以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の記録制御装置は、
圧縮された第1のデータと前記第1のデータのデータ量を少なくしたデータである第2のデータを、記録媒体(例えば、図2の光ディスク11)に記録する制御を行う記録制御装置(例えば、図2のディスク記録装置10)において、
前記第1および第2のデータを圧縮する圧縮手段と、
圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれから、前記記録媒体の物理的単位領域の整数倍のデータ量である所定のデータ量のデータを抽出するデータ抽出手段(例えば、図2のメモリコントローラ17)と、
圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれについての前記所定のデータ量ごとのデータを、そのデータの境界と、前記物理的単位領域の境界とが一致し、かつ圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれについての前記所定のデータ量ごとのデータが周期的に配置されるように、前記記録媒体に記録する記録制御を行う記録制御手段(例えば、図4の記録制御部61)と、
圧縮された新たな第1のデータを、既に記録されている圧縮された前記第1のデータに追記する場合、その既に記録されている圧縮された第1のデータのうち、前記記録媒体の最後に配置されている前記所定のデータ量の圧縮された前記第1のデータである最後データの再生を制御する再生制御手段(例えば、図4の再生制御部62)と、
前記最後データを伸張する伸張手段と、
伸張後の前記最後データと、前記新たな第1のデータとを記憶する記憶手段(例えば、図2のメモリ20)と、
前記記憶手段に記憶される前記伸張後の最後データと前記新たな第1のデータを順に読み出し、読み出し順に、データ量を少なくして、新たな第2のデータを生成する生成手段と、
前記最後データと、前記記録媒体の最後に配置されている前記所定のデータ量の圧縮された前記第2のデータを前記記録媒体から削除する削除手段(例えば、図4の削除部64)と
を備え、
前記圧縮手段は、前記伸張後の最後データと前記新たな第1のデータを圧縮し、前記新たな第2のデータを圧縮し、
前記データ抽出手段は、圧縮の結果得られる前記最後データ、圧縮された前記新たな第1のデータの順に、前記所定のデータ量のデータを前記第1のデータの追記データとして抽出し、圧縮された前記新たな第2のデータから、前記所定のデータ量のデータを前記第2のデータの追記データとして抽出し、
前記記録制御手段は、前記第1および第2のデータの追記データを、その追記データの境界と、前記物理的単位領域の境界とが一致し、かつ前記第1および第2のデータごとの前記追記データが周期的に配置されるように、前記記録媒体に記録する記録制御を行う(例えば、図7のステップS46の処理)。
本発明の一側面の記録制御装置は、
前記再生制御手段は、圧縮された前記新たな第1のデータを、前記既に記録されている圧縮された前記1のデータに追記する場合、前記最後データのデータ量が前記所定のデータ量より小さいとき、前記最後データの再生を制御する(例えば、図6のステップS23)。
本発明の一側面の記録方法は、
圧縮された第1のデータと前記第1のデータのデータ量を少なくしたデータである第2のデータを、記録媒体(例えば、図2の光ディスク11)に記録する制御を行う記録制御装置(例えば、図2のディスク記録装置10)の記録制御方法において、
前記第1および第2のデータを圧縮し、
圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれから、前記記録媒体の物理的単位領域の整数倍のデータ量である所定のデータ量のデータを抽出し、
圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれについての前記所定のデータ量ごとのデータを、そのデータの境界と、前記物理的単位領域の境界とが一致し、かつ圧縮された前記第1のデータおよび前記第2のデータそれぞれについての前記所定のデータ量ごとのデータが周期的に配置されるように、前記記録媒体に記録する記録制御を行い、
圧縮された新たな第1のデータを、既に記録されている圧縮された前記第1のデータに追記する場合、その既に記録されている圧縮された第1のデータのうち、前記記録媒体の最後に配置されている前記所定のデータ量の圧縮された前記第1のデータである最後データの再生を制御し(例えば、図6のステップS23)、
前記最後データを伸張し、
伸張後の前記最後データと、前記新たな第1のデータとを記憶させ(例えば、図6のステップS24)、
記憶されている前記伸張後の最後データと前記新たな第1のデータを順に読み出し、読み出し順に、データ量を少なくして、新たな第2のデータを生成し、
前記伸張後の最後データと前記新たな第1のデータを圧縮し、
前記新たな第2のデータを圧縮し、
前記最後データと、前記記録媒体の最後に配置されている前記所定のデータ量の圧縮された前記第2のデータを前記記録媒体から削除し(例えば、図6のステップS25)、
圧縮の結果得られる前記最後データ、圧縮された前記新たな第1のデータの順に、前記所定のデータ量のデータを前記第1のデータの追記データとして抽出し、圧縮された前記新たな第2のデータから、前記所定のデータ量のデータを前記第2のデータの追記データとして抽出し、
前記第1および第2のデータの追記データを、その追記データの境界と、前記物理的単位領域の境界とが一致し、かつ前記第1および第2のデータごとの前記追記データが周期的に配置されるように、前記記録媒体に記録する記録制御を行う(例えば、図7のステップS46)
ステップを含む。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明を適用したディスク記録装置10の一実施の形態の構成例を示している。
スピンドルモータ12は、サーボ制御部15からのスピンドルモータ駆動信号に基づいて、光ディスク11をCLV(Constant Linear Velocity)またはCAV(Constant Angular Velocity)で回転駆動する。
ピックアップ部13は、信号処理部16から供給される記録信号に基づきレーザ光の出力を制御して、光ディスク11に記録信号を記録する。ピックアップ部13はまた、光ディスク11にレーザ光を集光して照射するとともに、光ディスク11からの反射光を光電変換して電流信号を生成し、RF(Radio Frequency)アンプ14に供給する。なお、レーザ光の照射位置は、サーボ制御部15からピックアップ部13に供給されるサーボ信号により所定の位置に制御される。
RFアンプ14は、ピックアップ部13からの電流信号に基づいて、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号、並びに再生信号を生成し、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号をサーボ制御部15に供給し、再生信号を信号処理部16に供給する。
