JP4678976B2 - 生体光計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体からの透過光、反射光或いは散乱を測定し、血中ヘモグロビン濃度の変化等の生体情報を計測する生体光計測装置に関し、特に計測した前記ヘモグロビン濃度から麻酔の効果を知るための情報を取得するのに好適な生体光計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、患者が動かない、種々の反射がない、心拍数,血圧が安定している,発汗が抑制されている等の状況から麻酔の効果を推測していた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
上記従来の方法では麻酔がどの程度効いているかが十分把握できないため、麻酔の効き具合が不充分で手術中に患者が覚醒しそうになったり、麻酔薬の過剰投与で手術後の回復に時間がかかり、看護の必要が生じることもあった。このため、手術に必要かつ十分な麻酔効果を確認できる装置が望まれていた。そこで、本発明の目的は、血中のヘモグロビン濃度から麻酔効果を知るための情報を取得し、これを表示し、これを参照して手術支援に活用するのに好適な生体光計測装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
患者に麻酔薬を投与すると、刺激に対する反応としての血中のヘモグロビン濃度に変化が現れる。この点に着目して、本発明の上記目的は以下の手段によって達成される。
【0005】
(1)複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度を前記信号処理手段で計算し、この計算結果とこれに基づく前記麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過を前記表示手段に同時に表示する。
【0006】
(2)複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、前記信号処理手段に麻酔効果の指標を示す麻酔深度算出手段を設け、この麻酔深度算出手段で求めた麻酔深度値を前記表示手段に表示する。
【0007】
(3)複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度を前記信号処理手段で計算し、この計算結果に基づいて前記麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過と前記信号処理手段に設けた麻酔効果の指標を示す麻酔深度算出手段で求めた麻酔深度値とを前記表示手段に同時に表示する。
【0008】
(4)複数の光照射位置から各々異なる変調を受けた光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、刺激に対応したヘモグロビン濃度変化量を用いて前記信号処理手段で麻酔後の各段階に対応した麻酔深度の指標値を計算する麻酔深度算出手段を設け、この麻酔深度算出手段で求めた麻酔深度の指標値を前記表示手段に表示する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について発明の実施の形態と共に図面を参照して詳細に説明する。
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号をつ け、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態1の生体光計測装置の概略構成を説明するための図であり、1は光源部、2は光モジュール、3は半導体レーザ、8は照射用光ファイバ、9は被検体、10は検出用光ファイバ、11はフォトダイオード、12はロックインアンプモジュール、16はA/D変換器、17は制御部、18は記録部、19は処理部、20は入出力部を示す。ただし、処理部19における計測値の処理を除く他の構成は、特開平9−149903号公報に開示されている周知の手段および機構を用いる。
【0011】
この生体光計測装置は、たとえば被検体9の頭部の皮膚表面から光を照射し、頭部の皮膚表面で検出された通過光から大脳内部を画像化するもので、ここでは計測チャンネルの個数、すなわち計測位置(計測チャンネル)が24の場合について説明する。もちろん、本発明は測定対象として頭部に限らず他の部位、さらには人体以外の生体あるいは生体以外にも適用可能である。また、光照射位置および光検出位置の数をさらに増加させること により、計測チャンネルの個数を増加することが可能であり、計測領域を拡大することも可能である。
【0012】
図1において、光源部1は8個の光モジュール2から構成されている。各光モジュール2は可視から赤外の波長領域中で複数の波長、たとえば780nmおよび830nmの2波長の光をそれぞれ放射する2個の半導体レーザ3から構成されている。
これら2波長の光は780nmと830nmに限定されるものではない。この光源部1については半導体レーザ3の変わりに発光ダイオードを用いてもよい。この光源1に含まれる全ての半導体レーザ16個は、電流により周波数変調および振幅変調されている。
