JP4655014B2 - 透明容器詰緑茶飲料の保存方法および装置 - Google Patents

透明容器詰緑茶飲料の保存方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、PETボトル等透明容器詰緑茶飲料を販売するためショーケース、ウオーマ等において透明容器詰緑茶飲料を保存中に発生する褐変を低減することができる透明容器詰緑茶飲料の保存方法および保存装置に関する。
従来PETボトル等透明容器詰め緑茶飲料を保存する場合は、保存中の褐変が進行するのを低減するために、低温で保存したり、酸素バリヤー性や酸素吸収性を賦与した容器を使用する等の方法が採られている。また、特許文献1には茶飲料にトレハロースを添加することにより茶飲料の褐変を防止する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は褐変低減効果がなお充分でないか、あるいは飲料の製造等にコストが嵩むなどの問題点がある。
特開2001−112414号公報
本発明は、従来技術の問題点にかんがみなされたものであって、簡単で低コストな方法で充分な褐変低減効果を奏することができる透明容器詰緑茶飲料の保存方法および保存装置を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記発明の目的を達成するための実験と研究を重ねる過程において、保存中の透明容器詰緑茶飲料に緑色光を照射すると、従来のように低温保存でなく、常温または加温下での保存であっても、褐変の進行を見かけ上有効に低減できることを見出し、またこの現象は緑色光に限らず青色光等赤色光以外の着色光でも観察され、さらに白色光でも通常の蛍光灯の照度を超える1000Lux以上の高い照度で照射すれば同様に褐変低減効果が奏されることを見出した。そしてさらに実験と研究を重ねた結果、495〜505nmの放射束の積算値で常温保存の場合2μW/mL以上、50℃以上の加温下での保存の場合15μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を緑茶飲料に照射すると、有効かつ確実に褐変低減効果が奏されることを見出し、本発明に到達した。従来緑茶を保存するための技術においては、たとえば茶葉を日光に当てると日光臭を生じる等、一般に緑茶に光を当てると劣化が生じるという考えが常識であり、緑茶飲料に着色光や強い白色光を照射することにより劣化を生じることなく褐変の進行を低減できるということは、まったく意外な発見であった。
本発明の目的を達成する第1の構成は、透明容器詰緑茶飲料の常温での保存中495〜505nmの放射束の積算値で2μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射することを特徴とする透明容器詰緑茶飲料の保存方法である。
本発明の第2の構成は、該有色光の放射照度4μW/mL以上であることを特徴とする第1の構成の保存方法である。
本発明の第3の構成は、該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青ー緑色光であることを特徴とする構成1または2の保存方法である。
本発明の第4の構成は、該白色光の照度は1000Lux以上であることを特徴とする第1の構成の保存方法である。
本発明の第5の構成は、透明容器詰緑茶飲料の50℃以上の加温下での保存中495〜505nmの放射束の積算値で15μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射することを特徴とする透明容器詰緑茶飲料の保存方法である。
本発明の第6の構成は、該有色光の放射照度は30μW/mL以上であることを特徴とする第5の構成の保存方法である。
本発明の第7の構成は、該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青ー緑色光であることを特徴とする第5または6の構成の保存方法である。
本発明の第8の構成は、該白色光の照度は5000Lux以上であることを特徴とする第5の構成の透明容器詰緑茶飲料の保存方法。
本発明の第9の構成は、透明容器詰緑茶飲料を常温保存する保存室と、該保存室内に設けられ、該緑茶飲料の保存中495〜505nmの放射束の積算値で2μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射する手段とを備えることを特徴とする透明容器詰緑茶飲料保存装置である。
本発明の第10の構成は、該有色光の放射照度は4μW/mL以上であることを特徴とする第9の構成の保存装置である。
本発明の第11の構成は、該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青―緑色光であることを特徴とする第9または10の構成の保存装置である。
本発明の第12の構成は、該白色光の照度は1000Lux以上であることを特徴とする第9の構成の保存装置である。
本発明の第13の構成は、透明容器詰緑茶飲料を50℃以上の加温下で保存する保存室と、該保存室内に設けられ、該緑茶飲料の保存中495〜505nmの放射束の積算値で15μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射する手段とを備えることを特徴とする透明容器詰緑茶飲料保存装置である。
