この発明は、一次蒸気により給水を間接加熱して二次蒸気を生成するリボイラと称される蒸気発生器を用いた清浄蒸気生成システムおよび清浄蒸気生成方法に関する。
従来のこの種リボイラにおいては、特許文献1に示されるように、一次蒸気は間接熱交換の後利用されることなく、そのままドレンとして捨てられていた。また、利用されたとしても熱回収だけであり、再利用されることなく、捨てられていた。
この出願の発明者等は、研究開発の過程で、これまではリボイラの一次蒸気の凝縮水は、純度が低く捨てるしかないといった常識を破り、二次蒸気用の給水,すなわち純水として利用して純度の高い清浄蒸気を生成することが可能との第一の知見を得た。
また、通常の蒸気発生器にて生成した一次蒸気の凝縮水をリボイラの給水として利用しようとすると、一次蒸気中には、錆などの固形物や二酸化炭素などの不凝縮性気体が混入し、錆や不凝縮性気体を含む実用的でない清浄蒸気となってしまう。そこで、一次蒸気またはその凝縮水に対して不純物分離処理を施すことにより、一次蒸気に錆や不凝縮性気体が混入していても純度が高く、実用に耐える清浄蒸気を生成することが可能との第二の知見をも得た。
この発明が解決しようとする課題は、一次蒸気(第一蒸気)を有効利用することにより、純度の高い清浄蒸気を得ることとともに、省エネルギーを実現すること、および給水として用いられる純水(RO水を含む)の使用量を削減または不要とすることである。さらには、錆や不凝縮性気体を含まない純度の高い清浄蒸気を得ることである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、第一給水を加熱して第一蒸気を生成する第一蒸気発生器と、前記第一蒸気により第二給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気発生器とを備え、前記第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給する清浄蒸気生成システムであって、前記第一蒸気から不純物としての固形物および不凝縮性気体を分離する不純物分離手段を備え、前記不純物分離手段が、間接加熱前の第一蒸気から不純物としての固形物を分離する第一不純物分離手段および間接加熱後の第一蒸気から不純物としての不凝縮性気体を分離する第二不純物分離手段を含み、前記第二不純物分離手段が、間接加熱後の凝縮水および不凝縮性気体を受容する高圧密閉系に構成した処理容器と、この処理容器の気層部と連通した前記処理容器から不凝縮性気体を排出する気体排出手段と、前記不凝縮性気体が除去された前記第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給する凝縮水供給手段とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、簡易な構成により、純度の高い清浄蒸気を生成することができる。また、エネルギーの有効利用を図り、省エネルギーを実現することができるとともに、純水の使用量を削減または零とすることができる。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、第一給水を加熱して第一蒸気を生成する第一蒸気発生器と、この第一蒸気発生器からの第一蒸気により純度の高い純水と称される給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気発生器とを含む清浄蒸気生成システムおよび清浄蒸気生成方法に実施される。
(システムの実施の形態)
まず、この発明のシステムの実施の形態について説明する。この発明のシステムの第一の実施の形態は、第一給水を加熱して第一蒸気を生成する第一蒸気発生器と、この第一蒸気発生器からの第一蒸気により第二給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気発生
器とを備え、第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給する清浄蒸気生成システムを特徴とする。
この第一の実施の形態においては、前記第一蒸気発生器において、第一給水の蒸気化により前記第一給水に当初から含まれる不純物は、前記第一蒸気発生器の蒸発処理により、その乾き度に応じて分離される(第一純水化ステップ)。ついで、前記第二蒸気発生器において、第一蒸気の凝縮により得られる純度の高い凝縮水を間接加熱により蒸気化するので、凝縮水に含まれる不純物が前記第二蒸気発生器の蒸発処理によりその乾き度に応じて分離される(第二純水化ステップ)。
こうして、第一純水化ステップと第二純水化ステップとの二段階の純水化を行うので、純度の高い第二蒸気を簡易な構成で生成することができる。また、第一蒸気を凝縮した高温の凝縮水を第二給水として使用するので、熱ロスを少なくでき、省エネルギーを実現することができる。さらに、別個の純水装置を不要とするか、別個の純水装置から純水(RO水を含む)を補給する場合には、純水使用量を削減することができる。
