JP4656867B2 - 軸継手 - Google Patents

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Description

この発明は、互いに平行な2軸を連結して2軸間で動力を伝達する軸継手に関する。
一般的な機械装置の2つの軸を連結して駆動側から従動側へ動力を伝達する軸継手は、連結する2軸の位置関係によって構造が異なり、2軸が1直線上にあるもの、交差するもの、互いに平行な(かつ同心でない)ものに大別される。
このうちの平行な2軸を連結する軸継手としては、オルダム継手がよく知られている。しかし、このオルダム継手は、大きな動力を伝達すると、2軸間に介装されるスライダどうしの摩擦面に潤滑不良が生じて動力伝達がスムーズに行われなくなる場合があるし、大きな偏心量(2軸の径方向のずれ量)を許容できない問題もある。
また、オルダム継手の代わりに、2つの等速ジョイントを組み合わせたもので平行な2軸を連結する方法もあるが、この方法では、等速ジョイントの作動角が制限されているため、大きな偏心量を得ようとすると軸方向長さが長くなって装置が大型化しやすい。
これに対して、軸方向で対向する2つの回転部材(ディスク)間にプレートを挿入し、このプレートの表裏面の複数箇所に直動ガイドをその作動方向がプレートの表裏で互いに直交するように配し、プレートと直動ガイドを介して両回転部材間で動力を伝達する機構を採用すれば、軸方向にコンパクトな構造となるので、装置の小型化が可能となる。また、直動ガイドの長さを変えるだけで必要な偏心量を得ることができるし、直動ガイド内の互いに対向して相対移動する面に複数の鋼球を配することにより、大きな動力をスムーズに伝達することもできる(特許文献1参照。)。
しかしながら、上記のような機構の軸継手では、直動ガイドを多数使用するため、継手全体の製造コストがかなり高くなる。また、各直動ガイドは、相対移動するガイド部材とレール部材とから成り、そのうちの一方を回転部材に、他方をプレートにそれぞれ位置合わせして固定する必要があるため、両部材がスムーズに相対移動するように精度よく組み付けることが難しく、組付作業に非常に手間がかかる問題もある。
特開2003−260902号公報
この発明の課題は、軸方向にコンパクトな構造で、伝達動力や偏心量の制約が少なく、しかも安価で組付性に優れた軸継手を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明の軸継手は、軸方向で対向し、回転軸が互いに平行でかつ同心でない状態に保持される2つの回転部材のそれぞれの対向面に、複数の案内溝を相手側の回転部材の対応する位置の案内溝と直交するように設け、前記両回転部材の案内溝が交差する位置に、各案内溝に案内されて転動する転動体を配し、これらの各転動体の回転部材径方向の移動を拘束する保持器を設けて、前記保持器は、前記両回転部材の各案内溝と対応する位置に径方向と直交する方向に延びる長孔を有し、これらの各長孔に前記転動体を転動可能に収納するものとし、前記各転動体を介して前記両回転部材間で動力を伝達するようにしたのである(請求項1)。
すなわち、両回転部材の案内溝の交差位置に配された転動体が、保持器に回転部材径方向の移動を拘束された状態で、駆動側の回転部材に押され、案内溝内を転動しながら従動側の回転部材を押して動力を伝達するようにしたことにより、動力伝達時の摩擦抵抗を少なくして大きな動力をスムーズに伝達できるようにするとともに、案内溝の長さを変えるだけで必要な偏心量を得られるようにした。また、両回転部材間に配される部品を転動体と保持器のみとすることにより、軸方向にコンパクトな構造とするとともに、製造コストを安くし、組付性を向上させたのである。
上記の構成においては、前記各回転部材、転動体および保持器を金属材料で形成し、その表面に硬化処理を施すことにより、動力伝達時に各部材間に作用する応力によって各部材の接触部が塑性変形したり表面損傷を生じることを防止できる(請求項2)。
前記各案内溝を長手方向に直線状に形成することにより、案内溝の加工が容易になるとともに、案内溝と転動体との接触面圧を一定に保ち、過大な面圧の発生を防止することができる(請求項3)。このとき、前記各案内溝を回転部材径方向と45度をなす方向に延びるように形成すれば、案内溝加工がより容易になるとともに、案内溝と転動体との接触面圧を一定に保ちやすくなり、過大面圧の発生をより確実に防止できる(請求項4)。
前記転動体を球体とすることにより、転動体のこじりを防止できる(請求項5、6)。このとき、前記案内溝の断面形状を、前記転動体の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面で形成すれば、案内溝と転動体との接触面圧を低く抑えることができ(請求項5)、前記保持器の転動体との接触面の断面形状を、前記転動体の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面で形成すれば、保持器と転動体との接触面圧を低く抑えることができる(請求項6)。一方、前記保持器の転動体との接触面を平面で形成すれば、保持器の製作が容易になる(請求項7)。
前記案内溝と転動体の接触面および前記保持器と転動体の接触面のうちの少なくとも一つの接触面に、乾式めっき、湿式めっき、溶融処理、溶射、イオン注入、硫化処理、化成処理、表面熱処理およびショットピーニングのうちのいずれか一つもしくは複数の表面処理を施して、その接触面の摩擦係数を小さくしたり(請求項8)、前記案内溝と転動体の接触面間および前記保持器と転動体の接触面間のうちの少なくとも一つの接触面間に、潤滑材を介在させたりすることにより(請求項9)、案内溝や保持器と転動体の接触面における転動体のすべり摩擦による摩耗や発熱を抑えられるし、両回転部材の回転軸がずれる際の相対移動に対する抗力を減少させることができる。
また、前記両回転部材の軸方向間隔の変化を拘束する軸方向拘束機構を備えることにより、各部材を一体化することが可能となり、組付性がさらに向上する(請求項10)。
前記軸方向拘束機構としては、前記各回転部材の対向面と反対側に配され、互いに連結された2つの拘束部材で両回転部材を挟み付けるものを採用することができる(請求項11)。
上記の構成の軸方向拘束機構では、前記回転部材と拘束部材の接触面のうちの少なくとも一方の部材の接触面に、請求項8と同じ種類の表面処理のうちのいずれか一つもしくは複数を施して、その接触面の摩擦係数を小さくしたり(請求項12)、前記回転部材と拘束部材との間に潤滑材や摺動材を介在させたりすることにより(請求項13、14)、両回転部材の回転軸がずれる際に各回転部材と拘束部材との間に作用する摩擦力を低減することができる。
また、前記両拘束部材の間隔を可変として、両拘束部材が回転部材を挟み付ける力を調整できるようにすれば、各回転部材と拘束部材との間に作用する摩擦力を容易に低減することができる(請求項15)。ここで、前記両拘束部材の間隔を可変とする手段としては、両拘束部材をねじ結合するものを採用することができる(請求項16)。また、前記両拘束部材が回転部材を挟み付ける力を、各拘束部材をそれぞれ対向する回転部材に押し付ける方向に付勢する弾性部材で与えるようにすれば、各回転部材と拘束部材との間のがたの発生を防止できる(請求項17)。
一方、前記両拘束部材をその間隔が一定になるように固定すれば、両拘束部材が回転部材を挟み付ける力を、長期にわたって調整することなく一定のレベルに維持することができる(請求項18)。
さらに、請求項9または13に記載の構成においては、前記潤滑材を継手内部に保持するとともに、継手外部からの異物の侵入を防止する手段を備えることにより、使用中の各部材間の摩擦抵抗の上昇を防止することができる(請求項19)。
この発明の軸継手は、上述したように、両回転部材の案内溝の交差位置に配された転動体を介して、両回転部材間で動力を伝達するようにしたので、動力伝達時の各部材の摩擦抵抗が少なく、大きな動力をスムーズに伝達できるとともに、案内溝の長さを長くすることにより、簡単に偏心量を大きくすることができる。また、両回転部材間に配される部品が少ないため、軸方向にコンパクトな構造とすることができる。しかも、直動ガイドのような高価で高い組付精度を必要とする部品を使用していないので、安価に製造することができ、組付作業も容易である。
