JP4659543B2 - ガスタービン燃焼器、その燃料のカーボン化防止方法及びパージ方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器、その燃料のカーボン化防止方法及びパージ方法 Download PDF

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本発明は、ガスタービン燃焼器とその燃料のカーボン化防止方法及びパージ方法に関する。
電力の自由化に伴い、近年では従来の大容量の大型発電所に加えて中小容量規模の発電設備が普及しつつある。中小容量の発電設備には燃料の供給が比較的容易な液体燃料を用いることが多く、このような発電設備の燃焼器においても環境負荷低減のため窒素酸化物(以下、NOxと記載する)の排出量の低減が強く求められている。そのため液体燃料を用いる燃焼器では、パイロットバーナに拡散燃焼方式、メインバーナに燃料液滴を空気と混合し蒸発させてから燃焼させる予混合予蒸発燃焼方式をそれぞれ用い、パイロットバーナとメインバーナとで燃焼させる燃料の割合を制御することでNOx排出量の抑制を図る場合がある。
また、このような発電設備では、負荷変動に対応するため、拡散燃焼と予混合燃焼の混焼運転から拡散燃焼単独運転、又は拡散燃焼単独運転から混焼運転といった運転切替えを行わなければならない。混焼運転から拡散燃焼運転に切替える場合、メインバーナの燃料配管内部に残留した液体燃料が高温の燃焼用空気によって加熱されて熱分解を起し、燃料ノズルの噴出孔や燃料配管内部にカーボンとなって堆積し燃料の噴出を妨げる恐れがある。
それに対し、特開2001−59427号公報には、液体燃料とガス燃料を切替えて使用でき、2つのメインバーナとパイロットバーナの3系統の燃料供給系統を有するガスタービン燃焼器が開示されている。この従来技術では、燃料を液体燃料からガス燃料に切替えた直後にメインバーナとパイロットバーナの各系統に時分割で水又は気体を所定時間通し、最後に気体を所定時間同時に流通して各系統に残留する油をパージする方法が記載されている。このようにすればガスタービン運転中に停止したバーナの液体燃料供給系統に残留する液体燃料をパージすることが可能である。
特開2001−59427号公報
しかしながら、ガスタービンの運転中に液体燃料配管に残留する液体燃料を水又は気体でパージする場合、ガスタービン燃焼器の燃焼室よりも高圧の水又は気体を供給する専用の設備が必要となり、ガスタービン設備が大型化する。
本発明の目的は、ガスタービン設備を大型化することなく、ガスタービンの運転状態に関わらず燃料ノズルや燃料配管の内部へのカーボンの堆積を防止することができるガスタービン燃焼器、その燃料のカーボン化防止方法及びパージ方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器において、前記パイロットバーナに液体燃料を供給するパイロットバーナ燃料配管と、前記メインバーナに液体燃料を供給するメインバーナ燃料配管と、これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管を連結し、前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナ燃料配管に導く連絡配管とを備え、運転中は常に前記メインバーナに液体燃料を供給することを特徴とする。
(2)上記目的を達成するために、本発明は、パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器において、前記パイロットバーナに液体燃料を供給するパイロットバーナ燃料配管と、前記メインバーナに液体燃料を供給するメインバーナ燃料配管と、これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管を連結し、前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナ燃料配管に導く連絡配管と、前記パイロットバーナ燃料配管と前記メインバーナ燃料配管に連結し、これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管に空気を導く空気配管とを備え、運転中は常に前記メインバーナに液体燃料を供給することを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記メインバーナ燃料配管に連結し、前記メインバーナ燃料配管に水を導く水配管をさらに備えたことを特徴とする。
(4)上記(1)において、好ましくは、前記連絡配管に設けられ、この連絡配管を流れる燃料流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とする。
(5)上記(2)において、好ましくは、前記空気配管に設けられ、この空気配管を流れる空気流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とする。
(6)上記(3)において、好ましくは、前記水配管に設けられ、この水配管を流れる水流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とする。
(7)上記(2)において、好ましくは、運転停止後の設定時間だけ前記空気配管を介して前記パイロットバーナ燃料配管と前記メインバーナ燃料配管に空気を供給することを特徴とする。
(8)上記(2)において、好ましくは、前記空気配管に供給する空気を吐出する圧縮機を場内の既設の圧縮機で兼用したことを特徴とする。
(9)上記(3)において、好ましくは、負荷運転時に前記水配管を介して前記メインバーナ燃料配管に水を供給することを特徴とする。