この第一の実施の形態において、好ましくは、第一蒸気から不純物としての固形物および不凝縮性気体(ガス)を分離する不純物分離手段を備え、この不純物分離手段により不純物分離処理を受けた第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給するように構成する。ここにおいて、分離とは分離および除去を意味するので、不純物除去手段または不純物分離除去手段と称することができる。また、第一蒸気からの不純物の分離とは、第一蒸気の凝縮によって得られる凝縮水からの不純物の分離を含む。
前記不純物分離手段を設けることにより、第一蒸気に錆などの固形物や二酸化炭素などの不凝縮性気体(非凝縮気体と称することができる。)が混入しても、前記不純物分離手段により、第一蒸気から前記固形物や前記不凝縮性気体などの不純物が分離される。かりに、錆が第二給水に混入すると、キャリーオーバー現象により、第二蒸気中に混入し、第二蒸気により加熱される被滅菌物や被加熱物を汚染することになる。また、二酸化炭素や酸素などの不凝縮性気体が混入すると、蒸気配管を腐食させる原因となり、実用に供し得ない(実用的でない)清浄蒸気となる。しかしながら、前記不純物分離手段を備えることにより、錆などの固形物や二酸化炭素などの不凝縮性気体を除去した実用に耐え得る(実用的な)純度の高い清浄蒸気とすることができる。
ここで、この第一の実施の形態の構成要素について説明する。前記第一蒸気発生器は、第一給水を加熱することにより、第一蒸気を生成するボイラである。この第一蒸気発生器は、システムの簡素化および低コスト化の観点から、好ましくは、第一給水をバーナなどの加熱源により加熱する通常蒸気発生器(ボイラ)とする。この通常蒸気発生器を用いた場合は、第一給水は、純水でない井戸水や水道水を軟化して得られる軟水が用いられる。
ここで、純水とは、所定の電気伝導度以下の水を意味するものとする。所定の電気伝導度とは、たとえば、5μS/cmとするが、この数値に限定されるものではない。しかしながら、超純度の清浄蒸気を生成する場合には、前記第一蒸気発生器を第一給水として純度の高い水を使用する間接加熱式の蒸気発生器とすることができる。
前記第二蒸気発生器は、リボイラと称される清浄蒸気発生器であり、通常蒸気を生成する前記第一蒸気発生器から供給される第一蒸気によって、純度の高い第二給水を間接加熱することにより、蒸気化してクリーンな第二蒸気を生成する。生成した第二蒸気は、蒸気滅菌装置などの清浄蒸気使用設備へ供給するように構成される。
この第二蒸気発生器の間接加熱を行う熱交換部の構造は、シェル・アンド・チューブ式
の熱交換器や、二重管式の熱交換器とするが、特定の構造のものに限定されない。また、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器とする場合には、好ましくは、チューブ側を一次側とするが、二次側とすることができる。また、二重管式の熱交換器とする場合には、好ましくは、内管側を一次側とするが、二次側とすることができる。
この第二蒸気発生器には、二次側において生ずる濃縮水を排出する濃縮水排出手段を設けることができる。この濃縮水排出手段は、前記第二蒸気発生器の二次側底部と接続される排水ラインとこの排水ライン途中に設ける排水制御弁とを含んで構成される。前記排水制御弁は、好ましくは、前記二次側底部の濃縮度を検出する濃縮度検出センサを設け、このセンサが設定値以上を検出すると前記排水制御弁を開くように構成する。前記濃縮度は、電気伝導度により検出可能である。
ここで、第一蒸気に混入し、前記不純物分離手段により分離しなければならない不純物について説明する。前記第一蒸気発生器から出てくる物質として、薬品やスラッジがキャリーオーバーした固形物と、前記一次蒸気発生器の給水に含まれていた空気(酸素など)や前記第一蒸気発生器の缶体内で発生した二酸化炭素(CO2)を含む不凝縮性気体(ガス)とがある。前記第一蒸気発生器にて発生する二酸化炭素は、Mアルカリの分解によって生ずる。
また、前記第一蒸気発生器から前記第二蒸気発生器への蒸気配管で発生する物質として、前記第一蒸気発生器の出口側の蒸気ヘッダに薬注した復水処理剤とその生成物(気体,液体,固体)と、前記蒸気配管内の錆や汚れ物質(いずれも固形物)などがある。
これらの不純物は、前記第一蒸気発生器を含めてこの第一蒸気発生器から前記第二蒸気発生器に至る経路にて付加、または混入される不純物ということで付加不純物または混入不純物と称することができる。また、これらの不純物は、第二蒸気に含まれると被滅菌物や被加熱物を汚染したり、配管腐食の原因となるので、汚染不純物と称することができる。
そして、前記不純物分離手段は、好ましくは、間接加熱前,すなわち前記第二蒸気発生器の上流側において第一蒸気から不純物を分離する第一不純物分離手段と、間接加熱後の第一蒸気またはその凝縮水から不純物を分離する第二不純物分離手段とを含んで構成される。
前記第一不純物分離手段は、前記不純物の中で主として蒸気配管中で発生した錆などを分離対象とする。具体的には、この第一不純物分離手段は、第一の形態として、間接加熱前の第一蒸気から水分を分離して排出する気液分離手段とすることができる。この気液分離手段は、好ましくは、蒸気ボイラで用いられる周知の遠心分離型,すなわち旋回流により水分を分離するのものとするが、バッフル板(分離板)により水分を分離する構成のものとすることができる。
