JP4666433B2 - 釣り用浮舟 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、近年、釣り用フローターとして普及し始めている簡易型釣り用浮舟に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば湖水面でバス釣り等のルアーフィッシングを楽しむ際、釣り人がウエーダー(防水長靴)やフローティングベスト(ライフジャケット)やフィン(足ビレ)等を着用してフローターと呼ばれる簡易型釣り用浮舟を使用しながら自分の好きな釣り場に移動して釣りを行うことが盛んになっており、このような簡易型釣り用浮舟に関する技術として、例えば特開2000−211580や特開2000−219191のような技術が知られている。
【0003】
そしてこれらの技術は、いずれも中空部を有する環状のフロート本体と、中空部のうち両足を挿通させる空間部を残して残余の空間部を覆う底布を備えており、両足を挿通させる空間部に両足を通して底布に腰掛けた姿勢になるとともにフロート本体が胴体周りに位置するような状態となって水中に入り、フロート本体の浮力で浮ながら、水中のフィンで好きな場所に移動して釣りを楽しむという技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の場合は、フロート本体を使用する際、例えば平坦な場所ではウエーダー(防水長靴)やフローティングベスト(ライフジャケット)やフィン(足ビレ)等を装着した状態でフロート本体の足挿入空間部から足を通すように乗り込むのが普通であるが、この際、フィンを装着したまま足を通そうとすると足挿入空間部が狭いため、フィンが引っ掛かって転び易いという問題があった。
また、足場が不安定な場所では、ウエーダーやフローティングベストやフィン等を装着した状態でフロート本体を頭から被るよう着用することもあるが、フローティングベスト等を着用しているため胴回りが嵩張っており、頭から被るように着用するのは小柄の人を除いて非常に難しかった。
【0005】
またフロート本体に、チャック等で開閉自在な収納袋等の物入れを装着することがあるが、例えばルアーの交換作業等を行うような際に一時的に必要な道具を置くことが出来、また、搭載した物品が落下しないような設備を簡素に構成したものはなく、不便であった。
【0006】
そこで本発明は、ウエーダーやフローティングベストやフィン等を装着した状態でフロート本体を着用し易くなるようにし、また、置いた物が落ちにくい物品搭載設備を簡素に構成することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、釣り人の胴体より大きめの中空部を有する環状のフロート本体と、前記中空部のうち釣り人の両足を挿通せしめることの出来る空間部を残して残部の空間部を覆うようにフロート本体に装着される底布を備えた釣り用浮舟において、前記底布の一部に設けた切れ目を開閉自在にし、両足を挿通せしめることの出来る空間部を一時的に広げることが出来るようにし、また、フロート本体の上部に物品搭載用のネットエプロンを着脱自在に設け、このネットエプロンの少なくとも一部に物の落下を防止する凹所が形成されるようにした。
【0008】
このように底布の一部に設けた切れ目を開閉自在にし、両足を挿通させるための空間部を一時的に広げることが出来れば、例えば足を挿通させる際にフィンを引掛けて転ぶような不具合を防止出来、また、頭から被って着用することも楽に行えるようになって、使い勝手が良くなる。ここで、底布の一部に設けた切れ目を開閉自在にするためには、例えば底布の一部に切れ目を形成し、この切れ目にファスナーを設けて開閉自在にしても良く、また、切れ目にロープの編み上げ構造等を採用して開閉自在にしても良く、その他の手段で開閉自在にしても良い。
【0010】
また、フロート本体の上部に着脱自在に設けたネットエプロン上に、例えばルアーの交換作業等において、必要な道具等を一時的に搭載出来るようにしておけば作業が楽に行え、また、凹所によって搭載物の落下が防止される。
【0011】
この際、例えば網状のネットエプロンの複数箇所を引張ってフロート本体に着脱自在にすれば、簡素に構成することが出来るが、この際、ネットエプロンを引張る箇所を周縁端部から若干奥まった箇所にすることにより、少なくとも一部に凹所を形成することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る釣り用浮舟の基本形態を示す平面図、図2は底布の一部を開いた状態を説明する底面図、図3はフロート本体を頭から被って着用する状態の説明図、図4はフロート本体にネットエプロン等を装着した状態の斜視図、図5は図4のA−A線断面図、図6はショルダーハーネスの使用状態の説明図、図7は釣り用浮舟の使用状態の説明図である。
