図19は従来のビデオカメラ等に用いられるレンズ交換式電子カメラのブロック図である。
図19において、816は変倍可能なレンズユニット、817はカメラ本体である。レンズユニット816において、変倍レンズ802と補正レンズ803とがカムで機械的に結ばれており、変倍動作を手動や電動で行うと変倍レンズ802と補正レンズ803とが一体となって移動する。これらの変倍レンズ802と補正レンズ803を合わせてブームレンズと呼ぶ。このようなレンズシステムでは、前玉レンズがフォーカスレンズ801となっており、これが光軸方向に移動することにより焦点を合わせを行う。これらのレンズ群を通った光はカメラ本体817内のCCD等の撮像素子804の撮像面上に結像されて電気信号に光電変換され、映像信号として出力される。この映像信号は、CDS/AGC回路805でサンプルホールドしてから所定のレベルに増幅され、A/D変換器806でディジタル映像データに変換され、カメラ信号処理回路819へ入力されて、標準テレビジョン信号に変換されると共に、バンドパスフィルタ807(以下BPF)へも入力される。
BPF807では、映像信号中の高周波成分を抽出し、ゲート回路808で画面内の焦点検出領域に設定された部分に相当する信号のみを抜き出し、ピークホールド回路809で垂直同期信号の整数倍に同期した間隔でピークホールドを行い、AF評価値を生成し、本体マイコン810に取り込まれる。AF/MF切換えスイッチ823の操作状態により、AFモードならば、本体マイコン810内で合焦度に応じたフォーカシング速度及びAF評価値が増加するようにモータ駆動方向を決定し、フォーカスモータ813の速度及び方向をレンズユニット816内のレンズマイコン811に送る。またMF(手動フォーカス)モードならば、本体マイコン810はフォーカスモータ813の停止命令をレンズマイコン811に送る。レンズマイコン811は、本体マイコン810に指示された通りにモータドライバ812を介してフォーカスモータ813を駆動し、フォーカスレンズ801を光軸方向に動かすことにより焦点調節を行う。
また、ズームスイッチ818の操作状態に応じて、本体マイコン810はズームレンズ802、803の駆動方向、駆動速度を決定し、レンズユニット816内のズームモータドライバ814に送り、ズームモータ815を介してズームレンズ802、803を駆動する。カメラ本体817はレンズユニット816を切り離すことが可能であり、別のレンズユニットを接続することによって撮影範囲を広げることができる。
一方、民生用のレンズ一体型カメラでは、小型化、レンズ前面までの撮影を可能とするために、上記補正レンズ803と変倍レンズ802とをカムで機械的に結ぶのをやめ、補正レンズの移動軌跡をあらかじめマイコン内にレンズカムデータとして記憶し、そのレンズカムデータに従って補正レンズを駆動し、かつその補正レンズによりフォーカスも合わせるようにしたインナーフォーカスタイプのレンズが主流になってきており、このようなレンズでは安価、システムの簡素化、レンズ鏡筒の小型軽量化という利点を持っている。
図20は従来から用いられているインナーフォーカスタイプレンズシステムの構成を簡単に示すものである。図20において、901は固定されている第1のレンズ群、902は変倍を行う第2のレンズ群、903は絞り、904は固定されている第3のレンズ群、905は焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正する、所謂コンベ機能とを兼ね備えた第4のレンズ群(以下フォーカスレンズと称す)、906は撮像面である。公知のとおり、図のように構成されたレンズシステムでは、フォーカスレンズ905がコンベ機能と焦点調節機能とを兼ね備えているため、焦点距離が等しくても、撮像面906に合焦するためのフォーカスレンズ905の位置は被写体距離によって異なってしまう。各焦点距離において被写体距離を変化させたとき、撮像面上に合焦させるフォーカスレンズ905の位置を連続してプロットすると図21のようになる。変倍中は被写体距離に応じて図21に示された軌跡を選択し、その軌跡どおりフォーカスレンズ905を移動させればボケのないズームが可能になる。
図19の前玉フォーカスタイプのレンズシステムでは、変倍レンズに対して独立したコンペレンズが設けられており、さらに変倍レンズとコンペレンズとが機械的なカム環で結合されている。従って、例えばこのカム環にマニュアルズーム用のツマミを設け、手動で焦点距離を変えようとした場合、ツマミをいくら早く動かしてもカム環はこれに追従して回転し、変倍レンズとコンペレンズはカム環のカム溝に沿って移動するので、フォーカスレンズのピントがあっていれば、上記動作によってボケを生じることはない。
これに対し図20のインナーフォーカスタイプのレンズシステムの制御においては、図21で示される複数の軌跡情報を何らかの形(軌跡そのものでも、レンズ位置を変数とした関数でも良い)で記憶しておき、フォーカスレンズと変倍レンズの位置によって軌跡を選択し、その選択した軌跡上をたどりながらズーミングを行うのが一般的である。
さらに、変倍レンズの位置に対するフォーカスレンズの位置を記憶素子から読みだしてレンズ制御に用いるためには、各レンズの位置の読みだしをある程度精度良く行わなくてはならない。特に図21からも明らかなように、変倍レンズが等速度またはそれに近い速度で移動する場合、焦点距離の変化によって刻々とフォーカスレンズの軌跡の傾きが変化していく。これは、フォーカスレンズの移動速度と移動の向きが刻々と変化することを示しており、換言すればフォーカスレンズのアクチュエータは1Hz〜数百Hzまでの精度良い速度応答をしなければならないことになる。
上述の要求を満たすアクチュエータとしてインナーフォーカスレンズシステムのフォーカスレンズ群には、ステッピングモータを用いるのが一般的になりつつある。ステッピングモータは、レンズ制御用のマイコン等から出力される歩進パルスに完全に同期しながら回転し、1パルス当たりの歩進角度が一定なので、高い速度応答性と停止精度と位置精度とを得ることが可能である。さらにステッピングモータを用いる場合、歩進パルスをそのままインクリメント型のエンコーダとして用いることができ、特別な位置エンコーダを追加しなくてもよいという利点がある。
前述したように、ステッピングモータを用いて合焦を保ちながら変倍動作を行おうとする場合、マイコン等に図21の軌跡情報を何らかの形(軌跡そのものでも、レンズ位置を変数とした関数でも良い)で記憶しておき、変倍レンズの位置または移動速度に応じて軌跡情報を読みだして、その情報に基づいてフォーカスレンズを移動させる必要がある。
図22は従来より提案されている軌跡追従法の一例を説明するための図面である。図22において、Z0、Z1、Z2、…、Z6は変倍レンズ位置を示しており、a0、a1、a2、…、a6及びb0、b1、b2、…、b6は、マイコンに記憶している代表軌跡である。またp0、p1、p2、…、p6は、上記2つの軌跡を基に算出された軌跡である。この軌跡の算出式を以下に記す。
p(n+1)=|p(n)−a(n)|/|b(n)−a(n)|*|b(n+1)−a(n+1)|+a(n+1) ………(1)
(1)式によれば、例えば図22において、フォーカスレンズがp0にある場合、p0が線分b0−a0を内分する比を求め、この比に従って線分b1−a1を内分する点をp1としている。このp1−p0の位置差と、変倍レンズがZ0〜Z1まで移動するのに要する時間とから合焦を保つためのフォーカスレンズの移動速度が判る。
次に、変倍レンズの停止位置には、記憶された代表軌跡データを所有する境界上のみという制限がないとした場合について説明する。図23は変倍レンズ位置方向の内挿方法を説明するための図であり図22の一部を抽出し、変倍位置レンズを任意としたものである。図23において、縦軸、横軸はそれぞれフォーカスレンズ位置、変倍レンズ位置を示しており、レンズ制御マイコンで記憶している代表軌跡位置(変倍レンズ位置に対するフォーカスレンズ位置)を、変倍レンズ位置Z0 、Z1 、…、Zk-1 、Zk 、…、Zn その時のフォーカスレンズ位置を被写体距離別に、
a0 、a1 、…、ak-1 、ak 、…、an
b0 、b1 、…、bk-1 、bk 、…、bn
としている。
今、変倍レンズ位置がズーム境界上でないZx にあり、フォーカスレンズ位置がpx である場合、ax 、bx を求めると、
ax =ak −(Zk −Zx )*(ak −ak-1 )/(Zk −Zk-1 )
………(2)
bx =bk −(Zk −Zx )*(bk −bk-1 )/(Zk −Zk-1 )
………(3)
となる。
つまり現在の変倍レンズ位置とそれを挟む2つのズーム境界位置(例えば図23のZk とZk-1 )とから得られる内分比に従い、記憶している4つの代表軌跡データ(図23でak 、ak-1 、bk 、bk-1 )のうち同一被写体距離のものを前記内分比で内分することによりax 、bx を求めることができる。そしてax 、px 、bx から得られる内分比に従い、記憶している4つの代表データ(図23でak 、ak-1 、bk 、bk-1 )の内、同一焦点距離のものを(1)式のように上記内分比で内分することにより、pk 、pk-1 を求めることができる。そしてワイド端からテレ端へのズーム時に追従先フォーカス位置pk と現フォーカス位置px との位置差と、変倍レンズがZx 〜Zk まで移動するのに要する時間とから、合焦を保つためのフォーカスレンズの移動速度が判る。また、テレからワイドへのズーム時には追従先フォーカス位置pk-1 と現フォーカス位置px との位置差と、変倍レンズがZx 〜Zk-1 まで移動するのに要する時間とから、合焦を保つためのフォーカスレンズの移動速度が判る。以上のような軌跡追従方法が提案されている。
以上、レンズにおけるズーミング動作の種類の構成について説明したが、「ズーミング効果」を得る方法としては他に、所謂「電子ズーム」と称し、結像画像上の像の大きさは一定でも実際に記録又はファインダ等に出力する画像範囲を結像面上で徐々に変化させる方法が知られており、様々な映像信号の補間方法の発達により、2倍程度の電子ズームであれば実用上使用可能となってきている。
次に図19を用いて、電子ズームの動作を交換レンズシステムを例にとって説明する。図19のカメラ信号処理回路819は撮影映像のホワイトバランスやアパーチャー処理を施す回路であり、ここで処理された映像信号は、フィールドメモリ820に格納される。補間回路821は格納された画像を読み出しながら,走査線間、画素間の補間を行いつつ垂直拡大、水平拡大した拡大信号を出力する。出力された拡大信号は再びカメラ信号処理回路819で色処理等が施され標準TV信号に変換され、以下映像信号として記録系やファインダ系に送られる。
補間回路821は本体マイコン810がズームスイッチ818の操作状態に応じて送られる拡大率情報に応じて制御している。例えばズームレンズの倍率が12倍、電子ズーム2倍の機能が搭載されていると仮定すると、トータル24倍のズーミング効果が得られる。この場合、ズームスイッチ818を操作してワイド端からテレ方向へズーミングすると、図24(a)、(b)、(c)に示すように、光学ズームのテレ端以降に電子ズームを結合するズーミング動作が行われる。尚、光学テレビ端の検出はレンズマイコン811が行い、レンズマイコン811から本体マイコン810へズームレンズの位置情報が送られることにより、電子ズームへ移行すべきかどうかの判断を本体マイコン810が行う。
尚、図24では横軸にズームスイッチ操作時間をとり、縦軸は(a)トータルの倍率、(b)電子ズーム倍率、(c)光学ズーム倍率をとっている。ここでは、変倍レンズ群がテレ端に達した後に電子ズームが引き継いで倍率が推移するものとしたが、光学ズームと電子ズームの切り替わり点をテレ端一点とせず、オーバーラップするような構成も考えられる。尚、図24では各変位はすべてリニアで変化するとしたが、この限りではない。
(第1の実施の形態)
図1において、127はレンズユニット、128はカメラ本体である。被写体からの光は固定されている第1のレンズ群101、変倍を行う第2のレンズ群102(以下ズームレンズと称す)、絞り103、固定されている第3のレンズ群104、焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正するコンペ機能とを兼ね備えた第4のレンズ群105(以下フォーカスレンズと称す)を通り、3原色中の赤の成分はCCD等の撮像素子106上に、緑の成分はCCD等の撮像素子107上に、青の成分はCCD等の撮像素子108の各撮像面上にそれぞれ結像される。
上記各レンズ群101〜105の構成は、前述した図20のインナーフォーカスタイプのレンズ構成になっており、アクチュエータとしてステッピングモータを組合せ、駆動伝達系の小型化・簡素化を図っている。ステッピングモータに供給する歩進パルスは、レンズ制御用のレンズマイコン内で容易に作り出すことができるので、レンズマイコン自身が出力した歩進パルスの数をカウントしておくことにより、レンズ位置検出用のエンコーダ等を特別に設けなくともレンズの位置を正確に知ることができる。
ところで、従来の前玉フォーカスタイプのレンズシステムにおいて一般的な、「鏡筒に嵌合したズーム環を回転させることによってズーム環と機械的に接続したズームレンズを移動させ、ズーミングをする機構」は、
1)回転量に比例してレンズが移動する。
2)従って、粗調節から微調節まで円滑にズーミングを行うことができる。
等の点で優れている。
しかしながらインナーフォーカスタイプのレンズシステムでは、
1)可動レンズが全て鏡筒内に配置されている。
2)機械的に結合したカム環等で、制御回路を介さずにレンズを回転させると、ステッピングモータの駆動パルスのカウント値と実際のレンズ位置との間にエラーが生じる。
3)単純構造とした駆動伝達系が、機械的なマニュアル動作に不向きな構造である。
等の理由により、機械的にズーム環とレンズを結合し、外力でレンズを移動させることが困難である。
本発明の第1の特徴として、インナーフォーカスタイプのレンズであっても、前玉タイプのレンズの手動ズーム操作性を実現することにある。このため本実施の形態においては、図2に示すようなズーム操作部材としてのズームリング601を鏡筒に嵌合させ、その回転方向と回転スピードを電気的に検出することによってズームレンズ102を移動制御するようにしている。
次にズームリング601の構成及び動作を詳しく説明する。
図2において、601は鏡筒に嵌合する回転タイプのズームリング、602は光を反射する部分と透過する部分とを持つ櫛形構造から成るエンコーダ部、603と604は、図3に示すようにそれぞれ投光部606及び受光部607を持つ投受光部で、エンコーダ部602の反射光を受光したときとそうでない時とで出力信号の状態が変化する。尚、図3は、図2の破線で囲まれた部分605を拡大した図である。
ズームリング601を回転させると投受光部603、604の出力信号は、それぞれ図4(a)又は(b)の様に変化する。投受光部603、604の位置関係は、2つの出力信号の位相が適当な量だけずれるように決められていて、出力信号の変化の周期で回転スピードを検出し、2つの信号の位相関係で回転方向を検出する仕組みになっている。つまり、図4(a)が正回転方向なら(b)は逆回転方向にズームリング601を操作した時の出力波形となる。この投受光部603、604の出力信号を取り込んで、その信号の状態によってレンズの駆動方向と駆動スピードを決定する。
