JP4679780B2 - 機械的伸長神経細胞およびこれらの細胞の産生および使用方法 - Google Patents

機械的伸長神経細胞およびこれらの細胞の産生および使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4679780B2
JP4679780B2 JP2001516552A JP2001516552A JP4679780B2 JP 4679780 B2 JP4679780 B2 JP 4679780B2 JP 2001516552 A JP2001516552 A JP 2001516552A JP 2001516552 A JP2001516552 A JP 2001516552A JP 4679780 B2 JP4679780 B2 JP 4679780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
neurons
membrane
elongated
axon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001516552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003507089A5 (ja
JP2003507089A (ja
Inventor
エイチ. スミス,ダグラス
Original Assignee
ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティー オブ ペンシルヴァニア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティー オブ ペンシルヴァニア filed Critical ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティー オブ ペンシルヴァニア
Publication of JP2003507089A publication Critical patent/JP2003507089A/ja
Publication of JP2003507089A5 publication Critical patent/JP2003507089A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4679780B2 publication Critical patent/JP4679780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0618Cells of the nervous system
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
    • C12M35/04Mechanical means, e.g. sonic waves, stretching forces, pressure or shear stimuli
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0618Cells of the nervous system
    • C12N5/0619Neurons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Description

【0001】
[序論]
本発明は、米国合衆国政府からの基金(NIH助成金第AG12527号)により一部後援されており、したがって合衆国政府は、本発明にある種の権利を有し得る。
【0002】
本出願は、米国特許仮出願第60/149,408号(1999年8月17日提出)の利益を主張する。
【0003】
[発明の背景]
米国では、毎年約12,000人の人々が何らかの形態の脊髄損傷(SCI)に罹患し、200,000人を上回る人々がSCIから慢性麻痺になっている。SCIのための一般的療法としては、外科手術、薬剤療法および長期リハビリテーションが挙げられる。しかしながら神経組織の広範な損失およびこのような組織の乏しい再生能力のために、一般的療法の成功は限定されている。当該損傷は、脳および四肢間の二方向性神経信号の連続性の損失である。ほとんどのSCIにおいて、脊髄の病変領域は、数センチメートルの長さに達する。したがって、これらの場合のニューロン再結合は、非常に難しい。
【0004】
損傷に関連した欠損を低減し、機能的回復を促すための、SCIの領域への神経組織の移植のための方法が、目下開発中である。動物での研究では、病変化脊髄領域への胚組織移植片は、生き残り、そして脊髄のある領域を再神経支配することが示されている(Bjorklund et al. 1986. Neuroscience 18:685-698; Buchanan and Nornes, 1986, Brain Res. 381:225-236; Moorman et al. 1990. Brain Res. 508:194-198; Ribotta et al.1996. Brain Res. 707:245-255)。このような研究は、損傷後の移植の時期、および移植される細胞の種類により、試みられる移植の成功に影響が及ぼされる、ということを示している。これらの移植研究は、ex vivoドナー物質を用いた神経線維結合の再開に、または誘引物質分子により長い神経線維を成長させる試みに集中していた。しかしながら移植へのアプローチで、数ミリメートルより長い距離を上回って神経線維を成長させるのに成功した例はなかった。
