JP4666226B2 - プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター及びその製造方法、並びにプラズマディスプレイパネル - Google Patents
プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター及びその製造方法、並びにプラズマディスプレイパネル Download PDFInfo
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Description
プラズマディスプレイパネルの表面に設けられ、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子が分散された分散体を有するプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターであって、
上記近赤外線吸収材料は、平均分散粒子径が800nm以下の複合タングステン酸化物微粒子であり、
上記光吸収微粒子は、波長350nm〜400nmの領域の光を吸収する光吸収微粒子であり、
上記光吸収微粒子添加時の上記プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターにおける、波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をP(1)、
上記光吸収微粒子無添加時の上記プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターにおける、波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をP(0)としたとき、
[P(0)−P(1)]/P(0)≧0.05
を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
基材と、その基材の片面または両面に形成された被膜とを有し、
上記被膜は、樹脂または透明酸化物材料をバインダー成分とし、
上記基材内もしくは上記被膜内、または、上記基材内と上記被膜内との両方に、上記近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が、分散して添加されて分散体となっていること特徴とする第1の構成に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
基材と、その基材の片面または両面に形成された被膜とを有し、
上記被膜は、樹脂または透明酸化物材料をバインダー成分とし、
上記基材内に上記近赤外線吸収材料粒子が分散して添加され且つ上記被膜内に上記光吸収微粒子が分散して添加され分散体となっているか、または、上記基材内に光吸収微粒子が分散して添加され且つ上記被膜内に近赤外線吸収材料粒子が分散して添加されて分散体となっていることを特徴とする第1の構成に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
プラズマディスプレイパネルの表面に接着層を介して基材が配置され、
上記基材と接着層の少なくとも一方に近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が分散して添加され分散体となり、または、上記基材に上記近赤外線吸収材料粒子もしくは上記光吸収微粒子の一方が、上記接着層に上記近赤外線吸収材料粒子もしくは上記光吸収微粒子の他方がそれぞれ分散して添加されて分散体となっていること特徴とする第1の構成に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
プラズマディスプレイパネルの表面に、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が分散して添加された分散体の被膜が設けられていること特徴とする第1の構成に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記複合タングステン酸化物微粒子が、一般式MxWO3(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x≦1)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子であることを特徴とする第1乃至第5の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記光吸収微粒子が、カーボンブラック微粒子、酸化鉄微粒子のうちから選ばれる1種類以上であることを特徴とする第1乃至第6の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記一般式MxWO3で表記される上記複合タングステン酸化物微粒子は、六方晶、または、正方晶、または、立方晶のいずれかの結晶構造を有していることを特徴とする第6または第7の構成に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちのいずれか1種類以上であることを特徴とする第6乃至第8の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記基材が、プラスチックボード、フィルム、またはガラスで構成されていることを特徴とする第2乃至第9の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
上記バインダー成分が、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂、金属アルコキシド、粘着材から選択されたいずれか1種類以上の成分を有することを特徴とする第2乃至第10の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターである。
プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターの製造方法であって、
上記近赤外線吸収材料として、平均分散粒子径が800nm以下の複合タングステン酸化物微粒子を所定の媒体に、0.01g/m2〜10g/m2の濃度で分散して分散体を得る工程と、
波長350nm〜400nmの領域の光を吸収する光吸収微粒子を、上記所定の媒体に、上記近赤外線吸収材料の分散重量の1/200〜1/40の重量で分散して分散体を得る工程と、を有し、
当該得られた分散体を用いて近赤外線吸収フィルターを製造することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターの製造方法である。
第1乃至第11の構成のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターが用いられていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
[P(0)−P(1)]/P(0)≧0.05
を満たす。これにより、当該近赤外線吸収フィルターでは、複合タングステン酸化物微粒子で散乱した散乱光を該光吸収微粒子によって吸収させることによって、プラズマディスプレイパネルの背景が黒色の部位に使用したときや、映像が投影されていない時に、画面が青白く見えるという意匠性の低下を抑制することができ、実用性が高い。
複合タングステン酸化物を近赤外線吸収材として適用する場合、工業的に安価で簡便な方法として微粒子分散法が挙げられる。これは、上記複合タングステン酸化物の微粒子を、基材上に形成した被膜内に均一に分散して分散体とし、ここを透過する近赤外線を遮蔽する方法である。
[P(0)−P(1)]/P(0)≧0.05 ……(1)
を満たすことで、上述した意匠性低下を抑制できることに想到した。
(1)複合タングステン酸化物微粒子
本実施形態の近赤外線吸収材料としては複合タングステン酸化物微粒子が用いられる。その中でも、複合タングステン酸化物微粒子として、一般式MxWO3(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x≦1)で表記される複合タングステン酸化物微粒子は、Mの添加によりWO3構造中に自由電子が生成されて近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現するため、1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となることから好ましい。
本実施形態のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターに用いられる光吸収微粒子は、波長780nm以下の領域に吸収があることが求められる。
(1)にて説明した複合タングステン酸化物微粒子を分散した分散体においては、光の散乱が生じ、特に、発明者等が研究した結果によれば、波長350nmから400nmの領域の散乱光が顕著であり、この領域の散乱光を抑制することが重要である。カーボンブラックや酸化鉄のように、特に波長350nm〜400nmの可視光領域の光を吸収する微粒子を、光吸収微粒子として、複合タングステン酸化物微粒子とともに分散体中に分散させることで、青白色の散乱光を抑制できる。
近赤外線吸収材としての複合タングステン酸化物微粒子と光吸収微粒子との混合物中に、色調調整用として、染料や顔料を添加することも好ましい構成である。特に、コントラスト向上に寄与するような色調調整は、プラズマディスプレイの画像品質を向上させるためにも有効な方法である。
次に、本実施形態のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターを製造する方法を、以下に具体的に説明する。
まず、複合タングステン酸化物微粒子及び光吸収微粒子が液体媒質中に混合分散された近赤外線吸収材の分散液を調製し、かつ、この分散液から溶剤成分を除去して複合タングステン酸化物微粒子及び光吸収微粒子の粉末を得る。尚、原料である複合タングステン酸化物微粒子、光吸収微粒子を液体媒質中に分散させることにより、原料段階で結合されていた微粒子同士が分離され微細な粒子が分散した粉末を得ることが可能となる。但し、原料段階で微粒子の粒子径が微細化されている場合、これらの処理については省略してもよい。
まず、複合タングステン酸化物微粒子及び光吸収微粒子が液体媒質中に混合分散された近赤外線吸収材の分散液を調製し、この分散液を(a)で説明したプラスチックボード、プラスチックフィルム、または、ガラス等から成る基材の表面に均一にコートし、かつ、溶媒を蒸発させて複合タングステン酸化物及び光吸収微粒子が分散された分散体である被膜とする。この被膜の膜厚を変えることで近赤外線の吸収効率を調整することが可能である。更に、近赤外線吸収材の分散液内にバインダー成分を配合させ、かつ、バインダー成分を各種選定することで基材への結着性が向上し、フィルター表面における保護機能や本体への粘着の機能付与が可能となる。
この近赤外線フィルターは、基材と、この基材上に形成される被膜とのそれぞれに、複合タングステン酸化物微粒子及び光吸収微粒子が混合して分散し、分散体となったものである。微粒子の分散方法は、複合タングステン酸化物微粒子及び光吸収微粒子を、基材または被膜のそれぞれに分散させた、上述の分散方法と同様の方法で分散させれば良い。
このプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターは、基材と、その基材の片面もしくは両面に形成された樹脂もしくは透明酸化物材料をバインダー成分とする被膜よりなり、1)基材内に近赤外線吸収材料粒子が分散されて分散体となり、該基材上に形成された被膜内に光吸収微粒子が分散されて分散体となるか、または、2)基材内に光吸収微粒子が分散されて分散体となり、該基材上に形成された被膜内に近赤外線吸収材料粒子が分散されて分散体となる形態も可能である。
分散方法は、複合タングステン酸化物微粒子、光吸収微粒子をそれぞれ単独で、上述した方法と同様にして分散させれば良い。
基材としてのプラスチックフィルムやボードをプラズマディスプレイパネル前面ガラスに接着する接着層に対して、本実施形態の近赤外線吸収機能を持たせ、これらの基材及び接着層により、本実施形態のプラズマディスプレイパネル用近赤外線フィルターを作製することも可能である。この場合、これらの基材と接着層の少なくとも一方を、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子が混合して分散された分散体としてもよく、または、基材に近赤外線吸収材料粒子もしくは光吸収微粒子の一方が分散された分散体とし、接着層に近赤外線吸収材料粒子もしくは光吸収微粒子の他方が分散された分散体としてもよい。
