JP4689789B2 - 発泡樹脂磁石の成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を可塑化・射出装置により可塑化して発泡溶融樹脂を得て、これを金型のキャビテイに射出して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形する発泡樹脂磁石の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂中に磁性粉が混入されている樹脂磁石の比重は、金属磁石の比重が略7.9であるのに対し、3〜3.5程度と比較的小さいので、軽量磁石として多用されている。このような樹脂磁石は、射出成形機により成形されている。射出成形機は、従来周知のように、概略的に可塑化・射出装置と金型装置とからなっている。可塑化・射出装置は、スクリュシリンダ、このスクリュシリンダ内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ等から構成されている。一方、金型装置は、固定金型、この固定金型に対して型開閉される可動金型、型締装置等から構成されている。そして、固定金型と可動金型のパーテイングライン側に成形品に形を与えるキャビテイが形成されている。したがって、磁性粉を含んだ熱可塑性樹脂を可塑化・射出装置により可塑化計量し、そして型締めされた金型のキャビテイに射出し、冷却固化を待って可動金型を開くと、樹脂磁石が得られる。
【0003】
上記のように、樹脂磁石は、射出成形機により得ることができるが、その改良された成形方法が、本出願人により例えば特開平5−8566号により提案されている。すなわち、上記特開平5−8566号には、所定量の磁性粉を含んだ熱可塑性樹脂を可塑化し、このとき化学的発泡剤も混入して発泡溶融樹脂を得て、そして型締めされた金型のキャビテイに射出し、冷却固化を間って可動金型を開いて発泡樹脂磁石を得る成形方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして得られる発泡樹脂磁石は、その内部に多数の発泡セルを有するので、比重は樹脂磁石に比較してさらに小さく、「1」以下になっている。このように比重が小さいので、特殊な用途例えば磁石式フロートスイッチとしても利用され、軽量な発泡樹脂磁石を提供するという、発明の所期の目的は達成されている。しかしながら、改良すべき点も認められる。例えば、化学的発泡剤としては、フロン系、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、ニトロ化合物等が知られているが、これらの化学的発泡剤を使用して発泡させても発泡セルのサイズの下限は、60〜100μmのように大きいので、強度が落ちることがある。また、化学的発泡剤の添加量を増やすことができないので、発泡率を上げるにも限界があり、従来の成形方法ではさらに比重の小さい発泡樹脂磁石は得られない。もっとも、比重の大きい磁性粉の含有割合を減らすと、軽量化は達成されるが、そうすると所定の磁力が得られなくなる。さらには、化学的発泡剤は、高価で発泡樹脂磁石のコスト高を招く。また、発泡樹脂磁石中に残留する化学的発泡剤の分解残留物が製品である発泡樹脂磁石を変色させたり、臭気の原因になることもある。さらには、ダイオキシンのような有害物質の発生の恐れもある。このような理由からも、化学的発泡剤を使用することは必ずしも好ましいものではない。
本発明は、上記したような問題点を解決した発泡樹脂磁石の成形方法を提供することを目的とし、具体的には発泡セルは小さく、したがって強度は大きく、しかも比重は小さくて軽量でもある発泡樹脂磁石の成形方法およびこの成形方法の実施により得られる発泡樹脂磁石を提供することを目的としている。また、低コストで、しかも環境を汚染することなく成形できる、発泡樹脂磁石の成形方法を提供することも目的としている。他の発明は、上記目的に加えて、外観品質に優れた発泡樹脂磁石の成形方法を提供することも目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁性粉を含んだ熱可塑性樹脂に、二酸化炭素、窒素等の物理的発泡剤を溶解させると、発泡セルは微細になり、発泡力は大きい、という知見に基づいてなされたものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記カウンタープレッシャーを一気に開放して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形するように構成される。