JP4665026B2 - 鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器 - Google Patents

鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器に関する。
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式のネットワークの代表としては、IEEE802.3規格で規定されるイーサネット(登録商標)、つまりツイストペアケーブルを使用する10Base−T/100Base−TX/1000Base−Tや光ケーブルを使用する10Base−F/100Base−FX/1000Base−LX/1000Base−SX等がある。これらCSMA/CD方式のネットワークを鉄道車両に適用しようとした場合、図1に示すように1列のバス状の伝送路となる。一方、IEEE802.3の規格で規定されているリピータでは、10Mbps時で4段まで、100Mbps時で2段までとの規制があるため、10Mbpsでも4両までしか対応できないこととなり、ネットワークとして一番広く使われているイーサネット(登録商標)を車両に適用することができなかった。
また、CSMA/CD方式のネットワークは、基本的にデータの衝突を許し、衝突発生時にはデータを再送する伝送方式のため、車両の制御情報など伝送遅延が許されないシステムへの適用が難しく、低速で高価なトークンリング方式などのネットワークを採用する必要があった。
上述したように近年一番広く使われるようになったIEEE802.3規格のネットワークであるイーサネット(登録商標)を鉄道車両用伝送装置に利用しようとする場合、長編成の車両には適用できない、またシステムの信頼性が担保できない問題点があった。
そこで、本発明の目的は、長編成の車両にも適用することができて、信頼性を向上させることができる鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器を提供することである。
上記課題は、各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成した鉄道車両用伝送装置であって、前記各車両の伝送中継器は、前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合には、異常発生伝送中継器又は伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信すると共に送信権用専用パケットを流して従系側伝送中継器も主系側ネットワークに組み込む制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置によって達成できる。
また、上記課題は、各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成した鉄道車両用伝送装置における伝送中継器であって、前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合には、異常発生伝送中継器又は伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信すると共に送信権用専用パケットを流して従系側伝送中継器も主系側ネットワークに組み込む制御を行うことを特徴とする伝送中継器によって達成できる。
また、上記課題は、各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成する鉄道車両用伝送装置であって、前記各車両の伝送中継器は、前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線伝送送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合に、異常発生伝送中継器又は幹線伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信し、従系側伝送中継器にもデータの受信を可能にする制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置によって達成できる。
また、上記課題は、各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成する鉄道車両用伝送装置における伝送中継器であって、前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線伝送送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合に、異常発生伝送中継器又は幹線伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信し、従系側伝送中継器にもデータの受信を可能にする制御を行うことを特徴とする伝送中継器によって達成できる。
本発明により、CSMA/CD方式のネットワーク方式を採用し、主従二組のバス状に接続された伝送中継器間(同一車両内)を接続する伝送路を追加し、梯子状の伝送路構成とし、梯子状伝送路の縦ライン(系間伝送路)を使用することで、長編成の車両にも適用することができて、信頼性を向上させることができる鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器を提供することができる。
また、本発明により、伝送路を接続し、複数の伝送中継器が伝送路に衝突回避のための専用パケットを流し、各伝送中継器が専用パケットに従いデータをリピートするポートを適切に制御することにより、CSMA/CD方式のネットワークにおいてもデータの衝突を回避し、かつ接続段数の制約をなくし、さらに低遅延でデータをリピートすることができる鉄道車両用伝送装置及び伝送中継器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の1つの実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送路の構成を示し、図2は伝送中継器の構成を示している。本実施の形態の鉄道車両用伝送装置において、複数の伝送中継器1a〜1n各々は3ポート以上(自号車がデータ授受しない場合は2ポート以上)の伝送送受信器ポート4a、4b、4cと、各伝送ポートのデータリピートを制御し、また伝送中継器間の専用パケットを制御する伝送中継器制御装置2と、自号車のデータ送信/受信を行う複数の伝送局5と、複数の伝送中継器1a〜1n間をバス状に接続する伝送路3a〜3(n−1)から構成されている。
自号車の伝送局5は伝送中継器1内にあっても、伝送中継器1外にあってもよい。伝送中継器1外の伝送局の場合は、伝送送受信器ポート4a、4b、4cのみが伝送中継器1内に実装されることになる。図2では、伝送局5aが伝送中継器1内に、伝送局5bが伝送中継器1外に実装されている例を示している。伝送局5及びそれに付随する伝送送受信器4のポートは複数あってもよい。
また、伝送路3a〜3(n−1)はツイストペア線(10Base−T/100Base−T等)でも光ファイバケーブル(10Base−F/100Base−FX等)でもよい。
本実施の形態では、伝送路3a〜3(n−1)をバス状で説明するが、特開2004−96159号公報に示された制御を追加することでループ状の接続とし、冗長性をアップさせることも可能である。
次に、上記構成の本実施の形態の鉄道車両用伝送装置の動作について説明する。図3〜図5は、伝送中継器1a−1e間の専用パケットの流れを示している。図6〜図7は、伝送中継器1内の各伝送局5への送信制御を示している。
ここでは1号車〜5号車の5両編成の車両を想定し、n=eまでとしている。そして1号車には伝送中継器1aが設置され、伝送路3aにて2号車の伝送中継器1bと結ばれている。2号車から5号車までには伝送中継器1b〜1eが1台ずつ設置され、伝送路3b〜3dでバス状に接続されている。
最初に、各伝送中継器1a〜1eはリンクパルス(IEEE802.3で規定)からネットワークの構成を判断する。本実施の形態では、伝送中継器1a〜1eがバス状に接続されているネットワークとなる。ここで伝送中継器1a側をネットワークの上流、1e側をネットワークの下流側と規定する。なお、上流/下流の定義は逆であってもかまわない。また、上流側の端の伝送中継器1aは最上流局であり、伝送の親局として動作する。下流側の端の伝送中継器1eは最下流局、中間の1b〜1dは中間局と規定する。
以下、本構成でのネットワーク動作について、図3〜図5を用いて説明する。
(1)初期化
これから伝送制御を開始する合図として、最上流局である伝送中継器1aがリセットパケットを伝送路3aを通じて下流に流す。他の伝送中継器1b〜1eはリセットパケットを受信すると、自局に送信権がないと判断し送信を抑制する。また、下流側に対しリセットパケットを送信する。
リセットパケットが最下流局である伝送中継器1eまで到達することで、送信権を有する伝送中継器は最上流局の伝送中継器1aのみとなる。
(2)データ送信(1a)
送信権を有する最上流局の伝送中継器1aが自装置内の伝送局5からのデータ1を送信する。送信権のない伝送中継器1b〜1eは、データ1を下流側にリピート送信すると共に、自伝送中継器内の伝送局5に対してもリピート送信する。ほぼ同時に全伝送局5がデータ1を受信することになる。
(3)送信権移動(1a→1b)
伝送中継器1aはデータ1の送信が終了すると、送信権を下流側に渡すためトークンパケットを下流側に送信する。この時点で伝送中継器1aは送信権がない状態に移行する。伝送中継器1bはトークンパケットを受信すると下流側へはリピート送信せず、伝送中継器1bが送信権を得る。
(4)データ送信(1b)