(10)上記(1)において、好ましくは、前記パイロットバーナと前記メインバーナの少なくともいずれかが、液体燃料を噴出する燃料ノズルと、内部に混合室を形成するものであって、前記燃料ノズルを中心に備え燃料噴出方向に向かって拡開した混合室壁と、前記混合室に燃焼用空気を導入するものであって、燃焼用空気の導入角度が前記混合室壁の径方向に対して周方向に傾斜するように前記混合室壁に穿設された複数の空気導入孔とを備えていることを特徴とする。
(11)上記目的を達成するために、また本発明は、パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器の燃料のカーボン化防止方法において、前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナに供給し、運転中は常にメインバーナの燃料系統の液体燃料を流動させることにより燃料のカーボン化を防止することを特徴とする。
(12)上記目的を達成するために、また本発明は、パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器の燃料パージ方法において、運転中は前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナに供給して前記パイロットバーナ、前記メインバーナ、及びこれらの燃料配管における液体燃料を常に流動させてカーボン化を防止し、運転停止後の設定時間だけ前記パイロットバーナ、前記メインバーナ、及びこれらの燃料配管に空気を供給し滞留した液体燃料をパージすることを特徴とする。
本発明によれば、運転中はパイロットバーナの単独運転中でもパイロットバーナへの燃料の一部がメインバーナに供給されるので、ガスタービンの運転状態に関わらず燃料ノズルや燃料配管の内部へのカーボンの堆積を防止することができる。これによりガスタービン運転中の燃料のパージが不要となるため、パージ空気供給用の容量の大きな空気圧縮機等を設ける必要がないので、ガスタービン設備の大型化を防止することもできる。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
まず、ガスタービンの燃焼器では、タービン回転数の上昇に伴って空気圧縮機の吐出圧が上昇し燃焼用空気温度が上昇する。燃焼用空気の温度は、タービンが定格回転数に到達する前に液体燃料がカーボン化(コーキング)し始める温度を超え、この状態で液体燃料を燃料配管の内部に放置すると、燃焼用空気等の温度が伝達されて熱分解した液体燃料がカーボンとなって堆積する恐れがある。燃焼用空気はタービンの作動範囲の大部分で、液体燃料がカーボン化し始める温度より高い状態にある。したがって、ガスタービンの負荷運転中に燃料を供給したり停止したりする配管が燃焼用空気等によって加熱されるようであれば、燃料供給を停止した直後にその配管に残留する燃料をパージする必要がある。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図である。
図1に示すように、ガスタービンプラントは、主として、空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼用空気と燃料とを混合して燃焼ガスを生成する燃焼器4と、この燃焼器4で生成された燃焼ガスにより軸動力を得るタービン2と、タービン2の軸動力を電気エネルギーに変換する発電機3とを備える。図1では、圧縮機1、タービン2、発電機3が一軸に連結された一軸式のプラントを図示してあるが、タービンを二軸に分け、それぞれを圧縮機、発電機に接続した二軸式のプラントとすることもある。また負荷機器に発電機4を用いた場合を図示したが、負荷機器にポンプ等を用いる場合もある。
上記燃焼器4は、液体燃料を下流側の燃焼室9に噴出させる液体燃料ノズル5と、この液体燃料ノズル5から噴射された燃料を燃焼用空気と混合するパイロットバーナ6と、パイロットバーナ6の外周側に位置する複数の液体燃料ノズル7と、この液体燃料ノズル7から噴射された燃料を燃焼用空気と混合する複数のメインバーナ8と、これらバーナ6,8から噴出した液体燃料と燃焼用空気の混合ガスが燃焼され燃焼ガスが生成される燃焼室9を内部に形成する内筒10と、この内筒10からの燃焼ガスをタービン2に導くトランジションピース11と、パイロットバーナ6、メインバーナ8、内筒10、トランジションピース11等を内部に収納し密閉する外筒12及び閉止板13と、外筒12及び内筒10に支持され燃焼室9内の混合ガスを点火する点火栓14と、液体燃料ノズル5に液体燃料を供給するパイロットバーナ燃料供給系15と、液体燃料ノズル7に液体燃料を供給するメインバーナ燃料供給系16を備えている。
燃焼器4では、圧縮機1が生成した圧縮空気である燃焼用空気は、パイロットバーナ6、メインバーナ8内に導入され燃料と混合され、燃焼室9内で混合ガス100となる。この混合ガスが、点火栓14により燃焼室9内で点火されて燃焼される。燃焼によって生成した燃焼ガス101が、トランジションピース11を介してタービン2に噴射されてタービン2を駆動する。これにより、タービン2に連結された発電機3が駆動して発電する。なお、本実施の形態では、燃焼室9の燃料ノズル5側を上流側とし、燃焼ガスが流れるタービン2側を下流側とする。
図2は本実施の形態におけるガスタービン負荷に対する各バーナの燃料流量割合を示す図である。
