JP4669811B2 - 光線制御用フィルム装置,光線制御装置,照明角度可変光源及びこれを備えた表示装置並びに端末装置 - Google Patents

光線制御用フィルム装置,光線制御装置,照明角度可変光源及びこれを備えた表示装置並びに端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、表示装置に関し、特に視認性角度範囲を可変できる表示装置に関する。
近年、各種情報を文字や画像で画面に表示する表示装置において、情報の秘密保護機能が求められている。例えば、ATMとして知られる金融端末などにおいて、個人の暗証番号を入力する際に、この暗証番号を他人から視認されないようにする機能や、携帯電話等において、着信情報を他人から視認されないようにする機能が求められている。さらに、PDAやノートPCなどにおいても、電車などの交通機関内で使用する際に同様の機能が求められている。
一方では、表示装置において、画面を複数の人数で眺めることができるような機能も求められている。例えば、携帯電話等でのテレビ表示などは、この例に該当する。また、ノートPCのデータ画面を複数人数で眺めたい場合もある。
このように、表示装置には相反する表示機能が求められており、これを満たすため、画面表示の切替機能を有する表示装置が考えられている。すなわち、秘匿性の高い情報を個人で視認する場合の狭視野表示モードと、公開性の高い情報を複数人数で閲覧できる広視野表示モードとを切り替えることが可能な表示装置が望まれている。
このような切替機能を有する表示装置として、特許文献1に挙げられるような表示装置が開示されている。これについて、図14を用いて説明する。特許文献1の表示装置は、図14に示すとおり、光源11と第1の光学素子31と第2の光学素子32と液晶表示素子30とから成る。第1の光学素子31は、光源11からの光の指向性を高めるために配置され、具体的にはルーバフィルムが挙げられる。一方、第2の光学素子32は、電圧により散乱状態・透明状態を切り替えられる素子である。第2の光学素子32を実現する具体的な素子として、高分子分散液晶やポリマーネットワーク液晶やカプセル型液晶などの散乱型液晶素子がある。さらに、表示パネルとして通常の透過型液晶表示装置30を用いている。
特許文献1の表示装置の動作原理を説明する。狭視野角表示モードにおいては、第2の光学素子32は透明状態にあり、光源11からの光は、第1の光学素子31を通過し、高い指向性を保ったまま透過型液晶表示装置30に入射する。透過型液晶表示装置30は、複数の画素による表示画像を作りだすが、入射光の指向性を大きく変更させることはない。このため、表示装置正面の観察者には表示画像を視認することができるが、表示装置正面から斜めに位置する観察者には表示画像が届かず、これを視認することができない。
一方で、広視野角表示モードにおいては、第2の光学素子32は散乱状態にあり、第1の光学素子31を通過した高い指向性の光は、第2の光学素子32により散乱光となる。そして、この散乱光が透過型液晶表示装置30の入射光となる。このため、表示装置正面の観察者のみならず表示装置斜めに位置する観察者も、表示画像を視認することが可能となる。
ここで、特許文献1において、図14の第1の光学素子31にルーバフィルムが例示されており、光源11は拡散光であり指向性が低い。そこで、これを改善するために直線状ルーバが用いられている。図15に直線状ルーバの基本構造を示す。このようなルーバフィルムは、フィルム表面に透明層33と光吸収層34とが交互に並んだものである。よって、このルーバフィルム表面に入射した光のうち透明層33を通過できる光A36のみが出射し、その他の光B35は光吸収層34に吸収される。
また、このようなルーバフィルムは、図16に示すような製造方法で製造されている。透明フィルム37と光吸収フィルム38を多数枚交互に積層し接着させ、この結果作成された積層フィルムブロック39を縦方向にスライスする。このスライス片40をフィルム基材に載せることにより、図15のルーバ構造が完成する。
特開平9−197405号公報
しかしながら、特許文献1に示すようなルーバを用いた視野角制御機能を有する表示装置を実用化する際には、以下の不都合な点が生じた。
第1に、大きなルーバフィルムを作成することが困難な点である。これは、図16の製造方法からも分かるように、ルーバフィルムの最大サイズは、積層フィルムブロック39のサイズで決まる。このため、より大きな表示画面の表示装置向けにルーバフィルムを考えた場合、その作成が困難であった。
第2に、大画面用のルーバが作成できたとしても、非常に高価なものになるという不都合があった。小型のルーバを作成する際には、図16のスライス片を分割して多数枚得ることができるが、大型のルーバではこの取り数が小さいため、実現できたとしても非常に高価になっていた。
