JP4679962B2 - 光センシングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、光源からの出射光を検体に照射し、検体からの反射光から検体に係る情報を取得する光センシングシステムに関する。
光学センサの1つとして、表面プラズモンセンサがある。
表面プラズモンセンサは、表面プラズモン共鳴(以下、SPRと記載する)を用いて金属薄膜上の物質の誘電率を測定するもので、感度が高いことと、その場で観察ができることなどから、近年、物質センサとして頻繁に用いられている。
この表面プラズモンセンサ(以下、SPRセンサと記載する)は、金属薄膜上の物質の誘電率(または、屈折率)をモニタすることにより、この誘電率の変化で金属薄膜上の物質の量を測定する。SPRは、金属表面の電子の励振モードである。この励振モードと外部から入力した電磁波を既知の構成を用いて結合させ、その励振モードの波数変化を反射光の強度変化としてとらえる。
図7は、従来のSPRセンサの一例を示す図である(特許文献1参照)。
この従来のSPRセンサは、被検試料を接触させる表面プラズモン励起用の金属薄膜3が一面に設けられたプリズム2を有するセンサ部1と、該センサ部1の金属薄膜3に光を照射する光源4、偏光子5及びレンズ6からなる光照射部7と、金属薄膜3で反射した光の強度変化を検出する受光部8とを備えて構成されている。このSPRセンサを用いて特定物質の量をセンシングする場合には、センサ部1の金属薄膜3の表面に特定の反応試薬をコーティングする。次に、この部分をセンサプローブとして誘電体内部から金属薄膜3に対し、その全反射角以上の角度で特定の波長の光を入射する。光の入射角を変え、入射角による反射率の変化を調べると、ある特定の入射角において金属薄膜3での吸収が起こり、全反射を起こさなくなる。この特定の入射角は、金属とそれに接している物質の誘電率によって固有の値となる。SPRセンサは、この原理を用いて金属に接している物質の量を求めることができる。
このSPRセンサは、当初金属薄膜の膜厚、誘電率測定などに応用が試みられていたが、現在は生体物質間の相互作用をin situ観察する用途が支配的である。これは、金属薄膜上に特定の蛋白質、糖などと結合する試薬を塗布しておき、(これをセンサチップと称する。)このチップ上にサンプルを流すとターゲットとする物質が存在すれば、チップ上で試薬と蛋白の特異的結合が起こり、この結合の時間変化をそのまま見ることができるためである。このように、反応の過程をin situで観察できる測定器は従来存在しなかったため、生化学の研究分野ではSPRセンサは普及した。
現在主として用いられているSPRセンサは全反射減衰法(以下、ATR法と記載する)と呼ばれる方法のものである。このATR法は、図7に示すように、光照射部7から出射された光を、プリズム2を用いて被検試料が接触している金属薄膜3に集光し、その反射光を受光部8で角度成分に分解して測定する。
この際、特定の角度のみが、SPRのために全反射せず、暗線(図7中、符号9)のピークとなって現れる。図8は、典型的なSPRスペクトルを示すグラフである。このグラフ上に示された暗線のピークの位置を測定するのがSPRセンサの仕組みである。
ところで、従来のSPRセンサ(SPRセンシングシステム)は、装置構成が大掛かりで、コストも高いといった問題があった。
例えば、光源として、ガスレーザ、固体レーザといった、大型機器を必要とするものを採用している場合があった。
また、受光部は、現在、エリアセンサあるいはラインセンサが広く使用されており、これがSPRセンサの装置構成の大型化や、コストを押し上げる大きな要因になっている。
受光部にエリアセンサ(あるいはラインセンサ)が採用されるのは、SPRの測定のために必要となる、金属薄膜からの反射光の角度スペクトルを、簡易に高速で取り込めるからである。
しかし、エリアセンサやラインセンサは一般に高価であり、低コスト化が困難である。
エリアセンサ(あるいはラインセンサ)の受光素子は、CCD素子、CMOS素子等であるが、SPR測定に使用されるプローブ光は波長700nm以上の赤外光であるため、通常のカラーフィルターやローパスフィルターが使用されている素子では測定に対応できず、特殊で高価な素子を使用せざるを得ない、といった事情がある。
また、エリアセンサ(あるいはラインセンサ)を受光部に採用したSPRセンサは、エリアセンサ(あるいはラインセンサ)の大きさで測定範囲が決まるため、エリアセンサ(あるいはラインセンサ)に、センサチップから一定の開き角(一般的には5〜7°程度)で反射される光を受光できる程度の大きさが必要であり、これが、受光部の大型化を招いていた。エリアセンサ(あるいはラインセンサ)のサイズに起因する受光部の大型化が、装置全体の大型化の大きな要因になっていた。また、測定範囲の確保のために、サイズが要求されるエリアセンサ(あるいはラインセンサ)を、上述の測定波長の光の受光に対応できる特殊な受光素子で構成せねばならないため、低コスト化は困難であった。
特許第3437619号公報
上述したように、エリアセンサあるいはラインセンサを使用したSPRセンサでは、装置価格の低下や装置の小型化は困難である。
これに鑑みて、本発明者等は、角度スペクトルの取得にエリアセンサ(あるいはラインセンサ)を使用しないセンサ構造について、以下の2つの案(第1検討例、第2検討例)を検討した。
但し、第1検討例は実用的では無く、第2検討例は被検試料に要求される条件が厳しいなど、汎用性に乏しいといった問題があり、いずれも、問題の根本的な解決に至らないものであった。
(第1検討例)
受光部を、単一画素の受光素子(ここではPD素子)の空間的な移動(走査)によって、金属薄膜からの反射光の角度スペクトルを取り込むように構成した。
この場合は、受光素子自体の低コストを図れるものの、以下の(a)〜(c)のような問題があり、実用的では無い。
(a)受光部を大型化させずに、空間分解能を向上させるためには、受光素子のサイズを小さくせざるを得ない。しかし、受光素子のサイズを小さくすると、感度が低下して、測定精度が低下してしまう。
(b)空間分解能を向上させるために、SPRセンサのセンサチップから受光部までの距離を大きくすると、光量不足、装置の大型化、角度スペクトルの走査時間の延長、といった問題が発生する。
(c)反射光から、測定に用いていない光を充分に除去しないと、S/N比が著しく低下する。
上述の問題点の中で、特に、空間分解能と感度、光量の関係は、本質的な問題であるが、この第1検討例のセンサ構造を採用する限り不可避である。
(第2検討例)
光源からの放射光を平行光でセンサ部に入射させ、予め設定した数カ所(例えば3箇所)で、センサ部からの反射光強度を測定するように構成した。センサ部への平行光の入射角度は固定しておく。この構成では、各測定点での反射光強度の測定値から数学的処理によってSPRスペクトルを推定し、SPR角度を決定する。つまり、各測定点での反射光強度の測定値からSPR角度を推定できる。反射光強度を測定する各測定点は、理論上、あるいは、経験上、SPR角度と考えられる角度(あるいは、それに近い角度)を選定する。
この検討例のSPRセンサでは、光源から放射された光がほぼ全て受光部に入るので、感度や光量(光量不足)の問題も発生しない。また、測定に要する時間も高速であった。
しかし、このセンサ構造では、測定サンプル(被検試料)の状態によって測定精度が大きく影響を受ける。例えば、被検試料に散乱体が混入していたり、溶媒の光吸収率が大きい、などといった要因によって、SPRスペクトルの形状が異なる場合は、測定精度が極端に低下する。このため、例えば、物質の濃度の測定では、前処理として被検試料から不純物を取り除くといった作業も必要となり、結果的に、測定対象の被検試料が限定されてしまう。
この第2検討例のSPRセンサの原理を様々な被検試料(例えば、散乱体が混入しているもの、溶媒の光吸収率が大きいもの等を含む)の測定に幅広く応用できるようにするためには、取得する角度情報の増加が必要である。しかし、測定角度の増加のために、センサ部に照射するビームの本数を増やすとなると、装置の複雑化及び大型化が避けられない。さらに、測定に用いるビームの平行度が充分で無いために、測定角度を増加しても、測定精度の向上に限界があることも判明した。
第2検討例のSPRセンサは、平行光を用いて、前もって決めておいた特定角度の反射率を求める方式である。この第2検討例については、高い感度を確保できる。しかしながら、適用範囲が狭く、測定精度にも改善が必要、といった、問題も抱えている。
本発明は、前記課題に鑑みて、低廉化、小型化を容易に実現でき、しかも、取り扱い性の良好なSPRセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、光源からの出力光を検体に照射し、検体からの反射光から検体に係る情報を取得する光センシングシステムにおいて、前記検体が設けられるセンサ部と、該センサ部の検体に照射する光を出力する光源と、この光源からの出力光を前記センサ部に導くための光ファイバと、前記センサ部に固定して設けられ、前記光ファイバからの放射光を前記検体に照射する平行ビームとして前記センサ部に入射させる屈折率分布型のロッドレンズであるコリメートレンズと、前記平行ビームが前記検体から反射した反射光の強度を測定するための受光部と、前記光ファイバを、前記コリメートレンズに対して、該コリメートレンズの光軸に垂直の方向に相対移動させることで、前記平行ビームのセンサ部への入射角度を変更する入射角度変更機構とを具備し、前記入射角度変更機構は、予め設定しておいた原点位置から終点位置まで、光ファイバを、コリメートレンズの光軸に直交する特定の1方向に連続的に移動するようになっていることを特徴とする光センシングシステムである。
請求項2に係る発明は、前記センサ部が、被検試料を接触させる表面プラズモン励起用の金属薄膜が設けられたプリズムを有するものであることを特徴とする請求項1記載の光センシングシステムである。
請求項3に係る発明は、前記入射角度変更機構は、該入射角度変更機構によってコリメートレンズに対して相対移動される光ファイバの位置情報を出力する光ファイバ位置検出手段を具備し、前記光ファイバ位置検出手段に、前記受光部から入力される受光データを、前記光ファイバ位置検出手段から出力される位置情報に対応付けて記憶する記憶手段が接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光センシングシステムである。
請求項に係る発明は、前記入射角度変更機構が、光ファイバを原点位置から終点位置まで連続的に移動する動作中に、前記記憶手段が、3つ以上の入射角度に対応する受光データを前記受光部から取得して、入射角度に対応付けて記憶するようになっていることを特徴とする請求項記載の光センシングシステムである。
請求項に係る発明は、前記記憶手段の前記受光部からの受光データの取り込みが、前記センサ部への平行ビームの入射角度を検出するエンコーダからの信号をトリガとして行われるようになっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の光センシングシステムである。
請求項に係る発明は、前記光ファイバが偏波保持光ファイバであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光センシングシステムである。
本発明によれば、光ファイバで導光した光を、コリメートレンズを介して、平行ビームとしてセンサ部に入射する構成であり、光ファイバをコリメートレンズの光軸に対して相対移動することで、センサ部に対する測定用ビーム(平行ビーム)の入射角度を変更できる。これにより、受光部の構造に角度分解能の確保を頼る必要が無くなり、受光部の構造が単純かつ小型化のもので済むようになる。結果、従来、装置の大型化に大きい影響を与えていた受光部の小型化及び低コスト化を実現でき、装置全体の小型化及び低コスト化を実現できる。
さらに、半導体レーザやLEDといった小型かつ安価な光源の使用、光源からの出力光のコリメートレンズへの導光を光ファイバの使用によって極めて単純かつ安価な構成で実現することで、一層の小型化、低コスト化を実現できる。また、構造の単純化により、取り扱い性も良好である。また、全体を一体化した、可搬性の良好な可搬型装置とすることも可能である、といった効果が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明を、表面プラズモンセンシングシステム(以下、SPRセンシングシステムとも言う)に適用した例を説明する。
図1において、符号11は、この実施形態のSPRセンシングシステムである。
SPRセンシングシステム11は、被検試料を接触させる表面プラズモン励起用の金属薄膜12aが設けられたプリズム12bを有するセンサ部12と、該センサ部12の金属薄膜12aに照射する光を出力する光源13と、この光源13からの出力光が入射される光ファイバ14と、光ファイバ14の出射端14a(センサ部12側の端部。光源13とは逆側の端部)とセンサ部12のプリズム12bとの間に配置されて、光ファイバ14の出射端14aからの出射ビームをセンサ部12(詳細にはプリズム12b)に入射させるコリメートレンズ15と、このコリメートレンズ15からセンサ部12に入射されて前記金属薄膜12aで反射した光の強度変化を検出する受光部16と、前記光ファイバ14(詳細には出射端14a)をコリメートレンズ15の光軸に対して垂直の方向に移動させることで、測定用ビームのセンサ部12に対する入射角度を変更する入射角度変更機構17(以下、ファイバ移動機構とも言う)とを備えた概略構成になっている。
なお、センサ部12の金属薄膜12aは、プリズム12bに着脱可能なセンサチップに形成されている。すでに述べたように、センサチップの金属薄膜12aには、特定の蛋白質、糖などと結合する試薬が塗布されている。SPR測定を行う被検試料の交換は、例えば前記チップの交換によって簡単に行える。
また、ここでは、センサチップが測定ビームの照射対象であるセンサチップ(詳細には金属薄膜)が、本発明に係る検体として機能する。
光源13としては、ガスレーザや固体レーザといった、高価で大掛かりな機器を用いる必要は無く、小型で低コストのものを用いることができる。
採用可能な光源13としては、半導体レーザ等のコヒーレント光源、あるいは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、ランプ等のインコヒーレント光源のいずれでも良い。
SPRセンサは、測定用のプローブ光として、P偏光のみが使用可能である。
光ファイバ14としては、周知の応力付与型偏波保持光ファイバを採用し(以下、光ファイバ14を、偏波保持光ファイバ14とも言う)、出射端14aからコリメートレンズ15にP偏光の光が出射されるようにしてある。この偏波保持光ファイバ14は、所謂PANDA型光ファイバ(PANDA:Polarization-maintaining AND Absorption reducing)であり、符号14bはコア部、14cはクラッド部、14dは応力付与部である。この偏波保持光ファイバ14は、光源13からの入射光の内、直線偏光以外の偏光状態の光を直線偏光に変換する、偏光フィルタの如く機能させることができる。
光ファイバ14の出射端14aは、該出射端14aからの出射光をコリメートレンズ15に入射できるように、コリメートレンズ15の端面15a(プリズム12bからの突出先端の端面)に対面配置される。光ファイバ14の出射端14aは、コリメートレンズ15の端面15aに突き合わせ状態にしておくことが好ましい(図2(a)〜(c)では、突き合わせ状態を示す)。
SPR測定用の光ビームは、光ファイバ14の出射端14aから、コリメートレンズ15を介してセンサ部12(詳細にはプリズム12b)に入射されて、金属薄膜12aに照射される。前記コリメートレンズ15のセンサ部12に対する位置は固定である。
コリメートレンズ15は、屈折率分布型のロッド型レンズであり、光ファイバ14からの出射ビームを拡大し、プリズム12bに入射させるSPR測定用の平行ビーム18を形成する機能を果たす(図2(a)〜(c)参照)。図4に示すように、コリメートレンズ15は、光ファイバ14からの放射光を平行光にコリメートできるように、長さ(光軸に沿った方向の寸法)を調整してある。平行ビーム18は、コリメートレンズ15からの出射時のビーム径を保ったまま、センサ部12の金属薄膜12aに到達する。
受光部16としては、単一画素の受光素子16aを用いたものを採用している。
但し、受光素子16aは、センサ部12の金属薄膜12aに対する位置、向きを固定しておく。
図2(a)〜(c)に示すように、ここで例示するファイバ移動機構17は、光ファイバ14の出射端14aの移動は、前記出射端14aの光軸14pがコリメートレンズ15の光軸(O−O’)と平行な状態を保ったまま、出射端14aを、コリメートレンズ15の光軸に対して垂直の方向に移動するものである。
このSPRセンシングシステム11では、ファイバ移動機構17によって、光ファイバ14の出射端14aを、コリメートレンズ15の光軸に対して垂直の方向に移動することで、コリメートレンズ15からセンサ部12への平行ビーム18の入射角度を変化させる。つまり、光ファイバ14の出射端14aの移動によって、コリメートレンズ15からセンサ部12へ入射される平行ビーム18が偏向され、センサ部12の金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射角度が変わる。
図2(a)に示すように、光ファイバ14の出射端14aを、コリメートレンズ15の光軸(O−O’)から距離d1だけずらすと、θ1の傾斜角度を以て、光ファイバ14の光軸14pからコリメートレンズ15の光軸(O−O’)の側に傾斜するように偏向された平行ビーム18が形成される。
図2(c)は、光ファイバ14の出射端14aを、コリメートレンズ15の光軸(O−O’)に対して、図2(a)とはコリメートレンズ15の光軸(O−O’)を介して反対の方向に距離d2だけずらした場合を示す。この場合も、θ2の傾斜角度を以て、光ファイバ14の光軸14pからコリメートレンズ15の光軸(O−O’)の側に傾斜するように偏向された平行ビーム18が形成される。
なお、図2(b)の光ファイバ14の出射端14aの配置位置は、光ファイバ14の光軸14pを、コリメートレンズ15の光軸(O−O’)と一致させた場合を示す。この場合は、コリメートレンズ15の光軸(O−O’)と同軸に延在する平行ビーム18が形成される。
このSPRセンシングシステム11では、ファイバ移動機構17による光ファイバ14の出射端14aの移動で、金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射角度を変更し、複数の測定角度について金属薄膜12aからの反射光強度を測定することで、SPR測定用の角度スペクトルの推定に必要なデータの取り込みを行える。ファイバ移動機構17による光ファイバ14の出射端14aの移動で、金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射角度の変更を細かく行うことで、SPRの測定精度の向上のための測定角度を簡単に増加させることができ、角度分解能を向上できるから、測定精度の向上を容易に実現できる。これにより、多種多様な被検試料に対応できるようになり、測定対象の被検試料(検体)の幅を拡げることができる。
コリメートレンズ15に対する光ファイバ14の相対移動(コリメートレンズ15の光軸に垂直の方向への移動)で平行ビーム18の偏向をコントロールする方式は、安価で単純な装置構成によって、高い角度分解能を確保できる点で好ましい。
センサ部12に対する平行ビーム18の入射角度を変えるための構成としては、例えば、回転ステージやゴニオステージなどを用いて光ファイバ14の角度を変える方式も考えられるが、これらステージ装置はステージ単体の角度分解能が不充分である。カム、クランク等を用いて角度分解能を上げることも可能であるが、装置構成が複雑かつ高価になり、また、操作も複雑となる。
これに対して、本発明に係るSPRセンシングシステム11のように、コリメートレンズ15に対する光ファイバ14の相対移動(コリメートレンズ15の光軸に垂直の方向への移動)で平行ビーム18の偏向をコントロールする方式では、余計な部品が必要無く、装置の単純化、それによる低コスト化の点で優れており、角度分解能も高い。また、光ファイバ14の移動のための、光ファイバ移動機構17の各構成部材の移動距離も小さくて済むので、SPR測定を高速で行うことができ、しかも、振動などによる精度誤差の発生も大きく低減できるために測定精度を安定確保できるといった利点もある。
なお、以下の表1は、コリメートレンズ15の焦点距離と、コリメートレンズ15からセンサ部12への平行ビーム18の入射角度(コリメートレンズ15の光軸に対する垂直方向への光ファイバ14の移動量1μmあたりの入射角度の変化)との関係を纏めたものである。
Figure 0004679962
このSPRセンシングシステム11でも、受光部にエリアセンサを用いた従来構造のSPRセンサの場合と同様に、金属薄膜12aにおける測定可能範囲は、受光素子16aの大きさで決まる。但し、このSPRセンシングシステム11は、光ファイバ14の出射端14aのコリメートレンズ15に対する相対位置の変化によって、SPR測定の角度情報を取り込める、といった特徴を有するものであり、角度分解能は、受光部16の受光素子16aの金属薄膜12aからの距離に依存しない。したがって、受光素子16aの金属薄膜12aからの距離を短くすることができ、受光素子16aのサイズの小型化を図れる。しかも、受光部16は、受光素子16aの、センサ部12の金属薄膜12aに対する位置、向きが固定であり、受光素子16aを移動するための機構が不要である。
このため、このSPRセンシングシステム11では、受光部16の小型化及び低コスト化を実現でき、SPRセンシングシステム11の装置全体の小型化及び低コスト化を容易に実現できる。
また、受光部16は、安価な単一画素の受光素子16aを用いて構成すれば良いので、エリアセンサあるいはラインセンサを用いた従来構成の受光部に比べて、大幅な低コスト化を図れることは言うまでも無い。
また、このSPRセンシングシステム11では、光ファイバ14の出射端14aの移動によって、センサ部12の金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射角度のみならず、金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射位置をも変更されるため、結果的に、金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射範囲が拡がることとなる。これにより、測定に必要な照射範囲も充分に確保される。
ファイバ移動機構17としては、光ファイバ14の出射端14aを、コリメートレンズ15の光軸に対して垂直の方向に移動して、コリメートレンズ15からセンサ部12への平行ビーム18の入射角度を変化させる機能を有するものであれば良く、様々な構成のものを採用できる。
図1に例示したファイバ移動機構17は、光ファイバ14の出射端14aを移動する駆動源としてのモータ17a(電動モータ)と、駆動回路17bと、前記モータ17aの駆動用のドライバー17cと、エンコーダ17dとを具備した概略構成になっている。
このファイバ移動機構17では、駆動回路17bにスタートトリガ信号17eが入力されることで、駆動回路17bからの出力信号によってモータ17aが回転駆動される。ファイバ移動機構17は、モータ17aによって回転される精密ネジ(図示略)を具備しており、この精密ネジの回転によって、光ファイバ14の出射端14aが該出射端14aを取り付けたファイバ取付部(図示略)とともに精密ネジの軸方向に移動される。
前記エンコーダ17dは、例えばロータリーエンコーダであり、精密ネジの回転量(予め設定しておいた基準位置からの回転量)を検知し、この回転量に係る情報を入射角度変更機構(ファイバ移動機構17)によってコリメートレンズ15に対して相対移動される光ファイバ14の位置情報として出力する光ファイバ位置検出手段として機能する。
受光部16は、該受光部16の受光素子16aでの受光データを記憶するための記憶回路16bと電気的に接続されている。受光部16と記憶回路16bとの間には、アンプ16cが接続されている。
記憶回路16bは、エンコーダ17dとも接続されており、エンコーダ17d(光ファイバ位置検出手段)から入力される角度情報(前述の回転量)をトリガ信号として、受光部16から受光素子16aでの測定データ(反射光強度に係るデータ)を取り込み、角度情報(前述の回転量。換言すれば平行ビーム18の照射角度)と対応付けて記憶する記憶手段として機能する。
一つの検体(センサチップ)について、測定精度の確保に鑑みて、3以上の照射角度(換言すれば、平行ビーム18のセンサ部12への入射角度)について、それぞれに対応する反射光強度の測定データを取得することが好ましい。
このSPRセンシングシステム11では、光源13からの出力光がほぼ全て受光部16に照射される。このため、センサチップに照射されるビームの光量を充分に確保でき、測定所要時間を短縮できる。測定に要する時間は、1点あたり0.1msec程度であった。
このSPRセンシングシステム11では、モータ17aの駆動によって、光ファイバ14(詳細には出射端14a)を連続的に移動(コリメートレンズ15の光軸に対して直交方向の移動)させながら、エンコーダ17dからの信号をトリガとして、受光部16での光量測定を連続的(詳細には、トリガ信号の入力の度に、測定値を取り込むこと)に行うといったことも可能である。但し、この場合、一回分の測定を、予め設定しておいた原点位置から、コリメートレンズ15の光軸に直交する特定の1方向への移動で行うようにする。測定精度の確保に鑑みて、一回分の測定で、3以上の照射角度(換言すれば、平行ビーム18のセンサ部12への入射角度)について、それぞれに対応する反射光強度の測定データを取得することが好ましい。
一例として、図5(a)〜(c)に示すように、光ファイバ14(詳細には出射端14a)をコリメートレンズ15の光軸からずれた位置に配置する原点位置(図5(a)の位置)から、光ファイバ14を、コリメートレンズ15の光軸に直交する特定の1方向への移動で、コリメートレンズ15の光軸と一致する位置(図5(b)の位置)を経由して、コリメートレンズ15の光軸から前記原点位置とは反対の側にずれた所に設定した終点位置(図5(c)の位置)まで移動させる。これにより、精密ネジのバックラッシュによって光ファイバ14の移動精度誤差が発生することを防止できる。図6(a)、(b)に示すように、終点位置に至った光ファイバ14を原点位置に戻して、次の、一回分の測定を実行する。これを繰り返すことで、測定精度を確保しながら、測定を繰り返し実行できる。
上述した構成のファイバ移動機構17では、モータ17a(電動モータ)として、ステッピングモータ等の高価なものを使用する必要は無く、安価で簡単に入手できる直流モータで足りる。ステッピングモータの採用よりも、直流モータとエンコーダ17dとの組み合わせの方が、コスト面で有利である。
また、ファイバ移動機構17としては、上述したように、モータ17aの駆動によって光ファイバ14を移動する構成に限定されず、例えば、前述した精密ネジの回転を手動で行えるようにした構成(以下、手動操作方式とも言う)も採用可能である。手動操作方式も、エンコーダ17dとの組み合わせで、回転角度を検知できるようにしたものを意味する。
本発明者等の検討の結果、直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式、及び、手動操作方式のいずれでも、精密ネジのバックラッシュの影響を回避するために、一回分の測定における光ファイバ14の移動を、原点位置から終点位置までの一方向の移動とし、しかも、この移動を、途中で停止することなく原点位置から終点位置まで連続的に行うことで、充分な測定精度を高い再現性を持って確保できることが判明した。また、光ファイバ14の移動速度が一定に保たれる必要は無く、移動速度が不安定であっても、エンコーダ17dからのトリガ信号によって、所望角度(ここでの「角度」は、センサ部12の金属薄膜12aに対する平行ビーム18の照射角度)での受光部16での受光量(反射光強度)の測定が可能であり、再現性の高い充分な測定精度を確保できることが判った。したがって、直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式、及び、手動操作方式は、いずれも、低コストで充分な側定精度を確保できる点で好ましい。
試作機による実験の結果、測定データの角度分解能は、100点のロータリーエンコーダとレンズ絞り値f=2.0mmのコリメートレンズ15との組み合わせで、0.035degであった。また、3°の測定範囲(光ファイバ14が原点位置から終点位置へ移動した際の入射角度の差が3°)で100点の測定を行うために要した時間は1.0secか、それに達しない長さであった。
なお、この入射角度変更機構17(ファイバ移動機構)によるコリメートレンズ15に対する光ファイバ14の移動は、非常に狭い範囲内での微動であり、繰り返し測定による機構部分の発熱、線膨張による誤差の発生を抑えられるといった利点もある。
この利点は、センサ部12に固定したコリメートレンズ15に対して、該コリメートレンズ15の光軸に垂直の方向に光ファイバ14を相対移動して、センサ部12への測定用ビームの入射角度を変更する、本発明に係る入射角度変更機構17の構成に起因するものである。この利点は、入射角度変更機構17としては、例えば、ステッピングモータを利用したもの等も採用できるが、本発明に係る各種構成の入射角度変更機構17について共通して言えるものである。
ファイバ移動機構17としては、上述の直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式、及び、手動操作方式の他、光ファイバ14の移動に、例えば、既に述べたステッピングモータを利用した方式や、ピエゾ素子を利用した方式等も採用可能である。但し、コストの点で、直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式、及び、手動操作方式の採用が好ましい。
なお、表2は、ピエゾ素子を利用した方式(表2中の「ピエゾ」)、ステッピングモータを利用した方式(表2中の「ステッピングモータ」)、直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式(表2中の「モータ・エンコーダ」)について、位置分解能、誤差、ダイナミックレンジを纏めたものである。この表2から、直流モータとエンコーダとを組み合わせた方式の位置分解能、誤差(精度)、ダイナミックレンジが、ステッピングモータを使用した方式と同等レベルであることが明らかである。
Figure 0004679962
(偏波保持光ファイバによる導光について)
光ファイバ14(偏波保持光ファイバ)を用いて、光源13からの出力光をコリメートレンズ15に導く構成は、コリメートレンズ15からセンサ部12に照射される平行ビーム18の収束性を良好に確保し、測定用光ビームのスポットサイズを小さくできる点で有効である。
例えば、光ファイバ14を用いずに、光源13からの出力光を、直接、コリメートレンズに入射すると、コリメート後のビームのスポットサイズが極端に大きくなるか、あるいは、ビームの収束性が著しく劣化する。
(ビーム径について)
SPRセンサにおいて、測定用ビーム径を小さくすることは重要である。なぜならば、ビームサイズが大きくなると、ビームが照射されるセンサチップも大きくせざるを得なくなるからである。これは、被測定物(被検試料)の量を少なくするために、測定部分は小さいことが、強く望まれるためである。
(ビームの収束性について)
また、ビームの収束性が劣ると、センサ部へ入射するビームの入射角度が厳密に一つの角度ではなく、角度幅を持つこととなる。このことは、角度分解能の低下に直結するため、測定精度上、重要な問題である。
一般に、半導体光源以外の光源では、出射ビームサイズが極端に大きい。
ここで、光ファイバ14を用いて光源13からの出力光をコリメートレンズ15に導く構成の採用が有利な理由を、半導体光源を用いた場合で説明する。
(ビーム径について)
半導体光源を用いた場合、センサ部12に入射する平行ビームを形成するには、凸レンズを用いるしかない。例えば、ロッド型レンズ(ファイバレンズ)に対しては物理結合できない(後述のように、ロッド型レンズであるコリメートレンズ15は、スポットサイズの小さい平行ビームの形成に有利である)ため、半導体光源からの出力光をロッド型レンズに直接入射して測定用の平行ビームを得る、といった構成を採ることはできない。
凸レンズを用いると、焦点距離の制約により、該凸レンズでコリメート後のビーム径が原理的に大きくなるという問題が発生する。
原理的には、複数の凸レンズを利用することによって、ロッド型レンズに光を導くことは可能であるが、必要なレンズの材料費、レンズ位置を調整する手間を考えると、非現実的である。
したがって、出射端14aからの出射ビームを、直接、屈折率分布型のロッド型レンズに結合できる光ファイバ14を、光源13からの出力光の導光に光ファイバ14を採用することが、構成の単純化、装置の小型化、低コスト化の点で有利である。
(ビームの収束性について)
ビームの収束性が劣化するのは、一般に、半導体光源のもつ開口が非常に大きいためである。光ファイバでも、開口数(NA)が大きく、ニアフィールドパターン(NFP)が大きなものについて、同様のことが言える。
本発明者等が検討した結果、ビーム径w(μm)と開口数(NA)との積が1.2μm(つまり、w×NA=1.2(μm))となるように作製した光ファイバ(例えば、ビーム径10μmのときにNA=0.12)では、レンズによって良好な収束性を持つ平行光が得られることを確認した。このように、良好な収束性を持つ平行光が得られる結果、充分な角度分解能を確保できることも確認できた。
ビーム径の大型化と収束性の劣化とを両方とも解消するには、光源からの出力光を、測定用の平行ビームを形成するためのレンズに導光するための導波路が、w×NA=1.2(μm)の条件を満たすものに限られる。換言すれば、w×NA=1.2(μm)を満たす導波路であれば、小さいビーム径でかつ収束性の良いビームを形成できる。
上述したSPRセンシングシステム11において、屈折率分布型のロッド型レンズであるコリメートレンズ15の採用は、空間型のレンズよりも小さなビームまでコリメートできるといった利点がある(空間型レンズの1/5程度のビーム径までコリメート可能)。例えば、前述した半導体光源と通常の空間型レンズとの組み合わせでは、平行光(平行ビーム18)のビームスポットが直径1.0mm程度になり、このためチップサイズも6mm角以上の大きさ(一辺6mm以上の矩形チップ)にせざるを得なくなる。ちなみに、直径400μmのロッド型レンズでビームスポットは200μmである。ビームサイズを小さくできるということは、センサチップを小さくできるということと等価である。屈折率分布型のロッド型レンズであるコリメートレンズ15の採用は、空間型のレンズを用いた場合に比べて、被測定物(被検試料)の量も1/5〜1/25以下に減少させることができる。
光ファイバ14を用いて、光源13からの出力光をコリメートレンズ15に導く構成は、空間型レンズによる導光に比べて、構成が極めて単純であり、SPRセンシングシステム11全体の小型化、低コスト化に寄与することは言うまでもない。
以上、説明したように、本発明に係るSPRセンシングシステム11は、半導体レーザやLEDといった小型かつ安価な光源13を用い、光源13からの出力光のコリメートレンズ15への導光を偏波保持光ファイバ14の使用によって極めて単純かつ安価な構成で実現し、さらに、光ファイバ14の出射端14aをファイバ移動機構17でコリメートレンズ15の光軸に対して相対移動してセンサ部12のセンサチップに対する測定ビーム(平行ビーム18)の照射角度を変更できるようにしたことで、受光部16の小型化及び低コスト化を実現したものである。
したがって、このSPRセンシングシステム11は、従来構成のSPRセンサ(SPRセンシングシステム)に比べて、大幅な小型化、低コスト化を実現できる。
また、空間型レンズを使用した場合には、レンズの、光源及びセンサ部に対する位置調整に手間が掛かるが、前記SPRセンシングシステム11ではこのような手間が発生しないなど、取り扱い性が良好であるといった利点がある。受光部16の受光素子16aの設置位置は固定であり、一箇所で足りる。しかも、前述した第2検討例のように、SPR角度を予測し、予測位置の複数箇所に受光素子を配置するといった手間は不要である。このため、受光素子16aの設置位置の設定、受光部16の組み立てに要する手間を格段に省力化でき、この点でも、取り扱い性が良好であると言える。
さらに、全体を一体化した、可搬性の良好な可搬型装置とすることも可能である、といった利点もある。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
上述の実施形態で例示した、センサ部12に固定したコリメートレンズ15に対して、光ファイバ14の出射端14aをファイバ移動機構17で相対移動する構成は、静止状態のセンサ部12及びコリメートレンズ15に対して、入射角度変更機構(ファイバ移動機構17)によって、光ファイバ14の出射端14aが相対移動される構成を意味する。但し、本発明はこれに限定されず、装置機体に固定した光ファイバ14の出射端14aに対して、センサ部12と該センサ部12に固定したコリメートレンズ15と受光部16とからなるセンサユニットを、出射端14aの光軸に垂直の方向に相対移動するようにした構成も採用可能である。
この場合、入射角度変更機構として、ファイバ移動機構17に代えて、前記センサユニットを光ファイバ14の出射端14aに対して相対移動するもの(センサユニット移動機構)を採用する。但し、ファイバ移動機構17を採用した装置構成の方が、センサユニット移動機構を採用した装置構成に比べて、構成が単純で済み、小型化、低コスト化の点で有利である。
本発明に係る光センシングシステムの適用範囲はSPRセンシングシステムに限定されず、例えば、アッベ式屈折率計など、各種の臨界角測定用の測定器等にも応用できる。また、ブリュースタ角測定のための測定器にも同様に応用できる。
本発明の一実施形態のSPRセンシングシステムの構造を示す全体図である。 (a)〜(c)は、図1のSPRセンシングシステムにおける、コリメートレンズに対する光ファイバの相対移動と、センサ部に入射される測定用ビーム(平行ビーム)の向きとの関係を示す図である。 (a)、(b)は、図1のSPRセンシングシステムにおける、コリメートレンズに対する光ファイバの相対移動と、センサ部に入射された測定用ビームのセンサチップからの反射光の向きとの関係を示す図である。 図1のSPRセンシングシステムにおける、光ファイバからの放射光のコリメートレンズ(ロッド型レンズ)によるコリメート状態を示す図である。 (a)〜(c)は、図1のSPRセンシングシステムにおける、コリメートレンズに対する光ファイバの相対移動を、コリメートレンズの光軸に対して垂直の一方向で行う移動方式を説明する図である。 (a)、(b)は、図1のSPRセンシングシステムにおける、コリメートレンズに対する光ファイバの相対移動を、コリメートレンズの光軸に対して垂直の一方向で行う移動方式を説明する図である。 従来例のSPRセンサを示す全体図である。 典型的なSPRスペクトルを示す図である。
符号の説明
11…光センシングシステム(表面プラズモン共鳴センシングシステム)、12…センサ部、12a…金属薄膜、12b…プリズム、13…光源、14…光ファイバ、14a点出射端、15…コリメートレンズ、16…受光部、16a…受光素子、17…入射角度変更機構(ファイバ移動機構)、18…平行ビーム。

Claims (6)

  1. 光源からの出力光を検体に照射し、検体からの反射光から検体に係る情報を取得する光センシングシステムにおいて、
    前記検体が設けられるセンサ部と、
    該センサ部の検体に照射する光を出力する光源と、
    この光源からの出力光を前記センサ部に導くための光ファイバと、
    前記センサ部に固定して設けられ、前記光ファイバからの放射光を前記検体に照射する平行ビームとして前記センサ部に入射させる屈折率分布型のロッドレンズであるコリメートレンズと、
    前記平行ビームが前記検体から反射した反射光の強度を測定するための受光部と、
    前記光ファイバを、前記コリメートレンズに対して、該コリメートレンズの光軸に垂直の方向に相対移動させることで、前記平行ビームのセンサ部への入射角度を変更する入射角度変更機構
    とを具備し、
    前記入射角度変更機構は、予め設定しておいた原点位置から終点位置まで、光ファイバを、コリメートレンズの光軸に直交する特定の1方向に連続的に移動するようになっていることを特徴とする光センシングシステム。
  2. 前記センサ部が、被検試料を接触させる表面プラズモン励起用の金属薄膜が設けられたプリズムを有するものであることを特徴とする請求項1記載の光センシングシステム。
  3. 前記入射角度変更機構は、該入射角度変更機構によってコリメートレンズに対して相対移動される光ファイバの位置情報を出力する光ファイバ位置検出手段を具備し、
    前記光ファイバ位置検出手段に、前記受光部から入力される受光データを、前記光ファイバ位置検出手段から出力される位置情報に対応付けて記憶する記憶手段が接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光センシングシステム。
  4. 前記入射角度変更機構が、光ファイバを原点位置から終点位置まで連続的に移動する動作中に、
    前記記憶手段が、3つ以上の入射角度に対応する受光データを前記受光部から取得して、入射角度に対応付けて記憶するようになっていることを特徴とする請求項記載の光センシングシステム。
  5. 前記記憶手段の前記受光部からの受光データの取り込みが、前記センサ部への平行ビームの入射角度を検出するエンコーダからの信号をトリガとして行われるようになっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の光センシングシステム。
  6. 前記光ファイバが偏波保持光ファイバであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光センシングシステム。
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