【0005】
末梢神経の移植、無傷胎児脊髄の移植、始原細胞の移植、幹細胞の移植または神経組織からの解離細胞の移植を含めた脊髄損傷病変を架橋するか、または充填する方法として、種々の方法が用いられてきた(McDonald, J.W. 1999, Sci.Amer. 281:64-73; Zompa, E.A.et al., 1997, J. Neurotrauma 14:479-506)。これらの技法のいくつかは、脊髄損傷の動物モデルにおける機能的結果の改善を生じた。しかしながら機能改良は、移植片による脊髄信号の再開に直接寄与しなかった。むしろ、これらのモデルにおける移植組織の主な利点は、損傷周囲の宿主組織のための物理的および生化学的支持である、と提唱された(Stichel, C.C. and H.W. Muller, 1998.Prog. Neurobiol. 56:119-148; Anderson, D.K. et al.1995.Brain Pathol. 5:451-457)。これらの研究は有望であるが、しかし脊髄病変により軸索連結を再確立するという目標は未だ実現されていない。
【0006】
鶏感覚ニューロンからの単一軸索成長円錐における短期緊張が「ひき成長(towed growth)」を生じた研究が示された(Bray, D. 1984.Develop.Neurobiol. 102:379-389; Lamoureux, P. et al.1989.Nature 340:159-162;Zheng,J. et al.1991.J.Neurosci. 11:1117-1125)。ほとんど理解されてはいないが、しかし、この成長メカニズムは一般に、胚発生および発育中のシナプス化CNS軸索に生じると考えられる。シナプス化軸索路は成長を示さないため、それからの円錐は生物体の成長に適合するよう延びる。軸索伸長は、軸索の中心長における再組織化および構築から起こらなければならない。軸索に沿った連続緊張力がこの長さの成長を誘発し得る。
【0007】
したがって、移植片のために用いられる細胞の伸長は有益である。他の種類の細胞に関する試験は、機械的方法を用いて細胞を伸長し得ることが示されている。例えば、ヒト内皮細胞に関する研究は、この細胞の機械的伸長が細胞配向およびサイズ、ならびに細胞形態および機能の変化をもたらすことを示している(Yano et al. 1997, J.Cell Biochem. 64:505-513; Shirinsky et al. 1989. J. Cell Biol. 109:331-339; Galbraith et al. 1998.Cell Motil. Cytoskel. 40:317-330)。ある研究では、神経細胞の機械的伸長は、動力学的伸長損傷に対するこれらの細胞の高耐容性を実証した(Smith et al. 1999, J. Neurosci. 19:4263-4269)。しかしながら機械的伸長による細胞の伸長に関する研究の焦点は、機能、または損傷から回復する能力を細胞が失う前に耐容され得る伸長の程度に、そして細胞損傷モデルにおけるこれらの細胞の考え得る使用に集まっていた。
【0008】
機械的伸長神経細胞が産生され、損害脊髄組織を再結合し、神経信号の流れを再開するために用いられ得る、ということがここに見出された。
【0009】
[発明の概要]
本発明の目的は、機械的伸長神経細胞を含む組成物を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、伸長細胞の産生方法であって、選択細胞を培養すること、上層膜および下層膜上に、培養細胞が両膜を覆うように培養細胞を平板培養すること、および培養細胞が機械的に伸長され、伸長細胞により連結される2つの集団に分割されるように、上層膜を下層膜を横断する(across)ようにモータで動く装置を介して動かすことを含む方法を提供することである。好ましい実施形態では、この方法はN−tera2細胞のような神経細胞で行われる。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、神経損傷の処置方法であって、神経損傷を蒙った動物の神経に伸長神経細胞を損傷部位に移植することを含む方法を提供することである。
【0012】
[発明の詳細な説明]
脊髄の主要な機能的構成は、ミエリン化軸索およびニューロンである。信号は、標的身体領域と連絡する脊髄ニューロンとシナプスを形成するこれらの軸索を介して脳から胴体および背中へ移動する。麻痺は、損傷部位より下の連絡を断絶する軸索損害により二方向性信号伝達が遮断されるときに発症する。このような損傷からの回復の鍵となるのは、軸索移植である。しかしながら、ニューロンから成長し、次に化学的誘引物質により隣接神経細胞に導かれる軸索は、SCIに必要な距離、即ちミリメートルでなくセンチメートルの距離で成長することができなかった。
【0013】