この変調はアナログで行っているが、デジタル変調を用いても良い。また、光モジュール2はそれぞれの半導体レーザから放射された780nmと830nmの光を1本の光ファイバ(照射用光ファイバ8)に導入させる図示しない光ファイバ結合器が備えられている。
【0013】
したがって、光源部1から放射される2波長光を混合した光は、各光モジュール2に接続される8本の照射用光ファイバ8の先端から測定対象となる被検体9の頭部に照射される。
【0014】
このとき、各照射用光ファイバ8は図示しない計測プローブに固定され、それぞれ異なる位置に光を照射する。ただし、本実施の形態では、照射用光ファイバ8および検出用ファイバ10の先端部分は交互に正方格子上に配置される。照射用ファイバの先端に接続された照射用プローブと検出用ファイバの先端に接続された検出用プローブの中間点が計測位置である。なお、計測プローブの詳細については特開平9−149903号公報に記載されている。
【0015】
頭部を通過した光、すなわち生体通過光は図示しない計測プローブ部に固定された8本の検出用光ファイバ10でそれぞれ集光され、各検出用光ファイバ10の他端に接続される光検出器であるフォトダイオード11で検出される。このフォトダイオード11としては高感度の光計測が可能な周知のアバランシェフォトダイオードが望ましい。また、光検出器としては光電子増倍管などの光電変換素子ならば他のものでも良い。これらのフォトダイオード11で生体通過光は電気信号(生体通過光強度信号)に変換された後、変調信号の選択的な検出回路、例えば複数のロックインアンプから構成されるロックインアンプモジュール12で、照射位置かつ波長に対応した変調信号が選択的に検出される。
【0016】
このとき、ロックインアンプモジュール12から出力される変調信号は、波長および照射位置に対応する生体通過光強度信号にそれぞれ分離するものである。ただし、図1の実施の形態では、2波長の光を用いて24の計測位置での計測を行うので、計測すべき信号数は48となる。従って、実施の形態1のロックインアンプモジュール12では合計48個の図示しないロックインアンプを用いる。ただし、デジタル変調を用いた場合には変調信号検出としてデジタルフィルタもしくはデジタルシグナルプロセッサを用いる。
【0017】
ロックインアンプモジュール12からアナログ出力される生体通過光強度信号は、48チャンネルのA/D変換器(アナログデジタル変換器)16によりそれぞれデジタル信号に変換される。それぞれのデジタル信号は、波長および照射位置毎の生体通過光強度信号である。これらの計測は制御部17により制御される。デジタル信号に変換された生体通過光強度信号は記録部18に記録する。
【0018】
処理部19でリアルタイムに記録部18に記録された生体通過光強度信号を20の入出力部にモニタ表示する。また、処理部19では生体通過光強度信号から酸素化ヘモグロビン濃度変化および脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、総ヘモグロビン濃度変化を算出し、タイムコースであるいはトポグラフィー画像として入出力部20の表示装置に表示する。
【0019】
各検出位置の生体通過光強度信号から酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン濃度変化ならびにヘモグロビン濃度総量を計算し、タイムコースあるいはトポグラフィーで表示する方法については、文献1(特開平9−98972号公報)および文献2(特開平9−149903号公報)に記載されているので詳細な説明は省略する。麻酔効果を定量的に表す麻酔深度値の計算は処理部19で行い、この計算に必要な各種パラメータの入力及び計算結果の出力は入出力部20で行う。
【0020】
以下、ヘモグロビン画像とは、トポグラフィだけでなくタイムコースも含むものとし、麻酔深度の求め方について説明する。
【0021】
《麻酔前の測定画像データを基準にして求める方法》
麻酔深度の比較検討および計算は図4の手順を説明するフローチャート、及び図5の構成図を用いて説明する。図2,3は麻酔深度比較検討画面の説明図である。
以下、図4のフローチャートに従い説明する。
【0022】
(ステップ401)
図1の入出力部20の表示装置の画面上に、図1の18の記録部にある図5の測定画像データ記憶部501の記憶領域に内蔵している測定画像データあるいはヘモグロビンデータを表示し、図1の入出力部20から麻酔前の基準画像をユーザに指定させる。この基準画像が無ければ、光磁気ディスク等の外部記憶装置(図示省略)に記憶してある基準画像を入出力部を介して入力する。
どこにも、既に撮影されている基準画像が無ければ、ステップ402に進む。撮影された画像があって、撮影することなく基準画像が入力できれば、ステップ403に進む。計算に必要なパラメータ等の入力は図2あるいは図3の表示画面の操作部を介して行う(パラメータの入力手段は図示省略)。このパラメータを以下に記す。
【0023】
(イ)Grade(Grade);何段階に分けるか。