本発明の第14の構成は、該有色光の放射照度は30μW/mL以上であることを特徴とする第13の構成の保存装置である。
本発明の第15の構成は、該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青―緑色光であることを特徴とする第13または14の構成の保存装置である。
本発明の第16の構成は、該白色光の照度は5000Luxであることを特徴とする第13の構成の保存装置である。
上記各構成に係る発明によれば、簡単で低コストな方法および装置により、緑茶飲料の風味に悪影響を与えることなく透明容器詰緑茶飲料の保存中の褐変の進行を有意に低減することができる。
また、着色光が495〜505nmの波長成分を常温保存中で2μW/mL以上、50℃以上の加温下で保存中で5μW/mL以上含む緑色である構成においては、褐変低減効果に加えて、緑茶飲料製品がショーケース等により店頭に陳列されている場合における製品の見栄えを良くする効果があり、特に好ましい。
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の保存方法の対象はPETボトルやガラスびん等の透明容器に充填されショーケース、ウオーマ、自動販売機等に収容され保存される容器詰緑茶飲料である。容器の内容物である緑茶飲料は、緑茶の茶葉を熱水等により抽出して得られた抽出液またはその希釈液である。
本発明は、透明容器詰緑茶飲料に光を照射することにより褐変の進行を低減することを特徴とするものであるが、照射すべき光としては、495〜505nmの放射束の積算値で常温保存の場合2μW/mL以上の放射照度が得られない光たとえば赤色光や紫外線は不適当である。本発明においては、495〜505nmの放射束の積算値で常温保存の場合2μW/mL以上、好ましくは4μW/mL以上、50℃以上の加温下での保存の場合15μW/mL以上、好ましくは30μW/mL以上の波長成分を含む光を照射すれば、褐変低減効果を奏することが実験の結果判明したので、このような着色光が本発明において照射する光として適当である。特に緑色光は、PETボトル等の透明容器詰緑茶飲料がショーケース等店頭に陳列されている場合に製品の見栄えを良くする効果があるので、もっとも好ましい着色光である。
透明容器詰緑茶飲料のショーケース等における保存期間を12週間とした場合に保存中の容器詰緑茶飲料に照射する着色光の放射照度は、充分な褐変低減効果を奏するためにボトル肩部において常温での保存中は0.2mW/cm以上必要であり、50℃以上の加温下での保存中は1.0mW/cm2以上必要である。これらの放射照度未満では上記保存期間中に褐変が生じ進行する。
白色光でも、透明容器詰緑茶飲料を12週間常温で保存した場合に、通常ショーケース等で使用されている蛍光灯による照明の照度を超える1000Lux以上の照度で透明容器詰緑茶飲料に対し白色光を照射すると、着色光と同様の褐変低減効果があることが判った。また50℃以上の加温下での保存中は5000Lux以上の照度で白色光を照射すれば着色光と同様の褐変低減効果があることが判った。
本発明の1実施態様においては、透明容器詰緑茶飲料を保存する保存室と、該保存室内に設けられ、常温保存の場合2μW/mL以上、50℃以上の加温下での保存の場合15μW/mL以上の放射照度で赤色光を除く着色光を該透明容器詰緑茶飲料に照射する手段を備える容器詰緑茶飲料保存装置が提供される。
また、本発明の他の実施態様においては、透明容器詰緑茶飲料を保存する保存室と、該保存室内に設けられ、1000Lux以上の照度で白色光を該透明容器詰緑茶飲料に照射する手段とを備える容器詰緑茶飲料保存装置が提供される。
これらの容器詰緑茶飲料保存装置において、透明容器詰緑茶飲料を保存する保存室は、透明容器詰緑茶飲料販売店に設置されたショーケース、ウオーマ、自動販売機等を含むが、これに限定されるものではない。
また、これらの保存装置において、該保存室内には、2μW/mL以上の放射照度で赤色光を除く着色光を透明容器詰緑茶飲料に照射する手段または1000Lux以上の照度で白色光を透明容器詰緑茶飲料に照射する手段として蛍光管またはLEDランプ等が設けられている。これらの照射手段は、保存室内の透明容器詰緑茶飲料の配置された位置に応じて容器全体または容器表面積の中なるべく広い面積に着色光または白色光が当るように適当な位置に設置される。緑茶飲料を50℃以上で加温販売のため保存する場合は、これら蛍光管またはLEDランプ等は15μW/mL以上の放射照度の着色光または5000Lux以上の照度の白色光を照射する能力を有することが必要である。
図10は、このような保存装置の1例を模式的に示すもので、1はPETボトル詰緑茶飲料を加温販売するショーケース、2はPETボトル詰緑茶飲料である。この装置は上下3段に分かれており、各段の床板上には緑茶飲料を50℃以上の所定の温度たとえば55℃〜60℃に加温する板状のヒーター3が配置されており、このヒーター3上に緑茶飲料2が所定数置かれている。各段の緑茶飲料の上方には緑茶飲料の天面と所定の間隔を置いて放射照度1.0mW/cm以上の緑色光または照度5000Lux以上の白色光を照射する蛍光管、LED等の照射手段4が設置され、各緑茶飲料を照射するように構成されている。各照射手段はそれぞれショーケース外に設けられた発光源に接続されている。
