JP4655374B2 - コリネ型細菌のホスホセリンホスファターゼ遺伝子 - Google Patents

コリネ型細菌のホスホセリンホスファターゼ遺伝子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コリネ型細菌のホスホセリンホスファターゼをコードするDNAに関する。同DNAは、コリネ型細菌のL−セリン生産菌の育種等、微生物工業に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来の発酵法によるL−セリンの製造法としては、グリシン及び糖からL−セリンに変換できる菌株を使用して、30g/Lのグリシンを有する培地で最高14g/LのL−セリンを製造したという報告がある。この方法におけるグリシンからL−セリンへの変換収率は46%に相当する(Kubota K. Agricultural Biological Chemistry,49,7〜12,1985)。 また、グリシンとメタノールからL−セリンに変換できる菌株を使用して、100g/Lのグリシンから53g/LのL−セリンが生産できる(T.Yoshida et al. Journal of Fermentation and Bioengineering,Vol.79,No.2,181−183.1995)。また、ノカルディア属細菌を使用する方法では、セリンハイドロキサメイトやアザセリン等の耐性菌を育種することによりL−セリン生産能が改善されることが知られている(特公昭57−1235号)。しかし、これらの方法はL−セリンの前駆体であるグリシンを使用しなければならず、操作が煩雑でコスト的にも不利であった。
【0003】
L−セリンを糖より直接発酵でき、かつ培地にL−セリンの前駆体を添加する必要のない菌株として、D−セリン、α−メチル−セリン、o−メチルセリン、イソセリン、セリンハイドロキサメイト、3−クロロアラニンに耐性なコリネバクテリウム グルタミカムが知られているが、そのL−セリン蓄積は0.8g/Lと極めて低いものであり(農芸化学会誌、第48巻、第3号、p201−208,1974)、工業的にL−セリンの直接発酵を行うには更なる菌株改良が望まれた。
【0004】
一方、コリネ型細菌において、菌体内で自律増殖可能でかつ、薬剤耐性マーカー遺伝子を有するベクタープラスミド(米国特許第4514502号参照)、遺伝子の菌体への導入方法(特開平2−207791号等)が開示されており、これらの技術を用いたL−アミノ酸生産菌育成が行われている。L−セリンについては、L−セリン生産能を有するコリネ型細菌において、L−セリンによるフィードバック阻害が解除されたD−3−ホスホグリセレートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子(serA遺伝子)(欧州特許出願公開第943,687号)の導入、又はホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子(serB)もしくはホスホセリントランスアミナーゼをコードする遺伝子(serC)(欧州特許出願公開第931,833号)の増幅が、L−セリン生産性を向上させることを見出している。しかし、serB遺伝子は、エシェリヒア・コリ(GenBank accession X03046, M30784)、酵母(GenBank accession U36473)、ヘリコバクター・ピロリ(GenBank accession AF006039)等では知られているが、コリネ型細菌では知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、コリネ型細菌のホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ブレビバクテリウム・フラバムの染色体DNAライブラリーから、エシェリヒア・コリのserB欠損を相補するDNA断片を取得した。そして、同DNA断片から既知のserB遺伝子と相同性を有するオープン・リーディング・フレームをサブクローニングし、前記エシェリヒア・コリのserB欠損株に導入したが、serB欠損は相補されなかった。ところが、前記ORFをlacプロモーターを用いて強制発現させたところ、serB欠損が相補されることを見出し、前記ORFがブレビバクテリウム・フラバムのserB相同遺伝子であることが確認され、さらに、オペロンを形成しているために同遺伝子固有のプロモーターは存在しないことが示唆された。
【0007】
本発明は、上記のようにしてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)下記(A)又は(B)に示すタンパク質。
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質。
(2)下記(A)又は(B)に示すタンパク質をコードするDNA。
(A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質。
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(4)前記ストリンジェントな条件が、1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である(3)のDNA。
(5)下記(a)又は(b)に示すDNAである(2)のDNA。
(a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、塩基番号210〜1547からなる塩基配列を含むDNA。
(b)配列表の配列番号13に記載の塩基配列のうち、塩基番号210〜1547からなる塩基配列又はその一部を有するプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(6)前記ストリンジェントな条件が、1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である(5)のDNA。
(7)(1)〜(6)のいずれかのDNAを含むベクター。
(8)(1)〜(6)のいずれかのDNAによってコードされるホスホセリンホスファターゼの活性が上昇した細菌。
(9)(8)の細菌を培地に培養し、該培地中にL−セリンを生成蓄積させ、該培地からL−セリンを採取することを特徴とするL−セリンの製造法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のDNAは、ブレビバクテリウム・フラバム、例えばブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株の染色体DNAから、該染色体DNAを鋳型とし、配列表の配列番号3に示す塩基配列を有するプライマー及び配列表の配列番号4に示す塩基配列を有するプライマーを用いたPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)により取得することができる。これらのプライマーは、それぞれ5'端近くに、制限酵素EcoR又はSalIの認識配列が組み込まれているので、増幅産物をこれらの制限酵素で消化すれば、EcoRIおよびSalI切断末端を有するベクターに挿入することができる。
【0009】
上記プライマーの塩基配列は、エシェリヒア・コリのserB欠損株ME8320(thi, serB, zji-1::Tn10)(国立遺伝学研究所より入手できる)のserB欠損を相補するDNA断片の塩基配列に基づいて設計されたものであり、これらのプライマーを用いれば、serB相同遺伝子のコード領域及び隣接領域(約200塩基の5’非翻訳領域及び約300塩基の3’非翻訳領域)を含むDNA断片が得られる。
【0010】
上記のようにして得られる本発明のDNAの塩基配列及びこの配列がコードし得るアミノ酸配列の一例を配列番号1に示す。また、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。
【0011】
前記serB相同遺伝子は、ME8320株のserB欠損を相補するDNA断片中に存在し、かつ、エシェリヒア・コリ及び酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)のserB遺伝子と相同性を有するオープン・リーディング・フレーム(ORF)として見出されたものである。このORF及びプロモーターを含むのに十分と考えられる長さの隣接領域を含むDNA断片を、上記配列番号3及び4に示すプライマーを用いたPCRによりブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株から取得し、ME8320株に導入したが、serB欠損は相補されなかった。したがって、当初は前記ORFはserB相同遺伝子ではないとも考えられた。しかし、このORFをlacZプロモーターに連結して強制発現させたところ、serB欠損が相補され、前記ORFがserB相同遺伝子であることが確認された。
【0012】
また、前記のserB欠損を相補するDNA断片中には、serB相同遺伝子のORFのすぐ上流に別のORFが見出された。これらのことから、これらのORFはオペロンを形成しており、serB相同遺伝子の直ぐ上流にはプロモーター領域等が存在しないことが示唆される。
【0013】
当初、ブレビバクテリウム・フラバムからのserB相同遺伝子の取得は、既知のserB遺伝子の配列を利用して行うことを試みた。すなわち、既知の他の生物種のserB遺伝子の塩基配列及びアミノ酸配列の比較を行い、アミノ酸配列が各種生物間で高度に保存されている領域を検索し、同領域の塩基配列に基づいてPCR用のプライマーを作製し、同プライマーを用いてserB相同遺伝子を増幅しようと考えた。しかし、そのような保存領域は非常に少なく、PCRにより目的とする遺伝子を取得することは困難であると判断した。そのため、serB欠損株を用いた相補性試験を行うこととした。
【0014】
本発明のDNAは、上記のようにserB欠損株を用いた相補性試験によるクローニング及びPCRによるサブクローニングにより取得されたものであるが、本発明のDNAの塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプローブとするハイブリダイゼーションによって、ブレビバクテリウム・フラバムの染色体DNAリブラリーから取得することもできる。
【0015】
ゲノムDNAライブラリーの作製、ハイブリダイゼーション、PCR、プラスミドDNAの調製、DNAの切断及び連結、形質転換等の方法は、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,Maniatis,T.,Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press,1.21(1989)に記載されている。
【0016】
本発明のDNAは、コードされるホスホセリンホスファターゼの活性が損なわれない限り、1若しくは複数の位置での1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むホスホセリンホスファターゼをコードするものであってもよい。ここで、「数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置や種類によっても異なるが、具体的には2から200個、好ましくは、2から50個、より好ましくは2から20個である。
