JP2002128744A - カーボネート結合を有する界面活性剤 - Google Patents

カーボネート結合を有する界面活性剤

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JP2002128744A JP2000316398A JP2000316398A JP2002128744A JP 2002128744 A JP2002128744 A JP 2002128744A JP 2000316398 A JP2000316398 A JP 2000316398A JP 2000316398 A JP2000316398 A JP 2000316398A JP 2002128744 A JP2002128744 A JP 2002128744A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な加水分解安定性を有し、生分解性の高
い非イオン型界面活性剤を提供すること。 【解決手段】 本発明は、下記の一般式(1)で表わさ
れる界面活性剤およびその製造方法を提供する。 【化1】 [式中、R1は鎖状炭化水素基を表わし、AOはオキシ
アルキレン基を表わし、Xは水素原子、または下記の一
般式(2) 【化2】 (式中、R2は鎖状炭化水素基を表わす。)で表わされ
る基を表わし、nは1以上の数を表わす。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
る界面活性剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレングリコール鎖を有する非
イオン型界面活性剤としては、従来から疎水基として、
長鎖アルキルエーテル基やアルキルフェニルエーテル基
を持つものが多量に使用されてきた。これらの界面活性
剤は、疎水基と親水基がエーテルで結合されているた
め、加水分解に対して安定であり、広いpH領域におい
て安定して使用できるという利点があるが、逆に、加水
分解に対して安定であるために、環境中に排出された後
に、微生物等による分解等はあるものの、分解率が低い
または分解速度は遅いため、生物系へ残留し易く魚類等
への毒性が指摘されている。
【0003】これに対して、加水分解し易く環境への残
留が少ない非イオン型界面活性剤としては、例えば、
(ポリ)グリセリン、ペンタエリスリット、ソルビタ
ン、蔗糖等の多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルやポ
リアルキレングリコールの長鎖脂肪酸エステルが知られ
ている。これらの非イオン型界面活性剤は高い界面活性
能を有するが、エステル基を含有するために加水分解を
受け易く、含水系で使用する場合には徐々に加水分解を
受け、長期間の保存安定性に欠けるという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、良好な加水分解安定性を有し、生
分解性の高い非イオン型界面活性剤を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般に、カーボネート
(炭酸エステル)結合は、エステル結合に比べて耐加水
分解性や酸・アルカリに対する耐性に優れており、特に
脂肪族系のジオールのポリカーボネートは生分解性ポリ
マーとして注目されている。本発明者は、適度の加水分
解安定性をもつ界面活性剤を検討するなかで、カーボネ
ート結合を有する界面活性剤が、適度の加水分解安定性
をもち、高い界面活性を持つことを見出し、本発明を完
成させた。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表わ
される界面活性剤である。
【0006】
【化5】
【0007】[式中、R1は鎖状炭化水素基を表わし、
AOはオキシアルキレン基を表わし、Xは水素原子、ま
たは下記の一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R2は鎖状炭化水素基を表わ
す。)で表わされる基を表わし、nは1以上の数を表わ
す。]また、本発明は、下記の一般式(3)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1は一般式(1)と同義であ
り、R3は鎖状炭化水素基を表わす。)で表わされるカ
ーボネート化合物と、下記の一般式(4)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、AO、X、nは一般式(1)と同
義である。)で表わされるポリエーテル化合物を反応さ
せることを特徴とする前記一般式(1)で表わされる界
面活性剤の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、R1は鎖
状炭化水素基を表わし、例えば、アルキル基、アルケニ
ル基等が挙げられる。
【0015】アルキル基としては、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチ
ル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチ
ル、オクチル、2―エチルヘキシル、2級オクチル、ノ
ニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、
2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシ
ル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、
2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、
ステアリル、イソステアリル、エイコシル、ドコシ、テ
トラコシル、ヘキサコシル、オクタコシル、トリアコン
チル、ドトリアコンチル、テトラトリアコンチル、2―
ブチルオクチル、2―ブチルデシル、2―ヘキシルオク
チル、2―ヘキシルデシル、2―オクチルデシル、2―
ヘキシルドデシル、2―オクチルドデシル、2―デシル
テトラデシル、2―ドデシルヘキサデシル、2―ヘキサ
デシルオクタデシル、2―テトラデシルオクタデシル等
が挙げられる。
【0016】アルケニル基としては例えば、ビニル、ア
リル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘ
プテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセ
ニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げ
られる。これらの中でも、R1が炭素数6〜24のアル
キル基又はアルケニル基であると得られる界面活性剤の
界面活性が高いため好ましく、炭素数10〜18のアル
キル基であることが更に好ましい。
【0017】一般式(1)において、Xは水素原子、ま
たは前記一般式(2)で表わされる基を表わす。一般式
(2)において、R2は鎖状炭化水素基であり、R1で挙
げた鎖状炭化水素基を挙げることができる。R2はR1
同一でも、異なっていても良い。Xとして好ましいもの
は、一般式(1)で表わされる界面活性剤の用途によっ
て異なる。界面活性剤の乳化性や分散性が要求される用
途分野では、Xとしては、水素原子、またはR2が炭素
数1〜4の炭化水素基である一般式(2)で表わされる
基が好ましく、消泡性が要求される用途分野では、R2
が炭素数6〜22の炭化水素基である一般式(2)で表
わされる基が好ましい。
【0018】また、一般式(1)において、(AO)n
は、アルキレンオキサイドの単独又は複数の種類のアル
キレンオキシドの共重合によって構成されたポリオキシ
アルキレン基を表わす。本発明に使用することができる
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、
テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイド)、
スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等が挙
げられる。重合度nは1以上の数を表わす。AOで表わ
されるアルキレンオキサイドの種類及び重合度nは、本
発明の界面活性剤の使用する用途又は性能によって選択
される。付加されるアルキレンオキサイド等の重合形態
は限定されず、1種類のアルキレンオキサイド等の単独
重合、2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム
共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合
等であってよい。
【0019】AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基
が好ましく、オキシエチレン基が最も好ましく、(A
O)nが2種類以上のオキシアルキレン基である場合
は、そのうちの少なくとも一種はオキシエチレン基であ
ることが好ましい。重合度nは1以上の数であり、好ま
しくは1〜200であり、より好ましくは2〜50であ
り、更に好ましくは2〜10であり、最も好ましくは3
〜8である。重合度nがあまりに大きいものは生分解性
が低下することがある。
【0020】化合物中にカーボネート結合を導入する方
法としては、例えば、(a)ホスゲンとアルコールを反
応させる方法、(b)塩化アルコキシカルボニルとアル
コールを反応させる方法、(c)クロルギ酸エステルと
アルコール又はアルコラートを反応させる方法、(d)
アルキルカーボネートアルカリ金属塩とハロゲン化アル
キルを反応させる方法、(e)カーボネート化合物とア
ルコールのエステル交換反応による方法等が知られてい
る。この中で、(e)のエステル交換による方法が、ホ
スゲン等の毒性の高い物質を使用せず、また、無機塩等
の廃棄物の発生も少ないので好ましい。従って、本発明
の前記一般式(1)で表わされるカーボネート結合を有
