JP4671308B1 - 運搬用車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の運搬用車両では、油圧ホースがトラクタのシャーシ上面側に配置され、油圧ホースが破損し易く、流出した作動油により環境汚染が成されるという問題があった。
【解決手段】本発明の運搬用車両1では、トラクタ2の運転席側のシャーシ4側面から油圧ホース15、16が導出され、その油圧ホース15、16は、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に対して着脱可能である。そして、トレーラ3が駆動させる際に油圧ホース15、16は接続機構17に装着され、トラクタ2の走行時等には、油圧ホース15、16は、油圧ホース収納ボックス18内に収納される。この構造により、油圧ホース15、16の破損が防止され、作動油の流出を防止し、作動油による環境汚染を抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の運搬用車両1では、トラクタ2の運転席側のシャーシ4側面から油圧ホース15、16が導出され、その油圧ホース15、16は、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に対して着脱可能である。そして、トレーラ3が駆動させる際に油圧ホース15、16は接続機構17に装着され、トラクタ2の走行時等には、油圧ホース15、16は、油圧ホース収納ボックス18内に収納される。この構造により、油圧ホース15、16の破損が防止され、作動油の流出を防止し、作動油による環境汚染を抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、トラクタと、トラクタにより牽引されるトレーラとの油圧経路の破損を防止し、作動油漏れによる環境汚染を防止する運搬用車両に関する。
従来の運搬用車両の一実施例として、下記の構造が知られている。図6(A)は、運搬用車両を説明する側面図である。図6(B)は、運搬用車両を説明する上面図である。
図6(A)に示す如く、運搬用車両51は、主に、トラクタ52と、トラクタ52により牽引されるトレーラ53とから構成される。トラクタ52のシャーシ54の前方部分に運転台55が設けられ、シャーシ54には複数の車輪56、57が取り付けられる。そして、車輪56、57は、エンジンと連結し、運転台55内での運転手の操作により回転し、トラクタ52は、自力走行が可能となる。
一方、トレーラ53のシャーシ58上には荷台59が配置され、シャーシ58には複数の車輪60、61が、回転可能な状態にて取り付けられる。トレーラ53のシャーシ58は、トラクタ52のシャーシ54上に配置されたカプラ機構62に連結される。そして、トレーラ53は、トラクタ52に牽引され、トラクタ52と共に走行する。
また、トラクタ52のシャーシ54下面には作動油タンク(図示せず)が設けられ、作動油タンク内の作動油は、油圧ホース63を介してトレーラ53側のシャーシ58に配設された油圧駆動回路機構(図示せず)へと供給される。そして、トラクタ52側の油圧ポンプ等を駆動させ、油圧駆動回路機構に圧油を供給し、トレーラ53側ではその圧油を利用して油圧シリンダ等が駆動し、シャーシ58や荷台59等が可動自在に操作される。
図6(B)に示す如く、トラクタ52によりトレーラ53を牽引する運搬用車両51では、直進方向から左右方向に旋回する際には、先ず、トラクタ52が、進行方向へと旋回した後、遅れてトレーラ53がその進行方向へと旋回する。そして、トラクタ52とトレーラ53との内輪差等の違いにより、運搬用車両51の旋回時のトラクタ52とトレーラ53との離間幅W2は、直進時のトラクタ52とトレーラ53との離間幅W1よりも広くなる。この構造により、油圧ホース63は、トレーラ53側の接続部から離脱することを防止するため、トラクタ52とトレーラ53との最大の離間幅に対応するように、油圧ホースの長さが設計される(例えば、特許文献1参照。)。
前述したように、油圧ホース63は、その最大の離間幅よりも長くなるため、油圧ホース63の一部は、トラクタ52のシャーシ54上面に載置された状態にて、運搬用車両51は走行する。また、運搬用車両51の左右両方向への旋回に対応するため、図6(B)の丸印64にて示すように、油圧ホース63は、トレーラ53の中央領域にて接続される。
