JP4667292B2 - 電子機器用シールドケース - Google Patents

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Description

本発明は、集積回路基板といった電子部品から発生する放射ノイズを遮蔽するための電子機器用シールドケースに関し、詳しくは、シールドケースの開口部からの電磁波漏れを抑制する電子機器用シールドケースに関する。
近年、集積回路基板といった電子部品を備えた通信機器や情報機器等の電子機器においては、回路の高密度化や信号の高速化に伴い、電子部品から放射される電磁波(放射ノイズ)によって、周辺機器が誤動作を引き起こすといった問題が深刻化している。このため、電子機器からの放射ノイズのレベルは、VCCI(情報処理装置等電波障害自主協議会)等が定めた規制値以下となるよう義務づけられている。
上記の規制値を超える放射ノイズの対策の一つとして、導電性のシールドケース内に電子部品を収納することによって電磁波シールドを施す手法がとられている。
一方、シールドケースには通常コネクタなどの入出力用あるいは放熱用の開口部が形成されているため、前述のように信号周波数の高速化に伴い、入出力用や放熱用の開口部が放射ノイズの周波数に対して無視できない大きさとなっており、開口部および開口部の周辺から発生する放射ノイズを抑制するための対策も重要となっている。つまり、開口部がケーブルやコネクタで塞がれていれば、外部への指向性は変化するが、開口部周辺に流れる誘起電流およびそれにより発生する磁流のエネルギー量は変わらないため、何らかの形で外部へのエネルギー伝播が発生する。エネルギーの伝播経路は、ケーブル、コネクタ等の部品と開口部との隙間から漏れる場合、コネクタ、ケーブル等に信号としてのってしまう等様々であり、開口部からのノイズ放射と同様に無視はできない。
誘起電流の電流経路は、その共振モードによって異なるが、図7に示すシールドケースを例にとって以下に説明する。図7は、例えば背面に横方向に長い長方形の開口部2を有する一般的な直方体形の電子機器用シールドケース1を示している。なお、図7では説明上、開口部2を大きく図示している。また、この場合、シールドケース1の各辺の長さは、y方向(横方向)>x方向(前後方向)>z方向(上下方向)とする。このようなシールドケース1において、内部の電子部品から放射ノイズが発生すると、xy平面(上面)には1つまたは複数の点から図示しない放射状の誘起電流が発生し、図8(a)に示すように背面に開口部が無い場合は上から下へ真っ直ぐに誘起電流4が流れるが、背面に開口部を有する場合は図8(b)に示すように開口部2を回り込むように誘起電流4が流れる。このように、開口部2の周囲を誘起電流が回り込むことにより、開口部2の長手方向両端側の電流密度が増加し、かつ電荷に加速度運動が加わり、その結果、開口部(内部空間)に横方向の磁流Mが発生し、開口部周辺から放射ノイズとしての電磁波が発生する。
このような開口部およびその周辺から発生する放射ノイズに対して、特許文献1では回路基板からの放射ノイズを遮断するシールドケースを複層構造とし、内層壁の開口部と外層壁の開口部とが、平面的に見て重ならないように設定することで、放射ノイズを抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2および特許文献3では、シールドケースの開口部分若しくは開口部近傍に磁性材料を配置することで、開口部およびその周辺から外部へ発生する放射ノイズを抑制する技術が開示されている。
特開2003−69271号公報 特開2000−174483号公報 実開平5−31297号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、回路基板を囲むシールドケースを複層構造としているため、構造が複雑となることに加え、部品点数、製造工数およびコストが増加するという問題がある。
特許文献2及び3に関しても、開口部の近傍部分にシールドケースの材料とは異なる磁性材料を設けるため、上記と同様に製造工数およびコストが増加すると考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コストがかからず簡素な構造にて開口部からの放射ノイズを効果的に抑制できるシールドケースを提供する。
かくして、本発明によれば、開口部を有し、電子部品を収納して該電子部品からの放射ノイズを遮蔽するための導電性ケース本体と、このケース本体の内部に設けられ、ケース本体に電気的に接続された導電部材とを備え、前記導電部材は、前記放射ノイズによってケース本体に発生して前記開口部の縁に沿って流れる誘起電流の一部を分流させて開口部周囲の電流密度を低減するよう、前記ケース本体の開口部を有する内面から内方へ突出し、かつ開口部を跨ぐ形状であると共に、開口部近傍に接続された電子機器用シールドケースが提供される。
本発明の電子機器用シールドケースによれば、電子部品からの放射ノイズによって導電性ケース本体に発生する誘起電流において、ケース本体の開口部を回り込むように流れる誘起電流(表面電流)の一部は、開口部の縁に沿って流れる誘起電流の電流密度を低減する方向に導電部材を通じて分流する。開口部の端部を回り込む誘起電流により発生する電磁波はシールドケースの外部へ放射されるが、導電部材を流れる誘起電流により発生する電磁波はシールドケースの内部へ放射される。つまり、導電部材によって開口部端部を回り込む誘起電流の電流密度が低減されるため、開口部周囲の誘起電流による外部への放射ノイズを抑制することができる。
本発明の電子機器用シールドケースは、開口部を有し、電子部品を収納して該電子部品からの放射ノイズを遮蔽するための導電性ケース本体と、このケース本体の内部に設けられ、ケース本体に電気的に接続された導電部材とを備え、前記導電部材は、前記放射ノイズによってケース本体に発生して前記開口部の縁に沿って流れる誘起電流の一部を分流させて開口部周囲の電流密度を低減するよう、前記ケース本体の開口部を有する内面から内方へ突出し、かつ開口部を跨ぐ形状であると共に、開口部近傍に接続されている
本発明において、ケース本体および導電部材の材質は、導電性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられ、ケース本体と導電部材の材質は同じでも異なっていてもよい。また、ケース本体は、全体が導電性材料から形成されていなくてもよく、例えばプラスチック製筐体の内面を導電性材料にて被覆した複層構造であってもよい。
本発明において、前記開口部は、一方向に長い形状であり、前記導電材料は、前記ケース本体の内面における開口部近傍の2箇所に接続され、前記2つの接続箇所部を結ぶ線の方向が、前記一方向と交わるように開口部を横断する方向であるようにシールドケースを構成してもよい。前記一方向に長い形状としては、長方形、楕円形、長円形、ひし形等が挙げられ、例えば開口部が長方形の場合、導電部材の2つの接続部分は、開口部の一対の長辺近傍に配置される。このようにすれば、導電部材を平面的に見て開口部上を渡らせる(跨がせる)ように配置することができる。したがって、開口部に向かって流れる誘起電流の一部を、開口部を回り込ませることなく、導電部材にて平面的に見て開口部上を渡らせる経路で流すことができ、その結果、開口部を回り込む誘起電流を低減することができる。
本発明において、前記導電部材は、ケース本体の開口部を有する内面から内方へ突出した形状である。具体的には、例えば開口部側に開口する線状四角形あるいは線状三角形、線状U字形、線状C字形等の平面部を有さない線形状(枠形状)が挙げられる。導電部材をこのような線形状にすることで、導電部材に流れる電流により発生する放射ノイズが、シールドケースの内部方向に対して最大となって外部への放射ノイズを効果的に抑制することができ、さらに、ケース本体の開口部を有する内面に対して垂直方向(直角)に突出する形状であることが好ましい。
本発明において、前記導電部材は、開口部における中心と長手方向側の端部との間に配置されていることが好ましく、このようにすれば開口部の縁に沿って流れる誘起電流を導電部材へ分流させるのに有効である。さらには、導電部材が、開口部の長手方向の両端の短辺近傍位置に2つ以上設けられていることが、開口部の両端の短辺側についての電流密度をそれぞれ低減することができる上で好ましい。
上述の導電部材は、例えばはんだ、導電性接着剤、溶接、かしめ等によってケース本体の内面に固定され電気的に接続されてもよいが、導電部材がケース本体に揺動可能に取り付けられてもよい。つまり、上述の構成のシールドケースは、前記導電部材をケース本体に電気的に接続する一対の筒状接続部材をさらに備えてもよく、この場合、前記導電部材は、両端が同一軸心上となるように線状部材を折り曲げて形成されると共に、折り曲げられた前記両端が前記筒状接続部材に揺動可能に保持される。この場合の導電部材としては、線状部材にて上述の線状四角形、線状三角形、U字形、C字形等に形成され、かつ両端が同一軸心上に折り曲げて形成されることが適当である。なお、両端部の向きは同じ方向でも逆方向でもよい。また、接続部材は、導電部材と同様に導電材料からなり、上述のはんだ、導電性接着剤、溶接、かしめ等によってケース本体の内面に固定される。
