JP4680643B2 - 車両の電動パーキングブレーキシステム - Google Patents
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Description
また、特許文献2や特許文献3に示す従来の車両の電動パーキングブレーキシステムのように、電動モータでパーキングブレーキを作動・解除するものにあっては、ブレーキ作動を完了したタイミングやブレーキ解除を完了したタイミングを認識しにくい。これらの完了タイミングの後に運転者が次の動作をする場合には、運転者が完了タイミングを明確に認識できることが好ましい。
車両の電動パーキングブレーキシステムに、報知音を発する報知音発生部を備え、
制御部が、車輪ブレーキがブレーキ作動を開始したときから完了した後の所定時間が経過するまでの間にわたって、及び車輪ブレーキがブレーキ解除を開始したときから完了した後の所定時間が経過するまでの間にわたって、報知音発生部に報知音発生指令を発するとともに、
車輪ブレーキがブレーキ作動を開始したときから完了した時点まで、及び車輪ブレーキがブレーキ解除を開始したときから完了した時点までの少なくとも一方においては、報知音発生部が電動アクチュエータの作動に同期した断続音を発生するように構成したことを特徴とする。
さらには、車輪ブレーキのブレーキ作動中及びブレーキ解除中に報知音が発生するので、電動パーキングブレーキシステム自体の作動音が、ノイズとして車室内で聞こえにくい。従って、車室内の居住環境を、より一層高めることができる。
図1は本発明に係る車両の電動パーキングブレーキシステム(第1実施例)の系統図である。
車両用ブレーキシステム10は、ブレーキペダル11と、ブレーキペダル11の操作によって制動用液圧を発生するマスタシリンダ12と、車輪ブレーキ13と、マスタシリンダ12の制動用液圧で車輪ブレーキ13を作動させるブレーキ系統20とからなる。
なお、車輪ブレーキ13及びブレーキ系統20については、複数のうち1つだけを示す。
液圧路21は、マスタシリンダ12に、上流側のレギュレータバルブ22及び下流側の第1アンチスキッドコントロールバルブ23を介して、キャリパ13bのピストンを接続する液路である。この液圧路21は、第1アンチスキッドコントロールバルブ23の下流側とキャリパ13bのピストンとの間に、制動液圧センサ24を接続したものである。
液供給路28は、リザーブタンク27に、液圧路21のうちレギュレータバルブ22と第1アンチスキッドコントロールバルブ23との間を、ポンプ29を介して接続する液路である。
液吸入路31は、液圧路21のうち、レギュレータバルブ22の上流側に、サクションバルブ32を介してポンプ29の吸込み口を接続する液路である。
図1に示す状態において、ブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ12から発生した制動用液圧は、液圧路21からレギュレータバルブ22及び第1ABSバルブ23を経て、キャリパ13bのピストンに作用し、制動力を発生させる。つまり、車輪ブレーキ13を作動させる。この結果、車輪に制動が掛かる。その後、ブレーキペダル11の踏み込み操作を止めると、車輪ブレーキ13を解除することができる。
制動中に車輪がロック傾向にあることを図示せぬセンサにて検出したときには、制御部45は第1ABSバルブ23をオン(閉)、第2ABSバルブ26をオン(開)、ポンプ29をオンにする。この結果、キャリパ13bのピストンに作用する制動用液圧は、リザーブタンク27に開放される。このため、ブレーキペダル11を踏み込み操作しているにもかかわらず、ピストンに作用する制動用液圧が低下するので、制動を緩めることができる。
ABS減圧時の後に、制御部45は第1ABSバルブ23をオン(閉)、第2ABSバルブ26をオフ(閉)、ポンプ29をオンにする。この結果、キャリパ13bのピストンに作用する制動用液圧は、低下した一定圧力に保持される。このため、制動を緩めた状態を保持することができる。
ABS減圧時又はABS保持時の制御を実行したことにより車輪のロック傾向が解除されたことを図示せぬセンサにて検出したときには、制御部45は第1ABSバルブ23をオフ(開)、第2ABSバルブ26をオフ(閉)、ポンプ29をオンにする。この結果、キャリパ13bのピストンに再び制動用液圧が作用する。このため、キャリパ13bの制動力を復帰させて、再び減速させることができる。
このように、ABS制御中は、車輪のロック傾向に応じて減圧、保持、増圧制御を繰り返す。なお、レギュレータバルブ22及びサクションバルブ32はオフ状態を維持している。また、ポンプ29はオン状態を継続しているが、リザーブタンク27に開放された制動液を環流するだけであり、リザーブタンク27内が空になれば空転する。
