JP4658789B2 - フィレットロール加工機 - Google Patents

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本発明は、例えばクランクシャフト等の棒状のワークにフィレットロール加工を施すフィレットロール加工機に関する。
棒状のワーク、例えば自動車に搭載されるエンジンに用いられるクランクシャフトのクランクピンやジャーナルの隅部外周には、強度確保のため丸み、いわゆるRがつけられている。この隅R部にフィレットロール加工機により冷間圧延加工を施して該部に圧縮残留応力を発生させて疲労強度の向上を図るフィレットロール加工が行われている。
フィレットロール加工機は、例えば図5に概念図を示すように、ベッド101上にチャック機構103を備えたヘッドストック102と、回転センタ105を備えたテールストック104が対向配置され、ヘッドストック102及びテールストック104の軸心、即ちチャック機構103及び回転センタ105によって支持されたワークとなるクランクシャフトWの回転軸線方向に沿って並設された複数のフィレットロール装置110(1個のみ図示)を有している。一方、クランクシャフトWは、図8に示すように複数のジャーナルjと各ジャーナルjの間に配設されたクランクピンp及びウェブbが連続して一体形成され、先端及び基端にセンタ穴Waが形成されると共に基端外周に把持部Wbが形成されている。また、各ジャーナルjの隅部外周に隅R部r1、r2が形成されている。
ヘッドストック102に設けられるチャック機構103は、例えばクランクシャフトWの基端側に形成されたセンタ穴Waに押動センタを係合すると共に把持部Wbを把持して回転駆動する一方、テールストック104は回転センタ105をクランクシャフトWの先端に形成されたセンタ穴Waに係合してクランクシャフトWを回転自在に支持する。
フィレットロール装置110は、図6に示すように開閉用シリンダ機構107によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアーム111、112を有し、一方のクランプアーム111の先端にジャーナルjの隅R部r1、r2に臨むフィレットロール115a、115bを回転自在に保持するフィレットロール治具116が設けられ、他方のクランプアーム112に把持ロール114を回転自在に軸支する把持ロール治具113が設けられている。
フィレットロール115a、115bを回転自在に保持するフィレットロール治具116は、図6及び図7に図6のIV−IV線断面図を示すように、クランアーム111の先端に略L字状に切り欠き形成されたフィレットロール治具装着部111aに嵌合して位置決めされ、かつ係止片122a及び取付ボルト122b等の固設手段122によって固設される中空状のハウジング117を有し、ハウジング117の中空部117aに連続して開放された先端に、フィレットロール突出部118a、118bが開口するホルダ118によって抜け止めされて回転自在にフィレットロール115a、115bが保持されている。これらフィレットロール115a、115bは、ハウジング117内にバックアップロール支持軸119及びニードルベアリング120によって回転自在に支持されたバックアップロール121の外周に沿って環状に形成された第1周溝121a及び第2周溝121bに当接して支持されている。
このように構成されたフィレットロール加工機において、ヘッドストック102のチャック機構103及びテールストック104の回転センタ105によりクランクシャフトWを支持し、開閉用シリンダ機構107によってクランプアーム111、112をクランプ動作させてフィレットロール115a、115bと把持ロール114との間でジャーナルjをクランプし、クランクシャフトWを回転させることにより、バックアップロール121に支持されて公転及び自転するフィレットロール115a、115bにより隅R部r1、r2にフィレットロール加工が施される。
このフィレットロール加工にあたりフィレットロール115a、115bは、クランプ力によってクランクシャフトWのジャーナルjの端部に形成された隅R部r1、r2に押圧され公転及び自転することから、フィレットロール115a、115bと加工面となる隅R部r1、r2との間の摩擦係数が高く、フィレットロール115a、115bの摩耗が激しくなり隅R部r1、r2の面精度に影響して所期のフィレットロール加工効果が達成できないおそれがある。
このため一般にフィレットロール115a、115bと隅R部r1、r2の間のフィレットロール加工部に潤滑油を供給して潤滑油の存在下でフィレットロール加工が行われる。
フィレットロール加工部への潤滑油供給は、潤滑油を貯留する潤滑油タンク123から供給ポンプ124によりクランプアーム111に穿設された潤滑油通路111b及びフィレットロール治具116のハウジング117に穿設された潤滑油通路117bを経由してハウジング117の中空部117a内に常時供給し、中空部117a内においてバックアップロール121及びニードルベアリング120を潤滑すると共に、フィレットロール115a、115bを潤滑し、中空部117a内からホルダ118のフィレットロール突出口118a、118bを介して送り出される潤滑油によってクランクシャフトWの隅R部r1、r2を潤滑する。
このフィレットロール115a、115b及びクランクシャフトW等のワークを潤滑し、このフィレットロール加工に使用された潤滑油は、樋状に形成されたベッド101上に落ちて受け止められて回収され、フィルタ及びセパレータ等の異物除去装置125によって潤滑油に混在するゴミやフィレットロール加工時に発生した微細な切粉等の異物が除去された後に、回収ポンプ126によって再び潤滑油タンク123に供給されて、繰り返し使用される。
また、ワークの加工面とフィレットロールとの間の摩擦係数を低減させるためにフィレットロールの表面に硬質炭素被膜を形成し、ミスト状の潤滑油の存在下、いわゆるセミドライ潤滑によるフィレットロール加工を行うことによって、フィレットロールとワークの加工面を潤滑することも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−66700号公報