容器詰緑茶飲料として、市販の350mLPETボトル入りの緑茶飲料(伊藤園「お〜いお茶」)を使用し、22℃、60%RHの環境下で、光を遮断できる保管箱に保存した群(暗所群)、天面に透明セロハンを貼った箱に保存した群(白色群)、同様に赤色セロハンを貼った箱に保存した群(赤色群)、緑色セロハンを貼った箱に保存した群(緑色群)および青色セロハンを貼った箱に保存した群(青色群)を用意し、暗所群以外のそれぞれの照射群の光の放射照度を約0.23mW/cm(白色光で約1000Lux相当)に合わせ、常温で12週間保存し、途中任意の時点でサンプリングを行い、色調測定(Hunter L、a、b)により色差(ΔE)を求めるとともに風味の評価を行った。
使用した照射光の分光分布を図1に示す。図1において、Aは白色光、Bは青色光、Cは緑色光、Dは赤色光を示す。また、色調測定結果を図2〜5に示す。図中、色調のL値は明度を示し、100に近いほど透明であることを示している。また、a値はマイナス値が大きいほど緑色が強く、マイナス値が小さいほど赤色が強いことを示している。また、b値はプラス値が大きいほど黄色が強く、プラス値が小さいほど青色が強いことを示している。緑茶の褐変が進行するとL値が低下し、a値が上昇する。
図2〜5から、暗所群や赤色群では褐変の進行(L値の低下かつa値の上昇)が明瞭で、白色群、青色群、緑色群では色調変化が少ない、すなわち褐変の進行が低減されていることが明瞭に示された。
照射光の各波長ごとの放射照度において、495〜505nmの積算値を計算すると、白色光が8.036μW/cm、青色光が10.7715μW/cm、緑色光が17.8559μW/cm、赤色光が0.6375μW/cmである。これらの値がΔEの大きさと完全には一致しているわけではないが、ΔEの最も小さかった緑色光のデータを採用すると、容器への照射面積を80cmとして、照射された放射束は、17.8559μW/cm×80cm=1428.472μWである。茶液量が350mLであったため、22℃条件において色調変化がほとんど起こらない茶液量当りの必要放射束は、1428.472μW÷350mL≒4.1μW/mLであったことになる。
また、風味の評価では、白色、青色、緑色の各群で特に風味に悪影響がないことが確認できた。
55℃加温下条件における色つき蛍光灯による褐変低減効果の実験を行った。
試料として伊藤園社製「お〜いお茶」350mL PETボトル詰(コールド用)を使用した。照明は、三菱オスラム社製の色蛍光ランプFL20SP(赤)、FL20SG(緑)、FL20SB(青)を使用した。各照射光の分光分布を図6に示す。図6において、Aは青蛍光灯、Bは緑蛍光灯、Cは赤蛍光灯を示す。放射照度は、すべて4.3mW/cmに統一した。照射光は容器の前面に当たるようにした。保存は、55℃、10%RHの恒温室内において実施した。
茶液の変色は、495nmの吸光度(OD495nm)測定結果を指標とできることが実験的に確認できている。
茶液の各色蛍光灯照射時におけるOD495nmの変化を図7に示す。暗所保存と赤色蛍光灯照射において、OD495nmの変化速度に差が認められず、赤色蛍光当照射の効果はないことが判った。緑色蛍光灯と青色蛍光灯の照射により、暗所保存と比較してOD495nmの変化が少なくなる効果が観察され、特に青色蛍光灯照射では褪色が認められた。
照射光の各波長ごとの放射照度において、495〜505nm積算値は、青色光が163.1706μW/cm、緑色光が159.4403μW/cm、赤色光が2.3894μW/cmである。これらの値はOD495nmの変化量とほぼ一致している。OD495nmの変化の最も小さかった緑色光のデータを採用すると、容器への照射面積を80cmとして、照射された放射束は、159.4403μW/cm×80cm=12755.224μWであある。茶液量が350mLであったため、55℃において色調変化がほとんど起こらない茶液量当りの必要放射束は、12755.224μW÷350mL≒36.4μW/mLであったことになる。
一方、赤色光照射で効果がなかったことに関し、赤色蛍光灯光には430〜440nmの間に約166μW/cmという495〜505nmの緑色光のものに匹敵する強さの放射照度を含む。これは、430〜440nmの光は効果がないことを示している。同様に、赤色蛍光灯光には540〜550nmの間に約198μW/cmという放射照度を含み、540〜550nmの光も効果がないことを示している。
風味に関して、55℃―2週間暗所保存品と55℃―2週間緑色蛍光灯光照射品について、冷蔵保存品を基準として、味認識装置を使用して評価した結果を図8に示す。
味認識装置としては、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製SA402B味認識装置を使用した。ウエーバーの法則によれば、人間はウエーバー比(濃度差)約20%で誰でも識別可能といわれていることから、味認識装置SA402Bでは、味強度の違いを測定値を換算式を用いて推定数値化している。推定数値を用いたマッピング中では、1目盛りの濃度差で味の量を識別できるように表示している。上記図8の場合、第一主成分は主に苦味・雑味を示し、第二主成分は主に酸味を示している。味評価の結果は、冷蔵品と55℃2週間暗所保存品、冷蔵品と55℃2週間緑色光照射品とでは味が識別できるが、55℃2週間暗所保存品と55℃2週間緑色光照射品とでは味が明確に識別できず、光の照射の有無の影響は認められなかった。