さらに、筒状接続部材にて揺動可能に保持された導電部材は、開口部の端部側に沿った状態において開口部と重ならない形状であることが好ましい。つまり、導電部材は、開口部の長辺と直交する方向の軸心廻りに揺動可能に設けられることにより、前記ケース本体の開口部を有する内面に対して内方へ突出する第1状態と、第1状態から揺動して開口部を横断しないように開口部の短辺外側の前記内面に沿った第2状態に切り替え可能に構成されていることが好ましい。
このようにすれば、ケーブルよりも断面積の大きいコネクタなどを開口部に通す際に、導電部材をケース本体の内面側に揺動させて開口部の本来の開口面積を確保することができる。つまり、断面積が開口部の開口面積以内である各種部品を開口部に通すことができる。一方、開口面積に余裕を生むことができる例えばケーブルを開口部に通す場合は、導電部材の突出方向をケース本体の内面に対して直角に近づけることで、EMC(Electromagnetic Compatibility)対策を有効にすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態に記載されている構成部品の寸法・材質・形状・その他の相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施形態1)
図1は背面に開口部2を有する本発明のシールドケースの実施形態1を示す斜視図であり、図2(a)および(b)は図1のシールドケースの側断面図および下方から見た横断面図である。図1および2において、座標系はxyzの直角座標系を用いている。この場合、シールドケースのケース本体1の形状は直方体であり、各辺の長さの関係はy方向>x方向>z方向である。また、開口部2は、ケース本体1の背面(yz平面)に、y方向の辺が長辺となりz方向の辺が短辺となる長方形に形成されている。このとき、開口部2は中心がケース本体1の開口部2を有する背面の中心と一致するように配置されている。また、ケース本体1の内面における開口部2の一方の長辺と他方の長辺とを電気的に接続する導電部材3が、開口部2の両端寄りに一対配置されている。この導電部材3は、開口を有する線状四角形(コの字形)に形成されており、両端がケース本体1の内面に電気的に接続され、ケース本体1の内面に対して垂直方向に突出している。なお、図1および2において、矢符Eはケース本体1の背面を流れる誘起電流を示している。
図1および2に示すように、ケース本体1の背面において、開口部2を回り込む誘起電流Eは、一部が開口部2の端部の方に流れ、残りは導電部材3を流れる。これにより、開口部2の端部に回り込む誘起電流Eの電流密度は減少するので、開口部2の両端部間に発生する磁流による放射ノイズは減少する。導電部材3に流れる電流によっても放射ノイズは発生するが、導電部材3で形成される誘起電流Eのループは開口部2に対して角度(この場合ほぼ直角)を持っているため、発生する放射ノイズのうち一部しか外部へ放射しない。この結果、外部への放射ノイズを抑制することができる。なお、誘起電流の流れる方向は時間経過に伴って逆方向に変化するが、逆方向に誘起電流が流れても上述と同様の効果が得られる。
(実施形態2)
図3は背面に開口部2を有する本発明のシールドケースの実施形態2を示す斜視図であり、図4(a)、(b)は図3のシールドケースにおける導電部材取付部位を示す側断面図および下方から見た横断面図である。なお、実施形態2において、実施形態1と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2のシールドケースは、ケース本体1は実施形態1と同様であり、導電部材13のケース本体1への取付構造が実施形態1とは異なる。以下、実施形態2の実施形態1とは異なる点を主として説明する。
実施形態2において、導電部材13は、両端が同一軸心上となるように導電性線材を折り曲げて形成された開口を有する正方形に形成されている。また、導電部材13をケース本体1に揺動可能に取り付けるために、開口部2の一対の長辺近傍には、同一軸心上に一対の筒状接続部材14、14が、例えばはんだ付けにより電気的にケース本体1の内面に接続されている。そして、各筒状接続部材14、14に、折り曲げた両端を挿し込むことにより導電部材13が揺動可能に保持されている。
