JP4656348B2 - 温度制御方法及び温度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等のように、処理温度(目標温度)とは異なる温度で保管されている対象物体を加熱し又は冷却して目標温度に制御する温度制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程においては、半導体ウエハの表面温度が露光に適した目標温度(例えば、23℃)に達するのを待って露光を行う必要がある。一般に、露光前の半導体ウエハは、目標温度よりも高い温度(例えば、25℃)に管理された室内に保管されているため、半導体ウエハの表面温度が目標温度まで下がるのを待って露光を開始している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来では、半導体ウエハの表面温度が目標温度まで下がるのにかなりの時間(一般的な条件の場合、約45秒)を要し、半導体製造工程の更なるスループットの向上を図るには、より短時間で目標温度に制御できる方法の実現が望まれる。
【0004】
本発明は以上の課題を考慮してなされたもので、半導体ウエハその他の対象物体の温度を短時間で目標温度に制御することができる温度制御方法及び装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の発明は、制御前には、目標温度t1に対して高温(又は低温)の所定温度若しくはその近傍温度になっている板状対象物体の当初の表面温度txを、目標温度に制御する温度制御方法において、目標温度より所定温度だけ低温(又は高温)の固定温度tcを有するように温度管理された蓄熱基体の一面に、上記板状対象物体の一方の面が面するように、上記蓄熱基体及び上記板状対象物体を近接させた状態を継続させて、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に向かって変化させ、上記板状対象物体の表面温度が目標温度に達したとき、又は、上記板状対象物体の表面温度の目標温度に対する温度差が所定範囲内まで減少したとき、上記板状対象物体を上記蓄熱基体から所定距離だけ離れた位置に移動させ、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に保持することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、制御前には、目標温度t1に対して高温(又は低温)の所定温度若しくはその近傍温度になっている板状対象物体の当初の表面温度txを、目標温度に制御する温度制御装置において、目標温度より所定温度だけ低温(又は高温)の固定温度tcを有するように温度管理された蓄熱基体と、上記板状対象物体を、その一面が、上記蓄熱基体の一面に面するように近接させた第1の位置と、上記蓄熱基体から所定距離だけ離れた第2の位置とのいずれかの位置に位置させる板状対象物体移動機構と、上記板状対象物体を上記第1の位置に位置させて、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に向かって変化させ、上記板状対象物体の表面温度が目標温度に達したとき、又は、上記板状対象物体の表面温度の目標温度に対する温度差が所定範囲内まで減少したとき、上記板状対象物体を上記第2の位置に移動させ、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に保持させる制御手段とを有することを特徴とする。
本発明においては、蓄熱基体の温度を目標温度(例えば、23℃)そのものに管理するのではなく、目標温度とは所定の温度差を有する温度(例えば18℃)に管理するため、対象物体と蓄熱基体との温度差を従来方法よりも大きくとることができる。これにより、対象物体を蓄熱基体の近接位置に保持した直後からの表面温度の変化の速度を大きくでき、その分速く、対象物体の表面温度を目標温度に到達させることができる。
【0007】
この発明は、蓄熱基体の温度を目標温度に到達させるのに要する時間の短縮を図るべく、蓄熱基体と目標温度との間に特に大きな温度差を設定した場合に有効である。例えば、温度差が大きい場合には、対象物体を蓄熱基体の近接位置に保持したままの状態で放置すると、対象物体の温度は目標温度を瞬時に通りすぎてしまい、対象物体の温度を制御する本来の目的であるその後の処理に必要な時間だけ対象物体の温度を目標温度に維持することができない。
【0008】