また、本発明のDNAは、コードされるホスホセリンホスファターゼの活性が損なわれない限り、配列番号2に示すアミノ酸配列と50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするものであってもよい。
【0017】
上記のようなホスホセリンホスファターゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAは、例えば部位特異的変異法によって、特定の部位のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むように塩基配列を改変することによって得られる。また、上記のような改変されたDNAは、従来知られている変異処理によっても取得され得る。変異処理としては、ホスホセリンホスファターゼをコードするDNAをヒドロキシルアミン等でインビトロ処理する方法、及びホスホセリンホスファターゼをコードするDNAを保持する微生物、例えばエシェリヒア属細菌を、紫外線照射またはN−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理する方法が挙げられる。
【0018】
また、上記のような塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位等には、ホスホセリンホスファターゼを保持する微生物の個体差、種や属の違いに基づく場合などの天然に生じる変異(mutant又はvariant)も含まれる。
【0019】
上記のような変異を有するDNAを、適当な細胞で発現させ、発現産物のホスホセリンホスファターゼ活性を調べることにより、ホスホセリンホスファターゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAが得られる。また、変異を有するホスホセリンホスファターゼをコードするDNAまたはこれを保持する細胞から、例えば配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち塩基番号210〜1547からなる塩基配列を有するプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを単離することによっても、ホスホセリンホスファターゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAが得られる。ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件、例えば60℃、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄が行われる条件が挙げられる。配列番号1に示す塩基配列と90%以上の相同性を有し、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAは、本発明のDNAである。
【0020】
プローブとして、配列番号1の塩基配列の一部の配列を用いることもできる。そのようなプローブは、配列番号1の塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし、配列番号1の塩基配列を含むDNA断片を鋳型とするPCRによって作製することができる。プローブとして、300bp程度の長さのDNA断片を用いる場合には、ハイブリダイゼーションの洗いの条件は、50℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられる。
【0021】
上記のような条件でハイブリダイズする遺伝子の中には途中にストップコドンが発生したものや、活性中心の変異により活性を失ったものも含まれるが、それらについては、市販の活性発現ベクターにつなぎホスホセリンホスファターゼ活性を、例えばLewis, I. Pizer, J.B.C. 238(12),3934−3944(1963)の方法で測定することによって容易に取り除くことができる。
【0022】
本発明のDNAは、適当なベクター、例えばエシェリヒア・コリ及び/又はコリネ型細菌の細胞内において自律複製可能なベクターDNAに接続して組み換えDNAを調製し、これをエシェリヒア・コリ細胞に導入しておくと、後の操作がしやすくなる。エシェリヒア・コリ細胞内において自律複製可能なベクターとしては、プラスミドベクターが好ましく、宿主の細胞内で自律複製可能なものが好ましく、例えば pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG399、pHSG398、RSF1010等が挙げられる。
【0023】
組み換えDNAの調製は、トランスポゾン(WO02/02627国際公開パンフレット、WO93/18151国際公開パンフレット、欧州特許公開0445385号、特開平6−46867号、Vertes, A. A. et al., Mol. Microbiol., 11, 739−746 (1994)、Bonamy, C., et al., Mol. Microbiol., 14, 571−581 (1994)、Vertes, A. A. et al., Mol. Gen. Genet., 245, 397−405 (1994)、Jagar, W. et al., FEMS Microbiology Letters, 126, 1−6 (1995)、特開平7−107976号、特開平7−327680号等)やファージベクター、染色体組み換え(Experiments in Molecular Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory press(1972);Matsuyama,S. and Mizushima,S.,J.Bacteriol.,162,1196(1985))等を利用することによっても行うことができる。
