JP4680154B2 - 回転電機及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、回転電機のステータの構造及びその製造方法に関する。
モータジェネレータ、ブラシレスモータ、交流発電機等の回転電機においては、ロータが、コイルを有するステータの内側で回転する。このステータは、磁極歯(以下、ティースという)を有する磁性材からなるステータコアに絶縁物(インシュレータ)を介してコイルを巻回して形成されている。
このような回転電機のステータにコイルを直接巻回する集中巻き方式の場合、そのコイル製造方法として以下のような方法がある。すなわち、一体構造のステータコアのティースに、巻線(エナメル線)を通したニードルを用いて直接ティースに巻線を行う直接巻き方法、ステータコアを内側コアと外側コアとに分割し、ボビンに巻線を巻き付けてコイルコンプリートを形成しこのコイルを巻装したボビンを内側コアのティースに挿入した後、内側コアと外側コアとを組み立てるボビン巻き方法、ステータコアをティースごとに複数のコアピースに分割し、各コアピースに絶縁物を介して巻線を巻き付け、その後コアピースを一体に組み立てる分割コア方法などがある。このうち、ボビン巻き方法と分割コア方法は、コアに設けられているスロット開口部からコイルを巻装する必要がないので、コイルを高い占積率に巻回することができることから、高出力化と小型化が要求される回転電機に多く用いられるようになってきている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、図11に示すようなテーパー型のティースを用いた分割コアのステータ構造が提案されている。図11(a)に示すように、ティース123の幅を外径側は広いW1として内周側に向かって連続的もしくは段階的に狭くなるようなテーパー形状に形成し、内径側の幅はW2となっている。そして、その両側に設けた長方形のスロット部126にインシュレータ122を取り付けて、その上からコイル素線125aを巻線したものである。コイル素線125aはティース123の面に対して垂直方向に巻き重ねられている。このステータ構造は、スロット部126ではコイル素線125aが規則性をもって整列されることから、いわゆる巻線の収まりがよく、巻線の緻密化が可能となる。そして、デッドスペースが減少し、スロット部126での巻線の占有率が向上する。しかし、図11(b)に示すように、ティース123の面に対して直角方向に複数段にコイル素線125aを巻き重ねていくために、回転電機の軸方向の端面においてコイル素線125aを曲げるように力Fを加えて巻線していくことが必要となる。このため、巻線に手間がかかり巻線性がよくなかった。
一方、コイル素線125aをティース123の半径方向中心線128の回りに回転させていくようにコイル素線を巻線すると、効率的にステータの分割コアにコイルを巻線していくことができる。しかし、図11(a)に示すような形状のステータ構造の場合には、コイルの素線をティース123の半径方向中心線128の回りに回転させていくようにコイル素線125aを巻線しようとすると、図11(a)の2点鎖線で示すように、半径方向中心線128と直角方向に延びるコイル素線125aとバックヨーク121及びインシュレータ122との干渉が生じてしまう。
そこで、特許文献1には、図12に示すようにバックヨーク121、ティース123、ティースフランジ127によって形成されるスロット部126の形状をコイル125の巻線に必要な形状よりも少し大きな形状として、コイル素線125aを巻く際にコイル素線125a等とバックヨーク121及びインシュレータ122との干渉が生じないようにするステータ構造が提案されている。この構造は巻線性がよくなるものの、コイル125を保持するスロット部126の寸法がコイル125の巻線に必要な寸法よりも大きくできているため、コイル125の半径方向の端面とバックヨーク121の内周側面121aとの間やティースフランジ127との間に隙間129ができる場合がある。