請求項2に記載の発明は、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形するように、請求項3に記載の発明は、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形するように、請求項4に記載の発明は、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出し、射出された発泡溶融樹脂を圧縮し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形するように、請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかの項に記載の成形方法において、キャビテイを得ようとする成形品に応じた容積まで拡張して発泡させるとき、これに関連してカウンタープレッシャーも開放するように構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態に係わる発泡樹脂磁石の成形方法の実施に使用される射出成形装置は、図1に示されているように、概略的には可塑化・射出装置KSと、金型装置KA1とからなっている。可塑化・射出装置KSは、本出願人が提案中の特願平11−171892号、同11−300412号、同11−337718号等に記載されているように構成することもできるが、図1に示されている実施の形態では、特願平11−300473号により提案されているように、スクリュシリンダ1と、このスクリュシリンダ1の内部に可塑化方向に回転駆動されると共に、軸方向すなわち射出方向にも駆動されるスクリュ20と、不活性ガス供給装置10とから構成されている。
【0007】
スクリュシリンダ1は、軸方向に所定長さを有し、その略中間位置においてスクリュシリンダ1の外部から内部に達する、超臨界ガス圧以上の圧力の不活性ガスを供給するための、ガス供給孔2が開けられている。そして、このガス供給孔2に不活性ガス供給装置10に連なっているガス管3が気密的に接続されている。不活性ガス供給装置10は、本実施の形態では、二酸化炭素ガス、窒素ガス等が充填されている不活性ガスボンベ11、不活性ガスを超臨界ガス圧力の数MPa〜20MPa程度の圧力に加圧する圧縮機12、ガス管3に介装されている絞弁13、13、電磁開閉弁14、14等から構成されている。なお、不活性ガス供給装置10には、不活性ガスを超臨界温度以上に加熱する特別な加熱装置はないが、不活性ガスがスクリュシリンダ1内に供給されると、溶融状態の溶融樹脂により超臨界温度以上に加熱され、流体となる。このように、加熱装置は必要ではないが、溶融樹脂の温度低下を避けるために、射出成形装置等から生じる廃熱を利用して予熱することはできる。
【0008】
スクリュシリンダ1の、図1において左方の先端部寄りは計量室4となり、その先端部に射出ノズル5が設けられている。この射出ノズル5には、従来周知の構造をしたシャットオフ弁6が設けられている。スクリュシリンダ1の、後端部寄りに材料供給孔が開けられ、そしてその後端部にスクリュ駆動装置が設けられているが、これらは図1には示されていない。スクリュ駆動装置は、従来周知のように構成できるので、詳しい説明はしないが、例えば回転モータとピストン・シリンダユニットとを備え、回転モータの出力軸とスクリュ20の後端部のスクリュ軸は、スプライン軸、滑りキー等の機械的手段により接続されている。したがって、スクリュ20が回転駆動されるときも軸方向に移動可能である。また、ピストン・シリンダユニットのピストンにより、計量時に溶融樹脂に超臨界圧力をかけることも、計量された発泡溶融樹脂を射出することもできるようになっている。このようなスクリュシリンダ1および射出ノズル5の外周部には個々に温度が制御される複数個の加熱ヒータが設けられ、スクリュシリンダ1内の温度が超臨界温度以上、例えば摂氏100度以上に保たれるが、加熱ヒータは図1には示されていない。
【0009】