【0024】
また、これらのベクターにコリネ型細菌中でプラスミドを自律複製可能にする能力をもつDNA断片を挿入すると、エシェリヒア・コリ及びコリネ型細菌の両方で自律複製可能ないわゆるシャトルベクターとして使用することができる。
【0025】
このようなシャトルベクターとしては、以下のものが挙げられる。なお、それぞれのベクターを保持する微生物及び国際寄託機関の寄託番号をかっこ内に示した。
pHC4 エシェリヒア・コリAJ12617(FERM BP−3532)
pAJ655 エシェリヒア・コリAJ11882(FERM BP−136)、コリネバクテリウム グルタミカムSR8201(ATCC39135)
pAJ1844 エシェリヒア・コリAJ11883(FERM BP−137)、コリネバクテリウム・グルタミカムSR8202(ATCC39136)
pAJ611 エシェリヒア・コリAJ11884(FERM BP−138)
pAJ3148 コリネバクテリウム・グルタミカムSR8203(ATCC39137)
pAJ440 バチルス ズブチリスAJ11901(FERM BP−140)
【0026】
これらのベクターは、寄託微生物から次のようにして得られる。対数増殖期に集められた細胞をリゾチーム及びSDSを用いて溶菌し、30000×gで遠心分離して溶解物から得た上澄液にポリエチレングリコールを添加し、セシウムクロライド−エチジウムブロマイド平衡密度勾配遠心分離により分別精製する。
【0027】
エシェリヒア・コリにプラスミドを導入して形質転換するには D.A.Morrisonの方法(Methods in Enzymology, 68,326, 1979)あるいは受容菌細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Mandel,M. and Higa,A.,J.Mol.,Biol.,53,159(1970))等により行うことができる。
【0028】
コリネ型細菌にプラスミドを導入して形質転換するには、電気パルス法(杉本ら、特開平2−207791号 公報)によって行うことができる。
本発明のDNAを、適当な宿主−ベクター系を用いて発現させることにより、ホスホセリンホスファターゼを製造することができる。
【0029】
本発明のDNAを発現させるための宿主としては、ブレビバクテリウム・フラバム等のコリネ型細菌、エシェリヒア・コリ、バチルス・ズブチリスをはじめとする種々の原核細胞、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)をはじめとする種々の真核細胞、動物細胞、植物細胞が挙げられるが、これらの中では原核細胞、特にコリネ型細菌、エシェリヒア・コリ及びバチルス・ズブチリスが好ましい。
【0030】
本発明のDNAはプロモーターを有していないため、発現させるには本発明のDNAの上流に、宿主細胞内で働くlac、trp、PL等のプロモーターを連結する必要がある。ベクターとして、プロモーターを含むベクターを用いると、本発明のDNAと、ベクター及びプロモーターとの連結を一度に行うことができる。このようなベクターとしては、lacZプロモーターを含むpMW219(日本ジーン社から購入できる)等が挙げられる。
【0031】
尚、本発明のDNAを高発現させると、それを含むプラスミドが不安定化することがあるが、その場合は低コピーベクターを用いるとよい。
形質転換は、例えば、エシェリヒア・コリ K-12について報告されているような、受容菌細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法( Mandel,M.and Higa,A.,J.Mol.,Biol.,53,159(1970) )や、バチルス ズブチリスについて報告されているような、増殖段階の細胞からコンピテントセルを調製してDNAを導入する方法( Duncan,C.H.,Wilson,G.A.and Young,F.E.,Gene,1,153(1977) )を用いることができる。あるいは、バチルス ズブチリス、放線菌類および酵母について知られているような、DNA受容菌の細胞を、組換えDNAを容易に取り込むプロトプラストまたはスフェロプラストの状態にして組換えDNAをDNA受容菌に導入する方法( Chang,S.and Choen,S.N.,Molec.Gen.,Genet.,168.111(1979);Bibb,M.J.,Ward,J.M.and Hopwood,O.A.,Nature,274,398(1978);Hinnen,A.,Hicks,J.B.and Fink,G.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75 1929(1978))も応用できる。また、コリネ型細菌には、電気パルス法(特開平2−207791号公報)も有効である。これらの方法は、宿主として用いる細胞に応じて適宜選択すればよい。
【0032】
上記のようにして本発明のDNAを発現可能な形態で導入された細胞を培地で培養し、ホスホセリンホスファターゼを培養物中に生成蓄積させ、該培養物よりホスホセリンホスファターゼを採取することにより、ホスホセリンホスファターゼを製造することができる。培養に用いる培地は、用いる宿主に応じて適宜選択すればよい。
【0033】
上記のようにして製造されるホスホセリンホスファターゼは、必要に応じて、菌体抽出液又は培地からイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、溶媒沈殿等、通常の酵素の精製法を用いて精製することができる。
【0034】