【0013】
本発明に係る釣り用浮舟は、例えば湖水等のバスフィッシング等で近年盛んに利用されるようになったフローターと呼ばれる個人用の釣り用浮舟において、釣り人がウエーダー(防水長靴)やフローティングベスト(ライフジャケット)やフィン(足ビレ)等を装着した状態で、フロート本体を着用する際に楽に着用出来るようにし、また、物品搭載用の設備を簡易に構成出来るようにするとともに、この設備から物品が落下することがないようにされている。
【0014】
すなわち、本釣り用浮舟1の基本形態は、図1に示すように、エア充気式の環状のフロート本体2と、このフロート本体2の底面部に貼着され且つフロート本体2の中空部の一部を覆う形態の底布3を備えており、フロート本体2の中空部は、釣り人の胴体より大きめにされるとともに、底布3の一辺側中央部にはベルト4の基端部が縫着され、このベルト4の先端部は、フロート本体2に対して着脱自在にされている。
【0015】
そして、このベルト4を挟んで両側の空間部Hが、両足を挿通せしめることの出来る空間部とされ、この空間部Hに両足を通し、フロート本体2を腰周りまで持ち上げると、底布3に腰掛けた状態になるようにしている。
【0016】
ところで、ベルト4を挟んだ両側の空間部Hに足を通す際、フィンを装着しないで足を通すとその後フィンが装着しにくくなるため、フィンを装着した状態で足を通すのが普通であるが、この場合は空間部Hが狭いためフィンを引掛けて転ぶおそれがあり、また、フロート本体2を頭から被ろうとしてベルト4を外しても、フローティングベスト等を着用している状態では空間部Hの広さが狭く、よほど小柄の人でないと円滑に着用することが出来ないのは前述の通りである。
【0017】
そこで本発明では、底布3の一部に切れ目を入れ、この切れ目にファスナ5を取付けて開閉自在にしている。そしてベルト4を外した状態でファスナ5を操作して、図2に示すような状態に開けば空間部Hが広がり、例えば図3に示すようなフロート本体2を頭から被って着用するような動作でも円滑に行うことが出来るようにしている。
【0018】
ところで、フロート本体2の上面側には、図1に示すように複数箇所(四ヶ所)にDリング6を取付けており、このDリング6を利用して、以下に述べるネットエプロン7や、後述するショルダーハーネス8等を装着出来るようにしている。
【0019】
ネットエプロン7は、例えば一時的に物を置いておくための装備品であり、フロート本体2に着脱自在にされている。
そしてこのネットエプロン7は、図4に示すように、例えば化学繊維製等のネット部材9と、このネット部材9の基端側二ヶ所に取付けられる展張ベルト11と、ネット部材9の先端側裏面の二ヶ所に取付けられる面ファスナを備えており、展張ベルト11の延出端部にはフック具12が設けられている。
【0020】
そして、前記ネット部材9の先端側裏面の面ファスナをフロート本体2の二ヶ所の面ファスナ10(図1)に係脱自在にするとともに、展張ベルト11の端部のフック具12を、フロート本体2の基端側二ヶ所のDリング6に係脱自在にしている。
また、前記展張ベルト11は、ネット部材9の周縁端部から若干奥まった箇所をつまむように取付けられており、この奥まった箇所をつまんで引張ることにより、図5にも示すように、左右の展張ベルト11で挟まれるネット部材9の一辺側周縁部が立ち上がった状態になって、その下方に凹所dが形成されるようにしている。
【0021】
この際、展張ベルトをネット部材9の周縁四ヶ所に設け、若干奥まった箇所をつまんで引張ることにより凹所の数や位置を増やすようにしても良い。
【0022】
尚、前記フロート本体2の基端側上部には、背当て用フロート13が取付けられ、またフロート本体2の内部は、2気室に区画されて合計3気室にされており、万一、損傷等により一ヶ所の気室から空気が漏れても安全に岸まで戻れるようにするとともに、給排気用のバルブbを大型化し、充気や排気時間の短縮を図っている。
また、図4に示すように、背当て用フロート13の両側には、それぞれ一対の取付けベルト14によりフロート本体2に着脱可能な左右一対の収納袋15が取り付けられており、この収納袋15は、例えばファスナ等で開閉自在にされて小物等を収納出来るようにしている。
【0023】
前記ショルダーハーネス8は、前後のDリング6に係脱自在な左右一対の肩バンド16と、肩バンド16同士を胸の前で連結自在な胸バンド17を備えており、釣り人がフロート本体2を着用した後、肩バンド16をDリング6に取り付けて、図6に示すように、前方の胸バンド17を締結するようにしている。
【0024】
