JP4675630B2 - 核酸検出装置 - Google Patents

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本発明は、核酸の検出を行う核酸検出装置に関する。
核酸検出装置には、核酸増幅反応に伴う反応溶液の濁度変化を検出することにより核酸の検出を行うものがある。例えば、かかる構成の装置では、検出セル内に反応溶液を収容するとともに、この反応溶液を所定の温度に加熱し、反応溶液中の核酸を増幅させて反応溶液の濁度を検出することにより核酸濃度の検出を行うことができる。
このような反応溶液の濁度の検出は、例えば、発光素子と受光素子とを備えた光検出器により行われる。具体的には、発光素子である発光ダイオード(以下、LEDと呼ぶ)から出射された光が検出セルを介して反応溶液に照射されるとともに、検出セル及び反応溶液を透過した光が受光素子で受光される。そして、受光素子で受光された光は、光電気変換手段により電気信号に変換されて検出され、この電気信号に基づいて反応溶液の濁度がリアルタイムで検出される。
上記核酸検出装置では、光検出器を複数備えており、光検出器間の受光感度誤差を調整する必要がある。
このような光検出器においては、LEDが反応溶液の加熱に伴う温度変化の影響を受けて発光光量が変化するため、LED光量の温度補償を行う必要がある。LED光量の温度補償を行う技術の例として、LED光量の温度補償を行う抵抗温度係数の異なる複数の感温抵抗素子を備え、切り換えスイッチにより信号伝達経路が切り換えられて適切な感温抵抗素子が選択される温度補償回路を備える光電気変換器がある(例えば、特許文献1参照)。
また、上記光検出器においては、受光素子も温度変化の影響を受けるため、受光素子から出力される受光信号に対して温度補償を行う必要がある。受光素子の温度補償を行う技術の例として、分光光学系により分光された測定光をフォトダイオードアレイにより波長ごとに検出して信号処理し、測定光量の測定を行う分光分析装置において、フォトダイオードアレイの温度変化を測定する温度センサと、温度センサからの信号を用いて測定光量の補正を行う補正手段とを備えた分光分析装置がある(例えば、特許文献2参照)。これらの先行技術に記載された技術は核酸検出装置に関する技術ではない。
特開2000−275281号公報 特開平8−122246号公報
一方、上述した核酸検出装置においては、作業効率等の観点から複数の反応溶液から濁度を検出できるように複数の光検出器を備えている。このような核酸検出装置では、光検出器毎にLEDが設けられており、それぞれのLEDの製造誤差による発光量の違いが生じる。また、それぞれの光検出器の使用頻度の違いによってそれぞれのLEDの経時変化の度合いが異なり、そのためにLED毎の発光量が異なってくる。このように複数の光検出器を備えた核酸検出装置においては、それぞれの光検出器のLEDの発光量の違いに基づいて受光素子から出力される受光信号にばらつきが生じてしまう。また、このような核酸検出装置では、光検出器毎に受光素子が設けられており、それぞれの受光素子の製造誤差による受光素子の受光感度に違いが生じる。また、それぞれの光検出器の使用頻度の違いによってそれぞれの受光素子の経時変化の度合いが異なり、そのために受光素子毎の受光感度が異なってくる。このように複数の光検出器を備えた核酸検出装置においては、それぞれの光検出器の受光素子の受光感度に基づいて受光素子から出力される受光信号にばらつきが生じてしまう。上述した従来技術を核酸検出装置に適用したとしても、このような問題を解決することはできない。
本発明は、複数の光検出器のうちどの光検出器を用いた場合でも精度の高い核酸検出が可能な核酸検出装置を提供することを目的とする。
本発明の核酸検出装置は、検出容器の反応溶液中で標的核酸の増幅を行い、増幅された標的核酸を検出する核酸検出装置であって、検出容器に光を照射するための発光部と検出容器からの光を受光するための受光部とを有する複数の検出部と、各検出部からの受光信号を増幅する信号増幅部と、予め複数の検出部について共通の値として決められているターゲットA/D値及び標的核酸の増幅前に検出部から出力された受光信号に対応するデフォルト対応受光信号A/D値に基づいて、デフォルト対応受光信号A/D値をターゲットA/D値に増幅するための調整後増幅率D/A値を各検出部について決定し、各検出部に対応する調整後増幅率D/A値に基づいて、標的核酸の増幅中に各検出部から出力された受光信号を増幅するように信号増幅部を制御し、増幅された受光信号に基づいて、標的核酸の濃度を取得する制御部と、を備える。
本発明に係る核酸検出装置は、複数の検出部の各々で取得される受光信号間に信号レベルのばらつき(発光部と受光部の何れかに起因するばらつき)があっても、容易にかつ瞬時に受光信号目標値にあわせることが可能となる。したがって、簡単な装置構成で容易にかつ検出の度にリアルタイムで各検出部の受光部の受光信号レベルを均一なレベルに調整することが可能となり、よって、核酸検出の検出精度及び信頼性の向上が図られる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本実施の形態では、本発明に係る核酸検出装置として、遺伝子増幅検出装置を例示して説明する。かかる遺伝子増幅検出装置は、例えば、癌手術での切除組織における癌転移診断を支援する分析装置として利用可能である。ここでは、切除組織内に存在する癌由来の遺伝子(具体的にはm−RNA)をLAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法を用いて増幅させるとともに遺伝子の増幅に伴って生じる反応溶液の濁度変化を検出することにより癌遺伝子の検出を行う装置について説明する。なお、LAMP法の詳細は、米国特許第6410278号公報に開示されており、以下の実施の形態では説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る核酸検出装置の構成を示す模式図であり、図1(a)は核酸検出装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図であり、図1(b)は図1(a)の核酸検出装置の具体的な構成例である。また、図2は、図1の核酸検出装置の制御部の構成を模式的に示す機能ブロック図であり、図3は、図2のデータロガの構成を模式的に示す機能ブロック図である。また、図4は、図1の核酸検出装置の測定部の構成を模式的に示す斜視図であり、図5は、図4の測定部の平面図である。
図1(a)に示すように、核酸検出装置100は、測定部101と、分析部102とを備える。そして、核酸検出装置100には、適宜、周辺機器200が配設されている。測定部101は、反応溶液調製部101aと、反応部101bと、検出部101cと、測定制御部101dと、を備えており、分析部102は、図2及び図3に示す構成を備えている。
図1(b)に示すように、本体ケース1(図4参照)内に収容された測定部101と、操作入力部(キーボード102a及びマウス102b)を備え本体ケース1の外部に配設されたパーソナルコンピュータから構成された分析部102とが、通信回線を介して接続されている。また、周辺機器200として、プリンタ200a及びホストコンピュータ200bが通信回線を介して分析部102に接続されている。プリンタ200aでは、分析部102から出力されたグラフィックデータやテキストデータ等の各種データの印刷が行われる。また、ホストコンピュータ200bでは、分析部102から出力された各種データの処理や管理等が総括して行われる。
図4及び図5に示すように、核酸検出装置100は、本体ケース1内に測定部101が収容された構成を有する。そして、測定部101は、反応溶液調製部101aと、反応部101b及び検出部101cを含む反応検出部2と、を備えている。反応溶液調製部101aは、分注機構4と、サンプル容器セット部5と、試薬容器セット部6と、チップセット部7と、チップ廃棄部3とから構成される。また、反応検出部2は、反応溶液を収容した検出セル20が配置される反応検出ブロック8を有する。この反応検出ブロック8は、図中の矢印Xの方向に沿って5列配設され、ここではチップ廃棄部3に近い側から順に反応検出ブロック8a、8b、8c、8d、8eと呼ぶ。
反応溶液調製部101aの分注機構4は、図中の矢印X及びYの方向に沿って水平移動可能に構成されたアーム10と、アーム10に取り付けられそれぞれ独立して図中の矢印Zの方向に沿って上下移動可能に構成された一対のシリンジ11とを有する。このシリンジ11の先端には、ピペットチップ12が装着されている。
なお、ここでは図示を省略しているが、2本のシリンジ11には、試薬及びサンプル溶液の吸引及び吐出を行うためのポンプと、このポンプの駆動源となるモータと、液面検知センサと、圧力検知センサとが設けられている。このモータの回転をピストン運動に変換することにより、ポンプにおいて溶液の吸引及び吐出機能が奏される。また、液面検知センサは、例えば静電容量式のセンサであり、導電性樹脂からなるピペットチップ12の先端が液面に接触しているかを検知する。また、圧力センサは、前述のポンプにおける溶液吸引及び吐出の際の圧力を検知する。この液面検知センサ及び圧力検知センサによって、溶液の吸引及び吐出が確実に行われているか否かが検知される。
サンプル容器セット部5には、5つのサンプル容器セット孔5aと、把持部5bとを有するサンプル容器セット台5cが取り外し可能に配設されている。サンプル容器セット台5cに設けられた5つのサンプル容器セット孔5aは、図中の矢印Xの方向に沿って所定の間隔を隔てて1列に設けられている。このサンプル容器セット台5cの5つのサンプル容器セット孔5aには、サンプル溶液が収容されたサンプル容器13がセットされる。
なお、核酸検出装置100における核酸検出では、後述のように、検量線の作成及び陰性コントロールの検出を行う必要がある。そのため、サンプル溶液がセットされた容器に代わって、検量線を作成するための基準となる所定の濃度の標的遺伝子を含むキャリブレータが収容された容器や、装置及び試薬が汚染されていないことを確認するための陰性コントロールが収容された容器が、サンプル容器セット孔5aに配置される。
また、試薬容器セット部6には、2つのプライマ試薬容器セット孔6a,6a’及び2つの酵素試薬容器セット孔6b,6b’と、把持部6cとを有する試薬容器セット台6dが、取り外し可能に配設されている。試薬容器セット台6dのプライマ試薬容器セット孔6a及びプライマ試薬容器セット孔6a’はそれぞれ、図中の矢印Yの方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられている。また、酵素試薬容器セット孔6b及び酵素試薬容器セット孔6b’は、それぞれ、図中の矢印Yの方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられている。この試薬容器セット台6dのプライマ試薬容器セット孔6a,6a’には、種類の異なるプライマ試薬がそれぞれ収容されたプライマ試薬容器14,14’がそれぞれセットされ、また、酵素試薬容器セット孔6b,6b’には、前記プライマ試薬にそれぞれ対応する種類の異なる酵素試薬がそれぞれ収容された酵素試薬容器15,15’がそれぞれセットされる。
本実施の形態では、プライマ試薬容器セット孔6aにサイトケラチン19(CK19)のプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器14がセットされ、また、酵素試薬容器セット孔6bにはCK19の酵素試薬が収容された酵素試薬容器15がセットされる。また、プライマ試薬容器セット孔6a’に、βアクチン(β-actin)のプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器14’がセットされ、また、酵素試薬容器セット孔6b’にはβアクチンの酵素試薬が収容された酵素試薬容器15’がセットされる。
また、チップセット部7には、36本のピペットチップ12を収納可能な収納孔7aを有する2つのラック7bがそれぞれ着脱可能に配置されている。また、チップセット部7には、2つの取り外しボタン7cが設けられている。この取り外しボタン7cを押すことにより、ラック7bが取り外し可能な状態になる。ピペットチップ12は、カーボン含有の導電性の樹脂材料から構成され、ピペット内部にはフィルタ(図示せず)が装着されている。このフィルタは、溶液のシリンジ11への誤流入を防止する機能を有する。ピペットチップ12は、製造過程で付着する可能性のある人間の唾液等の分解酵素が遺伝子の増幅に悪影響を及ぼさないように、予め出荷前に箱詰めした状態で電子線照射が実施される。また、ピペットチップ12が収納されたラック7cは、チップセット部7にセットする前には、下カバーと上カバーとが装着された状態で保管されている。
また、チップ廃棄部3には、使用済みのピペットチップ12を廃棄するためのチップ廃棄孔3aが図中の矢印Yの方向に沿って所定の間隔を隔てて2つ並んで設けられている。また、各チップ廃棄孔3aに連続して、チップ廃棄孔3aよりも幅の小さな溝部3bがそれぞれ設けられている。
反応検出部2の5つの反応検出ブロック8の各ブロック8a〜8eは、サンプル溶液の増幅反応を行う反応部101bと、反応溶液の濁度を検出する検出部101cとから構成されている。以下においては、反応検出ブロック8の1つを例示して構成を詳細に説明する。
図6は、反応検出ブロック8の構成を拡大して模式的に示した切り欠き斜視図である。反応検出ブロック8の反応部101bには、反応溶液が収容された検出セル20をセットするための検出セルセット孔21(図5参照)が設けられている。また、検出セル20内の反応溶液への光の入射及び該溶液からの光の出射が可能なように光照射溝22が設けられている。また、検出セル20内部の反応溶液の加熱及び冷却を行うペルチェモジュール23及び放熱ヒートシンク24が設けられている。
検出セル20は、光を透過可能な耐熱性の透明樹脂(例えば、ポリメチルペンテン(TPX)等の結晶性のオレフィン系熱可塑性樹脂)からなるセル部材20aと、耐熱性の樹脂(例えば、高密度ポリエチレン)からなる蓋部材20bとを一体的に組み合わせることにより構成されている。検出セル20を構成するセル部材20aには、反応溶液を収容する空間である2つのセル部20cが形成されている。このような検出セル20は、製造過程で付着する可能性のある人間の唾液等の分解酵素が遺伝子の増幅に悪影響を及ぼさないように、予め出荷前に箱詰めした状態で電子線照射が施される。
反応検出ブロック8の検出部101cは、光を用いて反応溶液の濁度検出を行うように構成されており、反応部101bの検出セル20の一方の側面側に配置された基板25に2つのセル部20cにそれぞれ対応して465nmの波長を有する青色LEDが表面実装されて2つのLED光源部26が形成され、また、基板25と対向するように検出セル20の他方の側面側に配置された基板27に、各LED発光部26に対応してフォトダイオードが実装されて2つのフォトダイオード受光部28が形成されている。
このように、反応検出ブロック8の検出部101cには、LED発光部26とフォトダイオード受光部28とを1組として構成された検出ユニット32が各セル部20cに対応して配置されている。したがって、反応検出部2は5つの反応検出ブロック8a〜8eを備えることから、合計10個の検出ユニット32が配置されている。かかる構成では、1つの検出ユニット32により1つの検出チャンネルが構成されることから、反応検出部2には10個の検出チャンネルが形成されている。
図7及び図8は、検出部101cの個々の検出ユニット32(すなわち個々の検出チャンネル)の構成を説明するための模式図であり、図7は検出チャンネルの構成を模式的に示す光の進行方向における断面図であり、また、図8は検出チャンネルの構成を模式的に示す平面図である。
図7及び図8に示すように、1つの検出チャンネルを構成する検出ユニット32では、LED発光部26から検出セル20のセル部20cの下部に向けて照射された光がフォトダイオード受光部28によって受光されるよう、LED光源部26を備えた基板25とフォトダイオード受光部28を備えた基板27とが、ペルチェモジュール23及び放熱用ヒートシンク24を含む冷却・加熱ブロック29(図8参照)及び検出セル20を挟んで対向配置されている。かかる構成の検出ユニット32では、検出セル20の有無が検出されるとともに、後述するように、検出セル20のセル部20c内に収容された反応溶液の濁度がリアルタイムで検出(モニタリング)される。
LAMP法により遺伝子の増幅反応を行う本実施の形態の核酸検出装置100では、LED発光部26が、冷却・加熱ブロック29の作用により加熱及び冷却され一回の反応において所定時間内に約20℃から約65℃まで温度変化する。
各検出チャンネル(各検出ユニット32)において、LED発光部26側の基板25に、LEDの駆動電流の供給源である駆動部を含みLED発光部26の温度変化に応じてLEDに供給される電流量を調整しつつこの駆動部からLEDに駆動電流を供給する温度補償回路31が配設されている(図8参照)。温度補償回路31は、温度変化を検知して直線的に抵抗値を変化させる、すなわち温度センサとしての機能を有する感温抵抗素子Rtを備える。
遺伝子の増幅反応時には、感温抵抗素子RtがLED発光部26の温度変化を検知し、この温度変化に応じて感温抵抗素子Rtの抵抗値が変化する。駆動部から出力されたLEDの駆動電流は温度補償回路31を介してLEDに供給されるが、温度補償回路31中の感温抵抗素子Rtの抵抗値が前述のように温度に応じて変化することから、LEDに供給される駆動電流は温度に応じて大きさが調整される。例えば、LED発光部26の温度が高い場合には、温度に応じて感温抵抗素子Rtの抵抗値が調整され、それゆえ、LEDに供給される駆動電力が大きくなる。したがって、高温では光量が低下する傾向を有するLEDであっても、駆動部から供給される駆動電力が増加するため、光量の低下が抑制されて一定に保持される。
すなわち、この温度補償回路31では、電源電圧VDDが印加される端子Tlと接地との間にLEDとnpnトランジスタ(以下、単にトランジスタという)Trとが直列に接続されており、従ってLEDにはトランジスタTrのコレクタ電流に応じた駆動電流が流れる。一方、端子Tlと接地との間には、抵抗素子R1、R2と感温抵抗素子Rtとが直列に接続されるとともに、整流器M1が配設されている。ここではVDDが負荷変動やノイズ等の影響を受けて変化するため、ツエナーダイオード等の基準電圧設定素子M1で作られる基準電圧を作成し、この基準電圧に対する抵抗R2と感温抵抗素子Rtとの分圧(分割電圧)が差動増幅器(ここではオペアンプ)Opを介してトランジスタTrのベースに入力されている。作動増幅器OpにはトランジスタTrのエミッタ電圧と感温抵抗素子Rtの分圧との差電圧が入力され、この差電圧が増幅され抵抗素子R3を介してトランジスタTrのゲートに入力されるようになっている。従って、LEDの温度が上昇すると感温抵抗素子Rtの抵抗値が増大し、それにより、感温抵抗素子Rtの分圧が増大する。すると、トランジスタTrのベース−エミッタ間電圧が増大し、それにより、トランジスタTrのコレクタ電流、すなわちLEDの駆動電流が増大する。これにより、温度上昇に伴うLEDの出射光量の低下が補償される。このようにして、フォトダイオード受光部28では、温度変化に伴うLED出射光量の変化に起因する受光光量誤差の発生が抑制され、受光光量を一定に保つことが可能となる。なお、抵抗素子R4はエミッタ抵抗であり、このエミッタ抵抗の端子電圧が作動増幅器Opに負帰還されることによってトランジスタTrの動作の安定化が図られている。
核酸検出装置100では、検出ユニット32を各々備えた10個の検出チャンネルが、上記のようなLEDの温度補償回路31をそれぞれ有するので、各検出チャンネルにおいて、それぞれLED光量の温度補償が行われる。
次に、核酸検出装置100の動作について説明する。核酸検出装置100では、癌手術での切除組織内に存在する癌由来の遺伝子(m−RNA)とプライマ試薬及び酵素試薬とを含む反応溶液を調製する反応溶液調製動作と、LAMP法により遺伝子を増幅させる遺伝子増幅反応動作と、遺伝子の増幅に伴う反応溶液の濁度を検出して反応溶液中の核酸濃度を検出する検出動作とが行われる。核酸検出装置100では、測定を開始すると遺伝子増幅反応と検出動作とが行われる。
まず、切除組織に従来の方法によりホモジナイズ、濾過、希釈等の処理を予め施して作成した可溶化抽出液(以下、サンプル溶液と呼ぶ)が収容されたサンプル容器13を、サンプル容器セット台5cのサンプル容器セット孔5aにセットする。また、プライマ試薬容器セット孔6aに、CK19のプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器14をセットするとともに、酵素試薬容器セット孔6bに、CK19の酵素試薬が収容された酵素試薬容器15をセットする。また、プライマ試薬容器セット孔6a’に、βアクチンのプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器14’をセットするとともに、酵素試薬容器セット孔6b’に、βアクチンの酵素試薬が収容された酵素試薬容器15’をセットする。また、チップセット部7に、それぞれ36本の使い捨て用ピペットチップ12が収納された2つのラック7bを配置する。この時、分注機構4のアーム10の位置は、チップセット部7の上方から外れた位置、具体的にはチップ廃棄部3の上方とする。それにより、容易にチップセット部7に2つのラック7bを配置することが可能となる。以下においては、このチップ廃棄部3の上方の位置をアーム10の初期位置と呼ぶ。また、反応部検出2の各反応検出ブロック8において、反応部101bの検出セルセット孔21に、検出セル20の2つのセル部20cをセットする。
その後、分析部102の操作入力部(具体的には図1(b)のキーボード102a、マウス102b)により、測定項目やサンプルの登録、フォトダイオード受光部28の受光感度レベル(具体的には後述のターゲット値)等の必要な情報を入力する。このようにして入力された情報は、処理制御部55(図2参照)に伝達されて設定が行われる。そして、分析部102から測定部101の測定制御部101dに運転開始の制御信号が出力されて核酸検出装置100の運転が開始される。
核酸検出装置100の運転が開始されると、まず、分注機構4のアーム10がチップ廃棄部3上方の初期位置からチップセット部7に移動する。そして、チップセット部7において、分注機構4の2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向下向きに移動する。それにより、2つのシリンジ11の各々の先端が、チップセット部7に配置されたピペットチップ12の上部開口部内にそれぞれ圧入され、各シリンジ11の先端にピペットチップ12が自動で装着される。
ピペットチップ12が装着された2つのシリンジ11は図中の矢印Zの方向上向きに移動し、続いて、分注機構4のアーム10が、試薬容器セット部6の上方に向かって図中の矢印Xの方向に沿って移動する。そして、2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向下向きに移動する。それにより、一方のシリンジ11の先端に装着されたピペットチップ12の先端がプライマ試薬容器14内のCK19のプライマ試薬の液面に挿入されるとともに、他方のシリンジ11の先端に装着されたピペットチップ12の先端がプライマ試薬容器14’内のβアクチンのプライマ試薬の液面に挿入される。そして、シリンジ11のポンプ(図示せず)により、一方のシリンジ11内にプライマ試薬容器14内のCK19のプライマ試薬が吸引され、他方のシリンジ11内にプライマ試薬容器14’内のβアクチンのプライマ試薬が吸引される。なお、これらのプライマ試薬の吸引時には、液面検知センサ(図示せず)により、ピペットチップ12の先端が液面に接触していることが検知されるとともに、圧力検知センサ(図示せず)により、ポンプ(図示せず)による吸引時の圧力が検知される。それにより、吸引が確実に行われる。
このようにして2つのシリンジ11内にそれぞれプライマ試薬を吸引した後、2つのシリンジ11は図中の矢印Zの方向上向きに移動する。続いて、分注機構4のアーム10が、反応検出部2の所定の反応検出ブロック8の上方に移動する。ここでは、アーム10は、まず、チップ廃棄部3に最も近い反応検出ブロック8aの上方に移動する。かかる移動では、アーム10は、他の反応検出ブロック8b〜8eの上方を通過しない経路で移動する。続いて、アーム10の移動先の反応検出ブロック8aにおいて、2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向下向きに移動し、それにより、2つのシリンジ11の先端に装着されたピペットチップ12が、それぞれ、検出セル20の2つのセル部20c内に挿入される。そして、シリンジ11のポンプ(図示せず)を用いて、一方のシリンジ11内のCK19のプライマ試薬が一方のセル部2cに吐出されるとともに、他方のシリンジ11内のβアクチンのプライマ試薬が他方のセル部2cに吐出される。この吐出時には、上記の吸引時と同様、液面検知センサ(図示せず)によりピペットチップ12の先端が吐出した液の液面に接触していることが検知されるとともに、圧力検知センサ(図示せず)により、ポンプ(図示せず)による吐出時の圧力が検知される。それにより、吐出が確実に行われる。
プライマ試薬の吐出後、2つのシリンジ11は図中の矢印Zの方向上向きに移動する。その後、分注機構4のアーム10が、チップ廃棄部3の上方に向かって図中の矢印Xの方向に沿って移動する。そして、チップ廃棄部3において、ピペットチップ12の廃棄が行われる。具体的には、2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向下向きに移動することにより、チップ廃棄部3の2つのチップ廃棄孔3a内にピペットチップ12がそれぞれ挿入され、続いて、この状態でアーム10が図中の矢印Yの方向に沿って移動する。それにより、ピペットチップ12が溝部3bの下に移動する。そして、さらに2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向上向きに移動することにより、ピペットチップ12の上面(すなわちシリンジ11との接合部)の鍔部が溝部3b両脇の下面に当接し、この下面から下方向の力を受ける。それにより、ピペットチップ12が2つのシリンジ11の先端から自動的に外れ、チップ廃棄部3に廃棄される。
上記のようにして反応検出ブロック8aの検出セル20のセル部20c内にプライマ試薬を分注した後、さらに当該反応検出ブロック8aのセル部20c内に酵素試薬の分注が行われる。具体的には、まず、分注機構4のシリンジ11に新たにピペットチップ12が装着される。続いて、分注機構4のアーム10が、試薬容器セット部6の上方に向かって図中の矢印Xの方向に沿って移動する。そして、酵素試薬容器15内のCK19の酵素試薬が一方のシリンジ11に吸引されるとともに、酵素試薬容器15’内のβアクチンの酵素試薬が他方のシリンジ11に吸引され、その後、2つのシリンジ11が反応検出ブロック8aの上方に移動する。続いて、CK19の酵素試薬が、反応検出ブロック8aの検出セル20のCK19のプライマ試薬を収容したセル部20c内に吐出されるとともに、βアクチンの酵素試薬が、βアクチンのプライマ試薬が収容された他方のセル部20c内に吐出される。このようにしてセル部20cに各酵素試薬を吐出した後、チップ廃棄部3にピペットチップ12が廃棄される。以上のような酵素試薬の分注動作及びチップ廃棄動作は、プライマ試薬の場合と同様である。
上記のようにして反応検出ブロック8aの検出セル20のセル部20c内に酵素試薬を分注した後、さらに当該反応検出ブロック8aのセル部20c内にサンプル溶液の分注が行われる。具体的には、まず、プライマ試薬の分注時と同様にして分注機構4のシリンジ11に新たにピペットチップ12が装着され、その後、アーム10が、サンプル容器セット部5に向かって図中の矢印Xの方向に沿って移動する。そして、2つのシリンジ11が別個にそれぞれ図中の矢印Zの方向下向きに移動し、それにより、2つのシリンジ11内にそれぞれ5つのうちの1つのサンプル容器13内に収容されたサンプル溶液が吸引される。
ここでは、まず、一方のシリンジ11がサンプル容器セット台5cにセットされた5つのサンプル容器13のうちの1つのサンプル容器13の上方に位置するように配置される。そして、このシリンジ11が下向きに移動してこのサンプル容器13内のサンプル溶液を吸引する。その後、このシリンジ11が上方向に移動するとともに、他方のシリンジ11がこのサンプル容器13の上方に位置するように分注機構4のアーム10が図中の矢印Yの方向に沿って移動する。このようにしてサンプル溶液13の上方に配置された他方のシリンジ11は、下方向に移動してこのサンプル容器13からサンプル溶液を吸引し、その後、上方向に移動する。このようにして各シリンジ11内にそれぞれサンプル溶液が吸引された後、分注機構4のアーム10は、反応検出ブロック8aの上方に移動する。そして、2つのシリンジ11が図中の矢印Zの方向下向きに移動し、反応検出部8aの検出セル20の2つのセル部20cにそれぞれサンプル溶液を吐出する。サンプル溶液を吐出した後、ピペットチップ12の廃棄が行われる。なお、サンプル溶液の吸引動作、アーム10の移動動作、及び、ピペットチップ12の廃棄動作は、プライマ試薬及び酵素試薬の分注時の動作と同様である。
また、検出セル20の2つのセル部20cへのサンプル溶液吐出時には、2つのシリンジ11のポンプ(図示せず)を用いて、セル部20c内に収容された溶液の吸引及び吐出動作を複数回繰り返す。それにより、2つのセル部20c内に収容されたプライマ試薬と酵素試薬とサンプル溶液とを含む反応溶液が、撹拌される。
以上のようにして、プライマ試薬、酵素試薬、及びサンプル溶液を含む反応溶液の調製が行われる。すなわち、反応検出ブロック8aにセットされた検出セル20の一方のセル部20c内に、CK19のプライマ試薬、CK19の酵素試薬、及びサンプル溶液を含む反応溶液が収容され、また、他方のセル部20c内に、βアクチンのプライマ試薬、βアクチンの酵素試薬、及びサンプル溶液を含む反応溶液が収容される。ここでは、反応溶液の調製における各液の分注時に、検出セル20内の液温が、ペルチェモジュールを用いた温度調整により、約20℃に保持されている。
上記のようにして反応溶液の調整を行った後、検出セル20の蓋部20bを閉じる。その後、ペルチェモジュール23を用いて反応部101bの加熱を行い、検出セル20内の反応溶液の温度を約20℃から約65℃に上昇させて所定時間(ここでは18分)の間LAMP法による遺伝子増幅反応を行う。それによって、反応溶液中の標的遺伝子(m−RNA)が増幅される。このようにして、核酸検出装置100において、遺伝子増幅反応動作が行われる。
上記のような遺伝子増幅反応では、標的遺伝子の増幅に伴って副成生物たるピロリン酸マグネシウムが生成されるため、この副生成物により反応溶液が白濁し溶液の濁度が変化する。核酸検出装置100の検出部101cでは、このような標的遺伝子の増幅に伴う反応溶液の濁度を検出ユニット32を用いて検出する。すなわち、核酸検出装置100では、反応部101bにおける遺伝子増幅反応動作と同時に、検出部101cにおける検出動作が行われる。
反応検出ブロック8aにおける反応溶液の濁度検出では、図7及び図8に示すように、検出ユニット32のLED発光部26から約1mmの直径を有する光ビーム(以下、単に光という)が出射され、この光が、光照射溝22を介して検出セル20のセル部20cに照射される。そして、セル部20c及びその内部に収容された反応溶液を透過した光(以下、透過光と呼ぶ)が、検出ユニット32のフォトダイオード受光部28で受光される。
反応検出ブロック8aでは、検出セル20が2つのセル部20cを有しており各セル部20c内にそれぞれ反応溶液が収容されており、また、各セル部20cに対応して検出ユニット32が配設されている。そのため、反応検出ブロック8aには、2つの検出チャンネル(ここでは第1チャンネル及び第2チャンネルと呼ぶ)が形成される。各検出チャンネルでは、フォトダイオード受光部28で透過光を受光することにより、増幅反応時のセル部20c内の反応溶液の透過光がリアルタイムで検出(モニタリング)される。そして、フォトダイオード受光部28で検出された光は、電気信号に変換されて受光信号となる。ここでは、受光信号は測定制御部101dに随時送出される。
図2に示すように、測定制御部101dは、反応溶液調製部101aと反応部101bと検出部101cとを制御し、測定制御部101dの制御回路101eは、第1〜第10の10個の検出チャンネルから各検出チャンネルの受光信号が常に入力されるとともに所望の検出チャンネルの受光データを選択してデータロガ54に出力するマルチプレクサ53と、マルチプレクサ53から出力された所望の検出チャンネルの受光信号を用いてこの検出チャンネルの反応溶液の経時的な受光データを自動作成するデータロガ54とから構成されている。また、分析部102は、操作入力部102a,102bと、記憶部52と、処理制御部55とから構成されている。分析部102は、マルチプレクサ53及びデータロガ54を制御するとともにデータロガ54から出力された受光データを演算処理して濁度を取得するとともに、取得された濁度の検出データと記憶部52に記憶された検量線(具体的には図10の検量線)とを比較することにより反応溶液中の核酸濃度を取得する処理制御部55を含んでいる。
制御回路101eでは、上記のようにして出力された第1及び第2検出チャンネルの受光信号がチャンネル毎に、随時、マルチプレクサ53に入力される。マルチプレクサ53は、複数の入力信号からデータロガ54に送出する信号を選択するための切替スイッチとしての機能を有しており、処理制御部55からの制御信号によって、必要なチャンネルの受光信号のみがデータロガ54に送出されるようにデータロガ54へのデータ入力経路を切り替える。例えば、ここでは、まず第1検出チャンネルが選択される。
そして、データロガ54は、マルチプレクサ53から入力された所望の検出チャンネル(ここでは第1検出チャンネル)の受光信号から、濁度算出用の受光データを作成する。
具体的には、図3に示すように、データロガ54では、入力された第1検出チャンネルの受光信号がバッファ542に入力され、さらに加算回路543に入力される。バッファ542においては、受光信号の劣化を防ぐ増幅処理が施され、加算回路543においては、入力された受光信号の加算処理、及び、反転増幅処理が施される。
そして、加算回路543では、第1検出チャンネルの受光信号と受光部オフセット調整用D/Aコンバータ544により出力されたオフセット信号とを加算処理し、反転増幅することにより第1検出チャンネルの0点調整が行われる。この受光部オフセット調整用D/Aコンバータ544は、処理制御部55から出力される制御信号によって制御されている。
ここで、第1検出チャンネルの0点調整(オフセット調整)とは、LED発光部26からの光出射が行われない状態におけるフォトダイオード受光部28から出力される出力信号を0に設定するためのオフセット値を求め、オフセット値に基づいて0点調整をする処理のことである。また、0点調整に必要な0点調整後D/A値(オフセット値)を求める処理は、電源投入時に1回行われる。処理制御部55は、受光部のオフセット調整用D/Aコンバータ544に必要な0点調整後D/A値を算出し、記憶部52に記憶する。以後の0点調整は、記憶部52に記憶された0点調整D/A値に基づいて受光部オフセット調整用D/Aコンバータ544がオフセット信号を加算回路543に送ることにより行われる。
検出部101cの複数の検出チャンネルは、それぞれフォトダイオード受光部28を有しており、かつ、各フォトダイオード受光部28間において受光素子であるフォトダイオードの素子特性に応じて初期出力信号にばらつきが存在している。このような初期出力信号のばらつきは、結果として核酸検出の精度及び信頼性の低下につながる。そこで、このような検出チャンネル間におけるフォトダイオード受光部28の初期出力信号のばらつきを調整するため、第1〜第10の検出チャンネルの各チャンネルのフォトダイオード受光部28の初期出力信号を、実際の値にかかわらず、均一に0と設定する。このようなフォトダイオード受光部28の0点調整により、検出チャンネル間におけるフォトダイオードの素子特性のばらつきを調整することが可能となる。
このようにして調整が行われて加算回路543から出力された受光信号は、さらに、感度調整D/Aコンバータ545に入力される。そして、感度調整D/Aコンバータ545により、所定の増幅率で反転増幅され、さらに、受光データA/D変換器によりA/D変換され、受光データA/D値(透過光A/D)が作成される。ここで、所定の増幅率とは、目標とする受光感度(すなわち良好な検出を行うために目標とする受光信号レベルであり、具体的には後述のターゲット値)を実現可能とする増幅率のことであり、後述の感度調整動作によって検出チャンネル毎にそれぞれ予め設定されている。この増幅率の詳細については、後述する。
以上のようなデータロガ54における受光データの処理により、反応溶液の経時的な受光データ、すなわち、反応溶液の受光データA/D値(透過光A/D値)の経時変化データが作成される。この経時変化データは、処理制御部55にさらに入力される。処理制御部55では、入力された透過光A/D値を演算処理することにより、透過光A/D値から濁度(O.D.値)を取得して濁度検出データを作成する。
図9は、第1検出チャンネルについて作成された反応溶液の濁度検出データ、すなわち、第1検出チャンネルにおける反応溶液濁度の経時変化を示す図である。図9では、横軸に時間をとり、縦軸に濁度(O.D.:Optical Density)をとっている。処理制御部55で取得されたこのような濁度検出データは、さらに処理制御部55において、以下のように処理される。
すなわち、処理制御部55では、反応溶液濁度の変化に基づいて、反応溶液中の標的遺伝子(m−RNA)の複製数が急増するまでの時間である増幅立ち上がり時間が取得され、この取得された増幅立ち上がり時間から、予めキャリブレータの測定結果から作成されて分析部102の記憶部52に記憶された図10の検量線に基づいて、標的遺伝子の濃度を取得する。
分析部102の記憶部52に記憶された図10に示す検量線は、横軸に増幅立ち上がり時間をとり、縦軸に標的遺伝子濃度をとって作成されている。図10から明らかなように、一般に、立ち上がり時間が短い程、標的遺伝子の濃度が高くなる。このような検量線を作成するための基準となる所定の濃度の標的遺伝子を含むキャリブレータが収容された容器や、また、装置及び試薬が汚染されていないことを確認するための陰性コントロールが収容された容器が、所定の頻度でサンプル容器セット部5にセットされ、キャリブレータや陰性コントロールについて、上記の反応溶液の場合と同様にして、反応溶液調製動作、増幅反応動作、及び検出動作が行われる。キャリブレータの検出動作によって、図10に示すような検量線を作成することができ、また、陰性コントロールの検出動作によって、装置及び試薬が汚染されていないことを確認することができる。
上記のようにして反応検出ブロック8aの第1検出チャンネルの核酸濃度が得られた後、処理制御部55は、マルチプレクサ53からデータロガ54に第2検出チャンネルの受光信号が出力されるようにチャンネル切替の制御信号をマルチプレクサ53に出力する。それにより、第1検出チャンネルに引き続き、第2検出チャンネルについても上記と同様の処理が行われて核酸濃度が得られる。このようにして、反応検出ブロック8aの第1及び第2検出チャンネルについて、核酸濃度が得られる。
次に、核酸検出装置100では、反応検出ブロック8a(すなわち第1及び第2検出チャンネル)での検出動作が行われている際に、これと並行して、この反応検出ブロック8aに隣接する反応検出ブロック8bにおいて、上記と同様の反応溶液調製動作及びそれに続く遺伝子増幅反応動作と検出動作とが行われる。それにより、第1及び第2検出チャンネルの場合と同様にして、第3及び第4検出チャンネルについて核酸濃度が得られる。さらに、反応検出ブロック8bでの検出動作と並行して、反応検出ブロック8bに隣接する反応検出ブロック8cにおいて上記と同様の反応溶液調製動作及びそれに続く遺伝子増幅反応動作ならびに検出動作が行われる。それにより、第5及び第6検出チャンネルについて核酸濃度が得られる。このように、核酸検出装置100では、5つの反応検出ブロック8a〜8eにおいて、上記一連の動作が順次行われ、それにより、反応検出ブロック8a〜8eの第1〜第10の10個の検出チャンネルにおいて、核酸濃度が得られる。
上記のように反応検出ブロック8aから反応検出ブロック8eにかけてブロック毎に順次遺伝子増幅反応動作及び検出動作が行われる場合には、1つの反応検出ブロック8(例えば反応検出ブロック8a)において、2つの検出チャンネル(この場合は第1及び第2検出チャンネル)で同時に遺伝子増幅反応動作及び検出動作が行われる。このように同時に検出が行われる第1及び第2検出動作では、第1及び第2検出チャンネルの各々で検出された受光データ(受光信号)が、チャンネル毎に随時並行してマルチプレクサ53に入力される。そして、処理制御部55から出力される制御信号に従って、マルチプレクサ53により、一定時間毎にデータロガ54への受光データ入力経路が切り替えられる。また、このような受光データの切替と同時に、感度調整D/Aコンバータ545の増幅率もチャンネルに応じて切り替えられる。それにより、一定時間毎に第1及び第2検出チャンネルにおいて、交互に核酸濃度が取得される。このような検出チャンネルの切替及び選択されたチャンネルの受光信号の処理は瞬時に行われるので、見かけ上は1つの検出チャンネルにおいて連続して経時的な受光信号が得られる。
以下、他の反応検出ブロック8b〜8eにおいても、同様にして、2つの検出チャンネル同時に検出が行われる。
上記のような検出動作における処理は、分析部102において測定制御部101dの制御回路101eにおいて瞬時に行われる。ここでは第1〜第10検出チャンネルまでのチャンネル切替が約100μ秒毎に順次行われ、第10検出チャンネルから再び第1検出チャンネルに戻って処理が行われる。
以下においては、測定開始時点における感度調整動作を例示して説明する。
感度調整動作では、まず、反応検出ブロック8aの第1及び第2検出チャンネルの各々において、プライマ試薬及び酵素試薬がそれぞれ収容された検出セル20のセル部20c内にサンプル溶液を分注し、また、LED発光部26のLEDに所定の駆動電圧を与えてLEDから光を出射させる。そして、第1及び第2検出チャンネルの各々において、LEDから出射された光をセル部20cに照射するとともに、セル部20cの透過光をフォトダイオード受光部28で受光する。このようにして各検出チャンネルのフォトダイオード受光部28で受光された光は光電変換され、受光信号として、チャンネル毎に分析部102のマルチプレクサ53に入力される。
同様に、反応検出ブロック8b〜8eの第3〜第10検出チャンネルについて、2チャンネル毎に前述した処理が行われる。
上記のようにしてマルチプレクサ53に各検出チャンネルの受光信号がチャンネル毎に入力された後、前述のように、所定の検出チャンネル(ここでは第1検出チャンネル)の受光信号が、マルチプレクサ53からデータロガ54に出力され、加算回路543においてフォトダイオード受光部28の0点調整に関する調整を受ける。その後、受光信号は、加算回路543からさらに感度調整D/Aコンバータ545に出力される。
感度調整D/Aコンバータ545には、良好な核酸検出を実現するための受光信号レベルの目標値、すなわちターゲット値が、処理制御部55を介して予め設定されている。例えば、制御回路101eが10Vの受光信号までしか検出することができない回路から構成される場合には、検出範囲上限の観点から、ターゲットD/A値が8Vに予め設定されている。8VのターゲットD/A値は、デジタル値に換算すると3276に相当する(すなわちターゲットA/D値=3276)。
このようなターゲットA/D値は、各検出チャンネルについて共通の値である。
また、感度調整D/Aコンバータ545には、感度調整用の増幅率D/A値として、所定のデフォルトD/A値(以下、感度調整用増幅率デフォルトD/A値と呼ぶ)が処理制御部55を介して予め設定されている。
感度調整用増幅率デフォルトD/A値は、感度調整D/Aコンバータ545の増幅率D/A値の範囲内の値であって、かつ、LED出射光量にばらつきがあっても感度調整用増幅率デフォルトD/A値によって増幅された受光信号が検出可能範囲内となり適切に感動調整を行うことができる値であって、この条件を満たせば任意である。感度調整用増幅率デフォルトD/A値は、各検出チャンネル共通の値でなくてもよいが、ここでは各検出チャンネルで共通の値としている。
本実施の形態では、感度調整D/Aコンバータ545の増幅率D/A値が1(1023倍)〜1023(1倍)であることから、この範囲内において感度調整用増幅率デフォルトD/A値を設定する。ここで、例えば、感度調整用増幅率デフォルトD/A値=1(1023倍)とすると、増幅された受光信号A/D値=4095となって頭打ちとなる。したがって、この場合には、正確な受光信号A/D値が得られなくなり、結果的に、適切な感度調整が実施困難となる。それゆえ、この場合には、感度調整用増幅率デフォルトD/A値=1023(1倍)としている。
分析部102では、加算回路543から入力された受光信号と、感度調整用増幅率デフォルトD/A値と、ターゲットA/D値とを用いて、以下のようにして感度調整が行われる。ここでは、第1検出チャンネルの感度調整を例示して説明する。
まず、感度調整D/Aコンバータ545において、加算回路543から入力された受光信号(ここでは第1検出チャンネルの受光信号)が感度調整用増幅率デフォルトD/A値(=1023)で反転増幅され、この増幅された受光信号が、さらにA/D変換器546でA/D変換される。このようにして取得された受光信号A/D値(以下、これをデフォルト対応受光信号A/D値と呼ぶ)は、さらに処理制御部55に出力される。
処理制御部55では、上記のようにして取得されたデフォルト対応受光信号A/D値とターゲットA/D値(=3276)とから、調整後増幅率D/A値を求める。
上記のような調整後増幅率D/A値の具体的な求め方は、以下の(1)式で表される。(調整後増幅率D/A値)=(感度調整用増幅率デフォルトD/A値)×(デフォルト対応受光信号A/D値)÷(ターゲットA/D値)…(1)
第1検出チャンネルの検出動作では、このような感度調整動作において取得された感度調整後増幅率D/A値が記憶部52から取り出され、この調整後増幅率D/A値を用いて受光信号が感度調整D/Aコンバータ545において増幅される。したがって、ターゲット値にあった所望の受光感度で受光信号が得られる。
ところで、前述のように、マルチプレクサ53からデータロガ54に出力される各検出チャンネルの受光データ(受光信号)は一定時間毎(例えば約100μ秒毎)に切り替えられる。このため、マルチプレクサ53から第1検出チャンネルの受光データ(受光信号)が出力された後には、第2検出チャンネルの受光データ(受光信号)が出力され、以下同様にして、第3〜第10検出チャンネルの各チャンネルの受光データ(受光信号)が順次出力される。そして、第2〜第10検出チャンネルの各チャンネルにおいても、上記の第1検出チャンネルの場合と同様の感度調整動作が行われる。
そして、第2〜第10検出チャンネルの感度調整動作により、チャンネル毎に、受光データA/D変換器546から出力される受光信号A/D値をターゲットA/D値(=3276)にあわせることが可能な増幅率D/A値、すなわち調整後増幅率D/A値、が取得される。このようにして取得された各チャンネルの調整後増幅率D/A値は、チャンネル毎に記憶部52に記憶される。
前述のように、第2〜第10検出チャンネルの検出動作では、このようにして取得された調整後増幅率D/A値は、マルチプレクサ53によるチャンネル切替と同時に記憶部52から検出チャンネルに対応して選択され感度調整D/Aコンバータ545に送出される。そして、この調整後増幅率D/A値を用いて受光信号が感度調整D/Aコンバータ545において増幅される。したがって、ターゲット値にあった所望の受光感度で受光信号が得られる。
以上のようにして各検出チャンネルについて調整後増幅率D/A値を設定することにより、感度調整時の検出チャンネル間では次の(2)式の関係が成り立つ。上記の(1)式が得られる理由は、感度調整の直前直後においてこの(2)式の関係が成り立つためである。
(増幅率D/A値)×(受光信号A/D値)=一定…(2)
このことから、検出チャンネル間の受光信号にばらつきが存在しても、各検出チャンネルでは、ターゲット値にあった均一な受光感度を実現することが可能となる。
また、前述のように、第1〜第10検出チャンネルの各チャンネルでは、標的遺伝子の増幅前の反応液の透過光量(濁度)が異なるが、測定開始時点においてその都度感度調整動作を行って共通のターゲットA/D値(=3276)にあわせる調整後増幅率D/A値をそれぞれ求めることにより、各検出チャンネルの、標的遺伝子の増幅前の反応液の透過光量(濁度)が異なっても、常に均一な受光感度を保持することが可能となる。したがって、各検出チャンネルの、標的遺伝子の増幅前の反応液の透過光量(濁度)が異なっても受光信号レベルのばらつきが生じず、ターゲット値にあった均一な受光感度を実現することが可能となる。
また、感度調整動作を利用して、LED発光部26の状態を監視することが可能である。例えば、装置の立ち上げ時に行う感度調整動作では、反応検出ブロック8に検出セル20が配置されていない状態で調整が行われる。この場合には、後述する感度調整により設定された調整後増幅率D/A値に、エラー範囲を設定することで、LED発光部26のLEDの光量低下等に起因するエラーの発生を検知する。ここで、エラーとは、核酸検出装置100において良好な核酸検出を行うことが困難な状況のことである。具体的には、処理制御部55によって調整後増幅率D/A値は一旦記憶部52に記憶される。記憶部52に記憶された調整後増幅率D/A値とエラー範囲を示す数値とが、処理制御部55によって呼び出されて比較されることによって、LED発光部26のLEDの光量低下等に起因するエラーの発生を検知する。
以上のように、本実施の形態の核酸検出装置100によれば、複数の検出チャンネルにおける個々のLED発光部26のLEDの特性のばらつきに起因する受光信号レベルのばらつきや、各LEDにおける光量の経日変化に起因する受光信号レベルのばらつき、いいかえれば発光部側に起因した受光信号レベルのばらつきを、測定制御部101dの制御回路101eにより調整することが可能となる。また、複数の検出チャンネルにおけるフォトダイオード受光部28のフォトダイオードのばらつきに起因する受光信号レベルのばらつきについても受光データを測定制御部101dの制御回路101eにより調整することが可能となる。つまり、発光部側と受光部側の両方に起因するばらつきを測定制御部101dの制御回路101eにより調整することが可能となる。したがって、検出精度及び信頼性の向上が図られる。また、このような感度調整は、測定制御部101dの制御回路101eにおいて瞬時に行うことができ、容易にかつ測定の都度リアルタイムで行うことができる。また、複数の検出チャンネルの感度調整を測定制御部101dの制御回路101eでまとめて行うことができるので、装置の小型化及びコストの低減が図られる。
また、各検出チャンネルにおいて、LED発光部26のLEDの温度変化に伴うLED出射光量のばらつきを温度補償回路31により補償することができるので、さらに検出精度及び信頼性の向上が図られる。
また、反応部101bにおける標的遺伝子の増幅を、短時間で直接的な増幅することが可能な方法であるLAMP法を用いて行うため、効率的に標的遺伝子を増幅することが可能となり標的遺伝子の検出に要する時間の短縮化が図られる。その結果、例えば本実施の形態では、サンプルのセットから検出までを約30分という短時間で行うことが可能となる。ここで、LAMP法では、所定時間内に約20℃〜約65℃まで反応部101bの温度を変化させるため、LED発光部26の温度も変化する。したがって、前述のように温度補償回路31の効果がより有効に奏される。
なお、上記の実施の形態は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、反応検出部の検出チャンネル数は10個のチャンネルに限定されるものではない。また、サンプル容器や試薬容器や酵素容器の配置構成が上記以外であってもよい。また、上記の実施の形態では、1つの分注機構により試薬の分注とサンプルの分注との両方を行っているが、試薬の分注を行う分注機構と、サンプルの分注を行う分注機構とが別個に設けられた構成であってもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では標的遺伝子をLAMP法により増幅させる場合について説明したが、標的遺伝子をポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)やリガーゼ連鎖反応法(LCR法)により増幅させてもよい。また、本発明に係る核酸検出装置は、癌由来の遺伝子、又、m−RNA以外の検出に適用可能である。
また、上記の実施の形態では検出セル内の反応溶液濁度を検出する検出部101cがLED発光部26とフォトダイオード受光部28とから構成される場合について説明したが、これ以外の構成の光源手段及び受光手段を備えた発光部及び受光部から構成される検出部の構成であってもよい。例えば、ランプ光源に光ファイバを接続してなる発光部と、その発光部の光ファイバからの光を受光可能な光検出器を備えた受光部とにより検出部が構成されてもよい。本発明は、特に、個々の光源手段の特性のばらつきが大きい場合や、光源手段の光量の経日変化が大きい場合に、より有効である。
また、上記の実施の形態では、検出セル20内の増幅副成生物(具体的にはピロリン酸マグネシウム)による濁度変化を検出部により検出することによって標的遺伝子の検出を行っているが、濁度の検出以外に、例えば、標的遺伝子の増幅生成物に結合する試薬を所定の検出手段により検出することによって標的遺伝子の検出を行うことも可能である。この場合、例えば、試薬として、エチジウムブロマイドやTaqManプローブ等を用いる。
また、上記実施形態では、標的核酸を検出する方法として、LAMP法を用いたが、PCR法を用いても良い。
また、上記の実施形態では、測定部と分析部が別々の構成としたが、測定部と分析部が一体化された構成であってもよい。
また、上記の本実施形態では、核酸検出装置100では、反応検出ブロック8a〜8eにおいて、2チャンネル毎に反応動作及び検出動作を行うようにしたが、反応検出ブロック8a〜8eにおいて、上記の反応動作及び検出動作が全て同時に行われてもよい。この場合には、第1〜第10の10個の検出チャンネルにおいて同時に検出動作が行われ、各チャンネルの受光データ(受光信号)が、チャンネル毎に随時並行してマルチプレクサ53に入力される。そして、上記と同様にして、マルチプレクサ53により、一定時間毎に検出チャンネルの切替が行われるとともに、切り替えられた検出チャンネルに対応して感度調整D/Aコンバータ545の増幅率も切り替えられる。
また、上記の実施形態では、核酸検出装置100では、遺伝子増幅反応動作及び検出動作の開始時点(すなわち測定開始時点)、又は、核酸検出装置100の立ち上げ時(具体的には装置の電源をオンした時)に、感度調整動作、すなわち受光信号レベルをターゲット値に合わせる処理が行われるようにしたが、測定開始時点として、反応溶液調製時におけるプライマ試薬及び酵素試薬を収容したセル部20cにサンプル溶液を分注した時点において感度調整動作が行われてもよい。
本発明に係る核酸検出装置は、良好な精度で信頼性の高い核酸検出を行うことが可能な核酸検出装置として有用である。
実施の形態に係る核酸検出装置の構成を模式的に示す機能ブロック図である。 図1の核酸検出装置の制御部の構成を模式的に示す機能ブロック図である。 図2の制御部のデータロガの構成を模式的に示す機能ブロック図である。 図1の核酸検出装置の構造を示す模式的な斜視図である。 図1の核酸検出装置の構造を示す模式的な平面図である。 図1の核酸検出装置の検出部の構成を示す模式的な切り欠き斜視図である。 図6の検出部の配置構成を示す模式図である。 図6の検出部の配置構成を示す平面図である。 核酸検出装置の検出部で検出される反応溶液濁度の経時変化を示す図である。 核酸検出装置で用いる、増幅立ち上がり時間と標的遺伝子濃度との関係を示す検量線を示す図である。
符号の説明
1 本体ケース
2 反応検出部
3 チップ廃棄部
4 分注機構
5 サンプル容器セット部
6 試薬容器セット部
7 チップセット部
8 反応検出ブロック
10 アーム
11 シリンジ
12 ピペットチップ
13 サンプル容器
14,14’,15,15’ 試薬容器
20 検出セル
20a 検出セル部材
20b 蓋部
20c セル部
21 検出セルセット孔
23 ペルチェモジュール
26 LED発光部
28 フォトダイオード受光部
30 感温抵抗素子
31 温度補償回路
53 マルチプレクサ
54 データロガ
55 処理制御部
100 核酸検出装置
101 測定部
101a 反応溶液調製部
101b 反応部 101c 検出部
101d 測定制御部
102 分析部

Claims (13)

  1. 検出容器の反応溶液中で標的核酸の増幅を行い、増幅された標的核酸を検出する核酸検出装置であって、
    検出容器に光を照射するための発光部と検出容器からの光を受光するための受光部とを有する複数の検出部と、
    各検出部からの受光信号を増幅する信号増幅部と、
    予め複数の検出部について共通の値として決められているターゲットA/D値及び標的核酸の増幅前に検出部から出力された受光信号に対応するデフォルト対応受光信号A/D値に基づいて、デフォルト対応受光信号A/D値をターゲットA/D値に増幅するための調整後増幅率D/A値を各検出部について決定し、各検出部に対応する調整後増幅率D/A値に基づいて、標的核酸の増幅中に各検出部から出力された受光信号を増幅するように信号増幅部を制御し、増幅された受光信号に基づいて、標的核酸の濃度を取得する制御部と、を備える核酸検出装置。
  2. 制御部によって決定される調整後増幅率D/A値とデフォルト対応受光信号A/D値の積が、複数の検出部の間で一定である請求項1記載の核酸検出装置。
  3. 制御部は、電源投入時に、各々の発光部を発光させない状態で、各々の受光部から出力される信号を、所定の基準値に調整するためのオフセット値を求める請求項1または2に記載の核酸検出装置。
  4. 調整後増幅率D/A値を記憶するためのメモリを備えており、
    制御部は、電源投入時に調整後増幅率D/A値を決定し、決定された調整後増幅率D/A値をメモリに記憶し、メモリに記憶された調整後増幅率D/A値が所定の範囲外の時、警告を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  5. デフォルト対応受光信号A/D値は、標的核酸の増幅の開始前に、反応液が収容された検出容器に発光部から光を照射したときに受光部から出力される受光信号に対応する値である請求項1〜4の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  6. 各検出部からの受光信号のうちの1つを選択的に信号増幅部に出力する信号選択部をさらに備える請求項1〜5の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  7. 制御部は、信号選択部により出力される受光信号を切り替えると同時に、信号増幅部によって用いられる調整後増幅率D/A値を切り替える、請求項6記載の核酸検出装置。
  8. 制御部は、複数の反応容器中で同時に核酸増幅を行うとともに、各反応溶液中の濁度に対応する受光信号を信号選択部に同時に入力するように複数の検出部を制御し、
    同時に入力された受光信号を交互に信号増幅部に入力するように信号選択部を制御し、
    信号増幅部によって増幅された受光信号に基づいて、各反応溶液の濁度を交互に取得し、
    反応溶液の濁度に基づいて、標的核酸の濃度を取得する、請求項6または7に記載の核酸検出装置。
  9. 検出部の温度変化に伴う発光部からの出射光量変化を補正する温度補償回路を備える請求項1〜8の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  10. 温度補償回路が感温抵抗素子を備える請求項9記載の核酸検出装置。
  11. 標的核酸の増幅がLAMP法により行われる請求項1〜10の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  12. 制御部は、予め複数の検出部について共通の増幅率として決められている感度調整用増幅率デフォルトD/A値と、デフォルト対応受光信号A/D値と、ターゲットA/D値とに基づいて、調整後増幅率D/A値を決定する、請求項1〜11の何れか1項に記載の核酸検出装置。
  13. 制御部は、増幅された受光信号の経時的変化に基づいて、標的核酸の濃度を取得する、請求項1〜12の何れか1項に記載の核酸検出装置。
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