JP4670991B2 - 放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置 - Google Patents
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Description
この発明は、シンチレータ、ライトガイド、光電子増倍管の順に光学的に結合された放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置に関する。
この種の放射線検出器は、被検体に投与されて関心部位に局在した放射性薬剤から放出された放射線(例えばγ線)を検出し、被検体の関心部位における放射性薬剤分布の断層画像を得るための断層撮影装置(ECT: Emission Computed Tomography)に使用される。ECTには、主なものとして、PET(Positoron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置などが挙げられる。
PET装置を例にとって説明する。上述の放射線検出器を備えたPET装置で検査を行うには、まず、被検体に陽電子放出核種で標識した放射性薬剤が注射投薬される。この陽電子放出核種は、被検体内でβ+崩壊し、陽電子を発生させる。この陽電子は、直ちに被検体内の電子に衝突し、消滅するが、そのとき、互いに正反対の方向に進む一対のγ線(消滅γ線対)が生じる。PET装置は、この消滅γ線対を検出器リングで同時計数することで被検体内の放射性薬剤分布を示すPET断層画像を得る。
このようなPET装置の検出器リングに配備される放射線検出器には、分解能を高めるため、放射線検出器に設けられたシンチレータの深さ方向の位置弁別が可能な構成となっているものがしばしば搭載される。特に、このような放射線検出器は、例えば小動物用に設定されたPET装置に用いられる。図15は、従来の放射線検出器の構成を説明する斜視図である。このような放射線検出器50は、直方体のシンチレータ結晶51が2次元的に集積されて形成されたシンチレータ結晶層52A,52B,52C,52Dと、各シンチレータ結晶層52A,52B,52C,52Dから照射される蛍光を検知する位置弁別機能を備えた光電子増倍管(PMT)53とからなる。なお、シンチレータ結晶層52A,52B,52C,52Dの各々は、z方向に積層されており、入射した放射線を蛍光に変換するシンチレータ52を構成する。
このようにシンチレータ結晶層を4層設けるのは、シンチレータ52の深さ方向(z方向)の位置弁別をより正確に行うためである。シンチレータ結晶層を多段に設けると、γ線の入射位置をシンチレータ結晶層でz方向に区別できるので、γ線の入射位置の弁別能がより強化されることになる(たとえば、特許文献1参照)。
また、各々のシンチレータ結晶層52A,52B,52C,52Dには、複数枚の反射板54が設けられている。この反射板54は、各々のシンチレータ結晶層52A,52B,52C,52Dを構成するシンチレータ結晶51に挟まれるように配置され、シンチレータ結晶から生じた蛍光を反射する。なお、この反射板54は、シンチレータ結晶51の各々を全方向から囲んでいるわけではなく、シンチレータ結晶51の隣り合う2面に設けられている(たとえば、特許文献1参照)。このようにすることで、シンチレータ結晶層の深さ方向の位置弁別ができるようになっている。
特開2004−279057号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例には、以下のような問題がある。すなわち、従来の放射線検出器を構成するシンチレータには、多くのシンチレータ結晶が配備されているので、シンチレータの製造コストを抑制することが困難である。小動物用の放射線検出器を構成するシンチレータは、放射線の空間分解能を向上させるため、1層のシンチレータ結晶層を構成するシンチレータ結晶は、特に多いものとなる。つまり、従来の構成では、蛍光がシンチレータ結晶層のいずれかで発したものであるかを特定することでシンチレータの深さ方向の弁別が行われる。したがって、シンチレータの深さ方向について弁別可能な領域には、シンチレータ結晶層が設けられていることになる。たとえば、シンチレータの深さ方向について弁別可能な領域を4つ設けようとしたとき、シンチレータ結晶層はシンチレータに4層設けられる。シンチレータ結晶層は、シンチレータ結晶がx方向に32個、y方向に32個配列されて構成されるので、それだけで4,096個ものシンチレータ結晶が必要となる。シンチレータ結晶の各々を精度良く形成することは、困難であるうえ、シンチレータの組み立て作業も煩雑なものなる。さらに、放射線検出器を構成する部品が多いものであると、放射線検出器の製造時の歩留りが低下する原因となる。
以上の理由から、放射線検出器の空間分解能や検出感度をできるだけ低下させないで、シンチレータの構成をより単純なものとして、製造コストを抑制したいという要請が生じる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放射線検出器を構成するシンチレータ結晶の個数を抑制しつつも、それに起因して、空間分解能、および検出感度が極力低下しない放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置を提供することにある。
この発明は、このような目的を達成するために次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る放射線検出器は、放射線源から放射された放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータと、シンチレータからの蛍光を検知する蛍光検出手段とを備えた放射線検出器において、第1方向に沿って伸びるとともに第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1反射板と、第2方向に沿って伸びるとともに第1方向に配列された複数の第2反射板とが格子状に配列して形成された第1反射板枠体と、第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第2反射板枠体とを備え、第1反射板枠体と第2反射板枠体は第1方向、および第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、第1反射板枠体、および第2反射板枠体を第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が第1方向、および第2方向に配置されて第1シンチレータ結晶層が構成され、第1シンチレータ結晶層における第1反射板枠体が設けられた位置と、第1シンチレータ結晶層における第2反射板枠体が設けられた位置が互いに異なっていることを特徴とするものである。
すなわち、この発明に係る放射線検出器は、放射線源から放射された放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータと、シンチレータからの蛍光を検知する蛍光検出手段とを備えた放射線検出器において、第1方向に沿って伸びるとともに第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1反射板と、第2方向に沿って伸びるとともに第1方向に配列された複数の第2反射板とが格子状に配列して形成された第1反射板枠体と、第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第2反射板枠体とを備え、第1反射板枠体と第2反射板枠体は第1方向、および第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、第1反射板枠体、および第2反射板枠体を第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が第1方向、および第2方向に配置されて第1シンチレータ結晶層が構成され、第1シンチレータ結晶層における第1反射板枠体が設けられた位置と、第1シンチレータ結晶層における第2反射板枠体が設けられた位置が互いに異なっていることを特徴とするものである。
上記した発明によれば、空間分解能、および検出感度を低下させずして、製造コストが大幅に抑制された放射線検出器が提供できる。すなわち、本発明に係るシンチレータに設けられた反射板の構造が、単一のシンチレータ結晶層において蛍光の深さ方向の弁別が可能となるように工夫されている。より具体的には、シンチレータ結晶層の上部領域には、第1反射板枠体が、シンチレータ結晶層の下部領域には第2反射板枠体とが設けられており、シンチレータ結晶層における挿入位置が第1反射板枠体と第2反射板枠体とで異なっている。これにより、シンチレータ結晶層の上部領域において発生した蛍光と、下部領域において発生した蛍光とで、光の広がる方向に違いが現れる。これを利用すれば、シンチレータ結晶層の上部領域と下部領域について、蛍光の発生位置の弁別が可能となる。つまり、本発明の構成によれば、シンチレータ結晶層1層当たりのシンチレータ深さ方向の位置弁別能がより強化されている。したがって、従来例のように、シンチレータ結晶層を多重に設ける必要はない。具体的にいえば、本発明における1層のシンチレータ結晶層で従来の2層分の機能を果たすので、性能は保たれたまま、シンチレータ結晶層の層数が少ない、すなわちシンチレータ結晶の数量が少ない放射線検出器が提供できる。