熱可塑性樹脂に体積比で10〜30%の磁性粉が混合された射出材料は、スクリュシリンダ1の材料供給孔に供給されるようになっている。スクリュ20は、可塑化時および射出時には軸方向に移動し、位置が変化するので、必ずしも正確ではないが、図1に示されているように、スクリュシリンダ1に対応して、後端部が第1ステージS1、先端部が第2ステージS2となっている。第1ステージS1は、供給部Kと、この供給部Kの先方の第1圧縮部A1と、その先方の第1メタリング部M1とからなっている。供給部Kは、スクリュシリンダ1の材料供給孔に対応し、そのスクリュ溝21は比較的深くなっている。第1圧縮部A1のスクリュ溝21は、供給部Kの溝深さから第1メタリングM1のスクリュ溝深さまで暫時変化し、第1メタリング部M1のスクリュ溝21は浅くなっている。このように浅くなっているので、スクリュ20の回転により供給部Kから送られてきた磁性粉と熱可塑性樹脂とからなる射出材料は、スクリュシリンダ1に設けられた加熱ヒータからの熱を受けると共に、第1圧縮部A1で圧縮と剪断作用を受けながら溶融し、第1メタリング部M1では完全に溶融されている。これにより、注入される不活性ガスが供給部Kの方へ漏れることが防止される。すなわち、溶融樹脂によりシールされることになる。
【0010】
第2ステージS2は、第1ステージS1に続く減圧部Gと、その先方の第2圧縮部A2と、さらにその先方の第2メタリング部M2とからなっている。減圧部Gのスクリュ溝21は、深くなっている。これにより、第1ステージS1から送られてくる溶融樹脂は、減圧される。その結果、不活性ガスの注入が容易になる。また、この減圧部Gは、スクリュ20が軸方向に移動してもガス供給孔2をカバーできる長さに選定されている。第2圧縮部A2のスクリュ溝21は比較的浅く、第2メタリング部M2のスクリュ溝21はさらに浅くなっており、溶融樹脂で満たされている。これにより、注入された不活性ガスあるいは流体は、第2メタリング部M2の溶融樹脂によりシールされることになる。
【0011】
スクリュ20の減圧部Gのスクリュ溝21は、深くなってフライト23、23間の容積は大きくなっているが、スクリュ溝21を深くする代わりに、フライト23の幅を狭くしてフライト23、23間の容積を大きくすることもできる。また、フライト23のピッチを広げ、フライト23、23間の容積を大きくすることもできる。さらには、スクリュ溝21を深くし、フライト23の幅を狭くし、ピッチを広げることができることは明らかである。
【0012】
金型装置KA1は、固定盤30、この固定盤30に取り付けられている固定金型31、固定金型31に対して型開閉される可動金型35等から構成されている。なお、可動金型35が取り付けられる可動盤、可動金型35を固定金型31に対して型締めあるいは型開きするための型締装置、成形品を突き出すエジェクタ装置等は示されていない。固定金型31のパーテイングラインP側は、本実施の形態では平面になっているが、可動金型35のパーテイングラインP側には、所定の間隔をおいて本実施の形態では2個の凹部36、36が形成されている。これらの凹部36、36と、固定金型のパーテイングラインP側の面とで発泡樹脂磁石を成形するためのキャビテイC1、C1が構成される。また、可動金型35のパーテイングラインP側には、その略中心部にランナ37、37が形成されている。これらのランナ37、37の一方は、固定金型31のスプル32に連通し、他方はゲートを介してキャビテイC1、C1にそれぞれ連通している。なお、可動金型35のパーテイングラインP側に、1個の凹部と、この凹部の中心部に位置する1個の凸部を形成すると、キャビテイはドーナツ状となる。したがって、この場合は1個のドーナツ状の発泡樹脂磁石が得られることになる。
【0013】
本実施の形態に係わる射出成形装置は、制御器、タイマー等からなるコントローラも備えているが、図1には示されていない。コントローラには、設定器が設けられている。そして、この設定器により可塑化、射出、型開速度等に必要な各種の値、例えば不活性ガスの圧力の上下限値、不活性ガスの供給開始時期、および停止時期等を設定するタイマーの設定、スクリュ駆動装置の回転モータの回転速度、可塑化時の背圧値、スクリュシリンダ1および射出ノズル5の外周部に設けられている加熱ヒータの温度、第2の実施の形態の箇所で後述するカウンタープレッシャーの付加および開放時期等が設定できるようになっている。そして、上記の各種の値が設定値に維持されるように、制御器により例えばフィードバック制御される。また、不活性ガスの圧力が上下限値を超えたときは、アラーム等が作動すると共に、可塑化・射出装置KSが停止するようにもなっている。このようなコントローラと、ガス管3に設けられている圧力計P1、スクリュシリンダ1の第2メタリング部M2に設けられている圧力計P2、計量室4に設けられている圧力計P3、スクリュ駆動装置等とは図示されない信号ラインによりそれぞれ接続されている。
【0014】
