JP4658025B2 - 浴室用液体噴射装置 - Google Patents
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例えば、炭酸水を皮膚に供給すると、美肌効果や血行促進効果が得られることがわかった。例えば、炭酸水素ナトリウム溶液とクエン酸を化学反応させれば、炭酸ガスが発生し、炭酸水が得られることがわかっている。
また、例えば、ルシフェリンとATP(アデノシン三リン酸)が含まれる液体とルシフェラーゼが含まれる液体を混合させれば、ルシフェラーゼが触媒となってルシフェリンとATPが化学反応して発光することが知られている。シャワーやミスト噴射装置から発光する液体を供給することができれば、リラクゼーション効果をユーザに与えることができることが期待される。
単純に考えると、複数種類の液体を予め混合させておいて炭酸水や発光性液体を用意しておき、その炭酸水や発光性液体を液体噴射装置からユーザに供給すればよいように思える。しかしながら、炭酸水を長時間放置しておくと、炭酸水から炭酸ガスが抜けてしまう。また、発光性液体の場合、化学反応が終了すると発光しなくなる。
本発明は、第1液体を収容する第1タンクと、液体を浴室内に噴射する第1噴射装置であって、第1タンクに接続されると共に、冷水を案内するための配管に接続される前記第1噴射装置と、第1液体と混合されると化学反応する第2液体を収容する第2タンクと、液体を浴室内に噴射する第2噴射装置であって、第2タンクに接続されると共に、温水を案内するための配管に接続される前記第2噴射装置と、第1噴射装置からの液体の噴射と、第2噴射装置からの液体の噴射と、を制御する制御ユニットと、を備え、第1噴射装置と第2噴射装置は、第1噴射装置から噴射された液体と、第2噴射装置から噴射された液体と、が浴室内で混合される位置関係に配置されており、制御ユニットは、ユーザの指示に従って、第1の処理と第2の処理とを含む複数の処理のうちのいずれかの処理を実行し、第1の処理は、第1噴射装置からの第1液の噴射と、第2噴射装置からの第2液の噴射と、を同時に実行させる処理であり、第2の処理は、第1噴射装置からの冷水の噴射と、第2噴射装置からの温水の噴射と、を同時に実行させる処理である、ことを特徴とする浴室用液体噴射装置である。
上記の「化学反応する」とは、第1液体と第2液体が積極的に化学反応することによって、健康、美容、リラクゼーション等の効果が得られる物質が生成されたり、第1液体又は第2液体に含まれる上記の効果が得られる物質が破壊されたりすることを意味する。また、「化学反応する」という用語には、第1液体に二種類以上の物質が含まれ、それらの物質が第2液体に含まれる物質を触媒として化学反応することも含まれる。
また、上記の「第1噴射装置からの第1液の噴射と、第2噴射装置からの第2液の噴射と、を同時に実行」とは、第1液体と第2液体の両方が噴射される期間が存在することを意味する。即ち、第1液体と第2液体を噴射し始めるタイミングを一致させることを意味しているのではない。第1液体と第2液体は、同じタイミングで噴射されてもよいし、異なるタイミングで噴射されてもよい。
また、上記の「第1噴射装置から噴射された液体と、第2噴射装置から噴射された液体と、が浴室内で混合される」とは、浴室内においてユーザから離れた位置で第1液体と第2液体が混合されることや、ユーザの体の上で第1液体と第2液体が混合されることを意味する。
上記の液体噴射装置は、3種類以上の化学反応性液体を噴射する場合にも利用することができる。例えば、第3液体を浴室内に噴射する第3噴射装置を付加することができる。第1噴射装置から浴室内に噴射される第1液体と、第2噴射装置から浴室内に噴射される第2液体と、第3噴射装置から浴室内に噴射される第3液体とが混合されてはじめて化学反応する場合であっても、上記の「第1液体と混合されると化学反応する第2液体」と言うことができ、本明細書によって開示される液体噴射装置の構成に含まれる。
図1は、本実施形態の浴室ユニット10のシステム図を示す。浴室ユニット10は、浴室12と浴槽14と噴射ユニット20等を有する。浴室12内には、リモコン16が配置されている。ユーザは、リモコン16を操作することによって、噴射ユニット20を利用することができる。