非制動中の駆動力が過大であることにより、車輪がスリップ傾向にあることを、図示せぬセンサにて検出したときには、制御部45は、レギュレータバルブ22をオン(閉)、サクションバルブ32をオン(開)、ポンプ29をオンにする。この結果、ポンプ29は、レギュレータバルブ22の上流側から制動液を吸い込み、キャリパ13bのピストンを作動させ、スリップ状態に応じて上記ABSの減圧、保持、増圧制御時と同様の制御を実行する。
図1に示すように、車両の電動パーキングブレーキシステム40は、パーキングブレーキ装置41、イグニションスイッチ42、車速センサ43、パーキングブレーキ操作スイッチ44、制御部45及び報知音発生部46を備える。
ブレーキ系統20のうち、電動アクチュエータ47から車輪ブレーキ13までのブレーキ系統のことを、特に、パーキング負荷側ブレーキ系統48と言うことにする。
報知音発生部46は、車両の乗員に報知音を発するものであり、例えばブザーやチャイムからなる。報知音の音色や音量は、(1)電動パーキングブレーキシステム40自体の作動音が車室内で聞こえにくいように打ち消して、乗員に心地良いものであり、しかも、(2)ブレーキ作動が完了したタイミングやブレーキ解除が完了したタイミングを、運転者に確実に知らせることができるように、設定されることになる。
走行停止判定部52は、車速センサ43のセンサ信号を受けて、車両が停止状態であるか否かを判定する判定手段である。
バルブ作動判定部53は、制動液圧センサ24のセンサ信号を受けて、各バルブ22,23,26,32やポンプ29の作動タイミングを判定する判定手段である。
バルブ作動制御部56は、パーキングモード制御部54の制御信号を受けて、レギュレータバルブ22及びサクションバルブ32をオン・オフ制御する出力制御手段である。
報知音作動制御部57は、パーキングモード制御部54の制御信号を受けて、報知音発生部46に報知音発生指令を発する出力制御手段である。
イグニションスイッチ42がオンで且つ車速が0であるとき、つまり、エンジンが作動状態であり且つ車両が停止状態であるときに、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオン操作すると、パーキングモード制御部54は、パーキングブレーキの制御モードを実行する。
パーキングブレーキ操作スイッチ44をオフ操作した時点t4、つまり、制動用液圧が降下を開始した時点t4は、車輪ブレーキ13がブレーキ解除(非制動)を開始した時点である。
すなわち、報知音発生部46は、(1)車輪ブレーキ13がブレーキ作動を開始した時点t1から完了した時点t2までは、一定周期の断続音を発し、(2)完了した時点t2から時点t3までの所定時間T1が経過するまでの間にわたっては、連続音を発する。
さらに報知音発生部46は、(1)車輪ブレーキ13がブレーキ解除を開始した時点t4から完了した時点t5までは、一定周期の断続音を発し、(2)完了した時点t5から時点t6までの所定時間T2が経過するまでの間にわたっては、連続音を発する。
さらには、車輪ブレーキ13のブレーキ作動中及びブレーキ解除中に報知音が発生するので、電動パーキングブレーキシステム40自体の作動音が、ノイズとして車室内で聞こえにくい。従って、車室内の居住環境を、より一層高めることができる。
第2実施例の車両用ブレーキシステム110は、ブレーキペダル11と、ブレーキペダル11の操作によって制動用液圧を発生するマスタシリンダ12と、車輪ブレーキ13と、マスタシリンダ12の制動用液圧で車輪ブレーキ13を作動させるブレーキ系統120とからなる。
液圧路121は、マスタシリンダ12に、電動アクチュエータ147を介して、キャリパ13bのピストンを接続する液路である。
バイパス路134は、液圧路121のうち、電動アクチュエータ147の上流側と下流側との間を、逆止弁135を介して接続する液路である。逆止弁135は、制動液を電動アクチュエータ147の上流側から下流側には流すが、その逆方向には流れないように取り付けた弁である。
図4に示す状態において、電動アクチュエータ147(電動弁)は開状態にある。この状態において、ブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ12から発生した制動用液圧は、液圧路121から電動アクチュエータ147を経て、また、バイパス路134から逆止弁135を経て、それぞれキャリパ13bのピストンに作用することによって、制動力を発生させる。つまり、車輪ブレーキ13を作動させる。この結果、車輪に制動が掛かる。その後、ブレーキペダル11の踏み込み操作を止めると、車輪ブレーキ13を解除することができる。
