JP4685114B2 - 整形外科的固定システム - Google Patents

Description

本発明は、骨接合用ねじによって第一の骨片にねじ込むことのできる支持スクリューと、支持スクリューが長手方向で自由に変位可能となるようにこの支持スクリューを包囲して案内する支持スリーブと、少なくとも１つのねじ穴を有して第二の骨片に固定することのできる骨接合板であって、雄ねじによってこの骨接合板のねじ穴に支持スリーブをねじ込むことのできる骨接合板とを備えた、第一の骨片を第二の骨片に固定するための整形外科的固定システムに関する。

２つの骨片を相互に対して、例えば大腿骨の大腿頸部の領域で固着するために、２つの骨片のうちの１つ、例えば大腿骨の先端に支持スクリューをねじ込んで、第二の骨片、即ち、例えば大腿骨の上部に固定された支持スリーブ内にこの支持スクリューを長手方向で変位するように案内する結果、支持スクリューが支持スリーブ内に案内され、但し長手方向に変位できることが知られている。

この種類の既知の整形外科的固定システムの場合、支持スリーブは骨接合板に一体に結合されており、この骨接合板は第二の骨片に固定することができる（US 2,702,543、US 2,612,159）。支持スリーブを骨接合板に押し込むことのできる固定システムもあり（US 4,438,762）、別のシステムの場合、支持スリーブは骨に直接ねじ込まれる（US 4,940,467）。

支持スリーブを骨接合板上で固定する別の可能性として、支持スリーブを骨接合板にねじ込むことができる。骨接合板の厚さがほんの僅かであることから、スクリュー結合部の領域では支持スリーブから骨接合板へ全ての曲げ力を伝達しなければならないので、この領域に、安定した機械的なねじを用意することが必要である。

他方では、支持スクリューは通常、いわゆる骨接合用ねじを用いて骨にねじ込まれる。この点に関して、この支持スクリューは概して、隣接するねじの巻き間に比較的広いピッチと比較的大きな間隔とを備えた自己ねじ切り型ねじである。従って、支持スクリューを第一の骨片にねじ込み、支持スリーブを骨接合板にねじ込むために、個別の操作ステップが必要である。
US 2,702,543 US 2,612,159 US 4,438,762 US 4,940,467 DE 197 50 493 A1 US 2001/0049528 A1 WO 2004/075766 A US 2003/171754 A1 JP 2004/097446 US 4,438,762 A US 2001/049528 A1 WO 2004/093700 A US 6,712,818 B1

本発明の目的は、一般的な種類の整形外科的固定システムを改良して、このシステムをよりインプラントし易くすることである。

この目的は、本発明によれば、最初に説明した種類の整形外科的固定システムにおいて、一方では上記骨接合用ねじが、他方では上記ねじ穴、及び上記雄ねじが、同じピッチのねじの巻きを有するという点、及び、上記骨接合用ねじが１つのねじの巻きを有し、上記雌ねじ穴ならびに上記雄ねじが、隣接して位置する少なくとも２つのねじの巻きを有し、各ねじの巻きの幅が相応に小さくなっているという点において遂行される。

ねじに同じピッチが使用される結果として、支持スクリューと支持スリーブとを共に、それぞれ上記第一の骨片と上記骨接合板とにねじ込むことができ、それによって、それらの相対位置が軸方向に変化することがなくなる。他方では、１つのねじの巻きだけでなく、むしろ少なくとも２つのねじの巻き、好ましくは３つのねじの巻きが隣接して提供されることに起因して、上記支持スリーブが、上記骨接合板の上記雌ねじ穴への特に良好な固着を受ける。更に、ねじの巻き数を増加することにより、上記支持スリーブの周囲に沿ってねじの巻きの幾つかの始点があるので、上記雄ねじは１回転後には既に上記雌ねじ穴で係合できており、その角度が３６０°よりもかなり小さいという利点がある。この角度は、多くても完全な１回転とねじの巻きの数とから生じる商に一致する。

上記骨接合板は、支持スリーブを受けるための幾つかのねじ穴を有することができるので、上記骨接合板を上記第二の骨片に隣接させるのに続けて、操作者には、支持スリーブ、従って支持スクリューをインプラントする幾つかの可能性が与えられる。適用可能な場合、支持スクリューを備えた幾つかの支持スリーブを隣接させてインプラントすることができる。

上記支持スリーブが、上記支持スクリューの軸区域の円筒形外壁に近接する円筒形内壁を有すると好ましい。結果として、支持スクリューが全面で支持スリーブに案内される。

上記円筒形内壁、及び上記円筒形軸区域が、上記支持スリーブの上記雄ねじに向かって段状に広がっているので、その結果生じる段が、上記支持スクリューの、上記骨接合用ねじに向かう方向への上記支持スリーブからの撤退運動を限定する止めを形成すると特に有利である。

上記支持スクリューは、好ましくは、器具の形状係止を導入するための受け孔を、上記骨接合用ねじの反対側に位置するその端部に有する。この受け孔は、例えば六角形の凹所とすることができる。更に、回転具の形状係止を導入するため、上記支持スリーブが、その雄ねじの内壁に拡張部を有すると好ましい。この拡張部は上記支持スリーブに六角形の凹所として設計することもできる。

本発明は、上記支持スクリュー、及び上記支持スリーブを内外へ同時に旋回させるための回転機器にも関する。このような回転機器は、上記受け孔に形状係止式に挿入可能な第一の回転具と、上記拡張部に形状係止式に挿入可能な第二の回転具とが細長い軸上に用意されており、この軸が上記支持スリーブにその自由端で導入でき、上記第二の回転具が、上記第一の回転具から上記軸上の或る距離のところにあることを特徴としている。従って、このような回転機器は、上記回転具が上記受け孔、及び上記拡張部へそれぞれ導入される間、上記支持スクリューのみならず上記支持スリーブとも回転不能に結合しているので、上記回転機器の回転中、上記支持スクリュー、及び上記支持スリーブは両部分が共に旋回され、例えば共にそれぞれ上記第一の骨片と上記第二の骨片に固定された上記骨接合板とにねじ込まれる。

本発明の好適な実施形態の以下の記載は、本発明を、図面と合わせてより詳細に説明するのに役立つ。

大腿骨の頸部の骨折の例を基に、整形外科的固定システムを説明する。大腿骨の頸部のこのような骨折の場合、球窩関節、即ち第一の骨片１を担持する大腿骨の部分を、残りの大腿骨即ち第二の骨片２に対して固定し、それによって、２つの骨片間での一定の運動が骨質の形成を刺激することから、２つの骨片を結合する方向でこの運動を可能にすることが必要である。従って、結合は堅い結合ではなく、それによって骨片が相互に対して案内され、但しそれらの結合方向への小さな運動を実行できる結合とすることができる。

整形外科的固定システムは骨接合板３を含み、この骨接合板は、第二の骨片２の外側で第一の骨片１の反対側に位置する側に固定される。骨接合板３は、第二の骨片２の外側輪郭に適合させることができ、この場所に１つ又は幾つかの骨接合用スクリュー４によって従来のやり方で固定されている。図示された実施形態では、骨接合板３は上部に隣接して配置された４つの雌ねじ穴５を有し、骨接合板３の接触面に対して全て同じように傾斜している。雌ねじ穴５の長手方向軸は、例えば骨接合板３の接触面に対して１３０°傾斜し、相互に平行に延びている。

整形外科的固定システムは、更に、少なくとも１つの細長い支持スリーブ６と、各支持スリーブ６に関連する支持スクリュー７とを含む。支持スリーブ６及び支持スクリュー７は、数個の支持スリーブ、及び支持スクリューが使用される場合には同じ設計である。従って、以下では１例のみを詳細に説明する。

支持スリーブ６は、一端に、外側に向かって厚くしたねじ込み領域８を有する。このねじ込み領域８において支持スリーブ６は雄ねじ９を担持し、この雄ねじにより支持スリーブ６をそれぞれ雌ねじ穴５にねじ込むことができる。支持スリーブ６の内壁１０は円筒形の設計であり、直径の異なる円筒形区域の移行部にて小さい高さを備えた環状段１１ができるように、支持スリーブ６のほぼ中央でねじ込み領域８に向かう方向に段状に広がっている（図２）。

ねじ込み領域８において、内壁１０はここでも広がっており、この地点で、六角形の凹所のような断面を有する拡張部１２を形成する。この拡張部１２は、雄ねじの側で支持スリーブ６の端部に直に接する。