上記潤滑油タンク123内の潤滑油を供給ポンプ124により常時フィレットロール治具116の中空部117a内に圧送して供給し、バックアップロール121及びニードルベアリング120及びフィレットロール115a、115bを潤滑し、かつフィレットロール突出口118a、118bから送り出される潤滑油によってクランクシャフトWの隅R部r1、r2を潤滑しつつ行われる従来のフィレットロール加工にあたっては、液状で連続して供給される潤滑油によってフィレットロール115a、115b及び加工部となる隅R部r1、r2の潤滑が十分に行われる。
しかし、供給ポンプ124によってフィレットロール115a、115b及びクランクシャフトWの隅R部r1、r2に潤滑油が液状で連続して供給されることから、フィレットロール加工機によってフィレットロール加工されたクランクシャフトWには多くの潤滑油が付着している。この付着した潤滑油はクランクシャフトWと共にフィレットロール加工機から持ち出されることから、潤滑油の消費量が多くなると共に、フィレットロール加工後にクランクシャフトWに付着した潤滑油を除去する洗浄工程が必要になる。この洗浄工程において洗浄液を循環使用するが、この循環使用される洗浄液に潤滑油、ゴミや微細な切粉等の異物が混入して洗浄液の性能低下を招き洗浄液の早期交換が余儀なくされる。この洗浄液の交換周期が短くなると、処理すべき洗浄液が多くなり廃液処理による環境負荷の増大を招くことになり、逆に交換周期を長くすると、洗浄精度の低下を招くと共に、嫌気性バクテリアの繁殖により悪臭が発生して作業環境の悪化を招くことになる。
また、フィレットロール加工に使用された過剰の潤滑油を回収して繰り返し使用するために、ベッド101を樋状に形成し、更に異物除去装置125、回収ポンプ126等の付帯設備を要することから、設備コスト及ランニングコストが増大する。
一方、特許文献1によると、ミスト状の潤滑油の存在下でフィレットロール加工をすることによって、潤滑油の消費量をある程度削減することができる。しかし、フィレットロール加工部に直接潤滑油を給油する直接給油でないので、潤滑油の不足によりフィレットロールと加工面との間の摩擦係数の増大が懸念されると共に、ワークの加工部とフィレットロールとの間の摩擦係数を低減させるためにフィレットロールの表面に硬質炭素被膜を形成することから、フィレットロール加工機等の設備コスト及びランニングコストの増大を招く要因となる。
従って、かかる事情に鑑みなされた本発明の目的は、設備コスト及びランニングコストの削減を図りかつ、潤滑油による良好な潤滑機能を確保すると共に潤滑油の消費量を大幅に低減し、廃液処理による環境負荷が軽減できるフィレットロール加工機を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のフィレットロール加工機の発明は、アーム開閉機構によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアームを有し、一方のクランプアームにフィレットロールを回転自在に支持するフィレットロール治具が設けられ、他方のクランプアームに把持ロールを回転自在に支持する把持ロール治具が設けられ、上記アーム開閉機構によって上記クランプアームをクランプ動作させて上記フィレットロールと把持ロールとの間で回転する棒状ワークをクランプして該棒状ワークにフィレットロール加工を施すフィレットロール加工機において、上記フィレットロール治具は、上記一方のクランプアームに形成されたフィレットロール治具装着部に装着される中空状で上記フィレットロールを回転自在に保持するハウジングと、該ハウジングの中空部内に回転自在に軸支されて外周面に上記フィレットロールが転動自在に当接する環状の周溝が形成されたバックアップロールとを有し、上記ハウジングに配設された潤滑油ノズルから上記中空部内に軸支されたバックアップロールの周溝にセミドライ潤滑油生成装置で生成されたミスト状の潤滑油を吹付け供給する潤滑油供給回路を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1のフィレットロール加工機において、上記ハウジングは一対のフィレットロールを回転自在に保持すると共に、上記バックアップロールの外周面に上記各フィレットロールがそれぞれ転動自在に当接する環状の第1周溝及び第2周溝が形成され、上記ハウジングに一対の潤滑油ノズルが配置され、各潤滑油ノズルからそれぞれ上記バックアップロールの第1周溝及び第2周溝に上記セミドライ潤滑油生成装置で生成されたミスト状の潤滑油を吹付け供給することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のフィレットロール加工機において、上記ハウジングに穿設されたノズル装着孔に上記潤滑油ノズルが差し込み装着されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記バックアップロールの周溝へのミスト状の潤滑油の吹付け供給に連続して上記セミドライ潤滑油生成装置から潤滑油を含まないエアを上記潤滑油供給回路を介して上記潤滑油ノズルからハウジングの中空部内に供給することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記バックアップロールは、上記ハウジングに配設されたバックアップロール支持軸にベアリングを介在して回転自在に軸支され、上記バックアップロール及びまたは上記ハウジングは、上記バックアップロールの周溝に吹付け供給されたミスト状の潤滑油の一部を上記ベアリングに誘導する潤滑油供給構造を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記フィレットロール治具は、上記回転するバックアップロールの外周面に摺接してバックアップロールに付着した異物を除去するスクレーパを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によると、フィレットロール治具に配置されたバックアップロールの周溝にセミドライ潤滑油生成装置で生成されたミスト状の潤滑油を吹付ける。