JP4673880B2 - ネットワーク制御装置およびネットワーク制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御装置、および、そのような無線通信システムで実行されるネットワーク制御方法に関する。
従来、携帯電話機に代表される移動端末を使った移動通信の分野では、移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムとして、1つの通信周波数帯域を複数の移動端末で同時に使用できるCDMA(Code Division Multiple Access)方式が採用された無線通信システムが普及している。このような無線通信システムでは、移動端末間の通話だけでなく、いわゆるパケット通信によるデータ通信も行われるが、このパケット通信で扱われるデータの量は増加の一途を辿っている。そこで、近年では、従来のCDMA方式に、通信速度の点で改良が加えられたW−CDMA(Wideband−CDMA)方式が注目を集めている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、W−CDMA方式が採用された無線通信システムの多くでは、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式という高速通信方式と、従来のCDMA方式において採用されておりHSDPA方式に比べれば通信速度が劣る非高速通信方式との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能となっている。そして、このような無線通信システムにおいて、ネットワーク制御装置(RNC;Radio Network Controller)が、各移動端末ごとの通信方式を、高速通信方式と非高速通信方式との間で切り換えている。RNCにおける通信方式の切換えは、無線通信におけるトラヒック量の増減に応じて行われ、例えば、非高速通信方式による無線通信のトラヒック量が増加したとき等に、通信方式が非高速通信方式から高速通信方式に切り換えられる。
図1は、無線通信システムを模式的に示す図である。
図1に示す無線通信システム50は、複数の無線基地局(NodeB;Node Base)53と、それらの複数のNodeB53を制御の配下に置くRNC52と、この無線通信システム50を、他の無線通信システムや固定電話の回線ネットワーク等に接続するための交換局(MSC;Mobile Switching Center)51と、NodeB53と無線による音声通信やパケット通信(以下、これらを総称して無線通信と呼ぶ)を行う移動端末54とを備えている。尚、この図1では、図を簡単なものとするために1つのNodeB53と1つの移動端末54が代表的に示されているが、図1に示す無線通信システム50には実際には多数のNodeB53と多数の移動端末54が含まれている。
図2は、通信方式が非高速通信方式から高速通信方式に切り換えられる様子を模式的に示す図である。
一般にNodeBは、そのNodeBから見て無線通信が可能な領域(セル)内に位置している移動端末と無線通信を行う。この図2には、A移動端末54aとB移動端末54bとの2つの移動端末が示されており、これら2つの移動端末がセル内に位置している5つのNodeBが示されている。また、この図2の例では、5つのNodeBのうち1つが、高速通信方式で移動端末と無線通信を行う高速のNodeB53aであり、4つが、非高速通信方式で移動端末と無線通信を行う非高速のNodeB53bである。
従来のCDMA方式において採用されている非高速通信方式では、特に、NodeBから移動端末に向かう下り通信において、この図2の例のように、移動端末が複数のNodeBそれぞれのセル内に位置しているときには、無線通信が、これら複数のNodeBと移動端末との間で行われることがある。
この図2のパート(a)には、B移動端末54bが3つの非高速のNodeB53bと無線通信を行い、さらにA移動端末54aが1つの非高速のNodeB53bと無線通信を行うことにより非高速の無線リンクが4つ使用されている様子が示され、図2のパート(b)には、A移動端末54aが高速のNodeB53aと無線通信を行うことにより高速の無線リンクが1つ使用され、B移動端末54bが3つの非高速のNodeB53bと無線通信を行うことにより非高速の無線リンクが3つ使用されている様子が示されている。
この図2の例では、A移動端末54aの通信方法が、トラヒック量の増加等を受けて、図1のRNC52によって、非高速通信方式から高速通信方式に切り換えられている。その結果、パート(a)に示すように、非高速のNodeB53bとの間で、非高速通信方式によって64kbpsの通信速度で行われていたA移動端末54aに係る無線通信が、高速通信方式によって3.6Mbpsで行われるようになっている。また、A移動端末54aについて通信方式の切換えが行われた結果、パート(b)に示すように、非高速の無線リンクが1つ解放されている。
さらに、この図2の例では、B移動端末54bに係るトラヒック量も増加し、その増加を受けて、図1のRNC52によって、このB移動端末54bに係る無線通信については、通信方式は非高速通信方式のままで、非高速の無線リンクにおける通信レートの変更が行われ、この非高速通信方式において可能な範囲内で、384kbpsまで通信速度が上げられている。
図1に示す無線通信システム50では、トラヒック量が増加したときには、RNC52による、図2を参照して説明したような通信方式の切換え等によって、通信速度の上昇が図られている。
特開2004−328521号公報
ところで、近年では、携帯電話機等の移動端末の使用者の数が急増しているが無線リソースには限りがあり、無線リソースの有効利用が求められている。ところが、従来、図2を参照して説明したような通信方式の切換えは、無線リソースの有効利用という観点とは無関係に行われているのが現状であり、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるネットワーク制御装置(RNC)が望まれている。
尚、ここまで、高速通信方式で移動端末と無線通信を行う高速のNodeBと、非高速通信方式で移動端末と無線通信を行う非高速のNodeBとを備えた無線通信システムにおける通信方式の切換えを例に挙げ、このような通信方式の切換えが、無線リソースの有効利用という観点とは無関係に行われているという問題点について説明した。しかしながら、無線通信システムの中には、高速通信方式で移動端末と無線通信を行う能力を備えた設備と非高速通信方式で移動端末と無線通信行う設備とを有し高速タイプと非高速タイプとを兼ねたNodeBを備えたものもあり、上述の問題点は、このようなNodeBを備えた無線通信システムにおいても生じ得る問題点である。
本発明は、上記事情に鑑み、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるネットワーク制御装置と、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるネットワーク制御方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のネットワーク制御装置は、
移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御装置において、
非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理部と、
複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、その複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、その移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御部とを備えたことを特徴とする。
この本発明のネットワーク制御装置によれば、無線リンク数が多い移動端末から優先的に通信方式の切替えが実行される。その結果、なるべく多くの非高速通信方式の無線リンクが1本の高速通信方式の無線リンクに置き換えられ、それら多くの非高速通信方式の無線リンクが解放されることになる。つまり、本発明のネットワーク制御装置によれば、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
ここで、本発明のネットワーク制御装置において、
「上記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の、無線リンク数が多いほど高い回線利用率閾値との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末についてその対応表を参照して回線利用率閾値を決定する閾値決定部と、
高速通信方式の通信回線の回線利用率が上記閾値決定部で決定された回線利用率閾値よりも低い場合に、この移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものである」という形態は好ましい形態である。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、無線リンク数が多いほど、高速通信方式の通信回線における少ない空きで通信方式の切替えが実行されることとなり、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実現することができる。
また、本発明のネットワーク制御装置において、
「上記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表を有し、移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった場合に、その移動端末についてその対応表を参照してタイマ値を決定し、そのタイマ値に応じた時間だけ、その切替要求を保留する切替要求保留部を備えたものである」という形態はさらに好ましい形態である。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、上記切替要求が保留されるが、無線リンク数が多いほどこの保留の時間が短い。その結果、複数の移動端末についての切替要求が競合したときには、無線リンク数が多い移動端末から通信方式の切換えが実行されることとなり、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実現することができる。
また、本発明のネットワーク制御装置において、
「上記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときにその切替えを実行する確率であって無線リンク数が多いほど高い確率を表わす切替率との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末についてその対応表を参照して切替率を決定する切替率決定部と、
この移動端末の通信方式を、上記切替率決定部で決定された切替率に応じた確率で、非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものである」という形態も好ましい。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、無線リンク数が多いほど高い確率で通信方式が切替えられることとなり、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実現することができる。
また、本発明のネットワーク制御装置において、
「上記帯域制御部は、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定部と、
同一の時間窓内に非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった全ての移動端末のうちの使用中の無線リンク数が最大の移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものである」という形態も好ましい形態である。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、繰り返し設定される時間窓ごとに無線リンク数が最大の移動端末の通信方式の切替えが実行されることとなり、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実現することができる。
また、本発明のネットワーク制御装置において、
「上記帯域制御部は、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定部と、
1台の移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに、この切替え要求があった時間窓と同一の時間窓内であってこの切替え要求があった時点以前に、この移動端末の使用中の無線リンク数よりも使用中の無線リンク数が多い他の移動端末についての非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が存在しない場合に限り、この移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものである」という形態も好ましい形態である。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、各時間窓内において、ある移動端末についての切替え要求に係る通信方式の切替えは、その要求よりも前に、その移動端末よりも無線リンク数が多い移動端末についての切替え要求が存在しない場合に限り実行される。これにより、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実現することができる。
また、本発明のネットワーク制御装置において、
「移動端末を2つのグループに分割したときの少なくとも一方のグループに属する移動端末を特定するユーザ識別表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末についてそのユーザ識別表に従ってこの移動端末が属するグループを決定し、この移動端末が特定の一方のグループに属する場合にのみ、上記帯域制御部を作用させる特定ユーザ識別部を備えた」という形態も好ましい。
