JP4681283B2 - 新規な高アルカリプロテアーゼ及びその利用 - Google Patents

新規な高アルカリプロテアーゼ及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、洗浄剤等の高いアルカリ性条件下で優れた活性を有する新規なアルカリプロテアーゼ、このアルカリプロテアーゼのアミノ酸配列をコードする遺伝子及び当該アルカリプロテアーゼの製造方法に関する。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素群の総称で、微生物、動物及び植物中に広く分布している。その応用範囲としては、衣料用洗剤をはじめとして、台所用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗剤、コンタクトレンズ洗浄剤などの各種洗浄剤、浴用剤、角質除去用などの化粧料、製パン、肉の軟化、水産加工などの食品の改質剤、消化補助剤あるいは消炎剤があり、多くの分野で盛んに利用されている。
このように多くの酵素の中で最も大量に工業的に生産され、市場規模が大きいのはプロテアーゼであるが、この中でも洗剤用のアルカリプロテアーゼは、洗浄力の向上に不可欠な成分として重要な役割を果たしてきている。このようなアルカリプロテアーゼとしては、具体的に市販されているものの商品名では、例えば、サビナーゼ、カンナーゼ、デュラザイム(ノボザイム社製)、マキサカル(ジェネンコア社製)、ブラップ(ヘンケル社製)(以上の商品名はいずれも登録商標である)及びKAP(花王社製)等が知られている。
このような現在用いられている洗剤用アルカリプロテアーゼは、バチルス属細菌由来でありClass I−S2に分類されるズブチリシンファミリーに属しているものである(非特許文献1参照)。また、真性ズブチリシンとしては、Class I−S1に分類されるズブチリシンBPN’やCarlsbergなどが良く知られている。
斯かる洗剤用プロテアーゼについては、より一層性能の向上した洗剤用酵素の探索が試みられており、熱及び界面活性剤に対する安定性の高い酵素(例えば、特許文献1参照)、ケラチンなどの不溶性タンパク質に作用しかつ高い比活性を有する酵素(例えば、特許文献2参照)、低温域での活性に優れた酵素(例えば、特許文献3、4参照)及び酸化剤に対する安定性を向上させる方法(例えば、特許文献5参照)等が報告されている。
しかし、これらの酵素の多くは非常に高いアルカリ性下での反応性、Ca2+イオンに依存する耐熱性、高濃度の界面活性剤あるいはキレート剤中での安定性などにそれぞれ問題があり、これまでに見出されているアルカリプロテアーゼでは充分にその機能を発揮できない場合があった。
特開平6−70765号公報 特開平9−121855号公報 特開平5−211868号公報 特開平9−121856号公報 欧州特許第0130756号公報 Siezenら,Protein Eng., 4, 719-737, 1991
本発明は、上述のような従来のズブチリシンとはアミノ酸配列において相同性の低いにもかかわらず、アルカリ耐性や、界面活性剤耐性、耐熱性などにおいて一層優れた性質を有し、例えば、活性発現、熱安定性に対してCa++イオンの影響を受けず、界面活性剤に対する安定性に優れ、高アルカリ性条件下でも充分な機能を発揮するような性質を有する新規なアルカリプロテアーゼ並びにそのアミノ酸配列をコードする遺伝子を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上述のような問題点を解決するため、高アルカリ性領域下でも十分に作用するプロテアーゼを自然界に求め、探索してきた。その結果、南アフリカトランスバール州の金鉱地下の地下水及び循環水溜まりの底泥から分離したアルカリフィルス トランスバーレンシス(Alkaliphillus transvaalensis)が産生する酵素の中から、界面活性剤に対する安定性の優れた、高アルカリ性条件下でも充分な機能を発揮する性質を有する新規なアルカリプロテアーゼを見出し、また、この微生物の産生するアルカリプロテアーゼをコードする遺伝子を取得し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の理化学的性質を有する新規なアルカリプロテアーゼを提供するものである。
(1)作用:
酸化型インスリンB鎖に作用して、その29箇所のペプチド結合のうち、少なくとも20箇所のペプチド結合を切断し、最大26箇所のペプチド結合を切断する。
(2)基質特異性:
天然タンパク質であるカゼイン、エラスチン、ケラチン、及びヘモグロビンを分解する。また、合成基質であるN-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド、N-グルタリル-Ala-Ala-Pro-Leu-p-ニトロアニリド、N-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Met-p-ニトロアニリド、N-メトキシスクシニル-Ala-Ile-Pro-Met-p-ニトロアニリド、及びN-スクシニル-Ala-Ala-Val-Ala-p-ニトロアニリドを分解して、p-ニトロアニリンを生成する。
(3)作用pH及び最適pH:
作用pH範囲は5〜13であり、安定pH範囲は5〜11(50℃、10分間処理)であり、最適pHは12.6付近である。
(4)最適温度及び熱安定性:
最適温度が70℃であり、65℃までは加熱(pH10、10分間)による活性の低下がなく安定である。Ca2+イオンの存在によっても最適温度及び熱安定性は変化しない。
(5) 界面活性剤の影響:
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、α−スルホ脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアルコール(商品名:ソフタノール70H)によって活性が阻害されない。
(6)分子量:
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、31,000〜32,000である。
また、本発明は、配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列、又はこの配列中の1個もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列からなる、上記の新規なアルカリプロテアーゼを提供するものである。
また、本発明は、アルカリフィルス トランスバーレンシス由来のものである、前記の新規なアルカリプロテアーゼを提供するものである。