図示したように、トレーラ53は、トラクタ52のカプラ機構62に連結するため、トレーラ53の前方側は、トラクタ52のシャーシ54上方に配置される。そして、トレーラ53とトラクタ52のシャーシ54上面側との間には、少なくともカプラ機構62分のスペースが形成される。そして、油圧ホース63の一部が、前述したスペース内に入り込んだ状態にて運搬用車両51が走行することで、運搬用車両51が路面状況等に応じて上下方向に動揺した際に、油圧ホース53が、トレーラ53とシャーシ54とにより挟まれ、トレーラ53側からの荷重に耐え切れず破損する事故が発生する。また、前述したスペース内に油圧ホース63の一部を挟み込みながら運搬用車両51が旋回することで、同様に、油圧ホース63が破損する事故が発生する。また、運搬用車両51の急停止時にも、トレーラ53がトラクタ52側へと突っ込みながら停止するため、トレーラ53の先端側に荷重が集中し、同様に、油圧ホース63が破損する事故が発生する。これらの破損事故に伴い、路面や荷物の集積用プール等に、油圧ホース63内の作動油が多量に流れ出し、側溝等を介して下水道や河川に流れ込み、環境悪化を招くという問題が発生する。また、運搬用車両51が、港の集積場にて同様な破損事故を起した場合には、作動油が海へ流れ込み、環境悪化を招くという問題が発生する。
一方、運搬用車両51の使用者側では、前述した油圧ホース63の破損事故に備えて、作動油吸着シート等を常備する必要がある。また、前述した油圧ホース63の破損事故は、油圧ホース63の劣化状況にあまり関係なく、新品な油圧ホースを用いた場合でも発生する。そして、前述した油圧ホース63の破損事故が発生する都度、油圧ホースや作動油吸着シート等を購入する必要があり、コストが嵩張るという問題が発生する。そして、前述した油圧ホース63の破損事故は、かなりの頻度で発生しており、環境面からもコスト面からも早急な対応が求められている。
また、トレーラ53に車両、建設機器、液体燃料等の荷物を積載した状態では、トレーラ53側の重量が重くなり、トレーラ53が、トラクタ52のシャーシ54上面側へと沈み込んだ状態にて連結されるため、両者間のスペースが少なくなる。そのため、走行時等のトレーラ53側の油圧駆動機構を操作しない間だけでも、油圧ホース63をトレーラ53側から取り外すことも考えられる。しかしながら、油圧ホース63をトレーラ53側に着脱する作業では、接続部に加わる作動油の油圧を弱めるため工具を使用するが、前述した限られたスペースでは、その作業が困難となる。その結果、油圧ホース63の着脱作業には多大な時間を要し、作業効率も悪く、更に、作業員は、着脱作業の領域を確保するためトラクタ52の下に潜り込む必要があり、作業員の安全性の観点からも実際の現場では行われていないという実情がある。また、接続部に加わる作動油の油圧を弱める際に、作動油が漏れ出してしまうという問題がある。
前述した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明の運搬用車両では、エンジンにて自走可能なトラクタと、前記トラクタにより牽引されるトレーラと、前記トレーラを駆動させる油圧駆動回路機構と、前記トラクタ側に配置され、前記油圧駆動回路機構に供給される作動油を貯留する作動油タンクと、前記トラクタ側に配置され、前記作動油タンク内の作動油を吸い込み、圧力を加えた前記作動油を前記油圧駆動回路機構へ供給する油圧ポンプと、前記トラクタ側に配置され、前記油圧ポンプからの前記作動油が流れ、その先端にカップラーが取り付けられる着脱可能な油圧ホースとを有し、前記油圧ホースは、前記トラクタのシャーシの側面から導出し、前記シャーシの側面近傍に配置される前記トレーラの前記油圧駆動回路機構の接続機構に対して、前記トレーラを駆動させるときに前記油圧ホースが装着されることを特徴とする。
本発明では、トラクタのシャーシ側面から導出する油圧ホースが、着脱可能となり、運搬用車両の走行時に油圧ホースを離脱することで、油圧ホースの破損事故が防止され、作動油の流出による環境汚染が抑止される。
また、本発明では、トレーラ側の油圧駆動回路機構の接続機構に油圧制御弁が配置され、その接続部への油圧が調整され、油圧ホースの着脱の作業性が向上される。
また、本発明では、トレーラ側の油圧駆動回路機構の接続機構に作動油貯留機構が配置され、油圧制御弁を動作させる際に排出させる作動油の車外へ流出が防止され、環境汚染が抑止される。
また、本発明では、離脱した油圧ホースが、トラクタ側の油圧ホース収納ボックス内に収納されることで、油圧ホースの耐久性条件が緩和され、油圧ホースの取り扱いが向上し、また、油圧ホースに掛かるコストが低減される。
また、本発明では、油圧ホースの長さが、従前の油圧ホースの長さと比較して大幅に短縮され、その重量も軽くなる。油圧ホースには、運搬用車両の走行時に荷重が加わらず、油圧ホースの強度条件が大幅に緩和され、柔軟性に富む油圧ホースが使用できるので、その使用性が大幅に向上される。
以下に、本発明の一実施の形態である運搬用車両について説明する。図1は、複数の自動車を積載し、運搬する運搬用車両を説明する側面図である。図2(A)及び(B)は、図1に示す運搬用車両のトラクタを説明するための斜視図である。図3は、トレーラを可動させる油圧駆動回路機構を説明するための概略図である。図4(A)は、図1に示す運搬用車両のトレーラ側に配置される接続機構を説明するための斜視図である。図4(B)及び(C)は、接続機構を説明するための概略図である。図5(A)は、図1に示す運搬用車両のトレーラ側に配置される接続機構を説明するための斜視図である。図5(B)及び(C)は、接続機構を説明するための概略図である。尚、以下の説明では、油圧配管とは、作動油が流れる鋼管のことをいい、油圧ホースとは、作動油が流れる長い中空円筒であり、例えば、樹脂、ゴム、ナイロン等を使用し、可撓性を有する管のことをいう。
図1に示す如く、運搬用車両1は、主に、エンジン駆動によって自走可能なトラクタ2と、トラクタ2により牽引されるトレーラ3とを有する。トラクタ2のシャーシ4の前方部分には運転台5が設けられ、運転台5下方のシャーシ4には、操舵可能な左右一対の前輪6が配置される。また、シャーシ4の後方部分にはカプラ装置7が設けられ、カプラ装置7下方のシャーシ4には、駆動力発生可能な左右一対の後輪8が配置される。後輪8は、例えば、デファレンシャル部を備えた車軸の両端に接続され、トラクタ2に配置されたエンジンの駆動力を利用して回転する。
トレーラ3は、例えば、自動車運搬用として用いられる。トレーラ3は、主に、後部フロア9と、前部フロア10と、可動フロア11、12等から構成され、可動フロア11、12を昇降させることで、トレーラ3に複数の搬送用自動車が積載される。具体的には、前部フロア10は、後部フロア9の前方に配置され、後部フロア9よりも床面が高くなる。可動フロア11は、油圧シリンダ12a等と連結し昇降自在な構造であり、運搬用自動車が後部フロア9から前部フロア10へと乗り込むために利用される。そして、可動フロア12は、油圧シリンダ12a等と連結し昇降自在な構造であり、トレーラ3の2階の床面を構成し、搬送用自動車が運搬用車両1の高さ方向に重ねて積載される。
また、トレーラ3の後方部分には、左右一対の後輪13が配置され、後輪13は、例えば、デファレンシャル部を備えた車軸の両端に接続される。そして、トレーラ3の前方部分には、図示していないが、トラクタ2のカプラ装置7と連結するピン連結部が配置され、トレーラ3がトラクタ2に連結することで、トラクタ2の後輪8は、トレーラ3の前輪として利用される。
図1は、運搬用車両1の運転席(右側面)側からの側面図であるが、丸印14にて示す領域には、トラクタ2側に配置された油圧ホース15、16が、トレーラ側に配置された油圧駆動回路機構の接続機構17に着脱自在に接続できる機構が配置される。詳細は後述するが、油圧ホース15、16は、トレーラ3を可動させる際に、トレーラ3側の接続機構17に装着される。そして、運搬用車両1の走行時等、トレーラ3を可動させる必要のない状況では、油圧ホース15、16は、トラクタ2側に配置された油圧ホース収納ボックス18内に収納されることで、課題の欄にて記載した諸問題が解決される。また、接続機構17が、油圧ホース15、16が導出する側面と同一側面側であり、その上方に配置されることで、油圧ホース15、16の長さを短くすることが可能となる。また、トレーラ3側には、接続機構17に油圧ホース15、16を着脱する際に排出される作動油を貯留する収納サブタンク19が配置される。この構造により、作業者は、運搬用車両1側面側の広い作業領域にて油圧ホース15、16の着脱作業を行うことができ、油圧ホース15、16の装着時に後述する油圧制御弁を用いることなく、油圧ホース15、16を装着出来る場合もある。この場合には、油圧制御弁を動作させることで作動油が排出されることを防止できる。
尚、本実施の形態では、トレーラ4に搬送用自動車を積載する際に可動フロア11、12等を可動させるための油圧駆動回路機構を説明する。そのため、以下の説明では、その他、運搬用車両1のブレーキ用の油圧回路機構、カプラ装置を可動させる油圧回路機構や可動フロア11、12を制御する昇降スイッチの電子制御回路等は、従前の機構と同様であり、その説明は省略する。
図2(A)に示す如く、運転台5の後方部のシャーシ4には、その上面を覆うようにプラットホーム20が形成される。プラットホーム20は、鉄板等の金属板により形成され、プラットホーム20の表面側には、油圧ホースや油圧配管が配置されない。そして、図示していないが、プラットホーム20の裏面側には、作動油が貯留された作動油タンク、運搬用車両1のエンジンにより駆動する油圧ポンプ、油圧配管及び油圧ホースが配置される。
図示したように、トラクタ2の運転席側のプラットホーム20の裏面側には油圧ホース収納ボックス18が配置され、油圧ホース収納ボックス18内には、油圧ホース15、16が収納される。そして、運搬用車両1の走行時等、トレーラ3を可動させる必要の無い状況では、油圧ホース15、16は、油圧ホース収納ボックス18内に収納される。このとき、油圧収納ボックス18の開閉蓋が開き、油圧ホース15、16が油圧収納ボックス18から導出した状態では、例えば、運転席のハンドル近傍に配置された警告ランプが赤く点灯する。一方、図示したように、油圧ホース15、16が、油圧収納ボックス18内に収納され、開閉蓋が閉じた状態では警告ランプが消灯する。この構造により、油圧ホース15、16が、車外に放置された状態にて走行することが防止され、走行時に油圧ホース15、16が破損し、作動油が車外へと流出することが防止される。尚、警告ランプ換えて警告音にて、前述した油圧収納ボックス18の開閉蓋の状態を運転手に知らせる場合でも良い。
一方、図2(B)に示す如く、トレーラ3に搬送用自動車を搬入し搬出する等、トレーラ3を可動させる際には、油圧ホース収納ボックス18から油圧ホース15、16を取り出し、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に装着させる。そして、油圧ホース15、16の先端部には、従来から用いられるセルフシール型の高圧流体用のカップラー21、22が接続され、接続機構17から油圧ホース15、16を外した際に、油圧ホース15、16から作動油が流出することが防止される。
この構造により、油圧ホース15、16は、トレーラ3を可動させる必要の無い状況では、油圧ホース収納ボックス18内に収納され、運搬用車両1外に載置されない。従前の構造に使用される油圧ホースは、常時、運搬用車両1の車外へと載置された状況にて使用されるため、油圧ホースには、紫外線や摩耗等による劣化防止加工が施される必要があった。更に、油圧ホースは、走行時の振動や旋回動作時等に、トラクタ2やトレーラ3と接触するため、破損防止のために一定の強度を有する必要があった。そのため、従前に使用される油圧ホースは、金属層が編み込まれた層を有する複数層から成り、製品価格が高く、油圧ホース自体も硬く、重いものであった。
しかしながら、本実施の形態にて使用される油圧ホース15、16は、少なくとも作動油へ加えられる圧力に耐えうる強度を有していれば良く、前述した紫外線や摩耗等に対する耐久性の条件が緩和される。そのことで、油圧ホース15、16としては、例えば、樹脂やゴム等から成り、可撓性に富んだ、軽い製品を使用することが可能となり、着脱時や収納時の取り扱いが容易となり、その作業性が向上される。また、前述した理由により、使用上の安全性が悪化することなく、油圧ホース15、16の製品コストも大幅に低減される。
ここで、図3では、トレーラ3を可動させる油圧駆動回路機構の概略図を示し、一点鎖線23はトラクタ2の領域を示し、二点鎖線24はトレーラ3の領域を示す。図示したように、トラクタ2のプラットホーム20の裏面側では、作動油タンク25と油圧ポンプ26とが油圧配管27にて接続され、運搬用車両1のエンジンを利用し油圧ポンプ26を駆動させると、作動油タンク25内の作動油が、油圧配管27を通じて油圧ポンプ26へと吸い込まれる。油圧ポンプ26にて高圧が加えられた作動油は、油圧ポンプ26と接続した油圧配管28及び油圧配管28の先端に接続された油圧ホース15へと流れ込む。そして、油圧ホース15が、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に装着されることで、トレーラ3側の油圧配管29へと作動油が回遊する。トレーラ3側の油圧駆動回路機構では、油圧配管29がトレーラ3に対して環状に配置され、油圧配管29の所望の領域には油圧シリンダ12a(図1参照)が接続され、高圧が加えられた作動油を利用することで、油圧シリンダを可動させ、可動フロア11、12が昇降し、トレーラ3に搬送用自動車を搬入し、搬出することが可能となる。
一方、油圧ホース16は、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に装着されることで、トレーラ3側の油圧配管29から作動油が流れ込む。そして、油圧ホース16と接続された油圧配管30は、作動油タンク25と接続し、作動油は作動油タンク25内に収容される。
この構造により、図6(A)及び(B)に示す従前の構造のように、油圧ホース15、16が、トラクタ2のプラットホーム20表面に配置されない構造が実現される。特に、運搬用車両1の走行時において、油圧ホース15、16が、トラクタ2のプラットホーム20表面とトレーラ3とのスペースに入り込むことがなく、油圧ホース15、16が、トレーラ側からの荷重に耐え切れず破損することはない。その結果、油圧ホース15、16が破損し、作動油が、路面、荷物の集積用プール等に多量に流れ出し、側溝等を介して下水道、河川や海に流れ込むこともなく、作動油により環境悪化を招くという問題が解消される。更に、油圧ホース15、16の破損が防止されることで、油圧ホース、作動油吸着シート等の使用量が大幅に低減し、その購入コストも大幅に低減される。
また、油圧配管27、28、30が、プラットホーム20の裏面側に溶接接続され、走行時等のトレーラ3と接触することはなく、トレーラ3の荷重により破損されることが無くなる。油圧配管28、30が、トレーラ3の下面のプラットホーム20まで配置され、更に、油圧ホース収納ボックス18内まで配置される。そして、油圧配管28、30の先に接続される油圧ホース15、16は、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17へと接続出来る長さだけで良く、油圧ホース15、16の長さが大幅に短縮され、作業性が向上し、コストも大幅に削減される。
尚、詳細は図4及び図5を用いて後述するが、油圧駆動回路機構の接続機構17には油圧ホース31、32等を介して収納サブタンク19が接続され、収納サブタンク19は、トレーラ3の空きスペースを利用して配置される。また、収納サブタンク19には、目視にて作動油の収納量を計測する窓やメーター等が配置され、随時、収納サブタンク19内に貯留された作動油は、手動や自動にて作動油タンク25内へと戻すことが出来る。
図4(A)に示す油圧駆動回路機構の接続機構17には、トラクタ2側からの作動油が流れ込む油圧配管33と、トラクタ2側へと作動油を送り出す油圧配管34とが配設される。油圧配管33、34の先端には、従来から使用されるセルフシール型の高圧流体用のカップラー35、36が取り付けられ、油圧配管33、34から油圧ホース15、16を離脱した際に、油圧配管33、34から作動油が流出することが防止される。そして、油圧配管33は、油圧ホース15と着脱可能となり、例えば、油圧ホース15に取り付けされたカップラー21は凸型のノーズ形状であり、油圧配管33に取り付けられたカップラー35は、前述したノーズ型が挿入される凹型のボーディ形状となる。同様に、油圧配管34は、油圧ホース16と着脱可能となり、例えば、油圧ホース16に取り付けされたカップラー22は凸型のノーズ形状であり、油圧配管34に取り付けられたカップラー36は凹型のボーディ形状となる。
また、油圧駆動回路機構の接続機構17には、油圧ホース15、16の着脱時に排出される作動油が流れ込む油圧配管37、38が配置される。油圧配管37、38側には、例えば、90度回転する手動レバー39、40が取り付けられ、手動レバー39、40により油圧配管29、33、34を流れる作動油の流れが制御される。
図4(B)及び(C)に示すように、接続機構17内には、油圧制御弁41が設けられ、油圧制御弁41が手動レバー39に連動して回動することで、油圧配管29、33、37内の作動油の流れが制御される。
先ず、図4(B)は、トレーラ3側の油圧配管29に作動油が送り込まれる状況を示す。油圧配管29、33、37は、三股に分かれる金属継手42を介して接続され、図4(B)に示す状況では、油圧制御弁41の通路43を介して油圧配管29、33が通じることで、作動油はトレーラ3側へと流れ込む。そして、この状態では、実質、油圧配管37に作動油が排出されない。尚、金属継手42には、回動する油圧制御弁41と通路43との間に隙間43a、43bが配置されることで、油圧制御弁41の回動時の作動油の漏れがより防止され易くなる。
一方、図4(C)は、トレーラ3側への作動油の流れを防ぎ、作動油の一部が、油圧配管37及び油圧ホース31を介して収納サブタンク19へと流れ込む状況を示す。手動レバー39を90度回動させることで、金属継手42内の油圧制御弁41が連動して回動し、油圧配管33、37は、油圧制御弁41の通路43を介して通じる。そして、油圧配管33及び油圧制御弁41の通路43内に残留した作動油は、油圧配管37へと流れ込む。油圧配管37へと流れ込んだ作動油は、油圧ホース31を介して収納サブタンク19内に貯留されることで、運搬用車両1外へと流れ出すことが防止され、前述したように作動油により下水道、河川や海の環境悪化を招くことはない。
この構造により、油圧配管33のカップラー35に加わる油圧が無くなり、油圧ホース15の着脱が容易に行われる。特に、再び、油圧ホース15を油圧配管33へと装着する際、油圧配管33の作動油に残圧が残ることで、油圧ホース15のカップラー21をカップラー35へと押し込むことは困難である。また、夏場のように、油圧配管33、34、29が温められ、作動油が膨張し、残圧以上の圧力が、油圧配管33のカップラー35に加わると、より油圧ホース15のカップラー21をカップラー35へと押し込むことは困難である。そこで、油圧制御弁41により油圧を調整することで、その作業性が大幅に向上され、排出される作動油が車外へと漏れることもない。また、油圧配管33内の作動油が、収納サブタンク19へと流れ込むことで、油圧ホース15の離脱時に、仮に、油圧配管33のカップラー35が壊れた場合でも、作動油が運搬用車両1外へと流れ出すことが防止される。
尚、作動油が、トレーラ3側からトラクタ2側へ流れ込む流路においても、油圧配管29、34、38、金属継手及び手動レバー40に連動する油圧制御弁により同様な機構が構成されている。
図5(A)〜(C)に示す油圧駆動回路機構の接続機構17は、図4(A)〜(C)に示す油圧駆動回路機構の接続機構17とは、油圧配管29、33、34を流れる作動油を調整する油圧制御弁の機構が異なる。そのため、以下の説明では、構造上異なる機構を説明し、その他の機構には図4(A)〜(C)に示す符番と同一の符番を付し、その説明を参照する。
図5(A)に示す如く、油圧駆動回路機構の接続機構17には、複数の油圧配管29、33、34、38が配設される。そして、油圧配管37、38側には、例えば、回転する手動ネジ44、45が取り付けられ、手動ネジ44、45を回転させることで、油圧配管29、33、34を流れる作動油の流れが制御される。
図5(B)及び(C)に示す如く、接続機構17内にて、油圧配管29、33、37は、三股に分かれる金属継手46を介して接続され、金属継手46内には油圧制御弁47が配置される。そして、油圧制御弁47は、手動ネジ44の回転に連動して、矢印48にて示すように金属継手46内をスライドする。図5(B)に示すように、例えば、手動ネジ44を右回転させることで、油圧制御弁47は油圧配管29側へとスライドし、作動油の流路が狭まり、油圧配管33のカップラー35に加わる油圧が低減し、油圧ホース15の着脱が容易に行われる。
一方、図5(C)に示すように、例えば、手動ネジ44を左回転させることで、油圧制御弁47は油圧配管37側へとスライドし、作動油の流路が広がる。つまり、油圧ホース15を装着し、トレーラ3側へ作動油を送り込む際には、図5(C)に示す状態とすることで油圧のロスが防止される。
そして、作動油が、実質、油圧配管37内には流れ込まないように油圧制御弁47は設計されるが、油圧制御弁47をスライドさせる際に、若干量の作動油が油圧配管37へと排出される。そのため、前述した収納サブタンク19が、油圧配管37等の先に配置されることで、作動油が運搬用車両1外へと流れ出すことが防止され、作動油により下水道、河川や海の環境悪化を招くことはない。そして、図5(A)〜(C)に示す接続機構17は、図4(A)〜(C)に示す接続機構17と比較して、作動油の油圧の微調整が容易であり、作動油の排出量も低減されるというメリットがある。そのため、図5(A)〜(C)に示す油圧制御弁47を用いる際には、作動油の流出が微小であるため、油圧配管37の先端に片側が封止された作動油収納ホースを取り付けるような、簡易な構造とする場合でも良い。また、作動油が、トレーラ3側からトラクタ2側へ流れ込む流路においても、油圧配管29、34、38、金属継手及び手動ネジ45に連動する油圧制御弁により同様な機構が構成されている。
尚、本実施の形態では、トラクタ2にて自動車運搬用のトレーラ3を牽引する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、トラクタにて建設機械、液体燃料、コンテナ等を積載したトレーラを牽引する場合でも良い。つまり、トラクタとトレーラとが分離可能な運搬用車両であり、トレーラ側の油圧駆動回路機構が、トラクタ側から供給される作動油により可動する場合において、両者間を連結する油圧ホース及びその接続機構が、前述したように着脱自在であり、作動油漏れを防止する機構となることで、同様な効果が得られる。
また、トラクタ2の運転席(右側面)側に着脱可能な油圧ホース15、16、油圧ホース収納ボックス18及び接続機構17が配置される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、トラクタ2の左側面側に、前述したそれらの機構が配置される場合でも同様な効果が得られる。
また、図4に示すように手動レバー39、40に連動する油圧制御弁41や図5に示すように手動ネジ44、45に連動する油圧制御弁47により、接続機構17に加わる作動油の油圧を調整する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、油圧配管33、34に押しボタン式の油圧制御弁を設け、そのボタンを押すことで、油圧配管33、34の作動油の油圧を調整する場合でも良い。この場合においても、油圧制御弁近傍に、油圧制御弁の動作により排出される作動油が流れ込む油圧配管37、38や収納サブタンク19を配置することで、車外へと作動油が流れ出すことが防止される。
また、油圧ホース15、16は、トレーラ3側の油圧駆動回路機構の接続機構17に対して着脱可能な場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、油圧ホース15、16は、トラクタ2側の油圧配管28、30に対しても着脱可能な構造とする場合でも良い。この場合には、油圧ホース15、16との着脱領域近傍の油圧配管28、30にも前述した接続機構17と同様な機構を設けることで、作動油漏れが防止される。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
1 運搬用車両
2 トラクタ
3 トレーラ
4 シャーシ
15、16 油圧ホース
17 接続機構
18 油圧ホース収納ボックス
19 収納サブタンク
39、40 手動レバー
41、47 油圧制御弁
42、46 金属継手
44、45 手動ネジ
2 トラクタ
3 トレーラ
4 シャーシ
15、16 油圧ホース
17 接続機構
18 油圧ホース収納ボックス
19 収納サブタンク
39、40 手動レバー
41、47 油圧制御弁
42、46 金属継手
44、45 手動ネジ
Claims (4)
- エンジンにて自走可能なトラクタと、
前記トラクタにより牽引されるトレーラと、
前記トレーラを駆動させる油圧駆動回路機構と、
前記トラクタ側に配置され、前記油圧駆動回路機構に供給される作動油を貯留する作動油タンクと、
前記トラクタ側に配置され、前記作動油タンク内の作動油を吸い込み、圧力を加えた前記作動油を前記油圧駆動回路機構へ供給する油圧ポンプと、
前記トラクタ側に配置され、前記油圧ポンプからの前記作動油が流れ、その先端にカップラーが取り付けられる着脱可能な油圧ホースとを有し、
前記油圧ホースは、前記トラクタのシャーシの側面から導出し、前記シャーシの側面近傍に配置される前記トレーラの前記油圧駆動回路機構の接続機構に対して、前記トレーラを駆動させるときに前記油圧ホースが装着され、
前記トラクタにより前記トレーラを牽引するときは、前記油圧ホースは、前記接続機構から取り外されることを特徴とする運搬用車両。 - 前記接続機構には、前記油圧ホースに取り付けられたカップラーと着脱可能はカップラーが取り付けられ、
前記接続機構に設けられた油圧制御弁により、前記接続機構のカップラーに加わる前記作動油の油圧が調整されることを特徴とする請求項1に記載の運搬用車両。 - 前記接続機構には、前記油圧制御弁を動作させるときに排出される前記作動油を貯留する作動油貯留機構が接続されることを特徴とする請求項2に記載の運搬用車両。
- 前記油圧ホースが導出する側の前記トラクタのシャーシの下面には油圧ホース収納ボックスが配置され、前記トラクタの走行時には、前記油圧ホースは、前記油圧ホース収納ボックス内に収納されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の運搬用車両。
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