また、特許文献2にはボビンへの巻線方法が提案されている。図13(a)に示すように、ボビン101はティースの半径方向中心線108に平行で、一定幅の本体部101aと、ティースの半径方向中心線108に直角の外周側部101cと、内周側の内周側部101bとを含んでいる。また、図13(b)に示すように、ボビンの回転電機中心軸109の方向の両端面には、外周側から内周側に向けて厚みが厚くなっている端面スペーサ101eが形成されている。図13(a)に示すように、コイルはボビン101のティースの半径方向中心線108に平行な本体部101aに直角となるように巻き重ねられている。そして、コイルは隣接するティースのコイルと干渉しないように、ボビン101の外周側部101cと内周部101bとを結ぶ線に近くまで巻き重ねられることから、内周側から外周側に向かってコイル素線105aの巻き重ね段数が増加し、外周側のほうがコイルの厚みが厚くなってくる。このため、軸方向の断面でコイル形状を見ると、図13(a)に示すように略三角形状となっている。このように、軸方向の断面が略三角形状となっていることから、ボビン101の端面も軸方向断面と同様に、内周側から外周側に向かってコイル素線105aの巻き重ね段数が増加していく。このため回転電機中心軸109と平行な断面から見たコイルの形状も軸方向断面と同様に略三角形状となるので、コイルの巻き崩れを防止するように外周側から内周側に向けて厚みが厚くなっている端面スペーサ101eが形成されている。この端面スペーサ101eによってコイル105の端面が回転電機中心軸109と略直交する様にコイル105が巻回される(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−369418号公報 特開2002−272048号公報
特許文献1に記載された従来技術では、図11に示すようにティース123の形状をテーパー形状と、コイル素線125aをティース123の面に対して垂直に巻き重ねていく場合には、スロット部126での巻線の占有率は高くなるが、巻線に手間がかかり巻線性が劣る場合がある。また、同じく特許文献1に記載された従来技術では、図12に示すようなテーパー状のティース123にコイル素線125aをティース123の半径方向中心線128の回りに回転させていくようにコイル素線を巻線することができるステータ構造は、巻線性がよくなるものの、コイル125の半径方向の端面とバックヨーク121の内周側面121aとの間やティースフランジ127との間にできる隙間129のためにコイル素線各段の巻線の際にコイル素線125aが半径方向に保持されない場合がある。このような場合には、巻き崩れが生じない様に手間をかけて巻線をしていく必要があり、巻線性が劣る場合があるという問題があった。
本発明は、テーパー形状のティースの周囲にコイル素線を巻線して構成されるコイルの巻線性の向上を図ることを目的とする。
本発明に係る回転電機は、ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、各段のコイル端のバックヨーク側の各凹部と前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれるL字型断面で板状の第2のインシュレータと、を有し、前記第2のインシュレータは、前記コイル端の前記各凹部にL字型部分がはまり込むように前記ティースの延びる方向に沿って順次重ね合わせられていること、を特徴とする。また、本発明に係る他の回転電機は、ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、各段のコイル端のバックヨーク側の各凹部と前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれる棒状の第2のインシュレータと、を有し、前記第2のインシュレータは、前記コイルの巻き重ね方向に向かって、前記コイル一段おきに厚くなっていること、を特徴とする。また、本発明に係る回転電機において、前記各ティース両面のそれぞれ対応する位置に詰め込まれる一対の前記第2のインシュレータは、前記ティースの幅方向に延びる接続部材で一体に接続されていること、としても好適である。
本発明の回転電機の製造方法は、ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、前記コイルと前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれるL字型断面で板状の第2のインシュレータと、を備える回転電機の製造方法であって、前記各ティースに前記コイル素線を巻線する際に、一段おきに巻線の終了後にコイル端バックヨーク側の凹部と前記第1のインシュレータとの間に順次前記第2のインシュレータのL字型部分がはまり込むように前記第2のインシュレータを重ね合わせて詰め込むこと、を特徴とする。