送信権を得た伝送中継器1bが自装置内の伝送局5からのデータ2を送信する。送信権のない伝送中継器1a、1c〜1eは、データ2をリピート送信すると共に、各自装置内の伝送局5に対してもリピート送信する。
(5)送信権移動(1d→1e)
下流側に向かい、送信権移動とデータ送信を繰り返す。ここで、伝送中継器1dから最下流の伝送中継器1eにトークンパケットを送信し、伝送中継器1eが送信権を得る。
(6)データ送信(1e)
送信権を得た最下流の伝送中継器1eが自装置内の伝送局5からのデータ3を送信する。
(7)復帰
伝送中継器1eはデータ送信が終了すると、最下流局であるので、送信権が一巡したことを示すために上流側に向かいリターンパケットを送信し、送信権なしの状態に移行する。中間局である伝送中継器1b〜1dはこのリターンパケットを上流側に順次リピートする。最上流の伝送中継器1aは、リターンパケットを受信すると送信権が一巡したと判断し、再度(1)のステップから送信権制御を開始する。
なお、最上流局である伝送中継器1aは所定時間以内にリターンパケットを受信できなかった場合には、ネットワークに障害が発生したと判断し、(1)の初期化ステップから再開することで送信権巡回が停止することを防止する。
さらに、各伝送中継器1a〜1eには、巡回時間の監視タイマが設けられており、自伝送中継器内の各伝送局5からの送信データが多く、時間内に送信権が一巡できないと判断した場合には、あらかじめ与えられている優先順位に従い伝送局5に与える送信権を抑制することによって、送信権が一巡する時間を守らせる。これにより、車両の制御情報などリアルタイム性が必要なデータに対しても巡回時間を一定に保つことが可能となる。
次に、自伝送中継器内の各伝送局5の送信抑制について、図6〜図7を用いて説明する。
(1)送信抑制
自伝送中継器1に送信権がない場合、伝送中継器制御装置2は自伝送中継器内の伝送局5a〜5dに、送信を抑制するためPAUSE_Aパケット(IEEE802.3xにて規定:Aは送信を抑制する時間を示す)を連続的に送信する。送信周期はPAUSE時間[A]よりも短い値とする。
(2)伝送局5aを送信許可
伝送中継器1が送信権を有し、伝送局5aに対し送信を許可する場合には、伝送中継器制御装置2は伝送局5aに対し、送信を許可するPAUSE_Bパケット(時間B=0を指定すると送信許可となる)を送信する。PAUSE_Bパケットを受け取った伝送局5aは送信許可状態となる。他の伝送局5b〜5dはPAUSE_Bパケットを受け取らないため、ステップ(1)のPAUSE_Aパケットの送信禁止状態のままとなる。
(3)伝送局5aがデータを送信
送信を許可された伝送局5aはデータ1を送信する。伝送中継器制御装置2は伝送局5aからのデータ1を他の伝送局5b〜5d及び上流側伝送中継器/下流側伝送中継器にリピート送信する。なお、伝送局5aが送信を許可されても、送信するデータがない場合は送信しない。この場合は、一定時間後に次のステップ(4)の状態に移行する。
(4)伝送局5aを送信禁止
伝送中継器制御装置2は、伝送局5aより設定されたデータパケットを受信したら、伝送局5aに対して送信禁止のPAUSE_Aパケットを送信する。この瞬間、伝送局5a〜5dは送信禁止状態となる。
(5)伝送局5bに送信許可
次に伝送中継器制御装置2は、伝送局5bに対して送信を許可するPAUSE_Bパケットを送信する。PAUSE_Bパケットを受け取った伝送局5bは送信許可状態となる。
伝送中継器制御装置2は、伝送局5a〜5dまで1局ずつ送信を許可することで、CSMA/CD方式のネットワークでのデータ衝突を回避することができる。また、伝送中継器制御装置2は、送信権巡回時間に応じて各伝送局に割り振る送信パケット数を可変することで、リアルタイム性を保つことができる。
上述したように本実施の形態の鉄道車両用伝送装置では、伝送路をバス状に接続し、複数の伝送中継器1が伝送路に衝突回避のための専用パケットを流し、各伝送中継器が専用パケットに従いデータをリピートするポートを適切に制御することにより、CSMA/CD方式のネットワークにおいてもデータの衝突を回避し、かつ接続段数の制約をなくし、さらに低遅延でデータをリピートすることが可能になる。また、伝送中継器制御装置2は、バス状に接続された複数の伝送中継器1,1間でデータを送信する送信権を移譲するための専用パケットを上流側から下流側に巡回させるので、各伝送中継器1がデータを送信する送信権が一定周期内になるように制御することができる。
また本実施の形態では、各伝送中継器1内に複数の伝送局5を有し、ある伝送中継器1が送信権を得た場合に、伝送中継器制御装置2が伝送中継器1内の各伝送局5に対し順次送信権を巡回させるので、ある伝送中継器1が送信権を得た場合に、伝送中継器制御装置2が伝送中継器1内の各伝送局5に対し順次送信権を巡回させることで、データの衝突をなくし高速にデータをリピートすることができる。さらに、伝送中継器制御装置2は、伝送中継器1内を送信権が巡回する周期を監視し、所定時間を経過した時には、複数の伝送局5のうち特定の伝送局を除き送信権を巡回させず、下流側の伝送中継器1に送信権を移譲するので、伝送中継器1内の複数の伝送局5のうち特定の伝送局を除き送信権を巡回させず、下流の伝送中継器1に速やかに送信権を移すことができ、送信権が一巡する周期のばらつきを小さくすることができる。
なお、上記の実施の形態では各伝送局5a〜5dの送信抑制に、IEEE802.3xで規定されているフロー制御を使用したが、半二重回線の場合にはバックプレッシャーをかけ続け、送信を抑制するシステムにすることもできる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態の鉄道車両用伝送装置について説明する。第2の実施の形態は、幹線伝送送受信器と複数の伝送送受信器と自局データの送受信を行う伝送局を有し、各伝送送受信器のデータリピート制御と各伝送中継器間の専用パケットを作成しネットワークを制御する伝送中継器制御装置を具備した伝送中継器11a〜11nと各伝送中継器間を接続する伝送路13a〜13(n−1)から成り、伝送路をバス状に接続することを特徴とする。また、各伝送中継器には、第1の実施の形態の送信権巡回制御方法を拡張し、使用することで、衝突を回避し定周期性を向上させるものである。
図8は、第2の実施の形態の鉄道車両用伝送装置の伝送路の構成を示している。図9は、その鉄道車両用伝送装置の伝送中継器の構成を示している。本実施の形態の伝送中継器11a〜11nは、2ポートの幹線伝送送受信器14a,14bと1ポート以上(自号車がデータ授受しない場合は0ポート以上)の伝送送受信器15a,15bと、各伝送ポートのデータリピートを制御し、伝送中継器間の専用パケット(トークンパケット)を制御する伝送中継器制御装置12と、自号車のデータ送受信を行う複数の伝送局16a,16bから構成されている。
なお、自号車の伝送局16a,16bは伝送中継器11内にあっても、伝送中継器11外にあってもよい。そして伝送中継器11外に伝送局がある場合は、伝送送受信器15のみが伝送中継器11内に実装される。図9では、伝送局16aが伝送中継器11内に、伝送局16bが伝送中継器11外に実装されている例を示している。さらに、伝送局及びそれに付随する伝送送受信器は複数あってもよい。
本実施の形態の伝送装置は、伝送中継器11a〜11n間を幹線伝送路13a〜13(n−1)にてバス状に接続している。
次に、上記構成の第2の実施の形態の鉄道車両用伝送装置の動作について説明する。ここでは、列車は6両編成の車両を想定し、n=fまでとしている。
(1)リセット
最初に、伝送中継器11a側をネットワークの上流、11g側をネットワークの下流側と規定する。なお、上流/下流の定義は逆であってもかまわない。また、ネットワークが有効である範囲内で上流側の端の伝送中継器11aが最上流として伝送の親局動作をする。
伝送中継器11aは、送信権巡回の合図としてリセットパケットを発行する。リセットパケットを受信した各伝送中継器11b〜11fは、動作を初期化しデータ受信準備に入る。各伝送中継器11a〜11fはリセットパケット送信時(又は受信時)に内部タイマをクリアする。伝送中継器11aは送信すべきデータがあれば送信し、下流に送信権を譲る。
(2)送信権(11aから11bへ)
伝送中継器11aは、必要なデータの送信後に送信権を移動するためのトークンパケットを発行する。伝送中継器11bは、伝送中継器11aからのトークンを受信し、送信権を確保する。送信権を確保した伝送中継器11bは、送信データがあればデータを送信後、下流の伝送中継器11cにトークンパケットを発行する。このようにして、順次送信権が巡回される。
いま、伝送中継器11cがデータを送信中に、リセットパケット(t=0)からの時間taが経過したとする。各伝送中継器は、リセットパケット送信時にタイマを起動しているため、全伝送中継器がほぼ同時に時間taが経過したと判断できる。
(3)送信権(11cから11dへ)
ta時間経過を検出した伝送中継器11cは、現在送信中のデータ終了後直ちに送信権を下流の伝送中継器11dに移す。
(4)スルー(11d)
伝送中継器11dは、トークンを伝送中継器11cから受信するが、その時には既に時間taが経過しているので、自局データを送信せずに直ちにさらに下流に送信権を移す。
(5)スルー(11e)
伝送中継器11eは、トークンを伝送中継器11dから受信するが、その時には既に時間taが経過しているので、自局データを送信せずに直ちに下流の伝送中継器11fに送信権を移す。
(6)制御指令送信(11f)
伝送中継器11fは、制御指令を送信する伝送局なので、トークンを伝送中継器11eから受信すると、制御指令「データ1」を送信する。この制御指令「データ1」は、リピートされ、各伝送中継器11a〜11eに届く。
なお、本実施の形態では、伝送中継器11fを制御指令送信ノードとしているが、制御指令送信ノードでないときには「データ1」を送信せずに、次のステップに進む。