(ロ)麻酔前のGrade(GO);「0」とするか「1」とするか。
(ハ)計算対象チャンネル(ch);全チャンネルとするか、刺激に応じて予め決められたチャンネルとするか、ユ−ザが個別に指定したチャンネルとするか。
【0024】
(ステップ402)
麻酔前の当該患者に光,音等の刺激を負荷して、麻酔深度値計算に必要な基準画像を撮影し、これを基準画像として指定し、図1の記録部に設けた測定画像記憶部501に記憶しておく。
【0025】
(ステップ403)
指定された基準画像がヘモグロビン画像でなければ、図5の502のヘモグロビン(Hb)計算手段によって、ヘモグロビン画像に変換し、図5の基準画像、計算対象画像記憶部503に格納する。これらは、処理部19の中に設けられている。Hb計算手段502は上記文献1(特開平9−98972号公報)および文献2(特開平9−149903号公報)に記載されている公知の手段を用いる。
【0026】
(ステップ404)
ステップ401と同様に麻酔深度計算対象の測定画像データ(基準画像と同じ刺激、撮影条件の測定データ)をユーザに指定させる。外部記憶媒体にある場合はこの媒体から入力し、ステップ406に進む。無ければ,ステップ405に進む。
【0027】
(ステップ405)
基準画像と同じ刺激、撮影条件で麻酔中の患者のデータを採取する。
【0028】
(ステップ406)
ステップ403と同様に指定された麻酔深度計算対象画像のヘモグロビン画像を得て、図5の基準画像、計算対象画像503の記憶部に格納する。
【0029】
(ステップ407)
図2に示すように、基準画像と比較対象画像とを並列に並べて表示部に表示する。図2の(a)はタスク(例えば光刺激)の負荷期間を示す。図2の数字1〜24は計測チャンネル番号を示し、計測期間は、2チャンネルでは図示矢印で示す範囲である。他のチャンネルも同様である。左右の画像のスケール(例えば図2の(b)に示すヘモグロビン(Hb)の濃度変化mM・mm(血中のHbのミリモル濃度に光の光路長を乗じたもの)は同一とする。また、図3の(イ)に示すように計測チャンネル毎にヘモグロビンの画像を重ねて表示しても良い。これらの麻酔前と麻酔中の画像を比較して麻酔効果の確認をすることもできる。
【0030】
(ステップ408)
麻酔深度計算のパラメータが既に入力されていれば、図2の(c)あるいは図3の(ロ)のようにそれを表示し、その値で良ければステップ410に進む。そうでなければ、ステップ409に進む。入力されたパラメータは保存しておくものとする。
【0031】
(ステップ409)
上記ステップ401に記載した(イ),(ロ),(ハ)のパラメータを図2の(c)あるいは図3の(ロ)を介してユーザに選択入力させる。計算対象チャンネル(ch)の指定として刺激に応じたチャンネルが選択された場合には、刺激の種類を入力させ、入力された刺激種類に応じたチャンネルを図5の506の刺激に応じたチャンネルの選択部から引き出す。図5の506の刺激に応じたチャンネルの選択部は図1の処理部19に設けてある予め麻酔深度計算用領域に作成しておものとする。
【0032】
(ステップ410)
計算対象チャンネルの数(N)を算出し、さらに計算の前処理として基準画像および対象画像の計算対象のチャンネルに対応したタスク区間のデータを抽出し、麻酔深度計算領域に保存する。タスク区間のデータとは図2の(a)に示すようにタスク負荷時のヘモグロビン濃度のデータである。
【0033】
(ステップ411)
麻酔深度値を計算する。この計算には4種類の計算式があり、どの計算式を用いても良く、どの計算式を用いるかは操作者が図1の入出力部20から入力して指定できる。
以下、これらについて記す。なお、これらの計算式においては、基準画像のch(i)の各点の値をX(i,j)、計算対象画像のch(i)の各点の値をZ(i,j)とする。なお、jは積算処理された後のタスク間のサンプリングポイント数で、1、2、・・・・、Mとする
【0034】
(1)計算方法1
対応するチャンネル毎の相関係数R(i)は式(1)より、
【数1】
Figure 0004678976
となり、このR(i)から麻酔深度Gは式(2)より求められる。
【0035】
【数2】
Figure 0004678976
(2)計算方法2 対応するチャンネル毎の積分値の比をR(i)として式(3)より、
【数3】
Figure 0004678976
となり、このR(i)から麻酔深度Gは式(2)より求められる

【0036】
(3)計算方法3
対応するチャンネルの最大値からR(i)を式(4)のようにとり、
【数4】
Figure 0004678976
このR(i)から麻酔深度Gは式(2)より求められる。
【0037】
(4)計算方法4
対応するチャンネルの最大値が基準画像の最大値の1/n以上のチャンネル数をR(i)として式(5)より、
【数5】
Figure 0004678976
となり、このR(i)から麻酔深度Gは式(2)より求められる。
なお、式(2)、式(5)の*は特に入力が無ければ、デフォルトとして、下線の処理が施される。
【0038】
(ステップ412)
上記の計算式で求めた麻酔深度を図2の(c)あるいは図3の(ロ)の操作部に表示する。