また、本発明は、配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列、又はこの配列中の1個もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有する、新規なアルカリプロテアーゼ前駆体を提供するものである。
更に、本発明は、前記の新規アルカリプロテアーゼまたはその前駆体のアミノ酸配列をコードする遺伝子であって、下記(a)〜(f)からなる群、
(a)配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号2に示すアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(e)配列番号1に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、又は
(f)配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルカリプロテアーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
から選ばれるポリヌクレオチドを提供するものである。
また、本発明は、前記ポリヌクレオチドを有する組換えベクターおよび当該ベクターにより形質転換された微生物を提供するものである。
更に、また、本発明は、アルカリフィルス トランスバーレンシス、又は前記形質転換された微生物を培養し、その培養液よりアルカリプロテアーゼを採取することを特徴とする、前記理化学的性質又は前記アミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼの製造方法を提供するものである。
本発明の新規な高アルカリプロテアーゼは、従来のアルカリプロテアーゼに比べて、活性発現、熱安定性に対しCa2+イオンの影響を受けず、優れたアルカリ耐性、優れた界面活性剤耐性を有し、かつpHが12以上の高アルカリ性下においても十分に優れた性能を発揮するアルカリプロテアーゼである。従って、中性から高アルカリ性条件下で酵素の作用を利用する種々の洗浄剤やその他の多くの製品や利用分野において利用することができる。
本発明の新規な高アルカリプロテアーゼ(以下、「本発明酵素」ということもある)は、従来のアルカリプロテアーゼに比べて、高いアルカリ性領域で良好な活性を有し、かつ種々の界面活性剤に対して優れた界面活性剤耐性を有するものである。そして、この本発明酵素は、次のような特性を有するものである。
1)作用:
タンパク質を分解する。酸化型インシュリンB鎖を基質とした場合、N末端側のPhe−Val結合と、C末端側のThr−Pro−Lysの結合を除く、すべてのペプチド結合を切断するという特異な性質を有する。酸化型インシュリンB鎖の切断については、初期にLeu−Tyr結合を切断し、最終的にN末端側のPhe−Val結合と、C末端側のThr−Pro−Lysの結合を除く残りの少なくとも20箇所以上、最大26箇所のペプチド結合を切断する。
従来公知のプロテアーゼでは、酸化型インシュリンB鎖のペプチド結合の一部を切断することは知られていたが、上記のように多数の箇所を切断するものは今までに全く知られていなかったものである。
2)基質特異性:
天然タンパク質であるカゼイン、エラスチン、ケラチンを分解し、更に血液成分であるヘモグロビンに対して高活性を有する。カゼインの分解活性を100%とした場合に、ヘモグロビンは約73%、ケラチンは約22%、エラスチンは約13%である。
更に、本発明酵素は、合成基質であるN-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(以下、「AAPF」と略記することもある)、N-グルタリル-Ala-Ala-Pro-Leu-p-ニトロアニリド(以下、「AAPL」と略記することもある)、N-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Met-p-ニトロアニリド(以下、「AAPM」と略記することもある)、N-メトキシスクシニル-Ala-Ile-Pro-Met-p-ニトロアニリド(以下、「AIPM」と略記することもある)、及びN-スクシニル-Ala-Ala-Val-Ala-p-ニトロアニリド(以下、「AAVA」と略記することもある)に対して高い活性を有しており、これらを分解して、p-ニトロアニリンを生成する。
更に、上記のものよりはその活性は低いが、これら以外にも、N-スクシニル-Ala-Ala-Ala-p-ニトロアニリド(以下、「AAA」と略記することもある)、N-スクシニル-Ala-Ala-p-ニトロアニリド(以下、「AA」と略記することもある)、N-p−トシル-Gly-Pro-Lys-p-ニトロアニリド(以下、「To−GPK」と略記することもある)、N-スクシニル-Gly-Gly-Phe-p-ニトロアニリド(以下、「GGF」と略記することもある)およびN-カルボベンゾキシ-Phe-Val-Arg-p-ニトロアニリド(以下、「Z−FVR」と略記することもある)、ブチロキシカボニル-Leu-Ser-Thr-Arg-p-ニトロアニリド(以下、「LSTR」と略記することもある)、N-カルボベンゾキシ-Pro-シトルリン-p-ニトロアニリド(以下、「CBZ-Pro-Cit」と略記することもある)に対しても活性を有する。
3)作用pH及び最適pH:
作用pH範囲は5〜13であり、安定pH範囲は5〜11(50℃、10分間処理)であり、最適pHは12.6付近である。pHが12を超えても酵素活性の低下する傾向は見られない。
4)最適温度および熱安定性:
最適作用温度が70℃であり、65℃までは加熱(pH10、10分間)による酵素活性の低下がなく安定である。Ca2+イオンの有無に拘らず最適温度、耐熱性は変わらない。従来の公知の種々のプロテアーゼでは、Ca2+イオンが存在下では、一般的に最適温度が10〜20℃上昇する、また耐熱性も向上することが知られているが、本発明酵素ではこのような現象が全く見られず、従来のものと異なった特異な性質を有する。
5)金属イオンの影響:
Li、K、Na、Ba2+、Ca2+、Cd2+、Cu2+、Co2+、Mg2+、Ni2+、Fe2+,Fe3+,Sn2+、Mn2+、Pb2+,Zn2+には1mMの濃度で阻害されない。Hg2+のみに1mMの濃度で阻害される。
6)界面活性剤の影響:
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SAS)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム(ES)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、アルカンスルホン酸ナトリウム(AS)、α−スルホ脂肪酸エステル(α−SFE)及びポリオキシエチレンアルキルアルコール(商品名:ソフタノール70H)によって活性は阻害されない。