(7)リターン
伝送中継器11fは、制御指令データを送信した後にリセットパケットを発行する。このリセットパケットは各伝送中継器11a〜11eに届き、送信権が一巡して伝送中継器11aに戻る。
以上によって、図12のタイミングチャートに示すように、目標時間以内に送信権を一巡させ、制御指令を一定時間以内に各伝送中継器に伝えることができる。
なお、次の周回では前回送信した伝送中継器をスルーさせ、前回スルーした伝送中継器に送信権を回すようにすれば、制御指令を一定時間以内に送信することと共に負荷のバランスを取ることも可能である。
また、時間の基準をリセットパケットではなく、制御指令データとすることで行うこともできる。その場合は、IPヘッダに含まれるサービスタイプを使用し、制御指令データの優先度を高くし、それ以外のデータの優先度を低くすることで判別することができる。また、IPヘッダを使わずにデータの中で規定する方法でもよい。
次に、制御指令を送信する伝送中継器が送信権を一時的に保持することにより、一定周期で制御指令データを送信できるようにする動作について、図13を用いて説明する。本実施の形態では、制御指令を送信する伝送中継器が伝送中継器11aであるとして説明する。
伝送中継器11aは、制御指令を送信する伝送中継器であるため、制御指令データ送信時にタイマをクリアする。各伝送中継器11b〜11fは順次送信権を巡回させ、送信権を有している場合のみデータの送信を行う。
次に、伝送中継器11aは、時間ta(目標とする制御指令送信周期より短く設定)を経過したタイミング以降に送信権を受け取った場合には、もう一巡すると送信周期が間に合わないと判断し、制御指令送信時間(目標送信周期)まで送信権の巡回を停止する。制御指令送信タイミングでは、伝送中継器11aが送信権を保持し待ち状態のため、制御指令データはすぐに全伝送中継器11b〜11fに送信される。
なお、進行方向が逆となり、伝送中継器11fが制御指令送信伝送中継器となった場合には、伝送中継器11fが送信権を保持し待ち状態に入る。
このように、制御指令を送信する伝送中継器に送信権を一時的に保持させることにより、一定周期で制御指令データを送信することが可能である。
次に、送信権を一時停止させることにより、送信権を一旦最上流局に戻さなくとも、制御指令データを一定周期にて送信する動作について、図14〜図16を用いて説明する。ここでは、幹線伝送送受信器14a,14bは全二重対応とする。ただし、線数については4線だけではなく2線でもよい。エコーキャンセラの使用により、2線でも全二重通信は可能である。また、制御指令送信伝送中継器は伝送中継器11aとし、時間の基準はリセットパケットとする。
(1)伝送中継器11d送信
いま、伝送中継器11dが送信権を持ち、そのデータ送信中にリミット時間taを経過したとする。
(2)タイムアップ(一時停止パケット送信)
リミット時間ta(制御指令データ送信周期―1パケット最大時間)を経過すると、制御指令を送信する伝送中継器11aは、現在送信権を有している伝送中継器11dに対し送信権を保留にするSTOPパケットを送信する。伝送中継器11dからのデータ1は、上流に向かう経路でリピートされるため、伝送中継器11aが発行するSTOPパケットと衝突することはない。また、制御指令を送信する伝送中継器が伝送中継器11fの場合でも、経路が異なるため伝送中継器11dからのデータと衝突することはない。
STOPパケットを受信した伝送中継器11dは、現在送信中のパケットを送信完了後、送信権を保留状態にする。他の伝送中継器は送信権を保持していないため、ネットワークにデータが流れていない状態となる。
(3)制御指令データ送信(11a)
伝送中継器11aは、ネットワークが空いたことを確認し、所定の送信周期で制御指令データ「データ2」を送信する。他の伝送中継器11b〜11fはほぼ同時にこの「データ2」を受信することができる。
(4)再開
伝送中継器11aは、制御指令データ「データ2」を送信し終えると、下流に対し送信権巡回を再開させるためのリリースパケットを発行する。リリースパケットは、送信権を保留している伝送中継器にのみに有効なパケットであり、送信権を保留していない伝送中継器は、このリリースパケットをリピート送信する。送信権を有している伝送中継器11dはリリースパケットを受信すれば、送信権保留の状態から送信権保持状態に戻る。
(5)伝送中継器11dデータ送信
送信権保持状態に戻った伝送中継器11dは、「データ3」を送信する。なお、送信すべきデータがない場合には、次のステップに移る。
(6)送信権移行
必要なデータを送信し終えた伝送中継器11dは送信権を伝送中継器11eへ移すため、トークンパケットを発行する。
以上により、図16に示すように、送信権を一時停止させることにより、送信権を一旦最上流局に戻さなくとも制御指令データを一定周期にて送信することが可能となる。
なお、本実施の形態では、STOPパケットを受け取った伝送中継器は、現在送信中のデータを送信後に送信権保留状態に移行するとしているが、STOPパケット受信と同時に送信を打ち切って送信保留状態に移行するようにしてもよい。その場合には、リミット時間taを「送信周期―リピート時間」まで送信周期に近づけることが可能となる。その代わり、打ち切ったデータは送信権保持に戻った場合に再度送信する必要がある。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態の鉄道車両用伝送装置について説明する。本実施の形態は、車両間を跨ぎ各伝送中継器間を接続する主系、従系の幹線伝送路と各車両内の伝送中継器間を接続する系間伝送路にて梯子状の伝送路を構成し、梯子状伝送路の横方向にあたる主系伝送路と従系伝送路を幹線伝送路とし、各伝送中継器がこれらの幹線伝送路と梯子状伝送路の縦方向にあたる系間伝送路とを使用してデータのリピートを行い、また、各伝送中継器が第1の実施の形態の送信権巡回制御を拡張した伝送制御を行うことで、衝突を回避し、低遅延でデータをリピートすることを特徴とする。
図17は、第3の実施の形態の鉄道車両用伝送装置の伝送路の構成を示し、図18は、鉄道車両用伝送装置の伝送中継器の構成を示している。本実施の形態の主系伝送中継器21a〜21n、従系伝送中継器21a’〜21n’は、2ポートの幹線伝送送受信器24a,24bと1ポートの系間伝送送受信器24cと1ポート以上(自号車がデータ授受しない場合は0ポート以上)の伝送送受信器25a,25bと、各伝送ポートのデータリピートを制御し、また伝送中継器間の専用パケット(トークンパケット)を制御する伝送中継器制御装置22と、自号車のデータ送受信を行う複数の伝送局26a,26bから構成されている。なお、自号車の伝送局26a,26bは伝送中継器内にあっても、伝送中継器外にあってもよい。そして図示したように伝送中継器外に伝送局26bがある場合は、伝送送受信器25bのみが伝送中継器内に実装される。さらに、伝送局及びそれに付随する伝送送受信器は図示したように複数あってもよい。
本実施の形態の伝送装置は、主系伝送中継器21a〜21nを主系幹線伝送路23a〜23(n−1)にて、従系伝送中継器21a’〜21n’間を従系幹線伝送路23a’〜23(n−1)’にて接続し、各車両内の主系伝送中継器21a〜21nと従系伝送中継器21a’〜21n’間を系間伝送路23a”〜23n”にて接続し、全体として梯子状伝送路網を構成している。
以上のように構成された実施の形態の動作について、図19〜図30を参照して説明する。図19〜図23は、本実施の形態のデータの流れを示し、図24〜図25は、本実施の形態の専用パケットの流れを示している。またこの動作説明では、両編成の車両を想定し、n=fまでとしている。
まず、図19〜図23を用いて本実施の形態のデータの流れを説明する。
(1)伝送路構成
図19に示すように、1号車には主系伝送中継器21aと従系伝送中継器21a’が設置され、主系幹線伝送路23aと従系幹線伝送路23a’にて2号車の主系伝送中継器21bと従系伝送中継器21b’とのそれぞれと結ばれている。また主系伝送中継器21aと従系伝送中継器21a’との間は系間伝送路23a”にて結ばれている。2号車から6号車までには伝送中継器21b,21b’〜21f,21f’が設置され、幹線伝送路23b,23b’〜23e,23e’と系間伝送路23a”〜23f”にて梯子状に接続されている。
本実施の形態では伝送中継器21a側をネットワークの上流、伝送中継器21f側をネットワークの下流側と規定する。なお、上流、下流の定義は逆であってもかまわない。また、ネットワークが有効である範囲内で上流側の端の伝送中継器21aが最上流として伝送の親局動作をする。また、主系側の伝送中継器21a〜21fの方が従系の伝送中継器21a’〜21f’よりも優先される。つまり、例えば、主系伝送中継器21aが正常時にはこれが親局動作をし、この主系伝送中継器21aが異常の場合は、従系伝送中継器21a’が親局動作を行う。
(2)正常時のデータの流れ(21a送信データ)
図20を用いて、ネットワークが正常で伝送中継器21aが送信権を有している場合について説明する。伝送中継器21aは、幹線伝送路23aにて下流の伝送中継器21bと、また系間伝送路23a”にて従系の伝送中継器21a’に「データ1」を同時に送信する。各伝送中継器は、基本的にデータを受信した場合は受信したポート以外の全ポート(幹線伝送路、系間伝送路、伝送局)にデータをリピート送信する。ただし、このままでは各伝送中継器はそれに接続されている幹線伝送路と系間伝送路から同じ「データ1」を受信するため、「データ1」の複製ができてしまう。これを避けるため、各伝送中継器は、幹線伝送路と系間伝送路から同一の「データ1」を受信した場合は、先着で受信したデータを優先し、リピート動作に入る。