本発明は、テーパー形状のティースの周囲にコイル素線を巻線して構成されるコイルの巻線性の向上を図ることが出来るという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態について、図1〜4を参照しながら説明する。図1は本実施形態の回転電機のステータを示す図であり、図2は分割コアを示す図であり、図3は分割コアのスロットにコイルを巻回した状態を示し、図4はコイル端部とインシュレータの部分の拡大図である。
図1は本実施形態の分割コアステータの平面を示している。図1に示すように、ステータ100は複数の分割コア10を、回転電機の周方向に接続して形成されている。各分割コア10はステータの外周側にバックヨーク11を有し、バックヨーク11から内周方向に向かってテーパー状に細くなっているティース13が延びている。ティース13の内周側には先端に向かって細くなっていく形状のティースフランジ15が周方向の両側に延びている。バックヨーク11とティース13とティースフランジ15によって囲まれている台形断面の部分はスロット17であり、このスロット17にコイル19が巻回されている。
図2は分割コアの斜視図を示している。図2に示すように、平面上ではティース13はバックヨーク11から内周側に向かって細くなるテーパー形状となっているが、立面上では逆にバックヨーク11から内周に向かって高さが高くなっていくテーパー形状となっている。これは、ティース13をバックヨーク11から内周に向かって細くなるテーパー形状としたことによるコア断面の低下を防止し、ステータ100の性能を低下させないようにするためである。
図1、図2に示した分割コアは、高い磁束密度を持つことが出来るように、鉄などの金属磁性粉末に電気的絶縁と結合を兼ねる樹脂コンパウンドを混合し圧縮成型した圧粉磁心によって形成されても良い。また、図2に示すように、分割コア10のバックヨーク11の内周側面11aは、ティース半径方向中心線27に対して直角面となっている。このため、バックヨーク11の周方向端面11bとバックヨーク11の内周側面11aとは直角となっていない。
図3に、分割コア10のスロット17にコイル19を巻回した状態の断面を示す。先に、図1,2で説明したテーパー形状のティース13を持つ分割コア10のバックヨーク11の内周側面とティース13の表面とティースフランジ15の外周側面によって囲まれるスロット17の表面には、その表面を覆うように第1のインシュレータ23が取りつけられている。第1のインシュレータ23は絶縁性の樹脂、あるいはゴムなどで形成され、バックヨーク11の内周側はバックヨーク11の内周側面の平面形状に沿った平板形状となっている。また、第1のインシュレータ23のティース13の部分のティース側の面は、ティース表面に沿った平面であり、コイル側の面はコイル19のコイル素線21の巻線の時の整列間隔でコイル素線21を保持するようコイル断面形状に合わせた円筒面の溝が設けられている。これによって、コイル巻き線時のコイルの整列を図っている。第1のインシュレータ23の分割コア10の内周側はティースフランジ15の表面に沿って平板状の薄板となっており、ティースフランジ15の周方向の端面部には、ティース半径方向中心線27から分割コア10の周方向の端面に向かって肉厚のコイル保持部23aが形成されている。この第1のインシュレータ23の内周側のコイル保持部23aの内周面はティースフランジ15の内周面と略同一面となっている。
コイル19は第1のインシュレータ23を介してコイル素線21をティース13に巻きつけていくことによって形成する。図3に示すように、バックヨーク11の内周側面11aはティース半径方向中心線27と直角となっており、ティース13はバックヨーク11から内周に向かって細くなるテーパー状となっている。一方、コイル19のコイル素線21はティース13の面に直角方向に複数段に巻き重ねられている。このため、コイル19のバックヨーク11の内周側面11aに面する端面はティース13に直角な方向に向かって並ぶこととなる。すると、図4に示すように、コイル19の外周側面とバックヨーク11の内周側面11aとの間に角度θが出来ることとなる。このため、ティース半径方向中心線27から周方向に向かって離れるに従って、コイル19の外周側端面とバックヨーク11の内周側面11aに取り付けられている第1のインシュレータ23表面との間の隙間が大きくなってくる。