JP4663126B2 - 加圧下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物 - Google Patents

加圧下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4663126B2
JP4663126B2 JP2000605680A JP2000605680A JP4663126B2 JP 4663126 B2 JP4663126 B2 JP 4663126B2 JP 2000605680 A JP2000605680 A JP 2000605680A JP 2000605680 A JP2000605680 A JP 2000605680A JP 4663126 B2 JP4663126 B2 JP 4663126B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbent polymer
ion exchange
polymer composition
mixed layer
psi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000605680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002539315A (ja
Inventor
ブライン、ハード
アーマン、アシュラフ
ジョン、コリンズ、ダイアー
ロバート、アール、マグネス
スティーブン、アレン、ゴールドマン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Procter and Gamble Co
Original Assignee
Procter and Gamble Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Procter and Gamble Co filed Critical Procter and Gamble Co
Publication of JP2002539315A publication Critical patent/JP2002539315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4663126B2 publication Critical patent/JP4663126B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • C08L101/12Compositions of unspecified macromolecular compounds characterised by physical features, e.g. anisotropy, viscosity or electrical conductivity
    • C08L101/14Compositions of unspecified macromolecular compounds characterised by physical features, e.g. anisotropy, viscosity or electrical conductivity the macromolecular compounds being water soluble or water swellable, e.g. aqueous gels
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/22Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons containing macromolecular materials
    • A61L15/225Mixtures of macromolecular compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/42Use of materials characterised by their function or physical properties
    • A61L15/60Liquid-swellable gel-forming materials, e.g. super-absorbents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【0001】
技術分野
本出願は、荷重下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物に関するものである。本出願は更に、この吸収性ポリマーを含んでなる吸収性部材、及びこれらの吸収性部材を含んでなる吸収性の製品に関するものである。これらの吸収性ポリマー組成物、部材、及び製品は、尿や月経分泌物のような体液を吸収させるのに特に有用である。
【0002】
背景技術
使い捨てオムツ、成人用の失禁用パッドやパンツ、及び生理用ナプキンのような生理用品として用いる為の高吸収性製品の開発というのは、商業的関心のかなりもたれる課題である。このような製品に強く求められる特性は、薄さである。例えば、薄いオムツは着用しても余り嵩張らず、衣服の下でより良くフィットし、それほど目立たない。このようなオムツはまた、包装した時によりコンパクトになるので、消費者にとってはオムツを運んだり、保存したりするのが楽になる。包装がコンパクトであるということは、製造者や卸売業者にとっては、オムツ一個当たりの保存に必要な保存スペースが小さくてすむということを含む、流通コストの削減にもつながる。
【0003】
より薄いオムツのような吸収性製品を提供できるかは、排泄された多量の体液、特に尿を捕捉して溜めることのできる比較的薄い吸収性のコア、もしくは部材を開発できるかにかかっていた。この点に関しては、「ヒドロゲル」、「超吸収体」、「キセロゲル」、もしくは「ヒドロコロイド」としばしば呼ばれる或る種の吸収性ポリマーの使用が、特に重要であった。例えば、このような物質(以下、「吸収性ポリマー」という)の吸収性製品への使用が開示されている1972年6月13日に発行された米国特許第3,699,103号(Harper等)、及び1972年6月20日に発行された米国特許第3,770,731号(Harmon)の各明細書を参照のこと。実際、これまでより薄いオムツが開発されたのは、排泄された多量の体液を吸収するこれらの吸収性ポリマーの能力、典型的には繊維状のマトリックスと組み合わせて用いた場合の能力を利用したより薄い吸収性コアの直接的な成果であった。例えば、薄くてコンパクトで嵩張らないオムツを作るのに有用な、繊維状のマトリックスと吸収性ポリマーとを含んでなる二層コア構造体が開示されている1987年6月16日に発行された米国特許第4,673,402号(Weisman等)、及び1990年6月19日に発行された米国特許第4,935,022号(Lash等)の各明細書を参照のこと。
【0004】
これらの吸収性ポリマーは、アクリル酸、アクリル酸のアルカリ金属(例えばナトリウム及び/もしくはカリウム)塩、もしくはアンモニウム塩、アルキルアクリレート等のような不飽和カルボン酸、又はそれらの誘導体を、比較的少量の二官能価モノマー、もしくは多官能価モノマー、例えばN,N´−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、もしくはトリアリルアミンの存在下で初めに重合させて作ることが多い。この二官能価もしくは多官能価モノマー物質は、ポリマー鎖を軽度に架橋させ、それによりそれらを水に不溶ではあるが水で膨潤可能にする役目を果たすものである。これらの軽度に架橋された吸収性ポリマーは、ポリマー主鎖に結合した複数のカルボキシル基を含んでいる。架橋ポリマーの網目による体液吸収に必要な浸透推進力が、これらのカルボキシル基により生じる。吸収性ポリマーは、不飽和アミンもしくはそれらの誘導体を、比較的少量の二官能価モノマー、もしくは多官能価モノマーの存在下で、同じようなやり方で重合させることによっても作ることができる。
【0005】
これらの吸収性ポリマーの架橋度は、それらの吸収能力、及びゲル強度を決める際の重要なファクターである。吸収性部材、及び使い捨てオムツのような吸収性製品における吸収体として有用な吸収性ポリマーは、適切な吸収能力の他に、適切な高ゲル強度を有していなければならない。吸収能力は、吸収性製品を使用している間に出合う相当な量の水性体液を吸収性ポリマーに吸収させることができる程度に、十分高くなければならない。ゲル強度は、膨潤したポリマー粒子が応力下で変形する傾向に関係しており、粒子が変形することがなく、しかも粒子が吸収性部材、もしくは吸収性製品中の毛管状の空隙を許容しがたいほど塞いで、その部材/製品による液体の吸い上げ速度、もしくは液体の分散を抑制するようなことがない程度でなければならない。一般的に、膨潤した吸収体を含んでなる区画もしくは層の浸透性は、ポリマーゲルの架橋密度を高め、それによりゲル強度を増すことによって高めることができる。しかしながら、これは望ましくないことに、ゲルの吸収能力を概して低下させることにもなる。例えば、1987年3月31日に発行された米国特許第4,654,039号(Brandt等) (1988年4月19日に米国再発行特許第32,649号として再発行)、及び1989年5月30日に発行された米国特許第4,834,735号(Alemany等)の各明細書を参照のこと。
【0006】
多くの吸収性ポリマーが、一定の条件下でゲル・ブロッキングを示すことがある。「ゲル・ブロッキング」とは、吸収性ポリマーの粒子が変形して、吸収性部材、もしくは吸収性製品中の毛管状の空隙を許容しがたいほど塞いでしまい、それによって、その部材/製品による液体の吸い上げ速度、もしくは液体の分散が抑制される時に生じるものである。一旦ゲル・ブロッキングが生じると、それ以上の液体の吸い上げ、もしくは分散は、非常にゆっくりとした拡散プロセスによって行われる。このことは、実際的な言い方をすれば、ゲル・ブロッキングによって、吸収性部材もしくは吸収性製品中の比較的乾いている区画、もしくは部分への液体の分散が実質的に妨げられることがある、ということを意味している。吸収性製品中の吸収性ポリマーの粒子が完全に飽和するずっと前に、又は液体が「ブロッキング」粒子を通り越して吸収性製品の他の部分に拡散するか、もしくは運ばれる前に、吸収性製品から漏れが生じることがある。1989年5月30日に発行された米国特許第4,834,735号(Alemany等)明細書を参照のこと。
【0007】
このゲル・ブロッキング現象は概して、吸収性ポリマーの粒子を分散させた繊維状マトリックスの使用を余儀なくさせるものであった。この繊維状マトリックスは、吸収性ポリマーの粒子を一つ一つばらばらに保ち、また液体を、初めに排泄された地点から遠い部分にある吸収性ポリマーに到達させる毛細管構造をもたらすものである。1989年5月30日に発行された米国特許第4,834,735号(Alemany等)明細書を参照のこと。しかしながら、ゲル・ブロッキングを最低限に抑えるか、もしくは防止する為に吸収性ポリマーを比較的低い濃度で繊維状マトリックス中に分散させると、吸収性製品の嵩が著しく増したり、より薄い吸収性構造体の全体としての液体貯蔵能力が低下したりすることがある。吸収性ポリマーを低濃度で使用すると、これらの物質の実質的な利点、すなわち多量の体液を吸収し保持する一定の体積当たりの能力が幾らか制限される。
【0008】
吸収性ポリマーは典型的には、主として浸透推進力の結果として単純な電解質の水溶液中で膨潤する、軽度に架橋された高分子電解質である。吸収性ポリマーを膨潤させる為の浸透推進力は主として、高分子電解質から解離したものの電気的に中性であると考えられる為に膨潤したポリマーの内部にとどまっている高分子電解質の対イオンにより生じるものである。中和されていない状態の弱酸性基、もしくは弱塩基性基(例えば、カルボン酸基、アミン官能基)を含有する吸収性ポリマーは、尿溶液中では少ししか対イオンを解離しない。かなりの濃度の解離対イオンを発生させる為には、これらの弱酸性もしくは弱塩基性吸収性ポリマーを、それぞれ塩基、もしくは酸で少なくとも部分的に中和しなければならない。これらの弱酸性もしくは弱塩基性吸収性ポリマーは、或る程度中和されていないと、それらの潜在的な最大吸収能力もしくはゲル体積まで膨潤することがない。反対に、比較的強い酸性、もしくは塩基性の官能基(例えばスルホン酸基、四級アンモニウムヒドロキシド基)を含んでなる吸収性ポリマーの吸収能力は、中和度には余り左右されない。しかしながら、これらの強酸性もしくは強塩基性吸収性ポリマーを中和されていない状態で用いると、このポリマーと接触している液体のpHが許容しがたいほど低いか、もしくは高い値に変わる可能性がある。それらのポリマーは、繰り返し単位の分子量が大きい為に官能基をポリマーの単位重量当たり比較的少ししか有していないという傾向もある。これには、これらの物質における液体吸収に必要な浸透推進力を低下させる傾向がある。
【0009】
中和後であっても、膨潤に必要な浸透推進力と、従って高分子電解質吸収性ポリマーの吸収能力もしくはゲル容積は、尿のような体液中に通常存在する溶けている単純な電解質によって大きく低下する。尿中に溶けている電解質の濃度を(例えば、蒸留水で希釈することにより)低下させることで、高分子電解質吸収性ポリマーの吸収能力を大きく高めることができる。
【0010】
水溶液中に溶けている電解質の濃度は、適切な混合層イオン交換技術により著しく低下させることができる。(水のイオンを除去する為には、工業的にはイオン交換カラムを用いることが多い。)電解質濃度は、溶けているカチオン(例えばNa)をHイオンと交換する効果と、溶けているアニオン(例えばCl)をOHイオンと交換する効果の組み合わせによって低下する。このHイオンとOHイオンが溶液中で効果的に結合して、HOを生成する。混合層イオン交換系が潜在的に電解質濃度を低下させることのできる度合いは、その系のイオン交換能、水溶液中に溶けている単純な電解質の濃度、及び電解質水溶液とイオン交換ポリマーの比によって異なる。
【0011】
吸収性ポリマーを含有する製品の吸収能力を増す為に、イオン交換樹脂が用いられてきた。例えば、1989年4月4日にWongに対して発行された米国特許第4,818,598号、1996年5月23日に公開されたPalumbo等による国際特許出願第WO96/15163号、1996年5月23日に公開されたPalumbo等による国際特許出願第WO96/151180号、1982年3月13日に公開された特開昭57−045057号公報、及び1982年2月26日に公開された特開昭57−035938号公報の各明細書を参照のこと。しかしながら、イオン交換能が比較的低く、吸収能力の小さい、もしくは吸収能力のないイオン交換樹脂は比較的多量に添加しなければならず、それによって一般的に、吸収性製品の嵩とコストが許容しがたい程度にまで増大する。
【0012】
中和されていない酸性基を含有する吸収性ポリマーと中和されていない塩基性基を含有する吸収性ポリマーの混合物は、混合層イオン交換系としての役目を果たして、溶液中に溶けている単純な電解質の濃度を効果的に低下させる可能性がある。また、混合層イオン交換系中の吸収性ポリマーが中和されていない状態の弱酸性基を含んでいる場合には、例えばNaによるHの交換によって、吸収性ポリマーが中和されていない状態から中和された状態に変わる。その為、弱酸性吸収性ポリマーの膨潤に必要な浸透推進力(と、従って吸収能力)が、このような混合層イオン交換吸収系でのイオン交換の結果として高くなる。同様に、混合層イオン交換系中の吸収性ポリマーが中和されていない状態の弱塩基性基を含んでいる場合には、例えばClによるOHの有効な交換により(もしくは、遊離アミン基へのHClの添加により)、吸収性ポリマーが中和されていない状態から中和された状態に変わる。その為、弱塩基性吸収性ポリマーの膨潤に必要な浸透推進力も、混合層吸収系でのイオン交換の結果として高くなる。吸収性ポリマー中の弱酸性基、もしくは弱塩基性基を事実上全て中和させても(すなわち、完全に中和させても)、必ずしもpHが中性になるとは限らない。これらのポリマーを含んでなる混合層イオン交換系においては、弱酸性基、及び/もしくは塩基性基の幾つかが実際に中和(すなわち部分中和)されるようである。吸収能力を高める為に混合層イオン交換吸収性ポリマーを用いることは、国際特許出願第WO96/17681号(Palumbo、1996年6月13日公開)、国際特許出願第WO96/15162号(Fornasari等、1996年5月23日公開)、及び米国特許第5,274,018号(タナカ、1993年12月28日発行)の各明細書に記載されている。
【0013】
吸収性部材(例えば、吸収性ポリマーとセルロース繊維の混合物)においては、吸収性ポリマーが吸収するのは、その部材中に含まれている全液体の一部のみである。残りの液体は、典型的には他の構成部分により(例えば、繊維構造体によって形成された細孔中)に吸収される。しかしながら、この液体は吸収性ポリマーに吸収されなくても、液体中に溶けている電解質は吸収性ポリマー中に拡散してゆくことができる。繊維(もしくは、液体を吸収することのできるその他の非吸収性ポリマー成分)の量を減らすと、電解質濃度の所定の低下を達成する為に交換しなければならない余分な溶液の量、従って余分な塩の量が最小限に抑えられる。このように、混合層イオン交換吸収性ポリマー系は、吸収能力を最大にするという点からみると、比較的高い濃度の吸収性ポリマーを含有する吸収性部材においては最大の利益をもたらすものである。
【0014】
吸収性部材中の混合層イオン交換吸収性ポリマーは膨潤に必要な浸透推進力を高めることができるが、このことによって、0.7psi以上の拘束圧下での吸収能力という点からみた吸収性能に対して期待される改良がもたらされたことは、これまではなかった。0.7psi以上の拘束圧というのは、吸収性製品を着用している間に吸収性部材にかかる典型的な使用圧であると考えられている。このような拘束圧下では、前に開示した混合層イオン交換吸収性ポリマーは変形して粒子間の毛管状の空隙を埋め、その為に液体の吸い上げ速度が抑制される傾向がある。その結果、前に開示した混合層イオン交換吸収性ポリマーの吸収能力は、0.7psi以上の拘束圧下では、従来の吸収性ポリマーの吸収能力よりも著しく高くなることはない。
【0015】
従って、0.7psi以上の拘束圧下で大量の合成尿溶液を吸収することのできる吸収性ポリマーを含んでなる組成物を提供することが望まれている。また、この吸収性組成物を含んでなる製品の使用時間(例えば一晩)よりも概して短い時間内に、比較的高い吸収能力が得られるのが望ましい。この点からは、吸収性ポリマーが、例えば2時間、4時間、8時間、もしくは16時間内に、高い吸収能力を達成するのが望ましい。更に、多孔度及び/もしくは浸透性が高く、ゲル層の保全性が良好な吸収性ポリマー系を提供することが望まれている。更にまた、このような吸収性ポリマーは、年長の乳児やよちよち歩きの幼児に典型的な高イオン強度をもつ合成尿に曝された時にも高い吸収能力を示すのが望ましい。
【0016】
発明の開示
本発明は、尿のような体液を封じ込めるのに有用な吸収性物質に関するものである。本発明は特に、0.7psi及び/もしくは1.4psiの拘束圧下での吸収能力の点からみて優れた吸収性能特性をもつ吸収性物質に関するものである。
【0017】
本発明は、一つの態様においては、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi(4.8kPa)下で2時間後の加圧下性能(Performance Under Pressure、以下「PUP」もしくは「PUP能」という)が少なくとも約30g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。(所定の圧力下で一定の時間にわたってPUP能を測定する方法は、下の「試験方法」の項で説明する。)別の態様においては、本発明は、高イオン強度合成尿溶液についての拘束圧0.7psi(4.8kPa)下で2時間後の加圧下吸収能力(Capacity Under Pressure、以下「CUP」という)が少なくとも約25g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。(所定の圧力下で一定の時間にわたってCUPを測定する方法は、下の「試験方法」の項で説明する。)更に別の態様においては、本発明は、拘束圧0.7psi(4.8kPa)下で4時間後のPUP能が少なくとも約36g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。また別の態様においては、本発明は、拘束圧0.7psi下で8時間後のPUP能が少なくとも約40g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。更に別の態様においては、本発明は、拘束圧0.7psi下で16時間後のPUP能が少なくとも約42g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。ここで用いる「後」という語は、直後を意味している。
【0018】
別の態様においては、本発明は、拘束圧1.4psi(9.6kPa)下で2時間後のPUP能が少なくとも約24g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。また別の態様においては、本発明は、拘束圧1.4psi下で4時間後のPUP能が少なくとも約27g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。更にまた別の態様においては、本発明は、拘束圧1.4psi下で8時間後のPUP能が少なくとも約30g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。更に別の態様においては、本発明は、拘束圧1.4psi下で16時間後のPUP能が少なくとも約33g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。
【0019】
好ましい態様においては、本発明は、中和されていない状態の弱酸性基を有するカチオン交換吸収性ポリマーと、中和されていない状態の弱塩基性基を有するアニオン交換吸収性ポリマーとを含んでなる組成物であって、この混合物が、PUP及び/もしくはCUP吸収条件下で、この吸収性組成物を含んでなる製品の使用時間(例えば一晩)よりも短い時間内に合成尿溶液に対して高い吸収性を示す組成物に関するものである。この点に関しては、PUP及び/もしくはCUP能を例えば2時間、4時間、6時間、8時間、及び/もしくは16時間にわたって測定した場合に、この混合層イオン交換吸収性ポリマーは、このような改良された吸収性を示す。本発明はまた、上記の吸収性ポリマー組成物を含んでなる吸収性部材、及びこのような吸収性部材を含んでなる吸収性製品に関するものである。
【0020】
発明を実施するための最良の形態
A.定義
本明細書で用いる「体液」という語には、尿、血液、月経分泌物、及び膣排泄物が含まれる。
【0021】
本明細書で用いる「合成尿溶液」という語は、蒸留水にKClを2.0g、NaSOを2.0g、NHPOを0.85g、(NHHPOを0.15g、CaCl・2HOを0.25g、及びMgCl・6HOを0.50g溶かして1リットルの溶液とした水溶液を指す。
【0022】
本明細書で用いる「高イオン強度合成尿溶液」という語は、蒸留水にKClを4.0g、NaSOを2.0g、NHPOを1.2g、(NHHPOを1.6g、CaCl・2HOを0.20g、MgCl・6HOを0.55g、及びNaClを7.0g溶かして1リットルの溶液とした水溶液を指す。
【0023】
本明細書で用いる「イオン交換能」という語は、中和されていない各酸性基もしくは塩基性基がイオン交換過程で中和されると仮定した場合の、ポリマーの理論上の、もしくは計算上の1グラム当たりのミリ当量で示したイオン交換能を指す。
【0024】
本明細書で用いる「吸収性ポリマー」という語は、ポリマー内にその重量の少なくとも10倍の脱イオン水を吸収して、系のpHの調節を可能にするポリマーを指す。
【0025】
本明細書で用いる「吸収性コア」という語は、体液の捕捉、移動、分散、及び貯蔵を含む吸収性製品の液体処理特性に主として関係する、吸収性製品の構成要素を指す。その為、吸収性コアには一般的には、吸収性製品のトップシートやバックシートは含まれない。
【0026】
本明細書で用いる「吸収性部材」という語は、例えば液体の捕捉、液体の分散、液体の移動、液体の貯蔵等の一つ、もしくはそれ以上の液体処理特性を一般的にもたらす、吸収性コアの構成要素を指す。吸収性部材は吸収性コア全体を構成していてもよいし、吸収性コアの一部分のみを構成していてもよい。すなわち、吸収性コアは、吸収性部材を一つ、もしくはそれ以上含んでなることができる。本明細書に記載する改良された混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は、主な機能が水性の体液を貯蔵することである吸収性部材に特に有用である。しかしながら、これらの組成物を、その他の吸収性部材中に存在させてもよい。
【0027】
本明細書で用いる「部分」もしくは「区画」という語は、顕微鏡的な感覚での吸収性部材の一部、もしくは部分を指す。
【0028】
本明細書で用いる「層」という語は、基本的な大きさがその長さと幅に沿うものである吸収性製品の一部分を指す。層という語は、物質の単一の層もしくはシートに必ずしも限定されるものではない、と解すべきである。その為、層は、必須のタイプの物質の数枚のシートもしくウェブの積層体、もしくは組み合わせによって構成されていてよい。従って、「層(単数形)」という語には、「層(複数形)」、及び「層状の」という語が含まれる。
【0029】
本明細書で用いる「含んでなる」という語は、様々な構成要素、部材、工程等を本発明に従って組み合わせて用いることができる、ということを意味するものである。従って、「含んでなる」という語には、「から本質的になる」や「からなる」という、より限定的な語が包含されている。これらの後者の語は、当該技術分野で理解されている通りの標準的な意味をもつ、より限定的な語である。
【0030】
本明細書で用いるパーセンテージ、比率、及び割合は、特に断りのない限り、全て重量によるものである。
【0031】
B.混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物
本発明は、一つには、荷重下で合成尿溶液に対して非常に高い吸収性を示す混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。これらの混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は、以下に詳しく説明するように、アニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーの混合物を含んでなるものである。
【0032】
1.化学組成
a.アニオン交換吸収性ポリマー
弱塩基性基を含有するアニオン交換吸収ポリマーには、水には溶けないが水で膨潤する様々なポリマーが含まれる。これらは典型的には、第一、第二、及び/もしくは第三アミン、又はそれらに対応するホスフィンのような塩基性官能基を複数個含有する軽度に架橋されたポリマーである。本発明に用いるのに適したポリマーの例には、塩基性基か、もしくは重合後に塩基性基に変わり得る基をもつ重合性モノマーから作られたポリマーが含まれる。従って、このようなモノマーには、第一、第二、及び/もしくは第三アミン、又はそれらに対応するホスフィンを含有するモノマーが含まれる。代表的なモノマーにはエチレンイミン(アジリジン)、アリルアミン、ジアリルアミン、4−アミノブテン、アルキルオキサゾリン、ビニルホルムアミド、5−アミノペンテン、カルボジイミド、ホルマールダジン、メラミン等の他、それらの第二もしくは第三アミン誘導体が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0033】
本発明でのアニオン交換吸収性ポリマーを作る際には、塩基性基を含んでいない或る種のモノマーも、通常は少量であるが含めることができる。本明細書に記載する吸収性ポリマーは、ホモポリマーであっても、(ターポリマー、及びそれより高次のコポリマーを含む)コポリマーであっても、異なるホモポリマーもしくはコポリマーの混合物であってもよい。これらのポリマーはまた、ランダムコポリマーであっても、グラフトコポリマーであっても、ブロックコポリマーであってもよく、また線状構造を有していても、分岐構造を有していてもよい。
【0034】
これらのポリマーは、比較的低い架橋度によって、水に溶けはしないが水で膨潤可能なものとなっている。重合反応中に適切な量の適切な架橋用モノマーを含ませることにより、このようにすることができる。架橋用モノマーの例には、N,N´−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルアミン、ジアジリジン化合物等が含まれる。或いは、重合後に、ジハロゲン化もしくはポリハロゲン化化合物、及び/又はジエポキシもしくはポリエポキシ化合物のような適切な架橋剤と反応させて、ポリマーを架橋させてもよい。例には、ジヨードプロパン、ジクロロプロパン、エチレングリコールジグリシジルエーテル等が含まれる。架橋はゲル粒子全体に均一に分布させてもよいし、粒子の表面に、もしくは表面近くに優先的に集中させてもよい。
【0035】
アニオン交換吸収性ポリマーは、一種類(すなわち均質)であるのが好ましいが、アニオン交換ポリマーの混合物も本発明に用いることができる。例えば、本発明には、架橋ポリエチレンイミンと架橋ポリアリルアミンの混合物を用いることができる。
【0036】
アニオン交換吸収性ポリマーを混合層イオン交換組成物の一部として用いる場合、それは、中和されていない塩基の状態で約50%〜約100%、好ましくは約80%〜約100%、より好ましくは約90%〜約100%とする。
【0037】
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のイオン交換能を最大にする為には、吸収性ポリマーの、乾燥ポリマー1グラム当たりのイオン交換能が高いことが望ましい。その為、アニオン交換吸収性ポリマー成分のイオン交換能は少なくとも約10meq/g、より好ましくは少なくとも約15meq/g、最も好ましくは少なくとも約20meq/gであるのが好ましい。
【0038】
b.カチオン交換吸収性ポリマー
カチオン交換体として有用な吸収性ポリマーは、典型的には、カルボン酸基のような酸性の官能基を複数個もつものである。本発明に用いるのに適したカチオン交換ポリマーの例には、酸を含有する重合性モノマー、もしくは重合後に酸性基に変わり得る官能基を有するモノマーから作られたポリマーが含まれる。従って、このようなモノマーには、オレフィン性不飽和カルボン酸、それらの無水物、及びそれらの混合物が含まれる。カチオン交換ポリマーには、オレフィン性不飽和モノマーから作られたものではないポリマーも含めることができる。このようなポリマーの例には、カルボキシメチル澱粉やカルボキシメチルセルロースのような多糖類をベースとするポリマー、及びポリ(アスパラギン酸)のようなポリ(アミノ酸)をベースとするポリマーが含まれる。吸収性のあるポリ(アミノ酸)ポリマーについては、例えば1993年9月21日にDonachy等に対して発行された米国特許第5,247,068号明細書を参照のこと。この特許は、参考として本明細書に記載するものである。
【0039】
本発明でのカチオン交換吸収性ポリマーを作る際には、通常は少量ではあるが、或る種の非酸性モノマーも含めることができる。このような非酸性モノマーには例えば、以下のタイプの官能基を有するモノマーを含めることができる。カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、ヒドロキシル基、アミド基、ニトリル基、及びアリール基(例えば、スチレンモノマーから誘導されるもののようなフェニル基)。その他の任意の非酸性モノマーには、エチレン、プロピレン、1−ブテン、ブタジエン、及びイソプレンのような不飽和炭化水素が含まれる。これらの非酸性モノマーは良く知られている物質であって、例えば1978年2月28日に発行された米国特許第4,076,663号(マスダ等)、及び1977年12月13日に発行された米国特許第4,062,817号(Westerman)の各明細書に、より詳しく記載されている。これら二つの特許は、参考として本明細書に記載するものである。
【0040】
オレフィン性不飽和カルボン酸モノマー、及びオレフィン性不飽和カルボン酸無水物モノマーには、アクリル酸そのもの、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸、p−クロロ桂皮酸、β−ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、及び無水マレイン酸により代表されるアクリル酸類が含まれる。
【0041】
好ましいカチオン交換吸収性ポリマーは、カルボキシル基を含むものである。これらのポリマーには、加水分解澱粉−アクリロニトリルグラフトコポリマー、部分中和加水分解澱粉−アクリロニトリルグラフトコポリマー、澱粉−アクリル酸グラフトコポリマー、部分中和澱粉−アクリル酸グラフトコポリマー、加水分解酢酸ビニル−アクリルエステルコポリマー、加水分解アクリロニトリルもしくはアクリルアミドコポリマー、上記のコポリマーのいずれかを軽度に網状架橋させたポリマー、ポリアクリル酸、及びポリアクリル酸を軽度に網状架橋させたポリマーが含まれる。これらのポリマーは、単独で用いることもできるし、二つ、もしくはそれ以上の異なるポリマーの混合物の形で用いることもできる。これらのポリマー物質の例は、米国特許第3,661,875号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,093,776号、米国特許第4,666,983号、及び米国特許第4,734,478号の各明細書に開示されている。
【0042】
カチオン交換吸収性ポリマーの製造に用いるのに最も好ましいポリマー物質は、ポリアクリル酸の軽度に網状架橋させたポリマーと、それらの澱粉誘導体である。網状架橋させることによってポリマーが水に実質的に溶けなくなり、また吸収性ポリマーの特性である吸収能力、及び抽出性ポリマーの含有率が或る程度決まる。これらのポリマーを網状架橋させる方法、及び典型的な網状架橋剤は、米国特許第4,076,663号明細書に、より詳しく記載されている。
【0043】
カチオン交換吸収性ポリマーは一種類(すなわち均質)であるのが好ましいが、本発明ではカチオン交換ポリマーの混合物も用いることができる。例えば、本発明には、澱粉−アクリル酸グラフトコポリマーと軽度に網状架橋させたポリアクリル酸ポリマーの混合物を用いることができる。
【0044】
カチオン交換吸収性ポリマーを混合層イオン交換組成物の一部として用いる場合、それは、中和されていない酸の形で約50%〜約100%、好ましくは約80%〜約100%、より好ましくは約90%〜約100%とする。
【0045】
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のイオン交換能を最大にする為には、カチオン交換吸収性ポリマーの、乾燥ポリマー1グラム当たりのイオン交換能が高いことが望ましい。従って、カチオン交換吸収性ポリマー成分のイオン交換能は少なくとも約4meq/g、より好ましくは少なくとも約8meq/g、更により好ましくは少なくとも約10meq/g、最も好ましくは少なくとも約13meq/gであるのが好ましい。
【0046】
c.組成、及び一般的な材料特性
混合イオン交換吸収性ポリマー組成物においては、アニオン交換能とカチオン交換能は同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えばpKの差を相殺する為に、中和度の差を相殺する為に、イオン交換した尿のpHを変える(例えば酸性化する)為に、アニオン交換吸収性ポリマー、もしくはカチオン交換吸収性ポリマーと同等のものが幾らかあるのが望ましいことがある。
【0047】
高濃度吸収性コア中の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は、イオンを運ぶのを助けたりイオン交換速度を速めたりするのに、溶液の流動性や攪拌等に頼ることはできない。その為、イオン交換活動を促進するのに適した粒子形態にするのが望ましい。望ましい形態には、(i)粒度分布が広いか、もしくは狭い高表面積(例えば、小さい及び/もしくは多孔質の)粒子の混合層凝集体、(ii)例えばアニオン交換吸収性ポリマー中に、それよりも小さい例えばカチオン交換吸収性ポリマーの非連続領域が含まれている粒子、及び(iii)アニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーの両方の二連続領域を含む粒子が含まれる。
【0048】
上記の形態をもつ混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は、当該技術分野で良く知られている様々な混合技術を用いて作ることができる。具体的なブレンド技術には、高剪断ブレンド、ボールミル、ピンミル等が含まれる。また当業者にとっては当然のことであろうが、成分の混合及び/もしくはブレンドは、製造過程での乾燥工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。水、グリセロール、オイル、シリカ、もしくはそれらの混合物のような添加剤、もしくは加工助剤をブレンド中の成分に添加して、混合を促進させてもよい。
【0049】
吸収性ポリマーはまた、例えば粉末状のシリカ、界面活性剤、グルー、バインダー等のような、一種、もしくはそれ以上の添加剤を低レベルで含む混合物を構成することができる。この混合物中の成分は、吸収性ポリマー成分と吸収性ポリマー以外の添加剤とが容易に物理的に分離しないような状態で、物理的及び/もしくは化学的に結合していてよい。吸収性ポリマーは、本質的に非多孔質(すなわち内部多孔度ゼロ)であってもよいし、実質的に内部多孔度を有していてもよい。混合層吸収性ポリマー組成物においては、一方のタイプの吸収性ポリマーは、他方のタイプの吸収性ポリマーよりも高い架橋密度を有していてよい。
【0050】
本発明に有用な吸収性ポリマーの粒子については、粒度の通常の範囲は約1〜約2000ミクロンであって、より好ましくは約20〜約1000ミクロンである。質量メジアン粒度は、一般的には約20〜約1500ミクロンであって、より好ましくは約50〜約1000ミクロン、更により好ましくは約100〜約800ミクロンである。
【0051】
吸収性ポリマーの重要な特性は、ポリマーそのものの中に存在している抽出性成分のレベルである。1987年3月31日に発行された米国特許第4,654,039号(Brandt等)(1988年4月19日に米国再発行特許第32,649号として再発行)明細書を参照のこと。各明細書の開示内容は、参考として本明細書に記載するものである。多くの吸収性ポリマーが、体液(例えば尿)が吸収性ポリマーと接触している間に、膨潤したポリマーマトリックスから体液によって溶脱され得る抽出性ポリマー物質を、かなりのレベルで含んでいる。体液によってこのように抽出されるこのようなポリマー物質は、その体液の化学的性質と物理的性質の両方を変化させて、吸収性製品中の吸収性ポリマーによる体液の吸収を遅らせ、また体液の保持を不充分にすることがあると考えられる。また、溶解性ポリマーは逆の電荷をもつポリマーからなるゲル粒子に向かって移動する傾向があるので、抽出性ポリマーは、混合層イオン交換吸収性ポリマー系においては特に有害であると考えられる。これら二つのポリマーは内部中和し、その為に系のイオン交換能が低下する。抽出性ポリマーは、逆の電荷をもつポリマーに対する多価の対イオンを事実上含んでいるので、ゲルが膨潤する能力を抑制するイオン架橋を形成することもある。
【0052】
従って本発明のイオン交換吸収性ポリマーについては、抽出性ポリマーのレベルはポリマー全体の約15%以下、より好ましくは約10%以下、最も好ましくは約7%以下であるのが好ましい。
【0053】
2.物性
a.加圧下性能( Performance Under Pressure 、PUP)
要求湿潤度、もしくは重量吸収度を測定することにより、吸収性ポリマーの高濃度区画もしくは層が使用圧下で体液を吸収する能力についての情報を得ることができる。例えば、1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号(Goldman等)、及び1997年2月4日に発行された米国特許第5,599,335号(Goldman等)の各明細書を参照のこと。これらの明細書では、要求湿潤度、もしくは重量吸収度を加圧下性能(PUP)と呼んでいる。PUPの測定においては、初めのうちは乾燥している濃度100%の吸収性ポリマー組成物を、機械的な拘束圧のかけられたピストン/シリンダー装置(シリンダーの底は、溶液を透過することはできるが、吸収性ポリマーを透過することはできない)の中に置き、要求される吸収条件下、水圧吸引ゼロで、また高機械圧で合成尿溶液を吸収させる。「PUP」能は、年少の乳児の尿に典型的な組成とイオン強度をもつ合成尿溶液の、特定の圧力下で一定時間内の、0.032g/cmの吸収性ポリマー層によるg/g吸収と定義されるものである。PUP能が高いということは、吸収性ポリマーを吸収性製品に高濃度で用いる場合、吸収性ポリマーにとって非常に重要な特性である。
【0054】
吸収性ポリマーにかかる使用圧には、機械的な圧力(例えば、使用者の体重や動きによってかかる圧力、テーピング力等)と、毛管圧(例えば、液体が吸収性ポリマーに吸収される前に液体を一時的に保持する吸収性コア中の捕捉構成要素の毛管脱着圧)の両方が含まれる。約0.7psi(4.8kPa)という合計圧力は、混合層吸収性ポリマー組成物が使用条件下で体液を吸収する際にそのポリマー組成物にかかるこれらの圧力の合計を反映しているものと考えられる。しかしながら、使用条件下では、これよりも高い圧力と低い圧力の両方が吸収性ポリマーにかかることもある。従って、本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマーは、約1.4psi(9.6kPa)迄の圧力で高いPUP能を示すのが望ましい。この吸収性組成物を含んでなる製品の使用時間(例えば一晩)よりも短い時間内に、比較的高いPUP能値が得られるのが好ましい。この点に関しては、混合層イオン交換吸収性ポリマーは、例えば2時間、4時間、8時間、及び/もしくは16時間でPUP能を測定した場合に、このような改良された吸収性を示す。
【0055】
これらの吸収性ポリマーのPUP能を測定する方法については、下の試験方法の項で説明する。この方法は、1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号(Goldman等)(参考として本明細書に記載するものである)明細書に記載されている手順に基づくものであって、使用中の個々の状態をより厳密にシミュレートする為に、様々な所望の拘束圧下で、より長い時間に及ぶように変更を加えたものである。
【0056】
(i)拘束圧0.7psi下でのPUP能
一つの態様における本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を、0.7psiの拘束圧下で合成尿を吸収する能力の点から説明する。この点からみると、本発明は、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で2時間後の加圧下性能が少なくとも約30g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。好ましくは、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で2時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約32g/gであって、より好ましくは少なくとも約35g/g、最も好ましくは少なくとも約38g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で2時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約30〜約49g/gであって、より典型的には約32〜約47g/g、更により典型的には約35〜約45g/g、更により典型的には約38〜約43g/gである。
【0057】
同様の態様においては、本発明は、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で4時間後の加圧下性能が少なくとも約36g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。好ましくは、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で4時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約38g/gであって、より好ましくは少なくとも約40g/g、最も好ましくは少なくとも約42g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で4時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約36〜約55g/gであって、より典型的には約38〜約52g/g、更により典型的には約40〜約50g/g、更により典型的には約42〜約48g/gである。
【0058】
同様の態様においては、合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で8時間後の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のPUP能は、少なくとも約40g/gである。好ましくは、拘束圧0.7psi下で8時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約42g/gであって、より好ましくは少なくとも約44g/g、最も好ましくは少なくとも約46g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で8時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約40〜約59g/gであって、より典型的には約42〜約57g/g、更により典型的には約44〜約55g/g、更により典型的には約46〜約52g/gである。
【0059】
別の同様の態様においては、拘束圧0.7psi下で16時間後の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のPUP能は、少なくとも約42g/gである。好ましくは、拘束圧0.7psi下で16時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約44g/gであって、より好ましくは少なくとも約46g/g、最も好ましくは少なくとも約48g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で16時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約42〜約61g/gであって、より典型的には約44〜約59g/g、更により典型的には約46〜約57g/g、更により典型的には約48〜約54g/gである。
【0060】
(ii)拘束圧1.4psi下でのPUP能
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を、1.4psiの拘束圧下で合成尿を吸収する能力の点から別途説明する。勿論、或る種の吸収性物質は、記載した吸収特性を0.7psiと1.4psiの両方で示すことが分かるであろう。
【0061】
この点からみると、本発明は、拘束圧1.4psi下で2時間後のPUP能が少なくとも約24g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で2時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約26g/gであって、より好ましくは少なくとも約28g/g、最も好ましくは少なくとも約30g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で2時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約24〜約40g/gであって、より典型的には約26〜約38g/g、更により典型的には約28〜約36g/g、更により典型的には約30〜約35g/gである。
【0062】
同様の態様においては、拘束圧1.4psi下で4時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のPUP能は、少なくとも約27g/gである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で4時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約29g/gであって、より好ましくは少なくとも約32g/g、最も好ましくは少なくとも約35g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で4時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約27〜約46g/gであって、より典型的には約29〜約44g/g、更により典型的には約32〜約42g/g、更により典型的には約35〜約40g/gである。
【0063】
同様の態様においては、拘束圧1.4psi下で8時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のPUP能は、少なくとも約30g/gである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で8時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約32g/gであって、より好ましくは少なくとも約35g/g、最も好ましくは少なくとも約37g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で8時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約30〜約49g/gであって、より典型的には約32〜約47g/g、更により典型的には約35〜約45g/g、更により典型的には約37〜約43g/gである。
【0064】
別の同様の態様においては、拘束圧1.4psi下で16時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のPUP能は、少なくとも約33g/gである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で16時間後の本ポリマー組成物のPUP能は少なくとも約35g/gであって、より好ましくは少なくとも約38g/g、最も好ましくは少なくとも約40g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で16時間後の本ポリマー組成物のPUP能は約33〜約52g/gであって、より典型的には約35〜約50g/g、更により典型的には約38〜約48g/g、更により典型的には約40〜約45g/gである。
【0065】
b.上記のようにPUP能によって、吸収性ポリマー組成物による合成尿の吸収に関して重要な情報がもたらされる。しかしながら、PUPの測定に用いる合成尿は比較的小さい乳児の尿の組成に基づいたものである、という点に注目すべきである。知られているように、尿の組成は食事の変化、身体の器官の成熟、活動が活発になること等の理由から、乳児が大きくなるに連れて変化する。吸収性製品はまた、このような年長の乳児やよちよち歩きの幼児が、トイレの訓練を受けるまで一般的に着用するものであると理解されている。その為、このような年長の乳児やよちよち歩きの幼児に典型的な尿に吸収性ポリマー組成物が曝された時の性能を測定する方法が必要である。下の試験方法の項で説明するCUP試験は、このような方法の一つである。「CUP」は、高イオン強度と、年長の乳児やよちよち歩きの幼児の尿に典型的な組成とをもつ合成尿を試験液として用いる以外は、「PUP」能と実質的に同じやり方で測定する。その為「CUP」は、年長の乳児やよちよち歩きの幼児の尿に典型的な組成とイオン強度をもつ合成尿溶液の、特定の圧力下で一定時間内の、0.032g/cmの吸収性ポリマー層によるg/g吸収と定義されるものである。分かる通り、高PUP能と高CUPの両方をもつ吸収性ポリマー組成物が、吸収性部材、及び吸収性製品には特に有用である。
【0066】
(i)拘束圧0.7psi下でのCUP
一つの態様における本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を、0.7psiの拘束圧下で高イオン強度合成尿を吸収する能力の点から更に説明する。この点からみると、本発明は、高イオン強度合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で1時間後の加圧下吸収能力が少なくとも約23g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。典型的には、拘束圧0.7psi下で1時間後の本ポリマー組成物のCUPは、約23〜約35g/gである。
【0067】
同様の態様においては、高イオン強度合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で4時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のCUPは、少なくとも約25g/gである。好ましくは、高イオン強度合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で4時間後の本ポリマー組成物のCUPは少なくとも約27g/gであって、より好ましくは少なくとも約30g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で4時間後の本ポリマー組成物のCUPは約25〜約35g/gであって、より典型的には約27〜約33g/gである。
【0068】
別の同様の態様においては、高イオン強度合成尿溶液についての拘束圧0.7psi下で8時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のCUPは、少なくとも約27g/gである。好ましくは、拘束圧0.7psi下で8時間後の本ポリマー組成物のCUPは少なくとも約29g/gであって、より好ましくは少なくとも約31g/gである。典型的には、拘束圧0.7psi下で8時間後の本ポリマー組成物のCUPは約27〜約37g/gであって、より典型的には約29〜約33g/gである。
【0069】
(ii)拘束圧1.4psi下でのCUP
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を、1.4psiの拘束圧下で合成尿を吸収する能力の点から別途説明する。勿論、或る種の吸収性物質は、記載した吸収特性を0.7psiと1.4psiの両方で示すことが分かるであろう。
【0070】
この点からみると、本発明は、拘束圧1.4psi下で2時間後のCUPが少なくとも約20g/gである混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物に関するものである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で2時間後の本ポリマー組成物のCUPは少なくとも約23g/gであって、より好ましくは少なくとも約27g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で2時間後の本ポリマー組成物のCUPは約20〜約35g/gであって、より典型的には約23〜約32g/g、更により典型的には約23〜約30g/gである。
【0071】
同様の態様においては、拘束圧1.4psi下で8時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のCUPは、少なくとも約22g/gである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で8時間後の本ポリマー組成物のCUPは少なくとも約25g/gであって、より好ましくは少なくとも約27g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で8時間後の本ポリマー組成物のCUPは約22〜約35g/gであって、より典型的には約25〜約33g/gである。
【0072】
別の同様の態様においては、拘束圧1.4psi下で16時間後の本混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のCUPは、少なくとも約25g/gである。好ましくは、拘束圧1.4psi下で16時間後の本ポリマー組成物のCUPは、少なくとも約27g/gである。典型的には、拘束圧1.4psi下で16時間後の本ポリマー組成物のCUPは、約25〜約35g/gである。
【0073】
c.吸収性ポリマーを含んでなる区画もしくは層の浸透性
吸収性ポリマーを含んでなる区画もしくは層の重要な特性は、液体に対するそれらの浸透性である。吸収性部材もしくは製品においては、膨潤した吸収性ポリマーを含んでなる層といった材料の、許容される速度で体液を捕捉部から移動させる能力に、この浸透性が直接影響を及ぼす。浸透性/流れ伝達性は、塩水の流れ伝達性(Saline Flow Conductivity、SFC)によって規定することができる。これは、或る物質が塩水を移動させる能力の尺度である。吸収性ポリマーは、そのSFC値が少なくとも約30×10−7cm秒/gであれば、望ましい浸透性をもっているものと見なされる。1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号(Goldman等)明細書に、塩水の流れ伝達性を測定する為の方法が記載されている。この方法を、混合層イオン交換吸収性ポリマーのSFC値測定中に生じるゲル層の解膨潤を明らかにする為に、下の試験方法の項で説明するように一部変更する。理論に拘泥するわけではないが、混合層イオン交換吸収性ポリマーのSFCを測定している間、ポリマーのサンプルは塩水からイオンを交換し続けるものと考えられる。最終的には吸収性ポリマーのイオン交換能が上回り、膨潤したポリマーを取り囲んでいる溶液のイオン強度が増し、その結果、ゲル層が幾らか解膨潤する。この解膨潤の結果としてゲルから絞り出される液体の量は、SFC測定中にゲル層を通って流れる液体の量に比べると小さい。ゲル層の最終的な厚みは初期の厚みよりもかなり小さいので、ゲル層の最終的な厚みを、SFC値の計算に用いる。ゲル層の最終的な厚みを計算に用いると、測定中に達成される最小のSFCが得られる。ゲル層の初期の厚み、もしくは中間の厚みを用いると、より高いSFC値が得られる。
【0074】
本発明の吸収性ポリマー組成物のSFC値は少なくとも約30×10−7cm秒/g、より好ましくは少なくとも約50×10−7cm秒/g、更により好ましくは少なくとも約70×10−7cm秒/gであるのが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。典型的には、本発明の吸収性ポリマーのSFC値は約30〜約100×10−7cm秒/gであって、より典型的には約50〜約90×10−7cm秒/g、更により典型的には約70〜約80×10−7cm秒/gである。
【0075】
d.吸収性ポリマーを含んでなる区画もしくは層の多孔度
本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマーのもう一つの重要な性質は、吸収性ポリマーが拘束圧下で体液により膨潤した時の、この吸収性ポリマーを含んでなる区画、もしくは層の開放度、もしくは多孔度である。本発明に有用な吸収性ポリマーが吸収性部材、もしくは吸収性製品中に高濃度で存在していて、それがその後使用圧下で膨潤すると粒子の境界同士が接触して、この高濃度部分にある隙間の空隙が、膨潤したポリマーによって一般的に閉じられてしまうと考えられる。これが生じると、一般的には、この部分の開放度もしくは多孔度特性が、膨潤した吸収性ポリマー単独から形成されている区画、もしくは層の多孔度を反映することになる。本明細書で用いる「多孔度」という語は、固体物質により占められていない小さな体積(無次元)を意味する。J. M. Coulson等著、「Chemical Engineering」、第2巻、第3版(1978年、パーガモン・プレス発行)の126頁を参照のこと。
【0076】
多孔度は、膨潤した吸収性ポリマーを含んでなる区画、もしくは層が使用圧下で体液を捕捉して分散することができるよう開いたままでいる能力の、実際的な尺度である。膨潤した高濃度部分の多孔度が高くなるほど、吸収性コアに優れた吸収性、及び液体処理特性がもたらされ、その為、漏れ、特に液体の充填量が多い時の漏れの発生が少なくなる。膨潤した吸収性ポリマーを含んでなる区画、もしくは層の多孔度は、木材パルプのけばのような従来の捕捉/分散物質の多孔度に近いか、もしくはそれを上回るのが望ましい。1996年10月8日にGoldman等に対して発行された米国特許第5,562,646号明細書を参照のこと。
【0077】
e.吸収性ポリマーを含んでなる区画もしくは層の保全性
吸収性部材内での液体の移動に影響を及ぼす別の重要なファクターは、これらのポリマーを含んでなる部分の保全性である。高濃度の吸収性ポリマーを有するこのような部分は、通常の使用条件に付した時に、吸収性部材の物理的連続性(と、従って隣接する隙間の空隙/毛管の中に、またそれらを介して液体を捕捉し、移動させる能力)が実質的に崩されたり、変化することがないよう、部分的に湿った状態、及び/もしくは濡れた状態で十分な保全性を示さなければならない。普通に使用している間、吸収性製品中の吸収性コアは概して様々な強度、及び方向の引張力や捩り力に付される。これらの引張力や捩り力には、股の部分でのひだの寄りや、吸収性製品を着用している人が歩いたり、しゃがんだり、かがんだりした時の延伸力やひねり力が含まれる。湿潤時の保全性が適切でないと、これらの引張力や捩り力によって吸収性部材の物理的な連続性が実質的に変化したり、及び/もしくは崩されることがあり、隣接する空隙や毛管の中に、またそれらを介して液体を捕捉し移動させる能力が低下する。吸収性ポリマーを含んでなる層は、部分的に分離していてもよいし、完全に分離していてもよいし、中に隙間があっても、著しく薄い部分があっても、及び/もしくは著しく小さい複数の部分に分かれていてもよい。このような変更は、吸収性ポリマーの多孔度、及び浸透性/流れ伝達性といった長所のいずれかが打ち消されるのを最小限に抑えることができるものであるか、もしくはそのようなことが全くないものである。
【0078】
吸収性ポリマーを含んでなる区画、もしくは層の良好な保全性は、高濃度の吸収性ポリマーを有する吸収性部材、吸収性コア中の他の構成要素(例えば液体捕捉部材)、吸収性製品中の他の構成要素(例えばトップシート及び/もしくはバックシート)、もしくはこれらの構成要素のいずれかの組み合わせの設計、形状、構成等を本発明に従って様々に工夫することにより達成することができる。1996年10月8日にGoldman等に対して発行された米国特許第5,562,646号明細書を参照のこと。
【0079】
好ましい混合層イオン交換系においては、カチオン交換成分とアニオン交換成分は互いに付着する傾向がある。理論に拘泥するわけではないが、これは、隣接する粒子中の逆の電荷をもつ種に本質的に引き寄せられる、ポリマーゲル粒子の表面にある逆の電荷をもつポリイオン及び/もしくは酸性/塩基性種によるものと考えられる。これにより、吸収性ポリマーを含んでなる区画もしくは層中に付着性ポリマー粒子の三次元網目構造ができ、それによりこの区画、もしくは層の保全性が大きく向上する。
【0080】
本発明のポリマー組成物を含んでなる部分の保全性は、下で説明するボール破裂強度(Ball Burst Strength、BBS)試験により測定することができる。ボール破裂強度とは、合成尿で膨潤した吸収性ポリマー組成物の層を破るのに必要な力(重量グラム)である。本発明の吸収性ポリマー組成物のBBS値は少なくとも約50gf、より好ましくは少なくとも約100gf、更により好ましくは少なくとも約150gf、更により好ましくは少なくとも約200gfであるのが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。典型的には、BBS値は約50〜約1000gfであって、より典型的には約100〜約800gf、更により典型的には約150〜約400gf、最も典型的には約200〜約300gfである。
【0081】
3.吸収性ポリマーの製造方法
本発明の混合層イオン交換組成物に有用な吸収性ポリマーは、どのような重合及び/もしくは架橋技術によっても作ることができる。これらのポリマーの典型的な製造方法は、1988年4月19日に発行された米国再発行特許第32,649号(Brandt等)、1987年5月19日に発行された米国特許第4,666,983号(ツバキモト等)、及び1986年11月25日に発行された米国特許第4,625,001号(ツバキモト等)の各明細書に記載されている。これらの特許は全て、参考として本明細書に記載するものである。
【0082】
本発明に有用なイオン交換ポリマーを作る為の重合方法には、フリーラジカル法、開環法、縮合法、アニオン法、カチオン法、及び照射法を含めることができる。所望の生成物は実質的に中和されていないものではあるが、中和された状態、部分的に中和された状態、もしくは中和されていない状態のポリマーを作ってもよい。吸収性ポリマーは、均質溶液重合法を用いて、又は逆乳化もしくは懸濁重合法のような多段階重合法により作ってもよい。
【0083】
架橋は、適切な架橋用モノマーを添加して重合中に行うことができる。或いは、重合後に適切な反応性架橋剤と反応させることにより、ポリマーを架橋させてもよい。初期に形成されたポリマーの表面架橋を行うことにより、比較的高いPUP能、多孔度、及び浸透性をもつ吸収性ポリマーが得られる。理論に拘泥するわけではないが、膨潤した吸収性ポリマー粒子の表面の耐変形性が表面架橋によって高められ、その為に、膨潤したポリマー粒子が外圧により変形した時に隣接するポリマー粒子同士が接触する度合が小さくなるものと考えられる。表面架橋させた吸収性ポリマーは、内部よりも表面近くでの架橋のレベルが高い。ここで用いる「表面」とは、粒子の外面境界のことである。多孔質吸収性ポリマー(例えば多孔質粒子等)については、露出している内部境界も含めることができる。表面の架橋レベルが高いということは、吸収性ポリマーの表面近くの機能し得る架橋のレベルがポリマー内部の機能し得る架橋のレベルよりも一般的に高い、ということを意味している。表面から内部への架橋のグラデーションは、奥行きと断面の両方に付けることができる。
【0084】
数多くの表面架橋導入法が、当該技術分野で開示されている。表面架橋を行う為の適切な方法には、(i)吸収性ポリマー中に存在している官能基と反応し得る二官能価試薬、もしくは多官能価試薬を吸収性ポリマーの表面に適用する方法、(ii)他の添加試薬、及び吸収性ポリマー中に存在していると思われる官能基と反応して表面での架橋のレベルを高めることのできる二官能価試薬、もしくは多官能価試薬を表面に適用する方法(例えば、モノマー+架橋剤の添加と、二回目の重合反応の開始)、(iii)付加的な多官能価試薬は添加しないが、主たる重合プロセス中に、もしくはその後で、吸収性ポリマー内に存在している成分間に付加的な反応を生じさせて、表面での、もしくは表面近くの架橋のレベルを高める方法(例えば、架橋剤を表面近くにより高いレベルで初めから存在させる懸濁重合法)、及び(iv)他の物質を表面に添加して架橋のレベルを高めるか、さもなければ、得られる膨潤ポリマーの表面変形性を低下させる方法が含まれる。本発明による吸収性ポリマーの表面架橋を実施するのに適した一般的な方法は、1985年9月17日に発行された米国特許第4,541,871号(オバヤシ)、1992年10月1日に公開された国際特許出願第WO92/16565号(Stanley)、1990年8月9日に公開された国際特許出願第WO90/08789号(Tai)、1993年3月18日に公開された国際特許出願第WO93/05080号(Stanley)、1989年4月25日に発行された米国特許第4,824,901号(Alexander)、1989年1月17日に発行された米国特許第4,789,861号(Johnson)、1986年5月6日に発行された米国特許第4,587,308号(マキタ)、1988年3月29日に発行された米国特許第4,734,478号(ツバキモト)、1992年11月17日に発行された米国特許第5,164,459号(キムラ等)、1991年8月29日に公開されたドイツ特許出願第4,020,780号(Dahmen)、及び1992年10月21日に公開されたヨーロッパ特許出願第509,708号(Gartner)の各明細書に開示されている。これらの特許は全て、参考として本明細書に記載するものである。カチオン吸収性ポリマーに関しては、適切な二官能価架橋剤、もしくは多官能価架橋剤は、ジ/ポリ−ハロアルカン、ジ/ポリ−エポキシド、ジ/ポリ−酸塩化物、ジ/ポリ−トシルアルカン、ジ/ポリ−アルデヒド、ジ/ポリ−酸等である。
【0085】
一般的に、表面架橋を行うことによって、PUP能、多孔度、及び浸透性の改良された吸収性ポリマー組成物が得られる。しかしながら驚くべきことに、比較的高いレベルの架橋用モノマーを用いて作られた、ポリマー全体に架橋が均一に分布しているカチオン交換吸収性ポリマーを含む混合層吸収性ポリマー組成物は、表面架橋されたカチオン交換吸収性ポリマーを有する同様の組成物に比べ、CUPとPUP能の両方が、特に望ましく改良されていることが分かった(下の例を参照のこと)。
【0086】
「理論に拘泥するわけではないが、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は非常に多量の液体を吸い込むので、個々のゲル粒子の表面は元の大きさの何倍にも膨潤する際に崩壊し易いと考えられる。表面が架橋された吸収性ポリマー組成物の場合、このような崩壊によって、上記のように使用中にかかる圧力下で変形しやすく、しかもゲル・ブロッキングを生じ易い、粒子の比較的柔らかい(モジュラスの低い)内部コアが幾分外に出てしまうことがある。均質に架橋された吸収性ポリマー粒子は粒子全体にわたって比較的均一なモジュラスを有しており、その為、非常に膨潤した時でも余りゲル・ブロッキングを起こさない。」
【0087】
均質に架橋されたカチオン交換吸収性ポリマーは、製造プロセスから表面架橋工程をなくすことができるという点で、表面架橋カチオン交換吸収性ポリマーよりも更に有利である。これによって、(i)例えばアニオン交換吸収性ポリマーの粒子が内部に、それよりも小さい例えばカチオン交換吸収性ポリマーの非連続領域を有しているか、もしくは(ii)粒子が、アニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーの両方の二連続領域を含んでいるアニオン交換吸収性ポリマー成分とカチオン交換吸収性ポリマー成分とからの、混合層組成物の製造が促進される。このような形態は、最終的な混合層吸収性ポリマー組成物中でアニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーを極めて接近させてイオン交換速度の所望の改良をもたらすという点で、特に有利である。
【0088】
C.試験方法
1.加圧下性能(PUP)
この試験は、1997年2月4日に発行された米国特許第5,599,335号(Goldman等)明細書に記載されている方法に基づくものである。この試験は、年少の乳児の尿に典型的な組成とイオン強度をもつ合成尿溶液が、例えば0.7psi、もしくは1.4psiの拘束圧下でピストン/シリンダー集成体中に文字通り閉じ込められた吸収性ポリマー(混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を含む)により吸収される量を測定するものである。この試験の目的は、吸収性ポリマーが吸収性部材中に高濃度で存在していて使用圧に曝された時に、吸収性組成物を含んでなる製品の使用時間(例えば一晩)に相当する時間(例えば、1時間、2時間、4時間、8時間、もしくは16時間)内に吸収性ポリマーが体液を吸収する能力を評価することである。それに抗して吸収性ポリマーが液体を吸収しなければならない使用圧には、着用者の体重及び/もしくは動きにより生じる機械圧、弾性ゴムや締結系により生じる機械圧、並びに近接する層及び/もしくは部材の脱着水圧が含まれる。
【0089】
PUP能試験用の試験液は、蒸留水にKClを2.0g、NaSOを2.0g、NHPOを0.85g、(NHHPOを0.15g、CaCl・2HOを0.25g、及びMgCl・6HOを0.50g溶かして1リットルの溶液とした水溶液である。このような溶液は、年少の乳児の尿に典型的な組成とイオン強度を有している。この液体を、要求される吸収条件下、ゼロに近い静水圧で吸収性ポリマーに吸収させる。
【0090】
この試験に適した装置を図1に示す。この装置の一方の端は、カバー714のある(ペトリ皿のような)液体貯蔵器712である。貯蔵器712は、716として概略の示されている化学天秤上に乗っている。装置710のもう一方の端は、718として概略の示されているガラス濾過器、濾過器718の内部にぴったり入る、720として概略の示されているピストン/シリンダー集成体、及び濾過器718の上にぴったり嵌り、底部は開いていて、上部は閉じており、ピンホールが上部にある、722として概略の示されている円筒形のプラスチック製のガラス濾過器用カバーである。装置710は、724及び731aとして示されているガラス管部分、731bとして示されている軟質プラスチック製の管(例えば、内径1/4インチ、外径3/8インチのタイゴン(R)管)、活栓集成体726及び738、並びにガラス管724及び731aと活栓集成体726及び738とを連結する為のテフロン(R)製のコネクター748、750、及び752からなる、液体をいずれかの方向に移動させる系を有している。活栓集成体726は、三方弁728、メインの流動系中のガラス製細管730及び734、並びに、貯蔵器712を一杯に満たし、またガラス濾過器718中のガラス濾板を前方向に洗い流す為のガラス製細管部分732からなっている。活栓集成体738も同様に、三方弁740、メインの流動ライン中のガラス製細管742及び746、並びに系の排水管の役目を果たすガラス製細管部分744からなっている。
【0091】
図2を参照すると、集成体720は、シリンダー754と、756で示されているカップ状のピストンと、ピストン756の内側にぴったり嵌る重り758とからなっている。シリンダー754の底端に取り付けられているのは、取り付ける前に縦横にぴんと伸ばしたNo.400メッシュのステンレス・スチールクロス製の網759である。760として概略が示されている吸収性ポリマー組成物は、網759の上に乗っている。シリンダー754は透明なレキサン(R)棒(もしくはそれと同等のもの)から中ぐりされたものであって、内径6.00cm(面積=28.27cm)、肉厚約5mm、高さ約5cmである。ピストン756はテフロン(R)製もしくはケル・エフ(R)製のカップの形をしていて、シリンダーとピストンとの間の輪状のクリアランスが0.114〜0.191mmとなるように、シリンダー754の中に滑り嵌めできるように加工されている。円筒形のステンレス・スチール製の重り758は、ピストン756内に滑り嵌めできるように加工されており、また簡単に取り出せるように上部にハンドル(図示せず)が取り付けられている。拘束圧0.7psiの場合、ピストン756と重り758を合わせた重量は1390gであって、これは面積28.27cmに対する圧力0.7psiに相当する。拘束圧1.4psiの場合、ピストン756と重り758を合わせた重量は2780gである。
【0092】
装置710の構成要素は、それを通る合成尿の流量が、静水頭が10cmの時に、ガラス濾過器718中のガラス濾板1平方センチメートルにつき1時間当たり少なくとも36グラムとなるような大きさに作られている。流量に特に影響を及ぼすファクターは、ガラス濾過器718中のガラス濾板の透水性、並びにガラス管724、730、734、742、746及び731aと活栓弁728及び740の内径である。
【0093】
貯蔵器712は、少なくとも0.01gまで精密で、狂いが0.1g/時未満の化学天秤716上に位置している。この天秤は、(i)予め設定した時間間隔で、PUP試験開始時から天秤の重量変化をモニターすることができ、しかも(ii)天秤の感度にもよるが、重量が0.01〜0.05g変化した時に自動的にデータを採り始めるように設定されたソフトウェアの搭載されたコンピューターに連結されているのが好ましい。貯蔵器712にさし込まれている管724は、貯蔵器の底、もしくはカバー714と接触していてはならない。貯蔵器712中の液体(図示せず)の体積は、測定中に管724の中に空気が引き込まれることがない程度に十分でなければならない。測定開始時の貯蔵器712中の液体のレベルは、ガラス濾過器718中のガラス濾板上面の約2mm下でなければならない。これは、ガラス濾板上に小さい液滴を乗せ、この量の液体が貯蔵器712に戻る流れを重量測定によってモニターすることで確認できる。このレベルは、ピストン/シリンダー集成体720が濾過器718内にある時には、著しく変化してはならない。貯蔵器は、液体を約40ml取り出した時の液体の高さの変化が3mm未満になるよう、直径が十分に大きくなければならない(例えば約14cm)。
【0094】
測定を行う前に、集成体に合成尿溶液を満たし、ガラス濾過器718が新鮮な合成尿溶液で満たされるよう、濾過器中のガラス濾板をさっと洗い流す。ガラス濾板の底面、及び濾過器と貯蔵器をつないでいる系から気泡を出来るだけ取り除く。三方活栓を連続的に操作して、以下の手続きを行う。
1.ガラス濾板の上面上にある過剰の液体を、ガラス濾過器718から除去する(例えば、流し出す)。
2.貯蔵器712中の溶液の高さ/重量を、適切なレベル/値に調節する。
3.ガラス濾過器718を、貯蔵器712に対して正しい高さに位置させる。
4.その後、ガラス濾過器718をガラス濾過器用カバー722で覆う。
5.活栓集成体726及び738の弁728及び740を開いて連通した状態にし、貯蔵器712とガラス濾過器718を平衡にする。
6.その後、弁728及び740を閉じる。
7.その後、濾過器が排水管744に通じるよう、弁740をひねる。
8.この状態で5分間、系の平衡を保たせる。
9.その後、弁740を閉じた状態に戻す。
【0095】
工程7〜9で、ガラス濾過器718の表面を約5cmの水圧吸引に付して、一時的に「乾燥」させる。この吸引は、管744の開放端がガラス濾過器718中のガラス濾板のレベルの約5cm下まで延びていて、しかもそれが合成尿で満たされている場合に行う。典型的には、この手続きを行っている間に系から約0.2gの液体が排出される。この手続きにより、ピストン/シリンダー集成体720がガラス濾過器718内にある時に、合成尿が早期に吸収されてしまうのが防止される。この手続きでガラス濾過器から排出される液体の量(ガラス濾過器補正重量と呼ぶ)を、ピストン/シリンダー集成体720を用いずにPUP試験(下記参照)を15分間行って測定する。この手続きによりガラス濾過器から排出された液体の実質的に全量が、試験を開始すると非常に急激に濾過器のガラス部分に再吸収される。その為、PUP試験(下記参照)中に貯蔵器から出て行った液体の重量から、この補正重量を差し引く必要がある。
【0096】
サンプル中の水分、及び/もしくはその他の溶剤のレベルをできるだけ低下させる為に、吸収性ポリマー組成物760を適切な手続きによって、例えば高真空下、適切な温度で十分な時間脱水することによって乾燥させる。カールフィッシャー滴定や熱重量分析といった適切な手法により測定したときの残留水分の最終レベルは約5%未満、好ましくは約3%未満でなければならない。乾燥させた吸収性ポリマー組成物760を約0.9g(Wap)(基本重量0.032g/cmに相当)、シリンダー754の中に入れ、網759の上に均一に分散させる。吸収性ポリマー組成物が二種以上の粒子を含んでなる場合には、それらの粒子は組成物全体に均一に混合されている。吸収性ポリマー760がシリンダー754の内壁に付着しないよう注意する。シリンダー内でのピストンの自由な滑動を確保しながら、ピストン756をシリンダー754の中に滑り込ませて吸収性ポリマー760の上に置く。吸収性ポリマーの分散を助ける為に、ピストンを静かに回転させてもよい。ピストン/シリンダー集成体720を濾過器718のガラス部分の上に置き、重り758をピストン756の中に滑り込ませた後、濾過器718の上部をガラス濾過器用カバー722で覆う。天秤の安定時の目盛をチェックしてから、濾過器718と貯蔵器712とがつながるように弁728及び740を開いて試験を開始する。濾過器718が液体を再吸収し始めると、自動始動によって直ちにデーターの収集が始まる。
【0097】
貯蔵器712中に残っている液体の重量を、試験中に短い間隔で記録する。いずれかの所定の時間tでのPUP能を、以下のようにして計算する。
PUP能(g/g;t)=[W(t=0)−W(t)−Wfc]/Wap
式中、W(t=0)は開始前のグラムで表した貯蔵器712の重量であり、W(t)は、経過時間t(例えば、1時間、2時間、4時間、8時間、もしくは16時間)でのグラムで表した貯蔵器712の重量であり、Wfcはグラムで表したガラス濾過器補正重量(別途測定)であり、Wapはグラムで表した吸収性ポリマーの初期乾燥重量である。
【0098】
2.加圧下吸収能力( Capacity Under Pressure 、CUP)
この試験には、上記のPUP法と本質的には同じ方法、及び装置を用いる。CUPは、年長の乳児やよちよち歩きの幼児の尿に典型的な組成とイオン強度をもつ高イオン強度合成尿溶液に暴露した時の、吸収性ポリマー、及び吸収性ポリマー組成物の吸収性能の尺度と解されるものである。
【0099】
CUP試験用の試験液は、蒸留水にKClを4.0g、NaSOを2.0g、NHPOを1.2g、(NHHPOを1.6g、CaCl・2HOを0.20g、MgCl・6HOを0.55g、及びNaClを7.0g溶かして1リットルの溶液とした水溶液である。このような溶液は、年長の乳児やよちよち歩きの幼児の尿に典型的な組成とイオン強度を有している。この液体を、要求される吸収条件下、ゼロに近い静水圧で吸収性ポリマーに吸収させる。
【0100】
CUP試験法のその他の点は、上記のPUP試験法と全て同じである。
【0101】
3.ボール破裂強度( Ball Burst Strength 、BBS)試験
この試験は、吸収性ポリマー組成物のボール破裂強度(BBS)を測定する為のものである。BBSとは、合成尿溶液で膨潤した吸収性ポリマー組成物の層を試験方法の箇所で具体的に述べる手順で破壊するのに必要とされる力(ピーク荷重、単位は重量グラム、もしくは「gf」)である。BBSは、膨潤した状態にある吸収性ポリマー組成物層の保全性の尺度である。
【0102】
BBSの測定に適した装置を図7に示す。この装置は、吸収性ポリマー層260を入れるのに用いる内部シリンダー270、外部シリンダー230、テフロン(R)製の平底トレイ240、内部シリンダー用のカバープレート220、及びステンレス・スチール製の重り210からなっている。内部シリンダー270は透明なレキサン(R)棒、もしくはそれと同等の物を中ぐりしたものであって、内径6.00cm(面積=28.27cm)、肉厚約0.5cm、高さ約1.50cmである。外部シリンダー230はレキサン(R)棒、もしくはそれと同等の物を中ぐりしたものであって、内部シリンダー270の外径よりもやや大きい内径を有しているので、内部シリンダー270は外部シリンダー230内にぴったり嵌り、しかも自由にスライドする。外部シリンダー230の肉厚は約0.5cmであり、高さは約1.00cmである。外部シリンダー230の底は、取り付ける前に縦横にぴんと伸ばした400メッシュのステンレス・スチール製の網250で表面仕上げされている。内部シリンダー用のカバープレート220は、厚さ0.8cm、重さ500gのガラス板でできている。ステンレス・スチール製の重り210の重量は1700gである。
【0103】
この試験には、破裂試験用ロードセル付きの引張試験機(ペンシルベニアにある Thwing-Albert Instrument Co.製のインテレクトII−STD引張試験機)を用いる。図8を参照すると、この装置は、磨かれたステンレス・スチール製の球形プローブ290が取り付けられた力検知用ロードセル330、可動クロスヘッド320、静止クロスヘッド310、円形のテーブル280、及び空気の入った状態でサンプル260を押えつけるのに用いる上部固定板300からなっていることが分かる。テーブル280は、静止クロスヘッド310の上に乗っている。テーブル280と上部固定板300の直径は両方とも115mmであって、厚みは2.9mmであり、また円形の開口部の直径は18.65mmである。磨かれたステンレス・スチール製の球形プローブ290の直径は15.84mmである。BBS試験を行っている間に可動クロスヘッド320が上に動いてゆき、プローブ290がサンプル260と接触し、サンプル260を貫通する。プローブ290がサンプル260を貫通したら試験は終了したものと考え、適切なデータを記録する。
【0104】
図7に描かれている装置を参照すると、内部シリンダー270が外部シリンダー230の中に嵌め込まれているのが分かる。吸収性ポリマー組成物のサンプル1.0gを内部シリンダー270の中に入れ、ステンレス・スチール製の400メッシュの網250上に均一に分散させる。組み立てられたシリンダーと吸収性ポリマーをテフロン(R)製の平底トレイ240に移し、内部シリンダー用のカバープレート220を内部シリンダー270の上に置く。合成尿溶液のアリコート30.0mlをテフロン(R)製の平底トレイ240の中に注ぎ入れる。この合成尿溶液はステンレス製の網を通って、吸収性ポリマー組成物260に吸収される。液体を添加してから5分後に、ステンレス製の重り210を内部シリンダー用のカバープレート220上に置く。更に25分経ってから、ステンレス製の重り210と内部シリンダー用のカバープレート220を取りはずす。この手順が有効である為には、この時点で合成尿溶液が全て吸収性ポリマー組成物に吸収されなければならない。膨潤した吸収性ポリマー260の層の入った内部シリンダー270を、BBS測定用の破裂試験機に直ちに移す。
【0105】
図8に描かれている破裂試験機を参照すると、膨潤した吸収性ポリマー層260の入った内部シリンダー270がテーブル280の中央に置かれていて、空気が入った状態で上部固定板300により固定されていることが分かる。測定は、破裂感度10.00g、及び試験速度5.00インチ/分で行う。測定を開始すると、磨かれたステンレス・スチール製の球形プローブ290が吸収性物質のゲル層260を貫通するまでクロスヘッド320が上に動いて行く。サンプルが破裂すると、可動クロスヘッド320は開始位置に戻る。BBSを、重量グラムを単位とするピーク荷重で表す。三つの測定値の平均値を、吸収性ポリマー組成物のBBSとして報告する。
【0106】
D.吸収性部材
本発明による吸収性部材は、繊維、熱可塑性物質等といった他の任意の成分と共に、もしくはそれらなしに、前述の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を含んでなるものである。好ましい物質は、米国特許第5,562,646号(Goldman等)明細書の第23欄の13行目から第29欄の16行目に詳しく記載されている。これらの吸収性ポリマーを含んでなるこれらの吸収性部材は、吸収性コア中で液体貯蔵部材としての役目を果たすことができる。このような液体貯蔵部材の主たる機能は、排泄された体液を直接、もしくは他の吸収性部材(例えば液体捕捉/分散部材)から吸収し、その後、着用者の動きの結果として普通に生じる圧力がかかった時でも、このような液体を保持しつづけることである。しかしながら、このような含ポリマー吸収性部材は液体の貯蔵以外の役目を果たすことができる、ということは言うまでもない。
【0107】
好ましい態様においては、本発明による吸収性部材は、これらの吸収性ポリマーを比較的高い濃度で有する部分を一つ、もしくはそれ以上含有する。大量の体液を吸収して保持することのできる比較的薄い吸収性製品を提供する為には、これらの吸収性ポリマーのレベルを最大にし、且つその他の成分、特に繊維性成分のレベルを最低限に抑えるのが望ましい。しかしながら、これらの吸収性ポリマーを比較的高い濃度で用いる為には、これらのポリマーが比較的高い拘束圧下で比較的高い要求吸収能力(すなわちPUP能)を示し、しかも好ましくは、加圧下で比較的高い浸透性(すなわちSFC)を示すことが重要である。これは、体液の存在下で膨潤した時にポリマーが適切な吸収能力を示して、排泄されたこれらの体液を捕捉し、その後、これらの液体を比較的ゲル濃度の高い区画、もしくは層を介して吸収性部材及び/もしくは吸収性コアの他の部分に移動させ、並びに/又はこれらの体液を貯蔵する為である。
【0108】
吸収性部材の所定の部分における混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物の濃度を測定する際には、吸収性ポリマーと、このポリマーが含まれている部分に存在するその他のあらゆる成分(例えば、繊維、熱可組成物質等)とを合わせた重量に対する吸収性ポリマーの重量パーセントを用いる。これを考慮すると、本発明の吸収性部材の所定の部分における混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物の濃度は、典型的には約40〜100%、約50〜100%、約60〜100%、約70〜100%、約80〜100%、もしくは約90〜100%である。勿論、一般的には、吸収性ポリマーの相対的な濃度が高いほど、吸収性部材は薄くなり、また嵩張りが少なくなる。
【0109】
E.吸収性コア、及び吸収性製品
本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物は、従来の吸収性ポリマーと同じように、米国特許第5,562,646号 (Goldman等) 明細書に記載されているような体液吸収用のあらゆる吸収性コア及び/もしくは吸収性製品に用いることができる。第5,562,646号特許明細書には、第33欄の7行目から第52欄の24行目に吸収性コアが詳しく記載されており、また第52欄の25行目から第54欄の9行目に吸収性製品が詳しく記載されている。このような製品には、オムツ、生理用品、及び/もしくは成人用の失禁用品が含まれる。従来の吸収性ポリマーを同じ重量の本混合層イオン交換吸収性ポリマーで置き換えることにより、製品の吸収能力を高めることができる。或いは、製品の吸収能力は高めずに、より軽い、薄い、及び/もしくは余り嵩張らない製品にする為に、これまでよりも少ない重量の混合層イオン交換吸収性ポリマーで置き換えてもよい。
【0110】
前に開示したいずれかの吸収性製品に混合層イオン交換吸収性ポリマーを配合するということは、当業者にとっては当たり前のことである。このような製品には、例えば通気性のあるバックシート、ファスナー、二成分繊維マトリックス等のような機能を備えたものが含まれる。
【0111】
本明細書に記載した混合層イオン交換吸収性ポリマーを含むことのできる吸収性製品は、例えば1965年12月21日に発行された米国特許第3,224,926号(Bernardin)、1969年4月22日に発行された米国特許第3,440,135号(Chung)、1976年1月13日に発行された米国特許第3,932,209号(Chatterjee)、及び1977年7月12日に発行された米国特許第4,035,147号(Sangenis等)の各明細書に開示されている。より好ましい剛化繊維は、1989年4月18日に発行された米国特許第4,822,453号(Dean等)、1989年12月19日に発行された米国特許第4,888,093号(Dean等)、1990年2月6日に発行された米国特許第4,898,642号(Moore等)、1992年8月11日に発行された米国特許第5,137,537号(Herrow等)、1989年4月4日に発行された米国特許第4,818,598号(Wong)、1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号(Goldman等)、1993年6月8日に発行された米国特許第5,217,445号(Young等)、1994年11月1日に発行された米国特許第5,360,420号(Cook等)、米国特許第4,935,022号(Lash等)、1993年11月16日に出願された米国特許出願第08/153,739号(Dragoo等)、1993年12月8日に出願された米国特許出願第08/164,049号(Dragoo等)、米国特許第4,260,443号(Lindsay等)、1984年8月21日に発行された米国特許第4,467,012号(Pedersen等)、1987年12月29日に発行された米国特許第4,715,918号(Lang)、1989年7月25日に発行された米国特許第4,851,069号(Packard等)、1990年8月21日に発行された米国特許第4,950,264号(Osborn)、1991年2月19日に発行された米国特許第4,994,037号(Bernardin)、1991年4月23日に発行された米国特許第5,009,650号(Bernardin)、1991年4月23日に発行された米国特許第5,009,653号(Osborn)、1992年7月7日に発行された米国特許第5,128,082号(Makoui)、1992年9月22日に発行された米国特許第5,149,335号(Kellenberger等)、1993年1月5日に発行された米国特許第5,176,668号(Bernardin)、1993年10月21日に出願された米国特許出願第141,156号(Richards等)、1984年1月31日に発行された米国特許第4,429,001号(Kolpin等)、1991年11月19日に出願された米国特許出願第07/794,745号(Aziz等)に開示されている。これらの特許は全て、参考として本明細書に記載するものである。
【0112】
F.具体例
比較的高いPUP能(0.7psiで約33g/g;60分)をもつ軽度に架橋された部分中和ポリ(アクリル酸)吸収性ポリマーを、イリノイ州パランタインにあるケムダル社から入手する(ASAP−2300、ロット番号426152)。(ASAP−2300の同様のサンプルは、オハイオ州シンシナティにあるザ・プロクター・アンド・ギャンブル社のペーパー・テクノロジー・ディビジョンから入手可能である。)この物質は対照標準サンプルの役目を果たすものであって、ここでは「対照サンプル」と呼ぶ。
【0113】
従来のポリアクリレート吸収性ポリマーに比べて高い保全性をもたらす吸収性ポリマーのサンプルを、日本触媒から入手する(ロット番号TN37408)。これは、ポリエチレンイミンで表面処理したポリアクリレートである。このポリマーは、1995年1月17日に出願された米国特許第5,382,610号明細書に詳しく記載されている。この物質を、ここでは「サンプルST」と呼ぶ。
【0114】
例1
イオン交換吸収性ポリマーの調製
(i)カチオン交換吸収性ポリマー
カチオン交換吸収性ポリマーを調製する為に、対照サンプルの幾分かを米国規格の50メッシュの篩にかけ、直径が約300ミクロンよりも大きい粒子を取り除く。濃HCl(ベーカー、36.5〜38%HCl)約46.5gを約900mlの蒸留・脱イオン水に添加して得た希塩酸中に、篩にかけた約300ミクロン未満の粒度をもつ吸収性ポリマーを約50グラム懸濁させて、このポリマーを酸の形に変える。この懸濁液を約1.5時間穏やかに攪拌した後、吸収性ポリマーを沈澱させ、上澄み液をデカンテーションにより除去する。デカントして除去した液体の代わりに同体積の蒸留・脱イオン水を加えて懸濁液を約1時間穏やかに振り、吸収性ポリマーを沈澱させ、上澄み液を再びデカンテーションにより除去する。この交換工程を、上澄み液のpHが5〜6になるまで同体積の蒸留・脱イオン水を用いて繰り返す(約8回)。その後、この交換工程を、イソプロパノール(試薬等級、VWR、ペンシルベニア州ウエスト・チェスター、)を用いて三回、アセトン(試薬等級、VWR)を用いて三回、無水エーテル(試薬等級、EMサイエンス、ニュージャージー州ギブストン)を用いて一回繰り返す。生成物をポリテトラフルオロエチレンのシート上に静かに広げて一晩乾燥させる。スパチュラを用いて生成物を静かに手でほぐした後、高真空下、室温で96時間乾燥させて残留溶剤を全て除去する。このサンプルを米国規格の20メッシュの篩にかけて、大きい粒子もしくは凝集物を全て取り除く。酸の形の架橋ポリ(アクリル酸)イオン交換吸収性ポリマーが約30グラム得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルPAA)。
【0115】
(ii)アニオン交換吸収性ポリマー
公称重量平均分子量が750,000g/モルの分岐鎖ポリエチレンイミンを、ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるアルドリッチ・ケミカル社から50%水溶液として入手する(カタログ番号18,917−8、ロット番号12922PQ)。この溶液20グラムを37グラムの蒸留水で更に希釈し、250mlのビーカー中で30分間攪拌して完全に溶かす。このポリエチレンイミン溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(50%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3、ロット番号07405DN)を2.14グラム添加し、混合物を室温で約2分間攪拌してから約65℃のベント式オーブンの中に3時間入れる。得られたゲルを冷却した後、直径約1〜5mmの大きさに崩す。その後、蒸留水を2リットル入れた4000mlのビーカーに混合物を移し、穏やかに一晩攪拌する。過剰の水をデカントして除去し、残っているサンプルを高真空下で約96時間乾燥させると、軽度に架橋されたポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルBPEI)。
【0116】
(iii)混合層イオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルBPEI)を極低温下で粉砕し、乾燥窒素雰囲気下で篩にかける。米国規格の25メッシュの篩は通過するが米国規格の70メッシュの篩は通過しない粒度画分(すなわち、直径約200〜700ミクロンの粒子の画分)を集める。
【0117】
篩にかけた架橋ポリ(アクリル酸)カチオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAA)と篩にかけた架橋ポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルBPEI)をほぼ同じ重量混合して、両方のポリマーの粒子を混合物全体に均一に分散させる。この混合物が、本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)を構成する。
【0118】
(iv)PUP能の測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)PUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたり短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのPUP能を、別個のサンプルについて測定する。0.7psiと1.4psiで測定したPUP能を、時間の関数として図3と図4にそれぞれ示す。2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたPUP能のデータを、下の表1に示す。
Figure 0004663126
【0119】
PUP能を比較すると、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)は、同じ試験条件下での部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)の能力に比べ、拘束圧1.4psiでのPUP能は約100%高く、また拘束圧0.7psiで8時間後のPUP能は約40%高いことが分かる。
【0120】
(v)CUPの測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)CUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのCUPを、別個のサンプルについて測定する。1時間、2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたCUPのデータを、下の表2に示す。
Figure 0004663126
【0121】
CUPを比較すると、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)は、同じ試験条件下での部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)の吸収能力に比べ、拘束圧1.4psiで著しく高い液体吸収を示すことが分かる。
【0122】
(vi)浸透性の測定
浸透性の大きさ、及び多孔度の目安は、1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号(Goldman等)明細書に記載されているゲル層の塩水流れ伝達性によって規定される。この方法を、下で検討するように、混合層イオン交換吸収性ポリマー系に合うように一部変更する。混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)約0.9グラムを、塩水流れ伝達性(SFC)測定用に設計されたシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。塩水流れ伝達性の測定値を、下の表3に示す。
Figure 0004663126
【0123】
塩水流れ伝達性値を比較すると、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)の浸透性が、同じ試験条件下での部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)の浸透性よりも著しく大きいことが分かる。混合層イオン交換吸収性ポリマーサンプルは、SFCを測定している間、塩水からイオンを交換し続けるものと考えられる。最終的には吸収性ポリマーのイオン交換能が上回って、膨潤したポリマーを取り囲んでいる溶液のイオン強度が増し、その結果、ゲル層が幾らか解膨潤する。この解膨潤の結果としてゲルから絞り出される液体の量は、SFC測定中にゲル層を通って流れる液体の量よりも少ない。ゲル層の最終的な厚みは初期の厚みよりも著しく薄いので、ゲル層の最終的な厚みをSFC値の計算に用いる。計算にゲル層の最終的な厚みを用いると、測定中に到達する最小のSFCが得られる。ゲル層の初期の厚み、もしくは中間の厚みを用いると、一層高いSFC値が得られる。
【0124】
SFCは多孔度の直接的な尺度ではないが、一般的に、液体の浸透性が高いというときには、粒状の吸収性ポリマー系における多孔度の程度も高くなければならない。従って、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物のSFC値が比較的高いということは、多孔度のレベルが比較的高いということも示している。
【0125】
ゲル層の保全性
膨潤した状態にある吸収性ポリマー組成物の層の保全性の大きさは、前述のボール破壊強度(BBS)によって規定される。サンプルMB−1、サンプルST、及び対照サンプルについて測定したボール破壊強度値を、下の表4に示す。
Figure 0004663126
【0126】
表4のボール破壊強度を比較すると、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−1)は部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)に比べ、同じ試験条件下ではゲル層の保全性がかなり高いことが分かる。
【0127】
例2
イオン交換吸収性ポリマーの調製
(i)カチオン交換吸収性ポリマー
カチオン交換吸収性ポリマーを、例1の(i)項に記載したように調製する(サンプルPAA)。
【0128】
(ii)アニオン交換吸収性ポリマー
a)架橋ポリアリルアミンの調製
公称重量平均分子量が60,000g/モルの塩化水素酸ポリアリルアミンを、ペンシルベニア州ワーリントンにあるポリサイエンセス社から入手する(カタログ番号18378、ロット番号455913)。塩化水素酸ポリアリルアミン16.4グラムを165mlの蒸留水に溶かして、このポリマーの溶液を調製する。攪拌しながら、この溶液に水酸化ナトリウムの50%水溶液を15.6グラム滴下する。このポリアリルアミン溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(50%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3、ロット番号07405DN)を2.0グラム添加し、混合物を室温で約2分間攪拌してから約65℃のベント式オーブンの中に3時間入れる。得られたゲルを直径約5mmの大きさに崩し、蒸留水を1リットル入れた4000mlのビーカーに移す。この混合物を穏やかに一晩攪拌し、過剰の水をデカントして除去する。残っているサンプルを高真空下、室温で約96時間乾燥させると、軽度に架橋されたポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルPAAM)。
【0129】
b)サンプルPAAMのメチル化
ギ酸(96%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号25,136−4)21.02グラムとホルムアルデヒド(37%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号25,254−9、ロット番号04717TZ)35.56グラムを、800グラムの蒸留水に添加する。上記の溶液に架橋ポリアリルアミン(サンプルPAAM)を10グラム添加し、混合物を70℃のオーブンの中に24時間入れる。デカンテーションによりゲルを回収し、1000mlの水の中で一晩攪拌して抽出性成分を除去する。上澄み液をデカントして除去し、代わりに水酸化ナトリウムの1.7%水溶液を1リットル加えてゲル中の過剰のギ酸を除去する。この混合物を約24時間放置し、上澄み液をデカントにより除去してポリマーを回収する。この工程を、pHが13になるまで、水酸化ナトリウムの1.7%水溶液を1リットル用いて繰り返す(約三回)。ゲルを真空濾過により回収して、3000mlの水に一晩浸す。過剰の水をデカントにより除去し、残ったサンプルを高真空下、室温で約96時間乾燥させると、軽度に架橋された三級ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気中で保存する。生成物のNMR分光分析から、ポリマー中のアミン基の約90パーセントがメチル化されて三級アミン成分が生成されていることが分かる(サンプルt−PAAM)。
【0130】
(iii)混合層イオン交換吸収性ポリマー
架橋三級ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルt−PAAM)を極低温下で粉砕し、乾燥窒素雰囲気下で篩にかける。米国規格の25メッシュの篩は通過するが米国規格の70メッシュの篩は通過しない粒度画分(すなわち、直径約200〜700ミクロンの粒子の画分)を集める。
【0131】
篩にかけた架橋ポリ(アクリル酸)カチオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAA)約 0.29グラムと篩にかけた架橋三級ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルt−PAAM)0.71グラムを混ぜ合わせて、両方のポリマーの粒子を混合物全体に均一に分散させる。この混合物が、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(本発明のサンプルMB−2)を構成する。
【0132】
(iv)PUP能の測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−2)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)PUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのPUP能を、別個のサンプルについて測定する。0.7psiと1.4psiで測定したPUP能を、時間の関数として図3と図4にそれぞれ示す。2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたPUP能のデータを、下の表5に示す。
Figure 0004663126
【0133】
PUP能を比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−2)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりも合成尿溶液をかなり多く吸収することが分かる。
【0134】
例3
イオン交換吸収性ポリマーの調製
(i)カチオン交換吸収性ポリマー
カチオン交換吸収性ポリマーを、例1の(i)項に記載したように調製する(サンプルPAA)。
【0135】
(ii)アニオン交換吸収性ポリマー
(a)線状ポリエチレンイミンの調製
公称重量平均分子量が500,000g/モルのポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を、ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるアルドリッチ・ケミカル社から入手する(カタログ番号37,397−4、ロット番号17223HG)。水1000mlと濃塩酸200mlを混合して得た塩酸溶液に、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を100g溶かす。この溶液を100℃で72時間還流させた後、室温に冷却する。攪拌しながら50%水酸化ナトリウム溶液を256ml滴下して、反応溶液から生成物を沈澱させる。白色の固体沈澱物を真空濾過により回収して、5000mlの水で洗浄する。生成物を高真空下で48時間乾燥させると、線状ポリエチレンイミンが得られる。
【0136】
b)架橋線状ポリエチレンイミンの調製
上で得た線状ポリエチレンイミンを5.0g、50mlのメタノールに溶かす。この線状ポリエチレンイミン溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(50%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3、ロット番号07405DN)を0.5グラム添加し、混合物を室温で約2分間攪拌してから約65℃のベント式オーブンの中に3時間入れる。得られたゲルを直径約5mmの大きさに崩し、500mlのメタノール中で穏やかに一晩攪拌する。デカンテーションによりサンプルを回収し、高真空下で約48時間乾燥させると、軽度に架橋されたポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルLPEI−1)。
【0137】
c)架橋ポリエチレンイミンの部分メチル化
上で得た線状ポリエチレンイミンを5.37g、45グラムのメタノールに溶かす。この線状ポリエチレンイミン溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(50%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3、ロット番号07405DN)を1.07グラム添加し、混合物を室温で約2分間攪拌してから約65℃のベント式オーブンの中に3時間入れる。得られたゲルを直径約5mmの大きさに崩し、500mlのメタノール中で穏やかに一晩攪拌する。デカンテーションによりサンプルを回収し、高真空下で約48時間乾燥させると、軽度に架橋されたポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルLPEI−2)。
【0138】
ギ酸(96%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号25,136−4)48.44グラムとホルムアルデヒド(37%溶液)(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号25,254−9)81.17グラムを370.39グラムの蒸留水に添加して、原料溶液を500グラム得る。この原料溶液を46.98グラム、5.37グラムの架橋線状ポリエチレンイミン(サンプルLPEI−2)に添加する。混合物を蒸留水450mlで更に希釈し、70℃のオーブンの中に24時間入れる。デカンテーションによりゲルを回収し、2500mlの水の中で一晩攪拌して抽出性成分を除去する。上澄み液をデカントして除去し、代わりに水酸化ナトリウムの50%水溶液を20ml加えてゲル中の過剰のギ酸を除去する。この混合物を約3時間放置し、上澄み液をデカントにより除去してポリマーを回収する。この工程を、pHが13になるまで、水酸化ナトリウムの50%水溶液を20ml用いて繰り返す(約三回)。真空濾過によりゲルを回収して、1000mlの水に一晩浸す。上澄み液をデカントにより除去して、代わりにテトラヒドロフランを500ml加える。24時間後にテトラヒドロフランをデカントにより除去し、代わりに無水エーテルを500ml加える。24時間後にエーテルをデカントにより除去し、ゲルを高真空下、室温で48時間乾燥させる。生成物のNMR分光分析により、ポリマー中のアミン基の約65パーセントがメチル化されて三級アミン成分が生成されていることが分かる(サンプルNMEI−65)。
【0139】
(iii)混合層イオン交換吸収性ポリマー
架橋線状ポリエチレンイミンアニオン交換吸収性ポリマー、及びポリ(N−メチルエチレンイミン)アニオン交換吸収性ポリマー(サンプルLPEI−1、及びサンプルNMEI−65)をそれぞれ別々に極低温下で粉砕し、乾燥窒素雰囲気下で篩にかける。それぞれの物質について、米国規格の25メッシュの篩は通過するが米国規格の70メッシュの篩は通過しない粒度画分(すなわち、直径約200〜700ミクロンの粒子の画分)を集める。
【0140】
篩にかけたそれぞれの架橋アニオン交換吸収性ポリマー(サンプルLPEI−1、及びサンプルNMEI−65)約1グラムと、篩にかけた架橋ポリ(アクリル酸)カチオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAA)1グラムとを別々に混合して、各ポリマーの粒子を混合物全体に均一に分散させる。これらの混合物が、本発明の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(それぞれサンプルMB−3a、及びサンプルMB−3b)を構成する。
【0141】
(iv)PUP能の測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−3a、及びサンプルMB−3b)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)PUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのPUP能を、別個のサンプルについて測定する。0.7psiと1.4psiで測定したPUP能を、時間の関数として図3と図4にそれぞれ示す。4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたPUP能のデータを、下の表6に示す。
Figure 0004663126
【0142】
PUP能を比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−3a、及びサンプルMB−3b)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりも合成尿溶液をかなり多く吸収することが分かる。
【0143】
例4
イオン交換吸収性ポリマーの調製
(i)カチオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリアクリル酸の調整
清浄な4000mlの樹脂製の反応がまの中にアクリル酸モノマー(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州ミルウォーキー、カタログ番号14,723−0、ロット番号15930CS)を450グラム入れて、均一に架橋されたポリアクリル酸を合成する。N,N´−メチレンビスアクリルアミド(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号14,607−2、ロット番号04511DR)7.2グラムと2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光、ロット番号P2197)0.85グラムを2050グラムの蒸留水に溶かして、樹脂製反応がま中のアクリル酸モノマーに添加する。この溶液に窒素を15分間送って、溶解している酸素を除去する。その後、樹脂製の反応がまを密封し、溶液を40℃で16時間加熱する。
【0144】
得られたゲルを冷却した後、直径約1cmの大きさに崩し、55℃の真空オーブン中で60時間乾燥させる。このサンプルをウィリー・ミルを用いて粉砕し、米国規格の20メッシュの網を通して篩い、均一に架橋されたポリアクリル酸を得る(サンプルPAA−2)。
【0145】
(ii)アニオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリアリルアミンの調製
ポリアリルアミン(PAA−H)の20%溶液(日東紡績株式会社、日本国東京、ロット番号80728)1250グラムを、2000mlのガラス製のジャーに秤り入れる。エチレングリコールジグリシジルエーテルの50%溶液(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3)19グラムを20グラムの蒸留水で希釈し、ポリアリルアミン溶液に添加する。この混合物を室温で約2分間攪拌してから、約60℃のベント式オーブンの中に一晩入れる。
【0146】
得られたゲルを直径約5mmの大きさに崩して高真空下で約96時間乾燥させると、軽度に架橋されたポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマーが得られる。これを、乾燥雰囲気下で保存する(サンプルPAAM−2)。
【0147】
(iii)混合層イオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAAM−2)を粉砕して篩にかける。米国規格の25メッシュの篩は通過するが米国規格の70メッシュの篩は通過しない粒度画分(すなわち、直径約200〜700ミクロンの粒子の画分)を集める。
【0148】
篩にかけた架橋ポリアクリル酸(直径200〜700ミクロン)カチオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAA−2)を約125グラムと、篩にかけた架橋ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマー(サンプルPAAM−2)を125グラム混ぜ合わせて、両方のポリマーの粒子を混合物全体に均一に分散させる。この混合物が、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(本発明のサンプルMB−4)を構成する。
【0149】
(iv)PUP能の測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−4)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)PUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのPUP能を、別個のサンプルについて測定する。2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたPUP能のデータを、下の表7に示す。
Figure 0004663126
【0150】
PUP能を比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−4)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりも合成尿溶液をかなり多く吸収することが分かる。
【0151】
(v)CUPの測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−4)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)CUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのCUPを、別個のサンプルについて測定する。0.7psiと1.4psiで測定したCUPを、時間の関数として図5と図6にそれぞれ示す。1時間、2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたCUPのデータを、下の表8に示す。
Figure 0004663126
【0152】
CUPのデータを比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−4)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりもかなり多量の高イオン強度合成尿溶液を吸収することが分かる。
【0153】
例5
イオン交換吸収性ポリマーの調製
(i)カチオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリアクリル酸の調製
清浄な500mlの樹脂製の反応がまの中にアクリル酸モノマー(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号14,723−0、ロット番号15930CS)を40.45グラム入れて、均一に架橋されたポリアクリル酸を合成する。N,N´−メチレンビスアクリルアミド(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号14,607−2、ロット番号04511DR)0.65グラムと2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光、ロット番号P2197)0.076グラムを200グラムの水に溶かして、樹脂製反応がま中のアクリル酸モノマーに添加する。この溶液に窒素を15分間送って、溶解している酸素を除去する。その後、樹脂製の反応がまを密封し、溶液を40℃で16時間加熱すると、軽度に架橋したポリアクリル酸カチオン交換吸収性ポリマーゲル(サンプルPAA−3)が得られる。
【0154】
(ii)アニオン交換吸収性ポリマー
架橋ポリアリルアミンの調製
ポリアリルアミン(PAA−H)の20%溶液(日東紡績株式会社、日本国東京、ロット番号80728)202グラムを、500mlのガラス製のジャーに秤り入れる。このポリアリルアミン溶液に、エチレングリコールジグリシジルエーテルの50%溶液(アルドリッチ・ケミカル社、カタログ番号E2,720−3)を3.0グラム添加する。この混合物を室温で約2分間攪拌してから約60℃のベント式オーブンの中に2時間入れると、軽度に架橋したポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマーゲル(サンプルPAAM−3)が得られる。。
【0155】
(iii)混合層イオン交換吸収性ポリマー
オステライザーブレンダー(型式#855−08K)の中に、架橋ポリアリルアミンアニオン交換吸収性ポリマーゲル(サンプルPAAM−3)を約20グラムと、架橋ポリアクリル酸カチオン交換吸収性ポリマーゲル(サンプルPAA−3)を約20グラム入れる。カチオン交換吸収性ポリマーゲルとアニオン交換吸収性ポリマーゲルを、ゲルが良く混ざるようにしながら(例えば、全ての物質が混合ゾーンに達するようブレンダーの壁をこそげながら)、ブレンダーの中で高速で計1.5分間混ぜ合わせる。得られるカチオン交換吸収性ポリマーとアニオン交換吸収性ポリマーの混合物を、高真空下で約96時間乾燥させる。
【0156】
カチオン交換吸収性ポリマーとアニオン交換吸収性ポリマーの混合物を粉砕して篩にかける。米国規格の25メッシュの篩は通過するが米国規格の70メッシュの篩は通過しない粒度画分(すなわち、直径約200〜700ミクロンの粒子の画分)を集めて混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を得る。得られる粒子は、アニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーの両方の二連続領域を含んでいる(本発明のサンプルMB−5)。
【0157】
(iv)PUP能の測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−5)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)PUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのPUP能を、別個のサンプルについて測定する。2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたPUP能のデータを、下の表9に示す。
Figure 0004663126
【0158】
PUP能を比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−5)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりも合成尿溶液をかなり多く吸収することが分かる。
【0159】
(v)CUPの測定
混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−5)約0.9グラムを(上の試験方法の項で説明した)CUPシリンダーに移し、シリンダーの低面を構成している網全体に静かに広げる。吸収された液体の量を16時間にわたって短い間隔で測定して、拘束圧0.7psi下、及び1.4psi下でのCUPを、別個のサンプルについて測定する。0.7psiと1.4psiで測定したCUPを、時間の関数として図5と図6にそれぞれ示す。1時間、2時間、4時間、8時間、及び16時間でのえり抜かれたCUPのデータを、下の表10に示す。
Figure 0004663126
【0160】
CUPの測定値を比較すると、上記の試験条件下では、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物(サンプルMB−5)は、部分中和ポリアクリレート吸収性ポリマー(対照サンプル)よりも高イオン強度合成尿溶液をかなり多く吸収することが分かる。
【0161】
本明細書中で言及されている全ての特許、特許出願(と、それから出る全ての特許の他、公開された全ての対応する外国特許出願)、及び出版物の開示内容は、本明細書に開示されている語や定義と少なくとも矛盾のない範囲で、参考として本明細書に記載するものである。しかしながら、本明細書に参考として記載したいずれの文書も、本発明を教示していたり、開示していたりするものでないことは、明白に認められることである。
【0162】
本発明の特定の態様を例示し、説明してきたが、本発明の精神、及び範囲から外れることなく、他の様々な変更や修正を加えることができるということは、当業者にとっては当然のことである。従って、添付した特許請求の範囲には、本発明の範囲内でのこのような変更や修正が全て含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、吸収性ポリマーの加圧下性能(PUP)を測定する為の装置の概略図である。
【図2】 図2は、図1に示すピストン/シリンダー集成体の拡大断面図である。
【図3】 図3は、本発明、及び先行技術の吸収性ポリマー組成物についての、拘束圧0.7psi下で測定したPUP能のデータをグラフで示すものである。
【図4】 図4は、本発明、及び先行技術の吸収性ポリマー組成物についての、拘束圧1.4psi下で測定したPUP能のデータをグラフで示すものである。
【図5】 図5は、本発明、及び先行技術の吸収性ポリマー組成物についての、拘束圧0.7psi下で測定したCUPのデータをグラフで示すものである。
【図6】 図6は、本発明、及び先行技術の吸収性ポリマー組成物についての、拘束圧1.4psi下で測定したCUPのデータをグラフで示すものである。
【図7】 図7は、組成物のボール破裂強度(BBS)を測定する為に吸収性ポリマー組成物のサンプルを準備する為の装置の概略図である。
【図8】 吸収性ポリマー組成物のボール破裂強度(BBS)を測定する為の装置の概略図である。

Claims (17)

  1. 混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物であって、
    (i)中和されていない状態の弱塩基性基を有するアニオン交換吸収性ポリマーと、(ii)アクリル酸モノマーを含んでなるモノマーブレンドから作られ、中和されていない状態の弱酸性基を有するカチオン交換ポリマーとを含んでなり、前記アニオン交換吸収性ポリマーが架橋ポリ(N−メチルエチルイミンまたは架橋第三級ポリアリルアミンであり、前記組成物が高イオン強度合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で1時間後少なくとも23g/gの加圧下吸収能力(CUP)を有することを特徴とする、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  2. 混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物であって、
    (i)中和されていない状態の弱塩基性基を有するアニオン交換吸収性ポリマーと、(ii)アクリル酸モノマーを含んでなるモノマーブレンドから作られ、中和されていない状態の弱酸性基を有するカチオン交換ポリマーとを含んでなり、前記アニオン交換吸収性ポリマーが架橋ポリ(N−メチルエチルイミンまたは架橋第三級ポリアリルアミンであり、前記組成物が高イオン強度合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で2時間後少なくとも20g/gの加圧下吸収能力(CUP)を有することを特徴とする、混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  3. 合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で2時間後少なくとも30g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  4. 合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で4時間後少なくとも42g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  5. 合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で8時間後少なくとも40g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  6. 合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で16時間後少なくとも42g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  7. 合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で4時間後少なくとも27g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  8. 合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で4時間後少なくとも32g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  9. 合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で8時間後少なくとも30g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  10. 合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で16時間後少なくとも33g/gの加圧下性能(PUP能)を有する、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  11. アニオン交換吸収性ポリマー成分のイオン交換能が少なくとも15meq/gである、請求項1または2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  12. 高イオン強度合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で4時間後少なくとも25g/gの加圧下吸収能力(CUP)を有する、請求項1に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  13. 高イオン強度合成尿溶液についての0.7psiの荷重下で8時間後少なくとも27g/gの加圧下吸収能力(CUP)を有する、請求項1に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  14. 高イオン強度合成尿溶液についての1.4psiの荷重下で8時間後少なくとも22g/gの加圧下吸収能力(CUP)を有する、請求項2に記載の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  15. a)多孔質粒子の凝集体、および
    b)アニオン交換吸収性ポリマーとカチオン交換吸収性ポリマーの両方の二連続領域を含む粒子からなる群から選ばれる粒子形態となるように、前記アニオン交換吸収性ポリマーと前記カチオン交換吸収性ポリマーがブレンドされていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項の混合層イオン交換吸収性ポリマー組成物を含んでなる部分を少なくとも一つ含んでなる、水性の体液を封じ込めるための吸収性部材。
  17. 液体透過性トップシート、バックシート、およびトップシートとバックシートの間に位置する吸収性コアからなり、前記吸収性コアが請求項16の吸収性部材を含んでなるものである吸収性製品。
JP2000605680A 1999-03-12 1999-03-12 加圧下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物 Expired - Fee Related JP4663126B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/IB1999/000407 WO2000055258A1 (en) 1999-03-12 1999-03-12 Absorbent polymer compositions having high sorption capacities under an applied pressure

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002539315A JP2002539315A (ja) 2002-11-19
JP4663126B2 true JP4663126B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=11004833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000605680A Expired - Fee Related JP4663126B2 (ja) 1999-03-12 1999-03-12 加圧下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1163293A1 (ja)
JP (1) JP4663126B2 (ja)
AU (1) AU2633999A (ja)
CA (1) CA2365512C (ja)
WO (1) WO2000055258A1 (ja)
ZA (1) ZA991994B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10216513A1 (de) * 2002-04-10 2003-10-23 Joerg Rademann Polymerverbindung aufgebaut aus linearen Polymerketten
EP1512417B1 (en) 2003-09-02 2013-06-19 Nippon Shokubai Co., Ltd. Particulate water-absorbent resin composition
JP2008510022A (ja) * 2004-08-12 2008-04-03 ヴァーサマトリックス・アクティーゼルスカブ ビーズ状架橋ポリ(アミノアルキレン)マトリックスおよびその使用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037149A1 (en) * 1997-02-19 1998-08-27 The Procter & Gamble Company Mixed-bed ion-exchange hydrogel-forming polymer compositions and absorbent members comprising relatively high concentrations of these compositions
JPH10509915A (ja) * 1994-12-06 1998-09-29 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 吸収性材料
JP2000129065A (ja) * 1998-08-20 2000-05-09 Nippon Shokubai Co Ltd 水膨潤性組成物およびその製法
JP2002500070A (ja) * 1998-01-07 2002-01-08 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 圧力を掛けられた状態での強い収着能力と膨潤した状態での優れた一体性を有する吸収性ポリマー組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5147343B1 (en) * 1988-04-21 1998-03-17 Kimberly Clark Co Absorbent products containing hydrogels with ability to swell against pressure
WO1999034843A1 (en) * 1998-01-07 1999-07-15 The Procter & Gamble Company Absorbent polymer compositions having high sorption capacities under an applied pressure
BR9813716A (pt) * 1998-01-07 2000-10-17 Procter & Gamble Composição de polìmeros absorventes elemento absorvente para contenção de fluidos corpóreos e artigo absorvente

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10509915A (ja) * 1994-12-06 1998-09-29 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 吸収性材料
WO1998037149A1 (en) * 1997-02-19 1998-08-27 The Procter & Gamble Company Mixed-bed ion-exchange hydrogel-forming polymer compositions and absorbent members comprising relatively high concentrations of these compositions
JP2000510194A (ja) * 1997-02-19 2000-08-08 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 混合床イオン交換ヒドロゲル形成ポリマー組成物および比較的高濃度のそれらの組成物を含む吸収性部材
JP2002500070A (ja) * 1998-01-07 2002-01-08 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 圧力を掛けられた状態での強い収着能力と膨潤した状態での優れた一体性を有する吸収性ポリマー組成物
JP2000129065A (ja) * 1998-08-20 2000-05-09 Nippon Shokubai Co Ltd 水膨潤性組成物およびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
CA2365512A1 (en) 2000-09-21
AU2633999A (en) 2000-10-04
WO2000055258A1 (en) 2000-09-21
EP1163293A1 (en) 2001-12-19
CA2365512C (en) 2011-09-20
JP2002539315A (ja) 2002-11-19
ZA991994B (en) 1999-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4480888B2 (ja) 圧力を掛けられた状態で強い収着能力と高い流体透過性を有する吸収性ポリマー組成物
EP1045706B1 (en) Absorbent polymer compositions having high sorption capacities under an applied pressure and improved integrity in the swollen state
JP2002500247A (ja) 圧力を掛けられた状態で大きな収着能力を有する吸収性ポリマー組成物
JP3375973B2 (ja) 混合床イオン交換ヒドロゲル形成ポリマー組成物および比較的高濃度のそれらの組成物を含む吸収性部材
EP0941274B2 (en) Absorbent composition
US6232520B1 (en) Absorbent polymer compositions having high sorption capacities under an applied pressure
EP1364992A1 (en) Water absorbing agent and method for production thereof, and water absorbing article
MXPA00004925A (es) Particulas de gel de componentes multiples superabsorben
JP2002514934A (ja) 改良された吸収特性を有する吸収性材料を含んでなる吸収性部材
US7317135B2 (en) Structure having balanced pH profile
JP4439731B2 (ja) 均衡のとれたpHプロフィールを有する構造
JP4663126B2 (ja) 加圧下で高い吸収能力を示す吸収性ポリマー組成物
US20050080389A1 (en) Absorbent articles having increased absorbency of complex fluids
WO2004020008A1 (en) Superabsorbent polymer particles
MXPA01009216A (en) Absorbent polymer compositions having high sorption capacities under an applied pressure
TW452496B (en) Mixed-bed ion-exchange absorbent polymer compositions and absorbent member and article comprising the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090130

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090430

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090512

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090601

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090925

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091225

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100125

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees