JP4674953B2 - 地下構造物用筐体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地下構造物用筐体として、例えば、実公昭63−9655号公報に記載された仕切弁筐が知られている。この仕切弁筐は、外筒体の内側に内筒体を螺合させ、この内筒体に形成した支持枠にナットを収納させるとともに、このナットにボルトを内筒体の内面側より螺合し、このボルトの先端を外筒体の内面に圧接して両筒体を一体状にする固定装置を設けたもので、内筒体を回転させてその上面を路面に一致させて設置し、外筒体に対して内筒体が緩まないように固定装置で内筒体を固定することができるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記仕切弁筐は、内筒体を上昇させた状態でも外筒体に固定できるように、ナットを収納する支持枠は内筒体の下部に形成されており、また、内筒体の開口面積は仕切弁を収納し、保護できる程度の必要最小限度の大きさとなっている。したがって、内筒体の上面を路面に一致させて設置した後、内筒体が緩まないように地上から内筒体の内部にレンチを挿入してボルトを締め付けようとすると、レンチを可動させることができる範囲がせまいため、効率良くボルトを締め付けることができず作業性が悪いものであった。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、内筒体が緩むのを防止するボルトまたはナットを効率良く締め付けることができ、作業性を向上させることができる地下構造物用筐体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、上記内筒体には、その側壁に開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、上記可動部材は、上面を内筒体の外方に向けて下り傾斜させるとともに、上記受座に係止される被着体と、その被着体の上面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記開口部に挿入させる押圧部を形成した上部押圧体とを備え、上記被着体と上部押圧体とには、双方を貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記被着体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、上部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上記貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成した、ことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、上記内筒体には、その側壁に開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、上記可動部材は、下面を内筒体の外方に向けて上り傾斜させるとともに受座に係止される被着体と、その被着体の下面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記開口部に挿入させる押圧部を形成した下部押圧体とを備え、上記被着体と下部押圧体とには、双方を貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記下部押圧体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、下部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上記貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成した、ことを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、上記内筒体には、その側壁に上下2箇所の開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、上記可動部材は、上面を内筒体の外方に向けて下り傾斜させ、下面を内筒体の外方に向けて上り傾斜させるとともに受座に係止される被着体と、その被着体の上面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記上側の開口部に挿入させる押圧部を形成した上部押圧体と、その被着体の下面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記下側の開口部に挿入させる押圧部を形成した下部押圧体とを備え、上記被着体と、上部押圧体と、下部押圧体とには、それぞれを貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記下部押圧体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、上部押圧体および下部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上部押圧体および下部押圧体の貫通孔と、被着体の貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成したことを特徴とする。
【0008】
このような構成としたことによって、内筒体が緩むのを防止するためのボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するようになり、地上から治具を入れその治具の軸線周りに連続して旋回させることで、ボルト締めの作業を行うことができ、したがって、ボルト締め作業やその逆にボルトを緩める作業が極めて簡単になり、作業効率が向上する。
【0009】