次に、上記射出成形装置を使用した、本発明の第1の実施の形態に係わる成形例について説明する。磁性粉が体積比で10〜30%含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料をホッパに入れる。コントローラに付属している設定器により、可塑化に必要な各種の値例えば、ガス管3中の不活性ガスの圧力の上下限値、第2メタリング部M2の圧力値、計量室4中の圧力値、加熱ヒータの温度、スクリュ20の計量完了位置、スクリュ20の回転速度、可動金型35の型締め間隔、型開き速度等を設定する。また、シャットオフ弁6を閉じる。スクリュ駆動装置によりスクリュ20を回転駆動して計量工程を開始する。射出材料は、スクリュ20の供給部Kに供給される。スクリュ20の回転により送られる射出材料は、加熱ヒータから加えられる熱と、スクリュ20の回転による摩擦作用、剪断作用等により生じる熱とにより、溶融し、第1圧縮部A1を経て第1メタリング部M1へと送られる。第1メタリング部M1で完全に溶融され、そして次の第2ステージS2へと送られる。このときの、スクリュシリンダ1内の温度は、不活性ガスの超臨界温度以上の例えば摂氏100度以上になっている。
【0015】
コントローラのタイマーがタイムアップを計時すると、第2ステージS2の減圧部Gに、二酸化炭素ガス、窒素ガス等の不活性ガスが不活性ガス供給装置10から注入される。第1メタリング部M1で完全に溶融された溶融樹脂が、スクリュシリンダ1の内周壁と、フライト23、23間と、スクリュ軸の外周面21との間に充満し、この第1メタリング部M1の溶融樹脂により、注入された不活性ガスが供給部Kの方へ漏れることが防止される。また、注入されるとき、減圧部Gのスクリュ溝21は深くなって、溶融樹脂の圧力は低くなっているので、超臨界ガス圧以上ではあるが、数MPa〜20MPa程度の比較的低い圧力で注入することができる。注入された不活性ガスは、スクリュシリンダ1内で加熱されて流体となって、スクリュ20の回転により溶融樹脂中に容易に浸透、溶解する。これにより、射出材料は発泡溶融樹脂となる。そうして、第2ステージS2の第2圧縮部A2を経て第2メタリング部M2へと送られる。このときも、第2圧縮部A2および第2メタリング部M2の圧力が超臨界圧力以下にならないように、不活性ガスが供給される。第2メタリング部M2における溶融樹脂により注入される不活性ガスが、スクリュシリンダ1の先方へ漏れることが防止される。
【0016】
不活性ガスが液体となって溶解した発泡溶融樹脂は、計量室4へと送られる。計量が進むに従い、計量された発泡溶融樹脂の圧力によりスクリュ20は、後方へ後退する。このとき、計量室4の圧力は圧力計S3で計測され、計測される圧力が超臨界圧力以下にならないように、スクリュ20を射出方向に加圧して計量する。所定量後退したら、これを検知して計量を終わる。次に射出工程に入るが、射出工程時にも、不活性ガスの注入を続ける。タイマーがタイムアップを計時して注入を停止する。なお、射出工程に入る前に、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、スクリュ20を射出方向に移動し加圧する。あるいは、低速で可塑化方向に回転駆動することもできる。
【0017】
可動金型35を固定金型31に対して型締めする。そうすると、図2の(イ)に示されているように、可動金型35の凹部36、36と、固定金型31のパーテイングラインP側の面とによりキャビテイC1、C1が構成される。次いで、シャットオフ弁6を開いて、スクリュ20を軸方向に駆動する。そうすると、計量室4の発泡溶融樹脂は、スプル32、ランナ37、37およびゲートを通ってキャビテイC1、C1に射出充填される。第1の実施の形態では、キャビテイC1、C1内は加圧されていないので、射出される発泡溶融樹脂は、直ちに発泡を開始する。そうして充填される。発泡しながら充填されている途中の状態が図2の(イ)に示されている。射出充填された発泡溶融樹脂の冷却固化を待って可動金型35を開くと、成形品すなわち発泡樹脂磁石は可動金型35の方に付いて開かれる。さらに開くと、エジェクタピンにより発泡樹脂磁石が突き出される。これにより、(平均セル径が0.01〜50μm、平均セル密度が10〜1016個/cmの)比重が1以下の軽量で、強度大きい発泡樹脂磁石が得られる。以下同様にして成形する。
【0018】
