JP4683434B2 - 焼灼用穿刺針 - Google Patents

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本発明は、焼灼用穿刺針に関し、さらに詳しくは、高周波焼灼療法に使用する穿刺針に関する。
最近、肝癌などの病変部位を局所的に治療する方法として、高周波焼灼療法が行われており、特許文献1および特許文献2には、高周波焼灼療法に使用される集合電極システムおよび電極装置が開示されている。
また、非特許文献1には、高周波焼灼療法であるラジオ波焼灼療法(Radio Frequency Ablation)が紹介されている。このラジオ波焼灼療法は、高周波の一種であるラジオ波電流を穿刺針から人体に流すことにより、悪性新生物などの病変組織を焼灼して凝固・壊死させる治療法である。
ラジオ波焼灼療法を行う際には、通常、ラジオ波発生装置と、電極を構成する穿刺針と、対極板とを備えたシステムが使用される。
しかして、ラジオ波発生装置と穿刺針とを電気的に接続するとともに、患者の大腿部付近に貼り付けた対極板とラジオ波発生装置とを電気的に接続することによりシステムをセットアップし、穿刺針を病変部に穿刺して通電を開始すると、穿刺針と対極板との間に流れるラジオ波電流によって生体組織でジュール熱が発生する。
ここに、ラジオ波電流による発熱部位は、穿刺針ではなく、電流経路における生体組織であるが、穿刺針の近傍は電流密度が高いため、穿刺針の近傍組織(病変部)および穿刺針自体が最も高温になり、穿刺針の近傍にある当該病変部が凝固・壊死する。
上記のようなラジオ波焼灼療法において、ラジオ波の最大出力は、例えば200Wとされる。また、電極を構成する穿刺針は、ステンレスなどの金属製細管からなり、その長さは、通常200mm程度である。
特表2001−510702号 特表2006−513830号 沖田極・小俣政男編「肝癌のラジオ波焼灼療法」(医学書院)、2001年6月15日
従来の焼灼用穿刺針は金属製細管からなるため、そのような穿刺針に高周波電流を通電すると、当該穿刺針は、その全長(約200mm)にわたり高温となる。このため、当該穿刺針の先端部分を病変部に穿刺した状態で通電すると、先端部分以外の穿刺針の近傍にある正常組織を損傷・破壊したり、穿刺針の基端部分と接触する体表に火傷を負わせたりする。
また、従来の焼灼用穿刺針では、その全体が通電領域となるために、過大な高周波エネルギーが必要となる。
上記のような問題に対して、先端部分以外における穿刺針の表面を絶縁性材料によって被覆することも考えられる。
しかしながら、芯材(金属製細管)の高い熱伝導率のために、先端部分の熱が基端部分まで伝導し、また、芯材(金属製細管)の表面に十分な膜厚の絶縁被覆層を形成できないために絶縁破壊が生じやすい。このように、先端部分以外の穿刺針の表面を絶縁被覆するだけでは、上記の問題を解決することはできない。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。本発明の目的は、先端部分以外の部分の近傍にある組織(正常組織および体表)に熱的損傷を与えることがなく、従来公知の焼灼用穿刺針よりも低いエネルギーで、先端部分の近傍にある組織(病変部)を確実に焼灼することができる焼灼用穿刺針を提供することにある。
本発明(第1の発明)の焼灼用穿刺針は、対極板との間で高周波電流が通電される尖鋭な先端電極と、この先端電極の基端側に接続された電気絶縁性連結管と、この電気絶縁性連結管の基端側に接続された高周波電流が通電されることのない金属製細管とを備えてなることを特徴とする。
第1の発明に係る焼灼用穿刺針においては、前記電気絶縁性連結管が樹脂からなることが好ましい。また、前記先端電極が、尖鋭な先端部と、脱落防止用のフランジ部とを備えてなり、当該フランジ部の外表面が、前記電気絶縁性連結管の先端部分により覆われてなることが好ましい。さらに、金属製細管の先端部として脱落防止用のフランジ部が形成され、当該フランジ部の外表面が、前記電気絶縁性連結管の基端部分により覆われてなることが好ましい。
また、本発明の焼灼用穿刺針においては、前記先端電極の内部に水を流通させることにより、当該先端電極を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。