しかし、本発明のように、所定の条件下で対象物体を蓄熱基体から所定の距離だけ離すことで、対象物体の表面温度を目的温度に短時間で到達させることができ、しかもその温度状態を保持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る温度制御方法及び装置を図面を用いて説明する。
【0010】
(A)第1の実施形態
(A−1)装置構成
本実施形態では、本発明に係る温度制御方法及び装置を、半導体ウエハの露光前処理に適用する場合について説明する。従って、本実施形態では、対象物体としての半導体ウエハの温度を目標温度に制御する場合について説明する。なお、後述するように、本実施形態において制御対象とする温度は、被露光領域となる半導体ウエハ表面の温度である。
【0011】
図1に、本実施形態に係る温度制御装置の構成例を示す。なお、図1は、本発明の実施に関係する部分の構成を機能的に表したものである。
【0012】
図1に示すように、本実施形態における温度制御装置では、半導体ウエハ1の表面温度の測定に非接触型の温度センサ2A及び2Bを使用し、温度制御の対象である半導体ウエハ1の表面温度だけでなく、これとは別に用意される基準温度設定用の半導体ウエハ1の表面温度も同時に測定する方式を採用する。これは、2つの測定結果を比較することにより、測定結果に不可避的に重畳される環境誤差等を打ち消して、精度の高い温度制御を可能とするためである。
【0013】
このため、図1に示す温度制御装置では、チャンバー3を仕切り3Aによって2つの部屋に分け、その一方を基準温度(ここでは、23℃とする。)に制御された半導体ウエハ1の表面温度についての測定結果を得るための基準温度設定室に、他方を露光直前の半導体ウエハ1の表面温度を基準温度と同じ目標温度に実際に制御するための温度制御室に用いている。
【0014】
このうち、基準温度設定室には、基準温度コントローラ4によって23℃に制御される基準プレート5と、この基準プレート5によってその表面温度が常時23℃に保たれるように制御される半導体ウエハ1と、半導体ウエハ1の表面に接触しその表面温度を直接的に測定する接触型の温度センサ2Cと、半導体ウエハ1との位置関係が温度制御室における測定条件と同じ条件で取り付けられた非接触型の温度センサ2Aとが設けられてなる。
【0015】
ここで、基準温度コントローラ4は、接触型の温度センサ2Cから入力される測温信号St1が基準温度よりも高い温度を表している場合、基準プレート5の温度を低下させる制御信号Scont1 を出力し、反対に、接触型の温度センサ2Cから入力される測温信号St1が基準温度よりも低い温度を表している場合、基準プレート5の温度を上昇させる制御信号Scont1 を出力することで、半導体ウエハ1の表面温度を一定温度に制御する。
【0016】
なお、基準温度コントローラ4による基準プレート5の温度制御はかかる制御信号を用いる方式に限られるものでなく、基準プレート5に対して供給する電流や電圧等を判定結果に応じて直接増減する方式を用いることもできる。
【0017】
他方、温度制御室には、プレート温度コントローラ6によって目標温度に対して所定の温度差を有する温度(ここでは、18℃とする。)に温度制御されるプレート7(これが特許請求の範囲における蓄熱基体に対応する。)と、処理対象としての半導体ウエハ1と、プレート7に設けられた不図示の貫通孔を介して図中上下方向に駆動自在に取り付けられ、その先端部において半導体ウエハ1を下面から支持し、半導体ウエハ1とプレート7との間隔を一定距離に保持する適当な個数のリフト8と、当該リフト8を一体に駆動し、プレート7の表面から突出するリフト8の突出量を調整するためのストローク機構9と、半導体ウエハ1の表面温度を非接触で測定する温度センサ2Bとが設けられてなる。
【0018】
ここで、半導体ウエハ1とプレート7との間隔は、温度制御の際、プレート7の表面から突出するリフト8の突出量の制御によって2段階に切り替えられるようになっている。第1段階における間隔は、半導体ウエハ1の温度を目標温度に到達させるまでに用いられる間隔であり、第2段階における間隔は、半導体ウエハ1の温度が目標温度に達した後に用いられる間隔である。本実施形態においては、第1段階における間隔を図2(A)に示すように0.15〔mm〕とし、第2段階における間隔を図2(B)に示すように4〔mm〕とする。この長さは、リフト8のプレート7の表面からの突出量と同じである。
【0019】
なおこのように、半導体ウエハ1とプレート7との間隔を2段階で切り替えるのは、本実施形態では、半導体ウエハ1の表面温度を短時間で目標温度に到達させるべく、蓄熱基体としてのプレート7の温度を目標温度よりもかなり低い温度(18℃)に設定するため、目標温度到達後も第1段階における間隔を維持すると、半導体ウエハ1の表面温度が目標温度よりも低下してしまうからである。このため、本実施形態では、第2段階における間隔として、空気を媒体として実現される熱交換の停止に十分な距離だけ半導体ウエハ1をプレート7から引き離す設定を採用している。
【0020】
因みに、これらの2種類の間隔の他にも、本実施形態においては、リフト8のプレート7の表面からの突出量として、ロボットアーム等との間で半導体ウエハ1を受け渡しする際に使用する第3の突出量が用意されている。
【0021】
これら3通りの突出量の制御は、ストロークコントローラ10によって実現される。ストロークコントローラ10は、非接触型温度センサ2Dによって測定されたウエハカセット11内の半導体ウエハ1の温度に応じたストローク量を内蔵メモリ等から読み出し、ストローク量制御信号Scont3 としてストローク機構9に出力する。この実施形態の場合、室温は25℃に設定されており、半導体ウエハ1の温度も25℃であるので、ストローク量としては0.15〔mm〕が与えられる。
【0022】
また、ストロークコントローラ10は、差温検出部12からリフトアップ信号Supが与えられたとき、ストローク量を0.15〔mm〕から4〔mm〕に切り替えるようにストローク量制御信号Scont3 を出力する。さらに、ストロークコントローラ10は、ロボット搬送出力信号の入力によって、ロボットアームとの間で半導体ウエハ1の受け渡しの実行が指示されたとき、受け渡しに適した第3の突出量が得られるようにストローク量制御信号Scont3 を出力する。
【0023】
前述のリフトアップ信号Supは、差温検出部12において生成され、ストロークコントローラ10に与えられる。差温検出部12は、基準温度設定室の非接触型温度センサ2Aで測定された基準測定温度信号St1と、温度制御室の非接触型温度センサ2Aで測定された実測定温度信号St2との両方を比較し、両者が一致するとき又は両者の差分が所定の範囲内に入った時点でリフトアップ信号Supの出力を行う。
【0024】
なお、以下の説明では、両測定結果が一致した時点でリフトアップ信号Supを出力するものとして説明するが、温度制御中における半導体ウエハ1の表面温度の変化速度が大きいために、基準測定温度信号St1と実測定温度信号St2との一致検出を待ってリフトアップ信号Supを出力したのでは半導体ウエハ1の温度を目標温度で静止し得ないような場合には、前述のように、両者の差分が所定の範囲内に入った時点でリフトアップ信号Supの出力を行う予測制御を採用する。ここで、所定の範囲とは、実験その他の経験によって定められるべき値である。
【0025】
さらに、本実施形態における温度制御装置には、蓄熱基体としてのプレート7の温度を設定するための手段として、演算設定部13とプレート温度コントローラ6とが設けられている。このうち、プレート温度コントローラ6は、演算設定部13で設定された温度にプレート7の温度をフィードバック制御する手段であり、既存の装置が用いられる。従って、新規な部分は演算設定部13の部分である。
【0026】
演算設定温度13は、差温検出部12から目標温度に当る基準温度t1(23℃)を入力すると共に、ウエハカセット11側の温度センサ2Dから半導体ウエハ11の温度制御前の温度tx (25℃)を入力し、その値から設定温度tc を次式のように計算する。
【0027】
tc =tx +(tx −t1)・K …(1)
ここで、Kは温度定数であって、処理対象である半導体ウエハ1の熱容量(表面積や体積等で定まる。)やプレート7の熱容量(表面積や体積等で定まる。)の他、熱交換媒体の熱伝達係数や目標温度に到達させるために予定している目標時間等に応じて定まる値である。本実施形態では、この値として「−3.5」を使用する。従って、本実施形態における環境下における設定温度tc は、25℃+{(25℃−23℃)×(−3.5)}を計算することにより与えられる18℃となる。
【0028】
(A−2)温度制御動作
続いて、本実施形態に係る温度制御装置による半導体ウエハの温度制御動作を説明する。なお、前提条件として、基準温度設定室内に載置された半導体ウエハ1の表面温度は、既に基準温度(23℃)に制御されているものとする。また、温度制御室内に設けるプレート7の設定温度(18℃)は、ウエハカセット11内に収容されている半導体ウエハ1の表面温度tx を基に計算され、プレート温度コントローラ6によって一定に制御されているものとする。
【0029】