また、本発明のDNAは、コリネ型細菌等のL−セリン生産菌の育種に利用することができる。すなわち、本発明のDNAを発現可能な形態で微生物に導入することにより、ホスホセリンホスファターゼ活性が付与又は増強され、その結果、L−セリン生産能が付与又は増強される。また、ホスホセリンホスファターゼ活性の増強は、serB相同遺伝子のコピー数の増大の他、ブレビバクテリウム・フラバムの染色体上のserB相同遺伝子の発現を増強するように発現調節配列を改変することによっても、行うことができる。染色体DNA上の発現調節配列の改変は、例えば、serB相同遺伝子を含むオペロンのプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換する(特開平1−215280号公報参照)ことによって行う。
【0035】
L−セリン生産菌の育種に用いることができるコリネ型細菌としては、例えば次のような野生株が挙げられる。
コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム ATCC13870
コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806
コリネバクテリウム・カルナエ ATCC15991
コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032
(ブレビバクテリウム・ディバリカタム) ATCC14020
(ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム)ATCC13869
(コリネバクテリウム・リリウム) ATCC15990
ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067
コリネバクテリウム・メラセコーラ ATCC17965
ブレビバクテリウム・サッカロリティクム ATCC14066
ブレビバクテリウム・インマリオフィルム ATCC14068
ブレビバクテリウム・ロゼウム ATCC13825
ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ATCC19240
ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム ATCC15354
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス AJ12340(FERM BP−1539)
【0036】
また、アザセリンまたはβ−(2−チエニル)−DL−アラニンに耐性を有する変異株(欧州特許出願公開第943,687号)も、L−セリン生産菌育種の出発株として利用することができる。
【0037】
また、本発明のDNAは、他のL−セリン生合成に関与する酵素遺伝子と併せて、L−セリン生産菌に導入してもよい。そのような遺伝子としては、D−3−ホスホグリセレートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子(serA)(欧州特許出願公開第943,687号)、ホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子(serB)及びホスホセリントランスアミナーゼをコードする遺伝子(serC)(欧州特許出願公開第931,833号)が挙げられる。serAとしては、L−セリンによるフィードバック阻害が解除されたD−3−ホスホグリセレートデヒドロゲナーゼをコードする変異型遺伝子が好ましい(欧州特許出願公開第943,687号参照)。
【0038】
本発明のDNAが発現可能な形態で導入され、かつ、L−セリン生産能を有する微生物を培地に培養し、培地中にL−セリンを蓄積させ、培地中から当該L−セリンを回収することにより、L−セリンを糖から直接に製造することができる。また、本発明のDNAが導入された微生物は、ホスホセリンホスファターゼが関与する限り、グリシン等のL−セリンの前駆体を用いてL−セリンを製造する方法にも適用することができる。
【0039】
本発明のDNAが導入された微生物を用いてL−セリンを生産するのに使用する培地としては、炭素源、窒素源、無機塩類、及び必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を適宜含有する通常の液体培地が使用される。炭素源としては、グルコース、シュークロース、フラクトース、ガラクトース等の糖類、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、さらには酢酸等の有機酸、エタノール等のアルコール類、グリセリン等も使用される。窒素源としてはアンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源、例えば油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、その他のアミノ酸、コーンスティープリカー、酵母または酵母エキス、ペプトン等のペプチド類等が使用される。無機イオンとしてはリン酸イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン等が適宜添加される。また本発明の微生物にアミノ酸等の要求性物質がある場合には、その要求物質を添加しなければならない。
【0040】
微生物の培養は通常pH5〜8、温度25〜40℃の範囲で好気的条件下で行われる。培養液のpHは、無機あるいは有機の酸、アルカリ性物質、さらには尿素、炭酸カルシウム、アンモニアガスなどによって上記範囲内のあらかじめ定められた値に調節する。
【0041】
発酵液からL−セリンを採取するには、例えば菌体を分離除去し、イオン交換樹脂処理あるいは濃縮冷却晶析法、膜分離法、その他公知の方法を組み合わせることにより行われる。不純物を除くためには常法の活性炭吸着法及び再結晶法を用いて精製してもよい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0043】
<1>高コピーベクターを用いたブレビバクテリウム・フラバム染色体DNAライブラリーの作製
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067より染色体を調製し、制限酵素Sau3AIを用いて、断片が約4〜6kbとなるように部分分解した。得られた断片と、コリネ型細菌とエシェリヒア・コリのシャトルベクターpSAC4をBamHIで切断したものを連結した。
【0044】
pSAC4は、以下のようにして作製した。エシェリヒア・コリ用ベクターpHSG399(宝酒造(株))をコリネ型細菌で自律複製可能にするために、既に取得されているコリネ型細菌で自律複製可能なプラスミドpHM1519(Miwa, k. et al., Agric. Biol. Chem., 48 (1984) 2901-2903)由来の複製起点(特開平5-7491号公報)を導入した。具体的には、pHM1519を制限酵素BamHIおよびKpnIで消化し、複製起点を含む遺伝子断片を取得し、得られた断片を宝酒造(株)製Blunting kitを用いて平滑末端化した後、 SalIリンカー(宝酒造(株)製)を用いて、pHSG399のSalIサイトに挿入し、pSAC4を得た。
【0045】
上記連結反応物をTEバッファーに溶解し、エレクトロポレーション法によりエシェリヒア・コリDH5αを形質転換した。形質転換液にSOC培地(組成:バクトトリプトン20g/L、イーストエキストラクト5g/L、NaCl 0.5g/L、グルコース10g/L)を加えて37℃で1時間保温し、等量の2×LB培地(クロラムフェニコール40mg/Lを含む。LB培地の組成:トリプトン 1%、イーストエキストラクト 0.5%、NaCl 0.1%、グルコース 0.1%、pH7)を加えて、37℃で2時間培養した。培養液に40%グリセロールを含む4×LB培地を等量加えた後、−80℃で保存した。
【0046】
上記培養液をLB培地に接種し、得られた菌体よりプラスミドを回収した。プラスミドDNAをエタノール沈殿し、エシェリヒア・コリのserB欠損株ME8320(thi, serB, zji-1::Tn10)(国立遺伝学研究所より入手)に、エレクトロポレーション法により導入した。ME8320株は、ビタミンB1 140mg/Lを添加したM9培地では生育できず、L−セリン40mg/Lを含む同培地で生育可能であることを確認した。
【0047】
形質転換後、菌体を洗浄し、ビタミンB1およびクロラムフェニコール40mg/Lを含むM9寒天培地にまいて、37℃で3〜4日間培養し、コロニーを形成させた。各コロニーからプラスミドを調製し、電気泳動にて大きさを調べたところ、顕著な欠失が認められた。serB遺伝子を菌体内で高発現させることがプラスミドの不安定化の原因と考え、ライブラリーを低コピーベクターを用いて作製し直すこととした。
【0048】
<2>低コピーベクターを用いたブレビバクテリウム・フラバム染色体DNAライブラリーの作製及びSerB遺伝子の単離
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067より染色体を調製し、Sau3AIで消化した。この反応は、切断断片の分布の中心が3kbp付近以上になるように調整した。得られた消化物約200μgを、10%〜40%のショ糖密度勾配遠心により分離し、AUTOMATIC LIQUID CHARG-ER(ADVANTEC社)及びMICRO TUBE PUMP(EYELA社)を用いて1mlずつ分画した。ショ糖密度勾配遠心は、ベックマン社のSW28ロータを用い、10℃、260,000rpmで26時間行った。分布の中心が3〜4kbp付近以上にあるDNA断片を有する画分をエタノール沈殿した後、Microcon-50(ミリポア社)によりDNA断片を精製した。
【0049】
上記のようにして得られた染色体DNA断片を、低コピー型ベクターであるpMW219(日本ジーン社、BamHI切断、脱リン酸化処理済)と連結し、連結反応物をTEバッファーに溶解し、エレクトロポレーション法によりエシェリヒア・コリDH5αを形質転換した。形質転換液にSOC培地を加えて37℃で1時間保温し、等量の2×LB培地(カナマイシン25mg/Lを含む)を加えて、37℃で2時間培養した。培養液に40%グリセロールを含む4×LB培地を等量加えた後、−80℃で保存した。
【0050】
上記培養液をLB培地に接種し、得られた菌体よりプラスミドを回収した。プラスミドDNAをエタノール沈殿し、ME8320にエレクトロポレーション法により導入した。
【0051】
形質転換後、菌体を洗浄し、ビタミンB1およびカナマイシン25mg/Lを含むM9寒天培地にまいて、37℃で3〜4日間培養し、コロニーを形成させた。各コロニーを、再度同じ培地およびカナマイシン25mg/Lを含むLB培地に塗布し、生育可能な株を選択し、同株からプラスミドを調製した。
【0052】
取得したプラスミドの挿入断片の塩基配列を決定するため、ベクターのマルチクローニングサイトの両端から、はじめにユニバーサルプライマーを用いて塩基配列決定を開始した。続いて、約300〜400bpずつ読み進め、挿入断片の両端各々約5kbpずつを決定した。決定された塩基配列についてオープン・リーディング・フレーム(ORF)の検索を行ったところ、既知である他種生物由来のホスホセリンホスファターゼ(serB遺伝子によりコードされる)と相同性が認められるORFが1つ見出されたた。同ORF中に相同性のある領域は数カ所認められたが、エシェリヒア・コリとの相同性はアミノ酸配列で43%、塩基配列で49.4%であり、酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)との相同性はアミノ酸配列で36.6%、塩基配列で50.9%と低いものであった。