ニューロンの2つの集団が、他の従来技術の方法では可能でなかった距離に亘って伸長軸索細胞により連結することができるように、神経細胞を伸長させるための機械的装置がここに開発された。従来の研究は、軸索が、歪みまたは伸長に対して短期耐容性を示すことを明示しているが、しかし長期伸長を耐容し、次に首尾よく伸長し、そして依然として生育可能である、軸索細胞の能力は、従来は示されていなかった。
【0014】
細胞を伸長させるために、着脱可能な蓋およびガラス底、ならびにガス交換口を有するプレキシグラス箱を含む封入細胞培養系が開発された。内側底面には、ニューロン結合用の長方形吸収性膜(基材:Lactosorb, BioMet, Inc., Warsaw Indiana)が適所に固定された。組織中への移植のためにより適合性があるので、生物学的吸収性膜が選択された。一端付近に下層膜の露呈領域を残して、別の短い膜が上部に配置された(図1参照)。この上層膜は、2つのスチール製ロッドにより駆動される可動性バーに固定された。下層膜上にわたる上層膜の動きは、モータテーブルアセンブリ(Servo Systems Inc., Montville, NJ)およびマイクロステッパーモータ(Pacific Scientific Rockford, IL)の活性化により実施された。動きの制御は、リニアテーブル(Aerotech, Irvine, CA)、エンコーダ(Remco Endoders, Inc., Goleta, CA)およびインデクサ/ドライバ(Panther, Intelligent Motor Systems, Malborough, CT; QuickStep II Driver Software)を用いてコンピュータ駆動された。
【0015】
任意の細胞が、この装置により伸長され得る。「伸長細胞(elongated cells)」とは、それらが、本発明の方法により伸長されなかった細胞と比較した場合に長さの増大を示すよう改質された細胞を意味する。本発明の好ましい実施態様では、当該装置は、伸長されたニューロンを含む組成物を生成するために用いられる。伸長細胞のほかに、当該組成物は培地および選択増殖因子をさらに含み得る。伸長されるニューロンは、種々の動物種、例えばヒトから得られ、濾過により単離される。あるいは神経細胞株、例えばN−tera2細胞株が伸長され得る。この装置を用いて、軸索またはニューロンは、伸長の1日後には0.2cmより長く、そして伸長5日後には1cmより長く伸長され得る、ということが示された。
【0016】
ニューロンを伸長させるこの装置の能力は、N−tera2細胞株および一次ラットニューロンを用いて実証された。細胞(約1000万個)を上層膜および下層膜の外側縁上に平板培養した。細胞は、3〜7日間培養中に残存し、その時間は、膜へのニューロンの付着、および神経線維(軸索および樹状細胞)の成長を可能にして、ニューロン間に網状構造を形成させた。したがって、上層膜および下層膜の両方を覆う単一ニューロン網状構造が確立された。次に装置のドライバが活性化され、ステッパーモータが、5分毎に3.5〜7μmまたは1〜2mm/日の速度で下層膜上を上部(上層)膜を動かした(図1参照)。この膜の移動はニューロン培養を、軸索の束で架橋された2集団に分割する(図2参照)。軸索は1cmに及ぶ距離までもの伸長に容易に適応した(図3および4参照)。
【0017】
5分毎に3.5μmの段階速度を用いて、伸長により形成されていた2つの半分体をさらに離して漸進的に動かすと、拡張中心領域に非ニューロン性細胞体が少数存在することが判明した。しかしながらこの拡張中心領域を架橋するのは、直径3〜40μmの軸索の多数の大きな束であった。この束は、分離前に上層膜と下層膜との間の分裂線と交差していた軸索の繊維束路から生じた。これらの束路は、本発明の方法による伸長の前は無作為方向性配向を有したが、拡張間隙と交差する軸索束は漸次直線配向で平行に整列されるように推定された(図4参照)。これらの架橋軸索は、それらがその元の長さまたは100〜200μmの長さを増大し、あるいは7日間の延伸成長(stretch-growth)で7mmより長くなった場合でも、伸長に容易に適応するようであった。これらの架橋軸索は、太さならびに長さが成長した。特に、ニューロン集団の縁での軸索束の塚が、伸長中により広くなった(図3参照)。一般的肥厚のほかに、延伸成長中に隣接軸索束が一緒に接合するのが認められた。したがって、ニューロンの2つの集団を架橋する軸索の繊維束路は漸進的により少なく、しかしより幅広くなった。1μm未満の典型的軸索直径の場合は、大型束は1000本より多い軸索を含有すると概算された。これらの軸索の相対的に急速な延伸成長にもかかわらず、細胞を含入するフラスコを撹拌すると、軸索束の側方運動が観察されたが、これは軸索束中に依然として何らかの弛みが存在し、軸索束の中心部分が膜に結合されていなかったことを示す。しかしながら間隙の縁に最も近い束の領域は、下層膜に付着しているように見えた。
【0018】
これらの結果は、連続的機械的引張りに応答したシナプス形成化CNS軸索の大型束路の実質的漸進的成長の第一の実証である。さらに、これらのデータは、最初に、軸索束の機械的伸長が大型束路に統合することを示す。さらに、伸長された軸索/ニューロン培養は、依然として移植片物質として用いるために十分に可変性であった。これらの試験は7日の延伸成長で終結されたが、しかしこれらは、より長期間の延伸成長によりさらなる伸長が達成され得ないことを示したわけではない。
