JP4674986B2 - 伝票用粘着紙の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば配送伝票などの伝票の印刷に用いて好適な伝票用粘着紙に関し、特に一旦貼り付けた後、副票を控(受領票など)として切り取り剥離するのに好適な伝票用粘着紙とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られる配送用伝票にはカーボン紙を利用した感圧複写式のものがある。この種の伝票は例えば配達票、カーボン紙、受領票など複数枚の紙片を上下に重ね一部を接着してあり、ボールペンなど硬筆筆記具による記入やドットインパクトプリンタによる打ち出しを行うと、下側の紙片に同一の複製が記録されるものである。
そして、配達時には伝票全部を一体として荷物に貼り付け、配達終了時に副票部分だけを分離して持ち帰り配送記録の控とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の伝票用紙はカーボン紙や配達票・受領票を上下に重ねた感圧複写式である。
【0004】
然るに、近年流行のサーマルプリンタやレーザープリンタは用紙に大きな衝撃や圧力を与えない印字方式であるため、カーボン紙による複製は取れないという欠点がある。
【0005】
また、カーボン紙を用いた従来の伝票用紙は厚みが大きくなり、予め所定のフォームを上下の各用紙に印刷しておかなければならないという欠点もある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、本発明は、サーマルプリンタやレーザープリンタによる印字を行うのに適しており、これらのプリンタで所望のフォームを本票と副票に印字でき、副票を確実に分離剥離できる伝票用粘着紙とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の伝票用粘着紙の製造方法は、剥離紙に粘着剤を介してラベルシートが仮着されたラベル原反から剥離紙を除き、粘着剤表面の所定範囲に着色インキによるベタ印刷や図柄模様などを印刷して非粘着性皮膜を形成する工程と、該ラベルシート前記の工程で剥離した剥離紙を再び仮着する工程と、ラベルシートにラベル型のダイを押しつけ、非粘着性皮膜が形成された範囲と該非粘着性皮膜が形成された範囲からラベル加工進行方向の前後に拡張した範囲を合わせた範囲を型抜きする工程と、前記型抜きされたラベルシートから不要なカスを取り除く工程と、ラベルシートの表側から非粘着皮膜と他の粘着剤部分の境目にミシン線を形成し、本票部、非粘着性皮膜が形成された副票部、および仮止部をこの順に区画形成する工程と、を含み、副票部の表側から非粘着性皮膜を透視可能な伝票用粘着紙を得ることを特徴としている。
【0008】
本発明により得られた伝票用粘着紙は、一葉のシートに本票部、副票部、仮止部がミシン線を介して区画形成され、剥離紙上に粘着剤を介して仮着されたものである。副票部裏面の粘着部には粘着性を封じる非粘着性皮膜が形成してあり、その皮膜は副票部の表側から透視可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態を図1ないし図11を用い説明する。
まず、図1は本発明の好適な実施形態の一例を示す。
【0010】
図中、1は伝票用粘着紙を示し、該伝票用粘着紙1は剥離紙2上に一葉のラベルシート3が粘着剤4(図2参照)を介して仮着された構造で、図1のものは剥離紙2が長尺帯状をなして連なりラベルシート3が複数隔設された連続体となっている。該連続体はラベルプリンタなどの印字手段を用い、図1中の右側に示すような配送用伝票の文字記号・罫線などのフォームをプリンタで印字して使用するのに適している。図1は本票部6に配達票、副票部7に受領票のフォームをプリンタで印字した状態を表している。このとき、受取人や送主等の可変情報も一緒に印字することができる。
【0011】
前記ラベルシート3は、それ自身がサーマルヘッドからの熱を感じて発色する感熱紙でもよく、また、トナーや転写リボンのインクを受容する転写用紙でもよい。
【0012】
5は各ラベルシート3を横断するように2本形成された切取用のミシン線で、該ミシン線5により各ラベルシート3は本票部6、副票部7、仮止部8に区画されている。
【0013】
9は前記副票部7裏面の粘着剤4と剥離紙2との間に、青色インキを乾燥(硬化)させたり着色フィルムを貼り付けて設けられた非粘着性皮膜である。該非粘着性皮膜9はラベルシート3を透かしてその色や図柄模様などが表(記入や印字を行う面)側から見えるようになっており、ラベルシート3を剥離紙2から矧がすときや、副票部7を被貼着物から分離剥離するときこれらに付随する。
【0014】
これにより、本票部6と副票部7に、図1のように略同一の名称や罫線印字を記録しても、配達員等が受領票と配達票を見誤る危険性を低減できると共に、分離剥離した後の受領票はべたつかず取り扱いに便利である。
【0015】
10はラベルプリンタが印字位置を検出するために、剥離紙2の裏面に印刷されたアイマークである。
【0016】
次に、伝票用粘着紙の製造方法を図3ないし図11を用いて説明する。
【0017】