パイロットバーナ8とメインバーナ6で構成された燃焼器4では、初負荷(a)から中間負荷(b)の領域でパイロットバーナ6を単独で運転し、中間負荷(b)から定格負荷(c)の領域でパイロットバーナ6とメインバーナ8の混焼で運転する。定格負荷(c)ではパイロットバーナ燃料(c−d)とメインバーナ燃料(d−e)の燃料割合を制御し、燃焼安定性を確保しながらNOx排出量を抑制する。ここで、メインバーナに燃料供給を開始する中間負荷(b)を切替えポイントと呼ぶことにする。切替えポイント(b)を跨いで負荷が変動した場合、例えば、混焼運転(b−c)からパイロット単独運転(a−b)に負荷が低下した場合、メインバーナ8への燃料の供給が停止し、燃料配管内部に残留する燃料を放置すると液体燃料がカーボン化し、配管内部に堆積して燃料供給を阻害する恐れがある。
図3はガスタービン停止後の燃料ノズルのメタル温度の挙動を示したものである。
図3に示したように、燃料ノズルのメタル温度は、タービンが停止すると低下し始めるが、液体燃料がカーボン化し始める温度以下になるのに時間を要し、この間(f−g)に燃料配管内部の燃料がカーボン化し始めてしまうため、燃料配管内部に残留する液体燃料をパージする必要がある。
ガスタービン負荷運転時の燃焼器内圧力は約1MPa以上の高い状態であり、液体燃料配管中に残留した燃料をパージするためには、燃焼器内圧力よりも高圧の水或いは気体を供給しなければならない。また、パージに用いる気体が高温状態にあるとパージ用の気体の温度によって液体燃料がカーボン化する恐れがあるため、パージに用いる気体は液体燃料がカーボン化し始める温度より低温でなければならない。
パージ用の気体には高圧の圧縮空気を用いるのが一般的であるが、通常は空気圧縮機の圧力比を大きくしないように、ガスタービン圧縮機の吐出空気の一部をバイパスさせ、その空気を昇圧しパージ空気として用いる。この際、条件によっては例えば400℃近い高温の空気を100℃程度にまで冷却する必要があり、冷却用の熱交換設備も別途必要となる。これらのことから、ガスタービンの負荷運転中に空気によって燃料配管をパージする場合、パージ用空気を生成する設備が大規模になる問題がある。パージ用に水を供給する場合も水供給ポンプや水の処理設備等が必要となるので同様の問題が生じる。
そこで、図1に戻って本発明の燃料のカーボン化防止方法と燃料パージ方法について以下に説明する。
パイロットバーナ6用の液体燃料ノズル5はパイロットバーナ燃料供給系15とパイロット配管17によって連結されており、メインバーナ8用の複数の液体燃料ノズル7はメインバーナ燃料供給系16とメイン配管18によって連結されている。また、パイロットバーナ燃料供給系15及びメインバーナ燃料供給系16は燃料流量調整弁、燃料流量計、燃料遮断弁等によって構成されている。パイロット配管17には燃料流量やその流れ方向を制御する流量制御装置19が、メイン配管18にも同様の流量制御装置20が設置されている。流量制御装置19,20は逆流防止機能と流量調整機能を兼ね備えている。パイロット配管17とメイン配管18は流量制御装置19,20の下流側で連絡配管21によって連結されている。この連絡配管21にも同様の流量制御装置22が設置されている。なお、図中の矢印の方向が作動流体の順方向を示す。
連絡配管21は、パイロットバーナ6の単独運転でメインバーナ8が運転停止している時、パイロットバーナ6に供給する燃料の一部がメインバーナ8の液体燃料ノズル7に供給するために設置したものである。その際に液体燃料ノズル7に供給される燃料流量は、連絡配管21の圧力損失やパイロット配管17とメイン配管18の燃料差圧等に応じて流量制御装置22によって制御される。メイン配管に供給される燃料流量は、パイロットバーナ6の単独運転条件において、予め決められた設定流量となるように、適用する燃焼器に応じて流量制御装置22によって決めるのが望ましい。
また本実施の形態では、タービン停止過程において、配管内部に残留する燃料をパージする気体(空気)を供給するための空気圧縮機23が設置されている。この空気圧縮機23は、勿論別途用意しても構わないが、本ガスタービンプラントが設置される場内の既設の圧縮機で兼用すれば足りる。空気圧縮機23に連結するパージ配管24は、パイロット配管17に連結するパージ配管25とメイン配管18に連結するパージ配管26に分岐され、パージ配管25,26には空気流量やその流れ方向を制御する流量制御装置27,28がそれぞれ設置されている。
次に本実施の形態により得られる作用効果について説明する。
本実施の形態では、パイロットバーナ6に燃料を供給するパイロット配管17とメインバーナ8に燃料を供給するメイン配管18が連絡配管21によって連結されているため、パイロットバーナ6に燃料を供給すると、その一部の燃料がメインバーナ8に供給される。したがって、パイロットバーナ6に燃料を供給することで、燃焼器4の運転状態に関わらず、常に液体燃料がパイロット配管17,メイン配管18の内部を流動し燃料ノズル5,7から噴出する。そのため、燃焼用空気等によって燃料が加熱されても、液体燃料はカーボン化し始める前に燃料ノズル5,7から噴出するため、燃料配管内部や燃料ノズルの噴出孔にカーボンが堆積することを抑制することができる。
パイロットバーナ6の単独運転時に連絡配管21を介してメイン配管18に供給される燃料流量は、メイン配管18の内部の液体燃料をカーボン化し始める前に燃焼室9に噴出させる程度で良いので極少量で足りる。パイロットバーナ6に供給する燃料流量の一部をメインバーナ8に供給することによりパイロットバーナ6の燃焼安定性に与える影響が懸念されるが、このように連絡配管21を介してメインバーナ8に供給する燃料は極少量で足りるため、パイロットバーナ6の燃焼安定性を損なうこともない。
また、図2に示したように、ガスタービン負荷が切替えポイント(b)を超えてメインバーナ8への燃料の供給が開始されると、パイロット配管17の燃料供給圧力とメイン配管18の燃料供給圧力がバランスして連絡配管21に燃料が停滞することが考えられる。燃料が流れず停滞すると配管内部の燃料が加熱されカーボン化する恐れがあるため、パイロット配管17とメイン配管18を連絡する連絡配管21は、図1に示すように燃焼用空気に曝されない位置で、高温にならない位置に設置することが望ましい。
さらに、メインバーナ8に供給する燃料流量が多くなると、パイロット配管17の燃料供給圧力よりもメイン配管18の燃料供給圧力が高くなり、メインバーナ8に供給する燃料流量の一部がパイロットバーナ6に流れようとする。また、本実施の形態のようにパイロットバーナ6による拡散燃焼とメインバーナ8による予混合燃焼を併用する場合、その燃料流量割合によってNOx排出量や燃焼安定性が左右されることがあるため、パイロットバーナ6とメインバーナ8に供給する燃料流量の割合を正確に把握する必要がある。
そこで、本実施の形態では連絡配管21に流量制御装置22を配置することによって、メイン配管18の燃料供給圧力がパイロット配管17の燃料供給圧力より高圧になっても、その逆流防止機能によってパイロット配管17へ燃料が流れるのを防止することができ、パイロットバーナ燃料供給系15とメインバーナ燃料供給系16の流量制御装置19,20により設定の燃料流量割合で運転することができる。そのため、NOx排出量を抑制するとともに燃焼安定性を確保することが可能となる。
前述したように、ガスタービンの負荷運転中に燃料供給を停止した液体燃料配管を水や気体等でパージする場合、燃焼器内部の圧力より高圧の水や気体でパージしなければならず、高圧の空気圧縮機や水供給設備が必要となり、このような設備の初期投資が高額になるばかりか、水や気体を供給するための相当の動力を要しガスタービン全体の効率に与える影響も少なくなかった。
それに対し本実施の形態では、パイロット配管17とメイン配管18を連絡配管21で連結する簡単な構造で、液体燃料配管内部にカーボンが堆積するのを防止することができ、しかも所要動力を必要としないため、経済性にも優れ、ガスタービン全体の効率を向上することができる。
次に、ガスタービン停止時における燃料のパージ方法について説明する。
ガスタービンの停止時、燃料配管や燃料ノズル内部に残留した燃料をそのまま放置すると、燃料の一部が余熱によって熱分解しカーボン化することがある。そのため、本実施の形態においても、燃料供給自体を停止した直後には燃料配管や燃料ノズル内部の燃料をパージする必要がある。
タービンの停止時、バーナ6,8への燃料の供給が停止するとタービンの回転数が降下し、燃焼器の内圧も低下する。燃料配管の燃料は燃焼室9との差圧によって排出され、燃焼器内部の圧力が大気圧まで低下すると燃料配管から排出される燃料も停止し、排出しきれなかった燃料が配管内部に残留する。
本実施の形態では、タービンの停止時にのみ空気によって燃料配管をパージする。図1に示すように、本実施の形態では、燃料配管をパージするための空気を吐出する空気圧縮機23が配置されているが、タービンが停止すると燃焼器内部の圧力が大気圧となるため、燃料配管をパージする空気流量は極少量で足り、大容量の圧縮機等は不要である。したがって、空気圧縮機23には、場内のエア工具等の供給源として既設の圧縮機を兼用することができる。
例えば、空気圧縮機23の吐出圧力を0.1MPaに設定すると、パイロット配管17とメイン配管18の圧力が仮に0.1MPaより高圧であっても、流量制御装置27,28の作用によって空気配管25,26に燃料が逆流することはなく燃料は燃料ノズル5,6から噴出する。そしてパイロット配管17とメイン配管18の内部圧力が0.1MPaより低下するとパージ空気が流れ始め燃料配管が0.1MPaという低圧の圧縮空気によりパージされる。
燃料配管内部には燃料が淀む領域が存在しないことが好ましいが、燃料配管の構成上淀み域が形成されることがあり、空気でパージしてもこの淀み域に燃料が停滞する場合が考えられる。そのため、空気で燃料配管をパージする場合、燃料配管の温度が所定温度(燃料がカーボン化し始める温度)以下になるまで空気を供給し、燃料をパージするとともに燃料ノズル5,7やその燃料配管17,18を冷却することが望ましい。また、燃料ノズル5,6や燃料配管17,18に温度センサ(熱電対等)を設置し、燃料ノズル5,6等の温度を監視しつつパージ空気を供給する方法も考えられる。
以上、本実施の形態によれば、簡単な構造でガスタービンの運転状態に関わらず、カーボン化した液体燃料が燃料配管の内部に堆積することを未然に防止することができるため、ガスタービン燃焼器の信頼性を飛躍的に向上させることができる。また、液体燃料のカーボン化を抑制するのに大規模な動力を必要としないため、ガスタービン全体の効率の向上にも寄与する。
図4は本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図、図5は本実施の形態におけるパイロットバーナ及びメインバーナを燃焼室側から見た図である。
第1の実施の形態では燃料供給系統がパイロットバーナ用とメインバーナ用に1系統ずつの合計2系統であったが、本実施の形態では、図4及び図5に示すようにメインバーナが2つに分かれており、これらメインバーナ31,32とパイロットバーナ30のそれぞれに1系統ずつで合計3系統の燃料供給系統を有している。
本実施の形態では、メインバーナ31,32はパイロットバーナ30の周囲(径方向外周側)に周方向に交互に3缶ずつ配置されている。パイロットバーナ30の軸中心には燃料ノズル33が設置されている。燃料ノズル35はパイロット配管34を介してパイロット燃料供給系統35と連結されている。パイロット配管34のパイロット燃料供給系統35の下流側には流量制御装置36が設けられている。
メインバーナ31にはそれぞれの軸中心に燃料ノズル37が設置されている。各燃料ノズル37はメイン配管38を介してメイン燃料供給系統39と連結されている。メイン配管38のメイン燃料供給系統39の下流側には流量制御装置40が設けられている。同様にメインバーナ32にもそれぞれの軸中心に燃料ノズル41が設置されている。各燃料ノズル41はメイン配管42を介してメイン燃料供給系統43と連結されており、メイン配管42のメイン燃料供給系統43の下流側に流量制御装置44が設けてある。
パイロット配管34は、流量制御装置36の下流側においてメイン配管38,42とそれぞれ連絡配管45,46を介して接続している。連絡配管45,46にはそれぞれに流量制御装置47,48が設けられている。
図6は本実施の形態におけるガスタービン負荷に対する各バーナの燃料流量割合を示す図である。
本実施の形態では、初負荷から中間負荷(a−b)の時はパイロットバーナ30単独で運転し、中間負荷(b)に達したらメインバーナ31に燃料を供給してパイロットバーナ30とメインバーナ31の混焼運転に移行する。その後、さらに負荷が上昇し所定の負荷(f)に到達したらメインバーナ32にも燃料を供給し、パイロットバーナ30とメインバーナ31,32の混焼運転に移行する。
このようにメインバーナを2系統に分ける燃焼器では、一般に広範囲の負荷変動への対応が想定される。定格負荷(c)から所定負荷(f)や中間負荷(b)よりも低負荷領域に運転状態が移行した場合、メインバーナ31,32への燃料供給が停止するため、メイン配管38,42に残留した燃料をパージする必要が生じる。
本実施の形態では、パイロット配管34とメイン配管38,42が連絡配管45,46でそれぞれ連結されているため、パイロットバーナ30に燃料を供給ことでメインバーナ31,32の燃料配管にも少量の燃料が供給される。このように3系統以上の燃料供給系統を持つガスタービン設備であっても、本発明を適用することにより、メイン配管38,42の内部に燃料が停滞することを防止することができるので、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。勿論、燃焼器圧力が高い運転中の燃料のカーボン化が防止されるので、燃料配管や燃料ノズルのパージは燃焼器圧力の低いときに行えば足りるため、高圧の空気を送り込む大型の圧縮機をパージ空気の供給用に設置する必要がなく既設の空気供給設備を兼用すれば足りる。
なお、本実施の形態の液体燃料ノズルには、エアアシスト型液体燃料噴射ノズル(二流体ノズル)や圧力式渦巻噴射ノズル(一流体ノズル)のいずれも適用可能である。但し、エアアシスト型液体燃料噴射ノズルは、ノズル内にアシスト空気を導入して空気のせん断力によって燃料の微粒化を図るものであるが、前述したパージ空気と同様にノズルにアシスト空気を供給するための大規模な圧縮機が必要となる。したがって、新たな設備の設置によるガスタービン設備の大型化を防止する観点においては圧力式渦巻噴射ノズルを採用することが望ましい。これは前述した第1の実施の形態においても同じことである。
しかし、圧力式渦巻噴射ノズルは、燃料の供給圧力を高くして燃料が噴出する際に生じる空気のせん断力で液滴を微粒化するものであり、燃料の供給圧力が低いときには噴出する液滴径が大きくなる傾向がある。
第1及び第2の実施の形態のように、パイロットバーナに供給した燃料の一部を、メインバーナに供給されるように構成した場合、特にパイロットバーナ単独運転時におけるメインバーナの燃料ノズルに供給される燃料流量が少量であるため、燃料の供給圧力が低く燃料が十分に微粒化されない恐れがある。燃料の微粒化が不十分だとメインバーナ内部に噴出した液滴がメインバーナの内周壁に付着し、高温の燃焼用空気によって熱分解してカーボン化する場合がある。メインバーナ内周壁にカーボンが堆積するとメインバーナ内部の混合気の流動状態が変化して燃焼安定性が損なわれ易い。
また、パイロットバーナにおいても定格負荷燃焼時等に、NOx排出量の抑制を目的としてパイロットバーナの燃料流量を低下させた場合、液滴の微粒化作用が低下し、パイロットバーナの内周壁に燃料液滴が付着してカーボンが堆積し易い。
そこで、本実施の形態ではパイロットバーナ30とメインバーナ31,32に圧縮機1からの燃焼用空気が流入し、この燃焼用空気が燃料ノズル33,37,41から噴出した液滴を微粒化するように作用するようにしている。
図7は本実施の形態におけるパイロットバーナ30の詳細構造を表す側断面図、図8は図7中のI−I断面による断面図である。
図7及び図8に示すように、パイロットバーナ30の本体壁(混合室壁61)の内周空間には混合室60が形成されている。混合室壁61は燃焼室9方向に向かって拡開する中空円錐状に形成されており、混合室壁61の円錐の頂点部分にはその軸心線L1とほぼ同軸方向となるように液体燃料ノズル37が設けられている。
また、混合室壁61には、その軸心線L1方向(以下、軸方向と記載する)に複数段(本実施の形態では3段)の空気導入孔62〜64が穿設されている。これら空気導入孔62〜64は周方向複数箇所に設けられており、空気導入孔62〜64を介して圧縮機1からの燃焼用空気が混合室60内に導入される。
空気導入孔62〜64は、燃焼用空気の混合室60への導入角度が少なくとも混合室壁61の径方向に対し周方向に偏向するように設けられており、燃焼室60内に導入する燃焼用空気に旋回成分を与えるようになっている。特に空気導入孔62は、混合室60の最流部に配置され軸心線L1とほぼ直交する面に沿うように設けられており、噴出した空気旋回流が液体燃料ノズル37から噴出された直後の燃料液滴に衝突するようにしてある。その下流側に配置した空気導入孔63,64は混合室壁61の側断面とほぼ直交する方向を向き、径方向内側に向かって燃焼室側にも傾斜している。
図8を参照してもう少し詳細に説明すると、空気導入孔62の軸心線L2は混合室壁61の軸心線L1に対して距離Xだけオフセットしている。軸心線L1,L2はねじれの関係にあり、軸心線L1と軸心線L2を双方に直交する直線の軸心線L1,L2との交点間の距離がオフセット距離Xである。また空気導入孔62の各軸心線L2を含む面内での混合室壁61の内径をDとする。この場合、空気導入孔63,64についても同じようにX,Dを定めると、本実施の形態では混合室壁61の軸方向下流側(図7中の右側)の空気導入口ほどX/Dが大きくなるように、空気導入孔62〜64の周方向角度を変化させてある。このようにすると混合室60の上流位置ほどX/Dが小さくなるので、図8中矢印Aに示すように空気導入孔62から噴出される燃焼用空気はある程度の旋回成分を伴って混合室壁61の軸心線L1の近く(すなわち液体燃料ノズル37の噴出位置近傍)に向かい、それよりも下流側に位置する空気導入口63,64から流入した燃焼用空気は混合室壁61の内周面61aに沿って旋回するようになっている。
本実施の形態によれば、混合室60上流位置ではX/Dが小さいことから、図8に示すように空気導入孔62から噴出される燃焼用空気が混合室壁61の軸心線L1付近に向かって流入するため、この中心領域、すなわち、燃料ノズル37の噴出孔近傍に強い旋回力が作用し、この旋回力による空気のせん断力によって、燃料ノズル37から噴出した液滴が微粒化される。そのため、燃料の供給圧力が比較的低い場合でも空気導入孔62から導入される空気によって積極的に燃料液滴が微粒化され、さらに空気導入孔63,64から導入されて混合室壁61の内周面61aに沿って旋回する空気によって液滴が混合室壁61に衝突し付着することも抑制される。これらの作用によって、混合室壁61にカーボンが堆積することを防止することができる。
図9は本実施の形態におけるメインバーナ31の詳細構造を表す側断面図である。なお、特に説明しないがメインバーナ32も同様の構成である。
メインバーナ31では、混合室77を形成する混合室壁70の軸方向長さを延長し、上流側に空気導入孔72〜76を集中させてある。またメインバーナ31の混合室壁70の拡がり角度はパイロットバーナ30における混合室壁61よりも小さい。空気導入孔72〜76は、パイロットバーナ30の場合と同様に下流側の空気導入孔ほどX/Dが大きくなるように周方向角度を変化させてある。
メインバーナ31,32を上記のように構成することにより、パイロットバーナ30と同様の効果を得ることができる。本発明では、パイロットバーナ30の単独運転時にメイン配管38,42内部のカーボンの堆積を防止するためにパイロット配管34からの燃料が比較的低い供給圧力で燃料ノズル37,41から噴射される。それにより燃料が比較的大きな液滴状態で噴出したとしても、空気導入孔72等から流入する燃焼用空気のせん断力によって液滴が積極的に微粒化され、さらにそれ以降の空気導入孔73〜76から流入する燃焼用空気によって混合室壁71に液滴が付着することを防止することができる。
また、メインバーナ31,32では、燃料ノズル37,41から噴出した液体燃料が、混合室77の上流位置において燃料噴射方向とほぼ垂直な方向から衝突する燃焼用空気のせん断力によって微粒化されつつその一部は蒸発して気体化され、下流に行くにしたがって微粒化及び気体化した燃料と燃焼用空気との混合は旋回流によってさらに促進されるため、混合濃度の均一な予混合燃焼を行うことが可能となり、NOx排出量をより低減させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では第1の実施の形態と同様に、タービンの停止時にのみ燃料配管を空気でパージするように構成されている。図4において、空気圧縮機49からのパージ配管50は、それぞれパージ配管51〜53に分岐し、パージ配管51〜53はそれぞれパイロット配管34,38,42に連結している。パージ配管34,38,42にはそれぞれの空気流量を調整するとともに逆流を防止する流量制御装置54〜56が設置されている。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、タービンが停止すると燃焼器内部の圧力が大気圧となるため、燃料配管をパージする空気流量は少なくて良く、空気圧縮機49は比較的容量の少ないもので良く設備の簡素化が図れる。空気圧縮機49は容量の小さなもので良いので、場内にある既存の空気供給用のコンプレッサで兼用できる。
図10は本発明の第3の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図である。
図10に示すように、本実施の形態では、第2の実施の形態の空気配管50に水を供給するための水供給装置80を配置し、水供給装置80を空気配管50に対して水配管81を介して接続してある。水配管81における水供給装置80の下流側には水の供給流量を調整したり逆流を防止したりする流量制御装置82が設置され、それに伴って空気配管50における水配管81との接続部よりも上流位置には空気の供給流量の調整や逆流防止の機能を有する流量制御装置83が設置されている。その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
図11は第2又は第3の実施の形態のようにメインバーナが複数のグループに分けられたガスタービン燃焼器におけるガスタービン負荷に対する窒素酸化物(NOx)の排出特性の模式図である。
第2又は第3の実施の形態では、ガスタービンの初負荷(a)から中間負荷(b)までは燃焼安定性に優れた拡散燃焼方式を用いたパイロットバーナ30単独で運転を行う場合があるが、拡散燃焼方式は燃焼場に高温領域が形成されその高温領域から大量のNOxが排出され易い。中間負荷(b)においては、メインバーナ31に燃料を供給して予混合燃焼を行うと同時にパイロットバーナ30の燃料を減じるためNOx排出量は急激に減少する。
その後、負荷上昇に伴ってメインバーナ31に燃料を供給することでメインバーナ31の燃料濃度が濃くなりNOx排出量が増加するが、所定負荷(f)に達した時点でメインバーナ31に供給する燃料を減じメインバーナ32に燃料を供給すると、メインバーナ31の燃料濃度が低下しNOx排出量は低減する。さらに、定格負荷(c)では各バーナの燃料濃度を調節しNOx排出量を制限値以下にして運転が行われる。
近年では、地球環境保全の観点からガスタービンの全負荷帯でNOx排出量を制限値以下にすることが強く望まれる。そこで、第3の実施の形態ではNOx排出量が制限値を超えることを防止するとともに燃料配管の内部にカーボンが堆積することを防止する。
初負荷(図11ではa)ではNOx排出量が制限値以下であるため、水を供給する必要がなくメイン配管38,42には連絡配管45,46によってパイロットバーナ30へ供給する燃料の一部が供給されるため、メイン配管38,42内部に液体燃料がカーボン化することがない。
その後、負荷上昇に伴ってNOx排出量が制限値を超える時点(図11のgに相当)で水供給装置80から水配管81、空気配管52,53を経由してメイン配管38,42に水を供給する。パイロットバーナ30から供給される燃料供給圧力よりも水供給圧力が高くなると、燃料ノズル37,41から水が噴出し、パイロット炎の燃焼温度を低下させてNOx排出量を抑制することができる。このとき、連絡配管45,46には流量制御装置47,48が設置されているため、水がパイロット配管34に流入することはない。したがって拡散燃焼の安定性が損なわれることはない。
さらに、中間負荷(図11ではb)に到達しメインバーナ31に燃料が供給されると、水供給圧力より燃料供給圧力が高くなったことが検知され流量制御装置55によってメイン配管38への水の供給が停止され、これによりメインバーナ31による予混合燃焼が開始される。このとき、メインバーナ32には継続的に水が供給され燃料ノズル41から水が噴出されるため、メインバーナ31の燃料濃度が高くなってもNOx排出量が抑制される。特に、本実施の形態のようにメインバーナ31,32をパイロットバーナ30の外周位置に交互に配置した場合、メインバーナ32から水を噴霧することでより効果的に火炎温度を低下させ、水噴霧によりNOx排出量が効率的に低減される。
そしてさらに負荷が上昇しメインバーナ32に燃料が供給され、メインバーナ32への燃料供給圧力が水供給圧力より高くなったことが検知されると流量制御装置56(又は流量制御装置82)によって水の供給が停止され、全ての燃料系統への水供給が停止される。図6に示したように所定負荷(f)からは、パイロットバーナ30及びメインバーナ31,32の燃料割合を制御してNOx排出量を抑制することが可能となり、全負荷帯においてNOx排出量を制限値以下に抑制することができる。
本実施の形態でも、タービンの負荷運転中のパイロット配管34及びメイン配管38,42に液体燃料か水が供給されているため燃料配管や燃料ノズルの内部にカーボンが堆積することがなく燃焼器の信頼性を向上することができる。また上記のようにNOx低減の効果も大きい。
なお、以上の各実施の形態において、パイロットバーナでは拡散燃焼を、メインバーナでは予混合燃焼を行うものとして説明したが、パイロットバーナで予混合燃焼を行っても良く、メインバーナで拡散燃焼を行っても良い。さらに、パイロットバーナとメインバーナの両方で拡散燃焼あるいは予混合燃焼を行っても良い。
また、以上においては、液体燃料焚き燃焼器を例に説明したが、液体燃料及び気体燃料を切替えて燃焼することができる燃焼器にも本発明は適用可能である。すなわち、油焚きからガス焚きに切替えた場合、一般に負荷運転中に水や空気で燃料配管に残留する燃料をパージするが、本発明を適用すれば、ガス焚き運転中においても少量の液体燃料をパイロットバーナ、メインバーナに供給することにより負荷運転中における液体燃料配管内部のカーボン堆積を防止することができ、タービン停止時に低圧の空気で液体燃料配管をパージすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるガスタービン負荷に対する各バーナの燃料流量割合の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるガスタービン停止時の燃料ノズルの温度特性の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるパイロットバーナ及びメインバーナを燃焼室側から見た図である。 本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるガスタービン負荷に対する各バーナの燃料流量割合を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるパイロットバーナの詳細構造を表す側断面図である。 図7中のI−I断面による断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るガスタービン燃焼器におけるメインバーナの詳細構造を表す側断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るガスタービン燃焼器の概略構成の側断面とともにガスタービンプラントの全体構成を表すブロック図である。 メインバーナが複数のグループに分けられたガスタービン燃焼器におけるガスタービン負荷に対する窒素酸化物の排出特性の模式図である。
符号の説明
4 燃焼器
6 パイロットバーナ
8 メインバーナ
17 パイロット配管
18 メイン配管
21 連絡配管
22 流量制御装置
23 空気圧縮機
24〜26 空気配管
27,28 流量制御装置
30 パイロットバーナ
31,32 メインバーナ
33 燃料ノズル
34 パイロット配管
37 燃料ノズル
38 メイン配管
41 燃料ノズル
42 メイン配管
45,46 連絡配管
47,48 流量制御装置
49 空気圧縮機
50〜53 空気配管
54〜56 流量制御装置
60 混合室
61 混合室壁
62〜64 空気導入孔
70 混合室壁
72〜76 空気導入孔
77 混合室
81 水配管
82,83 流量制御装置

Claims (12)

  1. パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器において、
    前記パイロットバーナに液体燃料を供給するパイロットバーナ燃料配管と、
    前記メインバーナに液体燃料を供給するメインバーナ燃料配管と、
    これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管を連結し、前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナ燃料配管に導く連絡配管とを備え、
    運転中は常に前記メインバーナに液体燃料を供給することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器において、
    前記パイロットバーナに液体燃料を供給するパイロットバーナ燃料配管と、
    前記メインバーナに液体燃料を供給するメインバーナ燃料配管と、
    これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管を連結し、前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナ燃料配管に導く連絡配管と、
    前記パイロットバーナ燃料配管と前記メインバーナ燃料配管に連結し、これらパイロットバーナ燃料配管とメインバーナ燃料配管に空気を導く空気配管とを備え、
    運転中は常に前記メインバーナに液体燃料を供給することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1又は2のガスタービン燃焼器において、前記メインバーナ燃料配管に連結し、前記メインバーナ燃料配管に水を導く水配管をさらに備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1のガスタービン燃焼器において、前記連絡配管に設けられ、この連絡配管を流れる燃料流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項2のガスタービン燃焼器において、前記空気配管に設けられ、この空気配管を流れる空気流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項3のガスタービン燃焼器において、前記水配管に設けられ、この水配管を流れる水流量を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 請求項2のガスタービン燃焼器において、運転停止後の設定時間だけ前記空気配管を介して前記パイロットバーナ燃料配管と前記メインバーナ燃料配管に空気を供給することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  8. 請求項2のガスタービン燃焼器において、前記空気配管に供給する空気を吐出する圧縮機を場内の既設の圧縮機で兼用したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  9. 請求項3のガスタービン燃焼器において、負荷運転時に前記水配管を介して前記メインバーナ燃料配管に水を供給することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  10. 請求項1のガスタービン燃焼器において、前記パイロットバーナと前記メインバーナの少なくともいずれかが、
    液体燃料を噴出する燃料ノズルと、
    内部に混合室を形成するものであって、前記燃料ノズルを中心に備え燃料噴出方向に向かって拡開した混合室壁と、
    前記混合室に燃焼用空気を導入するものであって、燃焼用空気の導入角度が前記混合室壁の径方向に対して周方向に傾斜するように前記混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と
    を備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  11. パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器の燃料のカーボン化防止方法において、
    前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナに供給し、運転中は常にメインバーナの燃料系統の液体燃料を流動させることにより液体燃料のカーボン化を防止する
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器の燃料のカーボン化防止方法。
  12. パイロットバーナとメインバーナを有するガスタービン燃焼器の燃料パージ方法において、
    運転中は前記メインバーナの停止中に前記パイロットバーナに供給する液体燃料の一部を前記メインバーナに供給して前記パイロットバーナ、前記メインバーナ、及びこれらの燃料配管における液体燃料を常に流動させてカーボン化を防止し、
    運転停止後の設定時間だけ前記パイロットバーナ、前記メインバーナ、及びこれらの燃料配管に空気を供給し滞留した液体燃料をパージする
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器の燃料パージ方法。
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