前記第一蒸気発生器の運転停止中、前記第一蒸気発生器から前記第二蒸気発生器へ給蒸ライン(配管)中において錆が発生する。この錆は、前記第一蒸気発生器からの給蒸開始時に前記第二蒸気発生器へ流入しようとする。しかしながら、錆は、前記第一蒸気中の水分(初期ドレン)に含まれるので、前記第一不純物分離手段の分離機能により、その殆どが第一蒸気から分離されて、前記第二蒸気発生器への流入が阻止される。こうして、前記第一蒸気発生器の流入前,すなわち間接加熱前の段階で、第二蒸気に混入してはならない錆などの不純物を分離し、その濃度を低くすることができる。この第一の形態の第一不純物分離手段は、前記給蒸開始時だけでなく、その後において何らかの固形物が第一蒸気中に混入された場合においても、これを分離することができる。
また、前記第一不純物分離手段は、第二の形態として、前記第一蒸気発生器の起動時のドレンを前記第二蒸気発生器へ流入させることなく、排出する初期ドレン排出手段とすることができる。具体的には、給蒸制御弁を有し前記第一蒸気発生器から前記第二蒸気発生器へ第一蒸気を供給する給蒸ラインと、この給蒸ラインの前記給蒸制御弁の上流側から分岐し排出制御弁を有するドレン排出ラインとを含んで構成される。そして、前記第一蒸気発生器の給蒸開始時(起動時)からタイマーにより所定時間だけ、前記給蒸制御弁を閉じ、前記排出制御弁を開いて、前記初期ドレンを前記ドレン排出ラインから排出するように構成することができる。
また、前記タイマーに替えて、前記給蒸ラインに熱電対などの温度センサを設け、前記給蒸ライン表面の温度を検出して、確実に蒸気が来ていることを確認してから前記給蒸制御弁および前記排出制御弁の切換を行うように構成することができる。
また、前記ドレン排出ラインに濁度センサまたは電気伝導センサを設けて、これらのセンサが所定値以下を検出したとき、前記排出制御弁を閉じ、前記給蒸制御弁を開くように構成することができる。この場合、前記濁度センサまたは電気伝導度センサによる検出を可能とするために蒸気を凝縮する熱交換器を設け、この熱交換器にて凝縮した水の濁度または電気伝導度を検出するように構成する。
この第二の形態の第一不純物分離手段によれば、初期ドレンを排出することにより、前記給蒸ライン中にて生成された錆を分離、除去することができる。
また、前記第二不純物分離手段は、二酸化炭素および酸素などの不凝縮性気体を分離対象とする。具体的には、この第二不純物分離手段は、間接加熱後の第一蒸気およびその凝縮水を受容する密閉の処理容器(貯留容器と称することができる。)と、この処理容器内から前記不凝縮気体を排出する気体排出手段とを含んで構成することができる。前記凝縮水は、凝縮水が自己蒸発した後、再凝縮して得られる凝縮水を含む。
前記処理容器は、好ましくは、クローズド型の圧力容器として構成する。この場合、前記処理容器と前記第二蒸気発生器の一次側の出口とが第一凝縮水供給ラインにより連通接続される。また、前記処理容器の下部,すなわち液層部と前記第二蒸気発生器の二次側の入口とが、凝縮水供給手段により、連通接続される。この凝縮水供給手段は、第二凝縮水供給ラインとこの途中に設けた給水制御弁とを含んで構成される。この給水制御弁は、前記第二蒸気発生器の二次側の水位を検出する水位検出手段により、所定値以下の水位が検出されると、開かれ、前記二次側の水位が所定値以上となるように制御される。前記処理容器から前記第二蒸気発生器への給水は、好ましくは、差圧により行うが、給水ポンプを用いて行うことができる。
前記気体排出手段は、好ましくは、前記処理容器の気層部と連通した気体排出ラインと、この気体排出ラインに設けた排気制御弁とを含んで構成される。これにより、気体排出手段を簡易な構成とすることができる。前記処理容器は、前記第二蒸気発生器にて凝縮された凝縮水を高温(たとえば、120℃〜150℃)、密閉状態で受容し、前記排気制御弁を間欠的にタイマーなどにより開くことで、第一蒸気またはその凝縮水に混入した不凝縮性気体を容易に分離、排出することができる。
また、前記処理容器は、大気開放型の容器とすることができる。この場合、前記第二蒸気発生器からの凝縮水は、一度自己蒸発した後、再度凝縮するように構成される。
この第二不純物分離手段は、分離精度を高めることおよび構成を簡素化する点で重要で
ある。そして、特に、清浄蒸気を実用的なものとする上で、非常に重要である。前記のように第二不純物分離手段を、間接加熱後の第一蒸気およびその凝縮水を受容する処理容器と、この処理容器内から前記不凝縮気体を排出する気体排出手段とを含んで構成することにより、高い分離精度と簡素な構成とすることができる。これは、前記第二蒸気発生器において、第二給水を第一蒸気により間接熱交換により加熱する構成としたことによるところが大きい。すなわち、かりに、第二給水に第一蒸気を吹き込む直接加熱方式とすると、不凝縮性気体分離手段を前記第二蒸気発生器中に設けることなり、前記第二蒸気発生器の構成が複雑となるとともに、分離、除去精度を上げることは困難となる。
また、この第一の実施の形態においては、好ましくは、前記処理容器または前記第二蒸気発生器の二次側において、凝縮水が不足するときに、これを補給するために、純水を補給する水補給手段を備える。この水補給手段は、純水供給ラインとしての第一水補給ラインとこの第二水補給ラインの途中に設ける前記処理容器方向の流れを許容する逆止弁,原水を純水化する純水化装置および給水ポンプとを含んで構成される。ここでいう純水とは、好ましくは、電気伝導度で5μS/cm以下とするが、これに限定されないものであり、RO水レベルの電気伝導度以下とすることができる。
前記水補給手段は、前記処理容器に付設した水位検出手段により、システムの起動時などにおいて、前記処理容器内の水位が所定値以下に低下したとき、前記給水ポンプを作動して、純水を補給するように構成することができる。前記水位検出手段は、前記処理容器内および前記第二蒸気発生器の二次側の水の電気伝導度が低いので、好ましくは、機械的に水位を検出するフロート型水位検出器を用いる。
ところで、前記水補給手段は、場合によっては、これを省略することができる。省略した場合は、システムの起動時,または起動時前に、前記処理容器および/または前記第二蒸気発生器の二次側に所定量の純水を貯留する必要がある。
この発明は、前記した第一の実施の形態に限定されるものではない。前記実施の形態では、前記不純物分離手段は、第一不純物分離手段と第二不純物分離手段とを備えたものとしているが、前記第一不純物分離手段および前記第二不純物分離手段のいずかを備えるものであっても良い。また、錆などの固形物と不凝縮性気体とを前記第二蒸気発生器の熱交換部の一次側と二次側との間に設けた不純物分離手段により分離するように構成することができる。さらに、前記第一蒸気発生器は、ボイラ以外の蒸気発生源または蒸気供給源とすることができる。
また、この発明は、つぎの第二のシステムの実施の形態を含む。この第二の実施の形態は、第一蒸気により第二給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気発生器と、前記第一蒸気に含まれる不凝縮性気体を前記間接加熱後に分離する不凝縮性気体分離手段と、この不凝縮性気体が除去された前記第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給する凝縮水供給手段とを備えることを特徴とする清浄蒸気生成システムである。
この第二の実施の形態においては、第一蒸気は、前記第二蒸気発生装置による間接熱交換により凝縮され、間接熱交換後において前記不凝縮性気体分離手段により第一蒸気から不凝縮性気体が分離、除去される。このため不凝縮気体の分離精度を簡易な構成により高めることができる。そして、前記間接熱交換後の凝縮水は、新たなエネルギーを必要とすることなく、第一蒸気の凝縮潜熱を利用して再蒸気化することができる。
前記第二蒸気発生器は、前記第一の実施の形態と同様であり、前記不凝縮性気体分離手段は、前記第二不純物分離手段と同様であるので、その説明を省略する。
この第二の実施の形態において、前記間接熱交換前の第一蒸気から固形物を分離する固形物分離手段を設けることができる。この固形物分離手段は、前記第一不純物分離手段と同様であるので、その説明を省略する。
(方法の実施の形態)
この発明は、つぎの方法の実施の形態を含む。
この方法の実施の形態は、第一給水を加熱して所定の乾き度の第一蒸気を生成する第一蒸気生成ステップと、前記第一蒸気により第二給水を間接加熱することにより所定の乾き度の第二蒸気を生成する第二蒸気生成ステップと、前記第一蒸気の凝縮水を前記第二蒸気生成ステップの第二給水として供給する給水ステップとを含むことを特徴とする清浄蒸気生成方法である。
この方法の実施の形態において、前記第一蒸気から不純物としての固形物および/または不凝縮性気体を分離する不純物分離ステップを備え、前記第二蒸気生成ステップは、前記不純物分離ステップにより不純物分離処理を受けた凝縮水を前記第二給水として使用するように構成することができる。
さらに、これに加えて、前記不純物分離ステップが、間接加熱前の第一蒸気から不純物としての固形物を分離する第一不純物分離ステップおよび/または間接加熱後の第一蒸気から不純物としての不凝縮気体を分離する第二不純物分離ステップを含むように構成することができる。
この方法の実施の形態において、前記不純物分離ステップは、前記装置の実施の形態の不純物分離手段により実現でき、前記第一不純物分離ステップおよび前記第二不純物分離ステップは、それぞれ前記第一不純物分離手段,前記第二不純物分離手段により、実現される。
また、この発明は、つぎの第二の方法の実施の形態を含む。この第二の実施の形態は、第一蒸気により第二給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気生成ステップと、前記第一蒸気に含まれる不凝縮性気体を前記間接加熱後に分離する不凝縮性気体分離ステップと、前記不凝縮性気体が除去された前記第一蒸気の凝縮水を前記第二給水として供給する凝縮水供給ステップとを備えることを特徴とする清浄蒸気生成システムである。