サーボ制御部15は、フォーカスサーボ動作やトラッキングサーボ動作の制御を行う。具体的には、サーボ制御部15は、RFアンプ14からのフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号に基づいてフォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、ピックアップ部13のアクチュエータ(図示せず)に供給する。またサーボ制御部15は、スピンドルモータ12を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成して、光ディスク11を所定の回転速度で回転させるスピンドルサーボ動作の制御を行う。
さらにサーボ制御部15は、ピックアップ部13を光ディスク11の径方向に移動させてレーザ光の照射位置を変えるスレッド制御を行う。なお、光ディスク11の信号読み出し位置の設定は、制御部21によって行われ、設定された読み出し位置から信号を読み出すことができるようにピックアップ部13の位置が制御される。
信号処理部16は、メモリコントローラ17から入力される記録データを変調して記録信号を生成し、ピックアップ部13に供給する。信号処理部16はまた、RFアンプ14からの再生信号を復調して再生データを生成し、メモリコントローラ17に供給する。
メモリコントローラ17は、適宜、データ変換部19からの記録データ、または信号処理部16からの再生データをメモリ18に記憶する。また、メモリコントローラ17は、それらを読み出し、信号処理部16またはデータ変換部19に供給する。
データ変換部19は、データ入出力装置40から供給される、ビデオカメラ(図示せず)で撮影された画像データと音声データ等のうち、音声データをメモリ20の音声メモリ31に記憶させ、画像データをメモリ20の画像メモリ32に記憶させる。データ変換部19は、音声データまたは画像データをメモリ20から読み出し、必要に応じて、例えば、MPEG (Moving Picture Experts Group)、JPEG (Joint Photographic Experts Group)等の方式に基づいて圧縮し、記録データとしてメモリコントローラ17に供給する。
データ変換部19はまた、メモリコントローラ17から供給される再生データを、必要に応じて伸張し、所定のフォーマットの出力信号に変換して、信号入出装置40に供給する。また、データ変換部19は、必要に応じて、再生データを伸張し、その結果得られる再生データのうち音声データを音声メモリ31に記憶させ、画像データを画像メモリ32に記憶させる。
制御部21は、ROM23に記憶されているプログラムにしたがって、操作部22からの操作信号などに基づき、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御し、記録再生処理を実行させる。また、制御部21は、操作信号に基づき、データ入出力装置40に記録対象とするデータを要求する。操作部22は、例えば、ユーザによって操作され、その操作に対応する操作信号を、制御部21に供給する。
以上のように構成されるディスク記録装置10では、ユーザが操作部22を操作することにより、データの記録を指令すると、データ入出力装置40から供給されるデータが、データ変換部19、メモリコントローラ17、信号処理部16、およびピックアップ部13を介して、光ディスク11に供給されて記録される。
また、ユーザが操作部22を操作することにより、データの再生を指令すると、光ディスク11から、ピックアップ部13、RFアンプ14、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を介して、データが再生され、データ入出力装置40に供給される。
次に、図3は、図2のデータ変換部19の構成例を示している。
光ディスク11へのデータの記録時には、データ入出力装置40から記録すべきデータが、デマルチプレクサ41に供給される。デマルチプレクサ41は、データ入出力装置40から供給されるデータから、関連する複数のデータ系列、即ち、例えば、動画の(例えばベースバンドの)画像データと、その画像データに付随する(例えばベースバンドの)音声データとを分離し、画像データを画像メモリ32に供給するとともに、音声データを音声メモリ31に供給する。
データ量検出部42は、メモリ20の画像メモリ32から読み出した画像データと、音声メモリ31から読み出した音声データとを、そのまま、画像データ変換部43と音声データ変換部44にそれぞれ供給するとともに、その画像データと音声データのデータ量を検出し、メモリコントローラ17に供給する。即ち、データ量検出部42は、メモリ20から供給される画像データと音声データそれぞれについて、年輪サイズのデータ量を検出し、メモリコントローラ17に供給する。
また、データ量検出部42は、画像メモリ32から供給される画像データ、さらには、必要に応じて音声メモリ31から読み出した音声データを、ローレゾデータ生成部45に供給する。
画像データ変換部43は、データ量検出部42から供給される画像データを、例えば、すべてのフレームをI(Intra)ピクチャとしてMPEGエンコードし、その結果得られる画像データのデータ系列を、記録データとして、メモリコントローラ17に供給する。また、音声データ変換部44は、データ量検出部42から供給される音声データを、例えばMPEGエンコードし、その結果得られる音声データのデータ系列を、記録データとして、メモリコントローラ17に供給する。
ローレゾデータ生成部45は、そこに供給されるデータのデータ量を少なくしたデータであるローレゾデータのデータ系列を生成し、記録データとして、メモリコントローラ17に供給する。
即ち、ローレゾデータ生成部45は、データ量検出部42を介して供給される画像データの各フレームの画素数を間引く等することによって、画素数の少ないフレームの画像データである少画像データを生成する。さらに、ローレゾデータ生成部45は、その少画像データを、例えば、MPEG4方式でエンコードし、そのエンコード結果を、ローレゾデータとして出力する。
なお、ローレゾデータ生成部45では、データ量検出部42を介して供給される音声データ、あるいは、その音声データのサンプルを間引く等することによってデータ量を少なくした音声データを、ローレゾデータに含めて(例えば、フレーム単位等で少画像データに多重化した形で)出力するようにすることが可能である。以下では、ローレゾデータには、音声データが含まれるものとする。
ローレゾデータは、上述したように、画像データ変換部43が出力する画像データと音声データ変換部44が出力する音声データと、同一内容の画像および音声データではあるが、そのデータ量が少ない。従って、ある再生時間の再生を行うとした場合、ローレゾデータは、画像データ変換部43が出力する画像データと音声データ変換部44が出力する音声データに比較して、光ディスク11から短時間で再生することができる。
メモリコントローラ17に供給された記録データは、上述したようにして、光ディスク11に供給されて記録される。
一方、光ディスク11からのデータの再生時においては、上述したようにして、光ディスク11から再生データが再生され、再生データのうちの画像データのデータ系列は、メモリコントローラ17から画像データ変換部46に、音声データのデータ系列は、メモリコントローラ17から音声データ変換部47に供給される。また、再生データのうちのローレゾデータのデータ系列は、メモリコントローラ17からローレゾデータ処理部48に供給される。
画像データ変換部45は、メモリコントローラ17から供給される画像データのデータ系列を、例えばMPEGデコードし、その結果得られる画像データを、メモリ20の画像メモリ32に供給して記憶させたり、マルチプレクサ49に供給する。また、音声データ変換部47は、メモリコントローラ17から供給される音声データのデータ系列を、例えばMPEGデコードし、その結果得られる音声データを、メモリ20の音声メモリ31に供給して記憶させたり、マルチプレクサ49に供給する。
ローレゾデータ処理部48は、メモリコントローラ17から供給されるローレゾデータをデータ量の少ない画像データと音声データにデコードし、マルチプレクサ49に供給する。
マルチプレクサ49は、画像データ変換部46から供給される画像データ、音声データ変換部47から供給される音声データ、ローレゾデータ処理部48から供給されるローレゾデータを、データ入出力装置40に供給する。なお、マルチプレクサ49では、画像データ変換部46からの画像データ、音声データ変換部47からの音声データ、ローレゾデータ処理部48からのローレゾデータを多重化して出力するようにすることも、それぞれのデータを、独立に、並列して出力するようにすることも可能である。
次に、図4は、光ディスク11に対して追記を行う場合における、制御部21の機能の構成例を示している。
制御部21は、記録制御部61、再生制御部62、判定部63、および削除部64により構成される。
記録制御部61は、図2の操作部22から供給される、追記対象とするクリップ(以下、追記クリップという)を指定するための操作に対応する操作信号に基づき、データ入出力装置40に、追記クリップを要求する。ここで、クリップとは、例えば、1回の撮影処理(撮影開始から撮影終了までの撮影処理)により得られた画像データ、その画像データに対応する音声データ等の集合体を指す。
さらに、記録制御部61は、データ変換部19を制御し、その要求に応じてデータ入出力装置40から供給される追記クリップの音声データを音声メモリ31に記憶させ、画像データを画像メモリ32に記憶させる。
また、記録制御部61は、再生制御部62からの指令に応じて、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御し、後述する再生制御部62により再生された音声データおよび画像データと、データ入出力装置40から供給される追記クリップとを、追記クリップを追記する既に記録されているクリップ(以下、既記録クリップという)の追加分として、光ディスク11に記録させる。
再生制御部62は、操作部22から供給される、追記の指令に対応する操作信号に基づき、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御して、ヘッダを再生させる。また、再生制御部62は、判定部63からの判定結果に応じて、既記録クリップとして最後に配置された画像データ(以下、最後画像データという)と音声データ(以下、最後音声データという)を再生させる。そして、再生制御部62は、削除部64に削除の指令を行い、その後、記録制御部61に記録を指令する。
判定部63は、再生制御部62により再生された既記録クリップのヘッダを参照して、最後画像データと最後音声データが、年輪サイズより小さいかどうかを判定する。例えば、ヘッダには、クリップの音声データと画像データを管理するためのデータ等が含まれており、判定部63は、そのデータを参照して判定を行う。判定部63は、その判定結果を再生制御部62と削除部64に供給する。
削除部64は、再生制御部62からの指令と、判定部63からの判定結果とに基づいて、既記録クリップのヘッダとフッタ、既記録クリップとして最後に配置されたローレゾデータ(以下、最後ローレゾデータという)、最後画像データ、最後音声データ等を光ディスク11から削除する。具体的には、例えば、削除部64は、既記録クリップのヘッダとフッタ、最後ローレゾデータ、最後画像データ、最後音声データ等を光ディスク11のファイルシステム上で削除する。
次に、図5を参照して、追記クリップの追記について説明する。
図5の例では、光ディスク11のセクタのサイズが100Kbit、ローレゾデータのデータレートと音声データのデータレートが2Mbps、画像データレートが4Mbpsであるものとする。
また、図5の例では、ローレゾデータの年輪サイズ(以下、適宜、ローレゾ年輪サイズという)、音声データの年輪サイズ(以下、適宜、音声年輪サイズという)、および画像データの年輪サイズ(以下、適宜、画像年輪サイズという)が1秒に設定されているものとする。
この場合、図5に示すように、再生時間が2.5秒のクリップ81は、ローレゾ年輪サイズに基づく20セクタごとのローレゾデータのまとまりであるローレゾ年輪データ、音声年輪サイズに基づく20セクタごとの音声データのまとまりである音声年輪データ、および画像年輪サイズに基づく40セクタごとの画像データのまとまりである画像年輪データが周期的に2回配置され、さらに、残りの10セクタのローレゾデータ、10セクタの音声データ、および20セクタの画像データが配置され、最後にヘッダとフッタが配置されて記録される。
この後、ユーザにより、クリップ81を既記録クリップとして追記クリップの追記が指令された場合、その指令に対応する操作信号に応じて、再生制御部62は、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御し、クリップ81のヘッダを再生する。判定部63は、そのヘッダを参照して、クリップ81の最後音声データと最後画像データが年輪サイズより小さいかどうかを判定する。
図5において、クリップ81の最後音声データは10セクタの音声データであり、最後画像データは20セクタの画像データであるので、判定部63は、最後音声データと最後画像データは年輪サイズより小さいという判定結果を、再生制御部62と削除部64に供給する。再生制御部62は、判定部63からの判定結果に応じて、最後音声データと最後画像データを再生させる。
そして、再生制御部62は、図3の音声データ変換部47を制御し、必要に応じて、再生データのうちの音声データを伸張して、その結果得られる音声データ82を音声メモリ31に記憶させる。また、再生制御部62は、画像データ変換部46を制御し、必要に応じて、再生データのうちの画像データを伸張して、その結果得られる画像データ83を画像メモリ31に記憶させる。
この後、再生制御部62は、削除部64に削除を指令し、削除部64は、サーボ制御部15などを制御して、最後ローレゾデータ、最後音声データ、および最後画像データ、並びにクリップ81のヘッダとフッタを光ディスク11から削除する。また、再生制御部62は、記録制御部61に記録を指令する。
記録制御部61は、データ変換部19を制御し、音声メモリ31から、音声データ82、追記クリップの音声データの順に読み出し、読み出し順に音声データをローレゾデータ生成部44に供給して、画像メモリ32から、画像データ83、追記クリップの画像データの順に画像データをローレゾデータ生成部44に供給し、ローレゾデータを生成する。
このように、ローレゾデータ生成部44では、伸張後の最後画像データと最後音声データとから、ローレゾデータを生成するので、最後ローレゾデータを伸張して再度圧縮することによって生じる性能の劣化を防止することができる。
そして、記録制御部61は、ローレゾ年輪サイズに基づく20セクタごとに、ローレゾデータを、ローレゾ年輪データとして記録させる。その結果、音声データ82と追記クリップの10セクタ分に対応する音声データ84、並びに画像データ83と追記クリップの20セクタ分に対応する画像データ85により生成された20セクタ分のローレゾデータが、クリップ81の追加分の先頭のローレゾ年輪データ91として記録される。
また、記録制御部61は、データ変換部19を制御して、音声メモリ31から音声データ82、追記クリップの音声データを順に読み出し、読み出し順に音声データを圧縮し、その結果得られる音声データを、音声年輪サイズに基づく20セクタごとに記録させるとともに、画像メモリ32から画像データ83、追記クリップの画像データを順に読み出し、読み出し順に画像データを圧縮し、その結果得られる画像データを、画像年輪サイズに基づく40セクタごとに記録させる。
その結果、音声データ82と音声データ84により生成された20セクタ分の音声データが、追加分の先頭の音声年輪データ92として、ローレゾ年輪データ91の後に配置され、その後に、画像データ83と画像データ85により生成された40セクタ分の画像データが、追加分の先頭の画像年輪データ93として配置されて記録させる。
以降、記録制御部61は、ローレゾ年輪データ、音声年輪データ、画像年輪データの順に周期的に記録させる。追記クリップのすべてが追記された場合、記録制御部61は、ローレゾ年輪データ、音声年輪データ、および画像年輪データの記録を終了し、ヘッダとフッタを作成して、最後の画像年輪データの後に記録させる。
これにより、ディスク記録装置10は、クリップ81に追記クリップが追加されたクリップ101を、クリップ81の変更後の新たなクリップとして認識することができる。このように、追記後のクリップ101を1つのクリップとして扱うことができるので、その後の再生、編集等におけるユーザの使い勝手が向上する。
以上のように、記録制御部61は、クリップ81として配置される年輪サイズではないサイズの最後ローレゾデータ、最後音声データ、および最後画像データを削除し、それらに、追記クリップのローレゾデータ、音声データ、または画像データをそれぞれ追加して、年輪サイズのローレゾ年輪データ、音声年輪データ、および画像年輪データとして記録するので、年輪サイズではないローレゾデータ、音声データ、および画像データがクリップの最後以外に配置されることを防止することができる。その結果、アクセス効率を向上させ、編集を迅速に行うことができる。
また、追記クリップも年輪サイズ単位で記録されるので、追記クリップが追記された既記録クリップであるクリップ101においても、既記録クリップと同等のアクセス効率を実現し、編集等において同等の性能を実現することができる。さらに、再生処理において、クリップ101は、既記録クリップと同様に扱うことができる。
次に、図6を参照して、図2のディスク記録装置10が追記クリップを追記する追記処理の詳細について説明する。この追記処理は、ユーザが操作部22を操作して、追記クリップを指定し、追記を指令したとき、開始される。
なお、ローレゾ年輪サイズ、画像年輪サイズ、および音声年輪サイズは、予め設定されているものとする。ローレゾ年輪サイズ、音声年輪サイズ、および画像年輪サイズの値は、あらかじめ定められた固定の値でも良いし、可変の値でも良い。ローレゾ年輪サイズ、音声年輪サイズ、および画像年輪サイズの値を可変とする場合には、その可変の値は、例えば、操作部22を操作することによって入力するようにすることができる。
ステップS21において、再生制御部62は、操作部22からの追記の指令に対応する操作信号に応じて、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御し、既記録クリップのヘッダを再生し、ステップ22に進む。
ステップS22において、判定部63は、ステップS21で再生されたヘッダを参照して、最後音声データと最後画像データのサイズが、それぞれ、音声年輪サイズと画像年輪サイズに比べて小さいかどうかを判定し、判定結果を再生制御部62と削除部64に供給する。
ステップS22において、最後音声データと最後画像データのサイズが、それぞれ、音声年輪サイズと画像年輪サイズに比べて小さいと判定された場合、ステップS23に進み、再生制御部62は、判定部63からの判定結果に応じて、サーボ制御部15、信号処理部16、メモリコントローラ17、およびデータ変換部19を制御し、最後音声データと最後画像データを再生して伸張し、伸張後の最後音声データを音声メモリ31に、伸張後の最後画像データを画像メモリ32に記憶させる。そして、再生制御部62は、削除部64に削除を指令し、その後、記録制御部61に記録を指令する。
ステップS23の処理後は、ステップS24に進み、記録制御部61は、操作部22からの操作信号に基づき、データ入出力装置40に追記クリップを要求し、データ変換部19を制御して、その要求に応じて供給される追記クリップの音声データを音声メモリ31に記憶させ、画像データを画像メモリ32に記憶させる。
ステップS24の処理後は、ステップS25に進み、削除部64は、再生制御部62からの指令に応じて、サーボ制御部15などを制御し、最後ローレゾデータ、最後音声データ、および最後画像データ、並びにヘッダとフッタを、光ディスク11から削除し、ステップS27に進む。
一方、ステップS22において、最後音声データと最後画像データのサイズが、それぞれ、音声年輪サイズと画像年輪サイズに比べて小さくはない、即ち最後音声データと最後画像データは、音声年輪データと画像年輪データであると判定された場合、ステップS26に進み、削除部64は、判定部63からの判定結果に応じて、サーボ制御部15などを制御し、既記録クリップのヘッダと、対応するフッタを光ディスク11から削除して、ステップS27に進む。
ステップS27において、記録制御部61は、再生制御部62からの指令に応じて、データ変換部19を制御し、音声メモリ31に記憶されている音声データと画像メモリ32に記憶されている画像データからローレゾデータを生成し、ローレゾデータ、音声データ、および画像データの圧縮処理を開始する。
具体的には、音声メモリ31に、光ディスク11から再生された最後音声データが記憶されている場合、即ち、最後音声データのサイズが音声年輪サイズに比べて小さい場合、記録制御部61は、その最後音声データ、追記クリップの音声データの順に、圧縮を行う。画像データとローレゾデータについても同様である。
一方、音声メモリ31に、光ディスク11から再生された最後音声データが記憶されていない場合、即ち最後音声データは音声年輪データである場合、記録制御部61は、追記クリップの音声データに対して、順に圧縮を行う。画像データとローレゾデータについても同様である。
ステップS27の処理後は、ステップS28に進み、記録制御部61は、圧縮後のローレゾデータを記録するローレゾデータ記録処理、音声データを記録する音声データ記録処理、および画像データを記録する画像データ記録処理を開始する。なお、ローレゾデータ記録処理、音声データ記録処理、画像データ記録処理は、それぞれ、図7、図8、図9を参照して後述する。
ステップS28の処理後は、ステップS29に進み、記録制御部61は、操作部22からの操作信号に基づき、ユーザにより追記の終了が指令されたかどうかを判定し、追記の終了が指令されていないと判定した場合、ステップS30に進む。
ステップS29において、記録制御部61は、ローレゾデータ記録処理、音声データ記録処理、および画像データ記録処理のすべての記録処理が終了したかどうかを判定し、終了していないと判定した場合、ステップS29に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS29において、すべての記録処理が終了したと判定された場合、記録処理を終了する。
一方、ステップS29において、追記クリップの追記の終了が指令されたと判定された場合、即ち、例えば、ユーザが、追記クリップの追記を終了するように、操作部22を操作した場合、ステップS31に進み、記録制御部61は、ステップS27で開始させた圧縮処理、並びにステップS28で開始させたローレゾデータ記録処理、音声データ記録処理、および画像データ記録処理を終了し、ステップS32に進む。
ステップS32では、ステップS30における場合と同様に、記録制御部61は、すべての記録処理が終了したかどうかを判定する。ステップS32において、すべての記録処理が終了していないと判定された場合、すべての記録処理が終了するまで待機する。
そして、ステップS32において、すべての記録処理が終了したと判定された場合、即ち、ステップS28において開始されたローレゾデータ記録処理、音声データ記録処理、および画像データ記録処理が終了した場合、記録処理を終了する。
次に、図7のフローチャートを参照して、図6のステップS28で開始されるローレゾデータ記録処理について説明する。
ローレゾデータ記録処理が開始されると、まず最初に、ステップS41において、記録制御部61は、後述するステップS47の処理で、1ずつインクリメントされる変数Nlを、例えば1に初期化し、ステップS42に進む。
ステップS42では、記録制御部61は、Tsl×Nlが、Tsa×Na以下であり、さらに、Tsl×Nlが、Tsv×Nv以下であるかどうかを判定する。
ここで、Tslは、ローレゾ年輪サイズであり、変数Nlは、後述するように、ローレゾデータ記録処理において、ローレゾ年輪サイズTslに基づくデータ量のローレゾ年輪データが光ディスク11に記録されるごとに、1ずつインクリメントされていく。従って、Tsl×Nlは、ローレゾデータを、ローレゾ年輪サイズTsl単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしているローレゾ年輪データの最後の再生時刻に相当する。
また、Tsaは、音声年輪サイズであり、音声データの、ある再生時間を表す。また、変数Naは、後述するように、音声年輪サイズTsaに基づくデータ量の音声年輪データが光ディスク11に記録されるごとに、1ずつインクリメントされていく。同様に、Tsvは、画像年輪サイズであり、変数Nvは、後述するように、画像データ記録処理において、画像年輪サイズTsvに基づくデータ量の画像年輪データが光ディスク11に記録されるごとに、1ずつインクリメントされていく。
従って、Tsa×Naは、音声データを、音声年輪サイズTsa単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている音声年輪データの最後の再生時刻に相当し、Tsv×Nvは、画像データを、画像年輪サイズTsv単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている画像年輪データの最後の再生時刻に相当する。
一方、いま、音声年輪データ、画像年輪データ、およびローレゾ年輪データを、同じような再生時間帯のものが、光ディスク11上の近い位置に記録されるように、周期的に配置するものとする。さらに、音声年輪データ、画像年輪データ、およびローレゾ年輪データについては、その再生時刻が早いものほど、光ディスク11の前の位置(光ディスク11に対するデータの読み書き順で、先の位置)に配置され、さらに、同じような再生時間帯の音声年輪データ、画像年輪データ、およびローレゾ年輪データについては、例えば、ローレゾ年輪データ、音声年輪データ、画像年輪データの順番で、光ディスク11のより前の位置に配置されるものとする。
この場合、これから記録しようとするローレゾ年輪データを、注目ローレゾ年輪データというものとすると、注目ローレゾ年輪データは、再生時刻Tsl×Nl以前の最近の(再生時刻Tsl×Nlに最も近い)再生時間帯のローレゾ年輪データとなるが、この注目ローレゾ年輪データは、再生時刻Tsl×Nl以前の最近の再生時間帯の音声年輪データと画像年輪データが記録される直前、つまり、再生時刻Tsl×Nl以前の2番目に新しい再生時間帯の音声年輪データと画像年輪データが記録された直後に記録する必要がある。
ところで、これから記録される音声年輪データは、Tsa×Na以前の最近の再生時間帯の画像年輪データであり、これから記録される音声年輪データは、Tsv×Nv以前の最近の再生時間帯の音声年輪データである。従って、注目ローレゾ年輪データの記録は、ローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nlが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Na以下となっており、さらに、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nv以下となっているタイミングで行う必要がある。
そこで、ステップS42では、上述したように、ローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nlが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Na以下であり、さらに、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nv以下であるかどうかが判定され、これにより、現在のタイミングが、注目ローレゾ年輪データの記録を行うべきタイミングであるかどうかが判定される。
ステップS42において、ローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nlが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Na、または画像年輪データの再生時刻Tsv×Nvのうちのいずれか以下(以前)でないと判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目ローレゾ年輪データの記録を行うべきタイミングでない場合、ステップS42に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS42において、ローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nlが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Na、および画像年輪データの再生時刻Tsv×Nvのすべての時刻以下であると判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目ローレゾ年輪データの記録を行うべきタイミングである場合、ステップS43に進み、記録制御部61は、データ変換部19からメモリコントローラ17を介して、メモリ18に、ローレゾデータが供給されているか否かを判定し、供給されていると判定した場合、ステップS44に進む。
ステップS44では、記録制御部61は、メモリ18に、通算して、ローレゾ年輪サイズTsl×Nl分の再生に必要なローレゾデータが記憶されたか否かを判定し、まだ、その分のローレゾデータがメモリ18に記憶されていないと判定された場合、ステップS42に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。また、ステップS44において、再生時間Tsl×Nlに対応する分のローレゾデータがメモリ18に記憶されたと判定された場合、ステップS45に進む。
なお、データ変換部19のデータ量検出部42は、通算して、再生時間Tsl×Nl分の再生に必要な画像データおよび音声データを検出したとき、その旨を、メモリコントローラ17に通知する。メモリコントローラ17は、その通知に基づいて、通算して、再生時間Tsl×Nl分の再生に必要なローレゾデータをメモリ18に記憶したか否かの判定を行い、その判定結果を記録制御部61に通知する。そして、記録制御部61は、メモリコントローラ17からのその判定結果に基づいて、ステップS44における判定処理を行う。なお、本実施の形態では、画像データ等のデータ量を少なくした画像データ等を圧縮符号したものを、ローレゾデータとするようにしたが、その他、画像データ等のデータ量を少なくした画像データ等を、そのまま、ローレゾデータとするようにすることも可能である。
ステップS45では、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御して、メモリ18に記憶されているローレゾデータから、光ディスク11上に形成される物理的記録再生単位(物理的単位領域)としての、例えば1つのセクタのデータ量の整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量のローレゾデータを、時間的に先に入力された方から読み出させることにより抽出し、ステップS46に進む。
なお、このセクタの整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量のローレゾデータとして、メモリ18から読み出されるローレゾ年輪データが、上述した、再生時刻Tsl×Nl以前の最近のローレゾ年輪データである。また、ステップS45において読み出されなかったローレゾデータは、そのままメモリ18に残される。
ステップS46では、記録制御部61が、ステップS45で得られた、セクタの整数倍のデータ量の注目ローレゾ年輪データを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量の注目ローレゾ年輪データが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。これにより、セクタの整数倍のデータ量のローレゾ年輪データが、その整数倍の数のセクタに、ローレゾ年輪データの境界と、光ディスク11のセクタの境界とが一致するように記録される。
その後、ステップS47に進み、記録制御部61は、変数Nlを1だけインクリメントし、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返される。
一方、ステップS43において、ローレゾデータがメモリ18に供給されていないと判定された場合、即ち、データ変換部19からメモリコントローラ17へのローレゾデータの供給が停止した場合、ステップS48に進み、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御することにより、メモリ18にいま残っているローレゾデータのすべてを読み出し、そのデータ量がセクタの整数倍の最小のデータ量となるように、ローレゾデータに、パディング用のパディング(PADDING)データを付加する。
これにより、メモリ18から読み出されたローレゾデータは、セクタの整数倍のデータ量のローレゾデータとされる。さらに、記録制御部61は、そのローレゾデータを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量のローレゾデータが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。
その後、ステップS49に進み、記録制御部61は、変数Nlに、無限大に相当する値をセットして、ローレゾデータ記録処理を終了する。
次に、図8を参照して、図6のステップS28で開始される音声データ記録処理について詳細に説明する。
音声データ記録処理が開始されると、まず最初に、ステップS51において、記録制御部61は、後で行われるステップS57の処理で、1ずつインクリメントされる変数Naを、例えば1に初期化し、ステップS52に進む。
ステップS52では、記録制御部61は、Tsa×Naが、Tsv×Nv以下であるかどうかを判定し、さらに、Tsa×Naが、Tsl×Nlより小さいかどうかを判定する。
ここで、上述したように、Tsa×Naは、音声データを、音声年輪サイズTsa単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている音声年輪データの最後の再生時刻に相当し、Tsv×Nvは、画像データを、画像年輪サイズTsv単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている画像年輪データの最後の再生時刻に相当する。
そして、Tsa×Naが、Tsv×Nv以下であるというのは、これから記録しようとする音声年輪データである注目音声年輪データを、再生時刻Tsa×Na以前の最近の(再生時刻Tsa×Naに最も近い)再生時間帯の画像年輪データ直前、つまり、再生時刻Tsa×Na以前の2番目に新しい再生時間帯の画像年輪データが記録された直後に記録するための条件である。
さらに、Tsa×Naが、Tsl×Nl未満であるというのは、これから記録しようとする音声年輪データである注目音声年輪データ、即ち、再生時刻Tsa×Na以前の最近の再生時間帯の音声年輪データを、再生時刻Tsl×Nl以前の最近の再生時間帯のローレゾ年輪データが記録された直後に記録するための条件である。
ステップS52において、音声年輪データの再生時刻Tsa×Naが、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nv以下、またはローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nl未満のうちのいずれかではないと判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目音声年輪データの記録を行うべきタイミングでない場合、ステップS52に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS52において、音声年輪データの再生時刻Tsa×Naが、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nv以下であり、ローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nl未満であると判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目音声年輪データの記録を行うべきタイミングである場合、ステップS53に進み、記録制御部61は、データ変換部19からメモリコントローラ17を介して、メモリ18に、音声データが供給されているか否かを判定し、供給されていると判定した場合、ステップS54に進む。
ステップS54では、記録制御部61は、メモリ18に、通算して、音声年輪サイズTsa×Na分の再生に必要な音声データが記憶されたか否かを判定し、まだ、その分の音声データがメモリ18に記憶されていないと判定された場合、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返される。また、ステップS54において、再生時間Tsa×Naに対応する分の音声データがメモリ18に記憶されたと判定された場合、処理はステップS55に進む。
なお、データ変換部19のデータ量検出部42は、通算して、再生時間Tsa×Na分の再生に必要な音声データを検出したとき、その旨を、メモリコントローラ17に通知する。メモリコントローラ17は、その通知に基づいて、通算して、再生時間Tsa×Na分の再生に必要な音声データをメモリ18に記憶させたか否かの判定を行い、その判定結果を記録制御部61に通知する。すなわち記録制御部61は、メモリコントローラ17からのその判定結果に基づいて、ステップS54における判定を行う。
なお、本実施の形態では、音声データを圧縮符号化することによって得られる画像データがメモリ18に記憶されることとしているが、音声データは、圧縮符号化せずに、そのままメモリ18に記憶させることも可能である。
ステップS54の処理後は、ステップS55に進み、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御して、メモリ18に記憶されている音声データから、光ディスク11上に形成される物理的記録再生単位としての、例えば1つのセクタのデータ量の整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量の音声データを、時間的に先に入力された方から読み出させることにより抽出し、ステップS56に進む。
なお、このセクタの整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量の音声データとして、メモリ18から読み出される音声年輪データが、上述した、再生時刻Tsa×Na以前の最近の音声年輪データである。また、ステップS55において読み出されなかった音声データは、そのままメモリ18に残される。
ステップS56では、記録制御部61が、ステップS55で得られた、セクタの整数倍のデータ量の注目音声年輪データを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量の注目音声年輪データが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。
ステップS56において、上述のように、注目音声年輪データの記録制御が行われた後は、ステップS57に進み、記録制御部61は、変数Naを1だけインクリメントし、ステップS52に戻り、それ以降の処理を実行する。
一方、ステップS53において、音声データがメモリ18に供給されていないと判定された場合、即ち、データ変換部19からメモリコントローラ17への音声データの供給が停止した場合、ステップS58に進み、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御することにより、メモリ18にいま残っている音声データのすべてを読み出し、そのデータ量がセクタの整数倍の最小のデータ量となるように、音声データに、パディング用のパディングデータを付加する。
これにより、メモリ18から読み出された音声データは、セクタの整数倍のデータ量の音声データとされる。さらに、記録制御部61は、その音声データを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量の音声データが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。
その後、ステップS59に進み、記録制御部61は、変数Naに、無限大に相当する値をセットして、音声データ記録処理を終了する。
次に、図9のフローチャートを参照して、図6のステップS28で開始される画像データ処理について説明する。
画像データ記録処理が開始されると、まず最初に、ステップS61において、記録制御部61は、後で行われるステップS67の処理で、1ずつインクリメントされる変数Nvを、例えば1に初期化し、ステップS62に進む。
ステップS62では、記録制御部61は、Tsv×Nvが、Tsa×NaおよびTsl×Nl未満であるかどうかを判定する。
ここで、上述したように、TSv×Nvは、画像データを、画像年輪サイズTsv単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている画像年輪データの最後の再生時刻に相当し、Tsa×Naは、画像データを、画像年輪サイズTsa単位で記録していった場合に、これから光ディスク11に記録しようとしている画像年輪データの最後の再生時刻に相当する。そして、Tsv×Nvが、Tsa×NaおよびTsl×Nl未満であるというのは、これから記録しようとする画像年輪データである注目画像年輪データを、再生時刻Tsa×Na以前の最近の再生時間帯の音声年輪データとローレゾ年輪データが記録された直後に記録するための条件である。
ステップS62において、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nvが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Naまたは再生時刻Tsl×Nl未満のうちのいずれかではないと判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目画像年輪データの記録を行うべきタイミングでない場合、ステップS62に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS62において、画像年輪データの再生時刻Tsv×Nvが、音声年輪データの再生時刻Tsa×Naおよびローレゾ年輪データの再生時刻Tsl×Nl未満であると判定された場合、即ち、現在のタイミングが、注目画像年輪データの記録を行うべきタイミングである場合、ステップS63に進み、記録制御部61は、データ変換部19からメモリコントローラ17を介して、メモリ18に、画像データが供給されているか否かを判定し、供給されていると判定した場合、ステップS64に進む。
ステップS64では、記録制御部61は、メモリ18に、通算して、画像年輪サイズTsv×Nv分の再生に必要な画像データが記憶されたか否かを判定し、まだ、その分の画像データがメモリ18に記憶されていないと判定された場合、ステップS62に戻り、それ以降の処理が繰り返される。また、ステップS64において、再生時間Tsv×Nvに対応する分の画像データがメモリ18に記憶されたと判定された場合、処理はステップS65に進む。
なお、データ変換部19のデータ量検出部42は、通算して、再生時間Tsv×Nv分の再生に必要な画像データを検出したとき、その旨を、メモリコントローラ17に通知する。メモリコントローラ17は、その通知に基づいて、通算して、再生時間Tsv×Nv分の再生に必要な画像データをメモリ18に記憶したか否かの判定を行い、その判定結果を記録制御部61に通知する。すなわち記録制御部61は、メモリコントローラ17からのその判定結果に基づいて、ステップS64における判定を行う。
なお、本実施の形態では、画像データを圧縮符号化することによって得られる画像データがメモリ18に記憶されることとしているが、画像データは、圧縮符号化せずに、そのままメモリ18に記憶させることも可能である。
ステップS64の処理後は、ステップS65に進み、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御して、メモリ18に記憶されている画像データから、光ディスク11上に形成される物理的記録再生単位としての、例えば1つのセクタのデータ量の整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量の画像データを、時間的に先に入力された方から読み出させることにより抽出し、ステップS66に進む。
なお、このセクタの整数倍のデータ量であって、メモリ18から読み出すことのできる最大のデータ量の画像データとして、メモリ18から読み出される画像年輪データが、上述した、再生時刻Tsv×Nv以前の最近の画像年輪データである。また、ステップS65において読み出されなかった画像データは、そのままメモリ18に残される。
ステップS65の処理後は、ステップS66に進み、記録制御部61が、ステップS65で得られた、セクタの整数倍のデータ量の注目画像年輪データを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量の注目画像年輪データが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。
ステップS66の処理後は、ステップS67に進み、記録制御部61は、変数Nvを1だけインクリメントし、ステップS62に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS63において、画像データがメモリ18に供給されていないと判定された場合、即ち、データ変換部19からメモリコントローラ17への画像データの供給が停止した場合、ステップS68に進み、記録制御部61は、メモリコントローラ17を制御することにより、メモリ18にいま残っている画像データのすべてを読み出し、そのデータ量がセクタの整数倍の最小のデータ量となるように、画像データに、パディング用のパディング(PADDING)データを付加する。
これにより、メモリ18から読み出された画像データは、セクタの整数倍のデータ量の画像データとされる。さらに、記録制御部61は、その画像データを、メモリコントローラ17から信号処理部16に供給させ、これにより、そのセクタの整数倍のデータ量の画像データが、その整数倍の数のセクタに記録されるように記録制御を行う。
その後、ステップS69に進み、記録制御部61は、変数Nvに、無限大に相当する値をセットして、画像データ記録処理を終了する。
なお、上述の場合には、光ディスク11の物理的単位領域を、セクタとしたが、光ディスク11の物理的単位領域としては、その他、例えば、ECC(Error Correction Code:誤り訂正符号)処理が施される単位のデータが記録されるECCブロックとすることが可能である。また、光ディスク11の物理的単位領域は、その他、例えば、複数の固定数のセクタや、複数の固定数のECCブロックとすることが可能である。
ここで、ECC処理は、例えば、信号処理部16で、ECCブロック単位で施される。また、セクタは、1以上の個数のECCブロックで構成することができる。あるいは、ECCブロックは、1以上の個数のECCブロックで構成することができる。
なお、1つのECCブロックが1つのセクタから構成されるものとすれば、物理的単位領域を、セクタとしても、また、ECCブロックとしても、光ディスク11へのデータの記録結果は同一になる。
また、上述した説明では、データ変換部19において、ローレゾデータが生成されたが、ローレゾデータはデータ入出力装置40から直接入力されるようにしてもよい。この場合、追記時においては、光ディスク11から最後ローレゾデータが読み出されて伸張され、メモリ20に記憶される。そして、記録制御部61は、ローレゾデータ生成部45を制御して、伸張後の最後ローレゾデータ、追記クリップのローレゾデータの順にローレゾデータを圧縮し、その結果得られるローレゾデータを年輪サイズ単位で記録させる。
さらに、本発明は、光ディスク以外のディスク状記録媒体にも適用することができる。
また、上述した説明では、ディスク記録装置10が、音声データと画像データとともに、ローレゾデータを記録するようにしたが、ローレゾデータは記録されなくてもよい。
以上のように、ディスク記録装置10は、追記クリップを、既記録クリップに追記する場合、その既記録クリップのうち、光ディスク11の最後に配置されている、既記録クリップのデータ系列それぞれについての、光ディスク11のセクタの整数倍のデータ量である所定のデータ量ごとのデータである最後データの再生を制御し、既記録クリップのデータ系列それぞれについての最後データである最後音声データおよび最後画像データと、追記クリップのデータ系列とを記憶させ、最後データを光ディスク11から削除し、データ系列ごとに、記憶されている最後データを読み出した後、追記クリップを読み出し、読み出し順に、所定のデータ量のデータを抽出し、そのデータを、データの境界と、セクタの境界とが一致し、かつデータ系列ごとのデータが周期的に配置されるように、光ディスク11に記録する記録制御を行うので、編集処理を迅速に行うことができる。
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
10 ディスク記録装置, 17 メモリコントローラ, 18 メモリ, 21 制御部, 23 ROM, 45 ローレゾデータ生成部, 61 記録制御部, 62 再生制御部, 63 判定部, 64 削除部