(1)本発明の焼灼用穿刺針によれば、その先端部分以外の部分の近傍にある組織(正常組織・体表)に熱的損傷を与えることがなく、従来公知の焼灼用穿刺針よりも低いエネルギーで、先端部分の近傍にある組織(病変部)を確実に焼灼することができる。
(2)第1の発明に係る焼灼用穿刺針は、その基端部分を構成する金属製細管が、電気絶縁性連結管によって、先端電極から電気的に絶縁されているので、当該金属製細管に対して高周波電流が通電されることはない。また、電気絶縁性連結管を構成する材料は、通常、金属よりも熱伝導率が低いので、先端電極で発生した熱により金属製細管が加熱されて高温になることはない。従って、第1の発明に係る焼灼用穿刺針によれば、その先端部分以外の部分(電気絶縁性連結管および金属製細管)の近傍にある組織(正常組織・体表)に熱的損傷を与えることがない。
また、高周波電流が先端電極にのみ通電されるので、全体が通電領域となる従来公知の焼灼用穿刺針よりも低いエネルギーで、先端電極の近傍にある組織(病変部)を集中的に焼灼することができる。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の焼灼用穿刺針の一実施形態を示す断面図である。
本実施形態の焼灼用穿刺針1は、高周波電流が通電される尖鋭な先端電極10と、その基端側に接続された電気絶縁性連結管20と、その基端側に接続された金属製細管30とからなる。焼灼用穿刺針1は、金属製細管30の基端側において、把持部40により保持されている。
把持部40の先端より突出する焼灼用穿刺針1の長さL0は、通常150〜500mmとされ、好ましくは200mm程度であり、その外径(電気絶縁性連結管20および金属製細管30の外径)は0.8〜3.0mm程度である。
焼灼用穿刺針1を構成する先端電極10は、金属からなり、尖鋭な先端部11とフランジ部12とにより構成され、先端電極10における先端部11の長さL1は、通常10〜50mmとされ、好ましくは20〜30mmとされる。
この長さL1が短過ぎる場合には、1回の焼灼(穿刺)で治療できる範囲が狭小となる。一方、この長さL1が長過ぎると、本発明の目的を達成することができない。すなわち、先端電極によって病変部を穿刺するときに当該先端電極の基端部が正常組織と接触し、焼灼時に当該正常組織に熱的損傷を与える虞がある。
先端電極10を構成する金属としては、焼灼用穿刺針を構成する金属として従来公知であるものをすべて使用することができ、例えばステンレスなどを挙げることができる。
焼灼用穿刺針1を構成する電気絶縁性連結管20は、電気絶縁性の材料からなり、その長さL2は0.5〜50mmとされ、好ましくは2〜20mmとされる。
電気絶縁性連結管20には、電気絶縁性、断熱性、剛性(硬質であること)および焼灼温度に対する耐熱性が要求される。電気絶縁性連結管20を構成する電気絶縁性材料としては、上記のような特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料およびセラミック材料が好ましく、電気絶縁性および断熱性が良好で、成形も容易であることから樹脂材料を用いることが特に好ましい。
電気絶縁性連結管20を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。また、当該樹脂にはエボナイトが包含される。具体的には、環状オレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルラクトン、液晶ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂を挙げることができる。これらのうち、ポリカーボネート、ポリアミドおよびポリアセタールが好ましい。
焼灼用穿刺針1を構成する金属製細管30は、電気絶縁性連結管20に連通する内孔を有する管状部材からなり、その先端にはフランジ部32が形成されている。
把持部40の先端より突出する金属製細管30のフランジ部32を除いた長さL3(L0−L1−L2)は50〜489.5mmとされ、好ましくは150〜178mmとされる。金属製細管30には、通常の焼灼用穿刺針において必要とされる剛性(特に曲げ剛性)および弾性(特に曲げ弾性)が要求される。