このバックアップロールの周溝に付着したミスト状の潤滑油がバックアップロールの回転に伴って周溝に圧接して回転するフィレットロールに付着してフィレットロールを潤滑し、このフィレットロールに付着した潤滑油をフィレットロールが押接する棒状ワークの加工部に付着して該棒状ワークの加工部に供給することから、潤滑油が、フィレットロールと棒状ワークの加工部との間の極めて制限された必要な部分にのみ集中的に供給され、過不足のない潤滑油による良好な潤滑機能を確保できる。従って、フィレットロール加工された棒状ワークに付着する過剰の潤滑油が大幅に低減して棒状ワークと共にフィレットロール加工機から持ち出される潤滑油が極めて少なくなり、従来の潤滑油を液状で連続してフィレットロール及び加工部に供給して潤滑する潤滑方法やミスト状の潤滑油の存在下で行われるフィレットロール加工に比べ潤滑油の消費量を大幅に低減することができる。
また、フィレットロール加工後の棒状ワークと共にフィレットロール加工機から持ち出される潤滑油が極めて少なくなることから、ワークに付着した潤滑油を除去する洗浄工程が不要或いは洗浄工程を簡素化することができる。また、洗浄工程を有する場合でも、洗浄液に混入する潤滑油が極めて少なくなり、洗浄液の性能低下が抑制されて洗浄液の交換周期が長くでき、交換に伴う処理すべき洗浄液が削減されて廃液処理による環境負荷を抑制することができる。
更に、潤滑が必要なフィレットロールと棒状ワークとの間のフィレットロール加工部に集中的に潤滑油が過不足なく供給され、従来のようにフィレットロールの表面に硬質炭素被膜を形成する必要もなく、かつ従来のフィレットロール加工機のようにフィレットロール加工に使用された過剰の潤滑油をベッドによって受け止める必要がなくなり、ベッドを樋状に形成する必要がなくなりベッドの形状が簡素化され、かつ潤滑油を繰り返し使用するため必要であった異物除去装置、回収ポンプ等の付帯設備の省略が可能になり、設備コスト及ぶランニングコストが大幅に削減できる。
請求項2の発明は、バックアップロールに第1周溝及び第2周溝を設け、各第1周溝及び第2周溝にそれぞれフィレットロールが転動自在に当接支持されるフィレットロール治具を備えたフィレットロール加工機に適用することによって、ハウジングに配置された各潤滑ノズルからバックアップロールの第1周溝及び第2周溝にミスト状の潤滑油を吹付けて供給し、第1周溝及び第2周溝に付着した潤滑油を対応する各フィレットロールに付着供給することにより、各フィレットロールと棒状ワークの各加工部との間が過不足のない潤滑油により良好に潤滑される。
請求項3の発明によると、ハウジングに穿設されたノズル装着孔に潤滑油ノズルを差し込み装着することによって、潤滑油ノズルの交換性の向上が得られる。
請求項4の発明によると、バックアップロールの周溝へのミスト状の潤滑油の吹付け供給に連続して潤滑油を含まないエアを潤滑油ノズルからハウジングの中空部内に供給することによって、フィレットロール治具の中空部内が正圧に維持され、中空部内に微細な切粉や塵等の侵入が抑制される。また、フィレットロール治具が冷却されてバックアップロールやフィレットロールの耐久性が向上すると共に安定したフィレットロール加工精度が得られる。
請求項5の発明によると、バックアップロールの周溝に吹付け供給されたミスト状の潤滑油をバックアップロールを回転自在に支持するベアリングに誘導する潤滑油供給構造を備えることにより、ベアリングの潤滑性が確保されて良好なバックアップロールの回転及びベアリングの耐久性が向上する。
請求項6の発明によると、バックアップロールに付着した異物を除去するスクレーパを備えることによって、バックアップロールに付着した異物が除去されてフィレットロールに安定したロール圧が付与されてフィレットロール加工精度が向上する。
以下、本発明によるフィレットロール加工機の実施の形態をワークがクランクシャフトの場合を例に図1乃至図4を参照して説明する。なお、ワークとなるクランクシャフトは上記図8に示すクランクシャフトと同様の構成であり、説明を省略する。
図1は、フィレットロール加工機1の概念図である。フィレットロール加工機1は、ベッド2上にチャック機構4及びチャック機構4を回転駆動する駆動モータ5を備えたヘッドストック3と、回転センタ7を備えたテールストック6が対向配置され、ヘッドストック3及びテールストック6の軸心、即ちチャック機構4及び回転センタ7によって支持されたクランクシャフトWの回転軸線方向に沿って並設された複数のフィレットロール装置10(1個のみ図示)を有している。ベッド2のヘッドストック3とテールストック6との間には、リフタ8aの昇降によって、そのリフタ8aに載置されたクランクシャフトWを昇降するワーク昇降装置8が配置されている。
ヘッドストック3に設けられるチャック機構4は、クランクシャフトWの基端に形成されたセンタ穴Waに図示しない持ち込みセンタを係合すると共に把持部Wbを把持し、かつクランクシャフトWを回転駆動する一方、テールストック6は回転センタ7をクランクシャフトWの先端に形成されたセンタ穴Waに係合してクランクシャフトWを回転自在に支持する。
各フィレットロール装置10は、図2に示すように互いに支軸11によって軸支されアーム開閉機構である開閉用シリンダ機構12の伸縮作動によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアーム15、16を有し、一方のクランプアーム15の先端にクランクシャフトWに形成されたジャーナルjの各隅R部r1、r2に臨むフィレットロール53a、53bを回転自在に保持するフィレットロール治具31が設けられ、他方のクランプアーム16の先端に把持ロール19を回転自在に軸支する把持ロール治具18が設けられている。