まず、ウエハカセット11から露光対象である半導体ウエハ1が1枚ずつ取り出され、ロボットアーム等によって温度制御室内へ搬送される。半導体ウエハ1が温度制御室内の所定位置まで搬送されると、ストロークコントローラ10に対してロボット搬送出力信号が与えられる。ストロークコントローラ10は、当該信号を入力するとストローク機構9に対して第3のストローク量を指示し、半導体ウエハ1をロボットアーム等からリフト8へ移し替える。なお、当該移し替えの後、ロボットアーム等は半導体ウエハ1と衝突の生じない位置へ退避される。
【0030】
かかる退避が確認されると、ストロークコントローラ10は、予め非接触型の温度センサ2Dで測定された半導体ウエハ1の温度tx に応じた間隔だけ、半導体ウエハ1とプレート7とのが離れて対峙するように所定のストローク量をストローク機構9に与え、半導体ウエハ1がプレート7の表面から0.15〔mm〕の位置へ移動させる。この移動によって所定値に停止した状態が、温度制御が開始されるタイミングであって、図3の温度制御開始時刻に相当する。
【0031】
ところで、前述したように、本実施形態におけるプレート7の温度は18℃に設定されており、半導体ウエハ1との間には実に7℃もの温度差が存在する。因みに、従来手法の場合には、プレート7の温度が目標温度に設定されていたため2℃の温度差しかなかった。しかも、半導体ウエハ1とプレート7との間隔はごくわずかであるため、半導体ウエハ1はプレート7との間にある空気層を介した熱交換によって、半導体ウエハ1の表面温度は急速に低下し始める。この状態を図3では点線で表している。
【0032】
さて、このように温度制御が開始されると、温度制御装置では、差温検出部12において温度センサ2Aから与えられる基準測定温度信号St1と、温度センサ2Bから与えられる実測定温度信号St2との比較を実行し、両者が一致する瞬間の監視を実行する。そして、差温検出部12は、両者の一致が確認されたタイミングでリフトアップ信号Supをストロークコントローラ10に出力し、半導体ウエハ1をプレート7に対して4〔mm〕だけ離れた位置へと退避させる。
【0033】
この退避動作の結果、半導体ウエハ1の表面温度を低下させるように働く外的要因はほとんど無視し得る状態になり、図3において実線で示すように、半導体ウエハ1の表面温度は目標温度である23℃に保持される状態になる。図3の場合、初期温度が25℃である半導体ウエハ1の表面温度を23℃に温度制御するのに要する時間は約3秒である。この時間は、従来手法で要していた45秒に比べ、格段に短い時間である。因みに、図3では、従来手法によって温度制御する場合の温度遷移の様子を一点鎖線で表している。
【0034】
さて、このように温度制御が完了すると、温度制御装置は、ロボットアーム等による搬送可能な位置に半導体ウエハ1を移動させ、ロボットアーム等への移し替えを行う。当該ロボットアーム等への移し替えの完了により、1枚の半導体ウエハ1に対する温度制御動作が完了し、次の露光対象である半導体ウエハ1の温度制御動作に移行する。この動作が繰り返し実行される。
【0035】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態における温度制御装置においては、目標温度(23℃)に対して所定の温度差(7℃)を有するように温度管理されたプレート7、すなわち18℃に温度管理されたプレート7の近接位置に半導体ウエハ1を保持し、半導体ウエハ1の表面温度をプレート7の温度(18℃)との中間に位置する目標温度(23℃)に制御するようにしたことにより、目標温度(23℃)に制御されたプレート7によって温度制御を実施する従来手法に比べ、半導体ウエハ1の表面温度が目標温度に達する時間を格段に短縮することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、半導体ウエハ1の表面温度が目標温度に達したタイミングで、半導体ウエハ1をプレート7から適当な距離だけ引き離すような制御を行うようにしたことにより、温度制御に要する時間の短縮と同時に、半導体ウエハ1の表面温度を確実に目標温度に維持させることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、半導体ウエハ1の初期温度(すなわち、室温)と目標温度との温度差に応じてプレート7の温度を適切な温度に自動設定できるようにしたことにより、室温等の変動によらず、温度制御に要する時間をほぼ一定にすることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、実際に制御対象となっている半導体ウエハ1の表面温度の測定結果のみに基づいて温度制御を実行するのではなく、正確に基準温度に管理された半導体ウエハ1の表面温度の測定結果との比較によって温度制御を実行するようにしたことにより、信頼性の高い温度制御を可能とできる。