図4に示すように、第2実施例の車両の電動パーキングブレーキシステム140は、ブレーキペダル11の踏み込み量を検出するペダルストロークセンサ11a、パーキングブレーキ装置141、イグニションスイッチ42、車速センサ43、パーキングブレーキ操作スイッチ44、制御部45及び報知音発生部46を備える。
ブレーキ系統120のうち、電動アクチュエータ147から車輪ブレーキ13までのブレーキ系統のことを、特に、パーキング負荷側ブレーキ系統148と言うことにする。
イグニションスイッチ42がオンで且つ車速が0であるとき、つまり、エンジンが作動状態であり且つ車両が停止状態であるときに、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオン操作すると、制御部45は電動アクチュエータ147に作動指令を発する。すなわち、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオン操作すると、電動アクチュエータ147はモータが正転して弁を閉にし、その閉状態を保持する。
その後、ブレーキペダル11の踏み込み操作を止めても、車輪ブレーキ13のパーキングブレーキ状態を保持することができる。
また、制御部45は、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオフ操作したとき、すなわち、ブレーキ解除を開始したときに、このときから完了した後の所定時間が経過するまでの間にわたって、報知音発生部46に報知音発生指令を発する。
報知音発生部46の作用、効果については、上記第1実施例と同様であり説明を省略する。
制御部45は、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じて電動アクチュエータ247に作動信号を発する。さらに制御部45は、パーキングブレーキ操作スイッチ44の操作に応じて電動アクチュエータ247に作動指令並びに解除指令を発する。
すなわち、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオン操作すると、電動アクチュエータ247が正転し、動力をウォームギヤ機構221→回転軸222→推力変換機構223の経路でピストン13dに伝える。この結果、車輪ブレーキ13をパーキングブレーキ状態にすることができる。
その後、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオフ操作すると、制御部45は電動アクチュエータ247に解除指令を発する。このため、電動アクチュエータ247が逆転するので、車輪ブレーキ13をパーキングブレーキ解除状態にすることができる。
ブレーキ系統320は、電動アクチュエータ347の出力軸347aに連結したウォームギヤ機構321と、ウォームギヤ機構321の出力側に連結した推力変換機構322とからなる。
制御部45は、ブレーキペダル11の踏み込み量に応じて電動アクチュエータ347に作動信号を発する。さらに制御部45は、パーキングブレーキ操作スイッチ44の操作に応じて電動アクチュエータ347に作動指令並びに解除指令を発する。
すなわち、パーキングブレーキ操作スイッチ44をオン操作すると、電動アクチュエータ347が正転し、動力をウォームギヤ機構321→巻取リール325→ケーブル326・・・の経路でキャリパ13b,13bのピストンに伝える。この結果、車輪ブレーキ13,13をパーキングブレーキ状態にすることができる。
また、車輪ブレーキ13は、ディスクブレーキに限定されるものではなく、例えばドラムブレーキ等の機械式ブレーキでもよい。
Claims (1)
- 車輪ブレーキ及びこの車輪ブレーキを電気的に作動・解除する電動アクチュエータを有しているパーキングブレーキ装置と、前記電動アクチュエータに作動指令並びに解除指令を発する制御部とを、備えた車両の電動パーキングブレーキシステムにおいて、
前記車両の電動パーキングブレーキシステムは、報知音を発する報知音発生部を備え、
前記制御部は、
前記車輪ブレーキがブレーキ作動を開始したときから完了した後の所定時間が経過するまでの間にわたって、及び前記車輪ブレーキがブレーキ解除を開始したときから完了した後の所定時間が経過するまでの間にわたって、前記報知音発生部に報知音発生指令を発するとともに、
前記車輪ブレーキがブレーキ作動を開始したときから完了した時点まで、及び前記車輪ブレーキがブレーキ解除を開始したときから完了した時点までの少なくとも一方においては、前記報知音発生部が前記電動アクチュエータの作動に同期した断続音を発生するように構成したことを特徴とする車両の電動パーキングブレーキシステム。
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