図3中の11は剥離紙2に粘着剤4を介して印刷用シート3が仮着されたラベル原反である。該ラベル原反11はシリコーン樹脂などの剥離剤で表面処理された剥離紙2の上に粘着剤4を塗布し、乾燥させて粘着剤層を形成した後、ラベルシート3を貼着することにより、粘着剤層がラベルシート3側に転写され、次にラベルシート3を剥離するときに粘着剤4はラベルシート3と挙動を共にするようになったものである。図3では剥離紙2が上側になっている。
【0018】
次に、図4のようにラベル原反11から剥離紙2を除き、表れた粘着剤4上の所定範囲に凸版印刷機12で着色インキによるベタ印刷や図柄模様などを形成する。そして、インキを乾燥させることにより、粘着剤の粘着性が封じられた非粘着性皮膜9となる。次に、図5のようにラベルシート3に再び剥離紙2を仮着した後、剥離紙2の反対(表)側からラベルシート3にラベル型のダイ(金型)13を押しつけて型抜きをする(図6)。
【0019】
こうして、一葉ずつに分離された各ラベルシート3の周囲には切跡14を介して不要なカス15が形成される(図7)。ついで、型抜きされたラベルシート3から不要なカス15を取り除くと、図9のように、粘着剤4の中間が非粘着皮膜9に覆われ、後に本票部6・仮止部8となる箇所で剥離紙2上に仮着された伝票用粘着紙の原型ができあがる。
【0020】
ここで、非粘着性皮膜9の両横側を粘着剤4で剥離紙2に仮着している構造により、後述するミシン線5の形成時やラベルプリンタで印字する際に剥離紙2からラベルシート3がずれたり剥がれる不都合を予防できる。
【0021】
図10において、前記型抜きされたラベルシート3の表側からミシン刃Cを用いて前記着色、図柄などが印刷された非粘着性皮膜9と他の粘着剤4部分との境目にミシン線5を形成する。
【0022】
かくして伝票用粘着紙1が完成する(図11)。
伝票用粘着紙1は、図1のように本票部6と副票部7が同一面に横並びした構造により、サーマルプリンタやレーザープリンタで同時に本票と副票に印字(同時複製)でき、プリンタの特性から静粛で高速な作業が可能となる。また、このとき、仮止部8がラベルシート3のバタツキ等を防止して印刷適性を改善できる。
【0023】
次に、印字された伝票を荷物などの被貼付物に貼り付け配送する。このときも、仮止部8は副票7が荷物に貼着するのを助ける。
【0024】
そして、配達が終わり受領票(副票7)を控えとして荷物から分離する際、受領票7には表から透けて粘着皮膜9の着色や図柄模様が見えるため、配達票と受領票を見誤る恐れがなく、ミシン線5により容易に本票部6、仮止部8から切り取り剥離することができる。さらに、剥離後には非粘着性皮膜9によって粘着剤4がべたつく不具合が解消され、取り扱いに有利である。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の伝票用粘着紙によれば、サーマルプリンタやレーザープリンタ等の静粛で高速なプリンタで所望のフォームを印字でき、本票と副票に同時印字を行い複製付きの伝票が容易に作成できる。
【0026】
また、副票を本票と見誤る危険性を確実に低減できると共に、印刷時や配送時にラベルシートが剥離紙からずれたり剥がれたりする不具合を解消でき、分離剥離後の副票の扱いも便利である。
【0027】
さらに、その製造方法によれば、用紙の加工時にもラベルシートが剥離紙からずれたり剥がれるのを予防できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である伝票用粘着紙を示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II-II方向断面図である。
【図3】本発明の実施形態である伝票用粘着紙の製造方法を示す説明図であり、ラベル原紙の外観斜視図正面図である。
【図4】 同、粘着剤上に粘着性皮膜を印刷する工程の説明図である。
【図5】同、再び剥離紙を仮着する工程の説明図である。
【図6】同、ラベルシートに型抜きする工程の説明図である。
【図7】同、型抜き後のラベル原反を示す斜視図である。
【図8】同、カスを取り除く工程の外観斜視図である。
【図9】同、図8の後の外観斜視図である。
【図10】同、ミシン線を形成する工程の説明図である。
【図11】同、伝票用粘着紙の完成図である。
【符号の説明】
1 伝票用粘着紙
2 剥離紙
3 ラベルシート
4 粘着剤
5 ミシン線
6 本票(配達票)
7 副票(受領票)
8 仮止部
9 非粘着性被膜
10 アイマーク
11 ラベル原反

Claims (1)

  1. 剥離紙に粘着剤を介してラベルシートが仮着されたラベル原反から剥離紙を除き、粘着剤表面の所定範囲に着色インキによるベタ印刷や図柄模様などを印刷して非粘着性皮膜を形成する工程と、
    該ラベルシート前記の工程で剥離した剥離紙を再び仮着する工程と、
    ラベルシートにラベル型のダイを押しつけ、非粘着性皮膜が形成された範囲と該非粘着性皮膜が形成された範囲からラベル加工進行方向の前後に拡張した範囲を合わせた範囲を型抜きする工程と、
    前記型抜きされたラベルシートから不要なカスを取り除く工程と、
    ラベルシートの表側から非粘着皮膜と他の粘着剤部分の境目にミシン線を形成し、本票部、非粘着性皮膜が形成された副票部、および仮止部をこの順に区画形成する工程と、を含み、
    副票部の表側から非粘着性皮膜を透視可能な伝票用粘着紙を得ることを特徴とする伝票用粘着紙の製造方法。
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