このようなズームリング601を装備することにより、インナーフォーカスタイプのレンズシステムでありながら、あたかも前玉タイプと同じような操作感でズーミング動作を行うことができる。このズームリング601を用いたズーミング動作方法については後に詳しく述べる。
再び図1の説明に戻る。レンズユニット127内には、上述したズームリング601におけるエンコーダ部602、投受光部603、604を含むリング回転検出回路136が設けられている。レンズを通過し色成分毎に撮像素子106、107、108に結像されたそれぞれの像は光電変換され、増幅器108、109、110でそれぞれ最適なレベルに増幅された後、カメラ信号処理回路112に入力され、標準テレビ信号に変換されると同時にAF信号処理回路113にも入力される。AF信号処理回路113で生成されたAF評価値は、本体マイコン114内のデータ読み出しプログラム115で読み出し、レンズマイコン116へ転送する。
また、本体マイコン114は、ズームスイッチ130及びAFスイッチ131の状態を読み込み、レンズマイコン116に送る。レンズマイコン116では、本体マイコン114からの情報が、AFスイッチ131がオフでかつズームリング601が回転中又はズームスイッチ130が押されている情報であるときは、コンピュータズームプログラム119がズームリング601の回転方向又はズームスイッチ130の押されている方向に応じてテレまたはワイド方向に駆動すべく、レンズマイコン内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120に基づいてズームモータドライバ122に信号を送ることで、ズームモータ121を介して変倍レンズ102を駆動する。これと同時に、フォーカスモータドライバ126に信号を送り、フォーカスモータ125を介してフォーカスコンペレンズ105を動かすことで変倍動作を行う。
また、AFスイッチ131がオンで、かつズームリング601が回転中又はズームスイッチ130が押されているときは、合焦状態を保ちつづける必要があるので、コンピュータズームプログラム119が、レンズマイコン116内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120のみならず、本体マイコン114から送られたAF評価値信号も参照にして、AF評価値が最大になる位置を保ちつつ変倍動作を行う。
また、ズームリング601が回転中で且つズームスイッチ130が押されている場合には、ズームリング601を優先することにより、前玉タイプのレンズと同様な操作性を実現することができる。また、AFスイッチ131がオンでかつズームリング601が非回転中又はズームスイッチ130が押されていないときは、AFプログラム117が本体マイコン114から送られたAF評価値信号が最大になるようにフォーカスモータドライバ126に信号を送り、フォーカスモータを介してフォーカスコンペレンズ105を動かすことで自動焦点調節動作を行う。
次に、本発明の第2の特徴として、レンズユニット127側のズーム操作部材としてのズームリング601の操作でも円滑な電子ズームを実現することにある。このためにはレンズユニット127とカメラ本体128とでの諸情報の交換が必要となる。カメラ本体128は電子ズーム機能を有しており、画像処理による電子的なズーミング効果を得ることが可能となっている。カメラ信号処理回路112で処理された映像信号は、フィールドメモリ134に格納され、補間回路135が格納された画像を読み出しながら、走査線間、画素間の補間を行いつつ垂直拡大、水平拡大した拡大信号を出力することで電子ズームを行う。出力された拡大信号は再びカメラ信号処理回路112で色処理等が施され標準TV信号に変換され、以下映像信号として、記録系やファインダ系に送られる。
補間回路135は本体マイコン114内の電子ズーム制御部133により制御されており、ズームスイッチ130の操作状態及びレンズマイコン116から送られるズームレンズ102の位置情報とズームリング601の操作状態情報とに応じ、電子ズーム制御部133が補間回路135に拡大率情報を送って電子ズームの倍率制御を行っている。また、光学倍率と電子倍率との組合せで、同画角でより高画質の撮影が行えるのに、ズームリング601やズームスイッチ130の操作で、電子ズームによる画像拡大時の画質劣化状態のまま、光学ズームがワイド方向に移動し画質劣化の状態で撮影が行われることがないようにするため、カメラ本体128から光学ズームの移動禁止が行えるようになっている。
上記電子ズームについての詳細な動作説明は後述し、次にAF信号処理回路113について図5を用いて説明する。
図1の増幅器108、109、110でそれぞれ最適なレベルに増幅された赤(R)、緑(G)、青(B)の撮像出力は、それぞれ図5のA/D変換器206、207、208でディジタル信号に変換され、カメラ信号処理回路112へ送られると同時にそれぞれアンプ209、210、211で最適に増幅された後、加算器208で加算されて自動焦点調節用輝度信号S5が作られる。この信号S5はガンマ回路213に入力され、前もって決められたガンマカーブでガンマ変換され、低輝度成分を強調し高輝度信号を抑圧した信号S6が作られる。ガンマ変換された信号S6は、カットオフ周波数の高いLPFであるTE−LPF214と、カットオフ周波数の低いLPFであるFE−LPF215とに入力され、本体マイコン114がマイコンインターフェース253を通して決定したそれぞれのフィルタ特性で低域成分が抽出されることにより、TE−LPF214の出力信号S7及びFE−LPF215の出力信号S8が作られる。
この信号S7及び信号S8は、スイッチ216で水平ラインが偶数番目か奇数番目かを識別する信号であるLineE/O信号で選択され、ハイパスフィルタ(以下HPF)217へと入力される。つまり、偶数ラインは信号S7をHPF217へと通し、奇数ラインは信号S8を通す。HPF217では、マイコン114がマイコンインターフェース253を通して決定し奇数/偶数それぞれのフィルタ特性で高域成分のみを抽出され、絶対値回路218で絶対値化することで、正の信号S9が作られる。信号S9は、ピークホールド回路225、226、227及びラインピークホールド回路231へと入力される。
枠生成回路254は、図6に示されるような画面内の位置に焦点調節用のゲート信号としてのL枠信号、C枠信号、R枠信号を生成する。図6はAF信号処理回路113内のタイミングを説明するための図である。外側の枠は撮像素子106、107、108の出力の有効映像画面である。内側の3分割された枠は焦点調節用のゲート枠で、左側のL枠、中央のC枠、右側のR枠が枠生成回路254から出力されるL枠信号、C枠信号、R枠信号によって形成される。
これらの枠の開始位置でリセット信号をL、C、R各枠ごとに出力し、LR1、CR1、RR1を生成し、後述する積分回路、ピークホルード回路等をリセットする。また枠の終了時にデータ転送信号IR1を生成し、各積分値、ピークホールド値を各バッファに転送する。また、偶数フィールドの走査を実線で、奇数フィールドの走査を点線で示す。偶数フィールド、奇数フィールド共に、偶数ラインはTE−LPF出力を選択し、奇数ラインはFE−LPF出力を選択する。
再び図5において、ピークホールド回路225には枠生成回路254出力のL枠信号及び水平ラインが偶数番目か奇数番目かを識別する信号であるLineE/O信号が入力され、図6に示されるように焦点調節用L枠の先頭である左上のLR1の各場所で、ピークホールド回路225の初期化を行い、本体マイコン114からマイコンインターフェース253を通して指定した偶数ラインが奇数ラインのどちらかの各枠内の信号S9をピークホールドし、IR1で、バッファ228に枠内のピークホールド値を転送しTE/FEピーク評価値を生成する。