この好ましい形態のネットワーク制御装置によれば、例えば、無線リンク数とは無関係に例外的に優先して高速通信方式への切替えを実行したい移動端末がある場合、その移動端末を、上記特定の一方のグループとは異なるグループに属させることで、その例外的な移動端末については、上記帯域制御部による作用を回避することができる。
また、上記目的を達成する本発明のネットワーク制御方法は、
移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御方法において、
非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理ステップと、
複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、その複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、その移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御ステップとを有することを特徴とする。
この本発明のネットワーク制御方法によれば、上述の本発明のネットワーク制御装置と同様に、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
また、本発明のネットワーク制御方法において、
「上記帯域制御ステップは、
非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の、無線リンク数が多いほど高い回線利用率閾値との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について回線利用率閾値を決定する閾値決定ステップと、
高速通信方式の通信回線の回線利用率が上記閾値決定ステップで決定された回線利用率閾値よりも低い場合に、この移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップである」という形態や、
また、本発明のネットワーク制御方法において、
「上記帯域制御ステップは、非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末についてタイマ値を決定し、そのタイマ値に応じた時間だけ、その切替要求を保留する切替要求保留ステップを有するステップである」という形態や、
「上記帯域制御ステップは、
非高速通信方式の無線リンク数と、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときにその切替えを実行する確率であって無線リンク数が多いほど高い確率を表わす切替率との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について切替率を決定する切替率決定ステップと、
この移動端末の通信方式を、上記切替率決定ステップで決定された切替率に応じた確率で、非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップである」という形態や、
「上記帯域制御ステップは、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定ステップと、
同一の時間窓内に非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった全ての移動端末のうちの使用中の無線リンク数が最大の移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップである」という形態や、
「上記帯域制御ステップは、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定ステップと、
1台の移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに、この切替え要求があった時間窓と同一の時間窓内であってこの切替え要求があった時点以前に、この移動端末の使用中の無線リンク数よりも使用中の無線リンク数が多い他の移動端末についての非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が存在しない場合に限り、この移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップである」という形態はいずれも好ましい形態である。
これらの好ましい形態のネットワーク制御方法によれば、無線リンク数が多い移動端末について優先的に実行する通信方式の切換えを確実に実行することができる。
また、本発明のネットワーク制御方法において、
「移動端末を2つのグループに分割したときの少なくとも一方のグループに属する移動端末を特定しておき、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末について、特定の一方のグループに属する場合にのみ、上記帯域制御ステップを実行させる特定ユーザ識別ステップを有する」という形態も好ましい。
この好ましい形態のネットワーク制御方法によれば、無線リンク数とは無関係に優先して高速通信方式への切替えを実行したい例外的な移動端末がある場合、その移動端末について、上記帯域制御ステップの実行を省略すること等が可能となる。
以上、説明したように、本発明によれば、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるネットワーク制御装置と、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるネットワーク制御方法とを得ることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。
図3に示す無線通信システム10は、複数の無線基地局(NodeB11)11と、それらの複数のNodeB11を制御の配下に置くネットワーク制御装置(RNC)100と、この無線通信システム10を、他の無線通信システムや固定電話の回線ネットワーク等に接続するための交換局(MSC)12と、NodeB11と無線通信を行う移動端末13とを備えている。尚、この図3では、図を簡単なものとするために1つのNodeB11と1つの移動端末13が代表的に示されているが、図3に示す無線通信システム10には実際には多数のNodeB11と移動端末13とが含まれている。ここで、この図3に示す無線通信システム10は、本発明にいう無線通信システムの一例に相当し、移動端末13は、本発明にいう移動端末13の一例に相当する。また、図3に示すRNC100は、本発明にいうネットワーク制御装置の一実施形態に相当する。
この無線通信システム10は、移動端末13間で、NodeB11やRNC100やMSC12からなる通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムである。ここで、この無線通信システム10では、相対的に高速な高速通信方式と、相対的に低速な非高速通信方式とが併用されている。本実施形態では、この無線通信システム10は、NodeB11として、高速通信方式で移動端末13と無線通信を行う高速のNodeB11と、非高速通信方式で移動端末13と無線通信を行う非高速のNodeB11とが、各々複数台備えられている。これにより、この無線通信システム10には、使用可能な複数本の非高速通信方式の無線リンクからなる非高速通信方式の無線リソースと、使用可能な複数本の高速通信方式の無線リンクからなる高速通信方式の無線リソースとが共存することとなる。また、この無線通信システム10では、各移動端末13は、高速通信方式の無線リンクについては「1本」使用することができ、非高速通信方式の無線リンクについては複数本使用することができる。
以下、この無線通信システム10において通信方式の切替えを担うRNC100の詳細について説明するが、ここでは、トラヒック量の増減が多く、通信方式の切替えが行われることが多いパケット通信に注目して説明を行う。
RNC100は、NodeB11を介して移動端末13と各種情報の遣り取り行うとともにMSC12を介して不図示の他の無線通信システム等と各種情報の遣り取り行う端末制御部101と、移動端末13ごとにトラヒック量の増減を監視しその増減に応じて通信速度の変更要求を発するトラヒック観測部102と、移動端末13が、あるNodeB11のセルに入ったときの無線リンクの追加や逆にセルから出たときの無線リンクの削除といったハンドオーバ制御を行うハンドオーバ制御部103と、非高速通信方式による無線リンクの接続や解放を制御する非高速通信制御部104と、高速通信方式による無線リンクの接続や解放を制御する高速通信制御部105と、移動端末13ごとにパケット通信における通信方式の切替えを行うパケット呼帯域制御部110と、このパケット呼帯域制御部110による通信方式の切替えの際に参照される各種テーブルを有するデータベース120とを備えている。ここで、パケット呼帯域制御部110とデータベース120とを合せたものが、本発明にいう帯域制御部の一例に相当する。
パケット呼帯域制御部110は、切替え先の通信方式を、高速通信方式と非高速通信方式とのうちから選択する通信方式選択部111と、通信方式選択部111で高速通信方式が選択された場合に高速通信方式の通信回線の空き状況から高速通信方式への切替えが可能か否かを判定する可否判定部112と、可否判定部112が空き状況の判定に用いるレートアップ制御閾値を後述のレートアップ制御閾値テーブル122を参照して決定する閾値決定部113と、タイマ値の設定を受けて切替え先の通信方式の選択等をそのタイマ値が示す時間だけ遅らせる遅延処理部114と、この遅延処理部114に設定するタイマ値を後述のレートアップ待合せタイマテーブル121参照して決定するタイマ値決定部115とを備えている。
また、データベース120は、非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表であるレートアップ待合せタイマテーブル121と、非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の使用状態についての閾値であって無線リンク数が多いほど高いレートアップ制御閾値との対応表であるレートアップ制御閾値テーブル122と、この無線通信システム10において無線通信を行っている各移動端末13を識別する端末IDと、使用中の非高速通信方式の無線リンク数との対応表である使用リンク数テーブル123と、この無線通信システム10が備える複数台のNodeB11それぞれのセルを識別するセルIDと、各NodeB11における通信回線の回線利用率であるリソース使用率との対応表であるリソース使用率監視テーブル124を備えている。
ここで、レートアップ待合せタイマテーブル121とレートアップ制御閾値テーブル122とは設計時に作りこまれ内容が固定しているテーブルであるが、使用リンク数テーブル123とリソース使用率監視テーブル124とは、内容が時々刻々と更新されるテーブルである。本実施形態では、これらのテーブルの内容の更新は、端末制御部101によって行われる。
端末制御部101は、この無線通信システム10への移動端末13の出入りを監視し、新たに無線通信システム10に入った移動端末13に端末IDを付与し、その端末IDを使用リンク数テーブル123に追加する。さらに、端末制御部101は、既に無線通信システム10に入っている移動端末13については、各移動端末13が使用している無線リンク数を監視し、使用リンク数テーブル123の内容を適宜に更新する。また、端末制御部101は、各NodeB11における通信回線の回線利用率であるリソース使用率を監視し、リソース使用率監視テーブル124の内容を適宜に更新する。
ここで、上記の通信方式選択部111と可否判定部112とを合せたものが、本発明にいう通信方式制御部の一例に相当し、閾値決定部113とレートアップ制御閾値テーブル122とを合せたものが、本発明にいう閾値決定部の一例に相当し、タイマ値決定部115とレートアップ待合せタイマテーブル121と遅延処理部114とを合せたものが、本発明にいう切替要求保留部の一例に相当する。また、上記の端末制御部101は、本発明にいうリンク数管理部の一例に相当する。また、上記のレートアップ制御閾値は、本発明にいう回線利用率閾値の一例に相当し、上記のタイマ値は、本発明にいうタイマ値の一例に相当する。
この図3に示すRNC100では、通信方式の切替えが、使用中の無線リンク数が多い移動端末13について優先的に高速通信方式に切替えるという基本的なルールに則って行われる。
図4は、図3に示すRNCにおいて行われる通信方式の切替えの基本的なルールを示すフローチャートである。
例えば、ある移動端末13が非高速通信方式で行っているパケット通信におけるトラヒック量が増加すると、その増加に応じて上記のトラヒック観測部102が、その移動端末13について通信速度の上昇を求める変更要求(レートアップ要求)を発する(ステップS11)。すると、次に、閾値決定部113が、まず、使用リンク数テーブル123を参照してその移動端末13が使用している無線リンク数を取得し、さらに、レートアップ制御閾値テーブル122を参照してその取得した無線リンク数に対応するレートアップ制御閾値を決定する(ステップS12)。続いて、通信方式選択部111が、リソース使用率監視テーブル124を参照し、現在、レートアップ対象の移動端末13が位置している、高速のNodeB11のセルのセルIDに対応する、現在のリソース使用率(現在の高速通信用リソース使用率)を取得する(ステップS13)。そして、通信方式選択部111が、ステップS13で取得した高速通信用リソース使用率がステップS12で取得されたレートアップ制御閾値以下であるか否かを判定する(ステップS14)。高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以下である場合(ステップS14におけるYes判定)には、通信方式選択部111は高速通信方式を選択し(ステップS15)、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS14におけるNo判定)には、通信方式選択部111は非高速通信方式を選択する(ステップS16)。高速通信方式が選択された場合には、ステップS11で出されたレートアップ要求は、通信方式を高速通信方式に切り替えることで叶えられる。一方、非高速通信方式が選択された場合には、通信方式は非高速通信方式のままであるので、現在使用中の無線リンクの通信レートを非高速通信方式で可能な範囲内で上げることでレートアップ要求が叶えられる。