また、本発明の構成によれば、時間分解能の高い放射線検出器が提供できる。シンチレータの有するシンチレータ結晶層の層数が多いほど、放射線検出器の時間分解能は低下する。シンチレータ結晶層が増加するに伴って、蛍光が蛍光検出手段に入射するまでにたどる経路が複雑となるため、蛍光の検出に時間的な幅が生じるからである。だからといって、シンチレータ結晶層の層数を減少させてしまうと、シンチレータの高さ方向の情報が得られず、空間分解能が低下する。本発明によれば、この様な技術常識に反して、シンチレータにおける高さ方向の位置情報を得つつ、シンチレータ結晶層の層数を減少させる構成となっている。したがって、本発明の構成によれば、放射線検出器の有する空間分解能を維持した状態で、時間分解能の高い放射線検出器が得られる。
また、上述の放射線検出器のシンチレータは、第1シンチレータ結晶層と蛍光検出手段との介在する位置に複数のシンチレータ結晶からなる第2シンチレータ結晶層を更に有し、第2シンチレータ結晶層は、第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第3反射板枠体と、第3反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第4反射板枠体とを備え、第3反射板枠体と第4反射板枠体は第1方向、および第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、第3反射板枠体、および第4反射板枠体を第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が第1方向、および第2方向に配置されて第2シンチレータ結晶層が構成され、第2シンチレータ結晶層における第3反射板枠体が設けられた位置と、第2シンチレータ結晶層における第4反射板枠が設けられた位置が互いに異なっていればより望ましい。
上記構成によれば、空間分解能、および検出感度を低下させずして、より一層製造コストが抑制された放射線検出器が提供できる。すなわち、この構成によれば、第1シンチレータ結晶層の上部領域と下部領域とで蛍光の位置弁別ができるばかりか、第2シンチレータ結晶層についても、その上部領域と下部領域とで蛍光の位置弁別ができる構成となっている。具体的にいえば、本発明における2層のシンチレータ結晶層で従来の4層分の機能を果たすので、性能は保たれたまま、シンチレータ結晶層の層数がより少ない、すなわちシンチレータ結晶の数量がより少ない放射線検出器が提供できる。
また、この発明に係る放射線検出器は、放射線源から放射された放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータと、シンチレータからの蛍光を検知する蛍光検出手段とを備えた放射線検出器において、第1方向に沿って伸びるとともに第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1反射板と、第2方向に沿って伸びるとともに第1方向に配列された複数の第2反射板とが格子状に配列して形成された第1反射板枠体と、第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第2反射板枠体、第3反射板枠体、および第4反射板枠体とを備え、第1反射板枠体、第2反射板枠体、第3反射板枠体、および第4反射板枠体とは第1方向、および第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、第1反射板枠体、第2反射板枠体、第3反射板枠体、および第4反射板枠体を第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が第1方向、および第2方向に配置されてシンチレータ結晶層が構成され、第1反射板枠体、第2反射板枠体、第3反射板枠体、および第4反射板枠体のシンチレータ結晶層における挿入位置は、互いに異なっている構成とすることもできる。
上記構成によれば、単一のシンチレータ結晶層を設けるだけで、空間分解能、時間分解能がともに高く、製造コストが大幅に抑制された放射線検出器が提供できる。
また、上述の第1シンチレータ結晶層において、第1反射板枠体、および第2反射板枠体の各々は複数の第1反射板と複数の第2反射板とによって構成され、第1反射板の各々と第2反射板の各々とには第3方向に沿った複数の溝が形成されており、第1反射板枠体、および第2反射板枠体の各々は第1反射板と第2反射板との各々に設けられた溝を嵌合させて形成されていればより望ましい。
また、上述の第2シンチレータ結晶層において、第3反射板枠体、および第4反射板枠体の各々は複数の第1反射板と複数の第2反射板とによって構成され、第1反射板の各々と第2反射板の各々とには第3方向に沿った複数の溝が形成されており、第3反射板枠体、および第4反射板枠体の各々は第1反射板と第2反射板との各々に設けられた溝を嵌合させて形成されていればより望ましい。
上記構成によれば、より容易に高品質のシンチレータを備えた放射線検出器が提供できる。本発明において、シンチレータ結晶層には2つの反射板枠体が配備される。したがって、シンチレータ結晶層の1層当たりに配置される反射板の枚数はより多いものとなる。しかし、たとえそうであっても、上記構成のように、第1反射板と第2反射板との各々に設けられた溝を嵌合させて各反射板枠体を構成するようにすれば、反射板枠体の各々をより容易に構成できる。しかも、第1反射板と第2反射板が互いに支持し合って、反射板枠体の各々が一体的なものとなっているので、シンチレータの製造がより容易になる。さらに、反射板枠体がシンチレータ結晶の各々を支持するので、より品質が一定なシンチレータが製造できる。
また、上述のシンチレータを構成するシンチレータ結晶の各々を囲むように蛍光を透過する透過材が設けられていればより望ましい。
上記構成によれば、より蛍光の発生位置の弁別に適したシンチレータを備えた放射線検出器が提供できる。上記構成は、互いに隣接するシンチレータ結晶の間には、反射板と透過材のどちらかが設けられている構成となっている。このようにすれば、シンチレータ結晶がシンチレータ結晶層の広がり方向について互いに光学的に結合された構成とすることができる。このように構成することで、隣接するシンチレータ結晶を跨いで進行する蛍光を極力弱めることなく蛍光検出手段に導入することができるので、検出感度、および分解能がより向上した放射線検出器が提供できる。
また、上述のシンチレータに設けられた反射板枠体が有する反射板格子よって分割された区画の各々には4個のシンチレータ結晶が挿入されていればより望ましい。
上記構成によれば、シンチレータの内部で発生した蛍光の位置弁別をより確実に行うことができる。具体的には、シンチレータ結晶の各々に反射板を適切な枚数設けることができるので、シンチレータ結晶を取り囲む反射板の枚数と反射板が挿入される位置は、各反射板格子の延在する領域で比較すれば、互いに異なるものとすることができる。つまり、シンチレータ結晶の有する面のうち反射板に囲まれる面が各反射板格子の延在する領域で異なったものとすることができるので、各領域から出射した蛍光がPMTに入射するときに、蛍光の強度分布は、互いに異なったものとなる。このようにすれば、シンチレータの深さ方向に関する位置弁別がより正確なものとなるので、空間分解能が高い放射線検出器が提供できる。
また、本発明に係る断層撮影装置は、上述の放射線検出器がリング状に配列され放射線検出データを生成する検出器リングと、放射線検出データの同時計数を行う同時計数手段と、検出器リングにおける蛍光が発生した位置を弁別する蛍光発生位置弁別手段と、蛍光発生位置弁別手段から送出された解析データを受信し被検体の断層画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、空間分解能、および検出感度を低下させずして、製造コストが大幅に抑制された断層撮影装置が提供できる。この発明に係るシンチレータを構成するシンチレータ結晶の数量はより少ないものとなっているが、それに伴って空間分解能、および検出感度はともに低下したものとはならない。断層撮影装置を構成するシンチレータ結晶の数が少ないことからすると、断層撮影装置を安価に提供できることになる。
また、放射線検出器の時間分解能が高いことにより、断層撮影装置の空間分解能が向上する。上記構成における放射線検出器は、時間分解能が従来と比べて改善されているので、これを配備した上記構成の断層撮影装置は、診断に好適となっている鮮明な断層画像を出力することができる。
この発明に係る放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置によれば、空間分解能、および検出感度を低下させずして、製造コストが大幅に抑制された構成を提供できる。本発明に係るシンチレータに設けられた反射板の構造が、単一のシンチレータ結晶層において蛍光の深さ方向の弁別が可能となるように工夫されている。より具体的には、シンチレータ結晶層の上部領域には、第1反射板枠体が、シンチレータ結晶層の下部領域には第2反射板枠体とが設けられており、シンチレータ結晶層における挿入位置が第1反射板枠体と第2反射板枠体とで異なっている。これにより、シンチレータ結晶層の上部領域において発生した蛍光と、下部領域において発生した蛍光とで、光の広がる方向に違いが現れる。これを利用すれば、シンチレータ結晶層の上部領域と下部領域について、蛍光の発生位置の弁別が可能となる。シンチレータを上述のように構成することで、シンチレータを構成するシンチレータ結晶の個数を抑制することができる。したがって、空間分解能、および検出感度を低下させずして、より一層製造コストが抑制された放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置が提供できる。