同様に、ピークホールド回路226には枠生成回路254出力のC枠信号及びLineE/O信号が入力され、図6に示される焦点調節用C枠の先頭である左上のCR1で、ピークホールド回路226の初期化を行い、本体マイコン114からマイコンインターフェース253を通して指定した偶数ラインか奇数ラインのどちらかの各枠内の信号S9をピークホールドし、IR1で、バッファ229に枠内のピークホールド値を転送しTE/FEピーク評価値を生成する。さらに同様に、ピークホールド回路227には枠生成回路254出力のR枠信号及びLineE/O信号が入力され、図6示される焦点調節用R枠の先頭である左上のRR1で、ピークホールド回路227の初期化を行い、本体マイコン114からマイコンインターフェース253を通して指定した偶数ラインが奇数ラインのどちらかの各枠内の信号S9をピークホールドし、IR1で、バッファ230に枠内のピークホールド値を転送しTE/FEピーク評価値を生成する。
ラインピークホールド回路231には、信号S9及び枠生成回路254出力のL枠信号、C枠信号、R枠信号が入力され、各枠内の水平方向の開始点で初期化され、各枠内の信号S9の1ラインのピーク値をホルードする。積分回路232、233、234、235、236、237には、ラインピークホールド回路231出力及び水平ラインが偶数番目か奇数番目かを識別する信号であるLineE/O信号が入力されると同時に、積分回路232、235には、枠生成回路出力L枠、積分回路233、236には枠生成回路出力C枠、積分回路234、237には枠生成回路出力R枠が入力される。積分回路232は、焦点調節用L枠の先頭である左上のLR1で、積分回路232の初期化を行い、各枠内の偶数ラインの終了直前でラインピークホールド回路出力を内部レジスタに加算し、IR1で、バッファ238にピークホールド値を転送し、ラインピーク積分評価値を生成する。
積分回路233は、焦点調節用C枠の先頭である左上のCR1の各場所で、積分回路233の初期化を行い、各枠内の偶数ラインの終了直前でラインピークホールド回路出力を内部レジスタに加算し、IR1でバッファ239にピークホールド値を転送し、ラインピーク積分評価値を生成する。積分回路234は、焦点調節用R枠の先頭である左上のRR1で積分回路234の初期化を行い、各枠内の偶数ラインの終了直前でラインピークホールド回路出力を内部レジスタに加算し、IR1でバッファ238にピークホールド値を転送しラインピーク積分評価値を生成する。
積分回路238は、焦点調節用C枠の先頭である左上のCR1の各場所で、積分回路238の初期化を行い、各枠内の偶数ラインの終了直前でラインピークホールド回路出力を内部レジスタに加算し、IR1でバッファ239にピークホールド値を転送し、ラインピーク積分評価値を生成する。積分回路234は、焦点調節用R枠の先頭である左上のRR1で積分回路234の初期化を行い、各枠内の偶数ラインの終了直前でラインピークホールド回路出力を内部レジスタに加算し、IR1で、バッファ240にピークホールド値を転送しラインピーク積分評価値を生成する。積分回路235、236、237は、それぞれ積分回路232、233、234が偶数ラインのデータについて加算する代わりに、それぞれ奇数ラインのデータの加算を行い、それぞれバッファ241、242、243に結果を転送する。
また、信号S7は、ピークホールド回路219、220、221及びライン最大値ホールド回路244及びライン最小値ホールド色245に入力される。ピークホールド回路219には枠生成回路254出力のL枠が入力され、L枠の先頭である左上のLR1でピークホールド回路219の初期化を行い、各枠内の信号S7をピークホールドし、IR1で、バッファ222にピークホールド結果を転送し、Yピーク評価値を生成する。
同様に、ピークホールド回路220には枠生成回路254出力のC枠が入力され、C枠の先頭である左上のCR1で、ピークホールド回路220の初期化を行い、各枠内の信号S7をピークホールドし、IR1で、バッファ223にピークホールド結果を転送し、Yピーク評価値を生成する。さらに同様に、ピークホールド回路221には枠生成回路254出力のR枠が入力され、R枠の先頭である左上のRR1で、ピークホールド回路221の初期化を行い、各枠内の信号S7をピークホールドし、IR1で、バッファ224にピークホールド結果を転送し、Yピーク評価値を生成する。
ライン最大値ホールド回路244及びライン最小値ホールド回路245には、枠生成回路254出力のL枠信号、C枠信号、R枠信号が入力され、各枠内の水平方向の開始点で初期化され、各枠内の信号S7の1ラインのそれぞれ最大値及び最小値をホールドする。これらでホールドされた最大値及び最小値は、引き算器246に入力され、(最大値−最小値)信号S10が計算され、ピークホールド回路247、248、249に入力される。ピークホールド回路247には枠生成回路254出力のL枠が入力され、L枠の先頭である左上のLR1でピークホールド回路247の初期化を行い、各枠内の信号S10をピークホールドし、IR1で、バッファ250にピークホールド結果を転送し、Max−Min評価値を生成する。
同様にピークホールド回路248には枠生成回路254出力のC枠が入力され、C枠の先頭である左上のCR1で、ピークホールド回路248の初期化を行い、各枠内の信号S10をピークホールドし、IR1で、バッファ251にピークホールド結果を転送し、Max−Min評価値を生成する。さらに同様にピークホールド回路249には枠生成回路254出力のR枠が入力され、R枠の先頭である左上のRR1で、ピークホールド回路249の初期化を行い、各枠内の信号S10をピークホールドし、IR1で、バッファ252にピークホールド結果を転送し、Max−Min評価値を生成する。
IR1の各場所では、バッファ222、223、224、228、229、230、238、239、240、241、242、243、250、251、252にデータを転送するのと同時に枠生成回路254から、マイコン114に対して割り込み信号を送出する。マイコン114は、前記割り込み信号を受けてマイコンインターフェース253を通して各バッファ内の各データを下の枠が終了してバッファに次のデータが転送されるまでに読み取り、レンズマイコン116に転送する。
次に各枠内のTE/FEピーク評価値、TEラインピーク積分評価値、FEラインピーク積分評価値、Yピーク評価値、Max−Min評価値を使用してマイコンがどのように自動焦点調節動作をするかについて説明する。TE/FEピーク評価値は合焦度を表わす評価値であり、ピークホールド値なので比較的被写体依存が少なく、カメラのぶれ等の影響が少なく、合焦度判定、再起動判定に最適である。TEラインピーク積分評価値、FEラインピーク積分評価値も合焦度を表わすが、積分効果でノイズの少ない安定した評価値なので方向判定に最適である。さらにピーク評価値もラインピーク積分評価値も、TEの方がより高い高周波成分を抽出しているので、合焦近傍に最適であり、逆にFEは合焦から遠い大ボケ時に最適である。
また、Yピーク評価値やMax−Min評価値は合焦度にあまり依存せず被写体に依存するので、合焦度判定、再起動判定、方向判定を確実に行うために、被写体の状況把握するのに最適である。つまりYピーク評価値で高輝度被写体か低照度被写体かの判定を行い、Max−Min評価値でコントラストの大小の判定を行い、TE/FEピーク評価値、TEラインピーク積分評価値、FEラインピーク積分評価値の山の大きさを予測し補正することにより、最適な制御を行うことができる。これらの評価値はカメラ本体128からレンズユニット127に転送され、レンズユニット内のレンズマイコン116で自動焦点調節動作が行われる。