第1の実施の形態によると、発泡溶融樹脂には物理的発泡剤すなわち不活性流体が溶解されているので、微細に発泡する。したがって、軽量であるにもかかわらず強度は大きく、ソリ、変形等も少ない発泡樹脂磁石が得られる。また、発泡溶融樹脂には不活性流体が溶解されているので、流動抵抗が小さく、キャビテイC1、C1の隅々まで均一に侵入、膨張し、形状品質の高い発泡樹脂磁石が得られる。さらには、発泡剤に物理的発泡剤が使用されているので、発泡樹脂磁石が変色することも、環境を汚染するようなこともない。
【0019】
本発明の第2の実施の形態では、キャビテイにはカウンタープレッシャーがかけられるが、そのカウンタープレッシャー付加装置40を備えた金型装置KA2の実施の形態が、図2の(ロ)に示されている。可塑化・射出装置KS、固定金型31、可動金型35等は、前述したように構成されているので、説明はしないが、カウンタープレッシャー付加装置40は、二酸化炭素ガス、窒素ガス等の不活性ガスが充填されているガスボンベ41、不活性ガスを超臨界圧力以上に加圧する加圧器、圧力制御弁42、電磁開閉弁43、43等からなり、これらを接続している管路44、44の終端部がキャビテイC2、C2に開口している。なお、空気によってカウンタープレッシャーをかけることもできるが、このときはガスボンベ41は不要となる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる成形例を図2の(ロ)、(ハ)によって説明する。前述したようにして、物理的発泡剤が熔解された所定量の発泡溶融樹脂を得る。固定金型31に対して可動金型35を型締めし、キャビテイC2、C2を構成する。そうして、カウンタープレッシャー付加装置40によりキャビテイC2、C2にカウンタープレッシャーをかける。次いで、シャットオフ弁6を開いて、スクリュ20を軸方向に駆動する。そうすると、計量室4の所定量の発泡溶融樹脂は、スプル32、ランナ37、37およびゲートを通ってキャビテイC2、C2に射出充填される。第2の実施の形態では、キャビテイC2、C2内はカウンタープレッシャーがかけられているので、射出される発泡溶融樹脂は、射出時には発泡しない。発泡しない状態で、キャビテイC2、C2内に所定の空間SP2、SP2が残るように充填する。この状態が図2の(ロ)に示されている。次いで、電磁開閉弁43を開いてカウンタープレッシャーを一気に開放する。これにより、射出された発泡溶融樹脂は、図2の(ハ)に示されているように、キャビテイC2、C2内一杯に発泡する。冷却固化を待って可動金型35を開くと、前述したように比重が1以下の軽量で、強度の大きい発泡樹脂磁石が突き出される。以下同様にして成形する。
【0021】
本実施の形態によると、空間SP2、SP2が残るように充填されるので、射出圧力は低くても良い。また、発泡溶融樹脂には不活性液体が溶解されているので、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。また、本実施の形態によると、射出充填する過程では発泡しないので、発泡樹脂磁石の表面にシルバーストリークのような外観品質を落とす現象は現れない。
【0022】
本発明の第3、4および第5の実施の形態に係わる成形方法の実施に使用される金型装置KA3の実施の形態が、図3の(イ)に示されている。金型装置KA3のカウンタープレッシャー付加装置40は、前述したカウンタープレッシャー付加装置40と同じように構成されているので説明はしないが、本実施の形態に係わる固定金型51と可動金型54は、次のように構成されている。すなわち、固定金型51のパーテイングラインP側の周囲には、可動金型54の方へ延びた、キャビテイプレート53が設けられている。このキャビテイプレート53により、その内周面と固定金型51のパーテイングラインP側の面とにより、発泡樹脂磁石を成形するためのキャビテイC3、C3を構成する凹部が構成される。
【0023】
可動金型54のパーテイングラインP側には、固定金型51の方へ突き出た凸部55が形成されている。この凸部55の外周面は、キャビテイプレート53の内周面と密に接触して軸方向に移動する。また、可動金型54のパーテイングラインP側には、その中央部に所定深さの凹部56が形成され、この凹部56に、ランナ部材57が軸方向に移動自在に設けられている。このランナ部材57は、可動金型54を固体金型51に対して型締めすると、その頂部は固定金型51のパーテイングラインP側の面と協働して、複数個のランナ58、58とゲートとを構成し、可動金型54を所定量開くと、可動金型54の方に付いて固定金型51の方から離間するようになっている。なお、ランナ部材57が、キャビテイプレート53の内周面と固定金型51のパーテイングラインP側の面とにより形成される凹部を二分すると、上記したように2個のキャビテイC3、C3が構成されるが、ランナ部材57が凹部の中心部に位置し、凹部がランナ部材57の周りに連通した状態になると、1個のドーナツ状のキャビテイが構成されることになる。これにより、ドーナツ状の発泡樹脂磁石が成形される。