なお、同一データの判定は、IPヘッダに含まれる識別子(通常IPパケットを送信するたびに1つずつ増やされる)を活用する。本実施の形態では、以下、同一データの判定にIPヘッダの識別子を使用することで説明するが、データフレーム中に順次更新されるシーケンス番号等を組み込む方法でもよい。
各伝送局は、次のような動きとなる。
・伝送中継器21a:伝送中継器21b,21a’に「データ1」を送信。
・伝送中継器21a’:系間伝送路23a”から「データ1」を受信し、下流の伝送中継器21b’に「データ1」をリピート。
・伝送中継器21b:幹線伝送路23aにて上流から「データ1」を受信し、下流の伝送中継器21cに幹線伝送路23bにて、また伝送中継器21b’に系間伝送路23b”にて「データ1」をリピート。
・伝送中継器21b’:幹線伝送路23a’にて上流側の伝送中継器21a’から、また系間伝送路23b”にて伝送中継器21bから「データ1」を受信し、先着のデータを採用して下流の伝送中継器21c’に「データ1」をリピート。
なお、ここでは系間伝送路23b”から「データ1」を受信済みのため、この系間伝送路23b”へは送信しないが、系間伝送路に送信し、受信した伝送中継器21b側で破棄する設定にしてもよい。
・伝送中継器21c:幹線伝送路23bにて上流から「データ1」を受信し、下流の伝送中継器21dに幹線伝送路23cにて、また伝送中継器21c’に系間伝送路23c”にて「データ1」をリピート。
・伝送中継器21c’:幹線伝送路23b’にて上流から、また系間伝送路23c”にて伝送中継器21cから「データ1」を受信し、先着のデータを採用して下流の伝送中継器21d’に「データ1」をリピート。
このような動作を繰り返し、全伝送中継器が「データ1」を受信する。
(3)伝送中継器21c故障時のデータの流れ(21a送信データ)
図21を用いて、主系伝送中継器21cが故障した場合のデータの流れについて説明する。
・伝送中継器21a:伝送中継器21b,21a’に「データ1」を送信。
・伝送中継器21a’:系間伝送路23a”から「データ1」を受信し、下流の伝送中継器21b’に「データ1」をリピート。
・伝送中継器21b:幹線伝送路23aにて上流から「データ1」を受信し、下流の伝送中継器21cに幹線伝送路21bにて、また系間伝送路23b”にて伝送中継器21b’に「データ1」をリピート。
・伝送中継器21b’:幹線伝送路23a’にて上流の伝送中継器21a’から、また系間伝送路23b”にて伝送中継器21bから「データ1」を受信、先着のデータを採用して下流の伝送中継器21c’に「データ1」をリピート。
なお、ここでは系間伝送路23b”から「データ1」を受信済みのため、この系間伝送路23b”へは送信しないが、送信して伝送中継器21b側で破棄するようにしてもよい。
・伝送中継器21c:故障中のため、データ受信/送信停止。
・伝送中継器21c’:幹線伝送路23b’にて上流から「データ1」を受信するが、また系間伝送路23c”から「データ1」が来ないため、下流の伝送中継器21d’と系間の伝送中継器21cに「データ1」をリピート。
・伝送中継器21d:伝送中継器21cが故障のために上流からデータが来ないため、系間の伝送中継器21d’からの「データ1」を下流にリピート。
・伝送中継器21d’:幹線伝送路23c’にて上流から「データ1」を受信するが、系間伝送路23d”から「データ1」が来ないため、下流の伝送中継器21eと系間の伝送中継器21dに「データ1」をリピート。
このようにして、伝送中継器21cが故障の場合でも、全伝送中継器で「データ1」を受信する。
(4)正常時のデータの流れ(21c送信データ)
図22を用いて、伝送中継器21cが送信権を有している場合について説明する。
・伝送中継器21c:幹線上流の伝送中継器21bと幹線下流の伝送中継器21d、さらに系間の伝送中継器21c’に「データ2」を送信。
・伝送中継器21c’:系間の伝送中継器21cから「データ2」を受信し、下流の伝送中継器21d’と上流の伝送中継器21b’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21d:幹線上流の伝送中継器21cから「データ2」を受信し、下流の伝送中継器21eと系間の伝送中継器21d’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21d’:幹線上流の伝送中継器21c’と系間の伝送中継器21dから「データ2」を受信し、先着のデータを採用して下流の伝送中継器21e’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21b:幹線下流の伝送中継器21cから「データ2」を受信し、幹線上流の伝送中継器21aと系間の伝送中継器21b’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21b’:幹線下流の伝送中継器21c’と系間の伝送中継器21bから「データ2」を受信し、先着のデータを採用して上流の伝送中継器21a’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21a:幹線下流の伝送中継器21bから「データ2」を受信し、系間の伝送中継器21a’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21a’:幹線下流の伝送中継器21b’と系間の伝送中継器21aから「データ2」を受信し、先着のデータを採用。
このような動作を繰り返し、全伝送中継器が「データ2」を受信する。
(5)伝送中継器21b故障時のデータの流れ(21c送信データ)
次に、図23を用いて伝送中継器1bが故障した場合のデータの流れ方について説明する。
・伝送中継器21c:幹線上流の伝送中継器21bと下流の伝送中継器21d、さらに系間の伝送中継器21c’に「データ2」を送信。
・伝送中継器21c’:系間の伝送中継器21cから「データ2」を受信し、下流の伝送中継器21d’と上流の伝送中継器21b’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21d:幹線上流の伝送中継器21cから「データ2」を受信し、下流の伝送中継器21eと系間の伝送中継器21d’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21d’:幹線上流の伝送中継器21c’と系間の伝送中継器21dから「データ2」を受信し、先着のデータを採用して下流の伝送中継器21e’に「データ2」をリピート。
・伝送中継器21b:故障中のため、データ受信/送信停止。
・伝送中継器21b’:幹線下流の伝送中継器21c’から「データ2」を受信するが、系間の伝送中継器21bから「データ2」が来ないため、上流の伝送中継器21a’と系間の伝送中継器21bに「データ2」をリピート。
・伝送中継器21a’:幹線下流の伝送中継器21b’から「データ2」を受信するが、系間の伝送中継器21aから「データ2」が来ないため、系間の伝送中継器21aに「データ2」をリピート。
・伝送中継器21a:伝送中継器21bが故障のために幹線下流からデータが来ないため、系間の伝送中継器21a’からの「データ2」だけを受信する。
このようにして伝送中継器1bが故障の場合でも、全伝送中継器で「データ2」を受信する。
次に、本実施の形態における伝送中継器間の専用パケットの流れについて、図24〜図30を用いて説明する。
(1)リセット
図24に示すように、リセットパケットは、これから送信権を巡回する合図として最上流の主系伝送中継器21aが発行する。また、各伝送中継器は、リセットパケットを受信したら、現在実行中の動作を停止し、トークン待ちの状態に移行する。これにより、ネットワークの初期化を行う。
リセットパケットを受信した伝送中継器は、リセットパケットを幹線下流に、またリセット未受信時には系間の伝送中継器に送信する。
・伝送中継器21a:リセットパケットを幹線下流の伝送中継器21bと系間の伝送中継器21a’に送信する。
・伝送中継器21a’:系間の伝送中継器21aからリセットパケットを受信し、下流に送信する。
・伝送中継器21b:幹線上流の伝送中継器21aからリセットパケットを受信し、幹線下流の伝送中継器21cと系間の伝送中継器21b’に送信する。
・伝送中継器21b’:幹線上流の伝送中継器21a’と系間の伝送中継器21bからリセットパケットを受信し、下流に送信する。なお、系間の伝送中継器からリセットパケットが来ない場合は、系間の伝送中継器にも送信する。
このような動作を繰り返し、全伝送中継器が伝送中継器21aからのリセットパケットを受信する。
(2)トークン(21a→21b)
トークンパケットは、送信権を移行させるパケットであり、上流から下流に流れる。ここでは、図25を用いて伝送中継器21aから伝送中継器21bに送信権が移る場合を説明する。
伝送中継器21aは、下流の伝送中継器21bにトークンパケットを送信する。伝送中継器21bは、トークンパケットを受け取った合図として、トークンACKパケットを送信する。伝送中継器21aが、トークンACKパケットを受け取ることで、送信権の移行が完了する。以下同様に、最下流の伝送中継器21fまで送信権が巡回する。
なお、本実施の形態では、トークンACKパケットを用いているが、一定時間内にリピートデータがあるかどうかで判断する設定にしてもよい。これは、送信権が伝送中継器21bに移行済みであれば、一定時間以内に伝送中継器21aはデータを受信するために可能なものである。
(3)トークン(21b故障時)
図26に示すように、伝送中継器21aが伝送中継器21bに対してトークンパケットを発行してから、一定時間以内にトークンACKパケットが返って来ない場合には、伝送中継器21aは伝送中継器21bが故障、又は伝送路に異常があると判断し、トークンパケットの迂回を行う。
伝送中継器21aは、系間伝送路23a”を使用して伝送中継器21a’にトークンパケットを発行する。伝送中継器21a’は、従系の伝送中継器であるため系間からのトークンパケットを受信しても、送信権を保持せずに下流の伝送中継器21b’にトークンパケットをリピートする。伝送中継器21b’は、従系の伝送中継器のため上流からのトークンパケットを受信すると、一度系間伝送路23b”を介して伝送中継器21bにトークンパケットを発行し、主系に戻すことができるか確認する。
伝送中継器21bからのトークンACKパケットが得られれば、故障は伝送中継器21bではなく、伝送路にあると判断し、送信権を伝送中継器21bに移行させる。ここで、送信権は、伝送中継器21a→21b→21cと移るが、伝送経路は、伝送中継器21a→21a’→21b’→21b→21cとなる。
伝送中継器21bからのトークンACKパケットが無ければ、伝送中継器21cは送信権を保持し、応答としてトークンACKパケットを発行する。伝送中継器21a’は、トークンACKパケットを伝送中継器21aにリピートすることで、伝送中継器21aから伝送中継器21b’への送信権移行が完了する。
なお、本実施の形態では、従系の伝送中継器21a’には送信権を与えない設定としているが、与える設定にしてもよい。ただしその場合には、1号車の伝送中継器21a,21a’のデータが残りの伝送中継器に伝わるため、上位のアプリケーションでどちらのデータを採用するかの判断が必要となる。また、伝送中継器21bから、トークンパケットに対してトークンNAKパケットが帰ってきた場合には、トークンを破棄する。これにより、複数のトークンができることを防止する。これは、伝送中継器21bから伝送中継器21aへの送信線だけが断線している場合などに発生するが、この場合は、最終的には下流からのデータが長時間受信できないので、伝送中継器21aが伝送中継器21bの故障として回線の切断を行う必要がある。
(4)トークン(主系への復帰)
図27に示すように、送信権を得た伝送中継器21b’は、データ送信後下流に対し送信権の移行を行う。伝送中継器21b’は、下流の伝送中継器21c’にトークンパケットを発行する。トークンを受信した伝送中継器21c’は、従系の伝送中継器のため、主系に送信権を戻すことが可能か確認のため、トークンパケットを伝送中継器21cに発行する。伝送中継器21cからトークンACKパケットを受信すると、送信権を保持せずに伝送中継器21cに送信権を渡す。
(5)トークンの流れ(21b故障時)
図28に示したように、上記の動作をまとめると、伝送中継器21bが故障時には、トークンパケットは伝送中継器21a→21a’→21b’→21c’→21c→21d→21e→21fと流れることになる。このうち、伝送中継器21a’と伝送中継器21c’は送信権を保持しないこととなり、ネットワーク負荷の増加を最小限にすることができる。
(6)リターン
図29に示すように、トークンパケットが最下流の伝送中継器21fまで流れ、この伝送中継器21fがデータ送信を終了すると、送信権が一巡したことを知らせるために、伝送中継器21fはリターンパケットを発行する。リターンパケットは、リセットと同様に順次上流側にリピートされ、最終的に最上流局である伝送中継器21aまで伝わる。
図30に示すように、途中の伝送中継器(ここでは伝送中継器21c)が故障している場合でも、系間伝送路を利用して伝送中継器21aまでリターンパケットを戻すことが可能である。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態の鉄道車両用伝送装置について説明する。本実施の形態の鉄道車両用伝送装置は、車両間を跨ぎ各伝送中継器間を接続する主系幹線伝送路と従系幹線伝送路と各車両内の伝送中継器間を接続する系間伝送路にて梯子状の伝送路を構成し、梯子状伝送路の横方向にあたる主系幹線伝送路と従系幹線伝送路は通常時使用されるバス状幹線伝送路とし、各伝送中継器は正常時にはこの伝送路を使ってデータのリピートを行い、梯子状伝送路の縦方向にあたる伝送路は系間伝送路とし、伝送中継器又は伝送路に異常が発生した場合に伝送中継器はこの伝送路を利用してデータのリピートを行い、さらに、各伝送中継器には、第1の実施の形態と同様の送信権巡回制御を行うことで、衝突を回避し、低遅延でデータをリピートすることを特徴とする。
以下、本発明の第4の実施の形態について、図31〜図43を参照して説明する。図31は、本実施の形態の鉄道車両用伝送装置の伝送路の構成を示し、図32は、本実施の形態の鉄道車両用伝送装置の伝送中継器の構成を示している。
本実施の形態の主系伝送中継器31a〜31n、従系伝送中継器31a’〜31n’は、2ポートの幹線伝送送受信器34a,34bと1ポートの系間伝送送受信器34cと1ポート以上(自号車がデータ授受しない場合は0ポート以上)の伝送送受信器35a,35bと、各伝送ポートのデータリピートを制御し、また伝送中継器間の専用パケット(トークンパケット)を制御する伝送中継器制御装置32と、自号車のデータ送受信を行う複数の伝送局36a,36bから構成されている。なお、自号車の伝送局36a,36bは伝送中継器にあっても、伝送中継器外にあってもよい。ただし、伝送中継器外に伝送局がある場合は、伝送送受信器のみが伝送中継器内に実装される。図32では、伝送局36aが伝送中継器31内に、伝送局36bが伝送中継器31外に実装されている例を示している。さらに、伝送局36a,36b及びそれに付随する伝送送受信器35a,35bは複数あってもよい。
また、本実施の形態の伝送装置は、主系伝送中継器31a〜31n間を幹線伝送路33a〜33(n−1)にて接続し、従系伝送中継器31a’〜31n’間を幹線伝送路33a’〜33(n−1)’にて接続し、各主系伝送中継器31a〜31nと各従系伝送中継器31a’〜31n’との間を系間伝送路33a”〜33n”それぞれにて接続し、全体として梯子状の伝送路網を形成している。
以上のように構成された本実施の形態の動作について、図33〜図43を用いて説明する。図33は、正常動作時のネットワーク構成を示している。また、図33では7両編成の車両を想定し、n=gまでとしている。
まず、1号車には主系伝送中継器31aと従系伝送中継器31a’が設置され、主系伝送路33aと従系伝送路33a’にて2号車と結ばれている。また主系伝送中継器31aと従系伝送中継器31a’との間は系間伝送路33a”にて結ばれている。2号車から7号車までには伝送中継器31b〜31g;31b’〜31g’が設置され、伝送路33b〜33f;33b’〜33f’;33b”〜33g”で梯子状に接続されている。
本実施の形態では伝送中継器31a側をネットワークの上流、31g側をネットワークの下流側と規定する。なお、上流、下流の定義は逆であってもかまわない。また、ネットワークが有効である範囲内で上流側の端の伝送中継器31が最上流として伝送の親局動作をする。つまり、ネットワーク構成の変更につれ、親局動作の伝送中継器31も移動することになる。
以下、本構成での異常発生時のネットワーク構成構築の動作について説明する。
(1)正常状態
まず、図33を用いてネットワークが正常の場合のネットワーク構成を説明する。正常時には、主系伝送中継器31a〜31gで1つのネットワーク(1)を構成し、従系伝送中継器31a’〜31g’で1つのネットワーク(2)を構成する。ネットワーク(1)とネットワーク(2)は独立しているため、ネットワーク(1)には列車制御用のデータ、ネットワーク(2)にはITサービス用のデータと異なるデータを流し、ネットワークの容量を大きくすることができる。もちろん、ネットワーク(1)とネットワーク(2)で同じ種類のデータを流してもよい。
このとき、主系側のネットワーク(1)では、伝送中継器31a−31b−31c−31d−31e−31f−31g間で専用トークンパケットと主系データが流れている。ここで専用トークンパケットとは、第1の実施の形態で示した送信権巡回用パケットである。
(2)伝送中継器31c故障
図34に示すように主系伝送中継器31cが故障した場合は、伝送中継器31cの両端の伝送中継器31b,31dが伝送中継器31cの故障を検出する。このときネットワーク(1)は、伝送中継器31a−31bのネットワーク(1)’と伝送中継器31d−31e−31f−31gのネットワーク(1)”に分断される。伝送中継器31b,31dはネットワーク(1)を再構成するために系間伝送路33b”,33d”にデータをリピートする。
(3)ネットワーク(1)再構成
図35に示すように従系伝送中継器31b’,31d’は系間伝送路からデータを受信すると、主系伝送路、つまりネットワーク(1)に異常が発生したと判断し、従系ネットワーク(2)を分断し、主系ネットワーク(1)の再構成を行う。
そのために、伝送中継器31b’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31b’より上流側だった場合、つまり伝送中継器31aのアドレスであった場合は、伝送中継器31bの下流側ネットワークに異常が発生したと判断し、下流側伝送路を有効とし、データリピートを行う。
伝送中継器31d’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31d’より下流側だった場合、例えば伝送中継器31e,31f,31gのアドレスの場合は上流側ネットワークに異常が発生したと判断し、上流側伝送路を有効とし、データのリピートを行う。
この結果、ネットワーク(1)’とネットワーク(1)”に分断されていた主系側ネットワーク(1)は、伝送中継器31a−31b−31b’−31c’−31d’−31d−31e−31f−31g間で再度ネットワーク(1)を構築することができる。この場合、従系側ネットワーク(2)は伝送中継器31e’−31f’−31g’のネットワーク(2)’と伝送中継器31a’単独のネットワーク(2)”に分断される。
(4)ネットワーク復旧動作