1 放射線検出器
2 シンチレータ
2A 第1シンチレータ結晶層
2B 第2シンチレータ結晶層
3 PMT(蛍光検出手段)
5,6 溝
7 第1反射板枠体
8 第2反射板枠体
9 第3反射板枠体
10 第4反射板枠体
20 PET装置(断層撮影装置)
22 検出器リング
30 同時計数部(同時計数手段)
31 蛍光発生位置弁別部(蛍光発生位置弁別手段)
32 吸収補正部(吸収補正手段)
2 シンチレータ
2A 第1シンチレータ結晶層
2B 第2シンチレータ結晶層
3 PMT(蛍光検出手段)
5,6 溝
7 第1反射板枠体
8 第2反射板枠体
9 第3反射板枠体
10 第4反射板枠体
20 PET装置(断層撮影装置)
22 検出器リング
30 同時計数部(同時計数手段)
31 蛍光発生位置弁別部(蛍光発生位置弁別手段)
32 吸収補正部(吸収補正手段)
以下、本発明に係る放射線検出器、およびそれを備えた断層撮影装置の各実施例を図面に基づいて説明する。
まず、実施例1に係る放射線検出器の構成について説明する。図1は、実施例1に係る放射線検出器の斜視図である。
(1)放射線検出器の概略構成
図1に示すように、実施例1に係る放射線検出器1は、シンチレータ結晶層2A,シンチレータ結晶層2Bの順にシンチレータ結晶層の各々がz方向に積層されて形成されたシンチレータ2と、シンチレータ2の下面に設けられ、シンチレータ2から発する蛍光を検知する光電子増倍管(以下、PMTとよぶ)3と、シンチレータ2とPMT3との間に介在する位置に配置されたライトガイド4とを備える。このPMT3は、マルチアノードタイプであり、入射した蛍光のx,およびyについての位置を弁別することができる。ライトガイド4は、シンチレータ2で生じた蛍光をPMT3に導くために設けられている。したがって、ライトガイド4は、シンチレータ2とPMT3とに光学的に結合されている。
図1に示すように、実施例1に係る放射線検出器1は、シンチレータ結晶層2A,シンチレータ結晶層2Bの順にシンチレータ結晶層の各々がz方向に積層されて形成されたシンチレータ2と、シンチレータ2の下面に設けられ、シンチレータ2から発する蛍光を検知する光電子増倍管(以下、PMTとよぶ)3と、シンチレータ2とPMT3との間に介在する位置に配置されたライトガイド4とを備える。このPMT3は、マルチアノードタイプであり、入射した蛍光のx,およびyについての位置を弁別することができる。ライトガイド4は、シンチレータ2で生じた蛍光をPMT3に導くために設けられている。したがって、ライトガイド4は、シンチレータ2とPMT3とに光学的に結合されている。
(2)シンチレータの構成
シンチレータ2は、シンチレータ結晶層2A,2Bが積層されることにより、γ線の検出に適したシンチレータ結晶が三次元的に配列されて構成されている。すなわち、シンチレータ結晶の各々は、Ceが拡散したLu2(1−X)Y2XSiO5(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。また、シンチレータ結晶の各々は、シンチレータ結晶層に係らず、例えば、x方向の幅が1.45mm,y方向の幅が1.45mm,z方向の高さが9mmの直方体をしている。また、シンチレータ2の4側端面は、図示しない反射膜で被覆されている。したがって、シンチレータ結晶層の各々は、PMT3に向かう方向に積層されて構成されている。また、シンチレータ結晶層2Aは、シンチレータ2におけるγ線の入射面となっている。なお、シンチレータ結晶層2Aとシンチレータ結晶層2Bで発した蛍光は、PMT3によって弁別される。しかも、シンチレータ結晶層2Aの上部領域(以下第1領域とよぶ)eと、シンチレータ結晶層2Aの下部領域(以下第2領域とよぶ)fで発した蛍光についても、PMT3によって弁別される。さらに、シンチレータ結晶層2Bの上部領域(以下第3領域とよぶ)gと、シンチレータ結晶層2Bの下部領域(以下第4領域とよぶ)hで発した蛍光についてもPMT3によって弁別される。つまり、実施例1に係る放射線検出器1は、互いに弁別が可能な4つの領域、具体的には、第1領域e,第2領域f,第3領域g,および第4領域hを有する。なお、PMT3,およびγ線は、本発明における蛍光検出手段、および放射線に相当する。
シンチレータ2は、シンチレータ結晶層2A,2Bが積層されることにより、γ線の検出に適したシンチレータ結晶が三次元的に配列されて構成されている。すなわち、シンチレータ結晶の各々は、Ceが拡散したLu2(1−X)Y2XSiO5(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。また、シンチレータ結晶の各々は、シンチレータ結晶層に係らず、例えば、x方向の幅が1.45mm,y方向の幅が1.45mm,z方向の高さが9mmの直方体をしている。また、シンチレータ2の4側端面は、図示しない反射膜で被覆されている。したがって、シンチレータ結晶層の各々は、PMT3に向かう方向に積層されて構成されている。また、シンチレータ結晶層2Aは、シンチレータ2におけるγ線の入射面となっている。なお、シンチレータ結晶層2Aとシンチレータ結晶層2Bで発した蛍光は、PMT3によって弁別される。しかも、シンチレータ結晶層2Aの上部領域(以下第1領域とよぶ)eと、シンチレータ結晶層2Aの下部領域(以下第2領域とよぶ)fで発した蛍光についても、PMT3によって弁別される。さらに、シンチレータ結晶層2Bの上部領域(以下第3領域とよぶ)gと、シンチレータ結晶層2Bの下部領域(以下第4領域とよぶ)hで発した蛍光についてもPMT3によって弁別される。つまり、実施例1に係る放射線検出器1は、互いに弁別が可能な4つの領域、具体的には、第1領域e,第2領域f,第3領域g,および第4領域hを有する。なお、PMT3,およびγ線は、本発明における蛍光検出手段、および放射線に相当する。
シンチレータ結晶層2Aは、放射性線源から放射されるγ線の受光部となっており、ブロック状のシンチレータ結晶がシンチレータ結晶a(1,1)を基準としてx方向に32個、y方向に32個のマトリックス状に二次元配置された構成となっている。すなわち、シンチレータ結晶a(1,1)〜シンチレータ結晶a(1,32)がy方向に配列して、シンチレータ結晶アレイを形成し、このシンチレータ結晶アレイがx方向に32本配列してシンチレータ結晶層2Aが形成される。なお、シンチレータ結晶層2Aは、z方向に積層された後述の第1反射板枠体7,および第2反射板枠体8を有している。なお、x方向とy方向とz方向とは、互いに直交する。また、シンチレータ結晶層2Aを構成するシンチレータ結晶の各々は、第1反射板枠体7,および第2反射板枠体8をz方向に貫くように挿入されている。なお、シンチレータ結晶層2Aは、本発明における第1シンチレータ結晶層に相当する。また、x方向、y方向、z方向は、本発明における第1方向、第2方向、第3方向のそれぞれに相当する。
シンチレータ結晶層2Bについてもシンチレータ結晶がシンチレータ結晶b(1,1)を基準としてx方向に32個、y方向に32個のマトリックス状に二次元配置された構成となっている。なお、シンチレータ結晶層2A,2Bの各々において、透過材tが互いに隣接するシンチレータ結晶の間にも設けられている。したがって、シンチレータ結晶の各々は、透過材tに囲まれていることになる。この透過材tの厚さは、25μm程度である。なお、シンチレータ結晶層2Bは、z方向に積層された後述の第3反射板枠体9,および第4反射板枠体10を有している。なお、x方向とy方向とz方向とは、互いに直交する。また、シンチレータ結晶層2Bを構成するシンチレータ結晶の各々は、第3反射板枠体9,および第4反射板枠体10をz方向に貫くように挿入されている。また、シンチレータ結晶層2Bは、本発明における第2シンチレータ結晶層に相当する。
各々のシンチレータ結晶層2A,2Bは、光学的に結合され、各々の層間には、透過材tが設けられている。この透過材tは、シンチレータ結晶層で生じた蛍光を透過させPMT3に導くとともに、z方向について互いに隣接するシンチレータ結晶を接着している。この透過材tの材料としては、シリコン樹脂からなる熱硬化性樹脂が使用できる。
(3)反射板の構成
次に、反射板について説明する。シンチレータ結晶層2A,2Bの各々には、反射板s,rが設けられている。図1に示すように、互いに隣接するシンチレータ結晶の間に介在する位置には、例えばポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムで構成され、例えば厚さ125μmの第1反射板rと第2反射材sが設けられている。まず、第1反射板rについて説明する。図2は、実施例1に係るシンチレータをそのzx側端面から見たときの平面図である。図2の示すように、いずれの第1反射板rも、y方向、およびz方向に伸びた板状であり、シンチレータ結晶層2Aにおけるシンチレータ結晶の隙間にこの第1反射板rが挿入されている。しかも、そのz方向の高さは例えば4.5mmに設定されている。
次に、反射板について説明する。シンチレータ結晶層2A,2Bの各々には、反射板s,rが設けられている。図1に示すように、互いに隣接するシンチレータ結晶の間に介在する位置には、例えばポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムで構成され、例えば厚さ125μmの第1反射板rと第2反射材sが設けられている。まず、第1反射板rについて説明する。図2は、実施例1に係るシンチレータをそのzx側端面から見たときの平面図である。図2の示すように、いずれの第1反射板rも、y方向、およびz方向に伸びた板状であり、シンチレータ結晶層2Aにおけるシンチレータ結晶の隙間にこの第1反射板rが挿入されている。しかも、そのz方向の高さは例えば4.5mmに設定されている。
シンチレータ結晶層2Aに注目すれば、第1領域eには反射板rmが挿入され、第2領域fには反射板rnが挿入された構成となっている。また、第1反射板rm1,rn1は、x方向に配列された32個のシンチレータ結晶のうち、例えば、a(2,1)とa(3,1)との間に挿入される。この様に、第1反射板rm,rnの左隣は、x方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第1反射板rm,rnの右隣は、x方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。この第1反射板rm,rnの各々は、シンチレータ結晶層2Aにおいて15枚設けられる。
同様に、シンチレータ結晶層2Bに注目すれば、第3領域gには第1反射板rpが、第4領域hには第1反射板rqがシンチレータ結晶層2Bを構成するシンチレータ結晶の隙間に挿入されている。しかし、その挿入位置は、シンチレータ結晶層2Aとは異なるものとなっている。すなわち、第1反射板rp,rqの左隣は、x方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第1反射板rp,rqの右隣は、x方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。この第1反射板rp,rqの各々は、シンチレータ結晶層2Bにおいて16枚設けられる。なお、シンチレータ結晶層2Bは、本発明における第2シンチレータ結晶層に相当する。
次に、本各実施例に係るシンチレータの有するyz側の側端面について説明する。図3は、実施例1に係るシンチレータをそのyz側端面から見たときの平面図である。図3の示すように、いずれの第2反射板sも、x方向、およびz方向に伸びた板状であり、シンチレータ結晶層2Aにおけるシンチレータ結晶の隙間にこの第2反射板sが挿入されている。しかも、そのz方向の高さは例えば4.5mmに設定されている。
シンチレータ結晶層2Aに注目すれば、第1領域eには第2反射板smが挿入され、第2領域fには第2反射板snが挿入された構成となっている。また、第2反射板sm1は、y方向に配列された32個のシンチレータ結晶のうち、例えば、a(32,2)とa(32,3)との間に挿入される。この様に、第2反射板smの左隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板smの右隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。一方、第2反射板snは、シンチレータ結晶層において、第2反射板smとは異なる位置に挿入される。すなわち、第2反射板snの左隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板snの右隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。なお、この第2反射板smは、シンチレータ結晶層2Aにおいて15枚設けられ、第2反射板snは、シンチレータ結晶層2Aにおいて16枚設けられる。
同様に、シンチレータ結晶層2Bに注目すれば、第3領域gには第2反射板spが、第4領域hには第2反射板sqがシンチレータ結晶層2Bにおけるシンチレータ結晶の隙間に挿入されている。そして、その挿入位置は、シンチレータ結晶層2Aと同様なものとなっている。すなわち、第2反射板spの左隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板spの右隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。そして、第2反射板sqの左隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板sqの右隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。なお、この第2反射板spは、シンチレータ結晶層2Bにおいて15枚設けられ、第2反射板sqは、シンチレータ結晶層2Bにおいて16枚設けられる。
(4)反射板枠体の構成
次に、各シンチレータ結晶層に備えられた第1反射板rと第2反射板sの構成について説明する。図4,および図5は、実施例1に係る第1反射板と第2反射板とによって形成される反射板枠体の構造を説明する斜視図である。なお、例としてシンチレータ結晶層2Aの上部領域に設けられる第1反射板rmと第2反射板smの構成について説明するが、第1反射板rnと第2反射板sn,第1反射板rpと第2反射板sp,および第1反射板rqと第2反射板sqについての構成も同様なものとなっている。
次に、各シンチレータ結晶層に備えられた第1反射板rと第2反射板sの構成について説明する。図4,および図5は、実施例1に係る第1反射板と第2反射板とによって形成される反射板枠体の構造を説明する斜視図である。なお、例としてシンチレータ結晶層2Aの上部領域に設けられる第1反射板rmと第2反射板smの構成について説明するが、第1反射板rnと第2反射板sn,第1反射板rpと第2反射板sp,および第1反射板rqと第2反射板sqについての構成も同様なものとなっている。
図4に示すように第1反射板rmと第2反射板smとは互いに直交している。第1反射板rmにはz方向の下側に向かって伸びた溝5が形成され、第2反射板smはz方向の上側に向かって伸びた溝6が形成されている。この溝5と溝6が互いに嵌合することによって、図5に示すように、第1反射板rmと第2反射板smとが一体的となっており、格子状の第1反射板枠体7を形成する。また、この第1反射板枠体7が分割する区画の各々にはマトリックス状に配置された4つのシンチレータ結晶が挿入される。したがって、第1反射板枠体7は、シンチレータ結晶の各々を支持する構成となっている。
また、第1反射板rmに設けられる溝5の数は、シンチレータ結晶層2Aに配備される第2反射板smの枚数と同一となっている。また逆に、第2反射板smに設けられる溝6の数は、シンチレータ結晶層2Aに配備される第1反射板rmの枚数と同一となっている。また、溝5,溝6のz方向に延伸する長さは、溝5と溝6の長さの合計が両反射板rm,smのz方向の高さとなっている。好ましくは、溝5と溝6の長さが互いに両反射板rm,smのz方向の高さの半分となっている。
上述の第1反射板枠体7と同様に、第1反射板rnと第2反射板snとによって、第2反射板枠体8が形成される。また、第1反射板rpと第2反射板spとによって、第3反射板枠体9が形成され、第1反射板rqと第2反射板sqとによって第4反射板枠体10が形成される。なお、第1反射板枠体7は、シンチレータ結晶層2Aの第1領域eに配置され、第2反射板枠体8は、シンチレータ結晶層2Aの第2領域fに配置されている。また、第3反射板枠体9は、シンチレータ結晶層2Bの第3領域gに配置され、第4反射板枠体10は、シンチレータ結晶層2Bの第4領域hに配置されている。しかも、反射板枠体7,8,9,10のシンチレータ2における挿入位置は、シンチレータ2のxy平面から見たとき、互いにシンチレータ結晶一個分だけx,およびy方向にずれたものとなっている。図6は、実施例1に係る各反射板枠体をxy平面から見たときの平面図である。図中の(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれシンチレータ結晶層2Aの第1領域e,シンチレータ結晶層2Aの第2領域f,シンチレータ結晶層2Bの第3領域g,およびシンチレータ結晶層2Bの第4領域h(以下、適宜、「4領域」とよぶ)の構成を表している。第1領域eに配備される第1反射板枠体7を、シンチレータ結晶層を構成するシンチレータ結晶についてy方向に1個分ずらすと、ちょうど第2反射板枠体8が第2領域fに挿入される位置となる。また、第1領域eに配備される第1反射板枠体7を、シンチレータ結晶層を構成するシンチレータ結晶についてx方向に1個分ずらすと、ちょうど第3反射板枠体9が第3領域gに挿入される位置となる。同様に、第1領域eに配備される第1反射板枠体7を、シンチレータ結晶層を構成するシンチレータ結晶について、x,およびy方向に1個分ずつずらすと、ちょうど第4反射板枠体10が第4領域hに挿入される位置となる。なお、図6は、実施例1に係るシンチレータ2の一部を示している。
(5)蛍光の発生位置の弁別方法
