JP4682445B2 - ケイ素化合物粉末の固化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はケイ素化合物粉末の固化処理方法に係り、特に、固化物からのケイ素化合物の溶出、飛散等を確実に防止することができるケイ素化合物粉末の固化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンの製造工程等からは、原料ないし中間生成物の無機、有機ケイ素化合物の粉末が廃棄物として排出される。
【0003】
このケイ素化合物粉末は、通常埋立処分されているが、このケイ素化合物粉末を微粉末の状態のまま埋立処分した場合、ケイ素化合物が雨水等で溶出ないし流出して地下水や浸出水に混入し、地下水又は浸出水処理施設の配管などを詰まらせたり、処理施設の負荷を高めたりする。また、埋立地への搬送中或いは埋立地において、風などにより飛散して周辺の環境に悪影響を及ぼすこともある。特に、上記の有機ケイ素化合物粉末は微粉末であるため、流出及び飛散し易く、環境に悪影響を及ぼす可能性が高い。
【0004】
このため、ケイ素化合物粉末を埋立処分するに当っては、ケイ素化合物粉末の溶出、流出及び飛散を防止する固化処理を施す必要がある。従来、この固化処理としては、セメントによる固化処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このセメント固化法では、処理物の容量が増え、廃棄物量が増大する。また、固化物がひび割れし、ケイ素化合物が溶出したり、飛散したりするおそれがある。さらに、有機ケイ素化合物粉末が疎水性であるときには、セメントや水と馴染まず、十分に固化させることができない。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、ケイ素化合物粉末を処理物の容量を全く又は殆ど増大させることなく固化させることができ、しかもケイ素化合物の溶出、流出あるいは飛散を確実に防止することができる固化処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の無機ケイ素化合物粉末の固化処理方法は、無機ケイ素化合物粉末にアルカリ化合物と水を添加して混合し、固化させるケイ素化合物粉末の固化処理方法であって、アルカリ化合物がカリウム化合物であり、無機ケイ素化合物が酸化ケイ素であるものである。この無機ケイ素化合物粉末に水とアルカリ化合物を加えて混合することにより、無機ケイ素化合物粉末の微粒子同士が結合して強固な固化物となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
本発明においては、無機ケイ素化合物粉末にアルカリ化合物と水を添加して混練することにより固化させる。
【0010】
本発明の方法で使用されるアルカリ化合物は、水に可溶であって且つ水に溶解した時のpHがアルカリ性であるものが好適であり、カリウム化合物を用いる。特に、水酸化カリウムやカリウム塩などのカリウム化合物とりわけリン酸カリウムが好適である。
【0011】
無機ケイ素化合物粉末に対するアルカリ化合物の添加量は、少な過ぎると無機ケイ素化合物粉末を十分な強度に固化し得ず、多過ぎるとコスト高であることから、一般的には、無機ケイ素化合物粉末に対して1〜50重量%、特に5〜20重量%とすることが好ましい。
【0012】
本発明において、無機ケイ素化合物粉末にアルカリ化合物を添加して固化処理する場合には、水を併用し、特に固化処理物の含水率が30〜70重量%になるように水を添加するのが好ましい。なお、この水は、アルカリ化合物の水溶液として添加することもできる。
【0013】
本発明において、無機ケイ素化合物粉末にアルカリ化合物及び水を添加して混練する場合において、これらの添加順序には特に制限はなく、どちらを先に添加しても良い。また、同時に添加しても良く、前記の通りアルカリ化合物を水に溶解させてケイ素化合物粉末に添加しても良い。
【0014】
ケイ素化合物粉末とこれらの添加物とを混合して固化させる際には、セメントミキサー、押し出し成形機、パン型造粒機、ブリケットマシーンなどの、処理物を固化体として成形できるものを用いることが望ましいが、何らこれらの方法や装置に限定されるものではない。
【0015】
本発明は、特にシリコーン(オルガノポリシロキサン)等の含ケイ素ポリマーの製造工程から排出されるケイ素化合物粉末の固化処理に好適である。
【0016】
含ケイ素ポリマーは、その構造から、主としてポリシラン、ポリシロキサン、ポリカルボシランに分類される。
【0017】
ポリシランは、主鎖がケイ素−ケイ素結合でできたものであり、一般には、ジクロロシランの金属ナトリウムによる重縮合反応により合成される。
【0018】
ポリシロキサンは一般に、ジクロロシランの加水分解で生成したジシラノールの脱水重縮合によって合成される。
【0019】
ポリカルボシランは二官能性のケイ素化合物を用いた重縮合反応により合成され、ジクロロシランとアニオンリビング重合で生成したポリスチレンジアニオンとの重縮合などが主に行われている。
【0020】
この含ケイ素ポリマーの製造工程からは、酸化ケイ素(とくに二酸化珪素)、シロキサン、シラザンなどの無機ケイ素化合物が排出される。これらは、通常500μm以下程度の粒状又は微粉状である。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0022】
なお、以下の実施例及び比較例において、固化処理したケイ素化合物粉末はシリコーン製造工程より排出された無機ケイ素化合物(主成分は二酸化ケイ素。平均粒径275μm)である。
【0023】
実施例1〜3、比較例1〜2
300mlのポリビーカーに表1に示すケイ素化合物粉末と添加物をそれぞれ表1に示す所定量入れてスパーテルで均一に混合した。このときの混練性の良否は表1に示す通りであった。
【0024】
混合後、ポリビーカー内に室温で開放状態で放置して養生し、1週間後の外観を観察して固化状態を調べ、結果を表1に示した。
【0025】
なお、リン酸カリウム水溶液としては、KOH30.7重量%、H3PO419.2重量%で混合して調製したものを用いた。
【0026】
【表1】
【0027】
表1より次のことが明らかである。
【0028】
実施例1〜3及び比較例1,2の無機ケイ素化合物粉末の処理において、水のみの処理(比較例1)や水とポルトランドセメントによる処理(比較例2)では、7日間経過後の処理物にはひび割れが発生し、固化は不良であった。これに対して、リン酸カリウム水溶液による処理(実施例1〜3)では、7日間経過しても処理物は良好に固化していた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のケイ素化合物粉末の固化処理方法によれば、無機ケイ素化合物粉末を容易かつ効率的に、しかも確実に固化することができる。このため、ケイ素化合物粉末を廃棄する際、埋立地への搬送中或いは埋立処分後において、ケイ素化合物の微粉末の飛散を防止することができ、また、埋立地からのケイ素化合物の溶出ないし流出を長期に亘り確実に防止することができる。
Claims (3)
- 無機ケイ素化合物粉末にアルカリ化合物と水を添加して混合するケイ素化合物粉末の固化処理方法であって、アルカリ化合物がカリウム化合物であり、無機ケイ素化合物が酸化ケイ素であることを特徴とするケイ素化合物粉末の固化処理方法。
- 請求項1において、カリウム化合物がリン酸カリウムであることを特徴とするケイ素化合物粉末の固化処理方法。
- 請求項1又は2において、ケイ素化合物がシリコーン製造工程からの排出物であることを特徴とするケイ素化合物粉末の固化処理方法。
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