以上に説明したように、上記の図3に示すRNC100では、レートアップ要求が出されたときには、図4に示す基本的なルールに則って、高速通信用リソース使用率と、レートアップ対象の移動端末13が使用中の無線リンク数に対応するレートアップ制御閾値との比較によって、その移動端末13の通信方式を高速通信方式に切り替えるか否かが決められる。このRNC100では、レートアップ制御閾値が、無線リンク数が多いほど高くなっているので、無線リンク数が多いほど高速通信方式に切り替わり易くなっている。その結果、通信方式の切替え後には、非高速通信方式の無線リンクが多く解放されるので、無線リソースが有効利用されることとなる。
上記の図3に示すRNC100では、このような図4に示す基本的なルールに加えて、タイマ値決定部115や遅延処理部114の処理が実行されて、無線リソースの有効利用の確実化が図られている。
以下、このRNC100において、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理について、詳細な処理シーケンスを参照して説明する。
図5は、図3に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。
ここで、この図5に示す処理シーケンスは、非高速通信方式の無線リンクを「2本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「1」が付与されたA移動端末13aについて、トラヒック量が増加したときに、図3に示すRNC100において実行される一連の処理を示すものであり、この図5に示す処理シーケンスが示す処理は、本発明のネットワーク制御方法の一実施形態に相当する。また、この図5に示す処理シーケンスでは、A移動端末13aは、上記の「2本」の無線リンクそれぞれに対応した2つの非高速のNodeB11のセル内に位置しているとともに、セルID「1」が付与された、高速のNodeB11のセル内にも位置している。
まず、A移動端末13aについてトラヒック量が増加すると、このA移動端末13aについてのトラヒック量の増加をトラヒック観測部102が認識し、さらに、トラヒック観測部102が、このA移動端末13aについてのレートアップ要求をパケット呼帯域制御部110に向けて発する(ステップS101)。パケット呼帯域制御部110において、このレートアップ要求は通信方式選択部111で受け取られ、この通信方式選択部111が、タイマ値決定部115に、このA移動端末13aが現在使用している無線リンク数に応じたタイマ値の決定を指示する(ステップS102)。すると、タイマ値決定部115が、この通信方式選択部111からの指示に応じてタイマ値を決定するが、この決定は、以下に説明する一連の処理で、A移動端末13aが現在使用中の無線リンク数に対応したタイマ値を使用リンク数テーブル123から取得することによって行われる。
まず、タイマ値決定部115は、使用リンク数テーブル123を参照して、A移動端末13aに付与されている端末ID「1」に対応する無線リンク数を取得する(ステップS103)。
ここで、使用リンク数テーブル123における無線リンク数は、図3に示す端末制御部101によって適宜に更新される。
以下、タイマ値決定部115によるタイマ値の決定についての説明からは外れるが、この使用リンク数テーブル123における無線リンク数の更新について説明する。また、以下ではこの更新について、移動端末13が新たなNodeB11のセルに入ったときの無線リンクの追加や、逆に移動端末13がそれまで通信を行っていたNodeB11のセルから出たときの無線リンクの削除といったハンドオーバ制御を例に挙げて説明する。
まず、無線リンクの追加処理について説明する。
図6は、無線リンクの追加処理の処理シーケンスを示す図である。
図3の無線通信システム10では、複数のNodeB11それぞれは、自分の存在を移動端末13に知らせるための一定出力の電波信号であるパイロット信号を出力している。移動端末13は、各NodeB11からのパイロット信号を常時受信しており、受信強度が所定レベルを超えるパイロット信号があったときには、自機が、そのパイロット信号を発している新たなNodeB11のセル内に入ったと認識する。すると、その移動端末13は、図6に示すように、現在無線リンクが接続されているNodeB11とRNC100の端末制御部101とを介して、その新たなNodeB11との間に無線リンクを接続するように求めるハンドオーバ制御信号を、RNC100のハンドオーバ制御部103に送信する(ステップS201)。すると、ハンドオーバ制御部103は、その新たなNodeB11に対して、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13との間に無線リンクを接続するように指示するリンク接続制御信号を送る(ステップS202)。新たなNodeB11において、そのリンク接続制御信号に従った無線リンクの接続が完了し、このNodeB11が、その接続が完了した旨をハンドオーバ制御部103に通知すると(ステップS203)、ハンドオーバ制御部103が、その旨を、さらに端末制御部101に通知する(ステップS204)。すると、端末制御部101が、使用リンク数テーブル123の内容のうち、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13についての無線リンク数を更新する(ステップS205)。この図6の例では、ハンドオーバ制御が行われる前には、「1本」であった無線リンク数が「2本」に更新されている。端末制御部101は、この更新が終了すると、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13に対して、新たな無線リンクの接続が終了した旨の通知を、その新たな無線リンクが接続されたNodeB11も介して行う(ステップS206)。
次に、無線リンクの削除処理について説明する。
図7は、無線リンクの削除処理の処理シーケンスを示す図である。
移動端末13は、受信強度が所定レベルを超えるパイロット信号のうち、受信強度が低下して所定レベルを下回ったものがあったときには、自機が、そのパイロット信号を発しているNodeB11のセル内から出たと認識する。すると、その移動端末13は、図6に示すように、現在無線リンクが接続されているNodeB11とRNC100の端末制御部101とを介して、そのパイロット信号の受信強度が低下したNodeB11との間の無線リンクを削除するように求めるハンドオーバ制御信号を、RNC100のハンドオーバ制御部103に送信する(ステップS251)。すると、ハンドオーバ制御部103は、そのNodeB11に対して、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13との間の無線リンクを削除するように指示するリンク削除制御信号を送る(ステップS252)。このNodeB11において、そのリンク削除制御信号に従った無線リンクの削除が完了し、このNodeB11が、その削除が完了した旨をハンドオーバ制御部103に通知すると(ステップS253)、ハンドオーバ制御部103が、その旨を、さらに端末制御部101に通知する(ステップS254)。すると、端末制御部101が、使用リンク数テーブル123の内容のうち、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13についての無線リンク数を更新する(ステップS255)。この図7の例では、ハンドオーバ制御が行われる前には、「2本」であった無線リンク数が「1本」に更新されている。端末制御部101は、この更新が終了すると、ハンドオーバ制御信号を送信した移動端末13に対して、無線リンクの削除が終了した旨の通知を、無線リンクが接続されているNodeB11を介して行う(ステップS256)。
以上、ハンドオーバ処理を例に挙げて説明したように、使用リンク数テーブル123における無線リンク数は、端末制御部101によって適宜に更新される。ここで、図6のステップS205の処理および図7のステップS255の処理は、いずれも本発明にいうリンク数管理ステップの一例に相当する。
以上で、無線リンク数の更新についての説明を終了し、図5に戻って、中断していたタイマ値の決定についての説明の続きから、この図5の処理シーケンスについて説明する。
上述したステップS103の処理において、タイマ値決定部115は、A移動端末13aが現在使用中の無線リンク数を取得すると、次に、レートアップ待合せテーブル121を参照して、この取得した無線リンク数に対応するタイマ値を取得する(ステップS104)。タイマ値決定部115は、この取得したタイマ値を、通信方式選択部111に渡す(ステップS105)。通信方式選択部111は、この渡されたタイマ値が「0秒」であるか否かを判定する(ステップS106)。ここでの例では、タイマ値は「0.2秒」であって「0秒」ではないので、ステップS106における判定はNo判定となり、この判定を受けて通信方式選択部111が、このタイマ値を遅延処理部114に渡す(ステップS107)。遅延処理部114は、このタイマ値を渡されると、A移動端末13aについて出されたレートアップ要求に係る処理を、このタイマ値が示す時間が経過するまでの間保留し(ステップS108)、この時間が経過すると、遅延処理部114は、通信方式選択部111にタイムアウトを通知する(ステップS109)。ここで、ステップS103からステップS109に至る一連の処理が、本発明にいう切替要求保留ステップの一例に相当する。
遅延処理部114からタイムアウトを通知されると、通信方式選択部111は、閾値決定部113にレートアップ制御閾値の決定を指示する(ステップS110)。すると、閾値決定部113が、この通信方式選択部111からの指示に応じてレートアップ制御閾値を決定するが、この決定は、以下に説明する一連の処理で、A移動端末13aが現在使用中の無線リンク数に対応したレートアップ制御閾値をレートアップ制御閾値テーブル122から取得することによって行われる。
閾値決定部113は、まず、使用リンク数テーブル123を参照して、A移動端末13aに付与されている端末IDに対応する無線リンク数を取得する(ステップS111)。閾値決定部113は、A移動端末13aが現在使用中の無線リンク数を取得すると、次に、レートアップ制御閾値テーブル122を参照して、この取得した無線リンク数に対応するレートアップ制御閾値を取得する(ステップS104)。閾値決定部113は、この取得したレートアップ制御閾値を、通信方式選択部111に渡す(ステップS113)。ここで、ステップS111からステップS113に至る一連の処理が、本発明にいう閾値決定ステップの一例に相当する。尚、ここでの例では、取得されるレートアップ制御閾値は、無線リンク数「2本」に対応するレートアップ制御閾値「70%」となる。
続いて、通信方式選択部111は、リソース使用率監視テーブル124を参照し、現在、レートアップ対象の移動端末13が位置している、高速のNodeB11のセルのセルIDに対応する、現在のリソース使用率(現在の高速通信用リソース使用率)を取得する(ステップS114)。ここでの例では、レートアップ対象の移動端末13が位置している、高速のNodeB11のセルのセルIDが「1」であるので、通信方式選択部111は、高速通信用リソース使用率として、このセルID「1」に対応するリソース使用率「70%」を取得する。
そして、通信方式選択部111は、ステップS114で取得した高速通信用リソース使用率が、ステップS113で閾値決定部113から渡されたレートアップ制御閾値以下であるか否かを判定する(ステップS115)。ここでの例では、高速通信用リソース使用率が「70%」でレートアップ制御閾値が「70%」であるので、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以下となる。
高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以下である場合(ステップS115におけるYes判定)、通信方式選択部111が、可否判定部112に、高速通信方式の通信回線の空き状況から高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を指示する(ステップS116)。また、この指示には、通信方式選択部111が、ステップS114で取得した高速通信用リソース使用率が添えられる。可否判定部112は、その指示に応じて可否判定を行い(ステップS117)、その判定結果を通信方式選択部111に通知する(ステップS118)。そして、通信方式選択部111は、通知された判定結果に応じて通信方式を選択する(ステップS119)。即ち、通信方式選択部111は、高速通信方式への切替えが可能と通知された場合には、通信方式として高速通信方式を選択し、高速通信方式への切替えが不可と通知された場合には、通信方式として非高速通信方式を選択する。ここで、ステップS115からステップS119に至る一連の処理が、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。
ここでの例では、高速通信用リソース使用率が「70%」であり、通信回線に「30%」の空きがあるので、可否判定部112による判定結果は切替可となり、通信方式選択部111は、高速通信方式を選択する。
高速通信方式を選択した場合、通信方式選択部111は、高速通信制御部105に対し、ステップS101におけるレートアップ要求に係るA移動端末13aと、そのA移動端末13aが位置しているセル(ここでの例では、セルID「1」が付与されたセル)の高速のNodeB11との間に高速通信方式の無線リンクを接続するように指示するとともに(ステップS120)、非高速通信制御部104に対し、このA移動端末13aが使用中の無線リンクを解放するように指示する(ステップS121)。ステップS120で指示を受けた高速通信制御部105は、高速通信方式の無線リンクの接続等を、図3の端末制御部101を介して行い(ステップS122)、ステップS121で指示を受けた非高速通信制御部104は、非高速通信方式の無線リンクの解放等を、図3の端末制御部101を介して行う(ステップS123)。