支持スクリュー７は、支持スリーブ６の内側に収容されており、僅かに大きめの直径を有する円筒形頭部１４、ならびに頭部１４の反対側に位置する端部にある好ましくは自己ねじ切り型の骨接合用ねじ１５を備えた円筒形軸１３を有する。ねじ込み領域８の反対側に位置する支持スリーブ６の狭くなった部分では、円筒形軸１３の外径は内壁１０の内径に一致している。支持スクリュー７が支持スリーブ６に案内されて長手方向に自由に変位可能となるように、環状段１１と拡張部１２との間の領域では、円筒形頭部１４の外径は内壁１０の直径に一致している。ここで支持スクリュー７の、支持スリーブ６からの任意の撤退は、骨接合用ねじ１５に向かう方向では頭部１４が環状段１１に接することによって、反対方向では骨接合用ねじ１５が支持スリーブ６に接することによって、両方向で防止される。

骨接合用ねじ１５は、比較的高いピッチ、例えば完全な１回転あたり３ｍｍのピッチを備えたねじの巻き１６を有する。

雄ねじ９も同じ高いピッチを有するが、図面に示された実施形態において、雄ねじ９は３つのねじの巻き１７、１８、１９を含み、これらの巻きは隣接して位置しており、それらのうちの１つを、明確にする目的で影をつけて図２、図３に示す。３つのねじの巻き１７、１８、１９は、ねじの巻き１６の幅の僅か３分の１に一致する幅を有する。更に、ねじの巻き１７、１８、１９の先頭２０、２１、２２は各々、支持スリーブ６の周方向で相互に関して１２０°ずれている（図３）。従って、同じねじの巻きの隣接区域は同じ間隔Ｄを有する（図３）（つまり骨接合用ねじ１５の場合だけでなく雄ねじ９の場合も）。一方で、隣接するねじの巻き間の距離は、雄ねじの場合、骨接合用ねじの巻きの距離の僅か３分の１である。隣接するねじの巻きの数が大きくなる結果として、雄ねじ９は、３つのねじの巻きが同様に提供される雌ねじ穴５の雌ねじにしっかりとねじ込まれるので、全ての機械的負荷を結合領域に容易に伝達することができる。

支持スリーブ６及び支持スクリュー７を内外に旋回するのに回転機器２３が使用されるが、図面では、六角形の突起２５をその自由端で担持するこの機器の細長い軸２４のみが示されている。この突起は、支持スクリュー７の頭部１４にある六角形の凹所２６に形状係止式に合致する。

更に、軸２４は、六角形の突起２５までの或る距離のところに、拡張部１２に形状係止式に合致する六角形の突起２７を有する。

整形外科的固定システムをインプラントする目的で、まず始めに、骨接合用スクリュー４を使って第二の骨片２の外側に骨接合板３が固定される。その後、支持スリーブ６及び支持スクリュー７から成る構造ユニットが挿入される（適用可能な場合、対応する穴を導入した後に）。この目的で、その軸２４を有する回転機器２３は支持スリーブ６に挿入され、六角形の突起２５、２７がそれぞれ六角形の凹所２６、及び拡張部１２で回転不能に係合する。これは、寸法決定に従って、支持スクリュー７が支持スリーブ６から完全に押し出されたとき、従って、頭部１４が環状段１１に接するとき達成することができる。支持スリーブ６及び支持スクリュー７が共に回転機器２３により旋回される一方、支持スクリュー７はまず始めに骨接合用ねじ１５が第一の骨片１にねじ込まれる。このねじ込み過程の最後に、雄ねじ９も雌ねじ穴５の領域に達する。これによって、雄ねじ９は、雌ねじ穴５の雌ねじで係合し、結果として、つまり骨接合用スクリュー４が第一の骨片１にねじ込まれるのと同じピッチで、更なる回転中、支持スリーブ６は雄ねじが雌ねじ穴にねじ込まれる。従って、支持スリーブ６及び支持スクリュー７は、このねじ込み過程の間、相互に対して軸方向に移動しない。

雄ねじの側のその端部にて、支持スリーブ６は、最大ねじ込み深度を決定する付加的な拡張部を有することができる。ねじ込み過程に続いて、支持スリーブ６から回転機器２３が引き出され、この支持スリーブが、図面には示さない栓によって閉鎖される。この取付け位置において、２つの骨片は相互に対して固定されている。第一の骨片は、第二の骨片に向かう方向に僅かに動かすことができ、その結果、骨に応力が加えられたとき、この僅かな運動と２つの骨片の接触領域でこの運動に関する付加的な応力との結果として、骨の成長を刺激することができる。