金属製細管30を構成する金属としては、焼灼用穿刺針を構成する金属として従来公知であるものをすべて使用することができ、例えばステンレスなどを挙げることができる。 金属製細管30の基端側を保持する把持部40は、樹脂、ゴム、エラストマーなどからなる。
図1に示すように、電気絶縁性連結管20の先端部分は、先端電極10のフランジ部12の外表面を覆うように形成されている。これにより、先端電極10と電気絶縁性連結管20との接着面積を十分に確保することができるとともに、フランジ形状による抜け落ち防止効果(アンカー効果)により、両者は強固に結合されて分離するようなことはない。この結果、本実施形態の穿刺針1による手術中において、例えば、穿刺針1を抜去するときに、電気絶縁性連結管20から先端電極10が脱落して体内に留置されるような事故を確実に防止することができる。
また、電気絶縁性連結管20の基端部分は、金属製細管30のフランジ部32の外表面を覆うように形成されている。これにより、金属製細管30と電気絶縁性連結管20との接着面積を十分に確保することができるとともに、フランジ形状による抜け落ち防止効果により、両者は強固に結合されて分離するようなことはない。
先端電極10には、高周波電流を通電するためのリード線51の先端部が接続されている。このリード線51は、穿刺針1(電気絶縁性連結管20および金属製細管30)の内孔に延在して金属製細管30の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。リード線51の基端部は、ラジオ波発生装置(図示省略)の高周波電流の出力部に接続されている。
また、先端電極10には、熱電対ケーブル52の先端部(熱電対)が接続されている。この熱電対ケーブル52は、穿刺針1の内孔に延在して金属製細管30の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。熱電対ケーブル52の基端部は、ラジオ波発生装置(図示省略)の温度センサ入力部に接続されている。これにより、先端電極10の温度をモニタリングしながら、先端電極10への出力電流を制御することができる。なお、熱電対ケーブル52に代えて、サーミスタを先端部に備えてなるサーミスタケーブルを先端電極10の温度センサとして用いてもよい。
また、先端電極10には、その内部に冷却水を供給するための送水チューブ53の先端が挿入されている。この送水チューブ53は、穿刺針1の内孔に延在して金属製細管30の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。送水チューブ53の基端は、冷却水の供給源(図示省略)に接続されている。
送水チューブ53の先端開口より供給された冷却水は、先端電極10を内部から冷却した後、穿刺針1の内孔および把持部40の内孔を通って、基端壁41を貫通する(把持部40の内孔と外部とを連通する)よう形成された排水チューブ54から排出される。
このように、先端電極10の内部に水を流通させることによる先端電極10の冷却手段を設けることにより、先端電極10への高周波電流の通電時において、先端電極10の過度の温度上昇に伴う、電極周辺組織における水分の蒸発や組織の炭化に起因するインピーダンスの上昇を抑制することができる。また、高周波電流の通電終了後に、先端電極10を急冷することができるので、余熱(電極に残留する熱)による電極周辺組織へのダメージを防止することができる。
冷却手段を構成する送水チューブ53および排水チューブ54の材質としては特に限定されるものではなく、金属製チューブであっても、樹脂製チューブであってもよい。
また、二重管構造のチューブの先端を先端電極10の内部に挿入し、その内管より冷却水を供給し、冷却後の水を外管(ジャケット)より排出する構造としてもよい。
図2は、本実施形態の焼灼用穿刺針1を備えたシステム(ラジオ波焼灼療法システム)の全体構成を模式的に示す概略図である。このシステムは、本実施形態の穿刺針1と、ラジオ波発生装置2と、対極板3と、冷却水の供給源4と、排水貯槽5とを備えている。
図2に示すように、穿刺針1とラジオ波発生装置2とは、リード線51により接続されている。また、穿刺針1と冷却水の供給源4とは、送水チューブ53により接続されている。さらに、穿刺針1と排水貯槽5とは、排水チューブ54により接続されている。