噴射ユニット20は、熱交換器65と熱源機70を有する。熱交換器65と熱源機70の間には、熱交換器65と熱源機70の間を循環する熱媒(本実施形態では水)が通過する配管72が配置されている。熱源機70は、配管72内の水を加熱して温水にする。この温水は、熱交換器65に送られて、熱交換器65で冷却される。冷却された水は、熱源機70に戻り、再び加熱される。上記した配管24が熱交換器65を通過している。配管24を通過する冷水は、熱交換器65で加熱されて温水になる。
タンク40には、配管36の一端が接続されている。配管36には、流量制御弁44が挿入されている。配管36の他端は、ノズル46に接続されている。
タンク50には、配管38の一端が接続されている。配管38には、流量制御弁54が挿入されている。配管38の他端は、ノズル56に接続されている。
噴射ユニット20は、モータポンプ60を有する。モータポンプ60によってタンク40内の第1液体が吸引される。モータポンプ60は、タンク50内の第2液体を吸引するためにも利用される。
ノズル46は、噴霧ノズルである。ノズル46は、配管36から送られてきた第1液(又は市水)のミストを生成し、浴室12内に噴射する。ノズル56は、噴霧ノズルである。ノズル56は、配管38から送られてきた第2液(又は市水)のミストを生成し、浴室12内に噴射する。ノズル46とノズル56は、第1液体(又は市水)のミストと第2液体(又は市水)のミストが浴室12内で混合される位置関係に配置されている。図1には、第1液体のミストと第2液体のミストが浴室12内で混合される様子が簡単に示されている。
以下では、制御ユニット80が実行することができる処理を例示する。
制御ユニット80は、熱源機70を駆動し、配管72内の水を循環させる。制御ユニット80は、流量制御弁28,44,54を閉じる。制御ユニット80は、流量制御弁25,32を開く。熱源機70の発熱量や各弁25,32の開度は、リモコン16に設定された温度等に基づいて調整される。
この場合、市水(冷水)が配管22と配管24を通過する。市水は、配管24を通過する際に、熱交換器65によって加熱されて温水になる。配管24内の温水は、配管36に向けて案内されるとともに、配管30,34を経由して配管38に案内される。この結果、ノズル46から温水のミストが噴射されるとともに、ノズル56から温水のミストが噴射される。
制御ユニット80は、流量制御弁32,44,54を閉じる。制御ユニット80は、流量制御弁25,28を開く。
この場合、配管22内の市水は、配管24を経由して配管36に向けて案内される。また、配管22内の市水は、配管26,34を経由して配管38に向けて案内される。この結果、ノズル46から冷水のミストが噴射されるとともに、ノズル56から冷水のミストが噴射される。
制御ユニット80は、流量制御弁25,28,32を閉じる。制御ユニット80は、流量制御弁44,54を開く。制御ユニット80は、モータポンプ60を駆動する。
この場合、タンク40に収容されている第1液体のミストがノズル46から噴射されるとともに、タンク50に収容されている第2液体のミストがノズル56から噴射される。噴射された第1液体と第2液体は、浴室12内で混合される。これにより、ルシフェリンとATPがルシフェラーゼを触媒として化学反応して発光する。発光しているミストを浴室12内に供給することができる。
制御ユニット80は、熱源機70を駆動し、配管72内の水を循環させる。制御ユニット80は、流量制御弁32,44,54を閉じる。制御ユニット80は、流量制御弁25,28を開く。
この場合、配管22内の市水は、配管24を経由して配管36に向けて案内される。この際に配管24内の市水が熱交換器60によって加熱される。配管36に温水が案内される。また、配管22内の市水は、配管26,34を経由して配管38に向けて案内される。配管38には温水が案内されず、市水が案内される。この結果、ノズル46から温水のミストが噴射されるとともに、ノズル56から冷水のミストが噴射される。
