JP4667835B2 - 水素発生媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素発生媒体およびその製造方法に関し、詳しくは、燃料電池、水素バーナー、分析機器などの水素を必要とする装置に水素を供給するための水素発生装置において水素発生に適した水素発生媒体およびその製造方法に関する。
次世代のクリーンエネルギーとして、水素をエネルギー源とする燃料電池の開発が盛んに進められている。燃料電池の水素供給方式として、メタノールやガソリンなどを改質する方法、液体水素や高圧水素を用いる方法、水素吸蔵合金や炭素系材料などにより水素を貯蔵する方式など、様々な方法が提案され、開発が進められている。
メタノールやガソリンなどを改質する方式は、水素とともに一酸化炭素が副生し、燃料電池の電極を被毒する問題がある。したがって一酸化炭素除去を行うようにすると改質器が大型化しコストも高くなる問題がある。また水蒸気改質法は、800℃まで加熱しなければならない問題がある。液体水素や高圧水素を用いる方式は、システムとしては単純にできるものの、水素貯蔵のために耐圧容器にする必要があるなど容器コストが高く、小型の用途には適さない。
水素吸蔵合金を用いる方式は、安全性は高いものの、材料が高価で、多くの材料系は水素吸蔵量が1〜2質量%程度と低く、しかも重量が重くなる等の問題がある。炭素系材料で貯蔵する方法は、安全性が高く、水素吸蔵量は6質量%程度と吸蔵特性に優れた材料の報告もなされている。しかし、水素放出温度が高いことや、嵩密度が低いため単位容積当りの水素発生量が低く、コンパクトな貯蔵に適さないという問題がある。
この他、化学反応を利用した水素の供給方法として、鉄などの金属の酸化反応を利用し、金属に水を反応させて水素を発生させる方法が提案されている(特開2004−149394号公報、特開2004−168583号公報、特開2004−67422号公報)。この方法で水素発生ができる金属として、鉄、インジウム、スズ、マグネシウム、セリウムなどが提案されているが、この中でも特に鉄を用いるのが最も好ましく、鉄を用いる場合の反応は以下の反応式で示すことができる。
(ステップ1:水素の化学的貯蔵)
Fe23+3H2→2Fe+3H2O ・・・(反応式1)
Fe34+4H2→3Fe+4H2O ・・・(反応式2)
(ステップ2:水素の発生)
3Fe+4H2O→Fe34+4H2 ・・・(反応式3)
先ず、上記の反応式1および2に示すように、酸化鉄(Fe23およびFe34)を水素で還元して鉄に転化する。次に、上記の反応式3に示すように、還元した鉄に水や水蒸気を反応させて水素を発生させる。つまり、上記の反応式1および2では、鉄を媒体として化学的に水素を貯蔵していることになる。
この方法は、安全性が高く、また水素発生量が鉄の質量に対して理論値で4.8質量%、実際にも4.5質量%の水素発生が可能で、水素吸蔵合金に比べ著しく大きい。また燃料電池の電極を被毒させる一酸化炭素を副生しない、装置の小型化が可能、低温での反応が可能などの特徴がある。
この水素発生方式に用いる鉄粉には、反応性が求められる。一般に市販されている鉄粉は粒径が100μm程度と大きく、比表面積も0.1m2/g程度であり、反応性が悪いため水と反応させても水素はほとんど発生しない。そこで、水素発生用には、粒径が0.1μm以下の粒径が小さい酸化鉄を還元した、反応性に優れた鉄微粒子が用いられている。しかし、粒径が0.1μm以下の酸化鉄を還元した鉄微粒子は高価であり、また嵩密度が低いため単位容積当りの水素発生量が低く、コンパクトな貯蔵に適さないという問題がある。
特開2004−149394号公報 特開2004−168583号公報 特開2004−67422号公報
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、水との反応性および嵩密度をともに高くすることで、単位容積当りの水素発生量を顕著に向上させ、コンパクトな貯蔵を達成することができる水素発生媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る水素発生媒体は、鉄粒子を含んでなる水素発生媒体であって、前記鉄粒子は、粒子形状が略球状であり、略球状粒子の内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を持ち、平均粒径が30μm以上3mm以下であり、比表面積が前記平均粒径から算出した外部比表面積の100倍以上であることを特徴とする。なお、略球状粒子とは、真球状の他に楕円体状などの丸みを帯びた粒子も含むことを意味する。