図36に示すように、伝送中継器31cの故障により伝送中継器31a−31b−31b’−31c’−31d’−31d−31e−31f−31gと迂回した伝送路を復旧させるため、伝送中継器31b,31dはチェック用の専用パケットを一定周期で伝送中継器31cに送信する。
伝送中継器31cからの応答が得られた場合には伝送中継器31cが復旧したと判断し、元の正常時のネットワークに戻る。
なお、本実施の形態では、伝送中継器31b,31dからチェックパケットを送信することとしているが、ネットワークの上流側からのみ送信することで1対のツイストペアでも対応が可能となる。
また本実施の形態では、受信データのアドレスから主系側の異常箇所を判断したが、主系、従系の伝送中継器31b−31b’間で直接データのやりとりを行ってもよいし、また直接的に情報(別の通信又はデジタル信号)のやりとりを行ってもよい。
次に、本実施の形態によるネットワーク構成とトークンパケットの流れの別例を図37、図38を用いて説明する。図37でも7両編成の車両を想定し、n=gまでとしている。なお、ネットワークが正常な場合から伝送中継器31cが故障したときの動作までは、図32、図33で説明したのと同じであるため省略する。
(1)ネットワーク(1)再構成
図37に示すように従系伝送中継器31b’,31d’は、系間伝送路からデータを受信すると、主系伝送路であるネットワーク(1)に異常が発生したと判断し、従系ネットワーク(2)を分断し、主系ネットワーク(1)の再構成を行う。
伝送中継器31b’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31b’より上流側だった場合、つまり伝送中継器31aのアドレスであった場合は、伝送中継器31bの下流側ネットワークに異常が発生したと判断し、下流側伝送路を有効とし、データリピートを行う。
伝送中継器31d’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31d’より下流側だった場合、例えば伝送中継器31e,31f,31gのアドレスであった場合は上流側ネットワークに異常が発生したと判断し、上流側伝送路を有効とし、データのリピートを行う。
この結果、ネットワーク(1)’とネットワーク(1)”に分断されていた主系側ネットワーク(1)は、伝送中継器31a−31b−31b’−31c’−31d’−31d−31e−31f−31g間で再度ネットワーク(1)を構築することができる。
なお、本実施の形態では、受信データのアドレスから主系側の異常箇所を判断したが、主系、従系の伝送中継器31b−31b’間で直接データのやりとりを行ってもよいし、また直接的に情報(別の通信又はデジタル信号)のやりとりを行ってもよい。
さらに、本実施の形態では伝送中継器31b’は、上流側に対してもデータのリピート送信を行い、伝送中継器31d’は下流側に対してもデータのリピート送信を行う。これにより、上記伝送制御では分断されていた従系側の伝送中継器31a’,31e’,31f’,31g’においても、主系側ネットワーク(1)のデータを受信することが可能となる。
(2)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ
図38に示すように伝送中継器31cが故障した時には、トークンパケットは伝送中継器31a→31b→31b’→31c’→31d’→31d→31e→31f→31gと流れる。伝送中継器31b’は上流の伝送中継器31a’に対してはトークンパケットを流さずにリセットパケットのみ流す。伝送中継器31d’は下流の伝送中継器31e’に対してはトークンパケットを流さずにリセットパケットのみ流す。リセットパケットを受け取った伝送中継器31e’は自動的にリセットパケットのリピートを伝送中継器31f’に行う。以上の結果、伝送中継器31a’,31e’,31f’,31g’には送信権が渡らないが主系データの共有は可能となる。
次に、本実施の形態におけるネットワーク構成とトークンパケットの流れのさらに別の例を図39〜図43を用いて説明する。なお、ネットワークが正常な場合から伝送中継器31c故障の動作までについては、図33、図34で説明したのと同じであるため省略する。
(1)ネットワーク1再構成
図39に示すように従系伝送中継器31b’,31d’は、系間伝送路からデータを受信すると、主系伝送路であるネットワーク(1)に異常が発生したと判断し、従系ネットワーク(2)を分断し、主系ネットワーク(1)の再構成を行う。
このために、伝送中継器31b’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31b’より上流側だった場合、つまり伝送中継器31aのアドレスであった場合は、伝送中継器31bの下流側ネットワークに異常が発生したと判断し、下流側伝送路を有効とし、データリピートを行う。
伝送中継器31d’は受信データのアドレス(IPアドレス)を検査する。アドレスが伝送中継器31d’より下流側だった場合、例えば伝送中継器31e,31f,31gのアドレスであった場合は、上流側ネットワークに異常が発生したと判断し、上流側伝送路を有効とし、データのリピートを行う。
この結果、ネットワーク(1)’とネットワーク(1)”に分断されていた主系側ネットワーク(1)は、伝送中継器31a−31b−31b’−31c’−31d’−31d−31e−31f−31g間で再度ネットワーク(1)を構築することができる。
なお、本実施の形態では、受信データのアドレスから主系側の異常箇所を判断したが、主系、従系の伝送中継器31b−31b’間で直接データのやりとりを行ってもよいし、また直接的に情報(別の通信又はデジタル信号)のやりとりを行ってもよい。
さらに、本実施の形態では伝送中継器31b’は、上流側に対してもトークンの巡回とデータのリピート送信を行い、伝送中継器31d’は下流側に対してもトークンの巡回とデータのリピート送信を行う。これにより、上記の図33〜図36の制御では分断されていた従系側の伝送中継器31a’,31e’,31f’,31g’も主系側ネットワーク(1)に組み込むことが可能となる。
(2)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(リセット)
図48に示すように伝送中継器31aが発行したリセットパケットは、伝送中継器31a→31b→31b’→31c’→31d’→31d→31e→31f→31gとリピートされると共に伝送中継器31b’から上流の伝送中継器31a’に対しても、また伝送中継器31d’から下流の伝送中継器31e’に対してもリピートされる。
(3)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(トークン)
まず、トークンパケットは、伝送中継器31a→31b→31b’→31c’→31d’→31d→31e→31f→31gの順に一筆書きの順路で流れる。
(4)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(リターン)
図41に示すように、伝送中継器31gは末端であるため、データ送信後リターンパケットを発行する。このリターンパケットは、リピートされて伝送中継器31g→31f→31e→31d→31d’の順に伝送中継器31d’まで戻る。従系の伝送中継器31d’はネットワークに分岐が発生していることが判断できるため、リターンパケットを受信した場合、上流側にリピートせずに一旦止める動作を行う。
(5)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(トークン2)
リターンパケットを受信した伝送中継器31d’は、上流へリターンを戻す代わりに分岐している下流にトークンパケットを発行する。伝送中継器31d’が発行したトークンパケットは、伝送中継器31d’→31e’→31f’→31g’と伝わっていく。
(6)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(リターン2)
図42に示すようにトークンを受け取った伝送中継器31g’は末端であるため、データ送信後リターンパケットを発行する。リターンパケットはリピートされ、伝送中継器31g’→31f’→31e’→31d’→31c’→31b’の順に伝送中継器31b’まで戻る。伝送中継器31d’は伝送中継器31d,31e’にトークン発行済みのため、今度はリターンを止めずに上流にリピートする。従系の伝送中継器31b’は、ネットワークが分岐していることが判断できるため、リターンパケットを受信した場合には上流側にリピートせずに一旦止める動作を行う。
(7)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(トークン3)
リターンパケットを受信した伝送中継器31b’は、伝送中継器31bヘリターンを戻す代わりに分岐している上流側にトークンパケットを発行する。伝送中継器31b’が発行したトークンパケットは伝送中継器31a’に伝わる。
(8)伝送中継器31c故障時の制御パケットの流れ(リターン3)
図43に示すようにトークンを受け取った伝送中継器31a’は末端であるため、データ送信後リターンパケットを発行する。このリターンパケットはリピートされ、伝送中継器31a’→31b’→31b→31aと戻る。伝送中継器31b’は、伝送中継器31c’,31a’にトークン発行済みのため、今度はリターンを止めずに上流にリピートする。リターンパケットが伝送中継器31aに戻ることで、送信権が一巡する。
(9)伝送中継器31c故障時の各局状態
伝送中継器31cが故障した状態での各局の状態は、伝送中継器31aが最上流局となり、伝送中継器31a’,31g,31g’が最下流局となり、他の局が中間局となる。
これにより、分岐したネットワークにおいてもトークンパケットを全局に回すことが可能となる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態の鉄道車両用伝送装置について説明する。図44に示すように、第5の実施の形態の鉄道車両用伝送装置は、幹線伝送送受信器と複数の伝送送受信器と自局データの送受信を行う伝送局を有し、各伝送送受信器のデータリピート制御と各伝送中継器間の専用パケットを作成しネットワークを制御する伝送中継器制御装置を具備した伝送中継器41a〜41nと、各伝送中継器間を接続する伝送路43a〜43(n−1)とから成り、伝送中継器41a〜41n各々には、第1の実施の形態の送信権巡回制御方法を拡張し、使用することで、衝突を回避し定周期性を向上させることを特徴とする。
本実施の形態の伝送中継器41a〜41nそれぞれは、図45に示す内部構成であり、2ポートの幹線伝送送受信器44a,44bと1ポート以上(自号車がデータの授受しない場合は0ポート以上)の伝送送受信器45a,45bと、各伝送ポートのデータリピートを制御し、伝送中継器間の専用パケット(トークンパケット)を制御する伝送中継器制御装置42と、自号車のデータ送受信を行う複数の伝送局46a,46bを備えている。
なお、自号車の伝送局46a,46bは伝送中継器41内にあっても、伝送中継器41外にあってもよい。そして伝送中継器41外に伝送局がある場合は、伝送送受信器45のみが伝送中継器41内に実装される。図45では、伝送局46aが伝送中継器41内に、伝送局46bが伝送中継器41外に実装されている例を示している。さらに、伝送局およびそれに付随する伝送送受信器は複数あってもよい。
本実施の形態の伝送装置は、伝送中継器41a〜41n間を幹線伝送路43a〜43(n−1)にてバス状に接続している。なお、本実施の形態では、バス状の接続例で示すが、第3の実施の形態や第4の実施の形態の鉄道車両用伝送装置の梯子状伝送路に適用することもできる。
次に、上記構成の第5の実施の形態の鉄道車両用伝送装置の動作について説明する。ここでは、列車は8両編成の車両を想定し、n=hまでとしている。
(1)リセット
図46を参照して、最初に、伝送中継器41a側をネットワークの上流、伝送中継器41h側をネットワークの下流側と規定する。なお、上流/下流の定義は逆であってもかまわない。また、ネットワークが有効である範囲内で上流側の端の伝送中継器41aが最上流として伝送の親局動作をする。
各伝送中継器41a〜41hには局番号があらかじめ設定されており、ここでは、41a=00h,41b=01h,41c=02h,41d=03h,41e=04h,41f=05h,41g=06h,41h=07hとする。なお、局番号は、ユニークな番号であればよく、自伝送局のIPアドレスなどを使用してもよい。
伝送中継器41aは、送信権巡回の合図としてリセットパケットを発行する。リセットパケットを受信した各伝送中継器41b〜41hは、動作を初期化しデータ受信準備に入る。各伝送中継器41a〜41hは、リセットパケットに含まれる送信伝送局情報と局番号を比較する。送信伝送局情報は、リセットを発行するたびに必要に応じ、順次更新される。ここでは、送信伝送局番号が02hの場合について説明する。
(2)走行指令送信(41a)
図46を参照して、伝送中継器41aは、送信伝送局番号と自局番号が不一致のため、列車の走行制御に必要な制御指令のみを送信する。
(3)送信権(41aから41bへ)
同じく図46を参照して、伝送中継器41aは、列車の走行制御に必要な制御応答送信完了後、送信権を下流に移行するためのトークンパケットを発行する。
(4)送信権(41bから41cへ)
図47を参照して、伝送中継器41bも、送信伝送局番号と自局番号が不一致のため、列車の走行制御に必要な制御応答のみを送信し、下流に送信権を移行する。
(5)走行指令&モニタ、サービスデータ送信(41c)
同じく図47を参照して、伝送中継器41cは、送信伝送局番号と自局番号が一致するため、制御応答送信後、モニタデータやサービスデータなどの列車の走行制御に必要な制御応答以外のデータも送信する。
(6)送信権(41cから41dへ)
図48を参照して、伝送中継器41cは、全データ送信後、送信権を下流に移行するためのトークンパケットを発行する。
以下同様の動作を繰り返すことにより、図49のタイミングチャートに示すように、走行指令(制御指令および制御応答)以外のデータ送信を分散させることにより、一定時間以内に送信権を一巡させ、走行指令を一定時間以内に各伝送中継器に伝えることができる。
なお、本説明では、送信伝送局番号と自局番号の比較を完全一致で説明したが、マスクをかけ複数の伝送中継器に走行指令以外のデータを送信することもできる。例えば、bit2をマスクし、bit0,1を比較するようにすれば、送信伝送局番号が02hの場合でも局番号02hと06hの伝送中継器41cと伝送中継器41gとがモニタデータやサービスデータを送信することができる。
次に、送信権を複数回巡回させることで走行指令の定周期性と走行指令以外のデータに割り振る帯域を最適化する動作について、図50を用いて説明する。伝送中継器41aは、列車の走行指令を送信させるためのリセット(ここではbit7=‘0’)を発行する。全伝送中継器41a〜41hが走行指令データを送信し終えると、伝送中継器41aは、残りの時間、走行指令以外のデータを送信させるためのリセット(ここではbit7=‘1’)を発行する。各伝送中継器は、第2の実施の形態のように時間を監視するタイマを有し、タイムアップ時には速やかに親局である伝送中継器41aに送信権を戻す動作を行う。この動作は、第2の実施の形態と同様である。
なお、図50ではモニタリング情報を走行指令以外の情報に含めたが、モニタリングデータについても定周期性が必要な場合には走行指令側に含め、前記リセットに送信伝送局番号を含める方法で定周期性を維持することができる。このように、タイムアップするまで走行指令以外のデータ用送信権を巡回させることで、短編成列車では走行指令以外のデータの帯域を広くとれると共に走行指令の定周期性を維持することができる。
また、本実施の形態では複数の送信権を回すことで説明したが、リターンパケット時に走行指令以外の情報を送信する方法でもよい。
以上のように本発明では、CSMA/CD方式のネットワークを採用し、バス状に接続された伝送中継器間のみに専用パケットを流すことにより、データの衝突を回避し、接続段数の制約をなくし、低遅延でデータをリピートすることができる鉄道車両用伝送装置を提供することができる。
本発明ではまた、伝送局にCSMA/CD方式の伝送装置を使用できるようにして、低コストで高い汎用性を有する鉄道車両用伝送装置を提供することができる。
本発明ではさらに、CSMA/CD方式のネットワーク方式を採用し、主従二組のバス状に接続された伝送中継器間(同一車両内)を接続する伝送路を追加し、梯子状の伝送路構成とし、梯子状伝送路の縦ライン(系間伝送路)を使用することで、冗長性を向上させた鉄道車両用伝送装置を提供することができる。
本発明の1つの実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送中継器と伝送路状態を示すブロック図。 上記実施の形態における伝送中継器の構成を示すブロック図。 上記実施の形態による制御パケットの流れを示す説明図その1。 上記実施の形態による制御パケットの流れを示す説明図その2。 上記実施の形態による制御パケットの流れを示す説明図その3。 上記実施の形態による伝送局送信制御動作を示す説明図その1。 上記実施の形態による伝送局送信制御動作を示す説明図その2。 本発明の第2の実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送中継器と伝送路状態を示すブロック図。 上記実施の形態における伝送中継器の構成を示すブロック図。 第2の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その1。 第2の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その2。 第2の実施の形態によるデータ送信制御のタイミングチャート。 第2の実施の形態によるデータ送信制御(送信権を一時保持する場合)のタイミングチャート。 第2の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その1。 第2の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その2。 第2の実施の形態による別のデータ送信制御のタイミングチャート。 本発明の第3の実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送中継器と伝送路状態を示すブロック図。 上記実施の形態における伝送中継器の構成を示すブロック図。 第3の実施の形態における伝送路の構成を示すブロック図。 第3の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その1。 第3の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その2。 第3の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その3。 第3の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その4。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その1。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その2。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その3。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その4。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その5。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その6。 第3の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その7。 本発明の第4の実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送中継器と伝送路状態を示すブロック図。 上記実施の形態における伝送中継器の構成を示すブロック図。 第4の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その1。 第4の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その2。 第4の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その3。 第4の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その4。 第4の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その1。 第4の実施の形態による別のデータ送信制御の説明図その2。 第4の実施の形態によるさらに別のデータ送信制御の説明図その1。 第4の実施の形態によるさらに別のデータ送信制御の説明図その2。 第4の実施の形態によるさらに別のデータ送信制御の説明図その3。 第4の実施の形態によるさらに別のデータ送信制御の説明図その4。 第4の実施の形態によるさらに別のデータ送信制御の説明図その5。 本発明の第5の実施の形態の鉄道車両用伝送装置における伝送中継器と伝送路状態を示すブロック図。 第5の実施の形態における伝送中継器の構成を示すブロック図。 第5の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その1。 第5の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その2。 第5の実施の形態によるデータ送信制御の説明図その3。 第5の実施の形態によるデータ送信制御のタイミングチャートその1。 第5の実施の形態によるデータ送信制御のタイミングチャートその2。
符号の説明
1,1a,1b,…,1n 伝送中継器
2 伝送中継器
3a,3b,…,3(n−1) 伝送路
4a,4b,4c,4d 伝送送受信器
5,5a,5b,5c,5d 伝送局
6,6a,6b,6c,6d 伝送局
11a,11a’,11b,11b’,…,11n,11n’ 伝送中継器
12 伝送中継器制御装置
13a,13a’,13b,13b’,…,13(n−1),13(n−1)’ 幹線伝送路
13a”,13b”,…,13n” 系間伝送路
14a,14b,…,14d 伝送送受信器
15a,15b 伝送局
16a,16b 伝送局
21a,21a’,21b,21b’,…,21n,21n’ 伝送中継器
22 伝送中継器制御装置
23a,23a’,23b,23b’,…,23(n−1),23(n−1)’ 幹線伝送路
23a”,23b”,…,23n” 系間伝送路
24a,24b,…,24d 伝送送受信器
25a,25b 伝送局
26a,26b 伝送局
31a,31a’,31b,31b’,…,31n,31n’ 伝送中継器
32 伝送中継器制御装置
33a,33a’,33b,33b’,…,33(n−1),33(n−1)’ 幹線伝送路
33a”,33b”,…,33n” 系間伝送路
34a,34b,…,34d 伝送送受信器
35a,35b 伝送局
36a,36b 伝送局
41,41a,41b,41c,…,41n 伝送中継器
42 伝送中継器制御装置
43a,43b,43c,…,43(n−1) 伝送路
44a,44b 幹線伝送送受信器
45a,45b 伝送送受信器
46a,46b 伝送局

Claims (4)

  1. 各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成した鉄道車両用伝送装置であって、
    前記各車両の伝送中継器は、
    前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、
    同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、
    前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、
    前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、
    前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、
    前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合には、異常発生伝送中継器又は伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信すると共に送信権用専用パケットを流して従系側伝送中継器も主系側ネットワークに組み込む制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置。
  2. 各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成した鉄道車両用伝送装置における伝送中継器であって、
    前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、
    同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、
    前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、
    前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、
    前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、
    前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合には、異常発生伝送中継器又は伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信すると共に送信権用専用パケットを流して従系側伝送中継器も主系側ネットワークに組み込む制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置における伝送中継器。
  3. 各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成する鉄道車両用伝送装置であって、
    前記各車両の伝送中継器は、
    前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、
    同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、
    前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線伝送送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、
    前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、
    前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、
    前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合に、異常発生伝送中継器又は幹線伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信し、従系側伝送中継器にもデータの受信を可能にする制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置。
  4. 各車両に搭載され他の車両から伝送されてきたデータを受信すると共に、リピート送信する伝送中継器と、前記各車両の伝送中継器間を接続する幹線伝送路との各々を主系、従系二重に備え、同一車両内に設置された前記伝送中継器間を接続する系間伝送路を備え、前記幹線伝送路と系間伝送路で梯子状の伝送路を形成する鉄道車両用伝送装置における伝送中継器であって、
    前記他の車両の伝送中継器とデータの送受信を行う幹線伝送送受信器と、
    同一車両内の伝送中継器とデータの送受信を行う系間伝送送受信器と、
    前記同一車両内の伝送中継器の状態から前記幹線伝送送受信器と前記系間伝送送受信器の切り替えを行いネットワークを構築する伝送中継器制御装置と、
    前記伝送中継器制御装置とデータの送受信を行う伝送送受信器と、
    前記伝送送受信器に接続されデータの授受を行う伝送局とを備え、
    前記伝送中継器制御装置は、他の主系伝送中継器又は主系幹線伝送路に異常が発生した場合に、異常発生伝送中継器又は幹線伝送路の前後の系間伝送路を有効として迂回構成をとることにより主系側のネットワークを優先し、従系側のネットワークを分断し、かつ前記分断される従系側のネットワークにも主系データをリピート送信し、従系側伝送中継器にもデータの受信を可能にする制御を行うことを特徴とする鉄道車両用伝送装置における伝送中継器。
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