さらに請求項3の発明にあっては、被着体の上面には上部押圧体を、被着体の下面には下部押圧体を配置したことにより、内筒体は上下2箇所で外筒体に固定されるため、内筒体の緩みを確実に防止するとともに内筒体がガタつくのを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明にあっては、被着体は、内筒体の壁面に形成した開口部の縁に係止させるため、内筒体の内周面に張出部分がなく有効内径を広くすることができる。
【0011】
また、受け部を内筒体の周方向に複数形成し、上部押圧体または下部押圧体に延設した柱状部の上端に蝶番受座を形成しているため、蓋本体の表面に表示した矢印や模様を施工前の方向に一致させることができる。
【0012】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず第1実施例を図1〜図8を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明の地下構造物用筐体の構成を示す縦断面図、図2は内筒体の構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は同図(A)のI−I線断面図、図3は外筒体の構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は同図(A)のII−II線断面図である。図1において、地下構造物用筐体1は、外筒体2と、外筒体2に螺合した内筒体3と、内筒体3の受け部5に装着した可動部材6とを備え、前記可動部材6を構成する上部押圧体63および下部押圧体64のそれぞれの先端に形成した上押圧部632および下押圧部642を外筒体2の内周面に当接させることにより、内筒体3を固定している。前記外筒体2には、その内周面にピッチの粗い雌ねじ部21を隆設し、外周面の下端にはフランジ22を形成している。
【0014】
また、外筒体2の内周面には、雌ねじ部21を軸線方向に切欠いた、上端から下端に達する等幅の縦溝部23を、60°間隔で6箇所形成している(図3)。
【0015】
一方、内筒体3には、その内周面(側壁)の下部に受け部5を60゜間隔で6箇所形成するとともに、外周面の下部にはピッチの粗い雄ねじ部31を隆設している(図2)。受け部5のそれぞれは、内筒体3の上位置に内外に貫通させた開口部としての上開口部51と、下位置に内外に貫通させるとともに下方を開放させた開口部としての下開口部52とを備え、この上開口部51と下開口部52との間は、受座53となっている。
【0016】
さらに、内筒体3の内周面上部にはテーパ面を有する蓋受け部32を形成し、内筒体3の上部開口7を開閉可能とする蓋本体4を蝶番金具9を介して嵌合支持するようにしている。
【0017】
可動部材6は、第1被着体61、第2被着体62、上部押圧体63および下部押圧体64から構成されている(図1)。
【0018】
図4は第1被着体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。図5は第2被着体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。第1被着体61は、図4に示すように、上面を内筒体3の外方に向けて下り傾斜させ、その外方側の下面縁には溝615を形成してフック状の係止部611を形成している。この溝615は、その幅が内筒体3の受座53の肉厚より広く、またその溝615は受座53の曲率に一致するように湾曲させている。
【0019】
第2被着体62は、図5に示すように、第1被着体61を上下反転させたような形状を有し、下面を内筒体3の外方に向けて上り傾斜させ、その外方側の上面縁には溝625を形成してフック状の係止部621を形成している。この溝625は、上記の溝615と同様に、その幅が内筒体3の受座53の肉厚より広く、受座53の曲率に一致するように湾曲させている。なお、第1被着体61には六角ボルト10の径より径大の貫通孔612を、第2被着体62には六角ボルト10の径より径大の貫通孔622を、それぞれの被着体61,62の上面から下面まで穿設しており、これらの貫通孔612,622は、図1に示すように挿通させた六角ボルト10の軸線が内筒体3の上部開口7を貫通するように、第1被着体61の下面および第2被着体62の上面に対して傾斜させている。
【0020】
図6は上部押圧体の構成を示す図で、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は平面図で、これらの図に示すように、上部押圧体63は、押圧本体63aとその上方の柱状部63bとを有している。
【0021】
押圧本体63aは側面視で外方が肉厚となるように形成されており、その下面は第1被着体61の傾斜させた上面に沿って外方側に摺動可能とさせている。また、押圧本体63aには、その上面から下面まで六角ボルト10の径よりも径大の貫通孔631を上面に対して直交するように穿設し、その外方側には内筒体3の上開口部51に挿入させる上押圧部632を突出させている。さらに、押圧本体63aの両側面にはガイド壁63c,63cが下方に向けて延設され、可動部材6を内筒体3に装着したとき第1被着体61、第2被着体62および後述する下部押圧体64の各側面を支持しガイドするようにしている。
【0022】
柱状部63bは、押圧本体63aの上面の両側縁部から上方に延設した2本の柱部63d,63dと、その上端部分同士に横架した梁部63eと、その梁部63eに設けた蝶番受座633とを有している。
【0023】
この蝶番受座633には、縦断面がフック状となるように凹設した軸受部635が溝634を介して対向するように形成され、蓋本体4は、図1に示すように、蝶番金具9の蓋側ヒンジ9aを蓋本体4のヒンジ貫通孔41に軸支させ、受枠側ヒンジ9bをこの軸受部635に軸支させることによって、内筒体3に対して開閉可能に連結されている。
【0024】