60℃加温下条件(缶ウオーマ)におけるLEDランプによる褐変低減効果の実験を行った。
試料として伊藤園社製「お〜いお茶」350mL PETボトル詰(コールド用)を使用した。LEDランプは、490nmにピークを有するもの(青緑)、530nmにピークを有するもの(緑)および590nmにピークを有するもの(黄)を使用した。
放射照度は約2.0mW/cmとした。保存は缶ウオーマ内(温度は約60℃となる)で2週間とした。
透過スペクトルの測定結果および照射光源の分光分布を図9に示す。図9において、Aは490nmLEDランプを、Bは530nmLEDランプを、Cは590nmLEDランプを示す。また、Dは保存前の茶液の透過スペクトルを、Eは490nmLED照射茶液の透過スペクトルを、Fは530nmLED照射茶液の透過スペクトルを、Gは590nmLED照射茶液の透過スペクトルを、Hは暗所保存茶液の透過スペクトルをそれぞれ示す。
495〜505nmをほとんど含まない590nm(黄)ランプの光に色調変化低減作用は認められず、暗所保存品とほぼ同様の透過スペクトルとなった。
490nm(青緑)ランプの光による照射では効果が明瞭で、保存前とほぼ同等の透過スペクトルを示し、色調がほとんど変化していないことが認められた。530nm(緑)ランプの光による照射では、490nm(青緑)ランプのほぼ半分程度の効果であった。
青緑ランプと緑ランプによる色調変化低減効果が倍程度であったことから、放射照度の差が2倍程度の範囲を探すと、495〜505nmの範囲の積算値で、青緑が約370μW/cm、緑が約180μW/cmと約2倍差であった。
適正な照射量を求めるため、変色がほとんどなかった方の青緑の方のデータを採用すると、容器への照射面積を80cmとして、照射された495〜505nmの範囲の放射束は、372.5911μW/cm×80cm=29807.288μWである。茶液量が350mLであったため、60℃条件において色調変化がほとんど起こらない茶液量当りの必要放射束は、29807.288μW÷350mL≒85.2μW/mLであったことになる。
容器詰緑茶飲料として市販の酸素吸収性を有する350mLPETボトル入り飲料を使用し、室内においてヨシキン製の缶ウオーマを置き、上下2段の保存室中上段は約1000Luxの白色光で照明し、下段には緑色LEDランプを取り付け、ボトルのキャップ天面より7cmの距離に上方から照射した(約6000Lux相当)。
55℃〜60℃の加温下で2週間保存試験の結果、これらの保存品の透過スペクトルを、冷蔵庫で同一期間冷蔵保存した同一飲料を対照として比較した。その結果、図11のグラフおよび図12の部分拡大グラフに示されるように、450〜500nmのあたりで上段の缶ウオーマ保存品の透過度が対照である冷蔵保存品に比べて明確に低下し、褐変が進行していることが観察された。一方緑色LEDランプを照射した下段の缶ウオーマ保存品は透過度の低下が低減されていることが認められた。
色調の変化としてΔEで表わすと、図13に示すように、対照である冷蔵保存品が約1.0、上段の缶ウオーマ保存品が約6.5、下段の缶ウオーマ保存品が約2.7であり、緑色光照射により、明確に褐変低減効果が認められた。
また、下段の缶ウオーマ保存品については、照射による不快な風味の変化は官能的にはまったく認められなかった。
比較例1
容器詰飲料として市販の酸素吸収性を有する350mLPETボトル入り飲料を使用し、55℃、10%RHの環境下で、光を遮断できる保管箱に保存した群(暗所群)、天面に白色トレーシングペーパーを貼った箱に保存した群(白色群)、同様に赤色セロハンを貼った箱に保存した群(赤色群)、緑色セロハンを貼った箱に保存した群(緑色群)および青色セロハンを貼った箱に保存した群(青色群)を用意し、暗所群以外のそれぞれの照射群の光の放射照度を約0.21mW/cm(白色光で約900Lux相当)に合わせ、試料の横方向から照射した(縦方向からの場合の2倍強の面積で照射を受ける)。2週間保存し、途中任意の時点でサンプリングを行い、色調測定(Hunter L、a、b)より色差(ΔE)を求めるとともに、風味の評価を行った。
色差測定結果を図14に示す。青色、緑色で色調変化がやや少なめのようにも見えるが、全体として差が不明瞭であった。また図15に示すように、各色で風味に有意な差は認められなかった。
以上の結果から、光の照射量が充分でないと明確な褐変低減効果が得られないことが判る。
実施例1における照射光の分光分布を示すグラフである。 実施例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中におけるL値の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 実施例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中におけるa値の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 実施例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中におけるb値の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 実施例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中におけるΔE値の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 実施例2における照射光の分光分布を示すグラフである。 