このシールドケースにおいて、外部への放射ノイズの抑制対策を有効にする場合には、実施形態1のように導電部材13および開口部2で囲まれた面領域とケース本体1の内面とが角度(好ましくは直角)を持つ位置に導電部材13を揺動させればよく、一方開口部2からケーブル等の出し入れをする場合には、導電部材13を開口部2の端部の方へ揺動させて開口部2の有効開口面積を広げることができる。この場合、導電部材13および接続部材14、14を結ぶ直線で囲まれる面積を、接続部材14、14を結ぶ直線から端部側の開口部2の開口面積と同じかそれ以上になるように導電部材13を構成することにより、換言すれば、導電部材13のケース内方への突出寸法を、接続部材14から開口部2の端部までの距離と同じかそれ以上となるように導電部材13を構成することにより、断面積が開口部2の面積と同じかそれ以下であるケーブルやコネクタ等の部品の出し入れが可能となる。
なお、実施形態1のように導電部材3がケース本体1に固定されている構造の場合、一対の導電部材3、3の取付間隔はコネクタの幅よりも大きく設定され、よって当然ながら開口部2の長さを導電部材3、3の取付間隔より大きく設定する必要がある。一方、実施形態2では、導電部材13、13を揺動可能な構造とすることで、開口部2の長さはコネクタが通るだけの長さまで短くすることができるため、導電部材の設置による不必要な開口長さの増加を低減しながら外部への放射ノイズを効果的に抑制することができる。よって、実施形態2では、特に、ケーブルよりも断面積が大きいコネクタを通す場合に有効である。
(他の実施形態)
なお、導電部材は必ずしも2つ設置する必要はなく、1つとしてもよい。この場合、導電部材を2つ設置した場合に比較して若干放射ノイズ抑制効果は下がるが、全く導電部材が無い場合よりは効果が得られる。
また、開口部の長手方向の両端部間であれば、導電部材の取付位置はどこであっても放射ノイズ抑制効果が得られ、仮に端部に導電部材を取り付けた場合でも効果は得られるが、端部と開口部中心との間に取り付けた方が放射ノイズの抑制効果は高い。
導電部材の形状に関しては、導電部材を流れる誘起電流の経路がケース本体の内面よりも内方に位置させることが必要である。例えば、直線状あるいは直方体形状の導電部材をケース本体の内面に取り付けた場合において、導電部材はケース本体の内側に位置しているが、電流の最短経路で考えると、ケース本体の内面と導電部材の開口部側の面とが同一平面上にあるために電流の経路の変化が少ないため、本発明の効果はあまり得られない。このような場合も考慮に入れると、導電部材における平面的に見て開口部と重なる部分の少なくとも一部が、ケース本体の内面よりも内方に位置している必要がある
(実施例1)
図1で説明したシールドケースを以下の寸法、材料で作製した。
ケース本体1は、厚さ1mmの銅板を用い、x方向の辺を200mm、y方向の辺を75mm、z方向の辺を75mmとして作製された。また、開口部2は長辺が160mm、短辺が5mmである。各導電部材3は、直径1.0mmの銅線を用い、高さ5mm、奥行き10mmの開口を有する長方形に形成され、各導電部材3の接続箇所は開口部2の短辺から中心に向かって5mmの位置でそれぞれケース本体1の内面にはんだにて接続された。
(比較例1)
本発明の実施例1に対する比較例1として、導電部材を有しないシールドケースを用意した。
実施例1および比較例1における外部への放射ノイズ発生量を電磁界解析により求め、その比較により本発明の効果を検証した。なお、比較例1は、導電部材が無いことと、開口部2の長辺のみ150mmに変更したこと以外は、実施例1と同様の構成である。比較例1の開口部2を150mmとした理由は、開口部の用途がケーブルなどを通すためである場合に有効な開口面積を考慮し、実施例1の各導電部材3、3の間隔と比較例1の開口部長さを同じにするためである。なお、電磁界の波源としては10mmの微小ダイポールを用い、入力信号はガウシアンパルスを用いた。評価の対象とする周波数帯域は0〜2GHzとした。
図5(a)および(b)は、実施例1および比較例1における開口部2の中心からx方向に3m離れた点での電界強度の周波数特性のグラフである。図5において、縦軸はz方向の電界強度(単位:dBV/m)、横軸は周波数(単位:GHz)を表している。
図5(a)、(b)ともに1GHz付近で電界強度が最大となっているが、これは開口部2の長辺の長さ150mmがちょうど半波長となる周波数において共振が発生しているためである。両者の電界強度の最大値を比較すると、実施例では−15.6dBV/m、比較例1では−13.4dBV/mであり、実施例1の方が約2dB電界強度が低いことがわかった。