する界面活性剤は、カーボネート化合物として次の一般
式(3)で表わされるものを使用し、
【0021】
【化9】
【0022】(式中、R1は一般式(1)と同義であ
り、R3は鎖状炭化水素基を表わす。)このカーボネー
ト化合物と、次の一般式(4)で表わされるポリエーテ
ル化合物とのエステル交換によって製造することができ
る。
【0023】
【化10】
【0024】一般式(3)又は一般式(4)において、
1、AO、X、nは、一般式(1)と同義であり、R3
は鎖状炭化水素基を表わす。
【0025】一般式(3)で表わされるカーボネート化
合物は、R1OHで表わされる対応するアルコールと、
塩化メトキシカルボニル若しくは塩化エトキシカルボニ
ルとの反応、又はジメチルカーボネート若しくはジエチ
ルカーボネートとのエステル交換反応により容易に得る
ことができる。一般式(3)で表わされるカーボネート
化合物の原料としては、塩化メトキシカルボニル、ジメ
チルカーボネートまたはジエチルカーボネートが入手し
易いことから、一般式(3)のR3としてはメチル基ま
たはエチル基が好ましい。この反応においては、一般式
(3)において一方にR1として原料アルコールからの
炭化水素基が導入され、他方に上記のカルボニル化合物
からのメチル基又はエチル基が導入された構造のものに
加えて、両末端のR1とR3に原料アルコールからの炭化
水素基が導入されたもの、および両末端のR1とR3にカ
ルボニル化合物からのメチル基又はエチル基が導入され
た構造のものも得られる。これらの何れのものも本発明
の界面活性剤に含まれるが、一方のR1が原料アルコー
ルからの炭化水素基、特に炭素数が6以上のもので、他
方のR3がメチル基又はエチル基の構造のものが好まし
い。これは後述するように、一般式(3)で表わされる
カーボネート化合物と一般式(4)で表わされるポリエ
ーテル化合物の反応においては、減圧下に生成するアル
コールを除去しながら反応することがこのましいことか
ら、R2がメチル基又はエチル基の場合に反応が進み易
いからである。
【0026】一般にカーボネート化合物とアルコールの
エステル交換反応においては、金属触媒を用いる方法、
酵素を用いる方法等がある。金属触媒を用いる方法は、
通常、反応温度130〜170℃で行なわれるため、着
色し易く、製品の過酸化物価やカルボニル価が上がり易
いという欠点がある。また、条件によっては、エステル
交換の選択性が低下してしまい、例えば、一般式(3)
で表わされるカーボネート化合物(但し、R3がメチル
基)と一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物の
反応の場合、下記のような副生物を多量に含む混合物と
なる場合があり、反応条件の制御が難しいという欠点も
ある。 CH3OCOO(AO)nX XO(AO)nCOO(AO)nX R1OCOO(AO)n{COO(AO)nmX (但し、mは1以上の数)
【0027】酵素を用いる方法は、比較的低温で反応が
進むため、製品の劣化は起こりにくく、またエステル交
換の選択性も高い。したがって、本発明の界面活性剤の
製法においては、一般式(3)で表わされるカーボネー
ト化合物と一般式(4)で表わされるポリエーテル化合
物の反応は、酵素存在下に行なわれることが好ましい。
本発明に用いられる酵素としては、例えば、リパーゼ、
プロテアーゼ等を挙げることができる。このなかで、酵
素の熱安定性、エステル交換反応における活性、入手の
し易さ等より、リパーゼが好ましい。本発明に用いられ
る酵素は、固定化されていても、固定化されていなくと
も良いが、固定化されている方が、製品からの酵素の分
離が容易であり好ましい。
【0028】一般式(1)においてXが水素原子である
界面活性剤を得る場合には、一般式(4)で表わされる
化合物に対する一般式(3)で表わされるカーボネート
化合物のモル比は、0.2〜1.0モル比が好ましく、
0.3〜0.5モル比が更に好ましい。また、一般式
(1)においてXが一般式(2)で表わされる基である
界面活性剤を得る場合には、一般式(4)で表わされる
化合物の水酸基に対する一般式(3)で表わされるカー
ボネート化合物のモル比は、1.0〜5.0モル比が好
ましく、2.5〜3.5モル比が更に好ましい。
【0029】以下、酵素を用いたエステル交換反応につ
いて説明する。この酵素の存在下におけるエステル交換
反応は、一般式(4)で表わされるポリエーテル化合物
と一般式(3)で表わされるカーボネート化合物の前記
のモル比の混合物中に酵素を添加し、必要に応じて加
熱、攪拌して行なわれる。酵素の添加量は、反応系に対
して0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%が
より好ましい。0.1重量%未満では、エステル交換反
応に非常に時間を要し、50重量%よりも多い場合は添
加量の割に反応速度の向上が得られず、不経済である。
【0030】反応温度は20〜80℃が好ましく50〜
70℃が更に好ましい。本発明の反応は空気中で常圧で