第3に、図14の第1の光学素子31としてルーバフィルムを用いた場合には、表示画質が劣化する。これについて図17を参照して説明する。図17は、図14に示す構成をより実際的に示した図である。第1の光学素子31としてルーバ41を用いている。また、第2の光学素子32として、透明‐散乱素子10を用いている。透明‐散乱素子10が透明状態にある場合には、ルーバ41からの高指向性光は透過型表示装置15に入射する。ところが、ルーバ41は図15に示すような周期的な透過率分布を有している。一方、透過型表示装置10もブラックマトリクス起因やカラーフィルタ起因の周期的な透過率分布を有している。このため、周期的な透過率分布を有するものが積層された場合に生じるモアレ縞が発生する。よって、表示画像にこのモアレ縞が重畳した画像が表示され、画質が劣化する。
そこで、本発明は、ルーバフィルムのように光の指向性を高める機能を有し、安価・大面積・高画質が実現でき、尚且つ、モアレ縞を発生させない光線制御用フィルム装置を用いて、画面の視野角制御が可能な表示装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光線制御用フィルム装置は、2枚の偏光板と、少なくとも一部の光学軸がフィルム面に対して傾いている2枚の傾斜光学軸フィルムとを備え、2枚の傾斜光学軸フィルムは、2枚の偏光板の間にあり、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が互いに直交するように配置されていることを特徴とする(請求項1)。
このような光線制御用フィルム装置によれば、拡散光を高指向性の光に変えることができる。これは、1枚目の傾斜光学軸フィルムの光学軸射影がX軸方向にあるとすると、これに入射した拡散光のうち入射面がY‐Z面の光の透過率が減少し、2枚目の傾斜光学軸フィルムの光学軸射影がY軸方向にあるとすると、1枚目を通過した光のうちX‐Z面から入射する光の透過率が減少するためである。また、このような光線制御用フィルム装置は、偏光板と傾斜光学軸フィルムとから構成されているので、大面積に適用可能で、尚且つ、モアレ縞は発生しない。
更に、上記の光線制御用フィルム装置は、2枚の傾斜光学軸フィルムを、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が偏光板の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置してもよい(請求項2)。
このようにすると、フィルム法線方向の光線透過率が低減しない。これは、複屈折体が偏光板間に存在しても、その面内射影が偏光板の透過軸方向か吸収軸方向にある限り、透過率変化は起きないためである。
また、上記の光線制御用フィルム装置は、光学軸がフィルム面内方向にある少なくとも1枚の高分子フィルムを、2枚の偏光板の間に配置して備え、この高分子フィルムを、当該フィルムの光学軸方向が偏光板の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置する
このようにすると、傾斜光学軸フィルムと偏光板とが通常の一軸性の複屈折を有するフィルムによって支持されており、重いガラス基材や高価な低複屈折フィルムを用いて支持する必要がなく、より薄型・軽量な光線制御用フィルム装置が実現可能となる。
次に、本発明の光線制御装置は、上述した光線制御用フィルム装置の2枚の偏光板の外側のいずれか一方の面に対向して、入射光の直進出射と散乱出射とを電気的に切り替え制御可能な透明‐散乱素子を設置して備えたことを特徴とする(請求項)。このようにすると、出射光の照明角度を電気的に制御することが可能となる。
次に、本発明の照明角度可変光源装置は、上述した光線制御装置の透明‐散乱素子がある側の反対の面に対向して、光源を配置し備えたことを特徴とする(請求項)。このようにすると、光の指向性を可変することができる光源を得ることができる。光源の形状としては、面光源や線光源などを挙げることができる。
次に、本発明の表示装置は、上述した光線制御装置の透明‐散乱素子がある側の面に対向して、自発光型表示装置を、その表示面が光線制御装置側を向くように配置したことを特徴とする(請求項)。このようにすると、自発光型表示装置に2つの表示モードを持たせることができる。一般に、自発光型表示装置は表示光が拡散光であるために、秘匿性の高い情報を表示することに適していなかった。しかし、本発明を用いることにより、秘匿性の高い画像を表示させることが可能となる。