ここで、仮に高速通信用リソース使用率が「100%」であり、通信回線に空きが無い場合には、可否判定部112による判定結果は切替不可となり、ステップS119において、通信方式選択部111は非高速通信方式を選択する。その場合には、通信方式選択部111は、非高速通信制御部104に対し、ステップS101におけるレートアップ要求に係る移動端末13が使用している無線リンクにおける通信レートを、非高速通信方式で許される範囲内で上昇させるように指示する(ステップS124)。そして、非高速通信制御部104が、この指示を受けて、通信レートを上昇させる(ステップS125)。
以上、説明したように、本実施形態では、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が「2本」のA移動端末13aについてのレートアップ要求は、高速通信方式の通信回線に空きがある場合に、通信方式が高速通信方式に切替えられることで叶えられ、同時に、A移動端末13aが使用していた「2本」の非高速通信方式の無線リンクが解放される。
次に、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が「2本」よりも多い「3本」である場合、および、「2本」よりも少ない「1本」である場合の処理シーケンスについて、再度、この図5を参照して説明する。
使用中の非高速通信方式の無線リンク数が「3本」である場合、上記のステップS104において、タイマ値決定部115が決定するタイマ値が「0秒」となる。その結果、ステップS106において通信方式選択部111が行う判定の結果がYes判定となり、ステップS107からステップS115に至る処理が省略されて(ステップS126)、ステップS116において、通信方式選択部111から可否判定部112に判定の指示が出される。例えば、この「3本」の無線リンクを使っている移動端末13が、上述した例と同様に、リソース使用率が「70%」の高速のNodeB11のセル内に位置している場合には、その移動端末13についてのレートアップ要求が、通信方式が高速通信方式に切替えられることで叶えられ、同時に、「3本」の非高速通信方式の無線リンクが解放される。
使用中の非高速通信方式の無線リンク数が「1本」である場合、上記のステップS104において、タイマ値決定部115が決定するタイマ値が「0.5秒」となる。その結果、ステップS108において遅延処理部114による保留時間が上述した無線リンク数が「2本」である例における保留時間よりも長くなる。さらに、この場合には、ステップS113で通信方式選択部111が得るレートアップ制御閾値がこの例におけるレートアップ制御閾値よりも小さい「30%」となる。その結果、例えば、この「3本」の無線リンクを使っている移動端末13が、無線リンク数が「2本」である例と同様に、リソース使用率が「70%」の高速のNodeB11のセル内に位置している場合には、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値を超えてしまい、ステップS115において通信方式選択部111が行う判定の結果がNo判定となり、ステップS116以下の処理が行われることなく、通信方式として非高速通信方式が選択される。非高速通信方式を選択した場合、通信方式選択部111は、非高速通信制御部104に対し、ステップS101におけるレートアップ要求に係る移動端末13が使用している無線リンクにおける通信レートを、非高速通信方式で許される範囲内で上昇させるように指示する(ステップS127)。そして、この場合にも、上記のステップS125の処理が実行され、非高速通信制御部104が、この指示を受けて、通信レートを上昇させる。
このように、本実施形態では、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多いほど、ステップS108での保留時間が短く、ステップS115の判定に使われるレートアップ制御閾値が大きい。その結果、無線リンク数が多いほど、レートアップ要求に係る処理が早く実行され、さらに、高速通信方式の通信回線の空きが少なくても、高速通信方式に切替えられることとなる。これにより、使用中の無線リンク数が互いに異なる複数の移動端末13についてのレートアップ要求が競合した場合には、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多い移動端末13についてのレートアップ要求から優先的に高速通信方式に切替えられることとなる。
図8は、使用中の無線リンク数が互いに異なる複数の移動端末13についてのレートアップ要求が競合した場合に、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多い移動端末13についてのレートアップ要求から優先的に高速通信方式に切替えられる様子を模式的に示す図である。
この図8のパート(a)には、B移動端末13bが3つの非高速のNodeB11bと無線通信を行い、さらにC移動端末13cが1つの非高速のNodeB11bと無線通信を行っている様子が示されている。この図8のパート(a)の例では、B移動端末13bの使用中の非高速通信方式の無線リンク数は「3本」であり、C移動端末13cの使用中の非高速通信方式の無線リンク数は「1本」である。そして、図8のパート(b)には、これら2つの移動端末13a,14bそれぞれについてのレートアップ要求が競合したときに、図5の処理シーケンスが示す処理が行われた結果が示されている。
上述したように、図5の処理シーケンスが示す処理では、無線リンク数が「3本」の場合には、高速通信方式の通信回線に空きがあるときには直ちに通信方式が高速通信方式に切替えられ、無線リンク数が「1本」の場合には、「0.5秒」の保留期間を経て、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値「30%」以下であるかの判定が行われ、「30%」以下であった場合に限り通信方式が高速通信方式に切替えられる。
図8の例では、無線リンク数が「3本」の移動端末13bについてのレートアップ要求と、無線リンク数が「1本」の移動端末13cについてのレートアップ要求とが競合した結果、前者のレートアップ要求は、要求後に直ちに行われる通信方式の切替えによって叶えられている。一方、後者のレートアップ要求については、「0.5秒」後に高速通信用リソース使用率を見たところ「30%」を超えており、その結果、通信方式の切替えではなく、元々の非高速通信方式の無線リンクの通信レートの上昇によってレートアップ要求が叶えられている。図8の例では、このような処理を経て、無線リンク数が「3本」の移動端末13bについては、通信速度が64kbpsから3.6Mbpsに上がっており、無線リンク数が「1本」の移動端末13cについては、通信速度が64kbpsから384kbpsに上がっている。
このように、図5の処理シーケンスが示す処理によれば、使用中の無線リンク数が互いに異なる複数の移動端末13についてのレートアップ要求が競合した場合には、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多い移動端末13についてのレートアップ要求から優先的に高速通信方式に切替えられることとなる。また、高速通信方式への切替がこのように行われる結果、切替時に解放される非高速通信方式の無線リンク数が多くなる。つまり、本実施形態によれば、なるべく多くの非高速通信方式の無線リンクが、「1本」の高速通信方式の無線リンクに置き換えられ、それら多くの無線リンクが解放されるので、この無線通信システム10(図3参照)における無線リソースが有効に利用される。つまり、本実施形態によれば、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、無線リンク数に応じた優先的な切替えの実現方法と、そのような優先的な切替えが回避される手段が設けられている点とが、上述の第1実施形態とは異なっている。以下、この第2実施形態について、第1実施形態との相違点に注目して説明を行う。
図9は、本発明の第2実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。
尚、この図9では、上記の図3に示す構成要素と同等な構成要素については図3と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素については重複説明を省略する。
本実施形態では、この図9の無線通信システム20が、本発明にいう無線通信システムの一例に相当し、この無線通信システム20のRNC200が、本発明のネットワーク制御装置の一実施形態に相当する。
このRNC200が有するパケット呼帯域制御部210では、レートアップ要求に係る移動端末13について、まず、優先的な切替えを適用すべき特定のグループに属する端末(特定ユーザ)であるか、あるいは優先的な切替えを回避すべきグループに属する端末(非特定ユーザ)であるかが判定される。そして、その移動端末13が特定ユーザであった場合に限り優先的な切替えが行われる。
このパケット呼帯域制御部210は、レートアップ要求に係る移動端末13が特定ユーザであるか非特定ユーザであるかを踏まえつつ、通信方式を高速通信方式と非高速通信方式とのうちから選択する通信方式選択部211と、通信方式選択部111で高速通信方式が選択された場合に高速通信方式の通信回線の空き状況と非高速通信方式から高速通信方式への切替えを実行する確率を表わす帯域拡大許可率から高速通信方式への切替えが可能か否かを判定する可否判定部212と、レートアップ要求に係る移動端末13が特定ユーザであるか非特定ユーザであるかを識別する特定ユーザ識別部213と、可否判定部212が可否判定に用いる帯域拡大許可率を後述の帯域拡大許可率管理テーブル222を参照して決定する切替率決定部214とを有している。ここで、上記の帯域拡大許可率が、本発明にいう切替率の一例に相当する。
また、図9の無線通信システム20のRNC200が有するデータベース220は、使用リンク数テーブル123の他に、特定ユーザであるか非特定ユーザであるかを識別する際に特定ユーザ識別部213によって参照される特定ユーザ管理テーブル221と、非高速通信方式の無線リンク数と上記の帯域拡大許可率との対応表である帯域拡大許可率管理テーブル222とを有している。また、特定ユーザ管理テーブル221は、端末IDと、各移動端末13がどれくらい特定ユーザであると識別され易いかで複数の移動端末13をクラス分けしたときの各クラスとの対応表である第1テーブル部分221a(図10参照)と、そのクラスと、特定ユーザであると識別され易いかを表わす指標として使われる、各クラスの移動端末13に使用が許可される無線リンク数の上限である許可リンク数との対応表である第2テーブル部分221a(図10参照)とで構成されている。この特定ユーザ管理テーブル221は、本発明にいうユーザ識別表の一例に相当する。
ここで、通信方式選択部211と可否判定部112とを合せたものは、本発明にいう通信方式制御部の一例に相当し、特定ユーザ識別部213と特定ユーザ管理テーブル221とを合せたものは、本発明にいう特定ユーザ識別部の一例に相当し、切替率決定部214と帯域拡大許可率管理テーブル222とを合せたものは、本発明にいう切替率決定部の一例に相当する。また、通信方式選択部211と可否判定部112と切替率決定部214とデータベース220とを合せたものが、本発明にいう帯域制御部の一例に相当する。
以下、このRNC200において、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理について、詳細な処理シーケンスを参照して説明する。
図10は、図9に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。
ここで、この図10に示す処理シーケンスは、非高速通信方式の無線リンクを「2本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「1」が付与されたA移動端末13aについて、トラヒック量が増加したときに、図9に示すRNC200において実行される一連の処理を示すものであり、この図10に示す処理シーケンスが示す処理は、本発明のネットワーク制御方法の一実施形態に相当する。また、この図10に示す処理シーケンスでは、A移動端末13aは、「2本」の非高速通信方式の無線リンクを使用しているとともに、高速のNodeB11のセル内に位置している。
まず、A移動端末13aについてトラヒック量が増加すると、このA移動端末13aについてのトラヒック量の増加をトラヒック観測部102が認識し、さらに、トラヒック観測部102が、このA移動端末13aについてのレートアップ要求をパケット呼帯域制御部210に向けて発する(ステップS201)。パケット呼帯域制御部210において、このレートアップ要求は通信方式選択部211で受け取られ、この通信方式選択部211が、特定ユーザ識別部213に、このレートアップ要求に係るA移動端末13aについて特定ユーザであるか非特定ユーザであるかの識別を求める特定ユーザ識別要求を出す(ステップS202)。この要求を受けた特定ユーザ識別部213は、特定ユーザ管理テーブル123を参照して、A移動端末13aが特定ユーザであるか非特定ユーザであるかを次のように識別する(ステップS203)。
特定ユーザ識別部213は、まず、特定ユーザ管理テーブル123における第1テーブル部分221aを参照し、レートアップ要求に係るA移動端末13aのクラスを取得する。ここでの例では、A移動端末13aには端末IDとして「1」が付与されているので、クラスとして「B」が取得される。次に、特定ユーザ識別部213は、第2テーブル部分221bを参照し、レートアップ要求に係るA移動端末13aのクラスに対応する許可リンク数を取得する。ここでの例では、許可リンク数として、クラス「B」に対応する許可リンク数「2」が取得される。さらに、特定ユーザ識別部213は、使用リンク数テーブル123を参照して、レートアップ要求に係るA移動端末13aが現在使用中の無線リンク数を取得し、その取得した無線リンク数と上記の許可リンク数とを比較する。特定ユーザ識別部213は、この無線リンク数が許可リンク数に達している場合に特定ユーザであると識別し、無線リンク数が許可リンク数未満である場合に非特定ユーザであると識別する。ここでの例では、使用リンク数テーブル123から、A移動端末13aの端末ID「1」に対応する無線リンク数「2」が取得される。この無線リンク数「2」は、A移動端末13aのクラス「B」に対応する許可リンク数「2」に達しているので、特定ユーザ識別部213は、このA移動端末13aを特定ユーザであると識別する。
ここで、上記のクラスは、複数の移動端末13を、各移動端末13がどれくらい特定ユーザであると識別され易いかでクラス分けしたときの各クラスであり、本実施形態では、「A」、「B」、「C」の3段階があり、「A」が最も特定ユーザであると識別され易いクラスであり、「C」が最も特定ユーザであると識別され難いクラスである。そして、各クラスについての識別され易さを表わす指標として上記の許可リンク数が使われている。例えば、最も特定ユーザであると識別され易いクラス「A」には、許可リンク数「1」が対応付けられている。このため、クラス「A」の移動端末13は、無線リンクを「1本」でも使用すると特定ユーザであると識別されてしまう。一方、最も特定ユーザであると識別され難いクラス「C」には、許可リンク数「3」が対応付けられている。その結果、このクラス「C」の移動端末13は、使用中の無線リンク数が「1本」や「2本」の場合には非特定ユーザであると識別され、使用中の無線リンク数が「3本」になって初めて特定ユーザであると識別される。また、識別され易さが中程度のクラス「B」には、許可リンク数「2」が対応付けられているので、クラス「B」の移動端末13は、無線リンクを「1本」使用しただけでは非特定ユーザであると識別され、使用中の無線リンク数が「2本」になると特定ユーザであると識別される。
図10の例では、上述したように、特定ユーザ識別部213は、ステップS203において、レートアップ要求に係るA移動端末13aを特定ユーザであると識別する。そして、特定ユーザ識別部213は、その識別結果を、通信方式選択部211に送る(ステップS204)。通信方式選択部211は、その識別結果からレートアップ要求に係るA移動端末13aが特定ユーザであるか否かを判定する(ステップS205)。ここでの例では、通信方式選択部211は、A移動端末13aが特定ユーザであると判定する(ステップS205におけるYes判定)。尚、ステップS203においてレートアップ要求に係る移動端末13が非特定ユーザであると識別され、その結果、ステップS205において、通信方式選択部211が、レートアップ要求に係る移動端末13が特定ユーザではないと判定する場合(ステップS205におけるNo判定)の処理については、後で図11を参照して説明する。ここで、ステップS202からステップS204に至る一連の処理が、本発明にいう特定ユーザ識別ステップの一例に相当する。
A移動端末13aが特定ユーザであると判定された場合、通信方式選択部211は、切替率決定部214に対し、帯域拡大許可率の取得を求める帯域拡大許可率取得要求を出す(ステップS206)。すると、切替率決定部214は、使用リンク数テーブル123を参照し、レートアップ要求に係るA移動端末13aが現在使用中の無線リンク数を取得し(ステップS207)、続いて、帯域拡大許可率管理テーブル222を参照して、その現在使用中の無線リンク数に対応した帯域拡大許可率を取得する(ステップS208)。ここでの例では、端末ID「1」のA移動端末13aの使用中の無線リンク数として「2本」が取得され、さらに、その無線リンク数「2本」に対応した帯域拡大許可率「60%」が取得される。取得された帯域拡大許可率は、切替率決定部214から通信方式選択部211に送られる(ステップS209)。ステップS206からステップS208に至る一連の処理が、本発明にいう切替率決定ステップの一例に相当する。
帯域拡大許可率が送られてくると、通信方式選択部211は、可否判定部212に、高速通信方式の通信回線の空き状況と帯域拡大許可率とから高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を指示する(ステップS210)。また、この指示には、通信方式選択部111が、ステップS114で取得した帯域拡大許可率が添えられる。可否判定部212は、まず、帯域拡大許可率が示す確率を、非高速通信方式と高速通信方式のうちから高速通信方式が選ばれる確率として、非高速通信方式と高速通信方式のうちから何れか一方の通信方式を選ぶ。そして、高速通信方式が選ばれた場合には、可否判定部212は、高速通信方式の通信回線の空き状況から高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を行う。
可否判定部212は、この一連の処理の結果を通信方式選択部211に通知するが、可否判定部212は、最終的に切替えが可能と判定した場合には、通信方式選択部211に切替可と通知し、高速通信方式が選ばれなかった場合、および、高速通信方式が選ばれたが、空き状況から切替えが不可と判定した場合には、通信方式選択部211に切替不可と通知する(ステップS212)。ここでの例では、「60%」という帯域拡大許可率と高速通信方式の通信回線の空き状況とのいずれかに起因してから、可否判定部212から通信方式選択部211に切替不可が通知されている。
通信方式選択部211は、通信方式選択部111は、通知結果に応じて通信方式を選択する(ステップS213)。即ち、通信方式選択部111は、切替可と通知された場合には、通信方式として高速通信方式を選択し、切替不可と通知された場合には、通信方式として非高速通信方式を選択する。ここで、ステップS210からステップS213に至る一連の処理が、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。
ここでの例では、通信方式選択部211に切替不可が通知されているので、通信方式選択部111は、非高速通信方式を選択し、非高速通信制御部104に対し、レートアップ要求に係るA移動端末13aが使用している無線リンクにおける通信レートを、非高速通信方式で許される範囲内で上昇させるように指示する(ステップS214)。そして、非高速通信制御部104が、この指示を受けて、通信レートを上昇させる(ステップS215)。
また、仮に、ステップS211で実行される「60%」という帯域拡大許可率での二者択一で高速通信方式が選ばれ、さらに、高速通信方式の通信回線に空きがあったときには、ステップS212において、通信方式選択部211には、可否判定部212から切替可が通知される。その場合には、通信方式選択部111は、高速通信方式を選択し、高速通信制御部105に対し、レートアップ要求に係るA移動端末13aと、そのA移動端末13aが位置しているセルの高速のNodeB11との間に高速通信方式の無線リンクを接続するように指示するとともに(ステップS216)、非高速通信制御部104に対し、このA移動端末13aが使用中の「2本」の無線リンクを解放するように指示する(ステップS217)。ステップS216で指示を受けた高速通信制御部105は、高速通信方式の無線リンクの接続等を行い(ステップS218)、ステップS217で指示を受けた非高速通信制御部104は、非高速通信方式の無線リンクの解放等を行う(ステップS219)。
以上に説明したように、本実施形態では、特定ユーザに識別された移動端末13についてのレートアップ要求は、使用中の非高速通信方式の無線リンク数に応じた帯域拡大許可率が示す確率を、非高速通信方式と高速通信方式のうちから高速通信方式が選ばれる確率としたときの二者択一で選ばれた通信方式によって叶えられる。ここで、この帯域拡大許可率が示す確率は、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多いほど高いので、無線リンク数が多い移動端末13について優先的に高速通信方式に切替えられることとなる。つまり、本実施形態によれば、特定ユーザに識別された移動端末13については、上記の第1実施形態よ同様に、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
ここで、例えば、緊急時に使用されることが多い移動端末13等については、レートアップ要求が出された場合には、なるべく高速通信方式に切替えることが望ましい。ここで、上述したように、本実施形態では、複数の移動端末13が、優先的な切替えを適用すべき特定のグループに属する端末(特定ユーザ)であるとどれくらい識別され易いかで複数の移動端末13がクラス分けされている。本実施形態では、このクラス分けが、各移動端末13の使用態様における緊急度に鑑みてなされている。即ち、この緊急度が余り高くない移動端末13は、無線リソースの有効利用を重視して特定ユーザに識別され易いクラスに分類され、緊急度が高い移動端末13は、無線リソースの有効利用よりも通信速度を重視して特定ユーザに識別され難いクラスに分類されている。
以下、特定ユーザに識別され難いクラスに分類された移動端末13からレートアップ要求が出されたときの処理シーケンスについて説明する。
図11は、特定ユーザに識別され難いクラスに分類された移動端末13からレートアップ要求が出されたときの処理シーケンスを示す図である。
この図11の例は、非高速通信方式の無線リンクを「2本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「3」が付与されたB移動端末13bについて、レートアップ要求が出されたときの一連の処理を示すものである。また、このB移動端末13bは、「2本」の非高速通信方式の無線リンクを使用しているとともに、高速のNodeB11のセル内に位置していることとする。
レートアップ要求が出された後、ステップS203の処理が開始されるまでの処理は、図10と同じである。このステップS203では、端末ID「3」が付与されているB移動端末13bについて、特定ユーザに識別され難いクラスであるクラス「C」が取得され、そのクラス「C」に対応した許可リンク数「3」が取得される。ここでの例では、B移動端末13bの使用中の無線リンク数が「2」であるので、許可リンク数「3」には達しておらず、B移動端末13bは、特定ユーザ識別部213によって非特定ユーザに識別され、通信方式選択部211には、ステップS204においてその識別結果が通知される。その結果、ステップS205では、通信方式選択部211によって、レートアップ要求に係るB移動端末13bは特定ユーザではないと判定される(ステップS205におけるNo判定)。
この場合には、図10のステップS206からステップS209に至る一連の処理が省略され、通信方式選択部211は、可否判定部212に、高速通信方式の通信回線の空き状況のみに基づいて高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を指示する(ステップS210’)。可否判定部212は、この指示を受けて判定を行う(ステップS211’)。通信回線の空きがあったときの、この判定以降の処理は、図10のステップS212からステップS213までの処理と、図10のステップS216からステップS219までの処理と同じであり、通信回線の空きが無かったときの、この判定以降の処理は、図10のステップS212からステップS215までの処理と同じである。
このように、本実施形態では、非特定ユーザの移動端末13については、高速通信方式への切替えが可能か否かが通信回線の空き状況のみに基づいて行われる。つまり、非特定ユーザの移動端末13については、使用中の非高速通信方式の無線リンク数とは無関係に、通信回線の空きがあれば、通信方式が高速通信方式へ切り替えられる。
また、この図11の例は、特定ユーザに識別され難いクラス「C」に分類されたB移動端末13bの使用中の無線リンク数が「2本」であり、非特定ユーザに識別される例であるが、このようなクラスの移動端末13でも使用中の無線リンク数が許可リンク数に達すれば特定ユーザに識別されてしまう。しかしながら、このような特定ユーザに識別され難いクラスに対応付けられている許可リンク数は、例えばクラス「A」のように特定ユーザに識別され易いクラスに比べて多くなっている。このため、特定ユーザに識別され難いクラスの移動端末13は、たとえ特定ユーザに識別されたとしても、特定ユーザに識別され易いクラスの移動端末13に比べて使用中の無線リンク数が多いので、通信方式が優先的に高速通信方式に切替えられることとなる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができるとともに、使用態様における緊急度が高い移動端末13については、無線リソースの有効利用よりも通信速度を重視して通信方式の切換えを行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
この第3実施形態は、無線リンク数に応じた優先的な切替えの実現方法が、上述の第1実施形態とは異なっている。以下、この第3実施形態について、第1実施形態との相違点に注目して説明を行う。
図12は、本発明の第3実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。
尚、この図12では、上記の図3に示す構成要素と同等な構成要素については図3と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素については重複説明を省略する。
本実施形態では、この図12の無線通信システム30が、本発明にいう無線通信システムの一例に相当し、この無線通信システム30のRNC300が、本発明のネットワーク制御装置の一実施形態に相当する。
このRNC300は、2秒幅の時間窓を繰り返し設定する周期タイマ制御部301を備えている。この周期タイマ制御部301は、本発明にいう時間窓設定部の一例に相当する。また、この周期タイマ制御部301と、パケット呼帯域制御部310とデータベース320とを合せたものが、本発明にいう帯域制御部の一例に相当する。
そして、このRNC300のデータベース320には、第1実施形態と同様の使用リンク数テーブル123、およびリソース使用率監視テーブル124の他に、レートアップ要求に係る移動端末13の端末IDと、その移動端末13の使用中の非高速通信方式の無線リンク数とが互いに対応付けられて、同一の時間窓内に出される全てのレートアップ要求について記録される帯域拡大要求テーブル321が備えられている。
ここで、本実施形態では、高速通信方式の通信回線のリソース使用率である高速通信用リソース使用率が、所定の閾値(本実施形態では、この閾値をレートアップ制御閾値と呼ぶ)以上の場合に、無線リンク数に応じた優先的な通信方式の切替えが行われる。このRNC300のデータベース320には、このレートアップ制御閾値が格納されたレートアップ制御閾値テーブル322も備えられている。
また、RNC300のパケット呼帯域制御部310には、第1実施形態と同様の可否判定部112の他に、帯域拡大要求テーブル321内に端末IDが記録されている移動端末13のうち、端末IDに対応付けられている無線リンク数が最大の移動端末13の通信方式として高速通信方式を選択する通信方式選択部311が備えられている。この通信方式選択部311と可否判定部112とを合せたものが、本発明にいう通信方式選択部の一例に相当する。
以下、このRNC300において、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理について、詳細な処理シーケンスを参照して説明する。
図13は、図12に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。
ここで、この図13に示す処理シーケンスは、非高速通信方式の無線リンクを「1本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「1」が付与されたA移動端末13aと、非高速通信方式の無線リンクを「2本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「2」が付与されたB移動端末13bとのそれぞれについて、同一の時間窓内に、レートアップ要求が出されたときに、図13に示すRNC300において実行される一連の処理を示すものであり、この図13に示す処理シーケンスが示す処理は、本発明のネットワーク制御方法の一実施形態に相当する。また、この図13に示す処理シーケンスでは、A移動端末13aとB移動端末13bとは両方とも高速のNodeB11のセル内に位置しているとする。
まず、周期タイマ制御部301は、2秒幅の時間窓を繰り返し設定し、各時間窓の終わりに、通信方式選択部311にタイムアウトを通知する。この周期タイマ制御部301による、時間窓の繰返し設定が、本発明にいう時間窓設定ステップの一例に相当する。
まず、ある時間窓についてタイムアウトを通知されたとする(ステップS301)。また、次の時間窓は、その通知後に直ぐに始まる。
ステップS301の通知の直後に、A移動端末13aについてレートアップ要求が出されたとする(ステップS302)。尚、本実施形態では、レートアップ要求は、上述の第1および第2実施形態のように、図12のトラヒック観測部102から出されるだけでなく、各移動端末13が自機のトラヒック量を監視し、そのトラヒック量の増加を認識してレートアップ要求をRNC300に向けて発するようになっている。図13の例では、A移動端末13aやB移動端末13bについてのレートアップ要求は、各移動端末13から出されている。
ステップS302で出されたレートアップ要求は、端末制御部101で受け取られ、さらに、その端末制御部101によって通信方式選択部311に送られる(ステップS303)。すると、通信方式選択部311が、リソース使用率監視テーブル123を参照し、現在、A移動端末13aが位置している高速NodeのセルのセルIDに対応したリソース使用率(高速通信用リソース使用率)を取得する。さらに、通信方式選択部311は、レートアップ制御閾値テーブル322を参照し、レートアップ制御閾値を取得する。そして、通信方式選択部311は、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であるか否かを判定する(ステップS304)。
ここで、この図13の例では、高速通信用リソース使用率が「85%」であり、レートアップ制御閾値が「80%」であるとする。その結果、ステップS304では、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であると判定され(ステップS304におけるYes判定)、無線リンク数に応じた優先的な切替えに繋がる次の処理に移行する。
一方、仮に、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS304におけるNo判定)、通信方式選択部311は、高速通信制御部105に対し、レートアップ要求に係るA移動端末13aに高速通信方式の無線リンクを接続するように指示するとともに(ステップS305)、非高速通信制御部104に対し、このA移動端末13aが使用中の無線リンクを解放するように指示する(ステップS306)。また高速通信制御部105は無線リンクの接続等を行い(ステップS307)、非高速通信制御部104は無線リンクの解放等を行う(ステップS308)。このように、本実施形態では、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合、即ち、高速通信方式の通信回線に空きが十分にある場合には、無線リンク数とは無関係に、レートアップ要求に応じて通信方式を高速通信方式に切り替える。そして、高速通信方式の通信回線に空きが少ない場合に、無線リソースの有効利用を重視した処理を行う。
上記のステップS304において、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上である場合(ステップS304におけるYes判定)、通信方式選択部311は、帯域拡大要求テーブル321に、レートアップ要求を出したA移動端末13aの端末ID「1」と、そのA移動端末13aが現在使用中の非高速通信方式の無線リンク数「1」とを、互いに対応付けて格納する(ステップS309)。
次に、A移動端末13aがレートアップ要求を出した時間窓と同一の時間窓で、B移動端末13bがレートアップ要求を出したとする(ステップS310)。このときには、上記のステップS303からステップS309までの処理と全く同じ処理が、B移動端末13bについて実行される。即ち、B移動端末13bのレートアップ要求が、端末制御部101で受け取られて通信方式選択部311に送られ(ステップS311)、通信方式選択部311が、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であるか否かを判定する(ステップS312)。高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS312におけるNo判定)、高速通信制御部105に対する高速通信方式の無線リンクの接続の指示(ステップS312)と非高速通信制御部104に対する無線リンクの解放の指示(ステップS313)が行われ、高速通信制御部105による無線リンクの接続等と(ステップS315)、非高速通信制御部104による無線リンクの解放等と(ステップS316)が行われる。また、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上である場合(ステップS312におけるYes判定)、帯域拡大要求テーブル321に、B移動端末13bの端末ID「2」と、無線リンク数「3」とが、互いに対応付けられて格納される(ステップS317)。ここでの例では、ステップS317を経て、帯域拡大要求テーブル321への、B移動端末13bの端末ID「2」と無線リンク数「3」との格納が行われる。
ここで、B移動端末13bについてのステップS317の処理が行われた直後に、この時間窓が終了し、周期タイマ301が、通信方式選択部311にタイムアウトを通知したとする(ステップS318)。この通知後、直ぐに次の時間窓が始まるが、本実施形態では、時間窓の開始時点で帯域拡大要求テーブル321に端末IDと無線リンク数とが格納されている場合には、端末制御部101は、その時間窓の間は、レートアップ要求の受付を拒否する。
ステップS318の通知後に始まる時間窓において、通信方式選択部311は、帯域拡大要求テーブル321に格納されている無線リンク数のうち、最大の無線リンク数に対応する端末IDを選択する(ステップS319)。ここでの例では、無線リンク数「3」が最大であり、その無線リンク数「3」に対応する、B移動端末13bに付与された端末ID「2」が選択される。
次に、通信方式選択部311が、可否判定部112に、高速通信方式の通信回線の空き状況に基づいて高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を指示する(ステップS320)。可否判定部112は、その指示に応じて可否判定を行い(ステップS322)、その判定結果を通信方式選択部311に通知する(ステップS322)。そして、通信方式選択部311は、通知された判定結果に応じて通信方式を選択する(ステップS323)。ここでの例では、高速通信方式の通信回線に空きがあり、高速通信方式が選択されている。ここで、ステップS304からステップS323に至る一連の処理が、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。
高速通信方式が選択されると、通信方式選択部311が、高速通信制御部105に対して、ステップS319で選択された端末ID「2」に対応するB移動端末13bへの高速通信方式の無線リンクの接続を指示し(ステップS324)、非高速通信制御部104に対して、B移動端末13bが使用している非高速通信方式の無線リンクの解放が指示される(ステップS325)。そして、これらの指示を受けて、高速通信制御部105による無線リンクの接続等と(ステップS326)、非高速通信制御部104による無線リンクの解放等と(ステップS327)が行われる。
一方、仮に、高速通信方式の通信回線に空きがなく、ステップS323において、非高速通信方式が選択された場合には、通信方式選択部311から、非高速通信制御部104に対して、B移動端末13bが使用している非高速通信方式の無線リンクの通信レートを上昇させるように指示され(ステップS328)、この指示を受けて、非高速通信制御部104による通信レートの上昇が行われる(ステップS329)。
通信方式選択部311は、高速通信制御部105や非高速通信制御部104への指示が終了すると、帯域拡大要求テーブル321の内容をクリアする(ステップS330)。この処理により、この時間窓が終了してタイムアウトが通知され(ステップS331)、次の時間窓が開始されたときには、端末制御部101による、移動端末13からのレートアップ要求の受付けが可能となる。また、ステップS330でのクリアにより、ステップS319において選択されなかった端末ID「1」に対応するA移動端末13aが出したレートアップ要求は破棄されることとなる。
以上、説明したように、本実施形態では、高速通信方式の通信回線の空きが少ないときには、同一の時間窓内にレートアップ要求のあった全ての移動端末13のうち無線リンク数が最大の移動端末13の通信方式が高速通信方式に切替えられる。これにより、高速通信方式の通信回線の空きが少ないときには、無線リンク数が多い移動端末13について優先的に、通信方式が高速通信方式に切替えられることとなり、上述した第1および第2実施形態と同様に、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
この第4実施形態は、無線リンク数に応じた優先的な切替えの実現方法が、上述の第3実施形態とは異なっている。以下、この第4実施形態について、第3実施形態との相違点に注目して説明を行う。
図14は、本発明の第4実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。
尚、この図14では、上記の図12に示す構成要素と同等な構成要素については図12と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素については重複説明を省略する。
本実施形態では、この図14の無線通信システム40が、本発明にいう無線通信システムの一例に相当し、この無線通信システム40のRNC400が、本発明のネットワーク制御装置の一実施形態に相当する。また、RNC400の周期タイマ制御部301と、パケット呼帯域制御部410とデータベース420とを合せたものが、本発明にいう帯域制御部の一例に相当する。
また、RNC400のデータベース420には、第3実施形態と同様の使用リンク数テーブル123、リソース使用率監視テーブル124、およびレートアップ制御閾値テーブル322の他に、レートアップ要求に係る移動端末13の端末IDと、その移動端末13の使用中の非高速通信方式の無線リンク数とが互いに対応付けられて1組だけ記録される帯域拡大要求テーブル421が備えられている。この帯域拡大要求テーブル421の内容は、同一の時間窓内で、レートアップ要求が続いて出されるときには、新たなレートアップ要求が出る度に更新される。
また、RNC400のパケット呼帯域制御部410には、第1実施形態と同様の可否判定部112の他に、ある移動端末13からレートアップ要求が出されたときに、その移動端末13の使用中の非高速通信方式の無線リンク数が、その時点で帯域拡大要求テーブル421に格納されている無線リンク数よりも多い場合に限り、高速通信方式を選択する通信方式選択部411が備えられている。この通信方式選択部411と可否判定部112とを合せたものが、本発明にいう通信方式選択部の一例に相当する。
以下、このRNC400において、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理について、詳細な処理シーケンスを参照して説明する。
図15は、図14に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。
ここで、この図15に示す処理シーケンスは、非高速通信方式の無線リンクを「1本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「1」が付与されたA移動端末13aと、非高速通信方式の無線リンクを「2本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「2」が付与されたB移動端末13bと、非高速通信方式の無線リンクを「3本」使ってパケット通信を行っている、端末IDとして「3」が付与されたC移動端末13cとのそれぞれについて、同一の時間窓内に、レートアップ要求が出されたときに、図14に示すRNC400において実行される一連の処理を示すものであり、この図15に示す処理シーケンスが示す処理は、本発明のネットワーク制御方法の一実施形態に相当する。また、この図15に示す処理シーケンスでは、A移動端末13a、B移動端末13b、およびC移動端末13cは全て、高速のNodeB11の、セルID「1」が付与されたセル内に位置しているとする。
まず、周期タイマ301が、通信方式選択部411にタイムアウトを通知し新たな時間窓が開始されると(ステップS401)、通信方式選択部411が、帯域拡大要求テーブル421の内容をクリアする(ステップS402)。