行なっても良いが、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気下に常圧で行なうことが好まし
く、30mmHg以下の減圧下に、不活性ガスを少量流し生
成するメタノールを除去しながら行なうことが更に好ま
しい。本発明の反応は、必要に応じて、溶媒中で行なっ
ても良い。この場合、好ましい溶媒として、ベンゼン、
トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ド、アセトニトリル等を挙げることができる。なお、
水、アルコール等の溶媒は、溶媒とのエステル交換や生
成物の分解を引き起こすことがあるので好ましくない。
【0031】反応終了後、反応生成物から酵素を分離す
る方法は特に限定されず、公知の方法を用いれば良い。
例えば、必要に応じて溶媒で希釈した後、固定化されて
いない酵素を分離するには、限外濾過等の方法により、
固定化酵素の場合はそのまま濾別することにより酵素を
分離することができる。酵素分離後、溶媒を使用した場
合はさらに溶媒を除去して後、本発明の界面活性剤を得
ることができる。本発明の界面活性剤そのまま用いても
良いし、必要であれば、(薄膜)減圧蒸留、晶析、溶剤
抽出、カラムクロマトグラフィー等の方法で精製してか
ら用いても良い。
【0032】本発明の界面活性剤は、良好な生分解性と
優れた界面活性能を有し、通常の界面活性剤が使用され
ている分野、例えば保湿剤、乳化剤、分散剤、可溶化
剤、湿潤剤、浸透剤、展着剤、起泡剤、消泡剤、平滑
剤、防錆剤、帯電防止剤、摩擦調整剤等として、化粧
品、洗浄剤、洗剤、フィルムの結露防止剤、農薬乳化
剤、繊維油剤、塗料添加剤、合成樹脂添加剤、潤滑油添
加剤等に好適に使用できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無
い限り重量基準である。
【0034】カーボネート化合物の合成A−1:ドデシルメチルカーボネート(C12 H25 OCOOCH3 )
の合成 (酵素法による合成例)攪拌機、窒素導入管、温度計を
備えた50mLのに、ドデシルアルコール18.6g
(0.1mol)、ジメチルカーボネート27.0g
(0.3mol)及び固定化リパーゼ(ノルボルディス
ク社製、商品名Novozym435)4.6gを仕込み、反
応温度60℃、常温で、24時間攪拌しながら反応し
た。その後、生成物をヘキサン/アセトン混合溶媒によ
るシリカゲルカラムクロマトにより精製し、目的物とす
るドデシルメチルカーボネート19.5g(収率80
%)を得た。カラムクロマトによる精製物の1H−NM
R(CDCl3溶媒)スペクトルにおいて4.16pp
m付近にカーボネートのα位のメチレンのピークa、
3.67ppm付近にメチルカーボネートのメチルのピ
ークb、1.54ppm付近にカーボネートのβ位のメ
チレンのピークc、1.29〜1.33ppm付近にア
ルキルメチレンのピークd、0.96ppm付近にω位
のメチルのピークeが検出され、該化合物がドデシルメ
チルカーボネートであることが確認できた。
【0035】
【化11】
【0036】A−2:デシルメチルカーボネート(C10 H
21 OCOOCH3 )の合成 デシルアルコールを用いた以外は、A−1と同様の方法
を行ない、デシルメチルカーボネートを合成した。
【0037】A−3:ヘキサデシルメチルカーボネート
(C16 H33 OCOOCH3 )の合成 (化学合成法による合成例)攪拌機、窒素導入管、温度
計を備えた2000mLの4つ口フラスコにピリジン
(溶媒)1.5kg、ヘキサデシルアルコール24.2
g(0.1mol)及び塩化メトキシカルボニル18.
9g(0.2mol)を仕込み、室温で2時間反応させ
た。反応終了後、エバポレーターでピリジンを留去し、
水洗、脱水から、ヘキサン/アセトン混合溶媒によるシ
リカゲルカラムクロマトにより精製し、目的とするヘキ
サデシルメチルカーボネートが24.0g(収率80
%)得られた。
【0038】本発明の界面活性剤の合成実施例1:(C12 H25 OCOO(CH2 CH2 O)4 H)の合成 攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた100mLの4つ
口フラスコに、カーボネート化合物A−1を24.4g
(0.1mol)、テトラエチレングリコール58.2
g(3mol)、及び固定化リパーゼ(ノルボルディス
ク社製、商品名Novozym435)8.3gをそれぞれ仕
込み、反応温度60℃で、9時間、減圧(5mmHg)
しながら攪拌した。その後、生成物をヘキサン/アセト
ン混合溶媒によるシリカゲルカラムクロマトにより精製
し、油状の生成物を収率40%で得た。該化合物の1H−
NMRスペクトルにおいて、4.33ppm付近にカー
ボネートのα位のメチレン(エーテル)のピークa、
4.16ppm付近にカーボネートのα位のメチレン
(アルキル)のピークb、3.54〜3.70ppm付近
にエーテルメチレンのピークc、2.5ppm付近に水
酸基由来のピークd、1.54ppm付近にカーボネー
トのβ位のメチレンのピークe、1.29〜1.33p
pm付近にアルキルメチレンのビークf、0.96pp
m付近にアルキルのω位のメチルのピークgが検出さ
れ、以下の構造であることが確認できた。
【0039】
【化12】
【0040】実施例2:(C12 H25 OCOO(CH2 CH2 O)6 H)の合成 テトラエチレングリコールの代わりにヘキサエチレング
リコールを用いた以外は、実施例1と同様の方法でC12H
25OCOO(CH2CH2O)6Hを収率42%で得た。
【0041】実施例3:(C1 0 H2 1 OCOO(CH2 CH2 O)4 H)の合成 カーボネート化合物としてA−1の代わりにA−2を用
いた以外は、実施例1と同様の方法で本発明の化合物を
収率40%で得た。
【0042】実施例4:(C16 H33 OCOO(CH2 CH2 O)4 H)の合成 カーボネート化合物としてA−1の代わりにA−3を用
いた以外は、実施例1と同様の方法で本発明の化合物を
収率40%で得た。
【0043】実施例1〜3で得た本発明のカーボネート
結合を有する界面活性剤の0.001〜1%の水溶液に
ついて、25℃の表面張力をウイルヘルミ法によって測
定し、ここで得られた濃度と表面張力との関係より臨界
ミセル濃度(critical micelleconcentration、以下
「cmc」という。)を求めた。0.1%の水溶液の表
面張力とcmcを表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】生分解性の評価: 実施例1〜4で合成した本発明の化合物の生分解性を測
定した。測定は、活性汚泥を使用したOECD−301
D法によって行った。28日目の生分解率は以下の通り
であった。本発明の化合物は、いずれも良好な生分解性
を示した。 実施例1: 60% 実施例2: 62% 実施例3: 60% 実施例4: 60%
【0046】加水分解安定性の評価:実施例1〜2で合
成した本発明の化合物及びテトラエチレングリコールラ
ウリルエステル(比較品)の加水分解安定性を測定し
た。測定方法は、各試験サンプルの0.5%水溶液を3
0℃で、2週間放置後、試験サンプルを高速液体クロマ
ト分析により定量してその減少率を求め、分解率とし
た。なお、試験サンプルの希釈水は蒸留水を用いた。結
果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】比較品のテトラエチレングリコールラウリ
ルエステルが加水分解を受けたのに対し、本発明品の界
面活性剤はほとんど加水分解を受けなかった。
【0049】
【発明の効果】 本発明のカーボネート結合を有する界
面活性剤は、優れた界面活性能を有すると同時に、良好
な加水分解安定性を有し、生分解性の高い非イオン型界
面活性剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 7/62 C12P 7/62 // C11D 1/74 C11D 1/74 Fターム(参考) 4B064 AD62 AD78 CA21 CB24 CD06 CD07 DA20 4D011 CB04 CB06 4D077 AA06 AB06 AB10 AB11 AB17 AC01 AC05 AC06 AC07 DC33Y DD29Y DD39Y 4H003 AC12 FA03 FA16 4H006 AA03 AB68 AC48 BN10 BP10 KA57

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表わされる界面活
    性剤。 【化1】 [式中、R1は鎖状炭化水素基を表わし、AOはオキシ
    アルキレン基を表わし、Xは水素原子、または下記の一
    般式(2) 【化2】 (式中、R2は鎖状炭化水素基を表わす。)で表わされ
    る基を表わし、nは1以上の数を表わす。]
  2. 【請求項2】 下記の一般式(3) 【化3】 (式中、R1は一般式(1)と同義であり、R3は鎖状炭
    化水素基を表わす。)で表わされるカーボネート化合物
    と、下記の一般式(4) 【化4】 (式中、AO、X、nは一般式(1)と同義である。)
    で表わされるポリエーテル化合物を反応させることを特
    徴とする一般式(1)で表わされる界面活性剤の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(3)で表わされるカーボネ
    ート化合物と前記一般式(4)で表わされるポリエーテ
    ル化合物との反応において、酵素の存在下に反応させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の界面活性剤の製造方
    法。
JP2000316398A 2000-10-17 2000-10-17 カーボネート結合を有する界面活性剤の製造方法 Expired - Fee Related JP4672849B2 (ja)

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