この第二の実施の形態においては、第一蒸気は、前記第二蒸気生成ステップにおける間接熱交換により凝縮され、間接熱交換後において前記不凝縮性気体分離ステップにより第一蒸気から不凝縮性気体が分離、除去される。このため不凝縮気体の分離精度を簡易な構成により高めることができる。そして、前記間接熱交換後の凝縮水は、新たなエネルギーを必要とすることなく、第一蒸気の凝縮潜熱を利用して再蒸気化することができる。
前記第二蒸気生成ステップは、前記第一の方法の実施の形態と同様であり、前記不凝縮性気体分離ステップは、前記第二不純物分離ステップと同様であるので、その説明を省略する。
この第二の実施の形態において、前記間接熱交換前の第一蒸気から固形物を分離する固形物分離ステップを設けることができる。この固形物分離ステップは、前記第一不純物分離ステップと同様であるので、その説明を省略する。
以下、この発明の清浄蒸気生成システムの具体的実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、同実施例1の処理フローを説明する図であり、図2は、同実施例1の概略
構成図である。
(実施例1の処理フロー)
この実施例1のシステムを具体的に説明する前に、同実施例1および後記実施例2,3の清浄蒸気生成の処理フローを図1に基づき説明する。
まず、水道水または井戸水を軟水化して得られる第一給水は、第一蒸気発生処理により蒸気化され、第一蒸気となる。
このシステムにおいて、前記第一蒸気発生処理または第一蒸気の移送中に第一蒸気に錆などの固形物や二酸化炭素などの不凝縮性気体が混入する。混入した固形物は、第一不純物分離処理により、分離され、除去される。
ついで、第一蒸気は、第二給水との間接熱交換により、凝縮処理を受け、凝縮水となる。この凝縮水の電気伝導度は、第一蒸気発生処理の際の乾き度に応じて低減される。一例として、第一給水の電気伝導度が200μS/cmで、第一蒸気発生処理後の第一給水(第一蒸気発生器の缶水)の電気伝導度が10倍濃縮で2000μS/cmであって、乾き度が0.97であったとすると、第一蒸気の凝縮水の電気伝導度は、3/100に低減され、60μS/cmとなる。この例は、蒸気管路(給蒸ライン)が短い場合であって、蒸気管路が充分に長い場合は、第一蒸気が途中で水分が除去されるので、数μS/cmの凝縮水を得ることができる。こうして、第一給水は、純度が高められ、純水化されるとともに、錆などの固形物が除去されたものとされる。
第一蒸気は、凝縮処理(間接加熱処理)後、第二不純物分離処理により不凝縮性気体が分離、除去される。不凝縮性気体が除去された凝縮水は、第一蒸気との間接熱交換による第二蒸気発生処理を受ける。凝縮水は、この第二蒸気発生処理により、その際の乾き度に応じて、不純物が低減された純度の高い第二蒸気となる。一例として、凝縮水の電気伝導度が5μS/cmで、第二蒸気発生処理後の第二給水(第二蒸気発生器の缶水)の電気伝導度が10倍濃縮で50μS/cmあり、乾き度が0.99であったとすると、第二蒸気の凝縮水の電気伝導度は、1/100に低減され、0.5μS/cmとなる。
こうして得られた第二蒸気は、錆などの固形物および二酸化炭素などの不凝縮性気体が殆ど含まれず、しかも不純物濃度が低い実用性の高いクリーン蒸気となる。
(実施例1の構成)
つぎに、同実施例1の具体的システム構成を図2に基づき説明する。この実施例の清浄蒸気生成システムは、第一給水を加熱して第一蒸気を生成する第一蒸気発生器1と、この第一蒸気発生器1からの第一蒸気により第二給水を間接加熱して第二蒸気を生成する第二蒸気発生器2と、前記間接加熱前の第一蒸気から錆などの固形物を分離、除去する第一不純物分離手段3と、前記間接加熱後の第一蒸気またはその凝縮水から不凝縮性気体を分離、除去する第二不純物分離手段4と、前記第一不純物分離手段4により分離、除去処理を受けた凝縮水を前記第二蒸気発生器2の二次側へ供給する凝縮水供給手段5と、純水を補給する水補給手段6と、前記第一不純物分離手段3,前記第二不純物分離手段4,前記凝縮水供給手段5および前記水補給手段6などを制御する制御手段としての制御器7を主要部として備える。なお、図1は、処理フローを示し、システムや装置を示すものではないが、図2との対応を明らかにするために、図2の対応要素の符号を付している。
ここで、この同実施1の各構成要素について説明する。前記第一蒸気発生器1は、第一給水を加熱源により加熱する通常蒸気発生器(ボイラ)としている。そして、第一給水を供給する第一ライン(以下の説明を含めて、ラインは配管と称することができる。)8を
通して、第一給水としての水道水が軟化された軟水を前記第一蒸気発生器1へ供給し、第一蒸気を供給する第二ライン9から生成した第一蒸気を出力する。
前記第二蒸気発生器2は、リボイラと称される清浄蒸気発生器であり、前記第一蒸気により第二給水を間接加熱することにより、蒸気化してクリーンな第二蒸気を生成する。この第二蒸気発生器2の間接加熱を行う熱交換部の構造は、この実施例1では、周知のシェル・アンド・チューブ式の熱交換器としている。この熱交換器は純水による腐食を防止するために、ステンレス製としている。
前記熱交換部は、第一蒸気を一次側の管路10に流し、二次側11に第二給水を流して、間接熱交換を行うように構成している。前記管路10は、図示省略しているが、多数の並列の管から構成される。前記管路10の入口側は、前記第一蒸気ライン9の出口側端部と接続されている。生成された第二蒸気は、第二蒸気を供給するための第三ライン12を通して清浄蒸気使用設備(図示省略)へ供給するように構成される。前記第三ライン12には図示省略の蒸気制御弁を設けている。
ところで、この第二蒸気発生器2には、二次側11内の水位制御のために第一水位検出手段13を備える。この第一水位検出手段13は、第四ライン14および第五ライン15により前記第二蒸気発生器2の二次側11と連通接続される水位制御筒16と、フロートスイッチからなる第一水位検出センサ17とを含んで構成されている。
また、前記第二蒸気発生器2には、二次側11において濃縮した第二給水を排出する第一濃縮水排出手段18を設けている。この第一濃縮水排出手段18は、前記二次側11底部と接続される排水ラインとしての第六ライン19と、この第六ライン19途中に設ける排水制御弁としての第一弁(以下の説明を含めて、弁は電磁弁などの電気的開閉弁を意味する。)20とを含んで構成されている。前記第一弁20は、前記二次側11底部の濃縮度を検出する電気伝導度検出センサ(図示省略)を設け、このセンサが設定値以上を検出すると、開いて所定量の第二給水を排出(ブロー)するように構成している。
前記第一不純物分離手段3は、前記第二蒸気発生器2へ流入する不純物の中で主として前記第二ライン9中で発生した錆などの固形物を分離する。この第一不純物分離手段3は、前記第一蒸気発生器1から供給される前記間接加熱前の第一蒸気から水分を分離して排出する気液分離器としている。この気液分離器は、蒸気ボイラで用いられる周知の遠心分離型のものである。
この第一不純物分離手段3は、分離筒21と、前記第二ライン9の分離筒21の上流側に設けた給蒸制御弁としての第二弁22と、前記第二ライン9の分離筒21の下流側に設けた給蒸制御弁としての第三弁23と、前記分離筒21の底部と接続し、ドレンが溜まると開いてドレンを排出するスチームトラップ24を設けた排水ラインとしての第七ライン25と、前記第二ライン9の分離筒21下流側で、前記第三弁23の上流側から分岐し、第四弁26を設けた蒸気排出ラインとしての第八ライン27とを含んで構成されている。前記第一蒸気発生器1が起動し、給蒸が開始されてから所定時間は、前記第二弁22および前記第四弁26を開き、前記第三弁23を閉じ、所定時間が経過すると前記第三弁23を開き、前記第四弁26を閉じるように構成している。
また、前記第二不純物分離手段4は、二酸化炭素および酸素などの不凝縮性気体を分離する。この第二不純物分離手段4は、間接加熱後の第一蒸気およびその凝縮水を受容する密閉の圧力容器としての処理容器28と、この処理容器28内から前記不凝縮気体を排出する気体排出手段29とを含んで構成されている。前記処理容器28は、熱ロスを低減するために断熱材(図示省略)などにより断熱保温を行っている。
そして、前記処理容器28と前記第二蒸気発生器2の一次側管路10の出口とが、前記第二蒸気発生器2方向への流れを阻止する第一逆止弁30を備える凝縮水供給ラインラインとしての第九ライン31により接続されている。また、前記処理容器28の下部と前記第二蒸気発生器2の二次側11の入口とが、前記凝縮水供給手段5により接続されている。前記第一逆止弁30の上流側に必要に応じてスチームトラップ(図示省略)を設けることができる。このスチームトラップは、前記処理容器28へ向けて蒸気の流れを阻止し、凝縮水のみを流す機能を有する。
前記凝縮水供給手段5は、凝縮水供給ラインとしての第十ライン32とこの途中に設けた凝縮水の流れを制御する第五弁33と、前記処理容器28方向への流れを阻止する第二逆止弁34とを含んで構成されている。前記第五弁33は、前記第一水位検出センサ17により、所定値以下の水位が検出されると開かれる。これにより、前記二次側11の水位が所定値以上に保持される。
前記気体排出手段29は、前記処理容器28の気層部と接続した気体排出ラインとしての第十一ライン36と、このライン36に設けた排気を制御する第六弁37とを含んで構成される。
さらに、前記処理容器28の底部には、凝縮水排出手段38を設けている。この凝縮水排出手段38は、前記処理容器28底部と接続される排水ラインとしての第十二ライン39と、このライン39途中に設ける排水制御用の第七弁40とを含んで構成されている。前記第八弁40は、混入した固形物の排出(ブロー)および前記処理容器28の水位制御に用いられる。前記処理容器28内の凝縮水は、順次前記第二蒸気発生器2の二次側11へ供給され、貫流するので、殆ど濃縮しない。よって、濃縮水のブローは基本的には不要となる。
また、前記水補給手段6は、端部より水道水が供給される水供給用の第十三ライン41と、このライン41の途中に設けられ前記処理容器28方向の流れを許容する第三逆止弁42と、原水を純水化するRO膜モジュール43および活性炭フィルター44からなる純水化装置と、第一給水ポンプ45とを含んで構成される。前記活性炭フィルターは、省略することができる。
この水補給手段6は、前記第二水位検出手段35により、前記処理容器28内の水位が所定値以下に低下したとき、前記第一給水ポンプ45を作動して、純水を補給するように構成している。
前記制御器7は、前記第一水位検出手段13,前記第二水位検出手段35などから信号を入力して、前記第一不純物分離手段3の第二弁22,第三弁23および第四弁26,前記第二不純物分離手段4の第六弁37,前記凝縮水供給手段5の第五弁33,前記水補給手段6の第一給水ポンプ45,前記第一弁20,前記第七弁40などを制御するように構成されている。
(実施例1の動作)
ここで、以上の構成の実施例1の動作を説明する。初期状態においては、全ての弁は閉じている。システムを起動すると、冷態起動時には、前記制御器7は、前記第一給水ポンプ45を起動して、前記処理容器28内へ純水の供給を開始する。前記処理容器28内の水位が前記第二水位検出手段35による検知水位となると、前記第一給水ポンプ45を停止し、前記処理容器28内に所定量の純水を溜める。この動作は、システムが一度起動した後、停止し、再起動する場合には、既に前記処理容器28内に純水としての凝縮水が貯
留されているので不要である。
この段階において、前記第一蒸気発生器1は、前記制御器7(または人)により起動されていて、蒸気を供給可能な待機状態とされている。すなわち、前記制御器7は、軟水からなる第一給水を第一蒸気に変える前記第一蒸気発生処理を行っている。
この状態で、前記制御器7は、前記第一不純物分離処理を行う。すなわち、前記第二弁22および前記第四弁26を開き、前記第三弁23を閉じて、前記第一蒸気発生器1から前記分離筒21へ第一蒸気を供給する。これにより、前記第二ライン9−前記分離筒21−前記第八ライン27へと蒸気が流れて、前記分離筒21内に水平方向の旋回流が生ずる。そして、第一蒸気に含まれる水分が分離され、初期ドレンとして前記第一スチームトラップ24へ向けて流下する。すると、前記第一スチームトラップ24が開いて、分離された水分が前記第七ライン25を通して排出される。こうして、第一蒸気中に混入した錆などの固形物は、前記第二ライン9を流れる初期ドレンとともに、前記分離筒21において分離され、前記第七ライン25を通して排出される。
この第一不純物分離処理が所定時間だけ行われた後、前記制御器7は、前記第四弁26を閉じ、前記第三弁23および前記第五弁33を開いて、前記第二蒸気発生処理を開始する。
この第二蒸気発生処理においては、第一蒸気が前記第二蒸気発生器2の管路10を流れ、前記蒸気発生器4の二次側11の第二給水(凝縮水)を間接熱交換により加熱する。この第二蒸気発生処理開始時、前記蒸気発生器4の二次側11には凝縮水が貯留されていないが、前記管路10から前記処理容器28に流入する第一蒸気により、前記処理容器28内の純水が押し出され、前記二次側11へ第二給水として供給される。この凝縮水の供給は、前記処理容器28内の圧力(たとえば、0.4Mpa程度)と前記第二蒸気発生器2の二次側11の圧力(たとえば、0.3Mpa程度)との差により行われる。前記二次側11への初期給水は、前記水補給手段6により直接的に行うことができる。
そして、第一蒸気は、第二給水との間接熱交換により、凝縮処理を受け、凝縮水となり、前記第九ライン31を通して、前記処理容器28へ供給される。
前記処理容器28内へ流入する凝縮水の電気伝導度は、第一蒸気発生処理の際の乾き度に応じて低減されて、純度が高いものとなっているとともに、前記第一不純物分離処理により錆などの固形物が除去されたものとなっている。
ついで、第一蒸気は、凝縮化処理後に、前記第二不純物分離処理により不凝縮性気体が分離、除去される。すなわち、前記制御器7は、前記第六弁37を間欠的に開き、前記処理容器28の気層部に存在する二酸化炭素や酸素などの不凝縮性気体を蒸気とともに、前記第十一ライン36を通して排出する。この不凝縮性気体の分離、除去は、前記処理容器28内の圧力を利用して、前記処理容器28の気層部の気体を排出するだけであるので、前記第二不純物分離手段4の構成を極めて簡素なものとすることができる。
不凝縮性気体が除去された凝縮水は、第一蒸気との間接熱交換による前記第二蒸気発生処理を受ける。凝縮水は、この第二蒸気発生処理により、第二蒸気となり、前記第三ライン12を通して前記清浄蒸気使用設備へ供給される。この第二蒸気発生処理により得られた第二蒸気は、前記のように乾き度に応じて、不純物が低減された純度が高められる。その結果、この第二蒸気は、錆などの固形物および不凝縮性気体が殆ど含まれず、しかも不純物濃度が低い実用性の高いクリーン蒸気となっている。
この第二蒸気発生処理において、前記制御器7は、前記第一水位検出手段13からの水位信号により、前記第五弁33を制御して前記第二蒸気発生器2の二次側11の水位を所定水位に保持し、前記第二水位検出手段35からの水位信号により、水位低下を判定すると、前記第一給水ポンプ45を制御して前記処理容器28内の水位を所定水位に保持する。