7)阻害剤:
キレート剤であるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)が100mMという高濃度においても阻害されない。−クロロマーキュリー安息香酸(1mM)、尿素(0.5M)、SDS(1mM)、トリトンX−100(1%)が存在しても殆んど阻害されない。セリンプロテアーゼ阻害剤であるPMSF(フェニルメタンスルフォニルフルオライド)(1mM)およびキモスタチン(30ppm)により阻害される。
8)分子量:
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、31,000〜32,000である。
このような本発明の高アルカリプロテアーゼは、以下に示す方法に特に限定されるものではないが、例えば、アルカリフィルス トランスバーレンシスが産生する酵素の中から見出される。このようなアルカリフィルス属の微生物の一例として、南アフリカトランスバール州の金鉱地下3200mの深さに存在する地下水及び循環水溜まりの底泥(温度:34.2℃、pH:11.63)から分離された絶対嫌気性好アルカリ性菌で、複合有機基質(酵母エキス、トリプトン)をエネルギー及び炭素源とする従属栄養細菌であるアルカリフィルス トランスバーレンシス SAGM1株がある。この微生物は、米国のAmerican Type Culture Collection(ATCC、所在地:10801 University Blvd. Manassas, Virginia 20110-2209, USA)にATCC 700919として、また日本の理科学研究所の微生物系統保存施設(JCM、所在地:351-0198 埼玉県和光市広沢2−1、独立行政法人理化学研究所 微生物系統保存施設)にJCM 10712として寄託されており、これらの寄託機関から入手することができる。この微生物は次のような菌学的性質を有している。
アルカリフィルス
トランスバーレンシス SAGM1の菌学的性質:
A.形態学的性質
(a)細胞の形: 直線あるいはカーブ状桿菌
(b)細胞の大きさ: (0.4〜0.7μm)×(3〜6μm)
(c)運動性: なし
(d)胞子: 有(直径0.8〜1.0μm)
(e)グラム染色性: 陽性
B.各種培地での生育状態
(a)複合基質標準寒天培地での生育状態:円形、低凸状、全縁なめらかなコロニーを形成する。コロニーの表面は無光沢でクリーム色である。
(b)複合基質標準液体培養: 混濁する
(c)独立栄養培地: 生育しない
C.生理的性質
(a)硝酸塩の還元 陰性
(b)チオ硫酸の還元 陽性
(c)元素状硫黄の還元 陽性
(d)硫化水素の生成 陽性
(e)フマル酸の還元 陽性
(f)発酵による水素の生成 陽性
(g)分子状水素による発酵阻害 陽性
(h)デンプンの利用 陰性
(i)単糖及びオリゴ糖の利用 陰性
(j)有機酸の利用 陽性
(k)低級アルコールの利用 陽性
(l)カゼインの利用 陽性
(m)生育の温度範囲 20〜50℃で生育可能
(n)生育のpH範囲 pH8.5〜12.4で生育良好
(o)好気培養 好気的条件で生育不能
このアルカリフィルス トランスバーレンシスは、例えば、上記の底泥サンプルを、地下水の化学組成を模した基礎塩培地に、エネルギー及び炭素源として酵母エキスとトリプトンを含む複合有機基質及び電子受容体としてチオ硫酸を加え、炭酸ナトリウム及び水酸化カリウムでアルカリ性に調整した標準培地に接種し、80%窒素、20%二酸化炭素の嫌気条件下で、37℃で3日間培養することによって集積された。その後、限界希釈法によって単離し、種々の性質が決定された。
このアルカリフィルス トランスバーレンシスの菌学的性質は、本発明の発明者の一人である高井研らの報告(Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 51,1245-1256, 2001)に詳しく記載されており、本明細書においてはその記載をここに引用する。この微生物は、現在知られている好アルカリ性細菌の中で最も高いアルカリ性条件で生育できるものである。
上記の微生物を用いて、本発明酵素を得るには、例えば培地に菌株を接種し、嫌気性菌の取扱いに準じ常法に従って培養し、次いで培養物中から本発明酵素を回収すればよい。
培養に用いる培地中には、資化しうる炭素源及び窒素源を適当量含有せしめておくことが望ましい。この炭素源及び窒素源は特に制限されないが、例えば炭素源としてグルコース、ガラクトース、フラクトース、シュクロース、マルトース、ラフィノース、トレハロース、グリセロール、メリビオースや資化しうる有機酸、例えばクエン酸などが挙げられる。また、窒素源としては、コーングルテンミール、大豆粉、コーンスティープリカー、カザミノ酸、酵母エキス、ファーマメディア、肉エキス、トリプトン、ソイトン、ポリペプトン、ソイビーンミール、綿実油粕やカルチベータなどの有機窒素源が有効である。各種無機塩は必須であり、人工海水を培地中に1/10になるように添加することが好ましい。
培養温度は20〜50℃、特に40℃が好ましく、pHは8.5〜12.4、特に10.0〜11.0が好ましく、この条件下において通常1〜3日間で培養が完了する。
本発明酵素は、培養上清中に蓄積したものであり、菌体を分離した残りの培養液を粗酵素液として利用することもできる。さらに、これらの粗酵素は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等の通常の精製方法を用いて精製することができる。必要に応じて限外濾過あるいは沈澱法等の手段により回収し、適当な方法を用いて粉末化して用いることもできる。
この粗酵素液の分離・精製は、更に具体的には、例えば必要に応じて、塩析法、沈澱法、限外濾過法等の分離手段、例えばイオン交換クロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等の公知の方法を組み合わせて、更に分離精製したものも使用することができる。
また、本発明酵素を得るための別の方法としては、上記菌株から本発明酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子を取得した後、遺伝子工学技術を用いて組換え微生物を作製し、当該組換え微生物を培養する方法が挙げられる。具体的には、本発明酵素のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を上記菌株より取得し、次いでこのヌクレオチド配列を適当なベクターに組込み、更に、このベクターにより大腸菌等の宿主を形質転換し、これを培養して本発明酵素を産生させ、培養物より本発明酵素を採取すればよい。以下に具体的な遺伝子工学技術を用いた本発明酵素の製造方法について説明する。