また、請求項2乃至6のいずれかの発明によれば、伝達可能動力の上昇や継手寿命の延長を図ることができる。このうち、請求項3または4の発明では、案内溝の加工が容易になるため、製造コストをより少なくすることもできる。
一方、請求項7の発明を適用すれば、保持器の製作が容易になるため、製造コストの削減が図れる。
さらに、請求項8または9の発明を適用することにより、案内溝や保持器と転動体の接触面の摩耗や発熱を抑えられるので、継手を長期にわたって安定して使用できるようになるし、両回転部材の相対移動に対する抗力が小さくなるので、各回転部材を支持する軸受や継手の各部品の剛性を高める必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
請求項10の発明によれば、軸方向拘束機構により各部材が一体化されるので、組付性がさらに向上するとともに、メンテナンス時には継手全体をまとめて交換することが可能となる。このとき、請求項11の発明を適用すれば、軸方向拘束機構の構造が簡単になる。
請求項11の構成においては、請求項12乃至16のいずれかの発明を適用することにより、各回転部材と拘束部材の接触面の摩耗や発熱を抑えられるとともに、両回転部材の相対移動に対する抗力が小さくなるので、請求項8、9の発明と同様に、継手性能の安定化とコストの低減を図ることができる。また、請求項17の発明の適用により、両拘束部材で回転部材を確実に挟み付けて、両回転部材の間隔の拡がりを防止できるので、よりスムーズな動力伝達が可能となる。一方、請求項18の発明を適用すれば、メンテナンスの頻度を少なくすることができる。
また、請求項19の発明によれば、使用中の各部材間の摩擦抵抗の上昇を防止できるので、安定した継手性能が維持される期間をさらに延長することができる。
以下、図1乃至図5に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この軸継手は、図1(a)、図1(b)および図2に示すように、軸方向で対向し、回転軸が互いに平行な状態に保持される同径の入出力軸A、Bのそれぞれの軸端部に嵌め込まれる回転部材としてのプレート1、2と、両プレート1、2間に配される複数の転動体としての鋼球3と、各鋼球3のプレート径方向の移動を拘束する保持器4とから成り、各鋼球3を介して両プレート1、2間で動力を伝達するものである。各プレート1、2および保持器4は金属材料で形成されており、これらに鋼球3を加えた各部材が、その表面に熱処理やショットピーニング等の硬化処理を施されている。なお、図1は、説明上、入出力軸A、Bが同心の状態を示しているが、通常は後述するように入出力軸A、Bの回転軸がずれた(偏心した)状態で使用される。
前記各プレート1、2は、それぞれドーナツ状の円盤で、内周に形成された筒部で入力軸Aおよび出力軸Bの軸端部に嵌め込まれ、軸方向で対向する状態で固定されている。
図1(a)および図2に示したように、各プレート1、2の対向面には、それぞれ8つの案内溝5、6が、周方向に等間隔で相手側のプレートの対応する位置の案内溝と直交するように設けられており、両プレート1、2の案内溝5、6が交差する位置に配された鋼球3が、案内溝5、6に案内されて転動するようになっている。なお、案内溝5、6を周方向に対称的に設けたのは、各プレート1、2と鋼球3との間に作用する力が各プレート1、2内で偏らないようにするためである。
前記各案内溝5、6は、それぞれプレート径方向と45度をなす方向に直線状に延びるように形成されており、その断面形状は、鋼球3の半径よりも大きい曲率半径を有する円弧面から成る。
前記保持器4は、環状に形成され、その側面には径方向と直交する方向に直線状に延びる長孔7が周方向に等間隔で8箇所に設けられており、これらの各長孔7に鋼球3が嵌め込まれる。各長孔7の鋼球3との接触面の断面形状は、鋼球3の半径よりも大きい曲率半径を有する円弧面となっている。
また、各プレート1、2の案内溝5、6および保持器4の長孔7は、入出力軸A、Bの回転軸がずれる際のプレート径方向の最大移動距離に鋼球3の直径を加えた長さに形成されている。
