JP4658919B2 - フェニルカルボン酸アミドおよびIKrチャンネル遮断剤の組み合わせならびに心房性不整脈を処置するためのその使用 - Google Patents

フェニルカルボン酸アミドおよびIKrチャンネル遮断剤の組み合わせならびに心房性不整脈を処置するためのその使用 Download PDF

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Description

本発明は、1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤、たとえばドフェチリド(dofetilide)、イブチリド(ibutilide)、アルモカラント(almokalant)、dl−ソタロール(dl-sotalol)、d−ソタロール(d-sotarol)、アジミリド(azimilide)、アミオダロン(amiodarone)、E4031、クロフィリウム(clofilium)、アムバシリド(ambasilide)、MS551、テディサミル(tedisamil)、ベルトサミル(bertosamil)またはキニジン(quinidine)、および1もしくは2種以上のKv1.5遮断剤とくに式Iaおよび/またはIb
Figure 0004658919
のフェニルカルボキシアミドおよび/または医薬的に耐容性のあるそれらの塩の組み合わせ、並びに心房性不整脈を処置するための同組み合わせの使用に関する。
心房細動(AF)および心房粗動は最も頻繁に見られる持続性の心不整脈である。その発症は加齢とともに増大し、致命的な随伴症状たとえば脳梗塞を導くことがある。AFには年間約100万人のアメリカ人が罹患し、合衆国では1年に80,000例以上の卒中が誘導されている。現時点ではクラスIおよびIIIの抗不整脈剤が慣用され、AFの再発率を低下させているが、それらの前不整脈副作用の可能性から、それらの使用は限定されている。したがって心房性不整脈の処置のためのよりよい医薬の開発には大きな医学的要求がある(S. Nattel, Am. Heart J. 130, 1995, 1094-1106;“Newer developments in the management of atrial fibrillation”)。
大部分の上室性不整脈は「再発性」の興奮波を起こし易いことが示されている。このような再発は、心臓組織が遅い伝導度と同時に、極めて短い不応期を有する場合に起こる。活性電位の延長による心筋の不応期の増大は認められる不整脈の終結またはそれらの形成防止のための機構である(T. J. Colatskyら, Drug Dev. Res. 19, 1990, 129-140; “Potassium channels as targets for antiarrhythmic drug action”)。活動電位の長さは主として、様々なK+チャンネルを経由し細胞から流出する再分極K+流の程度によって決定される。ここに「遅延整流装置(delayed rectifier)」と記述するIKはとくに重要性が大きく、これは3つの異なる成分:IKr、IKsおよびIKurから構成される。
最もよく知られたクラスIIIの抗不整脈剤(たとえば、ドフェチリド、イブチリド、アルモカラントおよびd−ソタロール)は主としてまたはもっぱら急速活性化カリウムチャンネルIKrを遮断し、これは、ヒト心室および心房細胞の両者に検出することができる。しかしながら、これらの化合物は低いまたは正常心拍数において前不整脈のリスクを増大させ、これは「トルササード・ド・ポワント」と記載される不整脈としてとくに観察されることが示されている(D. M. Roden, Am. J. Cardiol. 72, 1993, 44B-49B; “Current status of class III antiarrhythmic drug therapy")。低い心拍数におけるこの高い、場合によりは致命的なリスクに加えて、とくに活動が必要な頻脈の条件下における活動の低下が、IKr遮断剤において見出されている(陰性の使用依存)。
Kv1.5チャンネルに相当する遅延整流装置の「とくに急速な」活性化および極めて遅い不活性化成分、遅延整流装置の成分IKur(=超急速活性化遅延整流装置)はヒト心房における再分極時間のとくに大きな部分で役割を果たし、したがってIKurカリウム外向流の阻害は、IKrまたはIKsの阻害に比べて、心房活動電位の延長および、したがって心房性不整脈の終結または予防にとくに効果的な方法である。
ヒトの心室でも生じるIKrおよびIKsとは対照的に、IKurは実際、ヒト心房において重要は役割を果たすが、心室では働かない。この理由からIKur電流の阻害の場合は、IKrまたはIKsの遮断とは対照的に心室における前不整脈のリスクは始めから除外される(Z. Wangら, Circ. Res. 73, 1993, 1061-1076:“Sustained Depolarisation-Induced Outward Current in Human Atrial Myocytes";G.-R. Liら, Circ. Res. 78, 1996, 689-696:“Evidence for Two Components of Delayed Rectifier K+-Current in Human Ventricular Myocytes";G. J. Amosら, J. Physiol. 491, 1996, 31-50:“Differences between outward currents of human atrial and subepicardial ventricular myocytes")。
IKur電流またはKv1.5チャンネルの選択的遮断を介して作用する抗不整脈剤はこれまでに市販されていなかった。しかしながら、多くの特許出願が、化合物をそれらのKv1.5チャンネルの選択的遮断作用のため、心房選択性の抗不整脈剤として報告している。たとえば、特許出願WO 0125189には、とくにビフェニルカルボキシアミドがKv1.5遮断剤として記載されている。特許出願WO 02088073およびWO 02100825には、アントラニルアミドが不整脈脈の処置のためのKv1.5遮断剤として記載されている。
今回、驚くべきことに、心房疾患に対するKv1.5遮断剤、たとえば式IaおよびIbの化合物の抗不整脈作用はIKrチャンネル遮断剤の同時投与によって相乗的に増大しうることが見出されたのである。
Kv1.5遮断剤とIKrチャンネル遮断剤、たとえばイブチリドの同時投与は正常なすなわち健康な心房には、個々の作用の付加を導くのみである。しかしながら心房細動においては、1〜4日の経過でイオンチャンネルの組成に変化が起こる(電気的再モデリング)。健康な心房よりも心房細動患者における立場をよく反映するこれらの条件下では、それ自身に対するIKrチャンネル遮断剤の作用は著しく低下する。再モデリング状態におけるそれら自身に対して、不応期に著しい作用低下を示すIKrチャンネル遮断剤は、驚くべきことに、この場合もIKur遮断剤との組み合わせで、完全に不応期活動性になることが見出されたのである。すなわち、IKurの遮断は慢性的な心房細動において失われたIKr遮断剤の作用を、明らかに回復させる。したがって、Kv1.5遮断剤とIKrチャンネル遮断剤の組み合わせは心房性有効不応期(AERP)に対する作用に、著しい超付加的な作用の増強を導く。AERPの延長は、物質の抗不整脈作用に対する代替パラメーターとして認められていて、ここでもその組み合わせの相乗的抗不整脈作用が確認されている。
有効な不応期の延長に対する驚くべき強力な組み合わせの作用も電気的徐細動に有意に高い成功率を招来する。持続性の細動、すなわち1ヶ月以上も続く細動を終わらせることができる薬物はこれまでに知られていない。