塩基配列及びアミノ酸配列は、Genetyx-Mac computer program(ソフトウェア開発、東京)により解析した。相同性解析は、LipmanとPeason (Science, 227, 1435-1441, 1985)の方法にしたがって行った。
【0053】
上記のようにして決定した、既知のserB遺伝子と相同性を有するORF及びその隣接領域の塩基配列(配列番号1)及び同ORFがコードし得るアミノ酸配列(配列番号2)を、配列表に示す。
【0054】
<3>serBと相同性を有するORFのクローニング
上記にようにしてserB遺伝子と相同性が認められたORFが実際にserB相同遺伝子であるかを確認するため、同ORF及びその上流・下流約200〜300bpを含む染色体DNA断片をクローニングし、serB欠損株の相補性試験を行った。
【0055】
目的とするDNA断片をPCRにより取得するために、配列番号3及び4に示す塩基配列を有するプライマーを設計した。これらのプライマーを用い、ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。PCR反応は、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造(株))を用い、98℃ 10秒、55℃ 30秒、72℃ 2分の反応を30回繰り返した。
【0056】
増幅されたDNA断片及びベクターpMW219をEcoRIおよびSalIで消化した後、連結し、プラスミドpMW219BSBを構築した。PCR反応により導入されたエラーが存在しないことは、増幅断片の塩基配列決定により確認した。pMW219BSB中、前記ORFはベクターに含まれるlacZプロモーターに対して逆向きに挿入されている。
【0057】
pMW219BSBを、<2>と同様にしてME8320株に導入し、カナマイシン25mg/Lを含むLB培地に塗布した。形成されたコロニーを10株ずつ拾い、これらをM9培地に接種し培養したが、生育は認められなかった。
【0058】
<4>serBと相同性を有するORFの強制発現
pMW219BSBの挿入断片の向きを変え、ベクター中のlacZプロモーターに下流にORFが順方向となるように配向し、ORFが強制発現されるようにした。得られたプラスミドをME8320株に導入し、カナマイシン25mg/Lを含むLB培地に塗布した。形成されたコロニーは、最少培地で生育が認められた。
【0059】
上記の結果から、前記serB遺伝子と相同性を有するORFがエシェリヒア・コリのserB欠損相補能を有することが明らかとなり、同ORFがブレビバクテリウム・フラバムのserB相同遺伝子であることが確認された。
【0060】
前記<2>で得られたクローン化断片には、serB遺伝子と相同性を有するORFのすぐ上流に別のORFが見出された。したがって、これらのORFはオペロンを形成しており、serB遺伝子と相同性を有するORFの直ぐ上流にはプロモーター領域等が存在しないため、pMW219BSBはserB欠損を相補しなかったと考えられる。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、ブレビバクテリウム・フラバムのホスホセリンホスファターゼをコードするDNAが提供される。本発明のDNAは、コリネ型細菌のL−セリン生産菌の育種等の利用することができる。
【0062】
【配列表】
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【0063】
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【0064】
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【0065】
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【0066】
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Claims (3)

  1. 下記(A)又は(B)に示すタンパク質をコードするDNAによって形質転換されたことによりホスホセリンホスファターゼの活性が上昇した細菌を培地に培養し、該培地中にL−セリンを生成蓄積させ、該培地からL−セリンを採取することを特徴とするL−セリンの製造法。
    (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
    (B)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質。
  2. 前記DNAが、下記(a)又は(b)に示すDNAである、請求項1に記載のL−セリンの製造法。
    (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、塩基番号210〜1547からなる塩基配列を含むDNA。
    (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、塩基番号210〜1547からなる塩基配列を有するプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ホスホセリンホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
  3. 前記ストリンジェントな条件が、0.1×SSC及び0.1%SDSに相当する塩濃度で60℃で洗浄が行われる条件である請求項2記載のL−セリンの製造法。
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