JP4682960B2 - 燃料ポンプモジュール - Google Patents
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Description
具体的には、複数の燃料ポンプ、複数のポンプ保持部材、サブタンクおよびサブタンクの開口部を覆う蓋部材とから燃料ポンプモジュールを構成している。この燃料ポンプモジュールは、燃料ポンプをポンプ保持部材に組み付けてなる複数の組付体を備え、これらの組付体と蓋部材とをサブタンクに組み付けて構成されている。
また、サブタンクに組み付ける部材の点数は少ないほどその組付作業性は向上するが、上記構造では、複数のポンプ保持部材と蓋部材とをサブタンクに組み付けるため、サブタンクに組み付ける部材の点数が多く、その組付作業性が悪い。
なお、上記燃料ポンプモジュールはサブタンクを備えているが、サブタンクを廃止して、複数のポンプ保持部材と蓋部材とを燃料タンクに組み付ける構造の場合であっても、上述した大型化の課題と組付作業性悪化の問題は同様に生じる。
これによれば、1つのポンプ保持部材により複数の燃料ポンプが保持されるので、複数の燃料ポンプ毎に別々のポンプ保持部材を設ける場合に比べて燃料ポンプモジュールを小型化できる。
また、ポンプ保持部材および蓋部材は支持部材により支持されるので、ポンプ保持部材、蓋部材および支持部材から構成される1つの部材を燃料貯留槽に組み付けるようにできる。よって、複数のポンプ保持部材と蓋部材とを燃料貯留槽に組み付ける場合に比べて燃料貯留槽に組み付ける部材の点数を少なくできるので、燃料貯留槽への部材の組付作業性を向上できる。
また、燃料ポンプに設けられた各吐出口は、燃料ポンプの軸線から偏心した位置に設けられており、複数の燃料ポンプは、軸線が同じ向きとなるように並べて配置され、かつ、軸線を中心とした回転位置が各々の吐出口が近づく位置となるように配置されている。
これによれば、複数の吐出口が近づく位置となるため、複数の吐出口が遠ざかる位置となるように配置した場合に比べて燃料ポンプモジュールのより一層の小型化を図ることができる。
さらにまた、複数の燃料ポンプの端部に設けられた各電気コネクタは、吐出口の外側に位置する。
さらにまた、燃料ポンプの吐出側に配置されたフィルタエレメントを支持するフィルタケースを備え、支持部材は、フィルタケースに接合し、フィルタケースとともにフィルタエレメントを収容する内部空間を形成する。
これによれば、支持部材は、フィルタエレメントを収容する内部空間を形成する部材としても機能するため、前記内部空間を形成する専用の部材を支持部材とは別に備える場合に比べて、燃料ポンプモジュールのより一層の小型化を図ることができる。
これによれば、吐出口と流出口とが支持部材により連通するので、吐出口と流出口とを接続するフレキシブルチューブを不要にでき、燃料ポンプモジュールのより一層の小型化を図ることができる。また、前記フレキシブルチューブを備える場合に比べて燃料の流通経路を短くできるので、燃料の圧力損失を低減できる。また、フレキシブルチューブを備える場合に生じるチューブと吐出口との接続部分からの燃料漏れがなくなるので、燃料の吐出性能を向上できる。
請求項5記載の発明では、燃料ポンプの軸線が燃料貯留槽の底部と略水平となるように、燃料ポンプは横置きに収容されている。
これによれば、複数の吸入口が近づく位置となるため、複数の吸入口が遠ざかる位置となるように配置した場合に比べて燃料ポンプモジュールのより一層の小型化を図ることができる。
ここで、燃料ポンプの駆動開始時に燃料ポンプ内に燃料が充満していない場合には、駆動開始から燃料が充満するまでの期間、燃料の吐出流量が著しく少なくなる。そして、燃料ポンプを停止させた場合には、燃料ポンプ内に燃料はベーパ穴から流出し得る。従って、ベーパ穴は上方に位置するように燃料ポンプを配置することが望ましい。しかしながら、メインポンプとサブポンプとは同じ形状のポンプであることが生産コストの点から望ましいが、メインポンプとサブポンプとで同じ形状のポンプを採用した場合において、請求項1または7に記載の如く複数の燃料ポンプの回転位置を設定すると、メインポンプのベーパ穴およびサブポンプのベーパ穴のうち、一方のベーパ穴を上方に位置させると、図8に例示するように必然的に他方のベーパ穴は下方に位置することとなる。
特に、請求項8記載の如く燃料貯留槽がサブタンクである場合には、メインポンプの駆動により作動する汲み上げ用のジェットポンプを備えるようにすれば、メインポンプを駆動させることによりサブタンク内には燃料が充満されるので、サブポンプを駆動させる際には、駆動開始から燃料が充満するまでの期間に吐出流量が少なくなるといった上記問題は抑制される。
燃料タンク1は、燃料ポンプモジュール3を収容している第1タンク室1cと、第2タンク室(図示せず)とからなる鞍型の燃料タンクである。また、フランジモジュール2が取り付けられる開口部1aは第1タンク室1cの上方に位置している。第1タンク室1cおよび第2タンク室の各々には移送用ジェットポンプ(図示せず)が設置されており、これらの移送用ジェットポンプにより、第1タンク室1cおよび第2タンク室内の燃料は、燃料ポンプモジュール3が有するサブタンク10に移送される。
なお、サブタンク10は、特許請求の範囲に記載の「燃料貯留槽」に相当する。
フランジモジュール2は、燃料タンク1の開口部1aを閉塞する蓋として機能するフランジ2aを有している。フランジ2aの上面側には、車両に搭載された内燃機関へ燃料を吐出する吐出管2bと、吐出管2bから吐出した燃料の余剰分が流入するリターン管2cとが備えられている。また、フランジ2aの両面に跨って電気コネクタ2d、2eが備えられている。
また、センダゲージ2fは、フランジ2aに設けられた電気コネクタ2dに図示しないハーネスにより接続されており、外部に設置された図示しない電子制御装置(ECU)に液面検出信号を出力する。
燃料ポンプモジュール3は、燃料タンク1の開口部1aから燃料タンク1内に挿入して配置されており、燃料タンク1の底部1bに固定されている。そして、燃料ポンプモジュール3は、樹脂製のサブタンク10(図3参照)と、サブタンク10の開口部11の一部を覆う樹脂製の蓋部材20(図4参照)と、サブタンク10内に収容されるモジュール本体30(図6参照)とを備えて構成されている。
なお、図3はサブタンク10に後述するサクションフィルタ組付体40が収容された状態を模式的に示す斜視図、図4は蓋部材20単体を模式的に示す上面図、図6はモジュール本体30からフィルタケース34を取り除いた状態を示す2面図である。
図3に示すように、サブタンク10の側面のうち最下方部分には、汲み上げ用ジェットポンプ12が備えられている。そして、この汲み上げ用ジェットポンプ12の作動により、第1タンク室1c内の燃料はサブタンク10内に汲み上げられる。
蓋部材20は、サブタンク10に係合して、サブタンク10の開口部11のうち一方側(図3の右側)部分を覆う。蓋部材20とサブタンク10との係合はスナップフィット構造であり、蓋部材20に形成された係合凸部25(図4参照)をサブタンク10に形成された係合凹部(図示せず)に係合させている。
図6に示すように、モジュール本体30は、燃料を吸入し吐出する複数の燃料ポンプ31、32と、燃料ポンプ31、32の上流側に配置された不織布によるフィルタエレメント33(図1参照)と、フィルタエレメント33を内部に収容するフィルタケース34と、燃料ポンプ31、32の上流側に配置されたサクションフィルタ組付体40と、複数の燃料ポンプ31、32を保持する樹脂製のホルダ50と、を備えて構成されている。
また、フィルタケース34の下端面342には、フィルタエレメント33を内部に挿入するための開口部が形成されている。フィルタケース34の下端面342は、ホルダ50の接合面531(図6参照)とその全周に亘って溶着により結合され、これにより、前記開口部はホルダ50の支持部53により閉塞される。なお、図6では、フィルタケース34が溶着されていない状態のモジュール本体30が示されている。
これらのフィルタ本体41、42、内部保持部材およびホルダキャップ43、44は、燃料ポンプ31、32の数に対応して複数(本実施形態では2つ)設けられている。
また、ホルダキャップ43、44は、蓋部材20の型抜き穴26、27を塞ぐカバー部材433、443を有している。なお、エルボ431、441およびカバー部材433、443とホルダキャップ43、44とは射出成形により一体成型されている。
また、ホルダキャップ43、44とホルダ50との係合はスナップフィット構造であり、ホルダキャップ43、44に形成された係合凸部434、444をホルダ50に形成された係合凹部511(図6参照)に係合させている。
なお、ポンプ保持部51、蓋部52および支持部53の各々は、特許請求の範囲に記載の「ポンプ保持部材」、「蓋部材」、「支持部材」に相当する。そして、保持部51、蓋部52および支持部53を樹脂により一体に形成して、1部品としてのホルダ50を構成している。
なお、これらのポンプ保持部51、蓋部52および支持部53は射出成形により一体成型されている。
なお、燃料ポンプ31、32は、回転中心となる軸線L1が同じ向きとなるように並べて配置されている。また、燃料ポンプ31、32は、軸線L1がサブタンク10の底部と略水平となるように横置きに配置されている。
また、蓋部52およびポンプ保持部51はスナップフィット構造によりサブタンク10と係合する。具体的には、蓋部52に形成された係合凸部521およびポンプ保持部51に形成された係合凸部513を、サブタンク10に形成された係合凹部(図示せず)に係合させている。
また、エルボ532の流出口534の各々には逆止弁535が取り付けられており、この逆止弁535により、内部空間343内に流出した燃料が燃料ポンプ31、32に戻ってしまうことを防止している。
燃料ポンプ31、32に設けられた吐出口312、322の軸線L2(図6参照)は、燃料ポンプ31、32の軸線L1から偏心した位置に設けられている。また、燃料ポンプ31、32に設けられた吸入口311、321の軸線L3(図6参照)は、燃料ポンプ31、32の軸線L1から偏心した位置に設けられている。
そして、2つの燃料ポンプ31、32は、軸線L1を中心とした回転位置において、互いの吐出口312、322が近づく位置となるように配置され、かつ、互いの吸入口311、321が近づく位置となるように配置されている。