IKr遮断剤、たとえば、イブチリドまたはドフェチリド自体は、このモデルにおいて心房細動サイクルの長さ(AFCL)にわずかな延長を導くのみであるが、細動の終結を招くことはない。実施例1のKv1.5遮断剤の使用は、それ自体たとえば10mg/kgの用量で電気的除細動が可能であった。しかしながら他方、実施例1の化合物とイブチリドまたはドフェチリドの組み合わせでは、Kv1.5遮断剤はたとえば0.3〜3mg/kgの用量での投与でも、驚くべきことに、極めて低用量(たとえば10μg/kg)のIKrチャンネル遮断剤とともに投与すると細動の終結を招来する。2種の活性成分の組み合わせは、したがって使用される活性化合物の用量を著しく低下させることを可能にし、所望の作用と望ましくない副作用の比率をかなり改善する。
ここに記載のKv1.5およびIKr遮断剤の組み合わせは、したがってとくに有利な安全性プロフィルを有する高度に効果的な抗不整脈剤として使用することができる。とくに、これらの化合物は上室性不整脈たとえば心房細動または心房粗動の処置に適当である。これらの組み合わせは現存する心房細動および粗動を終結させて、洞調律を回復する(電気的除細動)るために使用することができる。組み合わせの著しく増強された作用により、以前には医薬的処置を受けられなかった持続性の細動を有する患者も、除細動(cardioverted)を受けることができる。しかも、これらの組み合わせは、新しい細動事象の発生が起こる可能性も低下させる(洞調律の維持、予防)。
本発明は、1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤ならびに式Iaおよび/またはIb:
Figure 0004658919
[式中、
R (1) は3、4もしくは5個の炭素原子を有するアルキルまたはキノリニルであり、
R (2) は1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたはシクロプロピルであり、
R (3) はフェニルまたはピリジルであり、この場合、フェニルおよびピリジルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていて、
Aは -CnH2n- であり、この場合、nは0、1または2であり、
R (4)、R (5)、R (6) および R (7) は互いに独立に水素、F、Cl、CF3、OCF3、CN、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシであり、
Bは-CmH2m- であり、この場合、mは 1または2であり、
R (8) は2もしくは3個の炭素原子を有するアルキル、フェニルまたはピリジルであり、この場合、フェニルおよびピリジルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていて、
R (9) はC(O)OR (10) またはCOR (10) であり、
R (10) は-CxH2x-R(11) であり、この場合、xは0、1または2であり、R (11) はフェニルであり、この場合、フェニルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される2個の置換基で置換されている] の1もしくは2種以上の化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩との組み合わせに関する。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤、ならびに式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩との組み合わせにおいては、IKrチャンネル遮断剤は、ドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl−ソタロール、d−ソタロール、アジミリド、アミオダロン、E4031、クロフィリウム、アムバシリド、MS551、テディサミル、ベルトサミルまたはキニジンからなる群より選択されることが好ましい。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤、ならびに式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩との組み合わせにおいては、IKrチャンネル遮断剤は、ドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl−ソタロール、d−ソタロール、アミオダロンまたはキニジンからなる群より選択されることがとくに好ましい。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤、ならびに式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩との組み合わせにおいては、IKrチャンネル遮断剤は、ドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl−ソタロール、d−ソタロール、アミオダロンまたはキニジンからなる群より選択され、式Iaおよび/またはIbの化合物は、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミド、
2'-(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸 2-(2-ピリジル)-エチルアミド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸2,4-ジフルオロベンジルアミド、
(S)-2'-(α-メチルベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸2-(2-ピリジル)エチルアミド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イルプロピル)ベンズアミド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよび/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩からなる群より選択される。
IKrチャンネル遮断剤、ならびに式Iaおよび/またはIbの化合物の以下の組み合わせがとくに好ましく、また、それらの成分がそれらの生理学的に耐容性のある塩の形態とすることも可能である。すなわち、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびイブチリド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびドフェチリド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびアミオダロン、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびイブチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびドフェチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびアミオダロン、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびイブチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびドフェチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびアミオダロン、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびイブチリド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびドフェチリド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびアミオダロンの組み合わせとすることも可能である。
さらに、本発明は1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤および式Iaおよび/またはIb:
Figure 0004658919
[式中、
R (1) は3、4もしくは5個の炭素原子を有するアルキルまたはキノリニルであり、
R (2) は1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたはシクロプロピルであり、
R (3) はフェニルまたはピリジルであり、この場合、フェニルおよびピリジルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていて、
Aは -CnH2n- であり、この場合、nは0、1または2であり、
R (4)、R (5)、R (6) および R (7) は互いに独立に水素、F、Cl、CF3、OCF3、CN、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシであり、
Bは-CmH2m- であり、この場合、mは 1または2であり、
R (8) は2もしくは3個の炭素原子を有するアルキル、フェニルまたはピリジルであり、この場合、フェニルおよびピリジルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されていて、
R (9) はC(O)OR (10) またはCOR (10) であり、
R (10) は-CxH2x-R(11) であり、この場合、xは0、1または2でありR (11) はフェニルであり、この場合、フェニルは非置換であるか、またはF、Cl、CF3、OCF3、1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルキルおよび1、2もしくは3個の炭素原子を有するアルコキシからなる群より選択される1または2個の置換基で置換されている] の1もしくは2種以上の化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性ある塩との組み合わせの、心房細動または心房粗動の治療または予防のための医薬の製造における使用に関する。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤と、式Iaおよび/またはIbの化合物の1または2種以上および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩とともに、心房細動または心房粗動の治療または予防用医薬の製造に使用する場合、IKr遮断剤はドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl-ソタロール、d−ソタロール、アジミリド、アミオダロン、E4031、クロフィリウム、アムバシリド、MS551、テディサミル、ベルトサミルまたはキニジンからなる群より選択されことが好ましい。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤と、式Iaおよび/またはIbの化合物1または2種以上および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩とともに、心房細動または心房粗動の治療または予防用医薬の製造に使用する場合、IKr遮断剤はドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl−ソタロール、d−ソタロール、アミオダロンまたはキニジンからなる群より選択されるのがとくに好ましい。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤と、式Iaおよび/またはIbの化合物1または2種以上および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩とともに、心房細動または心房粗動の治療または予防用医薬の製造に使用する場合、IKr遮断剤はドフェチリド、イブチリド、アルモカラント、dl−ソタロール、d−ソタロール、アミオダロンまたはキニジンからなる群より選択され、式Iaおよび/またはIbの化合物は、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミド、
2'-(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸 2-(2-ピリジル)-エチルアミド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸2,4-ジフルオロベンジルアミド、
(S)-2'-(α-メチルベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸 2-(2-ピリジル)エチルアミド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミド、および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩からなる群より選択される。
1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤と、式Iaおよび/またはIbの化合物1または2種以上とともに、心房細動または心房粗動の治療または予防用医薬の製造に使用する場合、以下の組み合わせがとくに好ましく、またそれらの成分はそれらの生理学的に耐容性のある塩とすることも可能である:すなわち、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびイブチリド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびドフェチリド、
2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびアミオダロン、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびイブチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびドフェチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドおよびアミオダロン、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびイブチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびドフェチリド、
2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミドおよびアミオダロン、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびイブチリド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびドフェチリド、
(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドおよびアミオダロンの組み合わせが使用される。