以上のような釣り用浮舟1において、釣り人がウエーダーやフローティングベストやフィン等を装着した状態で、フロート本体2と背当て用フロート13に充気して膨らませた後、底布3のファスナ5を開いて空間部Hを広げ、例えば図3に示すような状態でフロート本体2を頭から被って腰の位置まで降ろす。
この際、フローティングベスト等によって胴体周りが嵩張っていても、空間部Hが広いため楽に装着することが出来る。
勿論、空間部Hを広げて足を通すようにしても良く、この場合にもフィンが引っ掛かるような不具合はない。
【0025】
その後、必要に応じて収納袋15をフロート本体2に取り付け、またショルダーハーネス8の肩バンド16の後側端のフック具を後方のDリング6に引掛けて装着する。
【0026】
次いで底布3のファスナ5を閉じて、両足の間にベルト4を通し、ベルト4の先端部をフロート本体2に締結する。
その後、ショルダーハーネス8の肩バンド16を、後方から肩の上を通過させて前方に引き出し、先端側のフック具を前方のDリング6に引掛け、図6に示すように、胸バンド17を締結する。
【0027】
そして、必要に応じてネットエプロン7を前記の要領で装着して入水し、図7に示すように、底布3に腰掛けた状態になって浮かび、またフィン18によって好きな場所に移動しながら釣りを楽しむ。
そして例えばルアーを交換するような時、ネットエプロン7の上に必要な道具等を置いて作業すれば作業が円滑に行われ、またネットエプロン7の凹所dによって物が落下するような不具合を防止出来る。
【0028】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば底布3に形成する切れ目の箇所等は任意であり、また同切れ目を開閉するための手段は、ファスナ5以外の編み上げ式等によるようにしても良い。
また、ネットエプロン7の凹所dの数等も任意である。
更に、本釣り用浮舟1の使用場所は湖水に限られるものではなく、海水等の海釣りでも良いことはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る釣り用浮舟は、環状のフロート本体の中空部の一部を覆うように装着される底布の一部に設けた切れ目を開閉自在にし、両足を挿通せしめることの出来る空間部を一時的に広げることが出来るようにしたため、例えば頭から被って着用するようなことも楽に行えるようになり、使い勝手が良くなるとともに、フィンを引掛けて転ぶような不具合を無くすことが出来る。またフロート本体の上部に物品搭載用のネットエプロンを着脱自在に設け、このネットエプロンの少なくとも一部に物品の落下を防止する凹所が形成されるようにすれば、物品搭載用の設備が簡易に構成出来、またネットエプロン上に搭載したものが落下するのを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る釣り用浮舟の基本形態を示す平面図
【図2】底布の一部を開いた状態を説明する底面図
【図3】フロート本体を頭から被って着用する状態の説明図
【図4】フロート本体にネットエプロン等を装着した状態の斜視図
【図5】図4のA−A線断面図
【図6】ショルダーハーネスの使用状態の説明図
【図7】釣り用浮舟の使用状態の説明図
【符号の説明】
1…釣り用浮舟、2…フロート本体、3…底布、5…ファスナ、7…ネットエプロン、d…凹所。
Claims (1)
- 釣り人の胴体より大きめの中空部を有する環状のフロート本体と、中空部のうち釣り人の両足を挿通せしめることの出来る空間部を残して残部の空間部を覆うようにフロート本体に装着される底布を備えた釣り用浮舟であって、底布の一部に開閉自在な切れ目を設け、両足を挿通せしめることの出来る空間部を一時的に広げることが出来るようにし、また、フロート本体の上部に物品搭載用のネットエプロンを着脱自在に設け、このネットエプロンの少なくとも一部に物の落下を防止する凹所が形成されるようにしたことを特徴とする釣り用浮舟。
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JP2000219191A (ja) * | 1999-01-28 | 2000-08-08 | Mamiya Op Co Ltd | 水上フローター |
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- 2001-01-30 JP JP2001021438A patent/JP4666433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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