このように、粒子形状が略球状であることから、密に充填することができ、嵩密度を高くすることができる。また、略球形粒子の内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を持つことから、微細な微粒子が多く集合したものと同様の効果を示し、水との反応性が高い。このスポンジ状構造の発達の度合いは、(比表面積)/(粒子の平均粒径から算出した外部比表面積)の値で表すことができ、この値が大きいほどスポンジ状構造が発達していることを示す。本発明の水素発生媒体は、この値が100以上と大きく、非常に高い反応性を示すものである。したがって、単位容積当りの水素発生量を顕著に向上させることができる。
本発明は、別の態様として、水素発生媒体の製造方法であって、略球状形状の酸化鉄粒子を得る工程と、この酸化鉄粒子を平均粒径が40μm以上となるように分級する工程と、前記分級した酸化鉄粒子を900℃以下で還元ガスに接触させて還元し、粒子形状が略球状であり、略球状粒子の内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を持ち、平均粒径が30μm以上3mm以下であり、比表面積が前記平均粒径から算出した外部比表面積の100倍以上である鉄粒子を含んでなる水素発生媒体を得る工程とを含んでなることを特徴とする。
このように、略球状形状の酸化鉄粒子を、平均粒径が40μm以上となるように分級することで、嵩密度の高い酸化鉄粒子を容易に得ることができる。また、この分級した酸化鉄粒子を900℃以下で還元することで、略球状の粒子内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を形成することができる。よって、酸化鉄を粒径0.1μm以下の微粒子にすることないので、安価に製造できるともに、単位容積当りの水素発生量に優れた水素発生媒体を製造することができる。
このように、本発明によれば、水との反応性および嵩密度をともに高くすることで、単位容積当りの水素発生量を顕著に向上させ、コンパクトな貯蔵を達成することができる水素発生媒体およびその製造方法を提供することができる。
先ず、本発明に係る水素発生媒体の一実施形態について説明する。本発明に係る水素発生媒体は、主に鉄粒子から構成されており、この粒子の形状が略球状であることが本発明の特徴の1つである。このように、略球形であることにより、ハンドリング性に優れ、密に充填することができるため嵩密度を大きくすることが可能で、単位容積当りの水素発生量を著しく増加させることができる。
また、本発明に係る水素発生媒体は、略球状粒子の内部に、粒子の外部につながる細孔が多数存在し、スポンジ状構造を持つことが特徴の1つである。このようなスポンジ状構造を持つために、微細な鉄粒子が多く集まったのと同じような効果を示し、粒径の割に比表面積が大きく、高い反応性を示す。このため水と反応させると容易に水素を発生するので、水素発生用の鉄粉として優れたものとなる。
略球状粒子の比表面積は、粒子の平均粒径から算出する外部比表面積の100倍以上であることが望ましい。外部比表面積に比べて比表面積が大きいのは、粒子内部のスポンジ状の構造に起因するためで、スポンジ状の構造が発達しているほど、倍率が大きくなり、活性の高い鉄粒子となる。略球状粒子の比表面積は、粒子の平均粒径から算出する外部比表面積に対し、好ましくは300倍以上、より好ましくは500倍以上、一層好ましくは1000倍以上であることが望ましい。比表面積の測定法としては、BET法が一般的に知られており、本発明の略球状鉄粉の比表面積測定にもBET法を使用するこができる。勿論、BET法以外の測定方法でも問題はない。また平均粒径には、電子顕微鏡写真を用いて、100個以上の粒子について粒径を測定し、平均した値を用いるのが好ましい。