対極板3は、患者100の大腿部付近に貼り付けられ、この対極板3とラジオ波発生装置2とは、リード線55により接続されている。
図2に示したようにシステムをセットアップした後、超音波映像をモニタリングしながら、穿刺針1の先端電極10を患者100の病変部に穿刺する。このとき、穿刺針1の先端電極10以外の部分(電気絶縁性連結管20および金属製細管30)の周囲には、正常組織が存在し、穿刺針1の基端部分は患者100の体表と接触することになる。
この状態で、通電を開始すると、ラジオ波発生装置2からのラジオ波電流は、リード線51および穿刺針1を経由して患者100の体内を流れ、患者100の大腿部付近に貼り付けた対極板3およびリード線55を経由してラジオ波発生装置2に還流する。そして、穿刺針1と対極板3との間に流れるラジオ波電流によって生体組織でジュール熱が発生する。ここに、ラジオ波の周波数は、例えば300kHz〜6MHzとされ、ラジオ波電流の最大出力は、例えば200Wとされる。
ラジオ波電流によって発生するジュール熱の量は、電流密度の高い先端電極10の近傍組織、すなわち、患者100の病変部において最も多く、これにより、当該病変部が高温となって焼灼され、病変組織が凝固・壊死に至る。このとき、焼灼されている病変部の中心に位置する先端電極10は当該病変部と同程度の温度となるので、図1に示した熱電対ケーブル(52)によって先端電極10の温度をモニタリングすることにより、病変部における焼灼温度を把握することができる。
ここに、焼灼温度としては、通常50〜90℃とされ、好ましくは55〜70℃とされる。焼灼温度が低過ぎる場合には、病変組織を確実に凝固・壊死させることができない。一方、焼灼温度が高過ぎる場合には、水分の急激な沸騰による乾燥状態や組織の炭化が生じ、インピーダンスが上昇して電流が流れにくくなる結果、病変組織を凝固させることができなくなる。
通電中において、モニタリングされた先端電極10の温度が高くなり過ぎたと判断した場合には、ラジオ波発生装置2からのラジオ波電流の流れを抑制または停止するとともに、供給源4から供給される冷却水を増量して、先端電極10の温度、延いては、先端電極10の近傍組織の温度を低下させることによりインピーダンスの上昇を抑制する。
目的とする病変部の焼灼が完了したときには、通電を停止し、供給源4から供給される冷却水を増量して、先端電極10およびその近傍組織を急冷する。これにより、余熱(先端電極10に残留する熱)による周辺組織へのダメージを防止することができる。
なお、病変部が大きい場合には、一定時間焼灼した後、穿刺針1の先端電極10を焼灼により凝固した部分から引き抜き、凝固していない部分(焼灼による治療効果が及んでいない病変部)にポジションを変えて再度穿刺し、同様の条件で通電し追加焼灼を行う。
本実施形態の穿刺針1は、その基端部分を構成する金属製細管30が、電気絶縁性連結管20によって、先端電極10から電気的に絶縁されているので、当該金属製細管30に対して、ラジオ波発生装置2からのラジオ波電流が通電されることはない。
また、電気絶縁性連結管20を構成する材料(樹脂)は、金属よりも熱伝導率が格段に低いので、先端電極10で発生した熱が、電気絶縁性連結管20を伝わり、金属製細管30が加熱されて高温になることはない。
従って、本実施形態の穿刺針1によれば、先端電極10以外の部分(電気絶縁性連結管20および金属製細管30)の周囲に存在する正常組織、並びに、穿刺針1の基端部分(金属製細管30)と接触する患者100の体表に熱的損傷を与えることがない。
しかも、ラジオ波発生装置2からのラジオ波電流が先端電極10にのみ通電されるので、全体が通電領域となる従来公知の焼灼用穿刺針よりも低い高周波エネルギーで、先端電極10により穿刺された病変部を集中的に焼灼することができる。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の焼灼用穿刺針の他の実施形態を示す断面図である。なお、同図において、第1の実施形態と同一または対応する構成要素には、同一の符号を用いている。
本実施形態の焼灼用穿刺針6は、高周波電流が通電される尖鋭な先端電極60と、その基端側に接続された電気絶縁性細管70とからなる。焼灼用穿刺針6は、電気絶縁性細管70の基端側において、把持部40により保持されている。