この軸継手は、上記の構成であり、入力軸Aが回転駆動されて、これに固定されたプレート1が回転すると、この入力側プレート1の案内溝5に周方向から押された鋼球3が、保持器4でプレート径方向の移動を拘束された状態で、出力軸Bに固定されたプレート2の案内溝6を押して出力側プレート2を回転させることにより、出力軸Bに動力が伝達される。なお、入力軸Aの回転方向が変わったり、入出力軸A、Bの駆動側と従動側が逆になっても、同じメカニズムで動力伝達が行われる。
上記の動力伝達のメカニズムは、図3(a)、図3(b)に示すように入出力軸A、Bの回転軸がずれた通常の使用状態でも、基本的に同じである。図3の状態では、各プレート1、2の回転軸のずれにより、案内溝5、6の交差位置がプレート周方向で変化しており、各鋼球3が、案内溝5、6および保持器4の長孔7内を転動しながら、両プレート1、2間の動力伝達を行っている。
上述したように、この軸継手では、入出力軸A、Bに固定された2枚のプレート1、2と、両プレート1、2間に配される鋼球3および保持器4のみで動力伝達を行えるので、構造が軸方向にきわめてコンパクトになっているし、各部材が簡単な構造で組付位置もそれぞれの形状によって自動的に決まるので、製造コストが安く、組付作業に手間がかからない。
また、回転軸がずれた状態で動力伝達を行うときも、鋼球3が転動するのみで摺動する部材がないため、各部材の摩擦抵抗が少なく、大きな動力をスムーズに伝達できるし、回転軸の偏心量の変動にもスムーズに追従することができる。しかも、案内溝5、6および保持器4の長孔7の長さの範囲内で回転軸の偏心量を自由に設定できるので、必要とされる回転軸の偏心量が大きい場合でも、案内溝5、6および保持器4の長孔7を長くすることによって容易に対応することができる。
そのうえ、各部材が金属製で表面に硬化処理を施されているため、各部材間に作用する応力によって各部材の接触部が塑性変形したり表面損傷を生じるおそれが少ない。また、案内溝5、6がプレート径方向と45度をなす方向に延びるように形成されているので、案内溝加工が容易なうえ、案内溝5、6と鋼球3との接触面圧が一定に保たれるし、案内溝5、6および保持器4の長孔7の断面形状が鋼球3の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面で形成されていて、鋼球3との接触面圧が低く抑えられるので、各部材の接触部に過大な面圧が発生するおそれがない。さらに、両プレート1、2間で動力を伝達する転動体を鋼球3としたことにより、転動体のこじりが生じる心配もない。これらのことから、大きな動力を長期間安定して伝達することが可能となっている。
なお、大きな動力を伝達する必要がない場合は、各部材をエンジニアリングプラスチック等の合成樹脂材料で形成することにより、量産性を高めるとともに軽量化を図ることができる。また、保持器の鋼球との接触面を平面で形成して、保持器の製作を容易にすることにより、製造コストの削減を図れる。
図4および図5は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、図4(a)、図4(b)に示すように、軸継手の2つのプレート1、2が、それぞれ互いに径の異なる入出力軸A、Bの軸端部外周に嵌め込まれて対向する形状となっており、両プレート1、2の軸方向間隔の変化を拘束する3つの軸方向拘束機構8が設けられている。これ以外の基本的な構成および動力伝達のメカニズムは第1の実施形態と同じなので、以下では第1の実施形態との相違点について説明する。
この軸継手の鋼球3表面と、各プレート1、2の案内溝5、6および保持器4の長孔7の鋼球3との接触面は、乾式めっき、湿式めっき、溶融処理、溶射、イオン注入、硫化処理、化成処理、表面熱処理およびショットピーニングのうちのいずれか一つもしくは複数の表面処理が施されて、摩擦係数の小さい面が形成されている。さらに、案内溝5、6と鋼球3の接触面間および保持器4の長孔7と鋼球3の接触面間には、潤滑材を介在させている。そして、この潤滑材を継手内部に保持するとともに、継手外部からの異物の侵入を防止する手段として、外径ブーツ9、内径シール10、外カバー11および内カバー12が設けられている。これらのことにより、鋼球3が案内溝5、6や保持器4の長孔7を移動するときに一部ですべり状態となっても、長期にわたってすべり摩擦による摩耗や発熱を抑え、両プレート1、2の回転軸がずれる際の相対移動に対する抗力を減少させることができる。
