもよい。又、このような変更を第2実施形態に具体化してもよい。
【0076】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、シフト位置に応じて電気信号を出力可能なシフト部材と、エンジンスタート手段を操作するエンジンスタート操作手段とをまとまった空間に配置することができるとともに、シフト部材及びエンジンスタート操作手段をロックする際に機械的にロックできる。
また、エンジンスタート操作手段とシフト部材は、共通のロック手段にて操作許容又は機械的操作ロックできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態におけるA/T車の運転席を示す概略図。
【図2】 第1実施形態におけるA/T車内のインストルメントパネルの部分斜視図。
【図3】 第1実施形態におけるシフト装置の側断面図。
【図4】 第1実施形態における固定台の正面図。
【図5】 第1実施形態におけるシフト装置の部分拡大断面図。
【図6】 第1実施形態における固定筒の正面図。
【図7】 第1実施形態におけるシフト装置の部分拡大断面図。
【図8】 第1実施形態における操作ノブの部分断面正面図。
【図9】 第1実施形態におけるカードキーの正面図。
【図10】 第1実施形態におけるシフト装置の電気的構成を示すブロック図。
【図11】 第2実施形態におけるA/T車内のインストルメントパネルの部分斜視図。
【図12】 第2実施形態におけるシフト装置の側断面図。
【図13】 第2実施形態における固定台の正面図。
【図14】 第2実施形態におけるシフト装置の部分拡大断面図。
【図15】 第2実施形態におけるシフト装置の電気的構成を示すブロック図。
【図16】 他の実施形態におけるA/T車内のインストルメントパネルの部分斜視図。
【符号の説明】
13,50…シフト装置、16…シフト部材としての操作ノブ、16e…ロック孔、
17,58…エンジンスタート操作手段としての押圧ボタン、
18…検出手段を構成する中央制御部(シフトECU)、
19…ロック手段としてのソレノイド、19a…プランジャ、
21…検出手段を構成するコイル、
35…エンジンスタート手段としてのイグニッションスイッチ、
73…エンジンスタート手段としてのイグニッションセンサ。
Claims (1)
- 複数のシフト位置間を回転操作自在に設けられたシフト部材(16)を備え、前記シフト部材(16)のシフト位置に応じて電気信号を出力するシフト装置(13)において、
シフト装置外部から受信した識別信号が正規ユーザの識別信号か否かを検出する検出手段(18,21)と、
前記シフト部材(16)に対して係脱可能に設けられ、前記検出手段(18,21)の検出結果に基づき、前記シフト部材(16)に対する係合を解除して操作許容を行い、或いは、前記シフト部材(16)に対して係合して機械的操作ロックを行うロック手段(19)と、
前記シフト部材(16)自体又はその周辺において押圧操作自在に設けられ、かつエンジン始動信号を出力可能なエンジンスタート手段(35,73)に対して作動連結され、押圧操作されることでエンジンスタート手段(35,73)をオン作動させて、エンジン始動信号を出力させるエンジンスタート操作手段(17,58)と
を備え、
前記エンジンスタート操作手段(17,58)とシフト部材(16)は、共通のロック手段(19)にて操作許容又は機械的操作ロックされ、
前記シフト部材(16)には、前記ロック手段(19)を構成するソレノイド(19)のプランジャ(19a)が進出及び後退することで同プランジャ(19a)が挿脱されるロック孔(16e)が形成され、
前記プランジャ(19a)が前記ロック孔(16e)に挿入されて同プランジャ(19a)がロック位置に位置しているとき、該プランジャ(19a)との当接により前記シフト部材(16)が回動不可状態となる機械的操作ロック状態になるとともに、該プランジャ(19a)との当接により前記エンジンスタート操作手段(17,58)が押圧操作不可状態となる機械的操作ロック状態になり、
一方、前記プランジャ(19a)が前記ロック孔(16e)から退出して同プランジャ(19a)がアンロック位置に位置しているとき、前記シフト部材(16)が回動可能状態となる操作許容状態になるとともに、前記エンジンスタート操作手段(17,58)が押圧操作可能状態となる操作許容状態になることを特徴とするシフト装置。
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