アルキルラジカルおよびアルキレンラジカルは直鎖または分岐鎖とすることができる。これはまた、式 CnH2n、CmH2m およびCxH2x の場合にも当てはまる。アルキルラジカルおよびアルキレンラジカルが置換されている場合、または他の基たとえばアルコキシラジカル中に含まれている場合も、直鎖または分岐鎖とすることができる。アルキルラジカルの例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルまたはn−ペンチルがある。これらのラジカルから誘導される2価のラジカル、たとえばメチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン等がアルキレンラジカルの例である。
ピリジルは、2−、3− および4−ピリジルのいずれかを示す。
キノリニルは2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリルが包含され、8−キノリルラジカルが好ましい。
モノ置換フェニルラジカルは、その2−、3− または4−位に置換することが可能であり、ジ置換は2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4− または3,5−位に置換することが可能である。同じことがピリジルラジカルにも同様に適用される。ラジカルがジ置換されている場合、置換基は同一でも異種でもよい。
式IaまたはIbの化合物が1もしくは2個以上の酸性もしくは塩基性の基または1もしくは2以上の塩基性異項環を含有する場合には、本発明はまた相当する生理学的または毒性学的に耐容性のある塩、とくに医薬的に使用できる塩を包含する。すなわち、式Iaの化合物はスルホンアミド基上で脱プロトン化され、たとえばアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムもしくはカリウム塩、またはアンモニウム塩、たとえばアンモニアまたは有機アミンもしくはアミノ酸との塩として使用される。ピリジンまたはキノリン置換基を含有する式IaまたはIbの化合物はまた、それらの生理学的に耐容性のある有機または無機酸との酸付加塩、たとえば塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩等の形でも使用することができる。
したがって、IKrチャンネル遮断剤はそれらの生理学的に耐容性のある塩の形で使用することができる。
適当に置換されている場合、式Iaの化合物は立体異性体の形で存在することができる。式IaまたはIbの化合物が1または2個以上の不斉中心を含有する場合には、これらは互いに独立に、SコンフィギュレーションまたはRコンフィギュレーションをとることができる。本発明は可能なすべての立体異性体、たとえばエナンチオーマーまたはジアステレオーマーおよび2種以上の立体異性体型たとえばエナンチオーマーおよび/またはジアステレオーマーの任意所望の比での混合物を包含する。エナンチオーマーにはしたがってたとえば、エナンチオーマーとして純粋な形態、左旋性もしくは右旋性対掌体および2種のエナンチオーマーの様々な割合での混合物、またはラセミ体として本発明に包含される。個々の立体異性体の製造は所望により、慣用の方法に従って混合物を分離するか、またはたとえば異性体として純粋な合成単位を使用して実施することができる。
使用できる適当なIKrチャンネル遮断剤には、例えば表1に示す物質がある。
Figure 0004658919
Figure 0004658919
Figure 0004658919
したがって、本発明により使用される式IaおよびIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩は1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤とともに、医薬として有利な様式で、動物、好ましくは哺乳動物とくにヒトで、とくに心房細動の処置に使用され得る。
2種の活性化合物の組み合わせは、式Iaおよび/またはIbの化合物ならびに1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤が1つの医薬中で一緒に投与されるように、または式Iaおよび/またはIbの1または2種以上の活性化合物を含有する医薬と1または2種以上のIKr遮断剤を含有する別個の医薬を同時にまたは任意の順序で順次投与する方法で実施される。
順次投与には、より良好な効果を達成するために、個々の医薬を異なる時点で異なる方法によって投与する組み合わせも包含される。しかしながら一方の医薬の適当な用量をまず投与し、ついで他方の医薬をたとえば輸液によって、所望の組み合わせ効果、たとえば洞調律に電気的除細動が起こるまで投与する。個々の場合に応じて、式Iaおよび/またはIbの活性化合物ならびに1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤を、2種の活性化合物が固定された量的比率で存在する医薬組み合わせ製剤の形態で投与するか、またはそれらを別個の個々の医薬製剤の形態で投与するのがさらに好ましい。2種の活性化合物の量的比率を変動させることが可能な後者の場合は、個々の製剤は適当な一次包装に適するように配置され、適宜、本発明による使用に関する用法の指示とともに共通の包装を施すかまたは個々の製剤は適宜、本発明による使用に関する用法の指示とともに各場合、別個の包装が施される。このタイプのすべての製品および製剤の種類は本発明に包含される。したがって、本発明はたとえば、1または2種以上のIKr遮断剤、ならびに式Iaおよび/またはIbの1または2種以上の化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩を、心房細動または心房粗動の治療または予防のために、同時に、別個にまたは順次、使用することに関する。
本発明による組み合わせにおける式Iaおよび/またはIbの活性化合物対IKr遮断剤(単数または複数)の重量比は通常10,000:1〜1:1の範囲であり、好ましくは100:1〜5:1である。
本発明はまた、慣用の医薬的に無毒のビヒクルに加えた活性成分としてのIaおよび/またはIbの化合物1または2種以上ならびに1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤を含有する医薬製剤を製造するための式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩、ならびに1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤の使用に関し、またたとえば心房性不整脈の処置のための医薬としてのそれらの使用に関する。
さらに本発明は、活性成分として、慣用の医薬的に無毒のビヒクルおよび賦形剤に加えて、有効用量の例Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩の少なくとも1種、ならびに少なくとも1種のIKrチャンネル遮断剤および/またはそれらの生理学的に耐容性の塩を含有し、さらに適宜、付加的に1または2種以上の他の医薬活性化合物を含有する医薬製剤(組み合わせ製剤)に関する。医薬製剤は通常式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩ならびにIKrチャンネル遮断剤および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩、0.1〜90重量%を含有する。
医薬製剤は、それ自体既知の方法により製造することができる。このためには、活性化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩を、1または2種以上の固体または液体の医薬用ビヒクルおよび/または賦形剤とともに、適当な投与形態または剤形に調製し、ヒト医薬または動物医薬用の薬剤として使用することができる。同じことが2種の活性化合物、Kv1.5およびIKr遮断剤および/またはそれらの医薬的に耐容性ある塩を別個に含有する医薬製剤にも適用される。
本発明による式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩ならびに1または2種以上のIKrチャンネル遮断剤および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩、またはその組み合わせに使用される個々の成分を含有する医薬はたとえば経口的に、非経口的に、静脈内に、経直腸的に、吸入により、または局所的に投与されることができるが、好ましい投与経路は個々の場合に依存する。
とくに、式Iaおよび/またはIbの化合物および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩ならびに1または2種以上のIKr遮断剤および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩の組み合わせ製剤は心房細動または心房粗動のような心房性不整脈の処置用として特許請求される。
本技術分野の熟練者は、彼らの熟達した知識に基づき、所望の医薬処方に適当な賦形剤について熟知している。さらに、溶媒、ゲル形成剤、坐薬基剤、錠剤用賦形剤および活性物質の他の担体に加えて、抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、味覚矯正剤、防腐剤、可溶化剤、デポ効果を達成するための補助物質、緩衝物質または着色剤を使用することができる。
経口的投与形態では、化合物をそれに適した添加物たとえばビヒクル、安定化剤または不活性希釈剤と混合し、慣用方法によって適当な投与形態たとえば錠剤、コーティング錠、硬質ゼラチンカプセル、水性、アルコール性または油性溶液を作成する。使用できる不活性担体は、たとえばアラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、ラクトース、グルコースまたはデンプンとくにコーンスターチである。ここでの製造は、乾式法および湿式顆粒法の両者で実施することができる。適当な油性ビヒクルまたは溶媒は、たとえば植物油または動物油たとえばベニバナ油または鱈肝油である。水性またはアルコール性溶液に適当な溶媒はたとえば水、エタノールもしくは糖溶液またはそれらの混合物である。またさらに、他の投与形態のための賦形剤には、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールがある。
皮下、筋肉内または静脈内投与のためには、活性化合物は、所望によりそのために慣用される物質たとえば可溶化剤、乳化剤またはその他の賦形剤とともに溶液、懸濁液または乳化液とする。適当な溶媒はたとえば水、生理食塩溶液、またはアルコールたとえばエタノール、プロパノール、グリセロールであり、さらに糖溶液たとえばグルコースまたはマニトール溶液または上述の各種溶媒のいずれかの混合物である。
エアゾルまたはスプレーの形態の投与に適当な医薬処方は医薬的に無毒の溶媒たとえばとくにエタノールもしくは水またはこのような溶媒の混合物中、活性化合物またはそれらの生理学的に耐容性のある塩の溶液、懸濁液または乳化液である。必要に応じて、処方には更に他の医薬用賦形剤たとえば界面活性剤および安定化剤ならびに噴射剤を含有させることもできる。このような製剤には慣用的に、約0.1〜10重量%、とくに約0.3〜3重量%の濃度の活性化合物を含有する。
本発明により投与される活性化合物またはその生理学的に耐容性のある塩の用量は個々の場合に依存し、至適作用のために慣用されるように、個々の場合の条件に適合させる。すなわち、それはもちろん、治療または予防に使用されるそれぞれの場合における化合物の投与頻度ならびに化合物の作用強度および作用持続に依存するが、また処置される疾患の性質および重症度ならびに処置されるヒトまたは動物の性別、年齢、体重および個々の反応性、また実行される治療が急性もしくは慢性であるか、あるいは予防であるかにも依存する。とくに、心不整脈の急性な症例の処置には、たとえば集中治療ユニットにおける注射または輸液たとえば静脈内連続輸液による非経口的投与も、化合物が医薬として動物好ましくは哺乳動物とくにヒトに使用される場合には有利に使用できる。
式Iaおよび/またはIbのKv1.5遮断剤の用量は通常、1日1例あたり1mg〜1gの範囲で変動させることが可能で(体重約75kgの場合)、好ましくは1日1例あたり5〜750mgである。IKr遮断剤の場合、用量は通常、1日1例あたり5〜500μgである。しかしながら、さらに高用量も適当であり得る。
本発明による組み合わせ処置の場合には、Kv1.5遮断剤(単数または複数)およびIKr遮断剤(単数または複数)および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩は、2つの活性の一方のみを投与する場合よりも低用量を投与することができる。
本発明による組み合わせ処置の場合、活性化合物の1日用量は一度にまたは数回たとえば2、3または4回に分けて投与することができる。
実験の部
略号の一覧表
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
EDAC N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBT 1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
実施例1:2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミド
Figure 0004658919
15.5g(0.115モル)のHOBTおよび21.9g(0.115モル)のEDACを、550mL のTHF中2'-tert-ブトキシカルボニルアミノメチル)-ビフェニル-2-カルボン酸(Brandmeier, V.; Sauer, W. H. B.; Feigel, M.; Helv. Chim. Acta 1994, 77(1), 70-85)37.8g(0.11モル)溶液に加え、反応混合物を室温で45分間攪拌した。ついで14.0g(0.115モル)の3-(2-アミノエチル)ピリジンを添加し、混合物を室温で一夜攪拌した。400mLの水および500mLの酢酸エチルを加え、激しく攪拌したのち、相を分離した。有機相を400mLの飽和食塩溶液で1回、各回400mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄した。活性炭の存在下硫酸マグネシウム上で乾燥したのち、ろ過し、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。
得られた中間体(40.7g)を600mLのメチレンクロリドに溶解し、トリフルオロ酢酸100mLを徐々に滴下した。一夜攪拌したのち、反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を250mLの酢酸エチルで処理し、過剰のトリフルオロ酢酸を留去するため再び濃縮し、得られた粗生成物をメチレンクロリド170mLに溶解した液に72.8g(530mL)のトリエチルアミンを滴下し、DMAP 1gを加えた。ついで、18.7g(100ミリモル)の4-メトキシフェニルアセチルクロリドを5〜10℃で30分を要して滴下し、このバッチを室温で一夜攪拌した。150mLの水を加え、激しく攪拌したのち相を分離し、有機相を100mLの食塩溶液で1回、25mLの1M塩酸で1回および各回100mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄した。活性炭および硫酸マグネシウム上で乾燥したのち、真空中で濃縮した。得られた油状物を熱アセトニトリルに溶解し、放置して徐々に結晶を析出させた。21.5gの2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミド、融点116℃が得られた。
実施例2:2'-(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸2-(2-ピリジル)エチルアミド
Figure 0004658919
この化合物はWO 0125189に示された合成操作によって得られた。
実施例3:2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸2,4-ジフルオロベンジルアミド
Figure 0004658919
この化合物はWO 0125189に示された合成操作によって得られた。
実施例4:(S)-2'-(α-メチルベンジルオキシカルボニルアミノメチル)ビフェニル-2-カルボン酸 2-(2-ピリジル)エチルアミド
Figure 0004658919
この化合物はWO 0125189に示された合成操作によって得られた。
実施例5:2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミド
Figure 0004658919
a)2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)安息香酸
250mLの水中20g(146ミリモル)の2-アミノ安息香酸の懸濁液に、20g(188ミリモル)の炭酸ナトリウムを加えた。ついで、11.4g(72.8ミリモル)のブチルスルホニルクロリドを滴下し、反応混合物を室温で2日間攪拌した。それを濃塩酸で酸性にし、室温で3時間攪拌し、沈積した生成物を吸引ろ過した。真空中で乾燥すると9.6gの2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)安息香酸が得られた。
b)1-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピルアミン
50mLのジエチルエーテル中ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液;25.5ミリモル)の溶液10.2mLに−70℃で3mL(23.2ミリモル)の5-ブロモ-2-メトキシピリジンを加えた。10分後に1.4mL(19.5ミリモル)のプロピオニトリルを加えた。−70℃に2時間置いたのち、反応混合物を徐々に室温まで戻した。ついで2.2gの硫酸ナトリウム・10水和物を加え、1時間攪拌した。次に5gの硫酸マグネシウムを加え、短時間攪拌したのち塩をろ去し、ろ液を濃縮した。残留物を70mLのメタノールに溶解し、1.1g(28ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムを0℃で加えた。一夜攪拌したのち、濃塩酸を用いて、反応混合物のpHを2とし、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。残留物を10mLの水で処理し、ジエチルエーテルで1回抽出した。ついで水相を炭酸水素ナトリウムで飽和させ、真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルで抽出した。乾燥して酢酸エチル抽出液を濃縮すると、1.4gのラセミ1-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピルアミンが得られた。
c)2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミド
1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール4.4g(32.7ミリモル)およびN-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩6.3g(32.7ミリモル)を、250mLのテトラヒドロフラン中2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)安息香酸8.0g(31.1ミリモル)の溶液に加え、反応混合物を90分間攪拌した。ついで20mLのテトラヒドロフラン中ラセミ1-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピルアミン5.4g(32.7ミリモル)の溶液を滴下し、混合物を一夜攪拌した。反応混合物を水250mLで処理し、300mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を各回100mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で5回抽出し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥した。9.0gの2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドが得られた。エナンチオーマーはChiralpak ADHカラム(250×4.6 mm)上製造用HPLCで分離した。溶出液:ヘプタン/エタノール/メタノール10:1:1、温度:30℃、流速:1mL/分。最初に2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[(1(R)-6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミド4.0gが、保持時間5.9分で得られた。混合画分の後に2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(S)-(6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミド3.0gが、保持時間7.2分で得られた。
2gの2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドを加熱下に9mLのイソプロパノールに溶解し、ついで温水8mLを加え、反応混合物を一夜、徐々に冷却した。0℃で吸引ろ過すると、1.5gの2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-[1(R)-6-メトキシピリジン-3-イル)プロピル]ベンズアミドが無色の針状結晶として得られた。融点97℃
実施例6:2-(ブチル-1-スルホニルアミノ)-N-(シクロプロピルピリジン-3-イルメチル)-5-メチルベンズアミド
Figure 0004658919
この化合物はWO 012088073に示された合成操作によって得られた。
実施例7:(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミド
Figure 0004658919
a)5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)安息香酸
325mLの水および325mLの酢酸エチル中10.0g(64ミリモル)の5-フルオロ-2-アミノ安息香酸、16.3g(193ミリモル)の炭酸水素ナトリウムおよび16.3gの8-キノリンスルホニルクロリドの反応混合物を一夜室温で攪拌した。水相を分離し、ついで酢酸エチル50mLで1回抽出した。ついで水相を濃塩酸で酸性にして2時間攪拌した。沈積した沈殿を吸引ろ過し、真空中で乾燥すると19.5gの5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)安息香酸が得られた。
b) 5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミド
5.5g(15.9ミリモル)の5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)安息香酸および2.3g(16.7ミリモル)の(S)-フェニルプロピルアミンから、WO 02100825に記載の操作によって、標記化合物5.7gが得られた。融点163℃