フィレットロール治具31を取り付けるクランプアーム15の先端に、フィレットロール治具31を取り付けるフィレットロール治具装着部21が形成されている。
フィレットロール治具装着部21は、図2、図2のA部拡大図を示す図3、図3のI−I線断面図及びII−II線断面図をそれぞれ図4の(a)、(b)に示すように、クランプアーム15の先端にクランプアーム15の基端側から先端側に延在して他方のクランプアーム16と対向する第1保持部22と、第1保持部22の基端側からクランプアーム16側に延在する第2保持部23とによって側面視状態において鋭角な略L字状に切り欠き形成されている。
第1保持部22には平坦なノズル保持部25が形成され、クランプアーム15にはフィレットロール治具装着部21と反対側の外側面15aに導入口が開口すると共にノズル保持部25に送出口が開口する一対の潤滑油通路27、28が穿設されている。
一方、フィレットロール治具31は、ハウジング本体33とハウジングカバー45によって中空状に形成されたハウジング32を有している。
ハウジング本体33は、側面視略矩形の第1及び第2側面部34、35及び、これら第1及び第2側面部34、35の各端縁に沿って形成されてフィレットロール治具装着部21の第1保持部22に嵌合する第1取付部36と、第2保持部23に嵌合する第2取付部37と、第1取付部36の先端側に連続形成されたほぼ平坦な先端部38と、フィレットロール取付部39とを有するブロック状であって、第1側面部34を底として第2側面部35及びフィレットロール取付部39に開口部が連続形成されて上記回転軸線方向に連続する円弧状、より詳しくは優弧状の周面40aを有し、後述するバックアップロール48を収容する略有底円孔状の中空部40が形成されている。
更に、ハウジング本体33の第1取付部36には平坦なノズル保持部41が形成され、ノズル保持部41にクランプアーム15に形成された各潤滑油通路27、28の送出口に対向して挿入口が開口すると共に突出口が中空部40の周面40aに開口する一対の潤滑油ノズル装着孔42、43が穿設されている。また、第1側面部34には軸支部34aが穿設されている。
一方、ハウジングカバー45は、ハウジング本体41の第2側面部35に第1側面部34と対向して取り付けられて中空部40の開口部側を閉塞すると共に、第1側面部34に穿設された軸支34aと同軸上に軸支部45aが穿設されている。
これらハウジング本体33の第1側面部34とハウジングカバー45の間に、バックアップロール支持軸46の比較的大径に形成された軸本体部46aが挟持され、その軸端部46b、46cが各軸支部34a及び45aに嵌挿支持されてバックアップロール支持軸46が中空部40内に架設されている。
バックアップロール支持軸46の軸本体部46aにニードルベアリング47を介してバックアップロール48が回転自在に支持されている。バックアップロール48の外周面49には、各側縁に沿ってそれぞれ環状に形成された第1周溝49a及び第2周溝49bが形成されている。
また、バックアップロール48の側面に形成された潤滑油誘導溝48cやハウジング32に形成された潤滑油誘導溝(図示せず)等のバックアップロール48に吹付けられたミスト状の潤滑油をニードルベアリング47に誘導する潤滑油供給構造を備えている。これによりニードルベアリング47の潤滑性が良好になりバックアップロール48の円滑な回転及びニードルベアリング47及びバックアップロール48の耐久性が確保できる。
ハウジング32のフィレットロール取付部39に、フィレットロール突出部51aが開口するホルダ51が取り付けられ、フィレットロール突出部51a、51bによって抜け止めされて回転自在にフィレットロール53a、53bが保持されている。これらフィレットロール53a、53bは、それぞれバックアップロール支持軸46及びニードルベアリング47によって回転自在に支持されたバックアップロール48の第1周溝49a、第2周溝49bに転動可能に当接して支持されている。
更に、フィレットロール治具31には、基端が中空部40の周面40aに支持され先端がバックアップロール48の外周面49に摺接して外周面49に付着した微細な切粉等を除去するスクレーパ54が配設されている。
このように構成されたフィレットロール治具31の各ノズル装着孔42、43に、潤滑油ノズル55を装着する。潤滑油ノズル55は、ノズル装着孔42、43より大径でノズル保持部41に当接可能な環状のフランジ部56と、このフランジ部56と同軸上に一体形成されてノズル装着孔42、43に嵌挿すると共に先端部が中空部40の周面40aに臨む軸部57を有し、更にフランジ部56の中央部に潤滑油導入口58aが開口しかつ軸部57の先端部57aに噴出口58bが軸部中心軸に対して傾斜して開口する潤滑油孔58が穿設されている。フランジ部56には潤滑油導入口58aの周囲に環状のシール部材59を嵌装されている。
この潤滑油ノズル55は、図4(a)に示すようにノズル装着孔42に軸部57をフランジ部56がノズル保持部41に当接するまで挿入し、かつ潤滑油孔58の噴出口58bがバックアップロール48の第1周溝49aに向かって開口するように装着される。また、他の潤滑油ノズル55は、図4(b)に示すようにノズル装着孔43に軸部57をフランジ部56がノズル保持部41に当接するまで挿入し、かつ潤滑油孔58の噴出口58bがバックアップロール48の第2周溝49bに向かって開口するように装着される。このように潤滑油ノズル55をノズル装着孔42、43に差し込み装着するように構成することによって、潤滑油ノズル55の着脱が容易にかつ迅速に行え、潤滑油ノズル55の交換性の向上が得られる。
各ノズル装着孔42及び43に潤滑油ノズル55が装着されたフィレットロール治具31は、第1取付部36及び第2取付部37をそれぞれクランプアーム15に形成されたフィレットロール治具装着部21の第1保持部22及び第2保持部23に嵌合して位置決めし、クランプアーム15に係止片60a及び取付ボルト60b等の固設手段60によって固設する。このフィレットロール治具31の取り付けによってノズル装着孔42、43に装着された各潤滑油ノズル55のフランジ部56に装着されたシール材59がフィレットロール治具装着部21のノズル保持部25に圧接してクランプアーム15に形成された潤滑油通路27、28とフィレットロール治具31のノズル装着孔42及び43に装着された各潤滑油ノズル55の潤滑油孔58がそれぞれ液密的に連通する。
次にこのように構成されたフィレットロール加工機1への潤滑油を供給する潤滑油供給手段70について図2を参照して説明する。
潤滑油供給手段70は、エア供給源71から供給されるエアを調圧する空気圧調整ユニット72、潤滑油供給源となる潤滑油タンク73、セミドライ潤滑油生成装置75を有し、エア供給源71からのエアを空気圧調整ユニット72で調圧し、セミドライ潤滑油生成装置75によって空気圧調整ユニット72から供給されるエア及び潤滑油タンク73からの潤滑油を霧化したミスト状の潤滑油を生成し、或いは潤滑油を含まないエアを供給路68、69を介してフィレットロール装置10のクランプアーム15に穿設された潤滑油通路27、28に供給する。これら供給路68、69及びクランプアーム15に穿設された潤滑油通路27、28によってセミドライ潤滑油生成装置75で生成されたミスト状の潤滑油或いは潤滑油を含まないエアをフィレットロール治具31に配設された各潤滑油ノズル55に供給する潤滑油供給回路を構成する。
セミドライ潤滑油生成装置75は、電磁バルブによって形成された切換バルブ76、一対の流量調整手段となる流量制御弁77A、77B、ミスト生成部78A、78B、及び潤滑油ポンプ79A、79Bを有している。潤滑油ポンプ79A、79Bは、それぞれエア圧室79Aa、79Baに供給されるエア圧でスプリング79Ab、79Bbの付勢に抗して後退位置から前進位置まで前進移動して油圧室79Ac、79Bc内の潤滑油を送出すると共にエア圧室79Aa、79Ba内のエアを排出することによりスプリング79Ab、79Bbの付勢によって前進位置から後退位置まで後退移動して潤滑油路80を介して潤滑油タンク73内の潤滑油を油圧室79Ac、79Bc内に吸入するプランジャ79Ad、79Bdを有する。
更に、切換バルブ76からミスト生成部78A及び78Bにエアを供給するエア供給路81及びエア供給路81に連続して流量制御弁77Bが介装されたエア供給路82a、エア供給路81からミスト生成部78Bにエアを供給する流量制御弁77Bが介装されたエア供給路82b、エア供給路81から分岐して各潤滑油ポンプ79A、79Bのエア圧室79Aa、79Baにエアを供給するエア供給路83と、潤滑油ポンプ79A及び79Bの各油圧室79Ac、79Bcからミスト生成部78A、78Bに潤滑油を送給する油路85a、85bを有している。
切換バルブ76は、給電、即ちONにより空気圧調整ユニット72によって調圧されたエアをエア供給路81側に供給するON状態と、給電停止、即ちOFFにより空気圧調整ユニット72からエア供給路81側へ供給されるエアを遮断すると共にエア供給路81を大気開放するOFF状態に切り換えられる。
そして、切換バルブ76に通電し、切換バルブ76を図2に示すOFF状態からON状態に切り換えることにより、空気圧調整ユニット72によって調圧されたエアがエア供給路81から流量制御弁77Aが介在するエア供給路82aを介してミスト生成部78Aに供給され、ミスト生成部78Aから供給路68にエアが供給される。また、流量制御弁77Bが介在するエア供給路82bを介してミスト生成部78Bに供給され、ミスト生成部78Bから供給路69にエアが供給される。
更に、この切換バルブ76のOFF状態からON状態への切り換えによりエア供給路81から分岐したエア供給路83から各潤滑油ポンプ79A、79Bのエア圧室79Aa、79Baにエアが供給され、潤滑油ポンプ79A、79Bのプランジャ79Ad、79Bdが後退位置から前進位置に前進移動して停止する。このプランジャ79Adの前進移動により潤滑油ポンプ79Aの油圧室79Ac内の潤滑油が油路85aを介してミスト生成部78Aに送給され、ミスト生成部78Aにおいてエア供給路82a側から供給されるエアによって霧化されてミスト状の潤滑油が生成され、このミスト生成部78Aで生成されたミスト状態の潤滑油が供給路68に送給される。また、この潤滑油ポンプ79Aによってミスト生成部78Aに送給された潤滑油がエア供給路82aから供給されるエアによって霧化されたミスト状の潤滑油が供給路68に送給された後は、引き続きエア供給路82aから送給されたエアのみが供給路68に送給される。
同様に、潤滑油ポンプ79Bにおいても、プランジャ79Bdの前進移動により潤滑油ポンプ79Bの油圧室79Bc内の潤滑油が油路85bを介してミスト生成部78Bに送給され、ミスト生成部78Bにおいてエア供給路82b側から供給されるエアによって霧化されてミスト状態の潤滑油が生成され、ミスト生成部78Bで生成されたミスト状の潤滑油が供給路69に送給される。また、潤滑油ポンプ79Bによってミスト生成部78Bに送給された潤滑油がエア供給路82bから供給されるエアによって霧化されたミスト状の潤滑油が供給路69に送給された後は、引き続きエア供給路82bから送給されたエアのみが供給路69に送給される。
一方、切換バルブ76への給電停止、即ちOFFにより切換バルブ76がON状態から図2に示すOFF状態に切り換えられ、空気圧調整ユニット72側からエア供給路81へのエア供給が停止すると共に、潤滑油ポンプ79A及び79Bの各エア圧室79Aa、79Baがエア供給路81及び切換バルブ76を介して開放され、各潤滑油ポンプ79A、79Bのプランジャ79Ad、79Bdはスプリング79Ab、79Bbの付勢により前進位置から後退位置に後退移動し、このプランジャ79Ad、79Bd後退移動により潤滑油タンク73内の潤滑油がそれぞれの油圧室79Ac、79Bc内に供給される。
従って、切換バルブ76をOFF状態からON状態に切り換えることにより、このONに切り換え後の初期段階において霧化されたミスト状の潤滑油が供給路68及び69、クランプアーム15に形成された潤滑油通路27、28を介して各潤滑油ノズル55に送られ、各潤滑油ノズル55の潤滑油孔58からフィレットロール治具31の中空部40内に配置されたバックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bにミスト状の潤滑油が吹付けられる。
しかる後は切換バルブ76がON状態を維持されている間は供給路68、69、潤滑油通路27、28及び各潤滑油ノズル55の潤滑油孔58からフィレットロール治具31の中空部40内にエアのみが供給される。一方、切り換えバルブをON状態からOFF状態に切り換えることによって潤滑ポンプ79A、79Bの油圧室79Ac、79Bcに潤滑油タンク73から潤滑油が供給される。
予め設定された間隔で切換バルブ76の給電及び給電停止、即ちON、OFFを繰り返すことによって、切換バルブ76がOFF状態からON状態、及びON状態からOFF状態に切り換えられ、バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bにミスト状の潤滑油が周期的に吹付けられ、バックアップロール48に吹付け供給される潤滑油の量が設定されて、バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bに摺接するフィレットロール53a、53bに供給される潤滑油の量が設定される。
次に、このように構成されたフィレットロール加工機の作用を説明する。
ワーク把持部Wbが形成された基端側をヘッドストック3側に、先端側がテールストック6となるように延在させてクランクシャフトWをワーク昇降装置8のリフタ8a上に載置して準備し、リフタ8aの上昇によりクランクシャフトWをヘッドストック3に設けられたチャック機構4及びテールストック6の回転センタ7の軸心位置まで上昇させて、ヘッドストック3及び回転センタ7の前進移動によりチャック機構4に設けられた持ち込みセンタをセンタ穴Waに嵌合すると共に把持部Wbを把持する一方、回転センタ7をセンタ穴Waに嵌合してクランクシャフトWをチャック機構4及び回転センタ7により支持する。その後ワーク昇降装置8のリフタ8aを下降させて退避させる。
続いて、フィレットロール装置10の開閉用シリンダ機構12によりクランプアーム15、16を閉じ、フィレットロール治具31に支持されたフィレットロール53a、53bをジャーナルjの各隅R部r1、r2に接触させ、かつ把持ロール治具18に支持された把持ロール19をジャーナルjの周面に接触する低圧のクランプ力でジャーナルjをクランプする。このとき各フィレットロール53a、53bはホルダ51のフィレットロール突出部51a、51bによって遊びをもってフィレットロール治具31に支持されることから、それぞれ各隅R部r1、r2に倣いながら入り込むと共に、各フィレットロール53a、53bはそれぞれバックアップロール48の第1周溝49a、第2周溝49bに当接して支持される。
続いて、駆動モータ5によってチャック機構4を回転駆動する。チャック機構4の回転によりクランクシャフトWを回転駆動すると共に、フィレットロール装置10の開閉用シリンダ機構12によりクランプアーム15と16によるクランプ力を徐々に高める。クランプ力の上昇に伴ってフィレットロール治具31にバックアップロール支持軸46及びニードルベアリング47によって支持されたバックアップロール48を介してフィレットロール53a、53bが回転するクランクシャフトWの各隅R部r1、r2に徐々に押圧され、かつ各隅R部r1、r2に圧接するフィレットロール53a、53bがクランクシャフトWの回転に伴って連れ廻り、回転するフィレットロール53a、53bによってバックアップロール48が回転すると共にバックアップロール48によってフィレットロール53a及び53bの反力が受け止められて所要のロール圧によるフィレットロール53a、53bにより各隅R部r1、r2にフィレットロール加工を施す。
このフィレットロール加工の際、予め設定された時間的間隔で潤滑油供給手段70の切換バルブ76への給電及び給電停止、即ちON、OFFが繰り返される。
この切換バルブ76をOFF状態からON状態に切り換えることにより、空気圧調整ユニット72によって調圧されたエアがエア供給路81からエア供給路82a、82bを介して各ミスト生成部78A、78Bに供給され、各ミスト生成部78A、78Bから供給路68、69及びクランプアーム15に形成された潤滑油通路27、28、フィレットロール治具31の各ノズル装着孔42、43に装着された各潤滑油ノズル55を介してフィレットロール治具31の中空部40内にエアが供給される。
この切換バルブ76をON状態に切り換え後の初期段階において、エア供給路71から分岐したエア供給路83から各潤滑油ポンプ79A、79Bのエア圧室79Aa、79Baにエアが供給され、プランジャ79Ad、79Bdの前進移動により潤滑油ポンプ79A、79Bの各油圧室79Ac、79Bc内の潤滑油が油路85a、85bを介してミスト生成部78A、78Bに送給され、ミスト生成部78A、78Bにおいてそれぞれエア供給路82a、82b側から供給されるエアによって霧化されたミスト状態の潤滑油が供給路68、69に送給され、クランプアーム15に形成された潤滑油通路27、28、フィレットロール治具31の各ノズル装着孔42、43に装着された各潤滑油ノズル55を介してフィレットロール治具31の中空部40内に配置されたバックアップロール48の各第1周溝49a及び第2周溝49bに向かってミスト状の潤滑油が吹付けられる。
バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bに向けて吹付けられたミスト状の潤滑油の一部は、バックアップロール48をバックアップロール支持軸46に回転自在に支持するニードルベアリング47を潤滑する。一方、バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bに付着したミスト状の潤滑油は、バックアップロール48の回転に伴って運ばれて第1周溝49a、第2周溝49bにそれぞれ圧接して回転するフィレットロール53a、53bに付着してフィレットロール53a、53bを潤滑すると共に自転するフィレットロール53a、53bが押接する隅R部r1、r2を潤滑する。