次に実施例1に係る放射線検出器1のx,y,z方向における蛍光の発生位置の弁別方法について説明する。シンチレータ2に入射したγ線は、4領域のいずれかで蛍光に変換される。この蛍光は、ライトガイド4の方向に進み、ライトガイド4を介してPMT3に入射する。PMT3は、マルチアノードタイプであり、入射位置に応じて出力される検出信号の電圧が段階的に変化する構成となっている。こうして、蛍光がPMT3に入射したx,およびy方向の位置を弁別することができる。
次に実施例1に係る放射線検出器1のx,y,z方向における蛍光の発生位置の弁別方法について説明する。シンチレータ2に入射したγ線は、4領域のいずれかで蛍光に変換される。この蛍光は、ライトガイド4の方向に進み、ライトガイド4を介してPMT3に入射する。PMT3は、マルチアノードタイプであり、入射位置に応じて出力される検出信号の電圧が段階的に変化する構成となっている。こうして、蛍光がPMT3に入射したx,およびy方向の位置を弁別することができる。
次に、再び図6を参照しながら、放射線検出器1のz方向における蛍光の発生位置の弁別方法について説明する。図6に示すように、シンチレータ2の4領域において、第1反射板rと第2反射板sの挿入位置が互いに異なるものとなっている。図中の(a)、(b)、(c)、および(d)の間で(2,2)に位置するシンチレータ結晶a(2,2)、b(2,2)(図6中に斜線で示す)に注目すると、4領域における反射板r,sの挿入方向は、互いに異なったものとなっている。シンチレータ結晶で生じた蛍光は、x,およびy方向に広がりながらPMT3に到達するが、反射板r,sを設けることによって、その広がり方に方向性が付加される。しかも、x,yの位置が同一な4領域で発した蛍光の各々を比較すれば、それらが広がる方向は互いに異なったものとなっている。つまり、シンチレータ2のz方向における蛍光発生位置の違いは、蛍光のx,y方向の位置の違いに変換されることになる。PMT3は、このz方向の位置の違いに起因する蛍光のx,y方向のわずかなずれを検知し、そこから蛍光のz方向に関する発生位置が4領域の中のどの領域かを割り出すことができる。
以上のように、実施例1の構成によれば、空間分解能、および検出感度を極力低下させずして、製造コストが大幅に抑制された放射線検出器1が提供できる。すなわち、実施例1に係るシンチレータ2に設けられた反射板r,sの構造が、シンチレータ結晶層2A,2Bの各々において蛍光の深さ方向の弁別が可能となるように工夫されている。より具体的には、シンチレータ結晶層2Aの第1領域e,シンチレータ結晶層2Aの第2領域f,シンチレータ結晶層2Bの第3領域g,およびシンチレータ結晶層2Bの第4領域h(4領域)の各々には、第1反射板枠体7,第2反射板枠体8,第3反射板枠体9,および第4反射板枠体10とが設けられており、シンチレータ結晶層における挿入位置が各々の反射板枠体7,8,9,10において互いに異なっている。これにより、シンチレータにおける4領域において、光の広がる方向に違いが現れる。これを利用すれば、シンチレータ2の4領域について、蛍光の発生位置の弁別が可能となる。つまり、本発明の構成によれば、本発明における2層のシンチレータ結晶層で従来の4層分の機能を果たすので、性能は保たれたまま、シンチレータ結晶層の層数が少ない、すなわちシンチレータ結晶の数量が少ない放射線検出器が提供できる。
次に、実施例2に係る放射線検出器の構成について説明する。実施例2に係る放射線検出器40の概略構成について説明する。図7に示すように、実施例2に係る放射線検出器40は、実施例1に係る放射線検出器と同様の構成となっている。しかしながら、実施例2の放射線検出器に備えられたシンチレータ2は、特徴的なものとなっている。すなわち、シンチレータ2は、単一のシンチレータ結晶層2Cを備えるのみで、実施例1に係るシンチレータ2のように、二層のシンチレータ結晶層2A,2Bを備えた構成となってはいない。
シンチレータ結晶層2Cの構成について説明する。シンチレータ結晶層2Cは、図7に示すように、蛍光の発生位置が互いに位置の弁別が可能となっている第1領域e,第2領域f,第3領域g,第4領域hを有している。
シンチレータ結晶層2Cは、放射性線源から放射されるγ線の受光部となっており、ブロック状のシンチレータ結晶がシンチレータ結晶c(1,1)を基準としてx方向に32個、y方向に32個のマトリックス状に二次元配置された構成となっている。すなわち、シンチレータ結晶c(1,1)〜シンチレータ結晶c(1,32)がy方向に配列して、シンチレータ結晶アレイを形成し、このシンチレータ結晶アレイがx方向に32本配列してシンチレータ結晶層2Cが形成される。なお、シンチレータ結晶層2Cは、z方向に積層された後述の第1反射板枠体47,第2反射板枠体48,第3反射板枠体を49,および第4反射板枠体50とを有している。また、シンチレータ結晶層2Cを構成するシンチレータ結晶の各々は、第1反射板枠体47,第2反射板枠体48,第3反射板枠体49,第4反射板枠体50の各々をz方向に貫くように挿入されている。
図8は、実施例2に係るシンチレータをそのzx側端面から見たときの平面図である。図2の示すように、いずれの第1反射板rも、y方向、およびz方向に伸びた板状であり、シンチレータ結晶層2Aにおけるシンチレータ結晶の隙間にこの第1反射板rが挿入されている。しかも、そのz方向の高さは、例えば9mmに設定されている。
シンチレータ結晶層2Cにおける第1領域eには反射板rmが挿入され、第2領域fには反射板rnが挿入された構成となっている。また、第1反射板rm1,rn1は、x方向に配列された32個のシンチレータ結晶のうち、例えば、a(2,1)とa(3,1)との間に挿入される。この様に、第1反射板rm,rnの左隣は、x方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第1反射板rm,rnの右隣は、x方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。この第1反射板rm,rnの各々は、シンチレータ結晶層2Aにおいて15枚設けられる。
同様に、シンチレータ結晶層2Cにおける第3領域gには第1反射板rpが、第4領域hには第1反射板rqがシンチレータ結晶の隙間に挿入されている。しかし、その挿入位置は、第1領域e,第2領域fとは異なるものとなっている。すなわち、第1反射板rp,rqの左隣は、x方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第1反射板rp,rqの右隣は、x方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。この第1反射板rp,rqの各々は、シンチレータ結晶層2Bにおいて16枚設けられる。
次に、実施例2に係るシンチレータの有するyz側の側端面について説明する。図9は、実施例1に係るシンチレータをそのyz側端面から見たときの平面図である。図9の示すように、いずれの第2反射板sも、x方向、およびz方向に伸びた板状であり、シンチレータ結晶層2Cにおけるシンチレータ結晶の隙間にこの第2反射板sが挿入されている。しかも、そのz方向の高さは、例えば9mmに設定されている。
シンチレータ結晶層2Cにおける、第1領域eには第2反射板smが挿入され、第2領域fには第2反射板snが挿入された構成となっている。また、第2反射板sm1は、y方向に配列された32個のシンチレータ結晶のうち、例えば、a(32,2)とa(32,3)との間に挿入される。この様に、第2反射板smの左隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板smの右隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。一方、第2反射板snは、シンチレータ結晶層において、第2反射板smとは異なる位置に挿入される。すなわち、第2反射板snの左隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板snの右隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。なお、この第2反射板smは、シンチレータ結晶層2Aにおいて15枚設けられ、第2反射板snは、シンチレータ結晶層2Cにおいて16枚設けられる。
同様に、シンチレータ結晶層2Cにおける、第3領域gには第2反射板spが、第4領域hには第2反射板sqがシンチレータ結晶の隙間に挿入されている。そして、第3領域gにおける第2反射板枠体spは、第1領域eにおける第2反射板spの挿入位置と同一となっている。さらに、第4領域hにおける第2反射板枠体spは、第2領域fにおける第2反射板spの挿入位置と同一となっている。すなわち、第2反射板spの左隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板spの右隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置している。そして、第2反射板sqの左隣は、y方向について奇数番のシンチレータ結晶が位置し、第2反射板sqの右隣は、y方向について偶数番のシンチレータ結晶が位置している。なお、この第2反射板spは、シンチレータ結晶層2Bにおいて15枚設けられ、第2反射板sqは、シンチレータ結晶層2Cにおいて16枚設けられる。
実施例2に係る放射線検出器40における他の構成については、実施例1で説明した構成に準じている。