実施例8:(S)-5-フルオロ-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-N-(1-フェニルプロピル)ベンズアミドナトリウム塩
実施例7の化合物5gを120mLの酢酸エチルに溶解した溶液に、30%ナトリウムメトキシド溶液2mLを加えた。沈積したナトリウム塩を吸引ろ過し、25mLのエタノールから再結晶すると標記化合物3.3gが得られた。
薬理学的検討
Kv1.5チャンネルにおける活性の測定
ヒトからのKv1.5チャンネルをXenopus 卵母細胞で発現させた。このためには、まずXenopusの幼虫から卵母細胞を単離して小胞を除去した。ついでこれらの卵母細胞に、インビトロで合成された、Kv1.5をコードするRNAを注入した。、Kv1.5蛋白質の発現後1〜7日間、2つの微小電極ボルテージクランプ法を用いて卵母細胞で、Kv1.5電流を測定した。この場合、一般的に、Kv1.5チャンネルは500ms持続する0mVおよび40mVへの電圧ジャンプを用いて活性化された。浴を、以下の組成:すなわちNaCl 96mM, KCl 2mM, CaCl2 1.8mM, MgCl2 1mM, HEPES 5mM(NaOHを用いてpH 7.4に滴定)の溶液を用いて濯いだ。これらの実験は室温で行われた。データの取得および分析は以下の装置:すなわち遺伝子クランプ増幅器(Axon Instruments, Foster City, 米国)ならびにMacLab D/A コンバーターおよびソフトウエア(AD Instruments, Castle Hill, オーストラリア)を用いて実施した。本発明による物質は浴溶液にそれらを様々な濃度で添加して試験した。物質の効果は、溶液に物質を加えない場合に得られる、Kv1.5対照電流の阻害百分率として計算した。ついでデータは、各物質の阻害濃度、IC50を決定するためにHillの式を用いて外挿した。
この方法で以下に掲げる化合物のIC50値が次のように決定された。
実施例番号 IC 50 [μM]
1 4.7
2 0.7
3 1.4
4 0.2
5 10
6 1.0
7 1.1
正常ヤギおよび心房を再モデリングされたヤギの不応期の検討
実施例1の化合物、IKrチャンネル遮断剤および実施例1の化合物とイブチリドの組み合わせの電気生理学的作用は装置を慢性的に装着したヤギで検討した。実験は、健康なヤギの正常な心房、および1〜4日間存在する心房細動の結果として存在する「電気的再モデリング」における心房について実施した。患者の状態を反映するこの電気的再モデリングはWijffelesらの記載(Atrial fibrillation begets atrial fibrillation. A study in awake chronical instrumented goats. Circulation 1995, 92, 1954-68)のように、反復心房刺激により達成された。
対照として0.9%の食塩溶液を30分間注入したのち物質イブチリドおよび実施例1の化合物を7匹の正常なヤギ(すなわち心房細動を誘導しないで)に、一方、単独療法および他方、2種の活性化合物の組み合わせを静脈内投与し、心房有効不応期(AERP)を測定した。単独療法では、体重1kgあたりイブチリド0.12mgを時間の長さ60分にわたって投与した(1分に0.002mg/kg)。組み合わせでは、体重1kgあたり実施例1の化合物6mgを120分の時間にわたり投与し(1時間に3mg/kg)、60分後に1時間につきイブチリド0.12mgを付加的に60分にわたり投与した。実施例1の化合物の注入はすべて60分で行った。心房性有効不応期の対照の測定はイブチリドの投与前に1回(対照1)および実施例1の化合物の投与前に1回(対照2)に実施した。
正常(a)および再モデリング(b)心房の7匹のヤギにおけるサイクル長400ミリ秒(ms)での心房性有効不応期(AERP)の測定結果を表1にまとめる。イブチチドはそれ自身でAERPを26ms延長し(n=7)、実施例1の化合物では44ms延長した(n=7)。これらの延長は対照値159msおよび162msに対して統計的に有意(p<0.001)であった(各場合の物質投与前)。両物質の組み合わせは、実施例1の化合物の注入後に上述のようにイブチリドを1時間付加的に投与することによって試験した。組み合わせの投与後にはAERPにおいて72msの上昇を生じた(n=7)。組み合わせ投与の場合、作用は相加的であった。
同じ動物について同じ注入スキームを、1〜4日間の心房細動による電気的再モデリングの産生後に反復した。結果を表1にまとめる。これらの動物における制御条件下のAERPはそれぞれ93msおよび97msのみであった(n=7)。イブチリド投与後のAERPの延長は5msであり(n=7)、実施例1の化合物の投与後には63msであった(n=7)。組み合わせの投与後におけるAERPには94msの上昇が観察された(n=7)。
Figure 0004658919
さらに5匹の動物について、イブチリドの代わりにドフェチリドを用いて同様の注入スキームを実施した。0.9%の食塩溶液を対照として30分間注入したのち、物質ドフェチリドおよび実施例1の化合物を、5匹の正常ヤギ(すなわち心房細動を誘導しない)に、一方、単独療法および他方、2種の活性化合物の組み合わせを静脈内注入により投与し、心房有効不応期(AERP)を測定した。単独療法では、体重1kgあたりドフェチリド0.12mgを時間の長さ60分にわたって投与した(1分に0.002mg/kg)。組み合わせでは、体重1kgあたり実施例1の化合物6mgを120分の時間にわたり投与し(1時間に3mg/kg)、60分後に1時間につきドフェチリド0.12mgを付加的に60分にわたり投与した。実施例1の化合物の注入はすべて120分で行った。心房性有効不応期の対照の測定はドフェチリドの投与前に1回(対照1)および実施例1の化合物の投与前に1回(対照2)に実施した
正常(a)および再モデリング(b)心房の7匹のヤギにおけるサイクル長400msでの心房性有効不応期(AERP)の測定結果を表2にまとめる。ドフェチリドはそれ自身でAERPを21ms延長し(n=5)、実施例1の化合物では51ms延長した(n=5)。これらの延長は対照値151msおよび158msに対して統計的に有意であった(各場合の物質投与前)、(p<0.001)。両物質の組み合わせは、実施例1の化合物の注入後に上述のようにドフェチリドを1時間付加的に投与することによって試験した。組み合わせの投与後にはAERPに75msの上昇を生じた(n=5)。組み合わせ投与の場合、作用は相加的であった。
同じ動物について同じ注入スキームを、1〜4日間の心房細動による電気的再モデリングの産生後に反復した。結果を表2にまとめる。これらの動物における制御条件下のAERPはそれぞれ94msおよび93msのみが認められた(n=5)。ドフェチリド投与後のAERPの延長は7msであり(n=5)、実施例1の化合物の投与後には71msであった(n=5)。組み合わせの投与後におけるAERPには91msの上昇が観察された(n=5)。
Figure 0004658919
これらの実験から以下のことが分かる。イブチリドまたはドフェチリドの投与によるAERPに対する陽性作用は、正常な心房におけるよりも再モデリングした心房において著しく低い。この作用は、実施例1の化合物を投与した場合、正常な心房におけるよりも再モデリングした心房において著しく大きい。イブチリドと実施例1の化合物の組み合わせ投与の場合は、再モデリングした心房におけるAERPに対する作用は、正常な心房におけるよりも再モデリングした心房において著しく大きく、また2つの個々の活性化合物の相加作用よりも著しく大きい。これは組み合わせの相乗作用を証明するものである。
慢性的な細動を有するヤギにおける除細動の検討
