JP4672849B2 - カーボネート結合を有する界面活性剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有する界面活性剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアルキレングリコール鎖を有する非イオン型界面活性剤としては、従来から疎水基として、長鎖アルキルエーテル基やアルキルフェニルエーテル基を持つものが多量に使用されてきた。これらの界面活性剤は、疎水基と親水基がエーテルで結合されているため、加水分解に対して安定であり、広いpH領域において安定して使用できるという利点があるが、逆に、加水分解に対して安定であるために、環境中に排出された後に、微生物等による分解等はあるものの、分解率が低いまたは分解速度は遅いため、生物系へ残留し易く魚類等への毒性が指摘されている。
【0003】
これに対して、加水分解し易く環境への残留が少ない非イオン型界面活性剤としては、例えば、(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリット、ソルビタン、蔗糖等の多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルやポリアルキレングリコールの長鎖脂肪酸エステルが知られている。これらの非イオン型界面活性剤は高い界面活性能を有するが、エステル基を含有するために加水分解を受け易く、含水系で使用する場合には徐々に加水分解を受け、長期間の保存安定性に欠けるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、良好な加水分解安定性を有し、生分解性の高い非イオン型界面活性剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
一般に、カーボネート(炭酸エステル)結合は、エステル結合に比べて耐加水分解性や酸・アルカリに対する耐性に優れており、特に脂肪族系のジオールのポリカーボネートは生分解性ポリマーとして注目されている。本発明者は、適度の加水分解安定性をもつ界面活性剤を検討するなかで、カーボネート結合を有する界面活性剤が、適度の加水分解安定性をもち、高い界面活性を持つことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表わされる界面活性剤の製造方法であって、
【0006】
【化5】
【0007】
[式中、R1は鎖状炭化水素基を表わし、AOはオキシアルキレン基を表わし、Xは水素原子、または下記の一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】
(式中、R2は鎖状炭化水素基を表わす。)で表わされる基を表わし、nは1以上の数を表わす。]
下記の一般式(3)
【0010】
【化7】
【0011】
(式中、R1は一般式(1)と同義であり、R3は鎖状炭化水素基を表わす。)
で表わされるカーボネート化合物と、下記の一般式(4)
【0012】
【化8】
【0013】
(式中、AO、X、nは一般式(1)と同義である。)で表わされるポリエーテル化合物とを、酵素の存在下に反応させることを特徴とする前記一般式(1)で表わされる界面活性剤の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
一般式(1)において、R1は鎖状炭化水素基を表わし、例えば、アルキル基、アルケニル基等が挙げられる。
【0015】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2―エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イソステアリル、エイコシル、ドコシ、テトラコシル、ヘキサコシル、オクタコシル、トリアコンチル、ドトリアコンチル、テトラトリアコンチル、2―ブチルオクチル、2―ブチルデシル、2―ヘキシルオクチル、2―ヘキシルデシル、2―オクチルデシル、2―ヘキシルドデシル、2―オクチルドデシル、2―デシルテトラデシル、2―ドデシルヘキサデシル、2―ヘキサデシルオクタデシル、2―テトラデシルオクタデシル等が挙げられる。
【0016】
アルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
これらの中でも、R1が炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基であると得られる界面活性剤の界面活性が高いため好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることが更に好ましい。
【0017】
一般式(1)において、Xは水素原子、または前記一般式(2)で表わされる基を表わす。一般式(2)において、R2は鎖状炭化水素基であり、R1で挙げた鎖状炭化水素基を挙げることができる。R2はR1と同一でも、異なっていても良い。Xとして好ましいものは、一般式(1)で表わされる界面活性剤の用途によって異なる。界面活性剤の乳化性や分散性が要求される用途分野では、Xとしては、水素原子、またはR2が炭素数1〜4の炭化水素基である一般式(2)で表わされる基が好ましく、消泡性が要求される用途分野では、R2が炭素数6〜22の炭化水素基である一般式(2)で表わされる基が好ましい。
【0018】
また、一般式(1)において、(AO)nは、アルキレンオキサイドの単独又は複数の種類のアルキレンオキシドの共重合によって構成されたポリオキシアルキレン基を表わす。本発明に使用することができるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイド)、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等が挙げられる。重合度nは1以上の数を表わす。AOで表わされるアルキレンオキサイドの種類及び重合度nは、本発明の界面活性剤の使用する用途又は性能によって選択される。付加されるアルキレンオキサイド等の重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキサイド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。
【0019】
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、オキシエチレン基が最も好ましく、(AO)nが2種類以上のオキシアルキレン基である場合は、そのうちの少なくとも一種はオキシエチレン基であることが好ましい。重合度nは1以上の数であり、好ましくは1〜200であり、より好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2〜10であり、最も好ましくは3〜8である。重合度nがあまりに大きいものは生分解性が低下することがある。
【0020】
化合物中にカーボネート結合を導入する方法としては、例えば、(a)ホスゲンとアルコールを反応させる方法、(b)塩化アルコキシカルボニルとアルコールを反応させる方法、(c)クロルギ酸エステルとアルコール又はアルコラートを反応させる方法、(d)アルキルカーボネートアルカリ金属塩とハロゲン化アルキルを反応させる方法、(e)カーボネート化合物とアルコールのエステル交換反応による方法等が知られている。この中で、(e)のエステル交換による方法が、ホスゲン等の毒性の高い物質を使用せず、また、無機塩等の廃棄物の発生も少ないので好ましい。
従って、本発明の前記一般式(1)で表わされるカーボネート結合を有する界面活性剤は、カーボネート化合物として次の一般式(3)で表わされるものを使用し、
【0021】
【化9】
【0022】
(式中、R1は一般式(1)と同義であり、R3は鎖状炭化水素基を表わす。)このカーボネート化合物と、次の一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物とのエステル交換によって製造する。
【0023】
【化10】
【0024】
一般式(3)又は一般式(4)において、R1、AO、X、nは、一般式(1)と同義であり、R3は鎖状炭化水素基を表わす。
【0025】
一般式(3)で表わされるカーボネート化合物は、R1OHで表わされる対応するアルコールと、塩化メトキシカルボニル若しくは塩化エトキシカルボニルとの反応、又はジメチルカーボネート若しくはジエチルカーボネートとのエステル交換反応により容易に得ることができる。一般式(3)で表わされるカーボネート化合物の原料としては、塩化メトキシカルボニル、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートが入手し易いことから、一般式(3)のR3としてはメチル基またはエチル基が好ましい。
この反応においては、一般式(3)において一方にR1として原料アルコールからの炭化水素基が導入され、他方に上記のカルボニル化合物からのメチル基又はエチル基が導入された構造のものに加えて、両末端のR1とR3に原料アルコールからの炭化水素基が導入されたもの、および両末端のR1とR3にカルボニル化合物からのメチル基又はエチル基が導入された構造のものも得られる。これらの何れのものも本発明の界面活性剤に含まれるが、一方のR1が原料アルコールからの炭化水素基、特に炭素数が6以上のもので、他方のR3がメチル基又はエチル基の構造のものが好ましい。これは後述するように、一般式(3)で表わされるカーボネート化合物と一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物の反応においては、減圧下に生成するアルコールを除去しながら反応することがこのましいことから、R2がメチル基又はエチル基の場合に反応が進み易いからである。
【0026】
一般にカーボネート化合物とアルコールのエステル交換反応においては、金属触媒を用いる方法、酵素を用いる方法等がある。金属触媒を用いる方法は、通常、反応温度130〜170℃で行なわれるため、着色し易く、製品の過酸化物価やカルボニル価が上がり易いという欠点がある。また、条件によっては、エステル交換の選択性が低下してしまい、例えば、一般式(3)で表わされるカーボネート化合物(但し、R3がメチル基)と一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物の反応の場合、下記のような副生物を多量に含む混合物となる場合があり、反応条件の制御が難しいという欠点もある。