実施例1,実施例2の構成によれば、シンチレータ2から発した蛍光が速やかにPMT3にて検出されることになり、検出感度、および時間分解能が高い放射線検出器が提供できる。そこで、次に、この効果を明らかにする目的で、実施例1,実施例2における放射線検出器における蛍光の検出について説明する。
蛍光がシンチレータ2で発すると、PMT3がそれを検出する。従来構成に係る4層のシンチレータ結晶層を有するシンチレータ2においては、蛍光がPMT3に到達する速度にバラツキがある。PMT3にとって、最も距離が離れたシンチレータ結晶層であるシンチレータ結晶層52Aは、特に、蛍光が入射するバラツキが大きくなる(図15参照)。シンチレータ結晶層52Aで発した蛍光は、残りのシンチレータ結晶層52B,52C,52Dを通過しなければ、PMT3に到達することができない。その間に蛍光は、各シンチレータ結晶層を連結する透過材tを貫通する必要がある。シンチレータ結晶層の実効原子番号は、γ線を検出する目的で、極めて高いものとなっている。しかし、透過材tは、シンチレータ結晶同士を連結する必要があるので、接着性を有する必要がある。したがって透過材tは、粘着性の樹脂を選択することが普通である。したがって、透過材tの実効原子番号と、シンチレータ結晶層の実効原子番号とは、大きな隔たりがあり、その光学的性質は異なったものとなっている。したがって、透過材tとシンチレータ結晶層との屈折率を同一なものとするのは困難である。シンチレータ結晶層と透過材tとの屈折率が違えば、シンチレータ結晶層、および透過材tを貫通してPMT3に向かう蛍光の進行経路は、上述の反射の影響も相まって、複雑なものとなる。蛍光の進行経路が複雑となると、蛍光の一部は、反射をほとんど介せず、速やかにPMT3に到達する。しかし、蛍光の一部は、経路の複雑さゆえ、PMT3の到達が遅れる。つまり、反射、屈折の回数が多いほどシンチレータ2で発した蛍光は、時間的な広がりを持ってPMT3に入射する。
この様な時間的な広がりを持った蛍光は、時間分解能が低下した蛍光であるとも表現できる。時間分解能の低下を説明する目的で、時間分解能の指標となる半値全幅を導入する。この半値全幅について説明する。図10は、実施例2における半値全幅を説明する図である。放射線検出器40は、蛍光を経時的に広がりを持って検出されることになる。蛍光の時間強度分布関数は、蛍光強度Iと時間に関する関数であり、蛍光の時間的な広がりを表している。より具体的に、時間をPと、それに関する蛍光強度Iとして蛍光の空間強度分布関数を模式的に示すと、図10のようになる。つまり、蛍光は、時間Pについて所定の分布で広がったものとなっている。具体的には、時間pcにおいて蛍光強度Iは、極大のmaxであり、時間がpcから離れるに従って、蛍光強度Iは単調に減少したものとなっている。
半値全幅とは、蛍光を構成する蛍光強度Iの時間pについての広がりの指標である。具体的には、まず、蛍光の空間強度分布関数における蛍光強度Iの最大値maxの半値であるmax/2を求める。そして、蛍光の空間強度分布関数において、max/2に対応する2つの時点pa,時点pbを読み取って、時点pa,時点pbに挟まれた時間的な幅Hが半値全幅とされる。つまり、この半値全幅を求めることで、放射線検出器の時間分解能を比較できる。
次に、実施例1,実施例2の構成によって、PMT3が検出した蛍光が第1領域e,第2領域f,第3領域g,または第4領域hのいずれに由来するかを確実に弁別できる旨をしめす実験を行ったので、その結果を示す。具体的には、比較対照のため、従来構成に対応するものも含めて、互いに構成の異なるシンチレータを5種類用意し、それらが、シンチレータの位置弁別を行っていく様子を示すことにする。
第1の構成は、図11(a)に示すように、単一のシンチレータ結晶層に単一の反射板枠体を設けたものである。この反射板枠体を構成する反射板は、シンチレータ結晶層を構成する4側面の全てに設けられている。あるシンチレータ結晶で発生した蛍光は、隣接するシンチレータ結晶に向かうことなく、反射板によって反射され、そのままPMT3に向かう。したがって、この第1の構成によれば、蛍光がPMT3に向かうときの経路は最も単純なものとなっている。ただし、シンチレータ結晶のz方向の位置については弁別することができない。
第2の構成は、図11(b)に示すように、2つのシンチレータ結晶層の各々に反射板枠体を1つずつ設けた構成となっている。この構成は、シンチレータ結晶層と、反射板枠体とが1対1で対応しているので、従来構成に当たる。シンチレータには反射板枠体を2つ有することになる。この反射板枠体は、上段のシンチレータ結晶層においては、たとえば、図6(a)のようになっている。そして、下段のシンチレータ結晶層においては、たとえば、図6(b)のようになっている。つまり、反射板枠体の挿入の様式としては、それは、あたかも実施例1におけるシンチレータ結晶層2Aのものと同一となっている。ただし、反射板枠体を2つ有する実施例1のシンチレータ結晶層2Aとは異なり、シンチレータ結晶層と、反射板枠体とが1対1で対応する。この様な構成となっていることで、第2の構成によれば、蛍光の発生位置をz方向について弁別することができる。具体的には、蛍光の発生位置を上段のシンチレータ結晶層と下段のシンチレータ結晶層との間で弁別できる。
第3の構成は、4つのシンチレータ結晶層の各々に反射板枠体を1つずつ設けた構成となっている。この構成は、シンチレータ結晶層と、反射板枠体とが1対1で対応しているので、従来構成に当たる。シンチレータには反射板枠体を2つ有することになる。反射板枠体の挿入の様式としては、それは、あたかも実施例1におけるシンチレータ結晶層2A,およびシンチレータ結晶層2Bを合わせたものと同一となっている。ただし、反射板枠体を2つずつ有する実施例1におけるシンチレータ結晶層2A,2Bとは異なり、シンチレータ結晶層と、反射板枠体とが1対1で対応する。第3の構成によれば、蛍光の発生位置をシンチレータ結晶層の各段の間で弁別できる。この構成の概略は、図15のごとくである。
第4の構成は、実施例1に記載の構成で、2層のシンチレータ結晶層と、4つの反射板枠体を有する(図1参照)。そして、第5の構成は、実施例2に記載の構成で、1層のシンチレータ結晶層と、4つの反射板枠体を有する(図7参照)。そして、各構成におけるシンチレータのz方向の高さは、測定条件を一定にする目的で、統一されている。
各シンチレータの入射面に対して、22Na点線源からのγ線を照射し、このとき得られた蛍光の検出強度をマッピングすることにより、図12のような結果を得た。図12の(a)〜(e)は、PMT3が検出した蛍光の強度をマッピングしたものであり、シンチレータ結晶4つ分の領域を抜き出して表している。図12(a)は、図11(a)で説明した第1の構成に係る結果について示している。第1の構成によれば、各シンチレータ結晶が出力した蛍光は、4つの点となって現れている。つまり、各シンチレータ結晶が発した蛍光は、弁別されている。これを模式的に示せば、図12(f)のようになる。すなわち、4点全てが1層目のシンチレータ結晶層に由来するものである。
図12(b)は、図11(b)で説明した第2の構成に係る結果について示している。第2の構成によれば、各シンチレータ結晶が出力した蛍光は、8つの点となって現れている。つまり、シンチレータ結晶層の上段と、下段とで蛍光の広がりが互いにズレるので、蛍光の発生位置がシンチレータ結晶層の上段であるか、下段であるかが弁別することができるようなっている。これを模式的に示せば、図12(g)のようになる。すなわち、8点のうち、4点が1層目のシンチレータ結晶層に由来し、4点が2層目のシンチレータ結晶層に由来する。
図12(c)は、図15で示されている第3の構成に係る結果について示している。第3の構成によれば、各シンチレータ結晶が出力した蛍光は、16の点となって現れている。つまり、各シンチレータ結晶結晶層において、蛍光の広がりが互いにズレるので、蛍光の発生位置が、シンチレータ結晶の各段のいずれであるかが弁別できるようになっている。これを模式的に示せば、図12(h)のようになる。すなわち、16点のうち、4点が1層目のシンチレータ結晶層に由来し、4点が2層目のシンチレータ結晶層に由来する。そして、4点が3層目のシンチレータ結晶層に由来し、4点が4層目のシンチレータ結晶層に由来する。
そして、図12(d)は、図1で示されている第4の構成(実施例1の構成)に係る結果について示している。実施例1の構成によれば、互いに挿入位置が異なる4つの反射板枠体を有するので、蛍光が各領域e,f,g,hのいずれから生じたものであるか弁別することができるとすれば、図12(c)に示したように、16の点が現れているはずである。この点、図12(d)を参照すれば分かるように、16の点が現れている。つまり、第4の構成によれば、蛍光の発生位置が、4つに区分される各領域e,f,g,hのいずれであるかが弁別できるようになっている。
さらに、図12(e)は、図7で示されている第5の構成(実施例2の構成)に係る結果について示している。これについても、図12(c)と同様に、16の点が現れている。つまり、第5の構成によっても、蛍光の発生位置は、4つに区分される各領域e,f,g,hのいずれであるかが弁別できるようになっている。
図12を参照すれば分かるように、実施例1,実施例2の構成は、蛍光の発生位置について、4つに区分される各領域e,f,g,h(各領域については、図1,および図7参照。)のいずれであるかを弁別されることができる。