【0039】
(B)第2の実施形態
続いて、本発明に係る温度制御方法及び装置の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例に相当する。従って、前提条件や処理対象については第1の実施形態と同じである。
【0040】
図4に、本実施形態に係る温度制御装置の構成例を示す。ここで、図4は、図1との対応部分には対応符号を付して表すと共に、図1との同一部分に同一符号を付して表している。
【0041】
この第2の実施形態と前述の第1の実施形態との違いは、図4と図1を対比すれば明らかなように、差温検出部12'が比較対象とする基準温度が測定値として与えられるのではなく(すなわち、非接触型の温度センサ2Aで測定された温度ではなく)、内部メモリ等に固定的に格納された温度(23℃)として与えられる点である。なお、その他の部分については、第1の実施形態と同じである。すなわち、差温検出部12'の比較対象を除いて、その制御動作等は第1の実施形態の場合と同様である。
【0042】
かかる構成とすることにより、本実施形態に係る温度制御装置では、第1の実施形態で必要とされた基準温度設定室とその温度管理部(基準温度コントローラ4、基準プレート5、温度センサ2A、2C)を設ける必要がなくなり、その分、装置の小型化を実現できる。
【0043】
また、この第2の実施形態では、ほぼ目標温度(23±0.2℃)に温度管理された室内に温度制御装置を配置し、相対的に低い精度で温度管理されている空間に配置されたウエハカセット11から隔離しているが、かかる構成とすることにより、温度制御後の半導体ウエハ1の表面温度を長く目標温度に保つことができる。
【0044】
因みに、本実施形態における差温検出部12'は、プレート7に載置された半導体ウエハ1の表面温度が、目標温度(23℃)に対して±0.1℃の範囲内に入るように温度制御を行って、制御後の半導体ウエハ1をチャンバー3の外部雰囲気中(23±0.2℃)へ出力する。
【0045】
(C)他の実施形態
上述の第2の実施形態においては、ほぼ目標温度(23±0.2℃)に温度管理された室内に温度制御装置を配置する場合について述べたが、当該室内の温度が基準温度(23±0.1℃)に厳格に温度管理されている場合には、当該温度の測定結果を基準温度に用いるようにしても良い。このようにしても、第1の実施形態に比べて装置構成を簡略化することができる。
【0046】
上述の実施形態においては、温度制御の開始から目標温度に達するまでの第1段階の間隔を0.15〔mm〕に設定する一方、目標温度に達した後の第2段階における間隔を4〔mm〕に設定する場合について述べたが、これらの値は一例であり、それぞれ使用環境等に応じて最適な値を選択すれば良い。
【0047】
上述の実施形態においては、半導体処理工程のうちの露光前処理として実行される温度制御方法について述べたが、本発明はこれに限らず、他の処理工程の前処理として実行される温度制御方法にも適用し得る。
【0048】
上述の実施形態においては、半導体処理工程における前処理に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、半導体ウエハ以外の物体の製造工程又は処理工程での温度制御にも適用し得る。例えば、ガラス基板やプラスチック材料の製造工程等で行われる温度制御にも適用し得る。
【0049】
上述の実施形態においては、演算設定部13によって目標温度と半導体ウエハ1の初期温度との温度差を確認し、当該温度差に基づいてプレート7の温度と目標温度との間に設ける所定の温度差を決定する場合について述べたが、半導体ウエハ1の温度管理が徹底している場合には、プレート7の設定温度をプレート温度コントローラ6に固定値を設定しておく構成としても良い。
【0050】
上述の実施形態においては、半導体ウエハ1とプレート7との間の熱交換媒体が空気である場合について述べたが、空気に限られるものでなく、例えば不活性ガスを熱交換媒体とする場合にも適用し得る。
【0051】