【0019】
伸長速度を3.5μm/5分から7μm/5分に倍増すると、軸索束のほぼ全体的な閉塞が生じ、3日の伸長で間隙に及んだのは数個の残りのものだけであった。したがって、伸長速度に関しては、長期伸長の耐容性に限界があり、これは、それらの成長円錐から引っ張られた単一軸索の短期伸張に関して前に報告された耐容性より低い。
【0020】
本発明の伸長神経細胞を含む組成物は、SCIならびにその他の神経損傷患者のための移植片物質の供給源として有用である。本発明の方法により産生された細胞の移植のための方法は、細胞移植の業界の当業者に周知である。
【0021】
一実施形態では、機械的伸長ニューロンは、移植細胞が個体の神経機能に取って代わり、その神経を再結合して、損傷を治療し、そうでなければ改善するよう、生細胞に最も近い病変部の両端に移植される。ニューロンは、損害神経の作用(processes)の代わりをして、それにより損害神経網状構造を修復するようそこから発生する作用を可能にする位置に移植される。したがって、本明細書中で用いる場合、「神経損害部位またはその付近」という用語は、破壊、損害、または機能不全神経細胞に取って代わるために、および/または破壊、損害または機能不全神経細胞に起因する機能を回復させるために、神経細胞が移植される位置を指すことを意味する。その位置は、このような移植細胞が、破壊、損害または機能不全神経細胞の代替細胞として発達し得る、かつ破壊、損害または機能不全神経細胞により失われた機能を回復するために必要な連結を為し得る部位であると定義される。
【0022】
移植戦略は、脊髄病変の長さに伸長軸索培養の長さを適合させることである。移植片は、軸索束の両端のニューロンが脊髄病変の末端縁の生育可能組織に近接して存在するように、病変部に培養細胞を伴う膜を配置することにより進行する。脊髄修復のほかに、移植片物質は、他の種類の神経損傷、例えば視神経損害および末梢神経損害のための架橋として用いられ得る。末梢神経損害修復のための伸長軸索の移植片は、CNSと比較して、末梢神経系におけるより寛容な神経成長環境のために、最も最適であり得る。
【0023】
in vivoでの軸索再生および機能回復を促すための移植伸長ニューロンの能力は、脊髄損傷の動物モデルを用いて実証され得る。例えば成体ラットが、外科的に麻酔され、無菌手術準備がなされる。これらの試験ために、ラットを先ず、一上肢における機能損失を引き起こすC3〜C4の椎弓切除および頚椎半側切断を施す前に、前足機能を評価するために、「階段試験」で訓練する。半側切断直後に、一群の動物に、病変の長さに伸長された伸長軸索を有する膜を移植する。病変の長さに伸長された伸長軸索を有する膜は、その場合、膜の各端のニューロン集団が病変の各末端の生育可能組織中に挿入されるように、移植される。第二群の動物は、対象として未処置のままである。
【0024】
移植後1週目の開始時に、背側脊髄を電気生理学的に検査して、病変の近位および遠位領域間の連絡が再確立されたか否かを確定する。
【0025】
熟練前足機能は、各々5段の作り付けの左右の階段を有するプラスチック箱からなる階段装置を用いても評価される。階段は、動物が右前足以外の任意の足では右階段に達することができないように、また逆についても同様となるよう、互いに離される。各階段の5段には小食物ペレットが載せられて、15分間に各前足を別々に用いてできるだけ多くの食物ペレットを動物は獲得できる。ラットが消費したペレットの数は、各試験期間の終わりに計数され、「摂取ペレット数」として記録される。各動物は、階段試験で、術前、ならびに移植後1、4および8週目に評価される。移植後8週目に、動物を屠殺し、脊髄の切片を、セロトニン(5−HT)免疫組織化学的知見のために処理して、下降性セロトニン作動性繊維を同定する。
【0026】
ヒトにおいて、同様の移植手法が実施できる。例えば、N−tera2細胞は一般に、ヒト脳卒中患者の脳への移植に関して評価されている。移植前に、脊髄に対するあらゆる損害の位置および存在、ならびに損害の容積を、MRIおよびCTにより診断するのが好ましい。移植のための神経細胞は、前記と同様に伸長される。細胞の容積は、伸長される脊髄の損害領域の容積と同一であるのが好ましい。次に医者が、既知の技法を用いて、脊椎の適切なレベル(単数または複数)を突き止めて、損害領域、ならびに神経再生を遮断し得るその他の屑を除去する脊柱管を評価する。次に、伸長軸索が病変部の長さを架橋し、膜の各末端のニューロン集団が病変部の各末端の生育可能組織に挿入されるように、医者は、この領域に伸長神経細胞の膜を配置する。次に、浅層の場合と同様に、脊椎周囲の層が閉じられる。外傷後のこの技法の緊急適用の場合には、メチルプレドニソロンが、通常脊椎損傷用量で手術開始時に投与され、外科医が必要であると考える限り継続され、これは1週間から数ヶ月であり得る。細胞がレシピエントと組織適合性である場合には、または医者の判断下での他の情況では、抗拒絶療法は必要とされない。
【0027】
以下の例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0028】