【0024】
キャビテイプレート53のパーテイングラインPと、可動金型54のパーテイングラインPとの間には、可動金型54を固定金型51の方から、あるいはキャビテイプレート53の方から離間させる方向に作用する複数個のコイルスプリング59、59、…が介在されている。なお、型締装置は、図3の(イ)には示されていないが、可動金型54を所定位置に型締め、あるいは保持することも、また所定速度で所定位置まで型開きすることも、さらには圧縮機能も備えている。
【0025】
次に、上記金型装置KA3を使用した、本発明の第3の実施の形態に係わる成形例について説明する。図3の(ロ)に示されているように、可動金型54を固定金型51に対して型締めする。そうすると、得ようとする発泡樹脂磁石よりも容積の小さい、あるいは狭いキャビテイC3’、C3’が構成される。また、カウンタープレッシャー付加装置40からキャビテイC3’、C3’に所定圧力のカウンタープレッシャーをかける。前述したようにして、物理的発泡剤が溶解された所定量の発泡溶融樹脂を得る。そうして、シャットオフ弁6を開いて、スクリュ20を軸方向に駆動してキャビテイC3’、C3’へ射出する。このとき、キャビテイC3’、C3’には未充填の空間SP3、SP3が残るように射出する。なお、未充填の空間SP3、SP3が残るように射出しても、キャビテイC3’、C3’には所定圧力のカウンタープレッシャーがかけられているので、発泡はしない。このような状態が、図3の(ロ)に示されている。次いで、可動金型54を得ようとする発泡樹脂磁石のキャビテイC3、C3の大きさになるまで、所定速度で開く。このとき、可動金型54はコイルスプリングの59、59の復元力により可動金型54に追従して開かれる。可動金型54を所定位置まで開くことにより、あるいはキャビテイC3、C3を膨張させることにより、キャビテイC3、C3内の圧力が下がり、発泡が始まる。この型開きと関連してカウンタープレッシャーを一気に開放する。そうすると、広げたキャビテイC3、C3一杯に発泡、膨張する。発泡した状態が図3の(ハ)に示されている。冷却固化を待って可動金型54を開くと、発泡樹脂磁石は表面積の差等により可動金型54の方に残って開かれ、さらに開くと、エジェクタピンが突き出て、(平均セル径が0.01〜50μm、平均セル密度が10〜1016個/cmの)発泡樹脂磁石が突き出される。以下同様にして成形する。第3の実施の形態によると、空間SP3、SP3が残るように充填されるので、比較的低い射出圧力で射出できる効果が付加される。また、発泡溶融樹脂は、空間SP3、SP3と、キャビテイC3’、C3’からキャビテイC3、C3に拡張された空間とにまたがって膨張するので、発泡率の高い発泡樹脂磁石が得られる。
【0026】
次に、本発明の第4の実施の形態に係わる成形例を説明する。第3の実施の形態によると、図3の(ロ)に示されているように、発泡溶融樹脂は空間SP3、SP3が残るように充填されるが、第4の実施の形態では密に充填される。そうして、可動金型54を得ようとする成形品のキャビテイC3、C3の大きさになるまで開く。このとき、可動金型54はコイルスプリングの58、59の復元力により可動金型54に追従して開かれる。カウンタープレッシャーも一気に開放する。以下、第3の実施の形態と同様にして、発泡樹脂磁石を得る。本実施の形態によると、発泡溶融樹脂は密に充填されるので、射出圧力は多少高くなるが、表面転写性がさらに向上する効果が得られる。
【0027】
最後に、本発明の第5の実施の形態に係わる成形例を図4に関して説明する。第1の実施の形態と同様にして、物理的発泡剤が溶解された発泡溶融樹脂を得る。固定金型51と可動金型54のパーテイングラインP、Pの間隔が所定間隔T1になるように、可動金型54を型締めする。この間隔T1で構成されるキャビテイC5’、C5’は、得ようとする発泡樹脂磁石のキャビテイC5、C5よりも所定量だけ狭い。また、カウンタープレッシャー付加装置40からキャビテイC5’、C5’に所定圧力のカウンタープレッシャーをかける。次いで、シャットオフ弁6を開いて、スクリュ20を軸方向に駆動してキャビテイC5’、C5’に射出する。このとき多少の空間が残るように射出することもできる。