図１は大腿骨に骨接合板が固定され、この骨接合板に２つの支持スリーブがねじ込まれ、各々が支持スクリューを備えた、大腿骨の頸部の領域において大腿骨を通る断面図である。 図２は支持スリーブが骨接合板にねじ込まれる前に長手方向で切り取られており、この支持スリーブ内に支持スクリューを備えた図１の骨接合板の斜視図である。 図３は支持スクリューの骨接合用ねじ、及び支持スリーブの雄ねじの拡大図である。

Claims (8)

1. 骨接合用ねじ（１５）によって第一の骨片（１）にねじ込まれるように適合されている支持スクリュー（７）と、支持スクリュー（７）が長手方向で自由に変位可能となるように支持スクリューを包囲して案内する支持スリーブ（６）と、少なくとも１つのねじ穴（５）を有して第二の骨片（２）に固定することのできる骨接合板（３）であり、雄ねじ（９）によって上記骨接合板の上記ねじ穴（５）に上記支持スリーブ（６）をねじ込まれるようになっている骨接合板とを備えた、第一の骨片（１）を第二の骨片（２）に固定するための整形外科的固定システムにおいて、
   上記骨接合用ねじ（１５）と、上記ねじ穴（５）と、上記雄ねじ（９）が、同じピッチのねじの巻き（１６；１７、１８、１９）を有すること、及び
   上記骨接合用ねじ（１５）が１つのねじの巻き（１６）を有し、上記ねじ穴（５）ならびに上記雄ねじ（９）が、隣接して位置する少なくとも２つのねじの巻き（１７、１８、１９）を有し、各ねじの巻き（１７、１８、１９）の幅が相応に小さくなっていること、
   上記支持スクリュー（７）及び上記支持スリーブ（６）が、回転機器によって同時に旋回可能であること、
   を特徴とする整形外科的固定システム。
2. 請求項１に記載の固定システムであって、上記ねじ穴（５）、及び上記雄ねじ（９）が、隣接して位置する３つのねじの巻き（１７、１８、１９）を有することを特徴とする固定システム。
3. 請求項１又は２のいずれか１項に記載の固定システムであって、上記骨接合板（３）が、支持スリーブ（６）を受けるための数個のねじ穴（５）を有することを特徴とする固定システム。
4. 請求項１から３のいずれか１項に記載の固定システムであって、上記支持スリーブ（６）が、支持スクリュー（７）の軸区域（１３）の円筒形外壁に近接する円筒形内壁（１０）を有することを特徴とする固定システム。
5. 請求項４に記載の固定システムであって、上記円筒形内壁（１０）、及び上記円筒形外壁が、上記支持スリーブ（６）の雄ねじの端部に向かって段状に広がっているため、上記円筒形内壁（１０）の段（１１）と、上記支持スクリュー（７）の大きめの直径を有する部分とがその結果生じ、前記段（１１）が、上記支持スクリュー（７）の、上記骨接合用ねじ（１５）に向かう方向への上記支持スリーブ（６）からの撤退運動を、前記大きめの直径を有する部分が前記段（１１）に接することにより限定する止めを形成することを特徴とする固定システム。
6. 請求項１から５のいずれか１項に記載の固定システムであって、上記支持スクリュー（７）が、回転具（２５）の形状係止を導入するための受け孔（２６）を、上記骨接合用ねじ（１５）の反対側に位置する上記支持スクリューの端部に有することを特徴とする固定システム。
7. 請求項１から６のいずれか１項に記載の固定システムであって、回転具（２７）の形状係止を導入するため、上記支持スリーブ（６）が、上記支持スリーブの雄ねじの端部で、上記支持スリーブの内壁（１０）に拡張部（１２）を有することを特徴とする固定システム。
8. 請求項６に記載の上記支持スクリュー（７）、及び請求項７に記載の上記支持スリーブ（６）を内外に同時に旋回させるための回転機器（２３）において、上記受け孔（２６）に形状係止式に挿入可能な第一の回転具（２５）と、上記拡張部（１２）に形状係止式に挿入可能な第二の回転具（２７）とが、自由端で上記支持スリーブ（６）に導入可能な細長い軸（２４）上に用意されており、前記第二の回転具が、上記第一の回転具（２５）に対して上記軸（２４）上の或る距離のところにあることを特徴とする回転機器。

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