上述の実施形態においては、温度制御の対象となる半導体ウエハ1の初期温度(25℃)が目標温度(23℃)よりも高い場合、すなわち対象物体としての半導体ウエハ1を蓄熱基体としてのプレート7で冷却することにより目標温度に制御する場合について述べたが、本発明はこれとは反対に、対象物体の初期温度が目標温度よりも低い場合、すなわち対象物体を蓄熱基体で加熱することにより目標温度に制御する場合にも同様に適用し得る。この場合、蓄熱基体の温度を目標温度に設定するのではなく、目標温度よりも所定の温度だけ高く設定して対象物体を加熱すれば良い。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、目標温度に対して所定の温度差を有するように温度管理された蓄熱基体の近接位置に対象物体を保持し、対象物体の表面温度を当該温度と蓄熱基体の温度との中間に位置する目標温度に制御することにより、対象物体を蓄熱基体の近接位置に保持した直後からの表面温度の変化の速度を大きくでき、その分速く、対象物体の表面温度を目標温度に到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る温度制御方法を適用する温度制御装置の第1の実施形態例を示す図である。
【図2】 温度制御動作中における半導体ウエハとプレートとの間隔の切り替え動作を示す図である。
【図3】 本発明による温度制御によって実現される温度の推移特性を示す図である。
【図4】 本発明に係る温度制御方法を適用する温度制御装置の第2の実施形態例を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体ウエハ、2A、2B、2D…非接触型温度センサ、2C…接触型温度センサ、3…チャンバー、3A…仕切り、4…基準温度コントローラ、5…基準プレート、6…プレート温度コントローラ、7…プレート、8…リフト、9…ストローク機構、10…ストロークコントローラ、11…ウエハカセット、12、12'…差温検出部、13…演算設定部。
Claims (4)
- 制御前には、目標温度t1に対して高温(又は低温)の所定温度若しくはその近傍温度になっている板状対象物体の当初の表面温度txを、目標温度に制御する温度制御方法において、
目標温度より所定温度だけ低温(又は高温)の固定温度tcを有するように温度管理された蓄熱基体の一面に、上記板状対象物体の一方の面が面するように、上記蓄熱基体及び上記板状対象物体を近接させた状態を継続させて、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に向かって変化させ、
上記板状対象物体の表面温度が目標温度に達したとき、又は、上記板状対象物体の表面温度の目標温度に対する温度差が所定範囲内まで減少したとき、上記板状対象物体を上記蓄熱基体から所定距離だけ離れた位置に移動させ、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に保持する
ことを特徴とする温度制御方法。 - 請求項1に記載の温度制御方法において、上記固定温度tcは、目標温度t1に対する上記板状対象物体の当初の表面温度txの温度差に基づいて決定することを特徴とする温度制御方法。
- 請求項1又は2に記載の温度制御方法において、目標温度を有するように温度管理された基準蓄熱基体に近接された板状基準物体について検出された表面温度に、制御対象の上記板状対象物体の表面温度が一致したとき、上記板状対象物体を上記蓄熱基体から所定距離だけ離れた位置に移動させ、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に保持することを特徴とする温度制御方法。
- 制御前には、目標温度t1に対して高温(又は低温)の所定温度若しくはその近傍温度になっている板状対象物体の当初の表面温度txを、目標温度に制御する温度制御装置において、
目標温度より所定温度だけ低温(又は高温)の固定温度tcを有するように温度管理された蓄熱基体と、
上記板状対象物体を、その一面が、上記蓄熱基体の一面に面するように近接させた第1の位置と、上記蓄熱基体から所定距離だけ離れた第2の位置とのいずれかの位置に位置させる板状対象物体移動機構と、
上記板状対象物体を上記第1の位置に位置させて、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に向かって変化させ、上記板状対象物体の表面温度が目標温度に達したとき、又は、上記板状対象物体の表面温度の目標温度に対する温度差が所定範囲内まで減少したとき、上記板状対象物体を上記第2の位置に移動させ、上記板状対象物体の表面温度を目標温度に保持させる制御手段と
を有することを特徴とする温度制御装置。
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