その後、A移動端末13aからレートアップ要求が出され(ステップS403)、端末制御部101が、そのレートアップ要求を受け取って、通信方式選択部411に送ったとする(ステップS404)。すると、通信方式選択部411が、リソース使用率監視テーブル123を参照し、現在、A移動端末13aが位置している高速NodeのセルのセルIDに対応したリソース使用率(高速通信用リソース使用率)を取得する。さらに、通信方式選択部411は、レートアップ制御閾値テーブル322を参照し、レートアップ制御閾値を取得する。そして、通信方式選択部411は、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であるか否かを判定する(ステップS405)。
ここでの例では、セルID「1」に対応した高速通信用リソース使用率「85%」が取得され、レートアップ制御閾値「80%」が取得されるので、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であると判定され(ステップS405のYes判定)、無線リンク数に応じた優先的な切替えに繋がる次の処理に移行する。
一方、仮に、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS405におけるNo判定)、通信方式選択部411は、高速通信制御部105に対し、A移動端末13aに高速通信方式の無線リンクを接続するように指示するとともに(ステップS406)、非高速通信制御部104に対し、このA移動端末13aが使用中の無線リンクを解放するように指示する(ステップS407)。また高速通信制御部105は無線リンクの接続等を行い(ステップS408)、非高速通信制御部104は無線リンクの解放等を行う(ステップS409)。このように、本実施形態でも、上記の第3実施形態と同様に、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合、即ち、高速通信方式の通信回線に空きが十分にある場合には、無線リンク数とは無関係に、レートアップ要求に応じて通信方式を高速通信方式に切り替える。そして、高速通信方式の通信回線に空きが少ない場合に、無線リソースの有効利用を重視した処理を行う。
上記のステップS405において、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上である場合(ステップS405におけるYes判定)、通信方式選択部411は、レートアップ要求を出したA移動端末13aが現在使用中の非高速通信方式の無線リンク数が、帯域拡大要求テーブル421に格納されている無線リンク数よりも多いか否かを判定する(ステップS410)。
ここで、仮に、A移動端末13aの無線リンク数が、帯域拡大要求テーブル421の無線リンク数よりも少ないと判定された場合(ステップS410におけるNo判定)には、その時点で、A移動端末13aに係るレートアップ要求が破棄される(ステップS411)。
ここでの例では、A移動端末13aの無線リンク数は「1」であり、クリア状態にある帯域拡大要求テーブル421の無線リンク数は「0」であるので、通信方式選択部411は、A移動端末13aの無線リンク数は帯域拡大要求テーブル421の無線リンク数よりも多いと判定し(ステップS410におけるYes判定)、帯域拡大要求テーブル421の無線リンク数を、A移動端末13aの無線リンク数「1」に更新する(ステップS412)。
次に、通信方式選択部411は、可否判定部112に、高速通信方式の通信回線の空き状況に基づいて高速通信方式への切替えが可能か否かの判定を指示する(ステップS413)。可否判定部112は、その指示に応じて可否判定を行い(ステップS414)、その判定結果を通信方式選択部411に通知する(ステップS415)。そして、通信方式選択部411は、通知された判定結果に応じて通信方式を選択する(ステップS416)。ここでの例では、高速通信方式の通信回線に空きがあり、高速通信方式が選択されている。ここで、ステップS410からステップS416に至る一連の処理が、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。
高速通信方式が選択されると、通信方式選択部411が、高速通信制御部105に対して、A移動端末13aへの高速通信方式の無線リンクの接続を指示し(ステップS417)、非高速通信制御部104に対して、A移動端末13aが使用している非高速通信方式の無線リンクの解放が指示される(ステップS418)。そして、これらの指示を受けて、高速通信制御部105による無線リンクの接続等と(ステップS419)、非高速通信制御部104による無線リンクの解放等と(ステップS420)が行われる。
一方、仮に、高速通信方式の通信回線に空きがなく、ステップS416において、非高速通信方式が選択された場合には、通信方式選択部411から、非高速通信制御部104に対して、A移動端末13aが使用している非高速通信方式の無線リンクの通信レートを上昇させるように指示され(ステップS421)、この指示を受けて、非高速通信制御部104による通信レートの上昇が行われる(ステップS422)。
ここでの例では、ステップS420までの処理によってA移動端末13aについて通信方式が高速通信方式に切替えられるが、ここで、今度は、C移動端末13cからレートアップ要求が出されたとする(ステップS423)。この場合、上記のステップS404からステップS422までの処理と全く同じ処理が繰り返される。
即ち、端末制御部101が、C移動端末13cからのレートアップ要求を通信方式選択部411に送り(ステップS424)、通信方式選択部411が、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であるか否かを判定する(ステップS425)。
仮に、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS425におけるNo判定)、通信方式選択部411は、C移動端末13cについて、高速通信制御部105に対する高速通信方式の無線リンクの接続の指示(ステップS426)と、非高速通信制御部104に対する無線リンクの解放の指示(ステップS427)とを行う。また高速通信制御部105は無線リンクの接続等を行い(ステップS428)、非高速通信制御部104は無線リンクの解放等を行う(ステップS429)。
一方、ここでの例では、高速通信用リソース使用率はレートアップ制御閾値以上であるので(ステップS425におけるYes判定)、通信方式選択部411は、今回レートアップ要求を出したC移動端末13cが現在使用中の非高速通信方式の無線リンク数が、帯域拡大要求テーブル421に格納されている、A移動端末13aについての無線リンク数よりも多いか否かを判定する(ステップS430)。仮に、C移動端末13cの無線リンク数が、A移動端末13aについての無線リンク数よりも少ないと判定された場合(ステップS430におけるNo判定)には、その時点で、C移動端末13cに係るレートアップ要求が破棄される(ステップS431)が、ここでの例では、C移動端末13cの無線リンク数「3」は、A移動端末13aについての無線リンク数「1」よりも多い(ステップS430におけるYes判定)ので、通信方式選択部411が、帯域拡大要求テーブル421の無線リンク数を、C移動端末13cの無線リンク数「3」に更新する(ステップS432)。次に、通信方式選択部411が、可否判定部112に、切替えの可否判定を指示し(ステップS433)、可否判定部112が、その指示に応じて可否判定を行って(ステップS434)、その判定結果を通信方式選択部411に通知する(ステップS435)。そして、通信方式選択部411は、通知された判定結果に応じて通信方式を選択する(ステップS436)。ステップS430からステップS436に至る一連の処理も、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。ここでの例では、高速通信方式の通信回線に空きがあり、高速通信方式が選択されているので、通信方式選択部411が、C移動端末13cについて、高速通信制御部105に対する高速通信方式の無線リンクの接続の指示と(ステップS437)、非高速通信制御部104に対して、A移動端末13aが使用している非高速通信方式の無線リンクの解放の指示と(ステップS438)が行われる。そして、これらの指示を受けて、高速通信制御部105による無線リンクの接続等と(ステップS439)、非高速通信制御部104による無線リンクの解放等と(ステップS440)が行われる。また、仮に、高速通信方式の通信回線に空きがなく、ステップS436において、非高速通信方式が選択された場合には、通信方式選択部411が、C移動端末13cについて、非高速通信制御部104に対する通信レートの上昇の指示を行い(ステップS441)、この指示を受けて、非高速通信制御部104による通信レートの上昇が行われる(ステップS442)。
ここで、さらに、今度は、B移動端末13bからレートアップ要求が出されたとする(ステップS443)。この場合にも、上記のA移動端末13aやC移動端末13cについて行われた処理が繰り返される。即ち、端末制御部101が、B移動端末13bからのレートアップ要求を通信方式選択部411に送り(ステップS444)、通信方式選択部411が、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値以上であるか否かを判定する(ステップS445)。
仮に、高速通信用リソース使用率がレートアップ制御閾値未満である場合(ステップS445におけるNo判定)、通信方式選択部411は、B移動端末13bについて、高速通信制御部105に対する高速通信方式の無線リンクの接続の指示(ステップS446)と、非高速通信制御部104に対する無線リンクの解放の指示(ステップS447)とを行う。また高速通信制御部105は無線リンクの接続等を行い(ステップS448)、非高速通信制御部104は無線リンクの解放等を行う(ステップS449)。
一方、ここでの例では、高速通信用リソース使用率はレートアップ制御閾値以上であるので(ステップS425におけるYes判定)、通信方式選択部411は、今回レートアップ要求を出したB移動端末13bが現在使用中の非高速通信方式の無線リンク数が、帯域拡大要求テーブル421に格納されている、C移動端末13cについての無線リンク数よりも多いか否かを判定する(ステップS450)。ここで、仮に、B移動端末13bの無線リンク数が、C移動端末13cについての無線リンク数よりも多い場合(ステップS450におけるYes判定)には、上記のA移動端末13aやC移動端末13cについて行われた処理が繰り返されて通信方式が高速通信方式に切替えられる(ステップS451)。しかし、ここでの例では、B移動端末13bの無線リンク数「2」は、C移動端末13cについての無線リンク数「3」よりも少ないので、このB移動端末13bに係るレートアップ要求が破棄される(ステップS452)。ここで、ステップS450からステップS452に至る一連の処理も、本発明にいう通信方式制御ステップの一例に相当する。
そして、このB移動端末13bに係るレートアップ要求の破棄の直後に、この時間窓が終了し、周期タイマ制御部301が、通信方式選択部411にタイムアウトを通知して新たな時間窓が開始されると(ステップS453)、通信方式選択部411によって帯域拡大要求テーブル421の内容がクリアされる(ステップS454)。
以上、説明したように、本実施形態では、高速通信方式の通信回線の空きが少ないときには、ある移動端末13からレートアップ要求が出されたときに、その移動端末13の使用中の非高速通信方式の無線リンク数が、その時点で帯域拡大要求テーブル421に格納されている無線リンク数よりも多い場合に限り、そのレートアップ要求が、高速通信方式への切替えによって叶えられる。これにより、高速通信方式の通信回線の空きが少ないときには、無線リンク数が多い移動端末13について優先的に、通信方式が高速通信方式に切替えられることとなり、上述した第1から第3実施形態と同様に、通信方式を、無線リソースが有効に利用されるように切り替えることができる。
尚、上記では、本発明にいう無線通信システムの一例として、高速通信方式で移動端末と無線通信を行う高速NodeBと、非高速通信方式で移動端末と無線通信を行う非高速NodeBとを備えた無線通信システムを例示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明にいう無線通信システムは、高速通信方式で移動端末と無線通信行う能力を備えた設備と非高速通信方式で移動端末と無線通信行う設備とを有し高速タイプと非高速タイプとを兼ねたNodeBを備えたもの等であっても良い。
以下、本発明の各種形態について付記する。
(付記1)
移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御装置において、
非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理部と、
複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、該複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御部とを備えたことを特徴とするネットワーク制御装置。
(付記2)
前記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の、無線リンク数が多いほど高い回線利用率閾値との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について該対応表を参照して回線利用率閾値を決定する閾値決定部と、
高速通信方式の通信回線の回線利用率が前記閾値決定部で決定された回線利用率閾値よりも低い場合に、当該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする付記1記載のネットワーク制御装置。
(付記3)
前記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表を有し、移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった場合に、該移動端末について該対応表を参照してタイマ値を決定し、該タイマ値に応じた時間だけ、該切替要求を保留する切替要求保留部を備えたものであることを特徴とする付記1又は2記載のネットワーク制御装置。