図7は下部押圧体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。下部押圧体64は、図に示すように、押圧本体64aとその下側のナット収納室64bとからなっている。
【0025】
押圧本体64aは側面視で外方が肉厚となるように形成されており、その上面は第2被着体62の下面に沿って外方側に摺動可能とさせている。また、押圧本体64aには、その上面から下面まで六角ボルト10の径よりも径大の貫通孔641を下面に対して直交するように穿設し、その外方側には内筒体3の下開口部52に挿入させる下押圧部642を突出させている。
【0026】
上記のナット収納室64bは、押圧本体64aの下側に、ナットを回転不能に保持する保持部として設けられ、このナット収納室64bの下壁64cには六角ボルト10の先端が貫通する貫通孔643が穿設されている。
【0027】
上記構成において、内筒体3を外筒体2に装着し固定するには、先ず内筒体3を外筒体2に挿入して螺合させた後、これを回転させて昇降させ、その上端面を路面高さに合わせる。
【0028】
このとき、外筒体2の縦溝部23に受け部5が一致していないときには、最も近接した縦溝部23に受け部5が一致するように内筒体3を少し回転させる。このように位置合わせを行った後、蓋本体4の表面に表示された管路の流れ方向や模様の向きが適正となるように、可動部材6を装着する受け部5を選択する。
【0029】
一方、可動部材6を構成する各部材、すなわち上部押圧体63、第1被着体61、第2被着体62および下部押圧体64は、ナット収納室64bにナット15を収納した状態で、六角ボルト10の径よりも径大に形成した各々の貫通孔631,612,622および641に六角ボルト10を挿通し、その六角ボルト10の先端をナット15に螺合させることで、図8(A)に示すように、緩やかに一体化される。
【0030】
受け部5に可動部材6を装着するには、図8(A)に示すように、六角ボルト10で緩やかに一体化した可動部材6を、受け部5に近づけ、受け部5の上開口部51に、上部押圧体63の上押圧部632と第1被着体61の係止部611とを挿入し、また下開口部52に、第2被着体62の係止部621と下部押圧体64の下押圧部642とを挿入する。
【0031】
続いて、その状態で、図8(B)に示すように、地上から内筒体3の内部に六角のボックスレンチ18を挿入してその先端に六角ボルト10の頭部を入れ、六角ボルト10の軸線周りに連続して旋回することにより、六角ボルト10を回転不能に保持されたナット15に螺合させて締め付ける。このとき、六角ボルト10は、ボックスレンチ18を旋回しやすいように内筒体3の上部開口7を貫通するように傾斜させている。
【0032】
このようにして六角ボルト10を締め付けると、ボルト10の段差部10aが押圧本体63aの上面に当接し、ナット15が下部押圧体64を押し上げることになる。
【0033】
さらにボルト10を回転させると、押圧本体63aは外方を肉厚とし、第1被着体61の上面は、外方に向けて下り傾斜しているので、六角ボルト10を締め付ける分力は第1被着体61に対しては内方に、また上部押圧体63に対しては外方にそれぞれ作用し、押圧本体63aの貫通孔631および第1被着体61の貫通孔612は六角ボルト10の径より径大としているため、第1被着体61は内方に、上部押圧体63は外方に摺動する。また、同様に、押圧本体64aは外方を肉厚とし、第2被着体62の下面は、外方に向けて上り傾斜しているので、六角ボルト10を締め付ける分力は第2被着体62に対しては内方に、また下部押圧体64に対しては外方にそれぞれ作用し、押圧本体64aの貫通孔641および第2被着体61の貫通孔622は六角ボルト10の径より径大としているため、第2被着体62は内方に、下部押圧体64は外方に摺動する。
【0034】
その結果、第1被着体61の係止部611および第2被着体62の係止部621は、それぞれ受座53の外周面にフック状に係止し、第1被着体61および第2被着体62が固定される。一方、上部押圧体63の押圧本体63aは、第1被着体61の上面に沿って、また下部押圧体64の押圧本体64aは、第2被着体62の下面に沿って、外筒体2側に押し出されるように移動し、上押圧部632および下押圧部642の先端が外筒体2の内周面に形成した縦溝部23の溝面に当接する。
【0035】
上述したように、可動部材6を内筒体3に固定した後、蓋本体4は、蝶番受座633に蝶番金具9の受枠側ヒンジ9bを軸支させることで、開閉可能に取り付けることができる。
【0036】
なお、上記では、内筒体3を外筒体2に固定する場合について説明したが、内筒体3を再度路面高さに合わせる必要が生じた場合は、蓋本体4を開蓋して蝶番金具9の受枠側ヒンジ9bを蝶番受座633からはずし、ボックスレンチ18を回転させて六角ボルト10を緩ませ、可動部材6を内筒体3の受け部5から外した後、内筒体3を回転させて路面高さに合うように昇降させる。その後、蓋本体4の表面に表示した矢印や模様の方向が施工前の所望の方向と一致する受け部5を選択し可動部材6を装着する。
【0037】
以上述べたように、この実施例では、内筒体3が緩むのを防止するための六角ボルト10の軸線が内筒体3の上部開口7を貫通するようにしたので、地上からボックスレンチ18を入れその軸線周りに連続して旋回させることで、六角ボルト10の締め付け作業を行うことができる。したがって、ボルト締めの作業や、あるいはその逆にボルトを外すときの作業を極めて簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0038】
また、六角ボルト10を締め付けていくと、可動部材6の上押圧部632および下押圧部642が外筒体2に当接し押圧した状態で固定されるので、内筒体3はこの可動部材6を介して外筒体2に固定され、内筒体3が緩んでガタついたり、回転してしまうことを確実に防止することができる。
【0039】