一般的にアルカリプロテアーゼの遺伝子は、長いプレプロ配列を有している。プレ配列は酵素の菌体外への分泌に必要であり、プロ配列は酵素の活性型立体構造を形成する際に必要な配列である。本発明者らは、配列表の配列番号1で表わされるプレプロ配列を含むアルカリプロテアーゼ前駆体をコードする全遺伝子配列を見出し、配列番号2で表わされる同前駆体のアミノ酸配列を見出した。更に、このアルカリプロテアーゼ前駆体から、配列番号3で表わされる、菌体外に生産される本発明の高アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列、即ち成熟酵素のアミノ酸配列を見出した。
本発明酵素は、配列番号3で示される成熟酵素を構成するアミノ酸配列、当該配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列または当該配列と65%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであり、好ましくは配列番号3で示される成熟酵素を構成するアミノ酸配列またはこの配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであるから、本発明の高アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列をコードする遺伝子は、これに対応したヌクレオチド配列である。
また、本発明酵素の前駆体は、配列番号2で示されるアミノ酸配列、当該配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列であるから、本発明の高アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列をコードする遺伝子を含む遺伝子は、これに対応したヌクレオチド配列である。
本発明酵素またはその前駆体のアミノ酸配列をコードする遺伝子としては、具体的には、下記(a)〜(f)からなる群より選ばれるポリヌクレオチドが挙げられる。
(a)配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号2に示すアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(e)配列番号1に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、および
(f)配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルカリプロテアーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
から選ばれるポリヌクレオチドである。
ここでいう、1個もしくは複数個のアミノ酸の欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列とは、これらのもとの配列と等価の配列を意味し、1個もしくは複数個、好ましくは1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列であって、依然としてアルカリプロテアーゼ活性を保持する配列をいい、付加には、両末端への1〜数個のアミノ酸の付加が含まれる。


また、ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、例えば、「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル 第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.)」(T. Maniatisら編集、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー発行、1989年)に記載の条件等が挙げられる。具体的には、ストリンジェントな条件として、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート、100μg/mLの熱変性ニシン精子DNAを含む溶液中で、プローブとともに50〜65℃の温度で一晩保存しハイブリダイズさせる、という条件が挙げられる。
なお、当該等価のアミノ酸配列をコードする塩基配列は、部位特異的突然変異誘発法等の公知の手法を利用して調製することができる。例えば、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(Mutan-super Express Km キット;タカラ社製)等を用いて変異を導入すればよい。
配列表の配列番号3に示す本発明の高アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列と、従来公知のアルカリプロテアーゼのアミノ酸配列とその相同性を比較すると、Bacillus sp. KSM-LD1株の生産するアルカリプロテアーゼLD1(Saekiら、Curr. Microbiol. 47,337-340, 2003)との相同性は64.0%であり、Bacillus sp. G-825-6株の生産するズブチリシンSendai(Yamagataら、Enzyme Microb. Technol. 17, 653-663, 1995)との相同性は61.0%であり、その他の公知のアルカリプロテアーゼとは60%以下の相同性を示すにすぎなかった。このことは本発明の高アルカリプロテアーゼ遺伝子によりコードされるアルカリプロテアーゼは新規な酵素であることを示すものであり、従って配列番号3のアミノ酸配列と65%以上の相同性を有するアルカリプロテアーゼ並びにこれをコードする遺伝子は本発明に包含される。
尚、相同性酵素の検索はNational Center for Biotechnology Information(NCBI)のBLASTP(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)を用いて行い、上記相同性の数値はGENETYX-MAC(version 10.1;ソフトウェア社製)のPeptide search homologyプログラムを用いて求めた。