実験は45日以上の持続的心房細動を有する2匹のヤギについて行った。対照として30分間で0.9%の食塩溶液を注入したのち、実施例1の化合物をヤギに、続けて(各場合に数日の間隔を置いて)、各場合体重1kgおよび1時間あたり90分の期間に0.0(対照)、0.1、0.3、1、3および10mgの量を注入し、60分後に体重1kgあたり2mgのイブチリドを付加的に30分の時間間隔で投与した。
同様に、様々な量の実施例1の化合物を各場合体重1kgおよび1時間あたり60分間で(各場合、体重1kgおよび1時間あたり各場合数日の間隔を置いて0.0(対照)、0.1、0.3、1、3および10mgを)投与したのち、イブチリドの代わりに体重1kgあたり10μgのドフェチリドを、30分の時間間隔で第二のヤギに付加的に投与した。
実施例1の化合物とイブチリドまたは実施例1の化合物とドフェチリドの投与による、持続性の心房細動(AF)の除細動の時間を、実施例1の化合物の様々な用量(体重1kgおよび1時間あたり0.0、0.1、0.3、1、3および10mg)について表3および4に示す。
Figure 0004658919
Figure 0004658919
イブチリドおよび実施例1の化合物の組み合わせの投与後またはドフェチリドおよび実施例1の化合物の組み合わせ投与後における心房細動サイクルの長さ(AFCL)の測定結果を図1および図2に示す。AFCLおよび除細動の測定は継続して実施した。
表3および4は、図1および2と丁度同様に、食塩溶液すなわち体重1kgおよび1時間あたり実施例1の化合物0.0mgの投与は、AFCLおよび除細動に対して有意な作用を示さなかった。
イブチリドはそれ自身ではAFCLに極めて小さな94msから101msへの上昇しか誘導しない(図1、60分後にイブチリド0.0mg/kg/hを投与)。体重1kgおよび1時間あたり実施例1の化合物3mgで処置後、同じ用量のイブチリド(体重1kgおよび30分あたり2mg)はAFCLを50msまで延長させた(147msから197msまで)。化合物1による単独治療では、体重1kgおよび1時間あたり10mgの実施例1の化合物の投与によりやっと除細動をもたらすことが可能であった(表3)。これに対して、イブチリドとの組み合わせの場合には、体重1kgおよび1時間あたり0.3、1および3mgの比較的低用量の実施例1の化合物でも、心房細動の終結を生じた(表3)。
同様な結果がドフェチリドでも得られた。実施例1の化合物なしで、体重1kgおよび30分あたり10μgのドフェチリドの注入後にAFCLは14msだけ上昇したに過ぎず(92msから106msまで)、除細動は起こらなかった。様々な用量(0.1、0.3、1、3または10)の化合物1の注入はそれ自身では用量依存性のAFCLの上昇を招いたが、除細動は起こらなかった。実施例1の化合物とドフェチリドの組み合わせのみが、体重1kgおよび1時間あたり実施例1の化合物の3および10mgの用量で心房細動の終結をもたらした(表4)。
したがってこれらの実験から、実施例1の化合物とイブチリドまたはドフェチリドの組み合わせは、実施例1の化合物の低用量およびイブチリドまたはドフェチリドの極めて低用量において除細動を招き、したがって細動を終結させることが認められる。
様々な用量の実施例1の化合物および付加的なイブチリド(2mg/kg)またはドフェチリド(10μg/kg)における除細動における効果を数匹のヤギで試験するために更なる試験を実施した(表5)。
実験は持続性の心房細動を有する8匹までのヤギで実施した。対照として30分間で0.9%の食塩溶液を注入したのち、実施例1の化合物を8匹までのヤギに(各場合に数日の間隔を置いて)、各場合体重1kgおよび1時間あたり90分の期間に0.0(対照)、0.1、0.3、1、3および10mgの量を注入し、60分後に体重1kgあたり2mgのイブチリドを付加的に30分の時間間隔で投与した。
同様に、様々な量の実施例1の化合物を8匹までのヤギに、体重1kgおよび1時間あたり60分間で(各場合、体重1kgおよび1時間あたり0.0(対照)、0.1、0.3、1、3および10mgを各場合数日の間隔を置いて)投与したのち、イブチリドの代わりに体重1kgあたり10μgのドフェチリドを、30分の時間間隔で付加的に投与した。
実施例1の化合物とイブチリドまたは実施例1の化合物とドフェチリドの投与による持続性心房細動(AF)の除細動の効率を、実施例1の化合物の様々な用量(体重1kgおよび1時間あたり0.0、0.1、0.3、1、3および10mg)について表5に示す。報告した数は除細動が起こったヤギの数対実験を実施したヤギの数およびそれから計算した除細動の効率を百分率で示す。注入期間のいずれかの時期における持続性心房細動のそれぞれの終結は除細動の成功例とみなされた。たとえば、実施例1の化合物の3mg/kg/hでの1時間の注入は、8例中3例のヤギで、AFの終結を導いた。実施例1の化合物(3mg/kg/h)をイブチリドと組み合わせて投与した場合には、7例中6例のヤギでAFは終結した。実施例1の化合物10mg/kgの投与では、イブチリドまたはドフェチリドを付加的に注入されたすべてのヤギで、持続性心房細動は成功裡に終結した。
Figure 0004658919
図中には以下の表題および符号を使用した。
図1:イブチリドと実施例1の化合物の組み合わせの投与後における心房細動サイクルの長さの測定
Y軸:AFCL(ms)
X軸:時間(分)
実施例1の化合物は以下の量を注入した。
10mg/kg/h
3mg/kg/h
1mg/kg/h
0.3mg/kg/h
0.1mg/kg/h
0.0mg/kg/h(対照)
図2:ドフェチリドと実施例1の化合物の組み合わせの投与後における心房細動サイクルの長さの測定
Y軸:AFCL(ms)
X軸:時間(分)
実施例1の化合物は以下の量を注入した。
10mg/kg/h
3mg/kg/h
1mg/kg/h
0.3mg/kg/h
0.1mg/kg/h
0.0mg/kg/h(対照)
イブチリドと実施例1の化合物の組み合わせの投与後における心房細動サイクルの長さの測定結果を示す。 ドフェチリドと実施例1の化合物の組み合わせの投与後における心房細動サイクルの長さの測定結果を示す。

Claims (4)

  1. フェチリド、イブチリドからなる群より選択される1以上のIK r チャンネル遮断剤と、2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミおよび/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩とを組み合わせた心房細動または心房粗動の治療または予防のための組み合わせ医薬。
  2. 2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびイブチリド、又は
    2'-{[2-(4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]メチル}ビフェニル-2-カルボン酸(2-ピリジン-3-イルエチル)アミドおよびドフェチリド
    を含み、またそれらの成分はそれらの生理学的に耐容性のある塩の形態とすることも可能である、請求項1に記載の組み合わせ医薬。
  3. 請求項1または2に記載の成分の組合せ、および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩の組合せと医薬的に許容されるビヒクルおよび添加物を一緒に含有する心房細動または心房粗動の治療または予防のための医薬製剤。
  4. 心房細動または心房粗動の治療または予防に、同時に、別個に、または順番に使用するための、請求項1または2に記載の成分の組み合わせ、および/またはそれらの生理学的に耐容性のある塩の組み合わせを含む医薬製剤。
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