続いて、実施例1,実施例2で説明した放射線検出器を備えた断層撮影装置(以下、PET装置と呼ぶ)について説明する。図13は、実施例3に係るPET装置の構成を説明する機能ブロック図である。図13に示すように、実施例3に係るPET装置20は、ガントリ21とガントリ21の内部に設けられた検出器リング22と、検出器リング22の内面側に設けられたγ線ファンビームを照射する外部線源であるγ線点線源23と、これを駆動する外部線源駆動部24と、マウスなどの小動物(以下、被検体Mと呼ぶ)を載置する天板26を備えた寝台25と、天板26を摺動させる天板駆動部27とを備える。なお、外部線源駆動部24は、外部線源制御部28にしたがって制御され、天板駆動部27は、天板制御部29にしたがって制御される。また、PET装置20は、さらに被検体Mの断層画像を取得するための各部が更に設けられている。具体的には、PET装置20は、検出器リング22からのγ線の検出位置、検出強度、検出時間を表すγ線検出信号を受信し、消滅γ線対の同時計数を行う同時計数部30と、この同時計数部30にて消滅γ線対であると判断された2つのγ線検出データから検出器リング22におけるγ線の入射位置を弁別する蛍光発生位置弁別部31と、後述のトランスミッションデータを参照してγ線の吸収補正を行う吸収補正部32と、被検体MのPET画像を形成する画像形成部33とを備えている。
そして、さらに実施例3に係るPET装置20は、各制御部28,29を統括的に制御する主制御部34と、PET画像を表示する表示部35とを備えている。この主制御部34は、CPUによって構成されている。なお、このCPUは、各種のプログラムを実行することにより各制御部28,29および同時計数部30,蛍光発生位置弁別部31,吸収補正部32,および画像形成部33をも実現している。なお、同時計数部30,蛍光発生位置弁別部31,画像形成部33は、本発明における、同時計数手段、蛍光発生位置弁別手段、および画像形成手段のそれぞれに相当する。
図13を参照しながら、実施例3に係るPET装置の動作について説明する。実施例3に係るPET装置20で検査を行うには、まず、放射性薬剤を予め注射投与された被検体Mを天板26に載置させる。そして、天板26を摺動させ、被検体Mをガントリ21の内部に導入させた後、被検体Mの内部のγ線吸収分布を示すトランスミッションデータを取得する。つまり、γ線点線源23から被検体Mに向けてファン状のγ線ファンビームを照射する。このγ線ビームは、被検体Mと透過して検出器リング22によって検出されることになる。そして、γ線点線源23を検出器リング22の内周面に沿って回転させながら、この様な検出を被検体Mの全周に亘って行い、これを基に被検体Mの断面のγ線吸収マップを得る。そして、再度天板26を摺動させ、被検体Mの位置を順次変更させながら、その度ごとに上述のγ線吸収係数マップの取得を繰返す。こうして、被検体Mの全体のγ線吸収係数マップを得る。
上記のようなトランスミッションデータの取得に引き続いて、被検体Mに投与された放射線薬剤から放出される消滅γ線対を検出するエミッションデータの取得が行われる。それに先立って、このエミッションデータの取得に邪魔となったγ線点線源23を被検体Mの体軸方向に移動させ、図示しない線源遮蔽体に入庫させる。
続いて、エミッションデータの取得が行われる。つまり、被検体Mの内部から放出される進行方向が180°反対方向となっている消滅γ線対が検出器リング22によって検出される。検出器リング22によって検出されたγ線検出信号は、同時計数部30に送出され、2つのγ線光子を検出器リング22の互いに異なる位置で同時刻に検出した場合のみ1カウントとし後段のデータ処理が行われるようになっている。そして、天板26を摺動させ、被検体Mの位置を順次変更させながら、このようなエミッションデータの取得を続けることで、放射性薬剤の被検体Mの内部局在を画像化するのに十分なカウント数のエミッションデータを得る。最後に、天板26を再び摺動させ被検体Mをガントリ21内部から離反させて検査は終了となる。
次に、図13を参照しながら、実施例3に係るPET装置におけるデータ処理について説明する。検出器リング22から出力されるトランスミッション検出データTr,およびエミッション検出データEmは、蛍光発生位置弁別部31に送出され、どのシンチレータ結晶が感知したものであるか特定する。マルチアノード型のPMT3から送出された検出データは、PMT3が検知した蛍光強度分布情報を含んでいる。これを基に、蛍光発生位置弁別部31は蛍光の重心を求める。これによって、図1におけるx,y,z方向における蛍光位置の弁別がなされる。この操作に関しては、実施例1において説明済みである(図6を参照)。こうして、γ線の入射位置を含んだトランスミッション検出データ、およびエミッション検出データが形成され、これが、後段の吸収補正部32に送出される。なお、トランスミッション検出データTr,およびエミッション検出データEmは、本発明における放射線検出データに相当する。
吸収補正部32では、エミッション検出データEmに対して、前述のトランスミッション検出データTrを参照しながら、エミッション検出データEmに重畳した被検体Mのγ線吸収分布の影響を除く吸収補正が行われる。こうして、被検体M内の放射性薬剤分布をより正確に表した検出データは、画像形成部33に送出され、そこでPET画像が再構成される。最後に、それが表示部35で表示される。
上記構成によれば、空間分解能、および検出感度を低下させずして、製造コストが大幅に抑制されたPET装置20が提供できる。この実施例3に係るシンチレータ2を構成するシンチレータ結晶層2A,2Bの数量はより少ないものとなっているが、それに伴って空間分解能、および検出感度はともにほとんど低下したものとはならない。PET装置20を構成するシンチレータ結晶の数が少ないことからすると、PET装置20を安価に提供できることになる。
また、上記構成によれば、上述と別の理由で空間分解能が向上したPET装置20が提供できる。実施例1,実施例2に係る放射線検出器の時間分解能は、高いものであった。実は、PET装置20において、時間分解能が高い放射線検出器を用いると、空間分解能が高いものとなる。消滅γ線対は、互いに異なる二つの放射線検出器で検出される。つまり、2つの放射線検出器の時間分解能が低いと、消滅γ線対の同時検出に支障が生じるので、空間分解能が低下することになる。つまり、図14に示すように、消滅γ線対が二つの放射線検出器の中間地点Cで生じ、二つの放射線検出器で各々で検出されたものとする。理論上、2つの放射線検出器は、同時に消滅γ線を検出した旨を同時係数部30に送出するはずである。しかし、放射線検出器の時間分解能が低いと、これが同時と見なされなくなり、見かけ上、消滅γ線を早く検出した放射線検出器と、遅く検出した放射線検出器が生じる。すると、実際は、消滅γ線は、両放射線検出器の中間地点Cで生じたものであるのに、消滅γ線対は、早く検出した放射線検出器に近い領域Dにおいて生じたものと誤認されてしまう。この様な誤認に影響され、実際の消滅γ線の発生位置を特定することができず、空間分解能が低下するのである。このように、時間分解能と空間分解能には、密接的な関係がある。具体的には、放射線検出器の時間分解能が高いほど、PET装置20空間分解能は高くなる。実施例1,実施例2の放射線検出器は、時間分解能が改善された構成となっていることからすれば、実施例3に係るPET装置20の空間分解能は、高いものとなる。
最後に、本発明の放射線検出器の効果について、表を参照しながら強調する。表1は、PET装置20に配備される放射線検出器として、上述の構成1〜構成5を選択した場合のエネルギー分解能、時間分解能、弁別可能な領域数、および製造コストを比較したものである。
表中の各パラメータについて説明する。エネルギー分解能は、入射した放射線のエネルギー強度の識別能力の指標であり、この値が低いほど、放射線のエネルギーの高い識別性を表していることになる。時間分解能は、放射線が入射した時間の計測の精度を表したものである。この値が低いほど、PET装置20全体としての空間分解能が良好であることになる。弁別可能な領域数とは、各構成におけるz方向の蛍光の弁別の能力を表している。例えば、実施例1の構成である構成4においては、蛍光が各領域e,f,g,hのいずれかから発したか弁別できるようになっているので、弁別可能な領域数は、4である。これが高いほど、PET装置20としての空間分解能は高いことになる。製造コストは、PET装置20における1台当たりのコストである。
従来構成に係る構成3は、構成1および構成2よりも弁別可能な領域数は増加している。しかし、これに伴って、エネルギー分解能、時間分解能、製造コストは上昇してしまっている。装置構成が複雑となったという理由と、蛍光がPMT3に向かう時の経路が複雑となったという理由に由来する。
ところが、本発明に係る構成4,5によれば、エネルギー分解能、時間分解能、製造コストは、構成1,および構成2と同等であるにもかかわらず、弁別可能な領域数は増加している。すなわち、本発明によれば、製造コストが安価で、かつ、エネルギー分解能、時間分解能、製造コストがともに好適なPET装置20が製造できるのである。
この発明は、上記各実施例に限られることなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例における第1反射板枠体7ないし第4反射板枠体10は、符号の順にPMT3に向かって配列されていたが、その順番は特に限定されない。すなわち、シンチレータ2の4領域の各々が、各反射板枠体7,8,9,および10のいずれかに対応していればよい。