【0039】
上記の実施例では、タスクの区間だけのデータを用いて麻酔深度を計算したが、タスク区間に遅れをとった区間、あるいは全区間を採用しても良い。また、上記実施例では、ヘモグロビンのうち酸素化ヘモグロビンで説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、総ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンを用いても良い。
【0040】
《麻酔前のデータを基準にしない麻酔深度の計算方法》
手術直前の麻酔前のデータは、患者によっては精神的動揺が激しく、これを麻酔深度計算の基準として用いるのは不適切な場合がある。こういう場合には、麻酔深度計算にあたって麻酔前のデータを基準とせず、麻酔の各段階ごとに麻酔深度値を算出する方法がある。以下、この方法を用いた実施例を、図6のフローチャート、及び、図7の構成図を用いて説明する。本実施例は麻酔の各段階ごとに麻酔前のデータを基準とせずに麻酔の深度値を算出するものである。
【0041】
図7の計算対象画像データ記憶部701の計算対象画像は図1の記録部18にあり、図7の702の麻酔深度計算手段、703の刺激に応じたチャンネルの選択部、704の計算結果記憶部は図1の処理部19に予め麻酔深度計算用領域を設けてそこに置くものとする。以下、図6のフローチャートに従い説明する。
【0042】
(ステップ601)
図1の入出力部20の表示装置の画面上に、図1の18の記録部にある計算対象ヘモグロビン画像を表示し、計算対象部位(チャンネル)を設定する。設定方法としては、本実施例では刺激の種類を入力させ、入力された刺激種類に応じたチャンネルを図7の703のテーブルから引き出す。計算対象部位の設定方法としては、この方法とは限らず直接チャンネル番号を入力させても良いし、画面上でマウス等で指定させても良い。
設定内容としては、4x4のプローブを外後頭隆起を中心に装着して、光刺激を用いた場合は4x4の全域を計算対象としても良い。
【0043】
(ステップ602)
計算対象区間を設定させる。本実施例の生体光計測装置が捉えているのは血流の反応であり、血流は刺激に遅れて反応するので刺激の区間に通常6秒程度の遅れを加える。設定方法としては、刺激開始の時間を基準として、そこからの時間(秒)で指定する。刺激前からの区間も計算対象にしたければ(−2,10)のように指定すれば良い。これは、刺激開始の2秒前から刺激開始してから10秒経過後までの区間を計算対象とすることを意味する。光刺激のように反応が長く尾を引く場合には全区間を計算対象区間としても良い。
【0044】
(ステップ603)
図1の入出力部20から計算方式を選択する信号を入力してステップ605で計算する麻酔深度計算方式を選択する。同一施設であっても、用いる刺激、計測部位、薬剤などによって異なった計算方式を選んでも良い。
【0045】
(ステップ604)
選択された計算方式に従って必要なパラメータがあれば、これを入力させる。麻酔深度計算のパラメータが既に入力されていればそれを表示し、その値で良ければ次に進む。そうでなければ、ここで入力させる。ここでパラメータとは、ステップ605に示す計算方式(2)のX0等を指す。
【0046】
(ステップ605)
選択された方式で麻酔深度を計算する。この計算には以下の三つの計算方法がある。
計算の前処理として計算対象チャンネルおよび計算対象チャンネルの計算対象の区間のデータを抽出する。抽出されたデータについて計算対象チャンネルの数(N)および、計算対象区間のデータ数Mを算出し、各チャンネルch(i)(i=1,2,…,N)毎の各点のヘモグロビン値をX(i、j)(j=1,2,…,M)とし、麻酔深度をGとして以下の計算を行う。
【0047】
(1)計算方法1
各計算対象チャンネル(部位)について、刺激による計算対象区間の脳血流の変化の最大値をとり、これの全計算対象チャンネルについての平均値をとるものである。
刺激による反応は、脳血流の増加あるいは減少をもたらし、その変化の最大値は反応の強さを表していると考えられる。また、平均値をとることは反応すべき部位の反応の強さをならすという意味を持っている。これによる麻酔深度Gは式(6)より、
【数6】
Figure 0004678976
となり、これは単位はmM・mmでおおよその脳血流の最大変化の平均を表している。
【0048】
図8は、3人の患者について(6)式のGを計算したもので、浅麻酔(2μg/ml)、通常の麻酔(4μg/ml)、深麻酔(6μg/ml)と、麻酔が深くなるにつれて麻酔深度値Gが低下して行くことがわかる。
この結果、前記麻酔深度値Gが0.02mM・mm以下になると麻酔が中等度以上にかかっていることがわかる。
【0049】
(2)計算方法2
脳血流の変化の絶対値の最大値がある一定値(X0)以上のチャンネル(部位)の計算対象チャンネルに占める割合をとるもので、計測チャンネルが一定間隔で並んでいる場合には、実際には、一定以上の反応をしている面積の計算対象面積に占める割合を示している。これによる麻酔深度は式(7),(8)より、
【数7】
Figure 0004678976