以上の如く構成される実施例1によれば、前記第一蒸気発生器1による純水化と、前記第二蒸気発生器2による純水化とにより、純度の高い第二蒸気を生成することができる。また、第一蒸気中の不純物が第二蒸気に混入しないので、固形物や不凝縮性気体を除去した純度の高い第二蒸気を簡易な構成で生成することができる。また、前記第一蒸気を凝縮した高温の凝縮水を前記第二給水として使用し、凝縮水の再蒸気化において新たなエネルギーを使用しないので、熱ロスを少なくでき、省エネルギーを実現することができる。さらに、別個の純水装置を不要とするか、別個の純水装置から純水(RO水を含む)を補給する場合には、純水使用量を削減することができる。
つぎに、この発明の実施例2を図3に基づき説明する。この実施例2においても図1で示す処理フローは、前記実施例1と同様であり、共通の構成要素は、同じ符号を付して説明を省略する。以下、実施例1と異なる構成についてのみ説明する。
この実施例2において、前記実施例1と異なるところは、前記第一不純物分離手段3を別の構成とした点である。すなわち、前記実施例1の分離筒21,第二弁22,第一スチームトラップ24および第七ライン25を省略している。そして、前記第一蒸気発生器1の給蒸開始時(起動時)からタイマーにより所定時間だけ、前記第三弁23を閉じ、前記第四弁26を開いて、前記初期ドレンを前記第八ライン27から排出するように構成している。
さらに、この発明の実施例3を図4に基づき説明する。この実施例3においても図1で示す処理フローは、前記実施例1および実施例2と同様であり、共通の構成要素は、同じ符号を付して説明を省略する。以下、実施例2と異なる構成についてのみ説明する。
この実施例3において、前記実施例2と異なるところは、処理容器28を前記実施例1および前記実施例2では高圧密閉系に構成しているのに対して、この実施例3では、大気開放系としている点である。
この構成の相違に伴い、前記第二不純物分離手段4の不凝縮性気体排出ラインとしての第十一ライン36に設けた前記実施例2の第七弁37を省略している。
また、前記処理容器28内には、蒸気と不凝縮性気体からなる排出気体を冷却して熱回収する気体冷却手段46を設けている。この気体冷却手段46は、冷却水を供給する第十四ライン47と、この途中に設けた熱交換器48と、第八弁49とを含んで構成される。前記第八弁49は前記制御器7により、システム起動後、蒸気および不凝縮性気体の排出が行われるとき開くように制御される。前記熱交換器48は、この実施例3では、前記処理容器28の気層部に設けているが、凝縮水が溜まる液層部に設けることができる。
また、前記第二蒸気発生器から前記処理容器へ凝縮水を供給するための第十ライン32には、大気圧の前記処理容器28から高圧の前記第二蒸気発生器2の二次側11へ凝縮水を供給するために第二給水ポンプ50を設けている。この第二給水ポンプ50は、前記制御器7により、前記第一水位検出手段13からの水位信号に基づき、前記第二蒸気発生器
2の二次側11の水位が所定値を保持するように制御される。
また、前記水補給手段6においては、前記処理容器28が大気開放型であるので、前記実施例2の第一給水ポンプ45を省略し、替わりに前記制御器7により制御される第九弁51を設けている。そして、給水タンク(図示省略)と前記処理容器28とののヘッド差または水道圧により給水するように構成している。
さらに、前記第二蒸気発生器2から前記処理容器28へ凝縮水を供給する第十ライン32には、第二スチームトラップ52,前記第二蒸気発生器2方向への流れを阻止する第四逆止弁53および第十弁54を設けている。前記第十ライン32において、前記第二スチームトラップ52までは、高圧で凝縮水の状態であるが、前記第二スチームトラップ52を出ると、大気圧となるので自己蒸発して蒸気となる。前記第十弁54は、後記第十五ライン55を通して、低温の初期ドレンを排出した後は、常時開放するように制御される。
なお、前記第十ライン32の途中から分岐した第十五ライン55および同ライン55中に設けた第十一弁56は、前記第二スチームトラップ52を経て第九ライン32を流下する初期ドレンが流れる間だけ開くように制御される。
この実施例3においては、前記第二不純物分離処理は、つぎのようにして行われる。前記第二蒸気発生器2にて生成された凝縮水は、不凝縮性気体とともに、前記第十ライン32を通して前記処理容器28へ流入する。そして、この処理容器28内で、不凝縮性気体は、気層部に集まり、蒸気とともに前記熱交換器48により冷却され、熱回収された後、大気中へ排出される。こうして、前記第二不純物分離処理により、不凝縮性気体の分離、除去が行われる。
この発明は、前記実施例1〜3に限定されるものではない。たとえば、前記実施例1〜3では、純水を供給する前記水補給手段6としているが、場合によっては、これを省略することができる。
この発明の実施例1〜3の処理フローを説明する図である。
この発明の実施例1の概略構成図である。
この発明の実施例2の概略構成図である。
この発明の実施例3の概略構成図である。
符号の説明
1 第一蒸気発生器
2 第二蒸気発生器
3 第一不純物分離手段
4 第二不純物分離手段
7 制御手段
21 分離筒
28 処理容器
29 気体排出手段