射出が終わった状態が、図4の(イ)に示されている。続いて、発泡溶融樹脂が固化する前に可動金型54を所定の型締力で型締めする。すなわち、射出された発泡溶融樹脂を圧縮する。圧縮された状態が図4の(ロ)に示されている。次いで、可動金型54を、パーテイングラインP、Pの間隔がT2になるように、可動金型54を所定速度で開く。この間隔T2に開くことにより、得ようとする成形品のキャビテイC5、C5の大きさになる。開くことにより、キャビテイC5、C5内の圧力が下がり、発泡が始まる。この型開きと関連してカウンタープレッシャーを一気に開放する。発泡溶融樹脂は、前述したようにしてキャビテイC5、C5一杯に発泡、膨張する。発泡、膨張した状態が図4の(ハ)に示されている。冷却固化を待って可動金型54を開くと、前述したようにして発泡樹脂磁石が得られる。以下同様にして成形する。
【0028】
第5の実施の形態によっても、前述した実施の形態により得られる効果と同様な効果が得られるが、本実施の形態によると、射出された発泡溶融樹脂を発泡、膨張させる前に圧縮するので、表面転写性がさらに向上する効果が得られる。
【0029】
前述した実施の形態では、不活性ガスは、超臨界圧力以上に加圧されているが、超臨界温度以上に加温はされていないので、超臨界状態の流体にはなっいないが、超臨界温度以上に加熱して超臨界状態の不活性流体を注入するように実施できることは明らかである。また、減圧部Gに注入できる圧力であれば、常温の不活性ガスを減圧部Gに注入しても、スクリュシリンダ1の前方は溶融樹脂により超臨界圧力および温度以上になっているので、注入される不活性ガスは超臨界状態の流体となって溶融樹脂中に溶解される。したがって、格別に加圧、加温されない不活性ガスを注入するように実施できることも明らかである。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記カウンタープレッシャーを一気に開放して発泡させて発泡樹脂磁石を成形するので、すなわち発泡溶融樹脂には超臨界状態の物理的発泡剤が溶解されているので、微細に発泡する。したがって、本発明によると、軽量で、強度は大きく、ソリ、変形等も少ない発泡樹脂磁石が得られる。また、発泡溶融樹脂には物理的発泡剤が溶解されているので、流動抵抗が小さく、キャビテイ隅々まで均一に侵入、発泡し、形状品質の高い発泡樹脂磁石が得られる。さらには、発泡剤に物理的発泡剤が使用されているので、発泡樹脂磁石が変色することも、環境を汚染するようなこともない。また、安価に成形できる効果も得られる。このとき、本発明によると、空間が残るように射出充填するので、射出圧力は低くても射出できる効果が得られ、またカウンタープレッシャーにより射出充填する過程では発泡しないので、発泡樹脂磁石の表面にシルバーストリークのような外観品質を落とす現象は現れない。計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動するので、計量室で妄りに発泡するようなことはない。
上記のような効果が得られると共に、超臨界圧力以上の物理的発泡剤はスクリュの減圧部に対応した位置に注入するので、超臨界圧力以上ではあるが比較的低い圧力で注入することができる。また、注入された物理的発泡剤はスクリュの第1、2メタリング部によりシールされ、スクリュシリンダの供給部および先端部へ漏れることが防止される。
請求項2に記載の発明によると、上記のような効果に加えて、超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させた発泡溶融樹脂を、カウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて発泡樹脂磁石を成形するので、すなわち空間が残るように充填するので、比較的低い射出圧力で射出できる効果が得られる。また、発泡溶融樹脂は、空間と、拡張されたキャビテイとにまたがって膨張するので、発泡率の高い発泡樹脂磁石が得られる。
請求項3に記載の発明によると、超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させた発泡溶融樹脂をカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて発泡樹脂磁石を成形するので、すなわち発泡溶融樹脂は密に充填されるので、射出圧力は多少高くなるが、成形される発泡樹脂磁石の表面転写性がさらに向上する効果が得られる。