次に、本発明の特徴である、レンズユニット127側のズームリング601の操作を優先した光学ズームと電子ズームの動作説明を図7、図8、図9を用いて説明する。図7はレンズマイコン116内で行われるズームリング601の回転検出を行うためのフローチャートであり、図8はレンズマイコン116内で行われる光学ズーム動作のフローチャート、図9は本体マイコン114内で行われる電子ズーム動作のフローチャートである。尚、レンズマイコン116では、図7、図8では明記しない別の処理ルーチンによりズームレンズの移動範囲の限定がなされており、ズームリング601が移動命令を示していても、設定されているワイド端、テレ端を越え超ワイド、超テレへは移動できないようになっている。同様に本体マイコン114では、電子ズームの倍率限定がなされており、1倍(電子ズームOFFと同じ)から2倍までしか行えず、この範囲以外の電子ズームは行えないようになっている。
図7の処理は、レンズマイコン116でのズームリング601の回転方向、単位回転角の移動に要する時間の検出を行っており、マイコン内の割り込み処理ルーチンである。割り込みがかかる起動要因はリング回転検出エンコーダ部602の出力波形電圧の切り替わるポイントであり、図4に示した603出力の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジで割り込みが発生し、図7の処理が実行される。また図8、図9の処理は垂直同期信号等に同期して処理が為される。
図7において、ステップS401で割り込み処理を開始し、ステップS402で[回転フラグ]が0かどうかを判別し、クリアならステップS403で「回転フラグ」をセットし、割り込み回数カウンタC0をクリアし、メモリT1に現在のタイマ値を格納する。ここでタイマ値とは一般にマイコン等に装備されているフリーランニングカウンタ等のことであり、マイコンのシステムクロックを分周した周期でカウントされるカウンタである。また「回転フラグ」はズームリング601が回転したことを表すフラグであり、図8の処理でリングの回転があったかどうかの判別に用いられ、回転に応じたズームレンズの駆動が行われるとクリアされる。つまり「回転フラグ」は、図8の処理サイクルである1垂直同期期間の間にズームリング601の回転があったかどうかを示すことになる。
ステップS403の後、ステップS406で今回の割り込みが図4の603出力の立上がりエッジなのか、立ち下がりエッジなのかを判別し、立ち上がりなら、ステップS407で図4の604出力がLowであるのかを判別する。ステップS407が真なら、2つの出力の組合せは図4(a)の場合なので、ステップS409でズームリング601の回転方向がソイド方向であることを示すリングフラグをセットし、ステップS411で処理を終了する。ステップS407で604の出力がHiであったなら、2つの出力の組合せは図4(b)の場合なので、ステップS410でズームリング601の回転方向がテレ方向であるとしてリングフラグをクリアする。ステップS406で603出力が立ち下がりエッジであった場合は、ステップS408で604出力を判別して、LowならステップS410へ、HiならステップS409の処理へ行き、それぞれリングフラグを設定する。
図7の処理を終了して、図8の処理が行われる前に引き続きズームリング601の回転が行われると、再び割り込みが発生し、図7の処理が行われる。この時ステップS402ではすでに回転フラグがセットされているので、ステップS404からの処理が行われる。ステップS404では割り込み回数カウンタC0をインクリメントし、今回のタイマ値をメモリT2に格納する。そして、ステップS405で前回と今回のタイマ値との差分をとり(T2−T1)、これをカウンタ値C0で除算することにより、ズームリング601におけるエンコーダ部602の櫛歯の半周期分を回転する時間が得られ、これをメモリΔTに格納した後、ステップS406からの処理を行う。再び回転フラグがセットの状態のまま割り込みが発生すると、割り込み回数C0がインクリメントされて2となり、T2−T1は上記櫛歯の一周期分の回転時間となり、ΔTは半周期回転の要する平均時間を示すことになる。
ズームリング回転時、図7の処理が行われている間、垂直同期信号に同期して図8の処理が行われる。ステップS501で処理を開始し、ステップS502で本体マイコン114と相互通信を行う。本体マイコン114からは既に述べたようにカメラ本体側のズームスイッチ130やAF ON/OFFスイッチ131のキー情報やAF評価値や電子ズーム動作時の光学ズーム禁止情報が送られる。ステップS503で光学ズームが禁止の場合、ステップS512でズーム動作が禁止される。光学ズームが許可の場合、レンズユニット側のズームリング操作を優先すべくステップS504で回転フラグがセットかどうか判別し、クリアでリング操作がなされていない場合に、ステップS514、S515で通信で得られたズームスイッチ130の操作状態を判別し、ステップS510〜512で操作状態に応じてズームレンズ102を移動させながら、従来の技術で述べたカム軌跡のトレース方法に従ってフォーカスレンズ105をコンペ動作させる。尚、ズーム動作時AFがONなら、上述したようにAF評価値も参照してピント補正を行いながらズーム動作を実行する(AF動作ルーチンは不図示)。
ステップS504で過去1垂直同期期間内にズームリング601が回転していると判断したら、ステップS505でまず割り込み回数カウンタC0がクリアかどうか判別し、クリアなら今回の回転は過去1垂直同期期間以内にエンコーダ部602の櫛歯半周期分は回っていない場合となり、ステップS506でT1−T2が所定値αより大きいかを判別する。リングか過去数V同期期間に渡って引き続き回転しているなら、図7のステップS404により、T2には数V期間程度前に回転した時のタイマ値が格納されており、T1には今回1V期間以内に回転したときのタイマ値がメモリされているので(ステップS403)、T1−T2の値はある程度小さな値となる。前回T2か更新された時間が数十V期間前であるならT1−T2は大きな値となり、回転は数十V期間に渡って停止していたと判断できる。
一方、T1−T2が小さな場合はゆっくりと回転がなされていると判断でき、その判断の切換しきい値が所定値αである。実際にはエンコーダ部602の櫛歯ピッチと撮影者がゆっくりと回す回転速度との関係から、低速回転時のT1−T2は決まるので、その値を目安にαを決定している。ステップS506で回転が継続的になされていないと判断された場合はステップS512へ行き、ズーム動作を停止する。継続的にリング回転がなされている場合には、ステップS507でT1−T2の差分値をメモリΔTに格納し、ステップS508でリング回転速度に応じたズーム移動速度Zspを算出する。ここでは、Zsp=(Zspmax*ΔTmin)/ΔTとしており、Zspmaxは各焦点距離でのコンペ動作するフォーカスモータが脱調しない範囲でのズームレンズ移動最高速度、ΔTminは撮影者がリングを最高速で回転させた場合に、上記櫛歯ピッチと回転負荷とで決まる櫛歯の半周期に要する時間(櫛歯の半周期に要する最小時間)である。つまり撮影者が最高速でリングを回転させた場合(ΔTmin=ΔT)に、Zsp=Zspmaxとなりズームレンズ102はその焦点距離でとりうる最高速度で移動することになる。このステップS508までの処理でズームリング601の回転速度に応じたズームレンズ102の移動速度が決められる。