また、本発明の表示装置は、上述した光線制御装置の透明‐散乱素子がある側の反対の面に対向して、反射型表示装置又は半透過型表示装置のいずれか一方を、その表示面が光線制御装置側を向くように配置したことを特徴とする(請求項)。このようにすると、反射型表示を含む表示装置に2つの表示モードを持たせることができる。このため、屋外使用時や携帯機器での秘匿表示が可能となる。
また、本発明の表示装置は、上述した照明角度可変光源装置の光源がある側の反対の面に対向して、透過型表示装置又は半透過型表示装置のいずれか一方を、その表示面が照明角度可変光源側の反対を向くように配置してもよい(請求項)。このようにすると、透過型表示を含む表示装置に2つの表示モードを持たせることができる。
次に、本発明の端末装置は、上記の表示装置のいずれかを搭載したことを特徴とする(請求項9)。このようにすると、各種端末機で機密画面を表示させて使用することが可能となる。
本発明は以上のように構成され機能するため、これにより、モアレ縞を発生させずに光の指向性を高めることができ、安価で大画面に適用可能な光線制御用フィルム装置を提供することができる。そして、この光線制御用フィルム装置を備えた光線制御装置を用いて、表示画面の視野角切り替えを制御できる表示装置を提供することが可能となる。
以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の表示装置の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の表示装置は、光源として機能するバックライト20と光線制御装置25とから成る照明角度可変光源装置26、及び、透過型表示装置15で構成されている。
この透過型表示装置15としては、横電界方式やマルチドメイン方式やツイステッドネマチック方式等の駆動方式を採用した液晶パネルを用いることができる。いずれの場合も、表示画面を構成する一画素は、カラーフィルタ層16と薄膜トランジスタ(図示せず)と共通電極17と画素電極18とから構成されており、共通電極17と画素電極18間には、液晶層21が介在している。また、透過型表示装置15の上下には偏光板1が配置されている。
前述した光線制御装置25は、2枚の偏光板1と、少なくとも一部の光学軸がフィルム面に対して傾いている傾斜光学軸フィルム2及び3と、光学軸がフィルム面内方向にある高分子フィルム8とで構成されている光線制御用フィルム装置9上に、入射光の直進出射と散乱出射とを電気的に切り替え制御可能な透明‐散乱素子10が積層される形で構成されている。
このうち、2枚の傾斜光学軸フィルム2及び3は、2枚の偏光板1の間にあり、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が互いに直交するように配置されており、さらに、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が偏光板1の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置されている。
また、光線制御装置25における高分子フィルム8は、その光学軸方向が偏光板1の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置されている。また、透明‐散乱素子10は、2枚の偏光板1の外側のいずれか一方の面に対向して設置されている。
ここで、本実施形態における光線制御装置25について図2乃至図10を参照して説明する。
図2は、本実施形態における傾斜光学軸フィルム2及び3を2枚の偏光板1間に配置した図である。図2では、両偏光板1間の透過軸6方向をX軸方向にとっている。傾斜光学軸フィルム2及び3の光学軸4はフィルム面から傾いている。傾斜光学軸フィルム2及び3の光学軸4をフィルム面内に射影した場合、傾斜光学軸フィルム2の光学軸射影5はX方向を向いており、傾斜光学軸フィルム3の光学軸射影5はY方向を向いている。このように、傾斜光学軸フィルム2及び3の両光学軸射影5方向は互いに直交するように配置されている。そして、一方の光学軸射影5は偏光板1の透過軸方向と一致し、他方の光学軸射影5は偏光板1の吸収軸方向と一致している。
図2に示すフィルムと比較するために、図3,図4に示すようなフィルムを同時に考える。図3に示す両光学補償フィルム7aの光学軸4はフィルム面内方向にあり、図4に示す両光学補償フィルム7bの光学軸4はフィルム面法線方向にある。
図2,図3,図4に示すフィルムに拡散光が入射した場合、フィルム法線方向の光線透過率は、図2,図3,図4の各場合で同一である。これは、複屈折体が偏光板1間に存在しても、その面内射影が偏光板1の透過軸方向か吸収軸方向にある限り、透過率変化は起きないためである。