また、粒子の平均粒径から算出する外部比表面積、すなわち、試料1gあたりの全外表面積S(m2/g)は、以下の式1で求めることができる。
S=Ns ・・・(式1)
ここで、Nは試料1g中の粒子個数(個/g)であり、sは粒子1個あたりの外表面積(m2/個)であり、それぞれ以下の式2〜式4で求めることができる。
N=1/W ・・・(式2)
W=4/3π(d/2×10-63×7.85×106 ・・・(式3)
s=4π(d/2×10-62 ・・・(式4)
なお、Wは粒子1個あたりの重量(g/個)であり、dは平均粒子径(直径:μm)である。また、純鉄の真比重として7.85g/cc(7.85×106g/m3)を用いた。
なお、スポンジ状構造を有する鉄粉として、従来より海綿鉄の存在が知られている。海綿鉄は、炭材(コークスなど)を約900℃以上にしてCOガスを発生させて、鉱石やミルスケールなどの酸化鉄を還元する際に、酸化鉄の一次粒子の表面から外側にウィスカー状の粒子が成長し、それが絡み合うことによりスポンジ状構造になったものである。これに対し、本発明のスポンジ構造の鉄粉は、略球状粒子の内部にナノサイズレベルの細孔を有し、海綿鉄よりもはるかに微細なスポンジ構造を持っていることが特徴である。この構造は、略球状の酸化鉄を還元する際に酸化鉄中の酸素が水となって抜けることによりできる構造であり、海綿鉄のスポンジ構造とは全く異なるものである。このように、海綿鉄では、粒子の外周部に柱状粒子が成長するのみであるので、比表面積を粒子の平均粒径から算出する比表面積の100倍以上にすることができず、著しい活性の向上は望めない。
また、本発明の略球状鉄粉の平均粒径は30μm以上3mm以下であることが望ましい。平均粒径が30μmを下回ると、粒子同士が凝集するようになり、凝集体の中に隙間を多く含むようになるため嵩密度が下がり、単位容積当りの水素発生量が低下するので好ましくない。また、平均粒径が30μmを下回ると、略球状酸化鉄の製造時(流動焙焼時)に酸化鉄粒子同士がくっつきやすくなるとともに、還元時に(特に温度が高い条件で還元する場合に)鉄粉同士が焼結しやすくなるので、略球状粒子の比表面積も、粒子の平均粒径から算出する外部表面積の100倍以下に低下し、活性が低下することからも好ましくない。逆に3mmを超えると、粒子同士の間の隙間が大きくなり、嵩密度が低下し、単位容積当りの水素発生量が低下するので好ましくない。また大きな粒子を還元して3mmを超えるような鉄粉を作る場合、粒子内部まで完全に還元するのに時間を要することからも好ましくない。さらに大きな粒子を水と反応させた場合、粒子の中心部まで水が入り込むのは困難であるため、水との反応性が低下することからも好ましくない。一方、平均粒径が30μm以上3mm以下では、嵩密度も大きくなり、それに伴い単位容積当りの水素発生量も増加する。平均粒径は、好ましくは40μm以上2mm以下、より好ましくは50μm以上1mm以下、さらに好ましくは60μm以上0.5mm以下、一層好ましくは70μm以上0.3mm以下であることが望ましい。
また、高い嵩密度を維持するために、均一な粒径の略球状酸化鉄を、六方最密充填または立方最密充填の規則的な配列に充填することが好ましい。なお、均一な粒径とは、粒度分布が平均粒径の±10%の範囲に90%以上が存在することをいう。さらに高い嵩密度を得るために、均一な粒径の略球状酸化鉄を充填して生じる空隙に、その空隙をちょうど埋める小さな略球状酸化鉄を充填することが好ましい。
さらに、本発明の略球状鉄粉及び原料となる略球状酸化鉄には、シリカを含んでいることが望ましい。シリカの存在が、本発明独特のスポンジ構造の形成に役立っているためである。略球状鉄粉は略球状酸化鉄を還元することにより得ることができるが、シリカを含有しない場合には、スポンジ構造を形成する鉄同士が焼結してスポンジ構造の破壊が進んでしまう。これは、還元により生成した微細なスポンジ状構造の鉄は非常に微細で反応性が高いためである。しかし、シリカを含有する場合には、スポンジ構造を形成する鉄粒子の焼結を防ぐことができるため、本発明のスポンジ構造を持つ略球状の鉄粉を得るのに非常に有効である。
略球状酸化鉄に含まれるシリカの量は、30質量ppm以上5質量%以下が望ましい。シリカが30質量ppm未満では、スポンジ構造の焼結を防止することが困難になるため、かつ反応性が低下し水素発生量も低下するため好ましくない。またシリカが5質量%を超えるとスポンジ構造の焼結防止には効果はあるものの、水と反応させて水素を発生させる場合に、水素の発生を阻害するようになるため好ましくない。好ましい酸化鉄中のシリカ量は、50質量ppm以上3質量%以下、より好ましくは100質量ppm以上1質量%以下、さらに好ましくは200質量ppm以上5000質量ppm以下、一層好ましくは300質量ppm以上3000質量pmm以下である。またシリカ以外にも焼結を防止する元素として、Al、Ti、Cr、Zr、V、Nb、Mo、Ga、Mg、Sc、Ni、Cu、Ndなどの酸化物を含んでいても構わない。
次に、本発明に係る水素発生媒体の製造方法の一実施形態について説明する。本発明の略球状鉄粉は、略球状の酸化鉄を還元することにより得ることができる。原料となる略球状酸化鉄の製造方法は、一例として流動焙焼法を用いることができる。流動焙焼法を用いた場合は、容易に略球状の酸化鉄粒子を得ることができる。またシリカを含んだ原料溶液を用いて流動焙焼法で酸化鉄を試作することにより、シリカが粒子内部に均一に分散した酸化鉄粒子が得られる。これにより略球状酸化鉄を還元しても焼結することなくスポンジ構造を維持することが可能となる。
原料となる略球状の酸化鉄は、分級して粒子の平均粒径を調整しておくことが好ましい。また、分級することで、粒子の粒度分布を調整することができる。分級手段としては、特に限定されないが、例えば、篩分級や遠心分級などの手段を用いることができる。なお、酸化鉄粒子を還元して鉄粒子とすると、粒度分布にもよるが、鉄粒子の平均粒径は当初の酸化鉄粒子の平均粒径の約70〜95%と小さくなる傾向がある。よって、原料となる酸化鉄粒子は、所望する鉄粒子の平均粒径の約105〜140%の平均粒径を有するように分級することがこのましい。例えば、鉄粒子の平均粒径を30μm以上にする場合、酸化鉄粒子の平均粒径を40μm以上にすることが好ましい。
酸化鉄の還元方法としては、一般的な還元炉を使用することができる。還元ガスとしては、水素や一酸化炭素など、一般的な還元ガスを用いることができる。水素は高圧ボンベに充填された水素でも良いが、液体水素ボンベ、メタン(メタンガス、天然ガスあるいは石油等の炭化水素系原料)等の炭化水素類を触媒を用いて分解した水素、炭化水素類と水蒸気による水蒸気改質法による生成した水素、メタノール改質による水素、水の電気分解による水素等の発生した水素を用いることもできる。尚、いずれの場合も、還元に使用する前に水分を除去し、ドライな水素を供給することが好ましい。
酸化鉄を還元する際の温度は、酸化鉄を還元することが可能な300℃以上で還元を行えばよい。ただし、温度が高すぎるとスポンジ構造の焼結が進むため高すぎるのも好ましくない。よって、900℃以下が好ましく、600℃以下がより好ましい。
(試験例1)
塩化第一鉄溶液にシリカを500質量ppm含有させて流動焙焼することで略球形の酸化鉄粒子を得た。この酸化鉄粒子を、篩の目開きがそれぞれ6.7mm、4.75mm、4mm、2.8mm、1.7mm、1mm、710μm、500μm、300μm、150μm、75μm、45μm、32μm、20μmである篩を使用して篩分級し、平均粒径が5.6mm、4.4mm、3.5mm、2.4mm、1.2mm、880μm、600μm、350μm、240μm、90μm、60μm、40μm、25μmの13種類の酸化鉄粒子を得た。なお、平均粒径は、走査電子顕微鏡により粒子100個について粒径を測定して平均化した値である。また、粒径は、粒子の横断面形状を同一の横断面積を有する新円に置き換えた場合の直径を測定した。
次に、これら酸化鉄粒子を温度450℃で水素還元を行い、試料番号1〜13の略球形の鉄粉を得た。得られた略球形鉄粉について、平均粒径、比表面積、嵩密度をそれぞれ測定した。平均粒径は上記と同様の方法で測定した。また、比表面積はBET法で測定した。嵩密度は、JIS Z2504金属粉の見掛密度試験方法に準じて、測定試料を30cm3の容器に充填し、内容物の重量を測定し、容器の容積30cm3で除して嵩密度を求めた。これらの結果を表1に示す。また、得られた略球状鉄粉およびその断面の走査電子顕微鏡の写真を図1〜図3に示す。
そして、得られた試料番号1〜13の各鉄粉を水素発生装置に入れて400℃に加熱し、水蒸気と反応させて水素を発生させた。発生させた水素は、水中で回収して発生量を求め、試料の質量に対する水素発生量(質量%)、および試料の単位容積当りの水素発生量(L/cc)を求めた。その結果を表1に示す。
(比較例1)
平均粒径が30nm、70nm、200nmの各酸化鉄微粒子を直径2mmのペレットに加工し、これを温度450℃で水素還元を行い、試料番号14〜16の水素発生媒体を得た。そして、試験例1と同様の手順にて、得られた水素発生媒体を水素発生装置に入れて水素を発生させた。その結果を表1に併記する。
なお、平均粒径は、ペレットにする前の酸化鉄微粒子の状態のものを、上記と同様の方法で測定した。また、比表面積および嵩密度は、ペレットにした状態のものを、上記と同様の方法で測定した。
Figure 0004667835
表1に示すように、試料番号1〜13は、試料番号14〜16と比べて、嵩密度が約2倍以上も高くなっており、貯蔵を格段にコンパクト化できることがわかる。さらに、試料質量に対する水素発生量が同等程度であることから、試料の単位容積当りの水素発生量を比較例の0.7L/ccより増加できることがわかる。なお、平均粒径が30μm以上3mm以下である試料番号3〜12は、単位容積当りの水素発生量が1.5L/ccと比較例の約2倍以上になっており、より好ましいことがわかる。
(試験例2)
酸化鉄粒子中のシリカの含有量を変化させた点と、篩の目開きが250μmと355μmの篩を用いて篩分級して平均粒径300μmの酸化鉄粒子を得た点を除いて、試験例1と同様の手順にて水素発生媒体(試料番号21〜33)を調製し、それを用いて水素発生試験を行った。その結果を表2に示す。なお、酸化鉄粒子中のシリカ量は、誘導結合プラズマ(ICP)により分析して求めた。
Figure 0004667835
表2に示すように、原料である酸化鉄中のシリカ量が30質量ppm以上5質量%以下である試料番号22〜32は、BET比表面積が大きく、スポンジ構造が十分に発達していることがわかる。また、これらは試料質量に対する水素発生量も十分に高かった。一方、シリカ量30質量ppm未満である試料番号21は、BET比表面積が小さく、スポンジ構造があまり発達しておらず、試料質量に対する水素発生量が低かった。逆にシリカ量が5質量%を超える試料番号33は、BET比表面積が大きく、スポンジ構造は発達しているものの、過剰なシリカの存在により水素の発生が阻害され、試料質量に対する水素発生量が少なくなったと推測される。
本発明の略球状鉄粉の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の略球状鉄粉の断面の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の略球状鉄粉の断面の走査電子顕微鏡写真である(図2をさらに拡大した写真)。

Claims (3)

  1. 鉄粒子を含んでなる水素発生媒体であって、前記鉄粒子は、粒子形状が略球状であり、略球状粒子の内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を持ち、平均粒径が30μm以上3mm以下であり、比表面積が前記平均粒径から算出した外部比表面積の100倍以上である水素発生媒体。
  2. 略球状形状の酸化鉄粒子を得る工程と、
    この酸化鉄粒子を平均粒径が40μm以上となるように分級する工程と、
    前記分級した酸化鉄粒子を900℃以下で還元ガスに接触させて還元し、粒子形状が略球状であり、略球状粒子の内部に外部とつながる細孔を有するスポンジ状の構造を持ち、平均粒径が30μm以上3mm以下であり、比表面積が前記平均粒径から算出した外部比表面積の100倍以上である鉄粒子を含んでなる水素発生媒体を得る工程と
    を含んでなる水素発生媒体の製造方法。
  3. 前記略球状形状の酸化鉄粒子に含まれるシリカの量が、30質量ppm以上5質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の水素発生媒体の製造方法。
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