被膜における各種バインダーの選定により、プラズマディスプレイ前面ガラスに、本実施形態の近赤外線吸収材としての複合タングステン酸化物微粒子と光吸収微粒子との混合分散液を直接塗布し、溶媒を蒸発後、各種最適な硬化方法を用いて上記近赤外線吸収材等が分散された被膜(近赤外線吸収膜)を形成し、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子が分散された分散体とする。これにより、本実施形態のプラズマディスプレイパネル用近赤外線フィルターを作製することも可能である。
上述のような形態を採ったプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターでは、光吸収微粒子添加時の780nm以下の波長領域の全光線反射のピーク強度をP(1)、光吸収微粒子無添加の時の780nm以下の波長領域の全光線反射のピーク強度をP(0)としたとき、
[P(0)−P(1)]/P(0)≧0.05 ……(1)
を満たす。
複合タングステン酸化物微粒子を分散した分散体においては、微小な光の散乱が生じ、特に、複合タングステン酸化物微粒子の分散体の場合、波長350nmから400nmの領域の散乱光が顕著であるが、カーボンブラックや酸化鉄のような光吸収微粒子を添加することにより、上記領域の散乱光を吸収することが可能となり、青白い散乱光を抑制できる。
上記近赤外線吸収フィルターを用いたプラズマディスプレイパネルにおいても、上述と同様に、近赤外線吸収フィルターの複合タングステン酸化物微粒子で散乱した散乱光を光吸収微粒子によって吸収させることよって、背景が黒色の部位や映像が投影されていない時に、画面が青白く見える意匠性の低下を抑制することができる。
以下の各実施例ではJIS A 5759に準ずる方法で測定を行っている(但し、ガラスに貼付せず測定を行っている)。すなわち、透過率測定は分光光度計(日立製作所U―4000)を使用して、波長300nm〜2600nmの範囲を5nm間隔で測定している。
膜のヘイズ値は、JIS K 7105に基づき測定を行なった。
平均分散粒子径は、動的光散乱法を用いた測定装置[大塚電子株式会社製 ELS−800]により測定した平均値を用いた。
Cs0.33WO3粉末を18.5重量部、4−メチル−2−ペンタノン63重量部、分散剤18.5重量部を混合し、分散処理を行ってA液を作製した。
別に、カーボンブラック粉末9重量部、分散剤12重量部、トルエン79重量部を混合し、分散処理を行ってB液を作製した。次に、A液を120重量部、B液を2重量部、ハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)61重量部を混合して赤外線遮蔽材料微粒子分散体液とした。この赤外線遮蔽材料微粒子分散体液を、ガラス基板上にバーコーターを用いて塗布成膜し、この成膜を80℃で60秒乾燥し溶剤を蒸発させた後、高圧水銀ランプで硬化させ、複合タングステン酸化物微粒子とカーボン微粒子とが分散された分散体である赤外線遮蔽膜を得た。
この赤外線遮蔽膜の光学特性を測定したところ、可視光透過率は56%、1000nmの透過率は2.6%で、可視光は十分透過しており、かつ、近赤外線は良く遮断していることがわかった。
また、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.6%と低い。このため、実施形態の式(1)の値は、後述の比較例1を考慮したとき0.06となり、0.05より大きく、散乱光が吸収されて青白みが抑制されていた。
実施例1で説明したA液を100重量部、ハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)100重量部を混合して赤外線遮蔽材料微粒子分散体液とし、ガラス基板の一方の片面に実施例1と同様に成膜した。別に、実施例1で説明したB液を100重量部、ハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)100重量部を混合して光吸収微粒子分散液とし、赤外線遮蔽膜を形成したガラス基板の他方の片面に実施例1と同様に成膜し、複合タングステン酸化物微粒子とカーボン微粒子とが分散された分散体である赤外線遮蔽膜を得た。
この赤外線遮蔽膜の光学特性を測定したところ、可視光透過率は65%、1000nmの透過率は3.0%で、可視光は十分透過しており、かつ、近赤外線は良く遮断していることがわかった。
また、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.6%と低い。このため、実施形態の式(1)の値は、後述の比較例1を考慮したとき0.06となり、0.05より大きく、散乱光が吸収されて青白みが抑制されていた。
酸化鉄粉末20重量部、分散剤10重量部、トルエン80重量部を混合し、分散処理を行って分散液Cを作製した。次に、この分散液Cの3重量部に、実施例1で説明したA液を120重量部、実施例1で説明したB液を2重量部、ハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)70重量部を混合して赤外線遮蔽材料微粒子分散体液とし、その他は実施例1と同様の操作を行って複合タングステン酸化物微粒子とカーボン微粒子とが分散された分散体である赤外線遮蔽膜を得た。
この赤外線遮蔽膜の光学特性を測定したところ、可視光透過率は65%、1000nmの透過率は5.0%で、可視光は十分透過しており、かつ、近赤外線は良く遮断していることがわかった。
また、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.4%と低い。このため、実施形態の式(1)の値は、後述の比較例1を考慮したとき0.10となり、0.05より大きく、散乱光が吸収されて青白みが抑制されていた。
実施例1で説明したA液120重量部とハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)60重量部とを混合して赤外線遮蔽材料微粒子分散体液とし、その他は実施例1と同様に操作して、複合タングステン酸化物微粒子が分散された分散体である赤外線遮蔽膜を得た。
この赤外線遮蔽膜の光学特性を測定したところ、可視光透過率は67%、1000nmの透過率は1.9%で、可視光は十分透過しており、かつ、近赤外線は良く遮断していることがわかった。