続いて、斜め方向の入射光を考える。図3の場合には、図5に示すような透過率分布となり、光線指向性がほとんど変化しないことがわかる。また、図4の場合にも、同様の結果が得られる。他方で、図2の場合には、図6に示すような透過率分布が得られ、光線指向性が高まることが分かる。これについては、図2の各段階の透過率分布を考慮することによって分かる。
図2に示すフィルムにおいて、拡散光は、光学軸射影5がX方向にある傾斜光学軸フィルム2を通過すると、入射面Y−Zから入射する光の透過率が減少する。さらに、光学軸射影5がY方向にある傾斜光学軸フィルム3を通過した光は、入射面X−Zから入射する光の透過軸が減少する。すなわち、拡散光を図6に示すような高指向性の光に変えるためには、傾斜した光学軸をもつフィルムが必要であり、なおかつ、フィルム面内への光学軸射影5が互いに直交していることが不可欠である。また、法線方向の透過率を低減させないためには、両光学軸射影5が偏光板1の透過軸あるいは吸収軸と一致している必要がある。従って、図2の偏光板1の透過軸6を、吸収軸と読み替えてもよい。
図7は、図2の構成に複屈折を有する高分子光学フィルム8を加えた光線制御用フィルム装置9を示す図である。この高分子フィルム8の光学軸4はフィルム面内にある。また、法線方向の透過率を低減させないために、この光学軸4は、偏光板1の透過軸6又は吸収軸と一致させて配置しなければならない。あるいは、図8に示すように、光学軸4を偏光板1の透過軸6と直交させておかなくてはならない。このような構成における光線透過率分布は図6とほぼ同一である。図7,図8に示す光線制御用フィルム装置9の機能は、その各フィルムの積層順や高分子フィルム8の枚数によって変化することはない。
図7,図8に示す光線制御用フィルム装置9上に、透明‐散乱素子10を積層することによって、照明角度を可変できる光線制御装置25を得ることができる。透明‐散乱素子10として、代表的には液晶と高分子の複合体からなるものを用いる。液晶と高分子の複合体は、高分子相と液晶相が微細に入り組んだ組織を有しているものである。液晶相が配列していない場合には、高分子相と屈折率の不整合が生じるため散乱状態となる。一方、電圧等を印加して液晶相を配列させた場合には、高分子相と屈折率整合が生じ、透明状態となる。このようにして、電気的に透明状態‐散乱状態を切り替えることが可能となる。
前述した光線制御装置25に光源11を積層することにより、図9に示す照明角度可変光源装置26が実現できる。光源11からの拡散光は、光線制御用フィルム装置9により、指向性を高められて出射される。透明‐散乱素子10が散乱状態の場合、光は再度拡散されて拡散光となる。透明‐散乱素子10が透明状態の場合、光は高指向性を保ったまま出射する。このようにして、照明角度範囲が可変の照明光源が得られる。
次に、傾斜光学軸フィルム2又は3の作成方法について説明する。図10は、傾斜光学軸フィルム2又は3を示す図である。まず、この傾斜光学軸フィルム2又は3を形成する方法を説明する。高分子フィルム8上にポリイミド溶液などで配向膜27を形成し、この後、高分子フィルム8の光学軸方向に配向膜27表面をラビング処理する。さらに、光硬化できる液晶モノマー溶液を配向膜27表面に塗布し、液晶モノマー溶液の溶媒を蒸発させ、液晶モノマーが液晶相を示す温度に設定する。この温度で紫外光などの光を照射し、液晶モノマーを硬化し液晶モノマー層29を生成する。
液晶モノマー層29の底面はラビング処理した配向膜27表面からなっており、ラビング方向28が存在するためプレチルト方向が存在する。一方、液晶モノマー層29の最表面は空気層であるため、液晶モノマー層29は空気界面に垂直に配向しようとする。このため、液晶モノマー層29の深さ方向の配向分布は図13に示すような配置をとる。この配置が光硬化により固定されるため、傾斜光学軸を有する傾斜光学軸フィルム2,3が形成される。傾斜光学軸の方向は、ラビング方向28によって決めることができる。
本実施形態では、液晶モノマー層29として、屈折率異方性Δnが正の分子構造で示した。しかし、屈折率異方性Δnが負の分子構造を持つディスコティック液晶を用いても同様の構造を得ることができる。そして、この屈折率異方性Δnが負の液晶層でも、同様の効果を得ることができる。
このように形成された傾斜光学軸フィルムを二層用意し、各ラビング方向28が直交するように貼り合わせ、上下に偏光板1を貼り付けることで、光線制御用フィルム装置9を得ることできる。