本発明酵素を生産する組換え微生物の作製は、公知の手段を組み合わせることにより行うことができる。すなわち、上記のアルカリフィルス トランスバーレンシスからの本発明酵素をコードするヌクレオチド配列の取得やその増幅、ベクターへのヌクレオチド配列の挿入、当該遺伝子による宿主の形質転換等は、この分野の成書に記載された方法を適宜利用することにより行われる。
このうち、組換え微生物の製法の一例としては、以下に示す方法に特に限定はされないが、次に示す方法を用いることができる。即ち、上記のアルカリフィルス トランスバーレンシスから、ショットガンクローニング、あるいは特定のプライマーを用いたPCR増幅等によって、本発明の高アルカリプロテーゼ遺伝子を取得する。本遺伝子を、EK系の大腸菌(Escherichia coli)等に代表されるグラム陰性菌、あるいはBS系の枯草菌(Bacillus subtilis)等に代表されるグラム陽性菌に導入して、組換え微生物を取得する。形質転換にはプラスミド等の核外遺伝子をベクターにして利用、あるいは宿主菌が本来有しているDNA取り込み能力等を利用する方法を用いることができる。
また、上記のようにして作製された組換え微生物の培養、この培養物からの本発明酵素の取得、当該酵素の精製も、前記した方法や公知方法あるいはこれに準じた方法により行うことができる。
なお、本発明において、本発明酵素の活性測定は、後述するカゼイン法または合成基質法によって求めることができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。実施例中で特に注記しないものは「%」表示は質量%である。
(i)アルカリプロテアーゼ生産菌の培養
理化学研究所微生物系統保存施設(JCM)から入手した寄託番号JCM10712号のアルカリフィルス トランスバーレンシスを、高井らの報告(Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 51, 1245-1256, 2001)に記載された方法に準じ、下記の表1及び表2に示した培地(pH10.5)を用いて1.5気圧の窒素ガス封入下、40℃で24時間培養し、プロテアーゼ活性の高い時点で、培養液を遠心(10,000×g、20分)した。
(ii)プロテアーゼの精製
得られた培養上清を透析膜を用いて4℃の水道水に対して一晩透析処理を行った。透析内液を1Mのリン酸緩衝液を添加してpH7に調整した後、10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE-Toyopearl(東ソー社製)にアプライし、非吸着のプロテアーゼ活性画分を回収した。更に活性画分を同緩衝液で平衡化したCM-Toyopearl(東ソー社製)にアプライし、非吸着のプロテアーゼ活性画分を回収した。この活性画分をSDS−電気泳動法で解析し、ほぼ均一なタンパク質としてプロテアーゼが得られていることを確認した。尚、タンパク質濃度の測定は牛血清アルブミン(バイオラッド社製)を標準タンパク質としてLowry等の方法(J. Biol. Chem., 193, 265-275, 1981)に従い行った。
(iii)アルカリフィルス トランスバーレンシス由来アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の決定
上記(ii)で得られた、精製されたアルカリプロテアーゼ(以下「アルカリプロテアーゼALTP」という)をPVDF膜(バイオラッド社製)にブロッティングし、アミノ酸シークエンサー(476A型、アプライドバイオシステムズ製)にてアミノ末端からのアミノ酸配列を決定した。その結果、ここで取得したアルカリプロテアーゼALTPのアミノ末端からのアミノ酸配列はAla-Gln-Ser-Thr-Pro-Trp-Gly-Val-Thr-Argであった。また、精製酵素をトリプシンによって部分消化し、得られたペプチド断片中の一つの断片のアミノ末端からのアミノ酸配列は、Met-Ala-Ala-Pro-His-Val-Ala-Gly-Valと決定された。
(iv)
遺伝子のクローニングおよび塩基配列の決定
上記(iii)にて得られたアルカリプロテアーゼALTPのアミノ末端からのアミノ酸配列をもとに、配列番号4に示すプライマー1(5’-GCNCARWSNACNCCNTGGGG-3’、ここでそれぞれNはA、T、GまたはCを;RはAまたはGを;WはTまたはAを;SはGまたはCを示す。)を合成した。一方、原核生物由来セリンプロテアーゼファミリーに属する酵素群のアミノ酸配列を比較した結果、これらの酵素に共通して存在するアミノ酸配列として、Gly-His-Gly-Thr-His-Val-Ala-Glyが見い出され、本保存性の高いアミノ酸配列から推定された配列番号5に示すプライマー2(5'-CCNGCNACRTGNGTNCCRTG-3')を合成した。斎藤と三浦の方法(Biochim. Biophys. Acta, 72, 619-629, 1963)に準じ、アルカリフィルス トランスバーレンシスより染色体DNAを調製した。この染色体を鋳型として、上記のプライマー1と2およびLA Taq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用いてPCR増幅を行なった。PCRの反応条件は、94℃で1分間変性後、94℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃で30秒間を1サイクルとしてこれを30サイクル行なった。その結果、約0.2kbのDNA断片が増幅され、Big Dye Teminator Cycle Sequencingキット(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて本増幅DNA断片の配列を決定した。決定された塩基配列をもとに合成したプライマーとLA PCRインビトロ遺伝子クローニングキット(タカラバイオ社製)を用いて、さらに上流および下流域の遺伝子配列を決定した。その結果、配列番号1に示す1131塩基対から成るセリンプロテアーゼ遺伝子のオープンリーディングフレームの塩基配列並びに配列番号2に示す376個のアミノ酸から成るアミノ酸配列が決定された。更に、配列番号3に示す本発明高アルカリプロテアーゼの成熟酵素のアミノ酸配列を決定した。決定された配列から精製酵素のアミノ末端アミノ酸配列および精製酵素をトリプシンによって部分消化して得られたペプチド断片のアミノ末端アミノ酸配列が確認された。
(v)枯草菌形質転換体によるアルカリプロテアーゼALTPの生産