把持部40の先端より突出する焼灼用穿刺針6の長さL5および焼灼用穿刺針6の外径は、第1の実施形態に係る焼灼用穿刺針1の長さL0および焼灼用穿刺針1の外径と同様である。
焼灼用穿刺針6を構成する先端電極60は、金属からなり、尖鋭な先端部61とフランジ部62とにより構成され、先端電極60における先端部61の長さL6は、通常20〜50mmとされ、好ましくは20〜30mmとされる。
この長さL6が短過ぎる場合には、1回の焼灼(穿刺)で治療できる範囲が狭小となる。一方、この長さL6が長過ぎると、本発明の目的を達成することができない。すなわち、先端電極で病変部を穿刺するときに当該先端電極の基端部が正常組織と接触し、焼灼時に当該正常組織に熱的損傷を与える虞がある。
先端電極60を構成する金属としては、焼灼用穿刺針を構成する金属として従来公知であるものをすべて使用することができ、例えばステンレスなどを挙げることができる。
焼灼用穿刺針6を構成する電気絶縁性細管70は、電気絶縁性の材料により形成された管状部材からなり、把持部40の先端より突出する電気絶縁性細管70の長さL7(L5−L6)は150〜180mmとされ、好ましくは170〜180mmとされる。
電気絶縁性細管70には、電気絶縁性、断熱性、焼灼温度に対する耐熱性が要求されるとともに、通常の焼灼用穿刺針において必要とされる剛性(特に曲げ剛性)および弾性(特に曲げ弾性)が要求される。
電気絶縁性細管70を構成する電気絶縁性材料としては、上記のような特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料およびセラミック材料が好ましく、電気絶縁性および断熱性が良好で、成形も容易であることから樹脂材料を用いることが特に好ましい。
電気絶縁性細管70を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、第1の実施形態に係る電気絶縁性連結管20を構成するものとして例示した樹脂を挙げることができる。
先端電極60には、高周波電流を通電するためのリード線51の先端部が接続されている。このリード線51は、穿刺針6の内孔に延在して電気絶縁性細管70の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。リード線51の基端部は、ラジオ波発生装置(図示省略)の高周波電流の出力部に接続されている。
また、先端電極60には、熱電対ケーブル52の先端部(熱電対)が接続されている。この熱電対ケーブル52は、穿刺針6の内孔に延在して電気絶縁性細管70の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。熱電対ケーブル52の基端部は、ラジオ波発生装置(図示省略)の温度センサ入力部に接続されている。なお、熱電対ケーブル52に代えてサーミスタケーブルを先端電極60の温度センサとして用いてもよい。
また、先端電極60には、その内部に冷却水を供給するための送水チューブ53の先端が挿入されている。この送水チューブ53は、穿刺針6の内孔に延在して電気絶縁性細管70の基端から把持部40の内孔に延出し、さらに、把持部40の内孔に延在して把持部40の基端壁41を貫通している。送水チューブ53の基端は、冷却水の供給源(図示省略)に接続されている。
送水チューブ53の先端開口より供給された冷却水は、先端電極60を内部から冷却した後、穿刺針6の内孔および把持部40の内孔を通って、基端壁41を貫通するよう形成された排水チューブ54から排出される。
図3に示すように、電気絶縁性細管70の先端部分は、先端電極60のフランジ部62の外表面を覆うように形成されている。これにより、先端電極60と電気絶縁性細管70との接着面積を十分に確保することができるとともに、フランジ形状による抜け落ち防止効果により、両者は強固に結合されて分離するようなことはない。この結果、本実施形態の穿刺針6による手術中において、例えば、穿刺針6を抜去するときに、電気絶縁性細管70から先端電極60が脱落して体内に留置されるような事故を確実に防止することができる。