例1:細胞培養
強健ヒトニューロンに分化するこの細胞株の十分特徴づけられた能力のために、N−tera2細胞株を選択した(Pleasure et al. 1992, J. Neurosci. 12:1802-1815; Pleasure, S.J. and Lee, V.M.J. 1993, J.Neurosci. Res. 35:585-602)。さらに、この細胞株は、一次神経細胞培養の場合と同様の方式で興奮性損傷に応答することが示されている(Munir et al. 1995, J. Neurosci. 15:7847-7860)。NT2細胞は、5%ウシ胎仔血清(FBS、HyClone, Logan, UT)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Pen-Strep;Life Technologies)を補充されたオプティMEM(Life Technologies, Gaithersburg, MD)培地を有する培養中に保持された。NT2細胞をニューロン(NT2N)に分化させるために、NT2細胞を、10%FBS(HyClone)、抗生物質(1%Pen-Strep;Life Technologies)および10μMのレチン酸(Sigma, St.Louis, MO)を補充したDMEM中で5週間培養した。培養中のニューロンを単離するために、細胞をトリプシン処理し、口焼きパスツールピペットで粉砕して、5%FBSおよび有糸分裂阻害剤(10μM5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、10μMウリジンおよび1μMシトシンβ−アラビノ−フラノシド、Sigma)を補充したDMEM中に9日間再度平板培養した。この操作後に残存する細胞は、99%神経細胞性であると確定された。NT2Nニューロンを、当該装置の吸収性膜上に植え付け、培養を条件調節培地(一次再平板培養からの培地50%、および5%FBSを有するDMEM50%)中で保持した。
【0029】
例2:伸長細胞の顕微鏡検査
ニコン8008カメラを備えたニコンDiaphot顕微鏡で、位相差顕微鏡および顕微鏡写真法を実施した。ツァイスLSM5(Heidelberg, Germany)で共焦点顕微鏡検査を実施した。Hiraoka et al. 1987, Science 238:36-41により記載された逆重畳顕微鏡検査を、冷却CCD(Princeton Instruments ,Trenton, NJ)およびDelta Vision強制反復逆重畳ソフトウェア(Applied Precision, Issaquah, WA)を装備したツァイスAxiovert100顕微鏡で実施した。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸索の「伸長誘導成長」の過程を示す図である。上図では、アルミニウムブロックに結合された短い膜が長い長方形の膜の上部に置かれる。これらの構造は、ガス交換口(図示せず)を有するプレキシグラス箱中に封入される。小室がアルミニウムブロックにより形成され、この中に哺乳類CNSニューロンを平板培養し、3日間組織化させる。上部および底部膜間の縁全体に成長する軸索を含めた神経網状構造が形成される。下図では、培養を分割し、3.5μm/5分の段階速度で上部膜を底部膜を横断して滑らせることにより反対半分を漸進的に分離するコンピュータ制御マイクロステッパーモータ系によるアルミニウムブロックの動きが示されている。この技法は、2つの膜に及ぶ軸索の繊維束路の伸長誘導性成長を生じる。
【図2】統合化CNS軸索の伸長誘導性成長を実証する位相差顕微鏡写真である。伸長2日目(上)、4日目(中)および7日目(下)の漸進的拡張生培養の同一領域が示されている。各端には、底部膜(右)および上部膜(左)に付着する親および標的ニューロンが存在する。これらのニューロンにまたがって、漸進的伸長軸索路の大きい束が存在する。棒は、1mmを表す。
【図3】伸長2日目(左)、4日目(中)および7日目(右)の上部膜の縁の延伸成長軸索の一領域の位相差顕微鏡写真である。隣接軸索束の段階的接合および上部膜の縁での束の肥厚に留意。棒は50μを表す。
【図4】固定培養中の免疫染色微小管タンパク質により明示される、伸長誘導性成長の7日目の軸索路の典型的蛍光光学顕微鏡写真である。左は、伸長誘導性成長により産生された、平行に整列した多数の長い繊維束軸索路がある(棒=50μ)。右は、微小管の実質的網状構造を実証する大型40μ繊維束軸索路のわずかな拡大図である。