しかし、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は6.0%と高く、散乱光の吸収が十分でないために顕著な青白みが見られた。
12 表示電極
13 誘電体ガラス層
14 保護層
15 背面ガラス基板
16 アドレス電極
17 隔壁
18 蛍光体層
19 放電空間
Claims (13)
- プラズマディスプレイパネルの表面に設けられ、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子が分散された分散体を有するプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターであって、
上記近赤外線吸収材料は、平均分散粒子径が800nm以下の複合タングステン酸化物微粒子であり、
上記光吸収微粒子は、波長350nm〜400nmの領域の光を吸収する光吸収微粒子であり、
上記光吸収微粒子添加時の上記プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターにおける、波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をP(1)、
上記光吸収微粒子無添加時の上記プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターにおける、波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をP(0)としたとき、
[P(0)−P(1)]/P(0)≧0.05
を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。 - 基材と、その基材の片面または両面に形成された被膜とを有し、
上記被膜は、樹脂または透明酸化物材料をバインダー成分とし、
上記基材内もしくは上記被膜内、または、上記基材内と上記被膜内との両方に、上記近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が、分散して添加されて分散体となっていること特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。 - 基材と、その基材の片面または両面に形成された被膜とを有し、
上記被膜は、樹脂または透明酸化物材料をバインダー成分とし、
上記基材内に上記近赤外線吸収材料粒子が分散して添加され且つ上記被膜内に上記光吸収微粒子が分散して添加され分散体となっているか、または、上記基材内に光吸収微粒子が分散して添加され且つ上記被膜内に近赤外線吸収材料粒子が分散して添加されて分散体となっていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。 - プラズマディスプレイパネルの表面に接着層を介して基材が配置され、
上記基材と接着層の少なくとも一方に近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が分散して添加され分散体となり、または、上記基材に上記近赤外線吸収材料粒子もしくは上記光吸収微粒子の一方が、上記接着層に上記近赤外線吸収材料粒子もしくは上記光吸収微粒子の他方がそれぞれ分散して添加されて分散体となっていること特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。 - プラズマディスプレイパネルの表面に、近赤外線吸収材料粒子及び光吸収微粒子の混合物が分散して添加された分散体の被膜が設けられていること特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記複合タングステン酸化物微粒子が、一般式MxWO3(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x≦1)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記光吸収微粒子が、カーボンブラック微粒子、酸化鉄微粒子のうちから選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記一般式MxWO3で表記される上記複合タングステン酸化物微粒子は、六方晶、または、正方晶、または、立方晶のいずれかの結晶構造を有していることを特徴とする請求項6または7に記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちのいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記基材が、プラスチックボード、フィルム、またはガラスで構成されていることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- 上記バインダー成分が、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂、金属アルコキシド、粘着材から選択されたいずれか1種類以上の成分を有することを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルター。
- プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターの製造方法であって、
上記近赤外線吸収材料として、平均分散粒子径が800nm以下の複合タングステン酸化物微粒子を所定の媒体に、0.01g/m2〜10g/m2の濃度で分散して分散体を得る工程と、
波長350nm〜400nmの領域の光を吸収する光吸収微粒子を、上記所定の媒体に、上記近赤外線吸収材料の分散重量の1/200〜1/40の重量で分散して分散体を得る工程と、を有し、
当該得られた分散体を用いて近赤外線吸収フィルターを製造することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターの製造方法。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターが用いられていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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