本実施形態の穿刺針6を構成する先端電極60と電気絶縁性細管70とは、インサート成形により一体的に成形されていることが好ましい。具体的には、先端電極60を金型内に配置した後、電気絶縁性細管70を形成するための硬化性樹脂を射出成形などにより注型して硬化させる方法が挙げられる。これにより、先端電極60のフランジ部62の外表面が、電気絶縁性細管70の先端部分(硬化樹脂)によって覆われることにより、先端電極60と電気絶縁性細管70とが強固に結合されてなる連結体(穿刺針6)を製造することができる。なお、金型内に配置される先端電極60には、リード線51、熱電対ケーブル52および送水チューブ53などが接続されていてもよい。
本実施形態の穿刺針6は、第1の実施形態に係る焼灼用穿刺針1と同様に、図2に示したようなラジオ波焼灼療法システム(焼灼用穿刺針6と、ラジオ波発生装置2と、対極板3と、冷却水の供給源4と、排水貯槽5とを備えてなるシステム)を構成し、第1の実施形態と同様に焼灼療法を行うことができる。
すなわち、システムをセットアップした後、超音波映像をモニタリングしながら、穿刺針6の先端電極60を患者の病変部に穿刺する。このとき、穿刺針6の先端電極60以外の部分(電気絶縁性細管70)の周囲には、正常組織が存在し、穿刺針6の基端部分は患者の体表と接触することになる。
この状態で、通電を開始すると、ラジオ波発生装からのラジオ波電流は、リード線51および穿刺針6を経由して患者の体内を流れ、患者の大腿部付近に貼り付けたおよびリード線を経由してラジオ波発生装に還流する。そして、穿刺針6と対極板との間に流れるラジオ波電流によって生体組織でジュール熱が発生する。これにより、当該病変部が高温となって焼灼され、病変組織が凝固・壊死に至る。
本実施形態の穿刺針6は、先端電極60以外の部分が電気絶縁性細管70により構成されているので、当該電気絶縁性細管70に対して高周波電流が通電されることはない。
また、電気絶縁性細管70を構成する材料(樹脂)は、金属よりも熱伝導率が格段に低いので、先端電極60で発生した熱により、電気絶縁性細管70が高温になることはない。従って、本実施形態の穿刺針6によれば、先端電極60以外の部分(電気絶縁性細管70)の周囲に存在する正常組織、並びに、穿刺針6の基端部分(電気絶縁性細管70)と接触する患者の体表に熱的損傷を与えることがない。
しかも、ラジオ波発生装からのラジオ波電流が先端電極60にのみ通電されるので、全体が通電領域となる従来公知の焼灼用穿刺針よりも低い高周波エネルギーで、先端電極60により穿刺された病変部を集中的に焼灼することができる。
本発明の焼灼用穿刺針の一実施形態を示す断面図である。 図1に示した焼灼用穿刺針を備えたラジオ波焼灼療法システムの全体構成を模式的に示す概略図である。 本発明の焼灼用穿刺針の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 焼灼用穿刺針
2 ラジオ波発生装置
3 対極板
4 冷却水の供給源
5 排水貯槽
6 焼灼用穿刺針
10 先端電極
11 先端電極の先端部
12 フランジ部
20 電気絶縁性連結管
30 金属製細管
32 フランジ部
40 把持部
41 基端壁
51 リード線
52 熱電対ケーブル
53 送水チューブ
54 排水チューブ
55 リード線
60 先端電極
61 先端電極の先端部
62 フランジ部
70 電気絶縁性細管

Claims (5)

  1. 対極板との間で高周波電流が通電される尖鋭な先端電極と、
    この先端電極の基端側に接続された電気絶縁性連結管と、
    この電気絶縁性連結管の基端側に接続された高周波電流が通電されることのない金属製細管とを備えてなる焼灼用穿刺針。
  2. 前記電気絶縁性連結管が樹脂からなる請求項1に記載の焼灼用穿刺針。
  3. 前記先端電極が、尖鋭な先端部と、脱落防止用のフランジ部とを備えてなり、当該フランジ部の外表面が、前記電気絶縁性連結管の先端部分により覆われてなる請求項1または請求項2に記載の焼灼用穿刺針。
  4. 金属製細管の先端部として脱落防止用のフランジ部が形成され、当該フランジ部の外表面が、前記電気絶縁性連結管の基端部分により覆われてなる請求項3に記載の焼灼用穿刺針。
  5. 前記先端電極の内部に水を流通させることにより、当該先端電極を冷却する冷却手段が設けられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の焼灼用穿刺針。
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