前記(iv)にて決定したアルカリプロテアーゼALTPをコードする遺伝子をもとに、配列表の配列番号6に示すプライマー3(5’−CATTTTTACACCAATATTTACATTTTAATTCCAAG−3’)、及び配列番号7に示すプライマー4(5’−ATTTCCAGCTATTTATCTCCTTCTATATATTG−3’)を用いて、アルカリフィルス トランスバーレンシスの染色体DNAを鋳型としてPCR増幅を行った。PCRの反応条件は、94℃で1分間の熱変性後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間を1サイクルとし30サイクル行なった。得られたPCR増幅断片をT4 DNA ポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用いて末端を平滑化し、さらにT4 ポリヌクレオチドキナーゼ(タカラバイオ社製)によって末端をリン酸化した。このDNA断片をSmaIにて消化したベクターpHY300PLK(ヤクルト本社製)に結合し、組換えプラスミドを作製した。これを用いてB.subtilis ISW1214株を形質転換した。得られた形質転換株を3%(w/v)ポリペプトンS、0.5%魚肉エキス、0.1%酵母エキス、0.1%リン酸1カリウム、0.02%硫酸マグネシウム、別途滅菌した3%マルトースとテトラサイクリン(15μg/ml)から成る培地にて、30℃、72時間好気的に振盪培養を行った。その結果、培養液1リットル当たり0.1〜2単位(PU)の本発明酵素であるアルカリプロテアーゼALTPを得た。
なお、本発明酵素の酵素活性の測定は、以下の方法によった。
(a)カゼイン法
1%(w/v)カゼイン(ハマーシュタイン:メルク社製)を含む50mmol/L各種緩衝液1mLを40℃で5分間保温した後、0.1mLの酵素溶液を添加し15乃至20分間反応を行った。その後、トリクロロ酢酸溶液(TCA溶液:0.11mol/Lトリクロロ酢酸、0.22mol/L酢酸ナトリウム、0.33mol/L酢酸)2mLを添加して反応を停止し、室温で10分間放置し、酸変性タンパク質を濾過(No.2濾紙、ワットマン社製)した。濾液0.5mLにアルカリ性銅試薬[1%(w/v)酒石酸カリウム・ナトリウム:1%(w/v)硫酸銅:2%(w/v)炭酸ナトリウム/0.1 mol/L水酸化ナトリウム=1:1:100]2.5mLを添加し、30℃、10分間恒温した後、希釈フェノール試薬[フェノール試薬(関東化学社製)を脱イオン水で2倍希釈したもの]0.25mLを加え、30℃、30分間恒温した。分光光度計を用いて660nmにおける吸光度を測定し、酸可溶性タンパク質分解物の生成量を求めた。なお、上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えた系をブランクとした。
ここで、酵素1単位(PU)は、上記の反応条件において1分間に1μmolのチロシンに相当する酸可溶性タンパク質分解物を遊離する酵素量とした。
(b)合成基質法
0.9mLの100mmol/Lホウ酸緩衝液(pH=10.0、2mmol/L塩化カルシウム含有)に50mmol/Lの合成基質溶液(オリゴペプチドのp−ニトロアニリド誘導体をジメチルスルホキサイドに溶解したもの)0.05mLを混合し、30℃で5分間保温した後、0.05mLの酵素溶液を加え、30℃、10分間反応を行った。5%(w/v)クエン酸溶液2mLを添加して反応を停止させ、分光光度計を用いて420nmにおける吸光度を測定して、遊離した−ニトロアニリン量を定量した。
ここで、酵素1単位(U)は、上記の反応条件において1分間に1μmolの−ニトロアニリンを遊離させるのに必要な酵素量とした。
(vi)
アルカリプロテアーゼALTPの性質
上記(v)で得られた本発明酵素であるアルカリプロテアーゼALTPの性質は以下の通りであった。
(a)最適pHおよびpH安定性
基質として1%(w/v)カゼインを含むpH3.5〜12.6の種々の緩衝液中で、本発明酵素を40℃、15分間反応させ、それぞれのpHにおける酵素活性を測定した。その結果を最高活性を100%とした相対活性として図1Aに示す。本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、50mmol/Lの塩化カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液中で、pH12.6において最も高い活性を示した。
尚、使用した各種緩衝液及びそのpH範囲は次のとおりである。
酢酸緩衝液(□):pH3.5〜6.0、リン酸緩衝液(■):pH6.5〜8.1、炭酸緩衝液(○):pH9.0〜11.0、リン酸/水酸化ナトリウム緩衝液(●):pH11.0〜12.2、塩化カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液(▲):pH11.5〜12.6。
アルカリプロテアーゼALTPのpH安定性をpH3〜12の間でブリットン−ロビンソン広域緩衝液を用いて調べた。即ち、20mmol/Lのブリットン−ロビンソン緩衝液中に本酵素溶液を混合し、50℃で10分間の処理を行った。この処理液を氷冷した後、カゼイン法によりその残存活性を測定した。その結果を、処理前の活性を100%とした残存活性として図1Bに示す。この結果から、本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、pH5〜11の範囲で安定であった。
(b)最適温度
基質として0.5%(w/v)カゼインを含む50mmol/Lのホウ酸緩衝液(pH10.0)1mL中に、本発明酵素溶液0.1mLを添加し、30〜85℃の各温度で15分間反応させてカゼイン法により活性測定を行った。50℃における塩化カルシウム非存在下での活性値を100%として、各温度における相対活性を図2Aに示す。「●」は塩化カルシウム非存在下、「○」は塩化カルシウムが存在下での相対活性を示す。本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、その最適反応温度を70℃に有することが判った。また、塩化カルシウム非存在下及び塩化カルシウム存在下での活性曲線はほとんど重なっており、塩化カルシウム(5mmol/L)の添加によっても、その最適反応温度は殆ど影響を受けないことがわかった。
(c)耐熱性
50mmol/Lのホウ酸緩衝液(pH10.0)中に、本発明酵素を添加して30〜75℃の各温度で10分間加熱処理を行ない、カゼイン法により残存活性を求めた。加熱前の活性を100%として加熱処理後の残存活性を図2Bに示す。本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、65℃までは加熱による活性の低下がなく安定で優れた活性を有することが判った。また、塩化カルシウム(5mmol/L)の添加による耐熱性の向上は認められなかった。
(d)金属イオンの影響