(付記4)
前記帯域制御部は、
非高速通信方式の無線リンク数と、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに該切替えを実行する確率であって無線リンク数が多いほど高い確率を表わす切替率との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末について該対応表を参照して切替率を決定する切替率決定部と、
当該移動端末の通信方式を、前記切替率決定部で決定された切替率に応じた確率で、非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする付記1記載のネットワーク制御装置。
(付記5)
前記帯域制御部は、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定部と、
同一の時間窓内に非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった全ての移動端末のうちの使用中の無線リンク数が最大の移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする付記1記載のネットワーク制御装置。
(付記6)
前記帯域制御部は、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定部と、
1台の移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに、当該切替え要求があった時間窓と同一の時間窓内であって当該切替え要求があった時点以前に、当該移動端末の使用中の無線リンク数よりも使用中の無線リンク数が多い他の移動端末についての非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が存在しない場合に限り、当該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする付記1記載のネットワーク制御装置。
(付記7)
移動端末を2つのグループに分割したときの少なくとも一方のグループに属する移動端末を特定するユーザ識別表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末について該ユーザ識別表に従って当該移動端末が属するグループを決定し、当該移動端末が特定の一方のグループに属する場合にのみ、前記帯域制御部を作用させる特定ユーザ識別部を備えたことを特徴とする付記1から6のうちいずれか1項記載のネットワーク制御装置。
(付記8)
移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御方法において、
非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理ステップと、
複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、該複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御ステップとを有することを特徴とするネットワーク制御方法。
(付記9)
前記帯域制御ステップは、
非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の、無線リンク数が多いほど高い回線利用率閾値との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について回線利用率閾値を決定する閾値決定ステップと、
高速通信方式の通信回線の回線利用率が前記閾値決定ステップで決定された回線利用率閾値よりも低い場合に、当該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップであることを特徴とする付記8記載のネットワーク制御方法。
(付記10)
前記帯域制御ステップは、非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末についてタイマ値を決定し、該タイマ値に応じた時間だけ、該切替要求を保留する切替要求保留ステップを有するステップであることを特徴とする付記8又は9記載のネットワーク制御方法。
(付記11)
前記帯域制御ステップは、
非高速通信方式の無線リンク数と、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに該切替えを実行する確率であって無線リンク数が多いほど高い確率を表わす切替率との対応表を参照して、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について切替率を決定する切替率決定ステップと、
当該移動端末の通信方式を、前記切替率決定ステップで決定された切替率に応じた確率で、非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップであることを特徴とする付記8記載のネットワーク制御方法。
(付記12)
前記帯域制御ステップは、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定ステップと、
同一の時間窓内に非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった全ての移動端末のうちの使用中の無線リンク数が最大の移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップであることを特徴とする付記8記載のネットワーク制御方法。
(付記13)
前記帯域制御ステップは、
所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定ステップと、
1台の移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに、当該切替え要求があった時間窓と同一の時間窓内であって当該切替え要求があった時点以前に、当該移動端末の使用中の無線リンク数よりも使用中の無線リンク数が多い他の移動端末についての非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が存在しない場合に限り、当該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御ステップとを有するステップであることを特徴とする付記8記載のネットワーク制御方法。
(付記14)
移動端末を2つのグループに分割したときの少なくとも一方のグループに属する移動端末を特定しておき、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末について、特定の一方のグループに属する場合にのみ、前記帯域制御ステップを実行させる特定ユーザ識別ステップを有することを特徴とする付記8から13のうちいずれか1項記載のネットワーク制御方法。
無線通信システムを模式的に示す図である。 通信方式が非高速通信方式から高速通信方式に切り換えられる様子を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。 図3に示すRNCにおいて行われる通信方式の切替えの基本的なルールを示すフローチャートである。 図3に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。 無線リンクの追加処理の処理シーケンスを示す図である。 無線リンクの削除処理の処理シーケンスを示す図である。 使用中の無線リンク数が互いに異なる複数の移動端末についてのレートアップ要求が競合した場合に、使用中の非高速通信方式の無線リンク数が多い移動端末についてのレートアップ要求から優先的に高速通信方式に切替えられる様子を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。 図9に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。 特定ユーザに識別され難いクラスに分類された移動端末からレートアップ要求が出されたときの処理シーケンスを示す図である。 本発明の第3実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。 図12に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。 本発明の第4実施形態が適用された無線通信システムを示す図である。 図14に示すRNCにおいて実行される、レートアップ要求が出されてから通信方式が切替えられるまでの一連の処理シーケンスを示す図である。
符号の説明
10,20,30,40,50 無線通信システム
11,53 無線基地局(NodeB)
11a,53a 高速のNodeB
11b,53b 非高速のNodeB
12,51 交換局(MSC)
13,54 移動端末
13a,54a A移動端末
13b,54b B移動端末
13c C移動端末
100,200,300,400 ネットワーク制御装置(RNC)
101 端末制御部
102 トラヒック観測部
103 ハンドオーバ制御部
104 非高速通信制御部
105 高速通信制御部
110,210,310,410 パケット呼帯域制御部
111,211,311,411 通信方式選択部
112,212,312,412 可否判定部
113 閾値決定部
114 遅延処理部
115 タイマ値決定部
120,220,320,420 データベース
121 レートアップ待合せタイマテーブル
122,322 レートアップ制御閾値テーブル
123 使用リンク数テーブル
124 リソース使用率監視テーブル
213 特定ユーザ識別部
214 切替率決定部
221 特定ユーザ管理テーブル
221a 第1テーブル部分
221b 第2テーブル部分
222 帯域拡大許可率管理テーブル
321 帯域拡大要求テーブル
421 帯域拡大要求テーブル

Claims (6)

  1. 移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御装置において、
    非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理部と、
    複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、該複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御部とを備えたことを特徴とするネットワーク制御装置。
  2. 前記帯域制御部は、
    非高速通信方式の無線リンク数と、高速通信方式の通信回線の、無線リンク数が多いほど高い回線利用率閾値との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった移動端末について該対応表を参照して回線利用率閾値を決定する閾値決定部と、
    高速通信方式の通信回線の回線利用率が前記閾値決定部で決定された回線利用率閾値よりも低い場合に、当該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載のネットワーク制御装置。
  3. 前記帯域制御部は、
    非高速通信方式の無線リンク数と、無線リンク数が多いほど短いタイマ値との対応表を有し、移動端末について非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった場合に、該移動端末について該対応表を参照してタイマ値を決定し、該タイマ値に応じた時間だけ、該切替要求を保留する切替要求保留部を備えたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のネットワーク制御装置。
  4. 前記帯域制御部は、
    非高速通信方式の無線リンク数と、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があったときに該切替えを実行する確率であって無線リンク数が多いほど高い確率を表わす切替率との対応表を有し、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求があった移動端末について該対応表を参照して切替率を決定する切替率決定部と、
    当該移動端末の通信方式を、前記切替率決定部で決定された切替率に応じた確率で、非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載のネットワーク制御装置。
  5. 前記帯域制御部は、
    所定時間幅の時間窓を繰り返し設定する時間窓設定部と、
    同一の時間窓内に非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求のあった全ての移動端末のうちの使用中の無線リンク数が最大の移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える通信方式制御部とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載のネットワーク制御装置。
  6. 移動端末間で通信ネットワークを介在させた無線通信を行う無線通信システムであって相対的に高速な高速通信方式による無線通信と相対的に低速な非高速通信方式による無線通信との双方の無線リソースが共存し、各移動端末ごとに、高速通信方式による無線通信では1本の無線リンクを使用し、非高速通信方式による無線通信では複数本の無線リンクの使用が可能な無線通信システムにおける、移動端末の通信方式を切り替えるネットワーク制御方法において、
    非高速通信方式による無線通信を行っている移動端末ごとの使用中の無線リンク数を管理するリンク数管理ステップと、
    複数台の移動端末の、非高速通信方式から高速通信方式への切替え要求が競合した場合に、該複数台の移動端末のうち無線リンク数が多い移動端末について優先的に、該移動端末の通信方式を非高速通信方式から高速通信方式に切り替える帯域制御ステップとを有することを特徴とするネットワーク制御方法。
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