この隙間の部分にコイル19の巻き線の際にコイル19の巻き崩れを防止するための第2のインシュレータ25a〜25eが詰め込まれている。この第2のインシュレータ25はコイル19の外周側端面にあるすべての各段コイル端と第1のインシュレータ23との間に詰め込んでも良いし、一部の各段コイル端と第1のインシュレータとの間に詰め込んでも良い。また、第2のインシュレータは隙間の大きさとコイル素線の外形にあわせたものであれば4角柱状のものでも良いし、円柱形状でも六角形など他の角柱形状であってもよい。また、第2のインシュレータは分割コア10の厚み方向の全長に渡って取り付けられていても良いし、例えば、上部と下部のみのように厚み方向の一部に取り付けられていてもよい。
第2のインシュレータは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂や、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のような絶縁性があり、成型が容易なエンジニアリングプラスチックで構成されていることが好ましい。また、エンジニアリングプラスチックでなくとも、絶縁性を有するゴムなどで構成されていても良い。
図5を参照しながら、本実施形態においてコイル素線21を巻き線する工程を説明する。図5(a)に示すように、コイル素線21はティース半径方向中心線27の周りに回転させていくように巻き線される。この巻き線方法では、コイル素線21はバックヨーク11の内周側面11aと平行な平面上においてコイル素線21が巻かれる。従って、図5(a)の二点鎖線で示すように、コイル素線21とバックヨーク11の内周側面11a、第1のインシュレータ23の内面とが平行の状態でコイル素線21が巻き線されていく。ティース13の部分の第1のインシュレータ23のコイル側には、コイル素線21を整列して巻き線できるように、コイル断面形状に合わせた円筒面の溝が設けられ、緻密にコイル素線21を巻けるようにしている。つまり、コイルのティース13の面の1段目は上記の溝によって整列してティース13の表面に第1のインシュレータ23を介して巻き線されている。1段目のコイルが1段目のコイル端31aまで巻かれると、2段目のコイルが巻かれる。2段目のコイルは、例えば、1段目のコイル素線21の間の谷の部分に嵌まり込んでコイル素線21の位置が保持されるようにコイルが巻かれていく。2段目のコイル端31bはちょうど第1のインシュレータ23と接する位置に巻かれている。コイル素線21は図5(a)の二点鎖線で示すように、バックヨーク11の内周側面11aと平行な面で巻き線される。図5(a)に示すように、2段目のコイル端31bのコイル素線21を巻き線する場合に、コイル素線21と第1のインシュレータ23のコイル側面とが一番接近してくる。しかし、バックヨーク11の内周側面11aと第1のインシュレータ23のコイル側面とコイル素線21の巻き線面が平行となっており、コイル素線21は第1のインシュレータ23の内面側になっていることから、コイル素線21の巻き線の際に、コイル素線21が第1のインシュレータ23と干渉することはない。
図5(b)に示すように、3段目のコイル素線21も2段目のコイル素線21と同様に前に巻き線した2段目コイルの谷部分にコイル素線21が嵌まり込むようにコイルを巻き線していく。ところが、3段目のコイルになると、コイル19の外周側面とバックヨーク11の内周側面11aとの間の角度θによって、コイル端31cと第1のインシュレータ23との間にコイル素線21の入っていない隙間が出来る。この隙間をそのままにしておくと、次の4段目のコイル素線21を巻き線する際に前の段の3段目谷部の位置が固定されていないため、コイル素線21を整列して巻き線することができない。そこで、図5(c)に示すように、3段目のコイル端31cと第1のインシュレータ23の内面との間に第2のインシュレータ25aを詰め込む。これによって、3段目の各コイル素線21は第1のインシュレータ23の内面において半径方向の両端が保持されてその位置が固定され、次の段のコイル素線21が嵌まり込む谷部の位置も固定される。この状態で、図5(d)に示すように、4段目のコイル素線21を前の段の3段目のコイルの谷部に嵌まり込むように巻き線していくことが出来る。このため4段目コイルの各コイル素線21の位置が固定され、整列した緻密なコイル巻き線とすることができる。同様に、図5(e)〜(h)に示すように、順次各段コイル素線21を巻く毎に、各段のコイル端31e〜31gと第1のインシュレータ23との間に各隙間に対応した第2のインシュレータ25b〜25を