請求項4に記載の発明によると、超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させた発泡溶融樹脂を、カウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出し、射出された発泡溶融樹脂を圧縮し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて発泡樹脂磁石を成形するので、すなわち射出された発泡溶融樹脂を発泡、膨張させる前に圧縮するので、表面転写性がさらに向上する効果が得られる。
請求項5に記載の発明によると、キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させるとき、カウンタープレッシャーも一気に開放するので、発泡状態がさらに良好な発泡樹脂磁石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるの成形方法の実施に使用される射出成形装置の実施の形態を一部断面にして示す正面図である。
【図2】図2の(イ)は、本発明の第1の実施の形態に係わる成形過程を示す金型部分の断面図、その(ロ)は本発明の第2の実施の形態に係わる成形方法の実施に使用される金型装置を一部断面にして示すと共に、その1成形過程も示す断面図、その(ハ)は他の成形過程を示す断面図である。
【図3】図3の(イ)は、本発明の第3、4および第5の実施の形態に係わる成形方法の実施に使用される金型装置を一部断面にして示す断面図、その(ロ)、(ハ)は本発明の第3の実施の形態に係わるそれぞれ異なる成形過程を示す金型の断面図である。
【図4】図4(イ)、(ロ)、(ハ)は本発明の第5の実施の形態に係わるそれぞれ異なる成形過程を示す金型の断面図である。
【符号の説明】
KS 可塑化・射出装置
KA1、KA2、KA3 金型装置
10 不活性ガス供給装置
31、51 固定金型
35、54 可動金型
40 カウンタープレッシャー付加装置
C1、C2、C3、C5 キャビテイ

Claims (5)

  1. 所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記カウンタープレッシャーを一気に開放して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形することを特徴とする発泡樹脂磁石の成形方法。
  2. 所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに、該キャビテイに所定の空間が残るように射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形することを特徴とする発泡樹脂磁石の成形方法。
  3. 所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出充填し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形することを特徴とする発泡樹脂磁石の成形方法。
  4. 所定量の磁性粉が含有された熱可塑性樹脂からなる射出材料を、スクリュシリンダと該スクリュシリンダに対応して後端部の方から先端部にかけて第1メタリング部、減圧部および第2メタリング部となっているスクリュとからなる可塑化・射出装置により可塑化すると共に、前記スクリュの減圧部に対応した位置に二酸化炭素、窒素等の超臨界圧力以上の物理的発泡剤を注入して、可塑化された溶融樹脂中に超臨界状態の物理的発泡剤を溶解させて計量し、計量された発泡溶融樹脂の圧力が超臨界圧力以下に下がらないように、前記スクリュを射出方向に移動あるいは低速で可塑化方向に回転駆動して発泡溶融樹脂を得て、これを窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気等の気体によりカウンタープレッシャーがかけられている金型のキャビテイに射出し、射出された発泡溶融樹脂を圧縮し、その後前記キャビテイを得ようとする発泡樹脂磁石に応じた容積まで拡張して発泡させて比重の小さい発泡樹脂磁石を成形することを特徴とする発泡樹脂磁石の成形方法。
  5. 請求項2〜4のいずれかの項に記載の成形方法において、キャビテイを得ようとする成形品に応じた容積まで拡張して発泡させるとき、これに関連してカウンタープレッシャーも開放する発泡樹脂磁石の成形方法。
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