次の表3に示す各濃度の金属塩を含む20mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.0)中に本発明のアルカリプロテアーゼALTPの溶液を添加し、30℃、20分間の処理を行った。その後、カゼイン法により残存活性の測定を行った。その結果を、金属塩を添加しない場合を100%とした相対値として表3に示す。
本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、各種金属イオンに対しては非常に安定であった。しかし、Hg2+により阻害が認められた(残存活性15%)。
(e)界面活性剤の影響
本発明のアルカリプロテアーゼALTPに対する界面活性剤の影響を調べた。即ち、0.1mol/Lトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)中に本発明の酵素溶液を加え、表4に示す種々の界面活性剤を添加して、40℃、4時間の処理を行い、その後、2mmol/L塩化カルシウムを含む50 mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.5)で適宜希釈しカゼイン法により残存活性を測定した。残存活性は、酵素を各試料に添加した直後の活性値(処理時間0分)を100%とし相対値で表した。その結果を表4に示す。
(f)分子量
本発明のアルカリプロテアーゼALTPの分子量を、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定した。分子量マーカーには、低分子量用マーカーキット(ファルマシア社製)である、ホスホリラーゼ(分子量:94,000)、牛血清アルブミン(分子量:67,000)、卵白アルブミン(分子量:43,000)、カルボニックアンヒドラーゼ(分子量:30,000)、大豆トリプシンインヒビター(分子量:20,100)、α−ラクトアルブミン(分子量:14,400)を用いた。図4から、本発明酵素標品は、その分子量が約31,000〜32,000であると推定された。
(g)阻害剤
20mmol/Lリン酸緩衝液(pH7)に各種阻害剤を所定濃度になるように加え、本発明酵素を添加し、30℃で20分間恒温した。その後50mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10)で適当に希釈を行い、残存活性を測定した。その結果を表5に示す。本発明のアルカリプロテアーゼALTPは、セリンプロテアーゼの阻害剤であるPMSF、およびキモスタチンにより完全に阻害されるが、キレート剤であるEDTAが存在してもほとんど阻害を受けないことがわかった。
アルカリプロテアーゼALTPの合成基質に対する作用
合成オリゴペプチド基質として、表6に示すもの又は下記のものを用いて、本発明のアルカリプロテアーゼALTPの各種合成基質に対する反応性を調べた。
0.9mLの100mmol/Lホウ酸緩衝液(pH=10.0、2mmol/L塩化カルシウム含有)に50mmol/Lの表6に示す合成基質溶液0.05mLを混合し、30℃で5分間恒温した後、0.05mLの酵素溶液を加え、30℃、10分間反応を行った。5%(w/v)クエン酸溶液2mLを添加して反応を停止させ、分光光度計を用いて420nmにおける吸光度を測定して、遊離したp-ニトロアニリン量を定量した。
N-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(AAPF)に対する活性が最も高く、これを100%としてその他の各合成基質に対する相対活性を表6に示す。
ここで、AAPFはN-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド、AAPLはN-グルタリル-Ala-Ala-Pro-Leu-p-ニトロアニリド、AAPMはN-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Met-p-ニトロアニリド、AIPMはN-メトキシスクシニル-Ala-Ile-Pro-Met-p-ニトロアニリド、AAVAはN-スクシニル-Ala-Ala-Val-Ala-p-ニトロアニリドである。
また,上記の合成基質のほかにも、ブチロキシカボニル-Leu-Ser-Thr-Arg-p-ニトロアニリド(LSTR)、N-スクシニル-Ala-Ala-Ala-p-ニトロアニリド(AAA)、N-スクシニル-Ala-Ala-p-ニトロアニリド(AA)、N-p−トシル-Gly-Pro-Lys-p-ニトロアニリド(To−GPK)、N-スクシニル-Gly-Gly-Phe-p-ニトロアニリド(GGF)、N-カルボベンゾキシ-Phe-Val-Arg-p-ニトロアニリド(Z−FVR)、N-カルボベンゾキシ-Pro-シトルリン-p-ニトロアニリド(CBZ-Pro-Cit)に対しても活性を示した。
アルカリプロテアーゼ(ALTP)による酸化型インスリンB鎖の切断
(i)初期切断サイトの確認
0.1mol/Lのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)100μLに0.1mgのインスリンB鎖を加えた溶液に、3ngのアルカリプロテアーゼALTPを加え、30℃で1〜5分間反応させた。反応開始から、1分後、2分後、および5分後にそれぞれ5μLを分取し、50μLの2%(v/v)アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸溶液(pH2.2)を加えて反応を停止した。これらの反応液について、液体クロマトグラフ/タンデム質量分析装置(LC/MS/MS)で解析した。本発明のアルカリプロテアーゼALTPで消化した断片ペプチドの混合物をキャピラリーHPLCで分離濃縮し、イオン化した後、MS及びMS/MSスペクトルを得た。ペプチドのMS/MSデータをTurbo Sequestサーチして、消化された酸化型インスリンB鎖の断片を同定し、切断サイトを決定した。MS/MSデータにて検索のため信頼性の高い同定結果が得られた。
(ii)全ての切断サイトの確認
前記(i)と同一の条件で、アルカリプロテアーゼALTPの濃度を300ngにして、30℃で24時間反応させた。反応停止後、同様の方法によってアルカリプロテアーゼALTPで消化された酸化型インスリンB鎖の断片を同定し、切断サイトを決定した。
これらの結果を図3に示す。矢印はアルカリプロテアーゼALTPが酸化型インスリンB鎖を切断するペプチド結合を示し、太い矢印は初期の5分以内での切断点を示す。番号1が本発明のアルカリプロテアーゼALTPを示す。比較のために、文献から得られた公知のアルカリプロテアーゼによる酸化型インスリンB鎖の切断の様子を併せて図3に示す。