詰め込んで5〜7段目までのコイルを巻き線していく。
本実施形態によると、コイル素線21と第1のインシュレータ23、あるいはバックヨーク11の内周側面11aとが干渉を生じることがないので、コイル素線21を効率的に巻き線することができると共に、各段コイルを整列させて巻き線していくことができることからコイルの巻き崩れを防止し、緻密で整列した巻き線をすることができる。これによってコイル19の巻線性を向上させることができるという効果を奏する。
本実施形態では、第2のインシュレータ25は各段コイルに対応した形状を持つ別体として説明したが、ティース13の半径方向中心線側の厚さが厚く、分割コイルの周方向端面側に厚さが薄くなるような複数の段に対応できるインシュレータを一体としたものであっても良い。例えば、図4の25aと25bとを一体にしたような形状としてもよい。この場合でも、4段目のコイル巻線のときに25bの形状のインシュレータ部分がコイル素線21と干渉しない。
また、第2のインシュレータ25はティース半径方向中心線27の両側の各コイル19端と第1のインシュレータ23との間に一度に挿入できるように、各段に対応する両側の柱状の第2のインシュレータ25の間を接続部材33によって接続し、U字型に成型したものとしてもよい。例えば、図6に示すように、両側の第2のインシュレータ25c同士を接続部材33で一体に接続しても良いし、両側の第2のインシュレータ25a同士を接続部材33によって接続してもよい。このような形状とすることによって、第2のインシュレータ25を詰め込む時間や手間が少なくなり、巻線性をより向上させることができるという効果を奏する。
図7、8を参照して他の実施形態について説明する。図3,4と同様の部分には同様の記号を用いて説明は省略する。図7、図8に示す実施形態では、第2のインシュレータの形状がL字型となっている点で先に説明した実施形態と異なっている。第2のインシュレータは図8の拡大図に示すように、25a,25b,25cの3つの部材によって構成されている。25aはL字型形状で、ティース半径方向中心線27側の肉厚部の厚さは3段目のコイル端31cと第1のインシュレータ23との間の隙間を詰めるための厚さである。この肉厚部の分割コア10の周方向端面側の薄肉部は、4段目のコイル端31dと第1のインシュレータ23との間を詰めるための厚さとなって、分割コア10の周方向端面まで延びている。この第2のインシュレータ25aは3段目及び4段目の各段コイル端31c,31dと第1のインシュレータ23との隙間を詰める。第2のインシュレータ25bも同様にL字型形状で、先に述べた第2のインシュレータ25aに重ねられるようになっている。そして、ティース半径方向中心線27側の肉厚部の厚さは5段目のコイル端31eと先の第2のインシュレータ25a間の隙間を詰めるための厚さである。この肉厚部の分割コア10の周方向端面側の薄肉部は、6段目のコイル端31fと先の第2のインシュレータ25aとの間を詰めるための厚さとなって、分割コア10の周方向端面まで延びている。この第2のインシュレータ25bは5段目及び6段目の各段コイル端31e,31fと先に詰められた第2のインシュレータ25aとの隙間を詰める。更に、第7段目のコイル端31gと先の第2のインシュレータ25bとの間に第2のインシュレータ25cが詰められている。第2のインシュレータ25cは四角柱状である。
以上述べたように、第2のインシュレータ25a,25b,25cは順次重ねあわされて、各段のコイル端31c〜31gと第1のインシュレータ23との間に詰められるようになっている。
図9を参照しながら、本実施形態においてコイル素線21を巻き線する工程を説明する。先に説明した実施形態と同様に、コイル素線21はバックヨーク11の内周側面11aと平行な平面上においてコイル素線21が巻かれる。従って、図9(a)の二点鎖線で示すように、コイル素線21とバックヨーク11の内周側面11a、第1のインシュレータ23の内面とが平行の状態でコイル素線21が巻き線されていく。1段目のコイルは溝によって整列されてティース13の表面に第1のインシュレータ23を介して巻き線される。1段目のコイルが1段目のコイル端31aまで巻かれると、2段目のコイルが巻かれ、2段目のコイルは、1段目のコイル素線21の間の谷の部分に嵌まり込んでコイル素線21の位置が保持されるようにコイルが巻かれていく。2段目のコイル端31bはちょうど第1のインシュレータ23と接する位置に巻かれているので、コイル素線21が第1のインシュレータ23と干渉することはない。
図9(b)に示すように、3段目のコイル素線21も2段目のコイル素線21と同様に前に巻き線した2段目コイルの谷部分にコイル素線21が嵌まり込むようにコイルを巻き線していく。ところが、3段目のコイルになると、コイル19の外周側面とバックヨーク11の内周側面11aとの間の角度θによって、コイル端31cと第1のインシュレータ23との間にコイル素線21の入っていない隙間が出来る。この隙間をそのままにしておくと、次の4段目のコイル素線21を巻き線する際に前の段の3段目谷部の位置が固定されていないため、コイル素線21を整列して巻き線することができない。そこで、図9(c)に示すように、3段目のコイル端31cと第1のインシュレータ23の内面との間に第2のインシュレータ25aを詰め込む。これによって、3段目の各コイル素線21は第1のインシュレータ23の内面において半径方向の両端が保持されてその位置が固定され、次の段のコイル素線21が嵌まり込む谷部の位置も固定される。また、この第2のインシュレータ25aはL字型となっていて、厚みの薄い部分において4段目のコイル端31dと第1のインシュレータ23との隙間を埋めることが出来るようになっている。また、内周側の表面はバックヨーク11の内周側面11aと平行で、4段目のコイル端31dより内周側になっていないことから、図9(d)に示す様に、4段目のコイル素線21の巻き線の際にコイル素線21が第2のインシュレータ25aと干渉することはない。このように、第2のインシュレータ25aは1つのインシュレータによって2段のコイル端31c,31dを保持して、コイル素線21を整列させて巻き線することができる。同様に、図9(e)〜(g)に示すように、5段目のコイル素線21を巻き線したのち第2のインシュレータ25bを詰め、更に6段目のコイル素線21を巻き線し6,7段目のコイル素線を整列させて緻密に巻きつけていくことが出来る。そして最後に7段目のコイル素線21を巻き線しコイル端31gと第2のインシュレータ25bとの間に第2のインシュレータ25cを詰める。このように巻き線していくことで、各段の巻線を整列した緻密なものにすることができる。
本実施形態は先に述べた実施形態よりも第2のインシュレータ25の数が少ないので、取り付け回数が少なくより効率的にコイル素線21を巻き線することが出来、更に、コイル19の巻線性を向上させることができるという効果を奏する。
本実施形態では、第2のインシュレータ25a,25b,25cは各コイル19端に取り付けることで説明したが、先に説明した実施形態同様、ティース半径方向中心線27の両側の各コイル端と第1のインシュレータ23との間に一度に挿入できるように、各インシュレータ25a,25b,25cに対応する両側のL字状の第2のインシュレータ25a,25b,25cとの間を接続部材33によって接続し、U字型に成型したものとしてもよい。例えば、図10に示すように、両側の第2のインシュレータ25a同士を接続部材33で一体に接続しても良いし、両側の第2のインシュレータ25b同士を接続部材33によって接続してもよい。接続部材33はL字型の第2のインシュレータ25a,25bの上部に飛び出るように取り付けられ、コイル19の回転軸方向にL字型の第2のインシュレータ25a,25bが飛びださないようになっている。このような形状とすることによって、第2のインシュレータ25を詰め込む時間や手間が少なくなり、巻線性をより向上させることができるという効果を奏する。
本発明に係る実施形態において、回転電機のステータを示す平面図である。 本発明に係る実施形態において、回転電機の分割コアの斜視図である。 本発明に係る実施形態において、分割コアの断面図である。 本発明に係る実施形態において、コイル端と第1のインシュレータと第2のインシュレータの部分拡大図である。 本発明に係る実施形態において、コイル素線の巻き線工程を示す図である。 本発明に係る実施形態において、第2のインシュレータの形状を示す斜視図である。 本発明に係る他の実施形態において、分割コアの断面図である。 本発明に係る他の実施形態において、コイル端と第1のインシュレータと第2のインシュレータの部分拡大図である。 本発明に係る他の実施形態において、コイル素線の巻き線工程を示す図である。 本発明に係る他の実施形態において、第2のインシュレータの形状を示す斜視図である。 従来技術に係る、分割コアの断面とコイル巻きを示す図である。 従来技術に係る、分割コアの形状とコイル巻きを示す図である。 従来技術に係る、ボビンの形状とコイル巻きを示す図である。
符号の説明
10 分割コア、11 バックヨーク、13 ティース、15 ティースフランジ、17 スロット、19 コイル、21 コイル素線、23 第1のインシュレータ、23a コイル保持部、25,25a〜25e 第2のインシュレータ、27 ティース半径方向中心線、31a〜31g 各段コイル端、33 接続部材、100 ステータ、101 ボビン、101a 本体部、101b 内周側部、101c 外周側部、101e 端面スペーサ、105 コイル、105a コイル素線、108 半径方向中心線、109 回転電機中心軸、121 バックヨーク、121a 内周側面、122 インシュレータ、123 ティース、125 コイル、125aコイル素線、126 スロット部、127 ティースフランジ、128 半径方向中心線、129 隙間、F 力、θ 角度。

Claims (4)

  1. ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、
    前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、
    前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、
    前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、
    各段のコイル端のバックヨーク側の各凹部と前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれるL字型断面で板状の第2のインシュレータと、を有し、
    前記第2のインシュレータは、前記コイル端の前記各凹部にL字型部分がはまり込むように前記ティースの延びる方向に沿って順次重ね合わせられていること、
    を特徴とする回転電機。
  2. ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、
    前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、
    前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、
    前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、
    各段のコイル端のバックヨーク側の各凹部と前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれる棒状の第2のインシュレータと、を有し、
    前記第2のインシュレータは、前記コイルの巻き重ね方向に向かって、前記コイル一段おきに厚くなっていること、
    を特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機であって、
    前記各ティース両面のそれぞれ対応する位置に詰め込まれる一対の前記第2のインシュレータは、前記ティースの幅方向に延びる接続部材で一体に接続されていること、
    を特徴とする回転電機。
  4. ステータのバックヨークからテーパー状に延びている複数のティースと、
    前記各ティースの内周側端面に形成されたティースフランジと、
    前記バックヨークの内周側面と、前記各ティース外面と、前記各ティースフランジ外周側面と、を覆う第1のインシュレータと、
    前記第1のインシュレータを介して前記各ティースの面にコイル素線を複数段に巻き重ねて構成されるコイルと、
    前記コイルと前記第1のインシュレータとの間に詰め込まれるL字型断面で板状の第2のインシュレータと、を備える回転電機の製造方法であって、
    前記各ティースに前記コイル素線を巻線する際に、一段おきに巻線の終了後にコイル端バックヨーク側の凹部と前記第1のインシュレータとの間に順次前記第2のインシュレータのL字型部分がはまり込むように前記第2のインシュレータを重ね合わせて詰め込むこと、
    を特徴とする回転電機の製造方法。
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