さらに、受け部5は、内筒体3の壁面に上開口部51および下開口部52を設け、その間を受座53としているため、内筒体3の内周面に張出部分がなく有効内径を広くすることができ、内部に収納した仕切弁等の弁操作を行いやすくすることができる。。
【0040】
また、上押圧部632と下押圧部642の上下2箇所で固定するので、内筒体3の緩みや回転の防止をより一層確実なものとすることができる。
【0041】
さらに、蓋本体4に管路の流れ方向や模様等が表示されている場合、内筒体3の上端面を路面の高さに一致させた状態で、可動部材6を装着する受け部5を選択することにより、前記蓋本体4の表面に施した表示の向きを適正にすることができる。
【0042】
図9は本発明の地下構造物用筐体の第2実施例を示す図である。
【0043】
この第2実施例では、受け部500を開口部501と、内筒体8の内周面に横T字状に突き出させて形成した受座503とで構成し、被着体65は、この受座503に対応させて、その外方側に縦断面での形状が横T字状となる嵌合溝654を形成し、その先端部分を係止部651,652としている。また、被着体65の下部にはナット収納室65aを設け、さらに被着体65の上面を内筒体8の外方に向けて下り傾斜させ、六角ボルト10の径より径大の貫通孔653を上面から下面まで穿設している。上記貫通孔653は、六角ボルト10を挿通させたとき、その軸線が内筒体8の上部開口(図示せず)を貫通するように傾斜させている。可動部材6は、この被着体65と、第1実施例で説明した上部押圧体63(図6参照)とで構成する。
【0044】
上記構成において、受け部500に可動部材6を装着するには、先ず被着体65のナット収納室65aにナット15(図8参照)を収納した状態で嵌合溝654を受座503に側方から嵌合し、その被着体65の上面に、上部押圧体63を載せるとともに上押圧部632を開口部501に挿入する。そして、六角ボルト10で締め付けて、上部押圧体63を被着体65の上面に沿って摺動させ、上押圧部632の先端を外筒体2の内周面に当接させる。それによって、内筒体3は可動部材6を介して外筒体2に固定される。
【0045】
このように、この第2実施例においても、上記した第1実施例と同様に、内筒体3が緩むのを防止するためのボルト10の軸線が内筒体3の上部開口7を貫通するようにしたので、ボルトの締め付け作業あるいはその逆にボルトを外すときの作業を極めて簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上させることができる等の効果を発揮するとともに、被着体を分割していないので、部品点数を低減でき、低コスト化も実現することができる。
【0046】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記各実施例に限定されるものではない。例えば、第2実施例では、被着体65の上面を傾斜させ、その面に沿って上部押圧体63を摺動させるようにしたが、被着体の下面を外方側に向けて上り傾斜させ、第1実施例で説明した下部押圧体を、被着体の下面に沿って摺動させるようにしてもよい。
【0047】
また、ボルトを六角ボルト10としたが、六角穴付ボルトを使用し、六角レンチで旋回させるようにしてもよい。
また、第1実施例では下部押圧体64のナット収納室64bにナット15を収納し、上方から六角ボルト10を螺合するようにしたが、各貫通孔に下側から挿通したボルトに上側からナットを螺合し、このナットをボックスレンチで締め付けるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0049】
請求項1乃至3に記載の発明では、内筒体が緩むのを防止するためのボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するようにしたので、地上から治具を入れその治具の軸線周りに連続して旋回させることで、ボルトやナットの締め付け作業を行うことができ、したがって、締め付け作業や、あるいはその逆にボルトやナットを外すときの作業を極めて簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0050】
また、ボルトやナットを締め付けていくと、可動部材は、その押圧部が外筒体に当接し押圧した状態で固定されるので、内筒体はこの可動部材を介して外筒体に固定され、内筒体が緩んでガタついたり、回転してしまうことを確実に防止することができる。
【0051】
また、請求項3に記載の発明では、被着体の上面には上部押圧体を、被着体の下面には下部押圧体を配置したことにより、内筒体は上下2箇所で外筒体に固定されるため、内筒体の緩み防止やガタつきの防止をより一層確実なものとすることができる。
【0052】
さらに請求項4に記載の発明では、可動部材は、内筒体の壁面に形成した開口部の縁に係止させるため、内筒体の内周面に張出部分がなく有効内径を広くすることができ、内部に収納した仕切弁等の弁操作を行いやすくすることができる。
【0053】
請求項5に記載の発明では、受け部を内筒体の周方向に複数形成したので、蓋本体に管路の流れ方向や模様等が表示されている場合、内筒体の上端面を路面の高さに一致させた状態で、可動部材を装着する受け部を選択することにより、蓋本体の表面に表示した矢印や模様を施工前の方向に一致させることができ、蓋本体の表面に施した表示の向きを適正にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下構造物用筐体の構成を示す縦断面図である。
【図2】内筒体の構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は同図(A)のI−I線断面図である。
【図3】外筒体の構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は同図(A)のII−II線断面図である。
【図4】第1被着体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は底面図である。