ステップS509では、リングフラグがセットかどうかを判別し、ステップS509〜511でリングフラグの状態に応じてワイド方向又はテレ方向にズームレンズ102を駆動する。尚、ズームレンズ102の移動に伴って焦点面の補正を行うためフォーカスレンズも駆動することは前述の通りである。ステップS505でカウンタC0が0でない場合は、直接ステップS508に行き、図7で求めているΔTを用いて、上記櫛歯半周期当たり平均回転時間から、ズームレンズの移動速度を算出する。ステップS510〜512の後、いずれの場合もステップS513で回転フラグをクリアした後、ステップS516で処理を終了する。尚、カメラ本体128のズームスイッチ130による光学ズーム移動時のズーム速度は、ここでは明記しなかったが所定速度の固定スピードでもよいし、ズームスイッチの構造が操作の押圧により出力電圧の変化するボリウム又は多接点タイプのものであれば、押圧に応じた多段速度としてもよい。
以上のようなレンズマイコン116で制御されるレンズユニット側のズーム操作部材を優先した光学ズームの動作により、ズーム操作部材としてズームリング601のような回転部材を用いれば、インナーフォーカスタイプのレンズ構成であっても、前玉タイプのレンズのズーム操作性を損なうことなく、ズームリング601の操作状態に応じて円滑なズーム動作が実現でき、インナーフォーカスタイプのレンズの特徴を生かし、安価で小型軽量化を図ることができ、撮影者にとって利点の多い、交換レンズシステムを実現することができる。
次にカメラ本体側で行われる電子ズーム動作を図9を用いて説明する。ステップS520で処理を開始し、ステップS521でレンズマイコン116と相互通信を行い、ズームレンズ102の位置情報やズームリング601の操作状態情報を受け取る。ステップS522ではカメラ本体側に接続された電子ズームON/OFFスイッチ132の操作状態を読み込み、電子ズームOFFを示すスイッチ状態ならステップS535へ行き、電子ズームをOFFにし、ステップS537で通信でレンズマイコン116に引き渡す光学ズーム許可/禁止の情報を許可モードに設定する。スイッチ132が電子ズームONを示すスイッチ状態なら、ステップS523で現在の電子ズーム倍率が1倍で、未だ電子的には画像拡大していない状態であるかを判別し、1倍ならステップS524で通信により受け取ったレンズ位置情報からズームレンズ位置が既にテレ端にいるのかを判別し、未だテレ端に来ていないならステップS535へ行き、電子ズームを作動させず、光学ズームを許可にする。
ステップS524で既にテレ端にズームレンズ102がいると判断したら、ステップS525からの処理へ移行し、ズームリング601又はズームスイッチ130の操作状態に合わせた電子ズームによる像倍率変化動作の実行判断を行う。一方、ステップS523で既に電子ズームにより画面の拡大が行われている場合には、直接ステップS525からの処理を行う。ここで、ズームレンズ位置がテレ端にいないときには電子ズーム禁止にしているのは従来の技術で述べたようにテレ端を光学ズームと電子ズームとの切り替わりポイントとしているためであり、本実施の形態では、設定画角で最良の画質が得られるように光学ズームと電子ズームがオーバーラップする画角領域はないものとする。
ステップS525では、レンズユニット側のズームリング601の操作を優先して電子ズームを行うべく、通信により得られたズームリング601の回転状態を示すフラグである回転フラグがセットされているかを判別し、セットされているならばズームリング操作を優先するためステップS526からの処理に移行する。回転フラグがクリアならば、ステップS529、S530でズームスイッチ130の状態を読み込み、操作状態判断を行う。ズームスイッチ130が操作されていないならはステップS534で電子ズームの倍率変化を停止し、現在の拡大率を保持する。ズームスイッチ130が操作され、ステップS530でその状態がワイド方向への移動命令であるならばステップS528へ分岐する。ステップS528で既に拡大率が1倍かどかを判別し、1倍でないなら、ステップS532で電子ズームをワイド方向に駆動し、撮影画像の拡大率を減少させる。ステップS528で既に1倍であるならば、これ以上撮影画像を縮小する必要がないのでステップS535へ行き電子ズームをOFFとし、更に撮影者が望む広角な画角設定が行えるようにステップS537で光学ズーム移動許可にする。
ステップS530でズームスイッチ130の状態がテレ方向への移動命令ならステップS531に分岐し、ステップS531で既に拡大率が2倍かどうかを判別し、2倍でないならステップS533で電子ズームをテレ方向に駆動し、撮影画像の拡大率を増加させる。ステップS531で既に2倍であるならば、これ以上撮影画像を拡大する必要がないのでステップS534へ行き、電子ズームの倍率変化を停止し、現在の2倍の拡大率を保持する。ステップS532、S533、S534のいずれを通る場合も電子ズーム時の拡大画像であるので、ステップS536で光学ズームの移動を禁止した後、ステップS538で処理を終了する。尚、ステップS523、S524、S525、S529、S534を通ってきた場合は拡大率1倍のまま、光学ズーム禁止となり、ズーム操作で光学ズームが許可されるまでに1垂直同期期間遅れることになるが、実際のズーム操作とズーム移動の連動性には問題がないレベルである。
一方、ステップS525でズームリング601が回転していると判断した場合は、ステップS526でズームリング601の操作速度に応じた電子ズームの移動速度EZspを算出する。ここでは、EZsp=(EZspmax*ΔTmin)/ΔTとしており、EZspmaxは、図8のステップS508で説明したZspmaxのズームレンズ移動速度で光学ズームがなされた場合のテレ端近傍の画角変化率を保持するのに要する電子ズームの移動速度であり、ΔTminは撮影者がズームリング601を最高速で回転させた場合に、エンコーダ部602の櫛歯ピッチと回転負荷とで決まる、櫛歯の半周期に要する時間(櫛歯の半周期に要する最小時間)である。つまり撮影者が最高速でリングを回転させた場合(ΔTmin=ΔT)にEZsp=EZspmaxとなり、最高速移動中のズームレンズ102のテレ端近傍での画角変化率と同じ変化率での電子ズーム移動速度が決定される。電子ズーム速度の決定がなされると、ステップS527でズームリング601の回転方向を判別する。リングフラグがセットならば、ワイド方向に電子ズームを移動すべくステップS528へ行き、リングフラグがクリアならばテレ方向に電子ズームを移動すべくステップS531へ進み、以後前述の電子ズーム動作処理を実行する。
以上のような本体マイコン114で制御されるレンズユニット側ズーム操作部材を優先した電子ズームの動作によれば、レンズユニット側ズーム操作部材が存在しても、レンズユニット107とカメラ本体128間で光学ズーム禁止/許可情報、レンズ位置情報、レンズ側ズーム操作部材の操作状態情報を相互でやり取りすることにより、撮影画角で最も優れた画質を維持しながら、円滑な電子ズーム動作が行える交換レンジシステムを実現することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。上述した第1の実施の形態では、カメラ本体からレンズユニット127に引き渡すズームキー情報は、カメラ本体128に直接設置されたズームスイッチ130の操作状態情報を用いたが本実施の形態は、カメラ本体128に直接設置されていないズーム操作部材の操作状態情報を用いた場合である。
図10において、701はズームキー付きの外部リモコンであり、カメラ本体128に赤外光をパルス発光することでモート動作コマンドを送る。702はリモコン受信回路であり、本体マイコン114と接続されている。他の部分は図1と同一構成されている。リモコン701からコマンドが送信されると、リモコン受信回路702内の受光素子が電気信号に変換し、電気信号に変換されたコマンドが本体マイコン114に送られ、本体マイコン114はリモコン701のズーム操作状態を認識することができる。本体マイコン114は、リモコン701のズームスイッチの状態情報をレンズマイコン116に送り、第1の実施の形態の場合と同様の制御を行う。