CH3OCOO(AO)nX
XO(AO)nCOO(AO)nX
R1OCOO(AO)n{COO(AO)n}mX
(但し、mは1以上の数)
【0027】
酵素を用いる方法は、比較的低温で反応が進むため、製品の劣化は起こりにくく、またエステル交換の選択性も高い。したがって、本発明の界面活性剤の製法においては、一般式(3)で表わされるカーボネート化合物と一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物の反応は、酵素存在下に行なわれる。本発明に用いられる酵素としては、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ等を挙げることができる。このなかで、酵素の熱安定性、エステル交換反応における活性、入手のし易さ等より、リパーゼが好ましい。本発明に用いられる酵素は、固定化されていても、固定化されていなくとも良いが、固定化されている方が、製品からの酵素の分離が容易であり好ましい。
【0028】
一般式(1)においてXが水素原子である界面活性剤を得る場合には、一般式(4)で表わされる化合物に対する一般式(3)で表わされるカーボネート化合物のモル比は、0.2〜1.0モル比が好ましく、0.3〜0.5モル比が更に好ましい。
また、一般式(1)においてXが一般式(2)で表わされる基である界面活性剤を得る場合には、一般式(4)で表わされる化合物の水酸基に対する一般式(3)で表わされるカーボネート化合物のモル比は、1.0〜5.0モル比が好ましく、2.5〜3.5モル比が更に好ましい。
【0029】
以下、酵素を用いたエステル交換反応について説明する。
この酵素の存在下におけるエステル交換反応は、一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物と一般式(3)で表わされるカーボネート化合物の前記のモル比の混合物中に酵素を添加し、必要に応じて加熱、攪拌して行なわれる。
酵素の添加量は、反応系に対して0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。0.1重量%未満では、エステル交換反応に非常に時間を要し、50重量%よりも多い場合は添加量の割に反応速度の向上が得られず、不経済である。
【0030】
反応温度は20〜80℃が好ましく50〜70℃が更に好ましい。本発明の反応は空気中で常圧で行なっても良いが、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に常圧で行なうことが好ましく、30mmHg以下の減圧下に、不活性ガスを少量流し生成するメタノールを除去しながら行なうことが更に好ましい。
本発明の反応は、必要に応じて、溶媒中で行なっても良い。この場合、好ましい溶媒として、ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。なお、水、アルコール等の溶媒は、溶媒とのエステル交換や生成物の分解を引き起こすことがあるので好ましくない。
【0031】
反応終了後、反応生成物から酵素を分離する方法は特に限定されず、公知の方法を用いれば良い。例えば、必要に応じて溶媒で希釈した後、固定化されていない酵素を分離するには、限外濾過等の方法により、固定化酵素の場合はそのまま濾別することにより酵素を分離することができる。酵素分離後、溶媒を使用した場合はさらに溶媒を除去して後、本発明の界面活性剤を得ることができる。本発明の界面活性剤そのまま用いても良いし、必要であれば、(薄膜)減圧蒸留、晶析、溶剤抽出、カラムクロマトグラフィー等の方法で精製してから用いても良い。
【0032】
本発明の界面活性剤は、良好な生分解性と優れた界面活性能を有し、通常の界面活性剤が使用されている分野、例えば保湿剤、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透剤、展着剤、起泡剤、消泡剤、平滑剤、防錆剤、帯電防止剤、摩擦調整剤等として、化粧品、洗浄剤、洗剤、フィルムの結露防止剤、農薬乳化剤、繊維油剤、塗料添加剤、合成樹脂添加剤、潤滑油添加剤等に好適に使用できる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無い限り重量基準である。
【0034】
カーボネート化合物の合成:
A−1:ドデシルメチルカーボネート (C 12 H 25 OCOOCH 3 ) の合成(酵素法による合成例)
攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた50mLのに、ドデシルアルコール18.6g(0.1mol)、ジメチルカーボネート27.0g(0.3mol)及び固定化リパーゼ(ノルボルディスク社製、商品名Novozym435)4.6gを仕込み、反応温度60℃、常温で、24時間攪拌しながら反応した。
その後、生成物をヘキサン/アセトン混合溶媒によるシリカゲルカラムクロマトにより精製し、目的物とするドデシルメチルカーボネート19.5g(収率80%)を得た。
カラムクロマトによる精製物の1H−NMR(CDCl3溶媒)スペクトルにおいて4.16ppm付近にカーボネートのα位のメチレンのピークa、3.67ppm付近にメチルカーボネートのメチルのピークb、1.54ppm付近にカーボネートのβ位のメチレンのピークc、1.29〜1.33ppm付近にアルキルメチレンのピークd、0.96ppm付近にω位のメチルのピークeが検出され、該化合物がドデシルメチルカーボネートであることが確認できた。
【0035】
【化11】
【0036】
A−2:デシルメチルカーボネート( C 10 H 21 OCOOCH 3 ) の合成
デシルアルコールを用いた以外は、A−1と同様の方法を行ない、デシルメチルカーボネートを合成した。
【0037】
A−3:ヘキサデシルメチルカーボネート (C 16 H 33 OCOOCH 3 ) の合成 (化学合成法による合成例)
攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた2000mLの4つ口フラスコにピリジン(溶媒)1.5kg、ヘキサデシルアルコール24.2g(0.1mol)及び塩化メトキシカルボニル18.9g(0.2mol)を仕込み、室温で2時間反応させた。反応終了後、エバポレーターでピリジンを留去し、水洗、脱水から、ヘキサン/アセトン混合溶媒によるシリカゲルカラムクロマトにより精製し、目的とするヘキサデシルメチルカーボネートが24.0g(収率80%)得られた。
【0038】
本発明の界面活性剤の合成:
実施例1: (C 12 H 25 OCOO(CH 2 CH 2 O) 4 H) の合成
攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた100mLの4つ口フラスコに、カーボネート化合物A−1を24.4g(0.1mol)、テトラエチレングリコール58.2g(3mol)、及び固定化リパーゼ(ノルボルディスク社製、商品名Novozym435)8.3gをそれぞれ仕込み、反応温度60℃で、9時間、減圧(5mmHg)しながら攪拌した。
その後、生成物をヘキサン/アセトン混合溶媒によるシリカゲルカラムクロマトにより精製し、油状の生成物を収率40%で得た。該化合物の1H−NMRスペクトルにおいて、4.33ppm付近にカーボネートのα位のメチレン(エーテル)のピークa、4.16ppm付近にカーボネートのα位のメチレン(アルキル)のピークb、3.54〜3.70ppm付近にエーテルメチレンのピークc、2.5ppm付近に水酸基由来のピークd、1.54ppm付近にカーボネートのβ位のメチレンのピークe、1.29〜1.33ppm付近にアルキルメチレンのビークf、0.96ppm付近にアルキルのω位のメチルのピークgが検出され、以下の構造であることが確認できた。
【0039】
【化12】
【0040】
実施例2: (C 12 H 25 OCOO(CH 2 CH 2 O) 6 H) の合成
テトラエチレングリコールの代わりにヘキサエチレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様の方法でC12H25OCOO(CH2CH2O)6Hを収率42%で得た。
【0041】
実施例3: (C 10 H 21 OCOO(CH 2 CH 2 O) 4 H) の合成
カーボネート化合物としてA−1の代わりにA−2を用いた以外は、実施例1と同様の方法で本発明の化合物を収率40%で得た。
【0042】
実施例4: (C 16 H 33 OCOO(CH 2 CH 2 O) 4 H) の合成
カーボネート化合物としてA−1の代わりにA−3を用いた以外は、実施例1と同様の方法で本発明の化合物を収率40%で得た。
【0043】
実施例1〜3で得た本発明のカーボネート結合を有する界面活性剤の0.001〜1%の水溶液について、25℃の表面張力をウイルヘルミ法によって測定し、ここで得られた濃度と表面張力との関係より臨界ミセル濃度(critical micelle concentration、以下「cmc」という。)を求めた。0.1%の水溶液の表面張力とcmcを表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
生分解性の評価:
実施例1〜4で合成した本発明の化合物の生分解性を測定した。測定は、活性汚泥を使用したOECD−301D法によって行った。28日目の生分解率は以下の通りであった。本発明の化合物は、いずれも良好な生分解性を示した。
実施例1: 60%
実施例2: 62%
実施例3: 60%
実施例4: 60%
【0046】
加水分解安定性の評価:
実施例1〜2で合成した本発明の化合物及びテトラエチレングリコールラウリルエステル(比較品)の加水分解安定性を測定した。測定方法は、各試験サンプルの0.5%水溶液を30℃で、2週間放置後、試験サンプルを高速液体クロマト分析により定量してその減少率を求め、分解率とした。なお、試験サンプルの希釈水は蒸留水を用いた。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
比較品のテトラエチレングリコールラウリルエステルが加水分解を受けたのに対し、本発明品の界面活性剤はほとんど加水分解を受けなかった。
【0049】
【発明の効果】
本発明のカーボネート結合を有する界面活性剤は、優れた界面活性能を有すると同時に、良好な加水分解安定性を有し、生分解性の高い非イオン型界面活性剤である。
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