ここで、上記の各表面処理のうち、乾式めっきにはPVD処理(物理的蒸着)とCVD処理(化学的蒸着)があり、PVD処理では、TiN 、ZrN 、CrN 、TiC 、TiCN、TiAlN 、Al2O3 、DLC(Diamond Like Carbon )等の皮膜を、CVD処理では、TiC 、TiN 、TiCN、TiCNO 等の皮膜、あるいはTiC/TiN 、TiC/Al2O3 、TiC/TiCNO 、TiC/TiCN/TiN、TiC/TiCNO/TiN 、TiC/TiCN/Al2O3、TiC/Al2O3/TiN 等の複合皮膜を形成するとよい。湿式めっきには、電気めっきと無電解めっきがあり、めっきの種類としては、工業用クロム、無電解クロム、複合めっき等がある。
溶融処理には、クラッディング、アロイング、グレージング等がある。溶射には、ガス式溶射と電気式溶射があり、皮膜の種類としては、酸化クロム系、酸化チタン系、ジルコニア系等がある。イオン注入には、高エネルギー注入と中エネルギー注入がある。硫化処理では、固体潤滑剤である二硫化モリブデンを含む層を皮膜とする複合処理が効果的である。化成処理には、リン酸塩処理、リン酸鉄処理、リン酸マンガン処理、クロメート処理等がある。表面熱処理には、表面焼入れ、浸炭焼入れ、窒化処理、浸硫処理等がある。
これらの各処理のうち、特に、乾式めっき、硫化処理および化成処理は、接触面の摩擦係数を小さくする効果が大きい。一方、窒化等の熱処理では、摩擦係数の低減とともに耐摩耗性の向上を図ることができる。
また、前記潤滑材としては、グリースを使用している。このグリースの組成は、基油には鉱物油、合成油、または両者の混合油を、増ちょう材にはウレア系のものをそれぞれ使用し、極圧添加剤として二硫化モリブデン、二硫化タングステン、メラミンシアヌレート、グラファイト、窒化ホウ素等を添加し、さらにモリブデンジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、亜鉛ジチオホスホネート、硫黄系添加剤、リン系添加剤、油性剤、分散剤、酸化防止剤を添加している。なお、案内溝5、6の鋼球3が通過しない部分に溝加工等を施してグリース溜りとすれば、より安定したグリース供給が行われるようになり、好ましい。
前記各軸方向拘束機構8は、各プレート1、2の対向面と反対側に配される2枚の拘束板(拘束部材)8a、8bと、入力側の拘束板8aと一体に形成され、各プレート1、2、保持器4および出力側の拘束板8bを貫通するねじ8cと、ねじ8cと結合して両拘束板8a、8bを連結するロックナット8dとから成り、ロックナット8dを締め込むことにより、両側の拘束板8a、8bで両プレート1、2を挟み付けるものである。なお、この軸方向拘束機構8をプレート周方向に等間隔で設けたことに伴い、各プレート1、2の案内溝5、6と保持器4の長孔7および鋼球3は、各拘束機構8どうしの間に2つずつ配され、全体として6組が周方向に対称に設けられている。
また、図示は省略するが、出力側の拘束板8bとロックナット8dとの間には、板ばね等の弾性部材が挟み込まれており、この弾性部材が各拘束板8a、8bをそれぞれ対向するプレート1、2に押し付ける方向に付勢している。
すなわち、この軸方向拘束機構8は、ロックナット8dのねじ8cへの締込量を変えることにより、前記弾性部材を介して両拘束板8a、8bの間隔および両拘束板8a、8bがプレート1、2を挟み付ける力を簡単に調整できるようになっている。
一方、各プレート1、2は、軸方向拘束機構8のねじ8cを通す案内孔13、14が、案内溝5、6と同様に、プレート径方向と45度をなす方向に直線状に延びるように形成されており、各プレート1、2の拘束板8a、8bとの対向面には、案内孔13、14の周縁に沿って拘束板8a、8bが嵌まり込む凹部15、16が設けられている。
これにより、図5(a)、図5(b)に示すように、入出力軸A、Bの回転軸がずれたときは、各プレート1、2の回転に伴って、軸方向拘束機構8のねじ8cがプレート1、2の案内孔13、14内を移動し、各拘束板8a、8bがプレート凹部15、16と摺動しながら、動力伝達が行われるようになっている。
従って、軸方向拘束機構8のロックナット8dの締込量を適切に設定すれば、各拘束部材8a、8bとプレート1、2との間のがたをなくし、両拘束部材8a、8bでプレート1、2を確実に挟み付けて両プレート1、2の間隔の拡がりを抑えつつ、各拘束板8a、8bとプレート凹部15、16との間に作用する摩擦力を低く抑えることができる。
また、各拘束板8a、8bとプレート凹部15、16との間の摩擦力をさらに低減するために、前述した鋼球3と案内溝5、6や保持器4との間のすべり摩擦対策と同様に、両者の接触面に前記各種類の表面処理のうちのいずれか一つもしくは複数を施して、摩擦係数の小さい面を形成するとともに、両者の接触面間には潤滑材として前記グリースを充填している。さらに、図示は省略するが、両者の接触面には、より安定したグリース供給が行われるように、グリース溜りとしての溝加工が施されている。このほかにも、例えば、両者のうちの少なくとも一方にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の摺動性に優れた合成樹脂系のシートを貼り付ける等、両者間に摺動材を介在させたり、両者間に小径の鋼球を介在させたりして、摩擦力の低減を図ることもできる。
一方、量産時等で両拘束板の間隔の調整が不要な場合は、両拘束板をその間隔が一定になるようにかしめ加工等によって固定すれば、継手の軸方向長さをさらに短くできるとともに、両拘束板がプレートを挟み付ける力を長期にわたって一定のレベルに維持でき、メンテナンスの頻度を少なくすることができる。
この実施形態の軸継手は、上記の構成であり、簡単な構造の軸方向拘束機構8によって各部材が一体化されるので、第1の実施形態よりも組付性に優れ、メンテナンス時には継手全体をまとめて交換することができる。
また、鋼球3と案内溝5、6や保持器4との間、および拘束板8a、8bとプレート凹部15、16との間のすべり摩擦による摩耗や発熱が抑えられるので、長期にわたって安定した継手性能を維持することができるし、両プレート1、2が相対移動する際の抗力が小さいので、入出力軸A、Bを支持する軸受(図示省略)や継手の各部品の剛性を高める必要がなく、安価に製造できる。
第1の実施形態の軸継手の側面図(回転軸が同心) 図1(a)のI−I線に沿った断面図 図1の軸継手の分解側面図 図1の軸継手の使用状態を示す側面図(回転軸が偏心) 図3(a)のIII−III線に沿った断面図 第2の実施形態の軸継手の要部の側面図(回転軸が同心) 図4(a)のIV−IV線に沿った断面図 図4の軸継手の使用状態を示す要部の側面図(回転軸が偏心) 図5(a)のV−V線に沿った断面図
符号の説明
1、2 プレート
3 鋼球
4 保持器
5、6 案内溝
7 長孔
8 軸方向拘束機構
8a、8b 拘束板
8c ねじ
8d ロックナット
13、14 案内孔
15、16 凹部
A 入力軸
B 出力軸

Claims (19)

  1. 軸方向で対向し、回転軸が互いに平行でかつ同心でない状態に保持される2つの回転部材のそれぞれの対向面に、複数の案内溝を相手側の回転部材の対応する位置の案内溝と直交するように設け、前記両回転部材の案内溝が交差する位置に、各案内溝に案内されて転動する転動体を配し、これらの各転動体の回転部材径方向の移動を拘束する保持器を設けて、前記保持器は、前記両回転部材の各案内溝と対応する位置に径方向と直交する方向に延びる長孔を有し、これらの各長孔に前記転動体を転動可能に収納するものとし、前記各転動体を介して前記両回転部材間で動力を伝達するようにした軸継手。
  2. 前記各回転部材、転動体および保持器を金属材料で形成し、その表面に硬化処理を施したことを特徴とする請求項1に記載の軸継手。