図6(a)および(b)は、実施例1および比較例1における開口部2の周辺での誘起電流の分布を解析した結果を示す図である。この場合、市販の解析ツール(Micro Wave-Studio:(株)エーイーティー製)を用いてFI法(Finite Integration:有限積分法)により解析した。解析モデルは、金属ケース本体の底面部に、微小ダイポールアンテナの一端を接続し、ガウシアンパルスを印加した場合に発生する電流を求めた。なお、周波数特性については、印加したガウシアンパルスの周波数特性について正規化し、全ての周波数で入力信号の振幅が同様になるようにした。
図6において、誘起電流の分布は等高線で示されており、図中の※印はそれぞれ電流値が最大となっている箇所を示している。
図6の結果から、開口部2の端部における電流値は比較例1に比べて実施例1の方が低くなっていることがわかり、これは実施例1では開口部2の端部に回り込む誘起電流の一部が導電部材3に分流したことによると考えられる。また、これらの結果から、本発明により外部への放射ノイズが抑制できることがわかる。
本発明は、電子機器用のシールドケースに適用でき、特に高集積密度および高周波数の電子部品を備えた通信機器や情報機器といった電子機器用のシールドケースに好適である。
本発明のシールドケースの実施形態1を示す斜視図である。 (a)および(b)は図1のシールドケースの側断面図および下方から見た横断面図である。 本発明のシールドケースの実施形態2を示す斜視図である。 (a)および(b)は図3のシールドケースにおける導電部材取付部位を示す側断面図および下方から見た横断面図である。 (a)および(b)は、実施例および比較例における放射ノイズの電界強度を示したグラフである。 (a)および(b)は、実施例および比較例における開口部があるケース本体平面上の電流分布を示した図である。 従来の一般的な直方体形の電子機器用シールドケースを示す斜視図である。 (a)および(b)は、開口部を有さない面および開口部を有する面を流れる誘起電流の電流経路を示す図である。
符号の説明
1 ケース本体
2 開口部
3、13 導電部材
14 筒状接続部材
E 誘起電流

Claims (8)

  1. 開口部を有し、電子部品を収納して該電子部品からの放射ノイズを遮蔽するための導電性ケース本体と、このケース本体の内部に設けられ、ケース本体に電気的に接続された導電部材とを備え、
    前記導電部材は、前記放射ノイズによってケース本体に発生して前記開口部の縁に沿って流れる誘起電流の一部を分流させて開口部周囲の電流密度を低減するよう、前記ケース本体の開口部を有する内面から内方へ突出し、かつ開口部を跨ぐ形状であると共に、開口部近傍に接続されたことを特徴とする電子機器用シールドケース。
  2. 前記開口部は、一方向に長い形状であり、
    前記導電材料は、前記ケース本体の内面における開口部近傍の2箇所に接続され、
    前記2つの接続箇所部を結ぶ線の方向が、前記一方向と交わるように開口部を横断する方向である請求項1に記載の電子機器用シールドケース。
  3. 前記導電部材は、前記ケース本体の開口部側に開口する線状四角形、線状三角形、線状U字形または線状C字形である請求項1または2に記載の電子機器用シールドケース。
  4. 前記導電部材は、ケース本体の開口部を有する内面に対して垂直方向に突出する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子機器用シールドケース。
  5. 前記導電部材は、開口部中心と、開口部の長手方向両端側の短辺のうちの少なくとも一方との間に配置されている請求項2〜4のいずれか1つに記載の電子機器用シールドケース。
  6. 前記導電部材が、開口部の長手方向両端側の短辺近傍位置に2つ以上設けられた請求項5に記載の電子機器用シールドケース。
  7. 前記導電部材をケース本体に電気的に接続する一対の筒状接続部材をさらに備え、
    前記導電部材は、両端が同一軸心上となるように線状部材を折り曲げて形成されると共に、折り曲げられた前記両端が前記筒状接続部材に揺動可能に保持された請求項2〜6のいずれか1つに記載の電子機器用シールドケース。
  8. 前記導電部材は、開口部の長辺と直交する方向の軸心廻りに揺動可能に設けられることにより、前記ケース本体の開口部を有する内面に対して内方へ突出する第1状態と、第1状態から揺動して開口部を横断しないように開口部の短辺外側の前記内面に沿った第2状態に切り替え可能に構成された請求項7に記載の電子機器用シールドケース。
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