フランジ2aに設けられた電気コネクタ2d、2eは、メインポンプ31の端部に設けられた電気コネクタ314と、サブポンプ32の端部に設けられた電気コネクタ324との各々に、図示しないハーネスにより接続されている。そして、これらのハーネスを介して駆動電力が供給されて燃料ポンプ31、32が駆動すると、サブタンク10内の燃料は、サクションフィルタ組付体40のフィルタ本体41、42、エルボ431、441、流出口432、442を順に流れ、その後、燃料ポンプ31、32の吸入口311、321に吸入される。
燃料噴射弁へと供給した燃料の余剰分は、前述した通り、汲み上げ用のジェットポンプおよび移送用ジェットポンプに供給される。
本実施形態に係る燃料ポンプモジュール3によれば、1つのポンプ保持部51により2つの燃料ポンプ31、32がともに保持されるので、2つの燃料ポンプ31、32毎に別々のポンプ保持部を設ける場合に比べて燃料ポンプモジュール3を小型化できる。
上記実施形態では、ポンプ保持部51、蓋部52および支持部53を射出成型により一体に成形しているが、別々に射出成型されたポンプ保持部51、蓋部52および支持部53を溶着や接着剤で結合してもよく、また、スナップフィット等により係合するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、燃料ポンプモジュール3にサブタンク10および蓋部材20を備えているが、これらのサブタンク10および蓋部材20廃止して、モジュール本体30を燃料タンク1に直接収容するようにしてもよい。この場合には、燃料タンク1が特許請求の範囲に記載の「燃料貯留槽」に相当することとなる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (8)
- 燃料を貯留する燃料貯留槽内に収容され、燃料を吸入し吐出する複数の燃料ポンプと、
前記複数の燃料ポンプを保持するポンプ保持部材と、
前記燃料貯留槽の開口部を覆う蓋部材と、
前記ポンプ保持部材および前記蓋部材を支持する支持部材と、
前記複数の燃料ポンプの吐出側に配置され、燃料中の異物を捕捉するフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを支持するフィルタケースと、
を備え、
前記複数の燃料ポンプに設けられた各吐出口は、前記複数の燃料ポンプの軸線から偏心した位置に設けられており、
前記複数の燃料ポンプは、前記軸線が同じ向きとなるように並べて配置され、かつ、前記軸線を中心とした回転位置が各々の前記吐出口が近づく位置となるように配置され、
前記複数の燃料ポンプの端部に設けられた各電気コネクタは、前記吐出口の外側に位置し、
前記支持部材は、前記フィルタケースに接合し、前記フィルタケースとともに前記フィルタエレメントを収容する内部空間を形成し、前記複数の燃料ポンプの各吐出口から吐出された燃料を前記内部空間にて合流する燃料ポンプモジュール。 - 前記支持部材には、前記燃料貯留槽の外部に燃料を流出する流出口が形成されるとともに、前記燃料ポンプに設けられた吐出口と前記流出口とを連通する燃料通路が形成されている請求項1記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記ポンプ保持部材、前記蓋部材および前記支持部材は樹脂により一体に成形されている請求項1または2記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記ポンプ保持部材は前記燃料貯留槽に係合する請求項1から3のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記燃料ポンプの軸線が前記燃料貯留槽の底部と略水平となるように、前記燃料ポンプは横置きに収容されている請求項1から4のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記燃料ポンプに設けられた吸入口は、前記燃料ポンプの軸線から偏心した位置に設けられており、
複数の前記燃料ポンプは、前記軸線が同じ向きとなるように並べて配置され、かつ、前記軸線を中心とした回転位置が各々の前記吸入口が近づく位置となるように配置されている請求項1から5のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。 - 前記燃料ポンプ端部のうち前記軸線から偏心した位置に、前記燃料ポンプ内の空気を排出するベーパ穴が形成され、
複数の前記燃料ポンプのうち最優先して駆動させる燃料ポンプをメインポンプとし、
複数の前記燃料ポンプのうち、前記メインポンプの駆動のみでは吐出量不足となる場合に駆動させる燃料ポンプをサブポンプとし、
前記メインポンプの前記ベーパ穴が前記サブポンプの前記ベーパ穴よりも上方に位置する請求項1から6のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。 - 前記燃料貯留槽は、燃料タンクに収容されるサブタンクである請求項1から7のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。
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