また、透明‐散乱素子10は、以下のようにして得ることが可能である。光硬化性樹脂と液晶の混合物を、高分子フィルム8間に挟んで用意する。この際に、光硬化樹脂と液晶とが均一な混合物を作る温度で、高分子フィルム8間に展開することが望ましい。この後、紫外線などの光硬化処理を行う。この結果、光硬化樹脂は硬化するが、液晶は析出して液晶相23となる領域を作る。このようにして、光硬化樹脂マトリクス24中に埋め込まれた液晶相23を作成する。液晶相23はランダムな配向をしており、光硬化樹脂マトリクス24との屈折率が一致しないため、散乱状態を呈する。この素子に電圧を印加すれば、液晶相23中の液晶分子が電界に垂直に配列する。このため、液晶相23の屈折率が変化する。このときの液晶相23の屈折率が光硬化樹脂マトリクス24の屈折率と一致するように調整すれば、透明状態が得られる。このようにして、透明状態と散乱状態を電気的に切り替えることが可能な透過‐散乱素子10を作成することができる。
このようにして作成された透明‐散乱素子10と光線制御用フィルム装置9とを、図11に示すように透過型表示装置15の裏面に貼り付け、光源11を配置することで、透明‐散乱素子10への電圧の印加によって、光源の指向性を制御することが可能となり、視認角度範囲を調整することができる表示装置が作成される。
図11に示す表示装置は、透明‐散乱素子10が透明状態の場合、バックライト20からの光がコリメート(平行化)され、透過型表示装置15を通過する。このため、表示画面はコリメート光から構成されるので、視認角度範囲が狭い状態となる。一方、透明‐散乱素子10が散乱状態の場合、コリメート光は透明‐散乱素子10で再度散乱される。このため、視認角度範囲が広い表示画像が得られる。
図1に示す本実施形態の表示装置は、以上説明したような機能を有する光線制御用フィルム装置9と、透明‐散乱素子10と、透過型表示装置15と、バックライト20とで構成されている。バックライト20からの拡散光が、光線制御用フィルム装置9に入射すると、拡散光が高指向性の光に変わって光線制御用フィルム装置9から出射し、この高指向性の光が透明‐散乱素子10に入射する。
このとき、透明‐散乱素子10が透明状態の場合、高指向性の光がそのまま出射し、透過型表示装置15を通過するので、表示画面は視認角度範囲が狭い状態となる。一方で、透明‐散乱素子10が散乱状態の場合、高指向性の光は透明‐散乱素子10で再度散乱され出射する。このため、表示画面は視認角度範囲が広い状態となる。
そして、本実施形態の表示装置を図18に示すように端末機に搭載することにより、使用状況に応じて表示画像状態を選択することが可能となる。
ここで、本実施形態の表示装置は、透過型表示装置15を設置して構成されているが、透過型表示装置15に限らず、自発光型表示装置,反射型の表示装置を設置して構成してもよい。
図12は、自発光型表示装置12を用いた場合の表示装置を示す図である。自発光型表示装置12としては、プラズマディスプレイや電界発光型ディスプレイなどを用いる。透明‐散乱素子10が透明状態の場合には、自発光型表示装置12からの表示光は、コリメートされて正面方向に出射する。透明‐散乱素子10が散乱状態の場合、コリメート光が散乱され表示光となる。このようにして、自発光型表示装置12の表示画面の視認角度範囲を制御することができる。
図13では、反射型の表示装置13を用いた場合の表示装置を示す図である。反射型の表示装置13には、全画素領域が反射可能な反射型表示装置や、画素領域の一部が反射表示可能な半透過型表示装置があり、反射型表示装置としては、液晶を用いた反射型表示パネルや電気泳動型表示パネルを用いることができ、半透過型表示装置としては、液晶素子からなる表示パネルを用いることができる。
図13に示す表示装置において、透明‐散乱素子10が透明状態の場合、表示装置13からの反射表示光は以下のような経路を辿って表示光となる。外部からの入射光は、コリメートされて表示装置13に入射する。この後、表示装置13内で反射される。一般に表示装置13からの反射光は散乱するように設定されている。この反射光は再度コリメートされて出射する。このように、反射表示の場合には、光線制御用フィルム装置9を2回通過するために、より指向性の高い状態で表示が行われる。一方、透明‐散乱素子10が散乱状態の場合、反射表示光が散乱光となって出射するため、広い視認性が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、光線制御装置25に入射した拡散光は、透明‐散乱素子10に印加する電圧に応じて指向性を変えて出射されるため、表示画面の視野角度範囲を切替制御することができる。よって、秘匿性の高い情報を個人で視認する場合の狭視野表示モードと、公開性の高い情報を複数人数で閲覧できる広視野表示モードとを切り替えることができる表示装置を提供することができる。