(変形例1)第1液体は、シュウ酸ビス2,4,6−トリクロロフェニル(TCPO)とアントラセンとフタル酸ジメチルを含む液体であってもよい。第2液体は、t−ブタノールとフタル酸ジメチルとサリチル酸ナトリウムと過酸化水素水を含む液体であってもよい。この変形例によっても、第1液体と第2液体が混合されると発光する。
発光する液体の組み合わせは、適宜変更することができる。
この変形例の場合、第1液体と第2液体が噴射された後に浴室内で両液体が混合されて炭酸ガスが生成される。このために、ユーザに供給される前に炭酸ガスが抜けてしまうという事象が発生することがなく、ユーザに炭酸水を効果的に供給することができる。炭酸水は、美肌効果や血行促進効果が得られることが知られている。また、ユーザの皮膚の上で炭酸ガスが発生することによって、ユーザにリラクゼーションの効果を与えることができることが期待される。
また、炭酸水が配管を通過すると、配管が劣化する可能性がある。また、配管の耐圧を大きくしなければ、炭酸ガスの発生によって配管が破損する可能性がある。本変形例の場合、第1液体と第2液体が浴室12内で混合されるために、炭酸水が配管を通過しない。このために、炭酸水によって配管が劣化したり破損したりする事象が発生しない。
この場合、ビタミンCによって水に含まれる塩素を無害化することができるものと思われる。
また、この変形例の場合、第1液体が有機酸であり、第2液体が炭酸水素ナトリウム溶液であってもよい。この場合、ユーザの体の上で炭酸ガスを発生させることができる。ユーザにリラクゼーション効果を与えることができることが期待される。
なお、制御ユニット80は、以下のようにして換気ファン120を駆動開始してもよい。即ち、第1液体と第2液体の噴霧が開始されてからの時間を監視する。その時間が予め設定されている所定時間に達すると、換気ファン120を駆動開始する。
「浴室において液体を噴射する方法であり、
第1液体を浴室内に噴射する第1噴射工程と、
第1液体と混合されると化学反応する第2液体を浴室内に噴射する第2噴射工程とを備え、
第1噴射工程と第2噴射工程では、第1液体と第2液体が同時に噴射されるとともに、噴射された第1液体と第2液体が浴室内で混合されることを特徴とする液体噴射方法」
例えば、モータポンプ60の代わりに、サイフォンインジェクタを利用してもよい。サイフォンインジェクタは、配管と配管が合流する位置に配置されることが好ましい。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:噴射ユニット
40:タンク
50:タンク
46:ノズル
56:ノズル
Claims (3)
- 浴室用液体噴射装置であり、
第1液体を収容する第1タンクと、
液体を浴室内に噴射する第1噴射装置であって、第1タンクに接続されると共に、冷水を案内するための配管に接続される前記第1噴射装置と、
第1液体と混合されると化学反応する第2液体を収容する第2タンクと、
液体を浴室内に噴射する第2噴射装置であって、第2タンクに接続されると共に、温水を案内するための配管に接続される前記第2噴射装置と、
第1噴射装置からの液体の噴射と、第2噴射装置からの液体の噴射と、を制御する制御ユニットと、を備え、
第1噴射装置と第2噴射装置は、第1噴射装置から噴射された液体と、第2噴射装置から噴射された液体と、が浴室内で混合される位置関係に配置されており、
制御ユニットは、ユーザの指示に従って、第1の処理と第2の処理とを含む複数の処理のうちのいずれかの処理を実行し、
第1の処理は、第1噴射装置からの第1液の噴射と、第2噴射装置からの第2液の噴射と、を同時に実行させる処理であり、
第2の処理は、第1噴射装置からの冷水の噴射と、第2噴射装置からの温水の噴射と、を同時に実行させる処理である、
ことを特徴とする浴室用液体噴射装置。 - 第1液体と第2液体の組み合わせは、両者が化学反応すると炭酸ガスが生成される組み合わせであることを特徴とする請求項1の浴室用液体噴射装置。
- 第1液体と第2液体の組み合わせは、両者が化学反応すると発光する組み合わせであることを特徴とする請求項1の浴室用液体噴射装置。
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