実施例2における各色蛍光灯照射時の吸光度変化を示すグラフである。 実施例2における味認識装置による風味評価の結果を示すグラフである。 実施例3における茶液の透過スペクトルおよび照射光源の分光分布を示すグラフである。 実施例4における透明容器詰緑茶飲料保存装置の1例を模式的に示す正面図である。 実施例4のPETボトル詰緑茶飲料の保存中における透過度の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 図11における波長450〜500nmにおける透過度を拡大して示すグラフである。 実施例4のPETボトル詰緑茶飲料の保存中における色差の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 比較例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中における色差の経時変化に及ぼす光の影響を示すグラフである。 比較例1のPETボトル詰緑茶飲料の保存中における風味の経時変化を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 透明容器詰緑茶飲料の常温での保存中495〜505nmの放射束の積算値で2μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射することを特徴とする透明容器詰緑茶飲料の保存方法。
  2. 該有色光の放射照度は4μW/mL以上であることを特徴とする請求項1記載の保存方法。
  3. 該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青ー緑色光であることを特徴とする請求項1または2記載の保存方法。
  4. 該白色光の照度は1000Lux以上であることを特徴とする請求項1記載の保存方法。
  5. 透明容器詰緑茶飲料の50℃以上の加温下での保存中495〜505nmの放射束の積算値で15μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射することを特徴とする透明容器詰緑茶飲料の保存方法。
  6. 該有色光の放射照度は30μW/mL以上であることを特徴とする請求項5記載の保存方法。
  7. 該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青ー緑色光であることを特徴とする請求項5または6記載の保存方法。
  8. 該白色光の照度は5000Lux以上であることを特徴とする請求項5記載の透明容器詰緑茶飲料の保存方法。
  9. 透明容器詰緑茶飲料を常温保存する保存室と、該保存室内に設けられ、該緑茶飲料の保存中495〜505nmの放射束の積算値で2μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射する手段とを備えることを特徴とする透明容器詰緑茶飲料保存装置。
  10. 該有色光の放射照度は4μW/mL以上であることを特徴とする請求項9記載の保存装置。
  11. 該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青―緑色光であることを特徴とする請求項9または10記載の保存装置。
  12. 該白色光の照度は1000Lux以上であることを特徴とする請求項9記載の保存装置。
  13. 透明容器詰緑茶飲料を50℃以上の加温下で保存する保存室と、該保存室内に設けられ、該緑茶飲料の保存中495〜505nmの放射束の積算値で15μW/mL以上の放射照度で495〜505nmの波長成分を含む有色光または白色光を該緑茶飲料に照射する手段とを備えることを特徴とする透明容器詰緑茶飲料保存装置。
  14. 該有色光の放射照度は30μW/mL以上であることを特徴とする請求項13記載の保存装置。
  15. 該有色光は、480〜540nmの波長成分を有する青―緑色光であることを特徴とする請求項13または14記載の保存装置。
  16. 該白色光の照度は5000Luxであることを特徴とする請求項13記載の保存装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01296561A (ja) * 1988-05-25 1989-11-29 Toshiba Lighting & Technol Corp ランプおよび照明装置ならびにこれを用いた飲料用自動販売機
JP2001112414A (ja) * 1999-08-10 2001-04-24 Mitsui Norin Co Ltd 褐変が防止された茶飲料の製造方法
JP2004057844A (ja) * 2002-07-24 2004-02-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 飲料物殺菌装置

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