番号2がズブチリシンSendaiを、番号3がM−プロテアーゼを、番号4がズブチリシン Carlsbergを、番号5がズブチリシン BPN'を示す。
図3からわかるように、本発明のアルカリプロテアーゼALTPはLeu−Tyrを最初に切断し、反応時間が長くなると切断点も増加し、アルカリプロテアーゼALTPを300ng使用した場合は、24時間以内にPhe−ValとThr−Pro−Lysの結合を除いて、29箇所のうち26箇所のペプチド結合を切断することがわかった。一方、従来公知の種々のアルカリプロテアーゼは、図3からもわかるようにこのような多くの切断点を示さず、本発明のアルカリプロテアーゼALTPが従来の酵素に見られない特異な作用を有する新規な酵素であるといえる。
本発明のアルカリフィルス トランスバーレンシス由来のアルカリプロテアーゼは、pHが12以上の非常に高いアルカリ性条件下で、かつ種々の界面活性剤が存在する条件下でも優れた活性を有しており、高アルカリ性で使用される種々の洗浄剤に配合して使用するプロテアーゼとして有用である。
更に具体的には、重軽質洗剤、自動食器用洗剤、洗浄剤、トイレ芳香剤、風呂水清浄、配管清浄、オリゴペプチド製造、食肉軟化、皮革なめし、アレルゲン除去、消化剤、環境浄化などタンパク質を分解する全ての産業に利用することができる。
本発明酵素の酵素活性とpHの関係を示す図である。 本発明酵素の酵素活性と温度の関係を示す図である。 本発明酵素及び公知のアルカリプロテアーゼの酸型インスリンB鎖の切断を示す図である。 本発明酵素のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図である。

Claims (7)

  1. アルカリフィルス
    トランスバーレンシス(Alkaliphillus transvaalensis)由来の、次の理化学的性質を有する新規なアルカリプロテアーゼ。
    (1)作用:
    酸化型インスリンB鎖に作用して、その29箇所のペプチド結合のうち、少なくとも20箇所のペプチド結合を切断し、最大26箇所のペプチド結合を切断する。
    (2)基質特異性:
    天然タンパク質であるカゼイン、エラスチン、ケラチン及びヘモグロビンを分解する。合成基質であるN-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド、N-グルタリル-Ala-Ala-Pro-Leu-p-ニトロアニリド、N-スクシニル-Ala-Ala-Pro-Met-p-ニトロアニリド、N-メトキシスクシニル-Ala-Ile-Pro-Met-p-ニトロアニリド、及びN-スクシニル-Ala-Ala-Val-Ala-p-ニトロアニリドを分解して、p-ニトロアニリンを生成する。
    (3)作用pH及び最適pH:
    作用pH範囲は5〜13であり、安定pH範囲は5〜11(50℃、10分間処理)であり、最適pHは12.6付近である。
    (4)最適温度及び熱安定性:
    最適温度は70℃であり、65℃までは加熱(pH10、10分間)による活性の低下がなく安定である。Ca2+イオンの存在によっても最適温度及び熱安定性は変化しない。
    (5)
    界面活性剤の影響:
    直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、α−スルホ脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアルコールによって活性が阻害されない。
    (6)分子量:
    ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が、31,000〜32,000である。
  2. 配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列、又はこの配列中の1個もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列からなる、請求項1記載の新規なアルカリプロテアーゼ。
  3. 配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列、又はこの配列中の1個もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列からなる、新規なアルカリプロテアーゼ前駆体。
  4. 請求項1または2に記載の新規な前記の新規アルカリプロテアーゼまたは請求項3に記載のその前駆体のアミノ酸配列をコードする遺伝子であって、下記(a)〜(f)からなる群、
    (a)配列表の配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    (b)配列表の配列番号3に示す成熟酵素を構成するアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    (c)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    (d)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列中の1個もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、逆位、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
    (e)配列表の配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド、又は
    (f)配列表の配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアルカリプロテアーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
    から選ばれるポリヌクレオチド。
  5. 請求項4に記載のポリヌクレオチドを有する組換えベクター。
  6. 請求項5に記載の組換えベクターにより形質転換された微生物。
  7. アルカリフィルス
    トランスバーレンシス(Alkaliphillus transvaalensis)、又は請求項6に記載の形質転換された微生物を培養し、その培養液よりアルカリプロテアーゼを採取することを特徴とする、請求項1に記載の理化学的性質又は請求項2に記載のアミノ酸配列からなる新規なアルカリプロテアーゼの製造方法。
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