  3. 前記各案内溝を、長手方向に直線状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の軸継手。
  4. 前記各案内溝を、回転部材径方向と45度をなす方向に延びるように形成したことを特徴とする請求項3に記載の軸継手。
  5. 前記転動体を球体とするとともに、前記案内溝の断面形状を、前記転動体の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面で形成したことを特徴とする請求項3または4に記載の軸継手。
  6. 前記転動体を球体とするとともに、前記保持器の転動体との接触面の断面形状を、前記転動体の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面で形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軸継手。
  7. 前記保持器の転動体との接触面を、平面で形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軸継手。
  8. 前記案内溝と転動体の接触面および前記保持器と転動体の接触面のうちの少なくとも一つの接触面に、乾式めっき、湿式めっき、溶融処理、溶射、イオン注入、硫化処理、化成処理、表面熱処理およびショットピーニングのうちのいずれか一つもしくは複数の表面処理を施して、その接触面の摩擦係数を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の軸継手。
  9. 前記案内溝と転動体の接触面間および前記保持器と転動体の接触面間のうちの少なくとも一つの接触面間に、潤滑材を介在させたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の軸継手。
  10. 前記両回転部材の軸方向間隔の変化を拘束する軸方向拘束機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の軸継手。
  11. 前記軸方向拘束機構が、前記各回転部材の対向面と反対側に配され、互いに連結された2つの拘束部材で両回転部材を挟み付けるものであることを特徴とする請求項10に記載の軸継手。
  12. 前記回転部材と拘束部材の接触面のうちの少なくとも一方の部材の接触面に、乾式めっき、湿式めっき、溶融処理、溶射、イオン注入、硫化処理、化成処理、表面熱処理およびショットピーニングのうちのいずれか一つもしくは複数の表面処理を施して、その接触面の摩擦係数を小さくしたことを特徴とする請求項11に記載の軸継手。
  13. 前記回転部材と拘束部材の接触面間に潤滑材を介在させたことを特徴とする請求項11または12に記載の軸継手。
  14. 前記回転部材と拘束部材との間に摺動材を介在させたことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の軸継手。
  15. 前記両拘束部材の間隔を可変として、両拘束部材が回転部材を挟み付ける力を調整できるようにしたことを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の軸継手。
  16. 前記両拘束部材の間隔を可変とする手段が、両拘束部材をねじ結合するものであることを特徴とする請求項15に記載の軸継手。
  17. 前記両拘束部材が回転部材を挟み付ける力を、各拘束部材をそれぞれ対向する回転部材に押し付ける方向に付勢する弾性部材で与えるようにしたことを特徴とする請求項15に記載の軸継手。
  18. 前記両拘束部材を、その間隔が一定になるように固定したことを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の軸継手。
  19. 前記潤滑材を継手内部に保持するとともに、継手外部からの異物の侵入を防止する手段を備えていることを特徴とする請求項9または13に記載の軸継手。
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