本発明における一実施形態の表示装置の構成を示す図である。 図1に示す実施形態における傾斜光学軸フィルムを2枚の偏光板間に配置した図である。 光学軸がフィルム面内にある光学補償フィルムを2枚の偏光板間に配置した図である。 光学軸がフィルム面法線方向にある光学補償フィルムを2枚の偏光板間に配置した図である。 図3又は図4に示すフィルムにおける入射光の入射角度と透過率の関係を示す図である。 図2に示すフィルムにおける入射光の入射角度と透過率の関係を示す図である。 図2に示すフィルムの構成に高分子光学フィルムを加えた光線制御用フィルム装置を示す図である。 図2に示すフィルムの構成に高分子光学フィルムを加えた光線制御用フィルム装置を示す図である。 図1に示す実施形態における照明角度可変光源装置を示す図である 図1に示す実施形態における傾斜光学軸フィルムを示す図である。 図1に示す実施形態の概略構成を示す図である。 図1に示す実施形態の概略構成を示す図である。 図1に示す実施形態の概略構成を示す図である。 特許文献1の構成を説明するための図 特許文献1に記載のルーバの構成を説明するための図 図15に示すルーバの製造方法を説明するための図 図14に示す構成をより実際的に示した図である。 図1に示す実施形態の表示装置を搭載した端末機を示す図である。
符号の説明
1 偏光板
2 傾斜光学軸フィルム
3 傾斜光学軸フィルム
4 光学軸
5 光学軸射影
6 透過軸
7a 光学補償フィルム
7b 光学補償フィルム
8 高分子フィルム
9 光線制御用フィルム装置
10 透明‐散乱素子
11 光源
12 自発光型表示装置
13 反射型の表示装置
15 透過型表示装置
16 カラーフィルタ層
17 共通電極
18 画素電極
19 薄膜トランジスタアレイ基板
20 バックライト
21 液晶層
22 透明電極
23 液晶相
24 光硬化樹脂マトリクス
25 光線制御装置
26 照明角度可変光源装置
27 配向膜
28 ラビング方向
29 液晶モノマー層
30 液晶表示素子
31 第1の光学素子
32 第2の光学素子
33 透明層
34 光吸収層
35 光A
36 光B
37 透明フィルム
38 光吸収フィルム
39 積層フィルムブロック
40 スライス片

Claims (8)

  1. 2枚の偏光板と、少なくとも一部の光学軸がフィルム面に対して傾いている2枚の傾斜光学軸フィルムとを備え、
    前記2枚の傾斜光学軸フィルムは、前記2枚の偏光板の間にあり、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が互いに直交するように配置され
    光学軸がフィルム面内方向にある少なくとも1枚の高分子フィルムを前記2枚の偏光板の間に配置して備え、この高分子フィルムを、当該フィルムの光学軸方向が前記偏光板の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置したことを特徴とする光線制御用フィルム装置。
  2. 前記請求項1に記載の光線制御用フィルム装置において、
    前記2枚の傾斜光学軸フィルムを、当該フィルムの各光学軸のフィルム面内への射影方向が前記偏光板の透過軸又は吸収軸方向のいずれか一方と平行になるように配置したことを特徴とする光線制御用フィルム装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の光線制御用フィルム装置の前記2枚の偏光板の外側のいずれか一方の面に対向して、入射光の直進出射と散乱出射とを電気的に切り替え制御可能な透明‐散乱素子を設置して備えたことを特徴とする光線制御装置。
  4. 前記請求項に記載の光線制御装置の前記透明‐散乱素子がある側の反対の面に対向して、光源を配置し備えたことを特徴とする照明角度可変光源装置。
  5. 前記請求項に記載の光線制御装置の前記透明‐散乱素子がある側の反対の面に対向して、自発光型表示装置を、その表示面が前記光線制御装置側を向くように配置したことを特徴とする表示装置。
  6. 前記請求項に記載の光線制御装置の前記透明‐散乱素子がある側の反対の面に対向して、反射型表示装置又は半透過型表示装置のいずれか一方を、その表示面が前記光線制御装置側を向くように配置したことを特徴とする表示装置。
  7. 前記請求項に記載の前記照明角度可変光源装置の光源がある側の反対の面に対向して、透過型表示装置又は半透過型表示装置のいずれか一方を、その表示面が前記照明角度可変光源装置側の反対を向くように配置したことを特徴とする表示装置。
  8. 前記請求項乃至のいずれかに記載の表示装置を搭載したことを特徴とする端末装置。
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