(2)上述した各実施例のいう放射線は、γ線に相当していたが、本発明は、例えばX線を検知する検出器に適応しても良い。
(3)上述した各実施例のいうシンチレータ結晶は、LYSOで構成されていたが、本発明においては、GSO(Gd2SiO5)などの他の材料を使用しても良い。本変形例によれば、より安価な放射線検出器、およびそれを備えたPET装置が提供できる。また、シンチレータ結晶層によってシンチレータ結晶の材料を違えた構成としても良い。
(4)上述した各実施例におけるシンチレータ2は、2層のシンチレータ結晶層を有していたが、本発明はこれに限らず、シンチレータ結晶層の総数を増加させた構成としても良い。例えば、4層のシンチレータ結晶層で構成することが考えられる。この場合、PMT3に近い側の2段は、例えばGSOで構成し、遠い側の2層は、例えばLYSOで構成しておく。GSOとLYSOとが有する蛍光減衰時定数は、互いに異なるので、4段のシンチレータ結晶層で構成しても、z方向における蛍光の位置弁別を行うことができる。なお、本変形例においては、8個の反射板枠体が備えられることになる。また、実施例2の構成を本変形例に当てはめるならば、GSOで構成されたシンチレータ結晶層と、LYSOで構成されたシンチレータ結晶層との2層を有するシンチレータ2とすることができる。また、GSOとLYSOとで、実施例1の構成と実施例2の構成とを切り替えて実施することで、3層のシンチレータ結晶層からなるシンチレータを構成してもよい。
(5)上述した各実施例のいう蛍光検出手段は、光電子増倍管で構成されていたが、本発明においては、光電子増倍管の代わりにフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードなどを用いても良い。
(6)上述した各実施例の構成は、PETに限定されない。例えば、SPECT装置に適応しても良い。また、PET−CTのように、γ線とX線の両方を測定に使う装置に対しても適応できる。また、実施例1の構成は、研究分野に限らず、工業用の非破壊検査装置にも適応できる。また、医療分野にも適応できる。
(7)実施例3の構成は、小動物用であったが、実施例3の有する検出器リングの設定は自由に変更できる。したがって、本発明は、より大口径のガントリを有するPET装置にも適応できる。
以上のように、本発明は、研究、工業、医療分野に使用される放射線検出器に適している。
Claims (8)
- 放射線源から放射された放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータと、前記シンチレータからの蛍光を検知する蛍光検出手段とを備えた放射線検出器において、
第1方向に沿って伸びるとともに前記第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1反射板と、前記第2方向に沿って伸びるとともに前記第1方向に配列された複数の第2反射板とが格子状に配列して形成された第1反射板枠体と、
前記第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第2反射板枠体とを備え、
前記第1反射板枠体と前記第2反射板枠体は前記第1方向、および前記第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、
前記第1反射板枠体、および前記第2反射板枠体を前記第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が前記第1方向、および前記第2方向に配置されて第1シンチレータ結晶層が構成され、
前記第1シンチレータ結晶層における第1反射板枠体が設けられた位置と、前記第1シンチレータ結晶層における第2反射板枠体が設けられた位置が互いに異なっていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項1に記載の放射線検出器において、
前記シンチレータは、前記第1シンチレータ結晶層と前記蛍光検出手段との介在する位置に複数のシンチレータ結晶からなる第2シンチレータ結晶層を更に有し、
前記第2シンチレータ結晶層は、前記第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第3反射板枠体と、
前記第3反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第4反射板枠体とを備え、
前記第3反射板枠体と前記第4反射板枠体は前記第1方向、および前記第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、
前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体を前記第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が前記第1方向、および前記第2方向に配置されて第2シンチレータ結晶層が構成され、
前記第2シンチレータ結晶層における第3反射板枠体が設けられた位置と、前記第2シンチレータ結晶層における第4反射板枠体が設けられた位置が互いに異なっていることを特徴とする放射線検出器。 - 放射線源から放射された放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータと、前記シンチレータからの蛍光を検知する蛍光検出手段とを備えた放射線検出器において、
第1方向に沿って伸びるとともに前記第1方向に直交する第2方向に配列された複数の第1反射板と、前記第2方向に沿って伸びるとともに前記第1方向に配列された複数の第2反射板とが格子状に配列して形成された第1反射板枠体と、
前記第1反射板枠体と同様に複数枚の反射板が格子状に配列して形成された第2反射板枠体、第3反射板枠体、および第4反射板枠体とを備え、
前記第1反射板枠体、前記第2反射板枠体、前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体とは前記第1方向、および前記第2方向に直交する第3方向に沿って積層され、
前記第1反射板枠体、前記第2反射板枠体、前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体を前記第3方向に貫くようにシンチレータ結晶の各々が挿入されることにより、複数のシンチレータ結晶が前記第1方向、および前記第2方向に配置されてシンチレータ結晶層が構成され、
前記第1反射板枠体、前記第2反射板枠体、前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体の前記シンチレータ結晶層における挿入位置は、互いに異なっていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項1または請求項3に記載の放射線検出器において、
前記第1反射板枠体、および前記第2反射板枠体の各々は複数の第1反射板と複数の第2反射板とによって構成され、
前記第1反射板の各々と前記第2反射板の各々とには前記第3方向に沿った複数の溝が形成されており、
前記第1反射板枠体、および前記第2反射板枠体の各々は前記第1反射板と前記第2反射板との各々に設けられた溝を嵌合させて形成されていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項2または請求項3に記載の放射線検出器において、
前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体の各々は複数の第1反射板と複数の第2反射板とによって構成され、
前記第1反射板の各々と前記第2反射板の各々とには前記第3方向に沿った複数の溝が形成されており、
前記第3反射板枠体、および前記第4反射板枠体の各々は前記第1反射板と前記第2反射板との各々に設けられた溝を嵌合させて形成されていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線検出器において、
前記シンチレータを構成するシンチレータ結晶の各々を囲むように前記蛍光を透過する透過材が設けられていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線検出器において、
前記シンチレータに設けられた反射板枠体が有する反射板格子よって分割された区画の各々には4個のシンチレータ結晶が挿入されていることを特徴とする放射線検出器。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線検出器がリング状に配列され放射線検出データを生成する検出器リングと、
前記放射線検出データの同時計数を行う同時計数手段と、
前記検出器リングにおける蛍光が発生した位置を弁別する蛍光発生位置弁別手段と、
前記蛍光発生位置弁別手段から送出された解析データを受信し被検体の断層画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする断層撮影装置。
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