【図5】第2被着体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図6】上部押圧体の構成を示す図で、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は平面図である。
【図7】下部押圧体の構成を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図8】可動部材を受け部に装着する状況の説明図である。
【図9】本発明の地下構造物用筐体の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 地下構造物用筐体
2 外筒体
3 内筒体
4 蓋本体
5、500 受け部
6 可動部材
7 上部開口
9 蝶番金具
10 六角ボルト(ボルト)
15 ナット
21 雌ねじ部
31 雄ねじ部
51 上開口部(開口部)
52 下開口部(開口部)
53、503 受座
61 第1被着体(被着体)
611、621、651、652 係止部
612、622、631、641、643、653 貫通孔
62 第2被着体(被着体)
63 上部押圧体
63b 柱状部
632 上押圧部(押圧部)
633 蝶番受座
64 下部押圧体
64b ナット収納室(保持部)
642 下押圧部(押圧部)
65 被着体
65a ナット収納室(保持部)
501 開口部
Claims (5)
- 内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、
上記内筒体には、その側壁に開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、
上記可動部材は、上面を内筒体の外方に向けて下り傾斜させるとともに、上記受座に係止される被着体と、その被着体の上面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記開口部に挿入させる押圧部を形成した上部押圧体とを備え、
上記被着体と上部押圧体とには、双方を貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記被着体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、上部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上記貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成した、
ことを特徴とする地下構造物用筐体。 - 内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、
上記内筒体には、その側壁に開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、
上記可動部材は、下面を内筒体の外方に向けて上り傾斜させるとともに受座に係止される被着体と、その被着体の下面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記開口部に挿入させる押圧部を形成した下部押圧体とを備え、
上記被着体と下部押圧体とには、双方を貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記下部押圧体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、下部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上記貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成した、
ことを特徴とする地下構造物用筐体。 - 内周面に雌ねじ部を形成した外筒体と、この外筒体内に装着され外筒体の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を外周面に形成した内筒体とを備えた地下構造物用筐体において、
上記内筒体には、その側壁に上下2箇所の開口部と受座とを設けた受け部を形成し、この受け部には可動部材を装着し、
上記可動部材は、上面を内筒体の外方に向けて下り傾斜させ、下面を内筒体の外方に向けて上り傾斜させるとともに受座に係止される被着体と、その被着体の上面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記上側の開口部に挿入させる押圧部を形成した上部押圧体と、その被着体の下面に沿って摺動し、側面視で外方が肉厚となるとともにその先端に上記下側の開口部に挿入させる押圧部を形成した下部押圧体とを備え、
上記被着体と、上部押圧体と、下部押圧体とには、それぞれを貫通するボルトの軸線が内筒体の上部開口を貫通するように貫通孔を形成するとともに、上記下部押圧体にはナット収納室を形成し、ボルトを締め込んだ際に、上部押圧体および下部押圧体が内筒体の外方に移動して上記外筒体の内周面に当接するように、上部押圧体および下部押圧体の貫通孔と、被着体の貫通孔の少なくとも一方をボルトの径よりも径大に形成した、
ことを特徴とする地下構造物用筐体。 - 上記被着体には、外方側にフック状の係止部を形成し、その係止部を開口部の縁に係止させた、請求項1乃至3のいずれかに記載の地下構造物用筺体。
- 上記受け部を内筒体の周方向に複数形成し、この受け部のいずれかを選択して可動部材を装着するようにし、上記上部押圧体または下部押圧体には上方に向けて柱状腕部を延設し、その柱状腕部の上端には蝶番受座を形成し、この蝶番受座に蝶番金具を装着して蓋本体を開閉可能に連結した、請求項1乃至4のいずれかに記載の地下構造物用筺体。
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