となり、単位は無い。一定値(X0)はユーザに入力させる。
【0050】
図9は、X0=0.014(mM・mm)(陽圧呼吸の影響をとり除いた値)として、3人の患者について測定したデータを計算したもので、通常の麻酔(4μg/ml)で0.55〜0.9の値を、深麻酔(6μg/ml)で0.1〜0.3の値を示し、麻酔深度の指標となることがわかる。
【0051】
(3)計算方法3
計算対象チャンネルの計算対象区間の血流の変化の絶対値の総和を求めて全計算対象チャンネル数で割って、計算対象チャンネル毎の積分値の平均を求めるものである。
これによる麻酔深度は式(9)より、
【数8】
Figure 0004678976
となり、単位はmM・mmである。刺激に対する反応全体の大きさを表す。
これも、麻酔深度が深くなるにつれて、反応の大きさが低減していることから、麻酔深度の指標となると言える。
【0052】
(ステップ606)
算出された麻酔深度値をヘモグロビン画像と共に20の入出力部に表示する。 なお、上記実施例では、ヘモグロビンのうち酸素化ヘモグロビンで説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、総ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンを用いても良い。
【発明の効果】
以上、本発明によれば、麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度を計算し、この計算結果に基づいて前記麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過を同時に表示し、あるいは麻酔効果を表す麻酔深度値を当該患者の麻酔前のデータを基準とせずに計算で求め、これを前記ヘモグロビン濃度画像と同時に表示するようにしたので、これらを参照することにより麻酔の効果を客観的,及び定量的に把握でき、麻酔をかけて手術をする際の前記麻酔効果の確認に好適な生体光計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体光計測装置の概略構成を説明するための図。
【図2】麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過を並べて示した図。
【図3】麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過を重ねて示した図。
【図4】本発明による麻酔前の測定画像データを基準にして麻酔深度を計算するフローチャート図。
【図5】図4の麻酔深度計算部の構成図。
【図6】 本発明による麻酔前のデータを基準としない麻酔深度の値を計算するフローチャート図。
【図7】図6の麻酔深度計算部の構成図。
【図8】式(6)の計算式で計算した麻酔深度の計算例。
【図9】式(7)、式(8)の計算式で計算した麻酔深度の計算例。
【符号の説明】
1 光源部、2 光モジュール、3 半導体レーザ3、8 照射用光ファイバー、9 被検体、10 検出用光ファイバ、11 フォトダイオード、12 ロックインアンプモジュール、16 A/D変換器、17 制御部、18 記録部、19 処理部、20 入出力部、501 測定画像デ−タ記憶部、502 Hb計算部、503 基準画像、計算対象画像記憶部、504 麻酔深度計算手段、506 刺激に応じたチャンネルの選択部、505 計算結果記憶部、701 計算対象画像データ記憶部、702 麻酔深度計算手段、703 刺激に応じたチャンネルの選択部、704 計算結果記憶部

Claims (2)

  1. 複数の光照射位置から光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、刺激に対応したヘモグロビン濃度変化量を用いて前記信号処理手段で麻酔後の各段階に対応した麻酔深度の指標値を計算する麻酔深度算出手段を備え、前記麻酔深度算出手段で求めた麻酔深度の指標値を前記表示手段に表示することを特徴とする生体光計測装置。
  2. 複数の光照射位置から光を生体に照射する光照射手段と、前記生体内を透過した光を複数の検出位置で検出し、光照射位置との関係で決まる複数の計測部位について、検出した光量に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段からの電気信号に基づき前記計測部位毎のヘモグロビン濃度を計算する信号処理手段と、前記信号処理手段の計算結果を表示する手段とを備えた生体光計測装置において、刺激に対応したヘモグロビン濃度変化量を用いて麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度を前記信号処理手段で計算し、この計算結果に基づいて前記麻酔前と麻酔中のヘモグロビン濃度の時間経過と前記信号処理手段に設けた麻酔効果の指標を示す麻酔深度算出手段で求めた麻酔深度値とを前記表示手段に同時に表示することを特徴とする生体光計測装置。
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