Claims (4)

  1. 機械的伸長された単離神経細胞を含む移植用組成物であって、単離神経細胞の軸索が0.2cmより長く伸長されている、前記移植用組成物
  2. 神経細胞の軸索が1cmより長く伸長されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 以下を含む、伸長細胞の産生方法:
    (a)細胞を培養すること、
    (b)培養細胞を、長い膜の一端付近に下層膜の露呈領域を残して別の短い膜を上部に配置した上層膜および下層膜上に平板培養して培養細胞が両膜を覆うようにすること、
    (c)上層膜を下層膜を横断するように他端へ動かし、培養細胞を機械的に伸ばし、伸長細胞により連結される2つの集団に分割すること。
  4. 胞が神経細胞である、請求項に記載の方法。
JP2001516552A 1999-08-17 2000-08-02 機械的伸長神経細胞およびこれらの細胞の産生および使用方法 Expired - Fee Related JP4679780B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14940899P 1999-08-17 1999-08-17
US60/149,408 1999-08-17
PCT/US2000/021078 WO2001012207A1 (en) 1999-08-17 2000-08-02 Mechanically elongated neuronal cells and methods for producing and using these cells

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003507089A JP2003507089A (ja) 2003-02-25
JP2003507089A5 JP2003507089A5 (ja) 2007-10-04
JP4679780B2 true JP4679780B2 (ja) 2011-04-27

Family

ID=22530139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001516552A Expired - Fee Related JP4679780B2 (ja) 1999-08-17 2000-08-02 機械的伸長神経細胞およびこれらの細胞の産生および使用方法

Country Status (9)

Country Link
US (2) US6264944B1 (ja)
EP (1) EP1225906B1 (ja)
JP (1) JP4679780B2 (ja)
AT (1) ATE414523T1 (ja)
AU (1) AU766096B2 (ja)
CA (1) CA2380943C (ja)
DE (1) DE60040860D1 (ja)
DK (1) DK1225906T3 (ja)
WO (1) WO2001012207A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7831305B2 (en) 2001-10-15 2010-11-09 Advanced Neuromodulation Systems, Inc. Neural stimulation system and method responsive to collateral neural activity
WO2003047422A2 (en) 2001-12-04 2003-06-12 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Device and method using integrated neuronal cells and an electronic device
US20090169596A1 (en) * 2006-03-29 2009-07-02 Mikael Svensson Device for spinal cord nerve regeneration
US20160250385A1 (en) * 2013-11-04 2016-09-01 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Neuronal replacement and reestablishment of axonal connections
US20170368180A1 (en) * 2014-12-12 2017-12-28 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods of promoting nervous system regeneration
US11156595B2 (en) 2015-05-28 2021-10-26 Axogen Corporation Organotypic DRG-peripheral nerve culture system
US11513039B2 (en) 2015-05-28 2022-11-29 Axogen Corporation Nerve culture system
JP7235509B2 (ja) 2016-04-14 2023-03-08 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 植え込み可能な生きた電極およびその製造方法
CN109628305A (zh) * 2018-12-12 2019-04-16 北京理工大学 用于体外轴突应力学响应机制研究的多通道差速牵拉装置
WO2021102021A1 (en) * 2019-11-18 2021-05-27 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Preservation of neuron health and regenerative capacity following nervous system injury

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5084007A (en) * 1989-08-11 1992-01-28 Malin David H Method for chemical promotion of the effects of low current transcranial electrostimulation
US5968921A (en) * 1997-10-24 1999-10-19 Orgegon Health Sciences University Compositions and methods for promoting nerve regeneration

Also Published As

Publication number Publication date
CA2380943A1 (en) 2001-02-22
US6365153B2 (en) 2002-04-02
ATE414523T1 (de) 2008-12-15
EP1225906B1 (en) 2008-11-19
EP1225906A4 (en) 2002-09-18
DE60040860D1 (de) 2009-01-02
CA2380943C (en) 2010-04-20
US6264944B1 (en) 2001-07-24
AU766096B2 (en) 2003-10-09
US20010038835A1 (en) 2001-11-08
WO2001012207A1 (en) 2001-02-22
EP1225906A1 (en) 2002-07-31
JP2003507089A (ja) 2003-02-25
AU6892600A (en) 2001-03-13
DK1225906T3 (da) 2009-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Joosten et al. Collagen implants and cortico‐spinal axonal growth after mid‐thoracic spinal cord lesion in the adult rat
Pfister et al. Development of transplantable nervous tissue constructs comprised of stretch-grown axons
Smith et al. A new strategy to produce sustained growth of central nervous system axons: continuous mechanical tension
Smith Stretch growth of integrated axon tracts: extremes and exploitations
Zhang et al. Tissue-engineering approaches for axonal guidance
Yoshii et al. Restoration of function after spinal cord transection using a collagen bridge
US8790666B2 (en) Nerve construct containing living stretch-grown nervous tissue
Ham et al. Subcutaneous priming of protein-functionalized chitosan scaffolds improves function following spinal cord injury
US10525085B2 (en) Repair of peripheral nerve injury
US20160250385A1 (en) Neuronal replacement and reestablishment of axonal connections
Dalton et al. Tissue engineering of the nervous system
JP4679780B2 (ja) 機械的伸長神経細胞およびこれらの細胞の産生および使用方法
AU2017375956B2 (en) Biomimetic implants
Huang et al. Harvested human neurons engineered as live nervous tissue constructs: implications for transplantation
RU2521194C2 (ru) Матрица для клеточной трансплантологии
Panchision Repairing the nervous system with stem cells
Bakhtyari et al. Electrophysiological study of sciatic nerve regeneration through tubes seeded with schwann cells
US20230390459A1 (en) Artificial axon bundle
Tom et al. Peripheral nerve graft-mediated axonal regeneration
Rochkind Review of 30-years experience: laser phototherapy in neuroscience and neurosurgery part II-nerve cells, brain and spinal cord
Ali Advance in treatment of spinal cord
Zomorodi et al. 3 Advances in Treatment of Spinal Cord and Peripheral Nerve Injury
Rutkowski Design of a bioartificial nerve graft
Studio et al. The Nervous System and Stem Cells
Assanah Design of three-dimensional axon stretch growth device

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070731

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101027

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees