JP2008284898A - 油圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】リンク式ダンプ用シリンダの駆動と、直突式ダンプ用シリンダの駆動とで、油圧配管を共用することを可能とする。
【解決手段】高圧配管30及び低圧配管32を備えるリンク式ダンプ用シリンダ12との連結時には、メイン回路48の先端部に設けられたオスカプラ34Mが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結され、サブ回路50の先端部に設けられたオスカプラ36Mが、低圧配管32のメスカプラ36Fに連結される。高圧配管30のみ備える直突式ダンプ用シリンダ22との接続時には、メイン回路48の先端部に設けられたオスカプラ34Fが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結され、サブ回路50の先端部に設けられたオスカプラ36Mが、選択的流通回路58の先端部に設けられたメスカプラ36Fに連結される。
【選択図】図1
【解決手段】高圧配管30及び低圧配管32を備えるリンク式ダンプ用シリンダ12との連結時には、メイン回路48の先端部に設けられたオスカプラ34Mが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結され、サブ回路50の先端部に設けられたオスカプラ36Mが、低圧配管32のメスカプラ36Fに連結される。高圧配管30のみ備える直突式ダンプ用シリンダ22との接続時には、メイン回路48の先端部に設けられたオスカプラ34Fが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結され、サブ回路50の先端部に設けられたオスカプラ36Mが、選択的流通回路58の先端部に設けられたメスカプラ36Fに連結される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダンプトレーラのダンプアップ用油圧シリンダに対し作動油を供給するための、トラクタに搭載された油圧回路に関するものである。
土砂等の大量輸送にはダンプトレーラが適していることから、様々な形式のダンプトレーラが従来から開発されている。ところで、ダンプトレーラの荷台を昇降させるダンプアップ機構には、ダンプアップ用油圧シリンダの形式の違いから、大きく別けて二つの機構が存在している。
図4に示されるダンプトレーラ10は、伸縮ストロークの比較的短い油圧シリンダ12に、リンク14を組み合わせることにより、荷台16を最大ダンプ角度まで傾斜させることを可能としたものである(例えば、非特許文献1参照。)。なお、油圧シリンダ12に対する作動油の供給は、トラクタ18に搭載された油圧回路から行われる。
図4に示されるダンプトレーラ10は、伸縮ストロークの比較的短い油圧シリンダ12に、リンク14を組み合わせることにより、荷台16を最大ダンプ角度まで傾斜させることを可能としたものである(例えば、非特許文献1参照。)。なお、油圧シリンダ12に対する作動油の供給は、トラクタ18に搭載された油圧回路から行われる。
さて、図4に示されるダンプトレーラ10はリンク式ダンプトレーラといわれ、これに用いられる比較的伸縮ストロークの短い油圧シリンダ12は、リンク式ダンプ用シリンダと称されるものである。リンク式ダンプ用シリンダ12は、図1に示されるように、ピストン24を挟んでストローク方向の前後に油室が構成されるものであり、延び動作側の油室26には高圧配管30を、縮み動作側の油室28には低圧配管32を備えている。そして、高圧配管30を構成するホースの先端には、3/4インチ径のセルフシール型カプラ34(第1形状のセルフシール型カプラ)のメスカプラ34Fが固定されている。又、低圧配管32を構成するホースの先端には、1インチ径のセルフシール型カプラ36(第2形状のセルフシール型カプラ)のメスカプラ36Fが固定されている。
一方、図5に示されるダンプトレーラ20は、伸縮ストロークの長い油圧シリンダ22の伸長動作のみによって、荷台16の最大ダンプ角度を得ることを可能としている(例えば、非特許文献2参照。)。当然に、この形式の場合にも、油圧シリンダ22に対する作動油の供給は、トラクタ18に搭載された油圧回路から行われる。
図5のダンプトレーラ20は、直突式ダンプトレーラといわれるものであり、これに用いられる伸縮ストロークの比較的長い油圧シリンダ22は、直突式ダンプ用シリンダと称される。この、直突式ダンプ用シリンダ22は、図1に示されるように、同心円状に配された多段のスリーブ38が伸縮することで、容積が変化する油室40を有しており、油室40には高圧配管30が接続されている。そして、高圧配管30を構成するホースの先端には、3/4インチ径のセルフシール型カプラ34(第1形状のセルフシール型カプラ)のメスカプラ34Fが固定されている。
東急車輛技報,第47号,1997年11月,p.104−105
東急車輛技報,第43号,1993年10月,p.70−71
以上のごとく、図4に示されたリンク式ダンプトレーラの油圧シリンダ12と、図5に示された直突式ダンプトレーラの油圧シリンダ22とは、作動油の供給を受けるための油圧配管の構成が異なるものである。従って、夫々のダンプトレーラ10、20のために、専用の油圧配管を備えた専用のトラクタが必要であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リンク式ダンプ用シリンダの駆動と、直突式ダンプ用シリンダの駆動とで、油圧配管を共用することを可能とし、ダンプトレーラ用トラクタの汎用性を高めることにある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リンク式ダンプ用シリンダの駆動と、直突式ダンプ用シリンダの駆動とで、油圧配管を共用することを可能とし、ダンプトレーラ用トラクタの汎用性を高めることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る油圧回路は、ダンプトレーラのダンプアップ用油圧シリンダに対し作動油を供給するための、トラクタに搭載された油圧回路であって、回路の一部を適宜つなぎ換えることによって、作動油の供給を受けるための油圧配管の構成が異なるダンプアップ用油圧シリンダの各々に対し、最適な作動油流量を確保しつつ、誤操作を確実に防ぎ、しかも低コストで、共通の油圧配管を用いて作動油を供給するものである。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。又、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)ダンプトレーラのダンプアップ用油圧シリンダに対し作動油を供給するための、トラクタに搭載された油圧回路であって、油圧ポンプと、作動油タンクと、前記油圧ポンプに接続され先端部に第1形状のセルフシール型カプラが設けられたホースを備えるメイン回路と、前記作動油タンクに接続され先端部に第2形状のセルフシール型カプラが設けられたホースを備えるサブ回路と、リリーフバルブを介して前記メイン回路及び前記サブ回路を連通するリリーフ回路と、前記メイン回路との連通の有無を選択する切替えバルブを介して、前記メイン回路の前記カプラと前記リリーフ回路との間から分岐し、先端部に、前記サブ回路の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラと連結するカプラが設けられた選択的流通回路とを備える油圧回路(請求項1)。
本項に記載の油圧回路は、高圧配管及び低圧配管を備えるリンク式ダンプ用シリンダとの連結時には、メイン回路の先端部に設けられた第1形状のセルフシール型カプラが高圧配管に連結され、サブ回路の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラが低圧配管に連結されることで、メイン回路及びサブ回路の先端部の、各セルフシール型カプラのセルフシールバルブが自動開放される。このとき、選択的流通回路は何れの回路とも連結されず、その先端部に設けられたカプラのセルフシールバルブは閉じた状態に維持される。よって、選択的流通回路は非連通状態となり、先端部からの作動油の漏れは生じない。又、選択的流通回路の切替えバルブを閉じて、メイン回路から選択的流通回路への作動油の流入が止められることにより、選択的流通回路の先端部に設けられたカプラの、セルフシールバルブに加わる負荷が軽減される。
そして、荷台のダンプアップ時、すなわちリンク式ダンプ用シリンダの伸張作動時には、油圧ポンプからメイン回路を通じて延び動作側の油室へと作動油が供給され、縮み動作側の油室内の作動油が、サブ回路を通じて作動油タンクへと戻されることで、リンク式ダンプ用シリンダのピストンが上昇する。又、荷台の降下時、すなわちリンク式ダンプ用シリンダの縮小作動時には、荷台の自重を受けてピストンが下降することで、延び動作側の油室の作動油がメイン回路及びポンプを通じて作動油タンクへと戻され、縮み動作側の油室は負圧となり、サブ回路を通じて作動油タンクから作動油が流入する。
一方、高圧配管のみ備える直突式ダンプ用シリンダとの接続時には、メイン回路の先端部に設けられた第1形状のセルフシール型カプラが高圧配管に連結されると共に、サブ回路の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラについては、選択的流通回路の先端部に設けられたカプラに連結されることで、メイン回路、サブ回路及び選択的流通回路の、各セルフシール型カプラのセルフシールバルブが自動開放される。
そして、直突式ダンプ用シリンダの伸張作動時には、選択的流通回路の切替えバルブを閉じることで、メイン回路から選択的流通回路への作動油の流入を止めた状態とすることにより、油圧ポンプからメイン回路を通じて油室へと作動油が供給され、多段のスリーブが伸張する。又、直突式ダンプ用シリンダの縮小作動時には、選択的流通回路の切替えバルブを開放し、メイン回路から選択的流通回路への作動油の流入を可能とすることで、荷台の自重を受けて多段のスリーブが縮み、油室の作動油が選択的流通回路及びサブ回路を通じて作動油タンクへと戻される。
なお、リンク式ダンプ用シリンダとの接続時、直突式ダンプ用シリンダとの接続時のいずれの場合も、伸張作動の際にメイン回路の油圧が規定値を超えるような異常運転状態となった場合には、リリーフバルブが開放されることで、作動油はリリーフ回路、サブ回路を通じて、作動油タンクへと戻される。
(2)前記リリーフ回路のリリーフバルブよりもリリーフ圧が低く設定された第2のリリーフバルブを介して、前記メイン回路及び前記選択的流通回路を連通する第2のリリーフ回路を備える油圧回路(請求項2)。
本項に記載の油圧回路は、リンク式ダンプ用シリンダとの連結時には、選択的流通回路は何れの回路とも連結されず、選択的流通回路は何れの回路とも連結されず、その先端部に設けられたカプラのセルフシールバルブは閉じた状態に維持され、なおかつ、選択的流通回路の切替えバルブを閉じ、メイン回路から選択的流通回路への作動油の流入が止められることから、メイン回路と選択的流通回路を連通する第2のリリーフ回路は実質的に無効となり、第1のリリーフ回路のリリーフバルブのみ機能し得る状態にある。
本項に記載の油圧回路は、リンク式ダンプ用シリンダとの連結時には、選択的流通回路は何れの回路とも連結されず、選択的流通回路は何れの回路とも連結されず、その先端部に設けられたカプラのセルフシールバルブは閉じた状態に維持され、なおかつ、選択的流通回路の切替えバルブを閉じ、メイン回路から選択的流通回路への作動油の流入が止められることから、メイン回路と選択的流通回路を連通する第2のリリーフ回路は実質的に無効となり、第1のリリーフ回路のリリーフバルブのみ機能し得る状態にある。
一方、直突式ダンプ用シリンダと接続され、かつ、その作動圧が低く設定された場合には、サブ回路の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラと、選択的流通回路の先端部に設けられたカプラとが連結されることにより、メイン回路は、第2のリリーフ回路を介して、サブ回路へと連通された状態となる。従って、メイン回路から第2のリリーフ回路へと作動油が流入し、第2のリリーフバルブに作動油の圧力が作用して、第2のリリーフバルブが機能し得る状態となる。ここで、第2のリリーフバルブのリリーフ圧は、リリーフバルブのリリーフ圧よりも低く設定されていることから、伸張作動の際にメイン回路の油圧が必要以上に上昇するような場合には、必ず、最初に第2のリリーフバルブが開放され、作動油は第2のリリーフ回路、選択的流通回路及びサブ回路を通じて、作動油タンクへと戻されることとなる。すなわち、直突式ダンプ用シリンダとの接続時の方が、リンク式ダンプ用シリンダとの連結時よりも、比較的低圧でリリーフ回路(第2のリリーフ回路)が機能するものである。
(3)前記選択的流通回路には、流量調整バルブが設けられている油圧回路(請求項3)。
本項に記載の油圧回路は、流量調整バルブによって選択的流通回路の作動油の流量を調整することで、直突式ダンプ用シリンダとの接続時における、荷台の降下速度を適宜設定することが可能となる。
本項に記載の油圧回路は、流量調整バルブによって選択的流通回路の作動油の流量を調整することで、直突式ダンプ用シリンダとの接続時における、荷台の降下速度を適宜設定することが可能となる。
本発明はこのように構成したので、リンク式ダンプ用シリンダの駆動と、直突式ダンプ用シリンダの駆動とで、油圧配管を共用することが可能となり、ダンプトレーラ用トラクタの汎用性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。本説明において、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1、図2に示された、本発明の実施の形態に係る油圧回路42は、リンク式ダンプトレーラ10及び直突式ダンプトレーラ20の、双方のダンプアップ用油圧シリンダ12、22に対し、作動油を供給するための油圧回路であり、トラクタ18に搭載されている。
具体的には、油圧回路42は、油圧ポンプ44と、作動油タンク46とを備え、油圧ポンプ44には、先端部に3/4インチ径のセルフシール型カプラ34のオスカプラ34Mが設けられたホースを備えるメイン回路48が接続されている。又、作動油タンク46には、先端部に1インチ径のセルフシール型カプラ36のオスカプラ36Mが設けられたホースを備える、サブ回路50が接続されている。そして、(第1の)リリーフバルブ52を介してメイン回路48及びサブ回路50を連通する(第1の)リリーフ回路54が設けられている。なお、サブ回路50は、一般的には、リンク式ダンプトレーラ10との接続時には低圧回路と称され、直突式ダンプトレーラ20との接続時にはリターン回路と称されるものであるが、本発明の実施の形態に係るサブ回路50は、選択的に何れの回路としても機能するものである。
図1、図2に示された、本発明の実施の形態に係る油圧回路42は、リンク式ダンプトレーラ10及び直突式ダンプトレーラ20の、双方のダンプアップ用油圧シリンダ12、22に対し、作動油を供給するための油圧回路であり、トラクタ18に搭載されている。
具体的には、油圧回路42は、油圧ポンプ44と、作動油タンク46とを備え、油圧ポンプ44には、先端部に3/4インチ径のセルフシール型カプラ34のオスカプラ34Mが設けられたホースを備えるメイン回路48が接続されている。又、作動油タンク46には、先端部に1インチ径のセルフシール型カプラ36のオスカプラ36Mが設けられたホースを備える、サブ回路50が接続されている。そして、(第1の)リリーフバルブ52を介してメイン回路48及びサブ回路50を連通する(第1の)リリーフ回路54が設けられている。なお、サブ回路50は、一般的には、リンク式ダンプトレーラ10との接続時には低圧回路と称され、直突式ダンプトレーラ20との接続時にはリターン回路と称されるものであるが、本発明の実施の形態に係るサブ回路50は、選択的に何れの回路としても機能するものである。
更に、メイン回路48との連通の有無を選択する切替えバルブ56を介して、メイン回路48先端のオスカプラ34Mとリリーフ回路54との間から分岐する選択的流通回路58が設けられている。選択的流通回路58先端部には、サブ回路50の先端部に設けられた1インチ径のセルフシール型カプラ36のオスカプラ36Mと連結する、メスカプラ36Fが設けられている。なお、選択的流通回路58には、流量調整バルブ60が設けられている。
又、第1のリリーフ回路54の第1のリリーフバルブ52よりもリリーフ圧が低く設定された、第2のリリーフバルブ62を介して、メイン回路48及び選択的流通回路58を連通する第2のリリーフ回路64が設けられている。
又、第1のリリーフ回路54の第1のリリーフバルブ52よりもリリーフ圧が低く設定された、第2のリリーフバルブ62を介して、メイン回路48及び選択的流通回路58を連通する第2のリリーフ回路64が設けられている。
本発明の実施の形態に係る油圧回路42は、高圧配管30及び低圧配管32を備えるリンク式ダンプ用シリンダ12との連結時には、図1に実線で示されるように、メイン回路48の先端部に設けられた3/4インチ径のセルフシール型カプラ34のオスカプラ34Mが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結され、サブ回路50の先端部に設けられた1インチ径のセルフシール型カプラ36のオスカプラ36Mが、低圧配管32のメスカプラ36Fに連結されるようにして用いられる。このときの回路図は、図2(a)に示されるように、選択的流通回路58の先端部が、何れの回路とも連結されない状態となる。
一方、高圧配管30のみ備える直突式ダンプ用シリンダ22との接続時には、図1に二点差線で示されるように、メイン回路48の先端部に設けられた3/4インチ径のセルフシール型カプラ34のオスカプラ34Fが、高圧配管30のメスカプラ34Fに連結されると共に、サブ回路50の先端部に設けられた1インチ径のセルフシール型カプラ36のオスカプラ36Mについては、選択的流通回路58の先端部に設けられたメスカプラ36Fに連結されるようにして用いられる。このときの回路図が、図2(a)に示されている。
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。まず、リンク式ダンプ用シリンダ12との連結時には、メイン回路48の先端部に設けられた第1形状のセルフシール型カプラ34のカプラ34Mが、高圧配管30に連結され、サブ回路50の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラ36のカプラ36Mが、低圧配管32に連結されることで、メイン回路48及びサブ回路50の先端部の、各セルフシール型カプラ34(34F、34M、36F、36M)の、セルフシールバルブが自動開放される。このとき、選択的流通回路58は何れの回路とも連結されず、その先端部に設けられたカプラ36Fのセルフシールバルブは閉じた状態に維持される。よって、選択的流通回路58は非連通状態となり、選択的流通回路58の先端部からの作動油の漏れは生じない。又、選択的流通回路58の切替えバルブ56を閉じ、メイン回路48から選択的流通回路58への作動油の流入が止められることにより、選択的流通回路58の先端部に設けられたカプラ36Fの、セルフシールバルブに加わる油圧の負荷が軽減され、カプラ36Fの接続作業が容易となる。
そして、荷台16(図4、図5)のダンプアップ時、すなわちリンク式ダンプ用シリンダ12の伸張作動時には、油圧ポンプ44からメイン回路48を通じて延び動作側の油室26へと作動油が供給され、縮み動作側の油室28内の作動油が、サブ回路50を通じて作動油タンク46へと戻されることで、リンク式ダンプ用シリンダ12のピストン24が上昇する。又、荷台16の降下時、すなわちリンク式ダンプ用シリンダ12の縮小作動時には、荷台16の自重を受けてピストン24が下降することで、延び動作側の油室26の作動油がメイン回路48及びポンプ44を通じて作動油タンク42へと戻され、この際負圧となる縮み動作側の油室28へは、サブ回路50を通じて作動油タンク46から作動油が流入する。
一方、直突式ダンプ用シリンダ22との接続時には、メイン回路48の先端部に設けられた第1形状のセルフシール型カプラ34(オスカプラ34M)が、高圧配管30に連結されると共に、サブ回路50の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラ36(オスカプラ36M)については、選択的流通回路58の先端部に設けられたカプラ36(メスカプラ36F)に連結されることで、メイン回路48、サブ回路50及び選択的流通回路58の、各セルフシール型カプラ34、36(34F、34M、36F、36M)の、セルフシールバルブが自動開放される。
そして、直突式ダンプ用シリンダ22の伸張作動時には、選択的流通回路58の切替えバルブ56を閉じることで、メイン回路48から選択的流通回路58への作動油の流入を止めた状態とすることにより、油圧ポンプ44からメイン回路48及び高圧配管30を通じて、油室40へと作動油が供給され、多段のスリーブ38が伸張する。又、直突式ダンプ用シリンダ22の縮小作動時には、選択的流通回路58の切替えバルブ56を開放し、メイン回路48から選択的流通回路58への作動油の流入を可能とすることで、荷台16の自重を受けて多段のスリーブ38が縮み、油室40の作動油が、選択的流通回路58及びサブ回路60を通じて作動油タンク46へと戻される。
又、リンク式ダンプ用シリンダ12との接続時(図2(a))、直突式ダンプ用シリンダとの接続時(図2(b))のいずれの場合も、伸張作動の際にメイン回路48の油圧が規定値を超えるような異常運転状態となった場合には、リリーフバルブ52が開放されることで、作動油はリリーフ回路54、サブ回路50を通じて、作動油タンク46へと戻される。
なお、作動油タンク42の、リンク式ダンプ用シリンダ12との連結時には、図2(a)に示されるように、選択的流通回路58の先端部は何れの回路とも連結されず、選択的流通回路58は何れの回路とも連結されず、その先端部に設けられたセルフシール型カプラ36(メスカプラ36F)のセルフシールバルブは閉じた状態に維持され、なおかつ、選択的流通回路58の切替えバルブ56を閉じ、メイン回路48から選択的流通回路58への作動油の流入が止められる。従って、メイン回路48と選択的流通回路58を連通する第2のリリーフ回路64は実質的に無効となり、第1のリリーフ回路54の第1のリリーフバルブ52のみ機能し得る状態にある。
一方、直突式ダンプ用シリンダ22との接続時には、サブ回路50の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラ36(オスカプラ36M)と、選択的流通回路58の先端部に設けられたカプラ36(メスカプラ36F)とが連結することにより、メイン回路48は、第2のリリーフ回路64を介して、サブ回路50へと連通された状態となる。従って、メイン回路48から第2のリリーフ回路64へと作動油が流入し、第2のリリーフバルブ62に作動油の圧力が作用することで、第2のリリーフバルブ62が機能し得る状態となる。
ここで、第2のリリーフバルブ62のリリーフ圧は、第1のリリーフバルブ52のリリーフ圧よりも低く設定されていることから、比較的動作設定圧の低いシリンダ(本発明の実施の形態では、直突式ダンプ用シリンダ22)の伸張作動の際に、メイン回路48の油圧が必要以上に上昇するような場合には、必ず第2のリリーフバルブ62が開放され、作動油は第2のリリーフ回路64、選択的流通回路58及びサブ回路50を通じて、作動油タンク46へと戻されることとなる。すなわち、油圧回路42は、比較的動作設定圧の低いシリンダとの接続時(図2(b))の方が、比較的動作設定圧の高いシリンダ(本発明の実施の形態では、リンク式ダンプ用シリンダ12)との連結時(図2(a))よりも、比較的低圧でリリーフ回路(第2のリリーフ回路64)が機能するものである。このリリーフ圧力は、リンク式ダンプ用シリンダ12と、直突式ダンプ用シリンダ22とで、作動圧力が異なる場合に対応したものである。
なお、選択的流通回路58に設けられた流量調整バルブ60によって、選択的流通回路58の作動油の流量を調整することで、直突式ダンプ用シリンダ22との接続時における、荷台の降下速度を適宜設定することが可能となる。
図3には、油圧回路を必要最小限の構成に簡略化した応用例が示されている。ここで、図3の油圧回路66の、図1、図2に係る油圧回路42との相違は、第2のリリーフバルブ62及び第2のリリーフ回路64が、油圧回路42から除かれた点にある。かかる応用例は、リンク式ダンプ用シリンダ12の作動圧力が、直突式ダンプ用シリンダ22の作動圧力と同じく設定された場合等に有効である。
以上のごとく、本発明の実施の形態に係る油圧回路42は、ダンプトレーラ10、20のダンプアップ用油圧シリンダ12、22に対し作動油を供給するための、トラクタに搭載された油圧回路であって、回路の一部(サブ回路50及び選択的流通回路58)を適宜つなぎ換えることによって、作動油の供給を受けるための油圧配管の構成が異なるダンプアップ用油圧シリンダ12、22の各々に対し、最適な作動油流量を確保しつつ、誤操作を確実に防ぎ、しかも低コストで、共通の油圧配管を用いて作動油を供給することが可能となる。
10:リンク式ダンプトレーラ、12:リンク式ダンプ用シリンダ、20:直突式ダンプトレーラ、22:直突式ダンプ用シリンダ、34:第1形状のセルフシール型カプラ、 34F、36F:メスカプラ、 34M、36M:オスカプラ、36:第2形状のセルフシール型カプラ、 42、66:油圧回路、44:油圧ポンプ、46:作動油タンク、48:メイン回路、50:サブ回路、52:第1のリリーフバルブ、
54:第1のリリーフ回路、56:切替えバルブ、58:選択的流通回路、60:流量調整バルブ、62:第2のリリーフバルブ、64:第2のリリーフ回路
54:第1のリリーフ回路、56:切替えバルブ、58:選択的流通回路、60:流量調整バルブ、62:第2のリリーフバルブ、64:第2のリリーフ回路
Claims (3)
- ダンプトレーラのダンプアップ用油圧シリンダに対し作動油を供給するための、トラクタに搭載された油圧回路であって、
油圧ポンプと、作動油タンクと、
前記油圧ポンプに接続され先端部に第1形状のセルフシール型カプラが設けられたホースを備えるメイン回路と、
前記作動油タンクに接続され先端部に第2形状のセルフシール型カプラが設けられたホースを備えるサブ回路と、
リリーフバルブを介して前記メイン回路及び前記サブ回路を連通するリリーフ回路と、
前記メイン回路との連通の有無を選択する切替えバルブを介して、前記メイン回路の前記カプラと前記リリーフ回路との間から分岐し、先端部に、前記サブ回路の先端部に設けられた第2形状のセルフシール型カプラと連結するカプラが設けられた選択的流通回路とを備えることを特徴とする油圧回路。 - 前記リリーフ回路のリリーフバルブよりもリリーフ圧が低く設定された第2のリリーフバルブを介して、前記メイン回路及び前記選択的流通回路を連通する第2のリリーフ回路を備えることを特徴とする請求項1記載の油圧回路。
- 前記選択的流通回路には、流量調整バルブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の油圧回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007129270A JP2008284898A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | 油圧回路 |
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JP (1) | JP2008284898A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011189755A (ja) * | 2010-03-11 | 2011-09-29 | Nissho Unyu Kk | 運搬用車両 |
-
2007
- 2007-05-15 JP JP2007129270A patent/JP2008284898A/ja active Pending
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