この潤滑油ポンプ79A、79Bによってミスト生成部78A、78Bに送給された潤滑油が霧化されて供給路68、69に送給された後は、エア供給路82a、82bから送給されたエアのみが供給路68、69に送給され、クランプアーム15に形成された潤滑油通路27、28、フィレットロール治具31の各ノズル装着孔42、43に装着された各潤滑油ノズル55を介してフィレットロール治具31の中空部40にエアが供給されて、中空部40内が加圧される。そのエアはホルダ51に開口する各フィレットロール突出部51a、51bとフィレットロール53a、53bとの隙間から外部に流出する。これにより、フィレットロール治具31の中空部40内は正圧に維持され、中空部40内に微細な切粉や塵等の侵入が抑制される。また、フィレットロール治具31の中空部40内に供給されるエアによって、フィレットロール治具31、特にバックアップロール48、ニードルベアリング47及びフィレットロール53a、53b等が冷却され、これらの耐久性が向上すると共に安定したフィレットロール加工精度が得られる。
しかる後、切換バルブ76がON状態からOFF状態に切り換えられと、空気圧調整ユニット72側からエア供給路81へのエア供給が停止すると共に、ミスト生成部78A、78B側からエア供給路81側へのエアの逆流が流量制御弁77A、77Bによって制限されてフィレットロール治具31の中空部40内は正圧状態が維持される。更に、潤滑油ポンプ79A及び79Bの各エア圧室79Aa、79Baがエア供給路81及び切換バルブ76を介して開放され、各潤滑油ポンプ79A、79Bのプランジャ79Ad、79Bdがスプリング79Ab、79Bbの付勢により前進位置から後退位置に後退移動して各油圧室79Ac、79Bc内に潤滑油タンク73内の潤滑油が供給される。
切換バルブ76がOFF状態からON状態、ON状態からOFF状態への切り換えは、フィレットロール53a、53bによるフィレットロール加工工程において、周期的に繰り返しされてバックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bにミスト状の潤滑油が周期的に吹付けられ、バックアップロール48に吹付け供給される潤滑油の量が設定されてフィレットロール53a、53bに供給される潤滑油の量が設定される。この切換バルブ76のOFF状態からON状態、及びON状態からOFF状態に切り換えを予め実験或いはシミュレーション等により設定することによってフィレットロール53a、53bへの潤滑油の供給及びフィレットロール53a、53bを介してクランクシャフトWの隅R部r1、r2に付着供給され、フィレットロール53aと隅R部r1の間のフィレットロール加工部及びフィレットロール53bと隅R部r2の間のフィレットロール加工部への潤滑油の供給が過不足なく行え、潤滑油による良好な潤滑機能を確保できる。
クランクシャフトWのフィレットロール加工が終了すると、駆動モータ5によりチャック機構4の回転を停止してクランクシャフトWの回転を停止し、フィレットロール装置10開閉用シリンダ機構12によって各フィレットロール53a、53b及び把持ロール19によるクランクシャフトWのクランプを解除する。
そして、ワーク昇降装置8のリフタ8aを上昇させる。更にチャック機構4によるクランクシャフトWのチャックを解除し、回転センタ7を後退させ、かつヘッドストック3を後退させてフィレットロール加工されたクランクシャフトWをワーク昇降装置8のリフタ8a上に載置し、ワーク昇降装置8によってフィレットロール加工機から搬出する。
従って、本実施の形態によると、予め設定された間隔で切換バルブ76をOFF状態からON状態、及びON状態からOFF状態に切り換えて、バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bにミスト状の潤滑油が周期的に吹付け、バックアップロール48の第1周溝49a及び第2周溝49bに付着したミスト状の潤滑油をバックアップロール48の回転に伴って第1周溝49a、第2周溝49bにそれぞれ圧接して回転するフィレットロール53a、53bに付着させて供給してフィレットロール53a、53bを潤滑すると共にフィレットロール53a、53bが押接する隅R部r1、r2に供給することによって、フィレットロール53a、53b及び隅R部r1、r2の間のフィレットロール加工部にのみ過不足なく潤滑油が供給され、潤滑油による良好な潤滑機能を確保できる。また、フィレットロール加工されたクランクシャフトWに付着する潤滑油が大幅に低減してクランクシャフトWと共にフィレットロール加工機から持ち出される潤滑油が極めて少なくなり、従来の潤滑油を液状で連続してフィレットロール及び加工部に供給して潤滑する潤滑方法やミスト状の潤滑油の存在下で行われるフィレットロール加工に比べ潤滑油の消費量を大幅に低減することができる。
また、クランクシャフトWと共にフィレットロール加工機から持ち出される潤滑油が極めて少なくなることから、フィレットロール加工後に、ワークに付着した潤滑油を除去する洗浄工程が不要或いは簡素化することができる。洗浄工程を有する場合でも、この洗浄工程側において循環使用される洗浄液に混入する潤滑油が極めて少なくなり、洗浄液の性能低下が抑制されて洗浄液の交換周期が長くでき、処理すべき洗浄液が削減されて廃液処理による環境負荷を抑制することができる。
更に、フィレットロール治具31の中空部40内が加圧されて正圧状態に維持されて、中空部40内にフィレットロール加工時に発生する微細の切粉等が中空部40内に侵入することが抑制され、バックアップロール48の外周面に付着した微細な切粉等を除去するスクレーパ54を備えることと相俟ってバックアップロール48に付着する微細な切粉等によるフィレットロール53a、53bによるロール圧への影響が回避されて安定したロール圧によるフィレットロール加工が確保できる。また、中空部40内にエアを常時供給することによってフィレットロール治具31、特に可動部となるニードルベアリング47、バックアップロール48、フィレットロール53a、53bが冷却されて該部の耐久性が確保できる。
このフィレットロール53a、53b及びクランクシャフトWを潤滑する潤滑油がフィレットロール加工部にのみ過不足なく供給され、潤滑油による良好な潤滑機能を確保できることから、従来のようにフィレットロールの表面に硬質炭素被膜を形成する必要もなく、更に、従来のフィレットロール加工機のようにフィレットロール加工に使用された過剰の潤滑油をベッドによって受け止める必要がなくなり、ベッドを樋状に形成したり、ベッドで受け止めた潤滑油潤滑油に混在するゴミや微細な切粉等が除去するフィルタ及びセパレータ等の不純物除去装置、潤滑油を潤滑油タンクに戻す回収ポンプ等の省略が可能になり、設備コスト及ぶランニングコストの大幅な削減が期待できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。例えば、上記実施の形態では一対のフィレットロール53a、53bを備えるフィレットロール治具31を使用する場合を例に説明したが、一方のフィレットロールのみを備えたいわゆる片フィレットロール加工を行うフィレットロール治具に適用することもできる。また、クランクシャフトに限定されることなく、カムシャフト等の他の隅R部にフィレットロール加工を施す等他の棒状ワークのフィレットロール加工に適用することもできる。
本発明の実施の形態に係るフィレットロール加工機の概念図である。 フィレットロール装置を示す図である。 図2のA部拡大図である。 (a)は図3のI−I線断面図であり、(b)は図のII−II線断面図である。 従来のフィレットロール加工機の概念図である。 フィレットロール装置を示す図である。 図6のIVIV線断面図である。 クランクシャフトの説明図である。
1 フィレットロール加工機
2 ベッド
10 フィレットロール装置
12 開閉用シリンダ機構(アーム開閉機構)
15、16 クランプアーム
18 把持ロール治具
19 把持ロール
21 フィレットロール治具装着部
27、28 潤滑油通路(潤滑油供給回路)
31 フィレットロール治具
32 ハウジング
40 中空部
40a 周面
42、43 ノズル装着孔
46 バックアップロール支持軸
47 ニードルベアリング(ベアリング)
48 バックアップロール
49 バックアップロール外周面
49a 第1周溝(周溝)
49b 第2周溝(周溝)
53a、53b フィレットロール
54 スクレーパ
55 潤滑油ノズル
58 潤滑油孔
68、69 供給路(潤滑油供給回路)
70 潤滑油供給手段
75 セミドライ潤滑油生成装置
78A、78B ミスト生成部
79A、79B 潤滑油ポンプ
W クランクシャフト(棒状ワーク)

Claims (6)

  1. アーム開閉機構によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアームを有し、一方のクランプアームにフィレットロールを回転自在に支持するフィレットロール治具が設けられ、他方のクランプアームに把持ロールを回転自在に支持する把持ロール治具が設けられ、上記アーム開閉機構によって上記クランプアームをクランプ動作させて上記フィレットロールと把持ロールとの間で回転する棒状ワークをクランプして該棒状ワークにフィレットロール加工を施すフィレットロール加工機において、
    上記フィレットロール治具は、
    上記一方のクランプアームに形成されたフィレットロール治具装着部に装着される中空状で上記フィレットロールを回転自在に保持するハウジングと、
    該ハウジングの中空部内に回転自在に軸支されて外周面に上記フィレットロールが転動自在に当接する環状の周溝が形成されたバックアップロールとを有し、
    上記ハウジングに配設された潤滑油ノズルから上記中空部内に軸支されたバックアップロールの周溝にセミドライ潤滑油生成装置で生成されたミスト状の潤滑油を吹付け供給する潤滑油供給回路を備えたことを特徴とするフィレットロール加工機。
  2. 上記ハウジングは一対のフィレットロールを回転自在に保持すると共に、上記バックアップロールの外周面に上記各フィレットロールがそれぞれ転動自在に当接する環状の第1周溝及び第2周溝が形成され、
    上記ハウジングに一対の潤滑油ノズルが配置され、各潤滑油ノズルからそれぞれ上記バックアップロールの第1周溝及び第2周溝に上記セミドライ潤滑油生成装置で生成されたミスト状の潤滑油を吹付け供給することを特徴とする請求項1に記載のフィレットロール加工機。
  3. 上記ハウジングに穿設されたノズル装着孔に上記潤滑油ノズルが差し込み装着されたことを特徴とする請求項1または2に記載のフィレットロール加工機。
  4. 上記バックアップロールの周溝へのミスト状の潤滑油の吹付け供給に連続して上記セミドライ潤滑油生成装置から潤滑油を含まないエアを上記潤滑油供給回路を介して上記潤滑油ノズルからハウジングの中空部内に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
  5. 上記バックアップロールは、
    上記ハウジングに配設されたバックアップロール支持軸にベアリングを介在して回転自在に軸支され、
    上記バックアップロール及びまたは上記ハウジングは、上記バックアップロールの周溝に吹付け供給されたミスト状の潤滑油の一部を上記ベアリングに誘導する潤滑油供給構造を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
  6. 上記フィレットロール治具は、上記回転するバックアップロールの外周面に摺接してバックアップロールに付着した異物を除去するスクレーパを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
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