尚、本実施の形態では、外部リモコン701は赤外光発光タイプとしたが、送受信手段が光であっても電波であってもまたワイヤ等の接続による電気信号であってもよい。
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態を示す図であり、101〜130は図1の同一符号部分と対応しているので、説明を省略する。137はレンズユニット127に設けられたAFスイッチで、開閉スイッチ137a又はスライドスイッチ137bで構成されている。138はカメラ本体128に設けられたAFステータススイッチである。
上記構成において、図1と同様にしてAF信号処理回路113で生成されたAF評価値は、本体マイコン114内のデータ読み出しプログラム115で読み出し、レンズマイコン116へ転送する。また、本体マイコン114は、ズームスイッチ130及びAFステータススイッチ138を読み込み、ズームスイッチ130状態とAFステータススイッチ138が押されたかどうかのトリガ情報をレンズマイコン116に送る。レンズマイコン116では、本体マイコン114からの情報とAFスイッチ137の状態とにより、ズーミングや焦点調節のレンズ制御を実行する。
AFスイッチ137が、スイッチ137aのように操作によりスイッチ状態が保持できる開閉タイプやスライドタイプ等のスイッチであった場合は、レンズマイコン116はAFスイッチ137の状態のみで、AFモードかMFモードかを判断する。AFスイッチ137がスイッチ137bのようにプッシュ式スイッチであった場合には、AFステータススイッチ138のトリガ情報と、AFスイッチ137が押されたかどうかを検出したトリガ情報とにより、AFモードとMFモードとをトグル動作するようレンズマイコン116が決定する。尚、スイッチ138と137が同時に操作された時にはスイッチ137の操作を優先するようAF/MFモード決定される。
MFモードで、かつズームスイッチ130が押されているときは、コンピュータズームプログラム119がテレまたはワイドの押されている方向に駆動すべく、レンズマイコン116内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120に基づいて、ズームモータドライバ122に信号を送ることで、ズームモータ121を介して変倍レンズ102を駆動すると同時に、フォーカスモータドライバ126に信号を送り、フォーカスモータ125を介してフォーカスコンペレンズ125を動かすことで変倍動作を行う。
AFモードで、かつズームスイッチ130が押されているときは、合焦状態を保ちつづける必要があるので、コンピュータズームプログラム119が、レンズマイコン116内部にあらかじめ記憶されたレンズカムデータ120のみならず、本体マイコン114から送られたAF評価値信号も参照して、AF評価値が最大になる位置を保ちつつ変倍動作を行う。また、AFモードでかつズームスイッチ130がおされていないときは、AFプログラム117が本体マイコン114から送られたAF評価値信号が最大になるようにフォーカスモータドライバ126に信号を送りフォーカスモータ125を介してフォーカスコンペレンズ125を動かすことで自動焦点調節動作を行い、MFモードでズームスイッチ130が押されていないときには、自動焦点調節動作を禁止する。
次に図12を用いてレンズユニット127内のレンズマイコン116での、自動焦点調節動作のアルゴリズムについて説明する。最初にステップS1で起動し、ステップS2でTEやFEピークのレベルで速度制御をかけ、山の頂上付近ではTEラインピーク積分評価値、山の麓ではFEラインピーク積分評価値を主に使用して方向制御することで山登り制御を行う。次にステップS3でTEやFEピーク評価値の絶対値やTEラインピーク積分評価値の変化量で、山の頂点判断を行い、ステップS4で最もレベルの高い点で停止し、再起動待機に入る。この再起動待機では、TEやFEピーク評価値のレベルが下がったことを検出してステップS5で再起動する。この自動焦点調節動作のループの中で、TE/FEピークを用いて速度制御をかける度合いや、山の頂上判断の絶対レベル、TEラインピーク積分評価値の変化量等は、Yピーク評価値やMax−Min評価値を用いた被写体判断より山の大きさの予測を行い、これに基づいて決定する。
次に図13、図14を用いてレンズマイコン116で行われるAFモード/MFモード決定のアルゴリズムについて説明する。
図13は、図11のAFスイッチ137が開閉タイプやスライドタイプのスイッチ137aである場合のAFモードの設定方法アルゴリズムである。ステップS602でAFスイッチ137aの出力レベルが押されずにHiであるかを判別し、HiならステップS603でモードをAFとし、スイッチが押されてLowレベルならステップS604でマニュアルフォーカスモード(MF)として再びステップS602へ戻り、AFスイッチが押されるかを監視する。
図14のフローはAFスイッチ137がプッシュ式タイプの137bのようなトリガスイッチであった場合の例である。ステップS605で処理を開始し、ステップS606で本体マイコン114と通信を行い、AFステータススイッチ138が押されたかのトリガ情報を受け取っている。ステップS607では本処理より1回前の処理でのAFスイッチ137bの状態を示すフラグ1が1であるかの判別をする。このフラグ1はスイッチ137bの状態がHiであったならば1となっており、Lowであったならば0となっている。前回スイッチ137bが押されずにHiである場合には、ステップS608で今回のAFスイッチ137bの状態を判別する。今回スイッチがLowになっていたならばスイッチが押されたとして、ステップS609でフラグ1をクリアし、AF/MFモード切換えのトグル動作を実行すべく、ステップS613〜615で現在のAF/MFモードと反対のモード設定を行い、再びステップS606からの処理を実行するステップS608でスイッチ137b状態がHiのままでと判断されたならば、スイッチ操作はなかったとしてステップS612へ行く。
また、ステップS607の判別で前回のAFスイッチ137b状態がLowであったならば、ステップS610で現在のスイッチ状態を確認し、Hiに戻っていたらステップS611でフラグ1をセットする。ステップS610でまだスイッチを押したままだと判断したときも、そうでないときも、いずれも今回レンズ側のAFスイッチが押されたわけではないので、ステップS612の処理へ行き、カメラ本体側のAFステータススイッチ138の状態を確認する。
ステップS612では、ステップS606の通信で得たカメラ本体側のAFステータススイッチ138のトリガがセットされているかを判別する。トリガ=1の時には、今回撮影者がスイッチ138を押したとしてステップS613からの処理に行き、AF/MFモード状態を切り換える。トリガ=0ならばAFステータススイッチ138は今回操作されなかったのでモードを保持したままステップS606へ戻る。カメラ本体128から送られるトリガの状態は、本体マイコン114がステップS607〜611と同様な処理をAFステータススイッチ138について行うことにより決まっており、ステップS609と同様な処理を通る場合にはトリガ=1、それ以外は図14ではステップS612へ行く様な場合にトリガ=0と設定されている。
図13、図14のフローで説明したように、AFのモード設定にはレンズユニット側のAFスイッチ137をカメラ本体側より優先させている。これは多くの交換レンズ式カメラが、操作性の点から、右手にレリーズボタン、左手でレンズ部をホールディングする構え方を採り、ホールドする左手でレンズ系の操作ができるように操作部材をレンズ部に設置していることを考慮し、レンズ系を制御するAF/MFモード設定スイッチも左操作を優先させることにより、あらゆる撮影状況に対してもシャッタチャンスを逃すことなる、手ぶれや焦点ボケのない撮影が実現できるようになるからである。
なお、実施の形態では、本体マイコン114からレンズマイコン116に送られるAF状態切換のトリガ情報は、スイッチ138の状態変化を本体マイコン114が検出することにより行ったが、リモコン等にAF/MF切換えスイッチがある場合には、スイッチ138又はリモコンのスイッチのいずれかが押された場合に、トリガ情報を送るようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
図15は本発明の第4の実施の形態を示す図である。本実施の形態は、カメラ本体128からレンズユニット127にAF評価値を引き渡す代わりに映像信号を引き渡し、レンズユニット127内部で生成したAF評価値を基にAF/ズーム動作を実現する例である。撮像素子106、107、108上に結像されたそれぞれの像は光電変換され、増幅器108、109、110でそれぞれ最適なレベルに増幅されカメラ信号処理回路112へ入力され標準テレビ信号に変換されることと同時に、R、B、Gがミックスされた、ガンマのかかっていない映像信号S3が出力され、映像信号規格化回路139に入力される。映像信号規格化回路139では、すべてのカメラが同じ被写体を撮影したときは、同じ映像信号レベルになるように規格化され、規格化映像信号S4が出力される。規格化映像信号S4は、カメラ本体128からレンズカウントを介してレンズユニット127に送られる。
レンズユニット127では、カメラ本体128からの規格化映像信号S4をAF信号処理回路140へと入力する。AF信号処理回路140で生成されたAF評価値は、レンズマイコン116内のデータ読み出しプログラム141で読み出される。また、本体マイコン114は、ズームスイッチ130、AFステータススイッチ138の状態を読み込んで、ズームスイッチ130の状態とAFステータススイッチ138が押されたかどうかのトリガ情報をレンズマイコン116に送る。レンズマイコン116では、本体マイコン114からの情報とAFスイッチ137の状態とにより、第3の実施の形態と等しい制御を行う。
ここでAF信号処理回路140は図16に示される構成になっており、カメラ本体128から受け取った規格化映像信号S4は、A/D変換器701でディジタル信号に変換され、自動焦点調節用輝度信号S5が作られる。信号S5はガンマ回路213へと入力され、以下第1、第3の実施の形態、図14と同様の処理が施されAF評価値が生成される。
なお、本実施の形態では、規格化映像信号S4はアナログ信号で、AF信号処理回路140にてディジタル映像信号に変換したが、カメラ信号処理回路112より出力されたディジタル映像信号を規格化し、ディジタル信号のままカメラ本体128からレンズユニット127に転送してもよい。
(第5の実施の形態)
図17は本発明の第5の実施の形態を示す図である。本実施の形態は、従来の技術の項で述べたカメラ本体側にAF制御部を持ち、レンズユニットはレンズ駆動用モータの駆動方向及び速度を引き渡すような交換レンズシステムに、本発明を適用させた例であり、図19と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図17の交換レンズシステムは、カメラ本体側にAFステータススイッチ903を設けると共に、レンズユニット側にAFスイッチ904(開閉又はスライドタイプのスイッチ904a、プッシュタイプのトリガースイッチ904bのいずれかが接続されている)を用いる。レンズマイコン902はAFスイッチ904情報(スイッチ904のタイプ情報とスイッチ状態情報)を、本体マイコン901に送る。
本体マイコン901はレンズユニット側のスイッチ904の情報とカメラ本体側のAFステータススイッチ903の状態に応じてAF/MFのモード決定を行い、モードに応じたレンズ制御を実行する。AFモードならば、本体マイコン901内で合焦度に応じたフォーカシング速度及びAF評価値が増加するようにモータ駆動方向を決定し、フォーカスモータ813の速度及び方向をレンズマイコン902に送り、MF(手動フォーカス)モードならば、本体マイコン901はフォーカスモータ813の停止命令をレンズマイコン902に送る。レンズマイコン902は、本体マイコン901に指示された通りにモータドライバ812を介してフォーカスモータ813によってフォーカスレンズ801を光軸方向に動かすことで焦点調節を行う。
次に図18を用いて本体マイコン901で行われるAFモード/MFモード決定のアルゴリズムについて説明する。
ステップS1001で処理を開始し、ステップS1002でレンズマイコン902との通信を行い、レンズユニット側のAFスイッチ904の情報を受け取る。ステップS1003で受け取ったスイッチ904のタイプ情報により、AFスイッチ904が開閉又はスライド式のような、操作によりスイッチ状態が保持できるスイッチ904aタイプであるかを判別し、真ならステップS1004でAFスイッチ904aの状態を確認し、ステップS1007又はS1008でAF/MFのモード設定を実行する。ステップS1003でAFスイッチ904が状態保持のできないプッシュ式のトリガ発生タイプのスイッチ904bであった場合には、ステップS1005へ行き、通信で送られたAFスイッチ904bのトリガ情報を確認し、スイッチが押されてトリガ=1と判断されたならば、ステップS1006〜S1008で現在のAF/MFモードと反対のモードを切り換えるべくトグル動作する。
一方、ステップS1005でレンズユニット側のAFスイッチ904bがトリガがクリア、つまりスイッチを押されていないと判断したならば、ステップS1009からステップS1013の処理でカメラ本体側のAFステータススイッチ903が押されたかどうかを判断し、AF/MFモードを切り換えるか否かを決定する。ステップS1009では本処理より1回前の処理でのAFステータススイッチ903の状態を示すフラグ2が2であるかの判別を行う。このフラグ2は903の状態がHiであったならば1となっており、Lowであったならば0となっている。前回スイッチ903が押されていない場合には、ステップS1010で今回のAFステータススイッチ903の状態を判別する。今回スイッチがLowになっていたならばスイッチが押されたとして、ステップS1011でフラグ2をクリアし、AFモード切換えのトグル動作を実行すべく、ステップS1006〜S1008で現在のAF/MFモードと反対のモード設定を行い、再びステップS1002からの処理を実行する。ステップS1010でスイッチ903の状態がHiのままでと判断されたならば、スイッチ操作はなかったとしてステップS1002へ戻る。
また、ステップS1009の判断で前回のAFステータススイッチ903状態がLowであったと判断されたならば、ステップS1012で現在のスイッチ状態を確認し、Hiに戻っていたらステップS1013でフラグ2をセットする。ステップS1012でまだスイッチを押したままだと判断したときも、そうでないときも、いずれも今回本体側のAFステータススイッチ903が押されたわけではないので、モードを保持したままステップS1002の処理へ戻る。尚、レンズユニット側から送られるスイッチ904bのトリガの状態は、レンズマイコン902がステップS1009〜S1013と同様な処理をAFスイッチ904について行うことにより決まっており、ステップS1011と同様な処理を通る場合にはトリガ=1、それ以外はステップS1002へ戻るような場合にトリガ=0と設定されている。