JP4654478B2 - Dielectric composition and ceramic capacitor using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体組成物およびこれを用いたセラミックコンデンサに関し、焼成時の耐還元性に優れ、高誘電率および低歪み率を示すとともに容量温度特性に優れた誘電体組成物ならびに高絶縁抵抗、高容量および低歪み特性を有し容量温度特性が平坦であり内部電極に卑金属を用いることができるセラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックコンデンサなどに用いられる誘電体組成物としては、チタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分とした高誘電率のものが知られているが、強誘電体であるが故に電圧の非線形特性が強く、歪み率が−50dB〜−70dBと大きい。このため、カップリング回路用コンデンサ、音響回路用コンデンサあるいは画像処理回路用コンデンサといった低歪み率が要求されるコンデンサには、BaTiO3 系のコンデンサは使用できず、専らフィルムコンデンサや電解コンデンサなどが用いられているが、こうしたフィルムコンデンサや電解コンデンサは小型化が困難であり、また表面実装性に問題がある。
【0003】
一方、セラミックコンデンサの中でも、CaTiO3 、SrTiO3 、CaSrZrO3 、NdTiO3 といった常誘電体により構成されたものは、歪み率が低いのでカップリング回路や音響回路等に用いることができるが、常誘電体であるが故に比誘電率εrが30〜200と低く、高容量のコンデンサを得ることが困難である。
【0004】
そこで、高誘電率および低歪み率の両方を示す誘電体組成物として、SrTiO3 、Bi2 TiO3 、CaTiO3 、PbTiO3 を主成分としたものが提案されている(たとえば特開平3−97669号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、セラミックコンデンサの内部電極には、白金Pt、金Auまたは銀Agなどの貴金属が用いられているが、コストの点からはニッケルなどの卑金属を用いることが望ましい。
【0006】
上述した誘電体組成物は、蒸気圧が低いビスマスBiや鉛Pbを含んでいるため、還元雰囲気で焼成するとこれらが蒸発してしまう。したがって、酸化雰囲気での焼成が前提となるが、酸化雰囲気で焼成すると内部電極に低コストの卑金属、たとえばニッケルを用いた場合にニッケルが酸化されてしまい、結局、内部電極には白金、金または銀などの貴金属を用いるほかなかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、焼成時の耐還元性に優れ、高誘電率および低歪み率を示すとともに容量温度特性に優れた誘電体組成物、ならびに高絶縁抵抗、高容量および低歪み特性を有し容量温度特性が平坦であり内部電極に卑金属を用いることができるコンデンサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)誘電率が大きくて歪み率が小さく、しかも温度に対する容量変化率も小さい(以下、容量温度特性が平坦ともいう。)、バランスのとれた誘電体組成物を得るために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、以下の知見を得た。
【0009】
まず、歪み率は、誘電率の電界依存性および非線形特性(すなわち強誘電性)に依存するが、これを抑制するための方策としては、誘電率の線形性を向上させたり結晶異方性を低減させたりすることで強誘電性を低減したり、常誘電相を利用することが有効であると考えられる。ただし、強誘電性を低減すると誘電率が低下するので、これらのバランスが重要となる。また、常誘電体は負の容量温度特性を示し、強誘電体は正の容量温度特性を示すので、容量温度特性についても、強誘電体と常誘電体とのバランスが重要となる。
【0010】
こうした誘電率、歪み率および容量温度特性のバランスは、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムの組成モル比を制御することで好適なものとなる。本発明では、常誘電体であるチタン酸カルシウム(およびチタン酸ストロンチウム)に強誘電体であるチタン酸バリウムを添加することで、常誘電相および強誘電相のバランスを図り、誘電率が大きく、歪み率が小さく、しかも容量温度特性が平坦である誘電体組成物を得ることができる。
【0011】
すなわち、チタン酸バリウムの組成モル比が増加すると、誘電率は大きくなるものの、歪み率も、温度に対する容量変化率も大きくなる。これに対して、チタン酸ストロンチウムの組成モル比が増加すると、歪み率は小さくなるものの誘電率も小さくなる。また、チタン酸カルシウムの組成モル比が増加したときも、歪み率は小さくなるものの誘電率も小さくなる。
【0012】
また、チタン酸カルシウムとチタン酸ストロンチウムとを比べると、チタン酸カルシウムの組成モル比が増加すると、温度に対する容量変化率は小さくなるものの誘電率も小さくなる。これに対して、チタン酸ストロンチウムの組成モル比が増加すると、誘電率は大きくなるものの温度に対する容量変化率も大きくなる。
【0013】
(2)こうした知見に基づき、第1の観点による発明は、少なくともチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムを含有する誘電体組成物であって、これら3つの組成モル比について少なくともチタン酸バリウムの組成モル比が0.3以下であり、これらチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムによる組成物が、正方晶(tetragonal)または斜方晶(orthorhombic)の少なくとも何れか一方の結晶構造を含むものである(図1参照)。
【0014】
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムからなる組成物は、これら3つの組成比によってこの他にも不溶相(insolube)や立方晶(cubic )を示すが、主として不溶相を示す組成比では、歪み率が大きいので好ましくなく、主として立方晶を示す組成比では、歪み率が大きく温度に対する容量変化率も大きいので好ましくない。
【0015】
また、チタン酸バリウムがリッチである領域においても正方晶を示すが、この領域ではチタン酸バリウムの組成モル比が大きいため、誘電率は大きくなるものの歪み率も大きくなって、これら誘電率と歪み率とのバランスが悪い。したがって、チタン酸バリウムの組成モル比が0.3以下である領域の正方晶であることがより好ましい。
【0016】
上記発明において、得られる誘電体組成物の結晶構造は、全てが正方晶または斜方晶の少なくとも何れか一方からなるものではなく、主たる結晶構造が正方晶または斜方晶の少なくとも何れか一方という意味である。したがって、その一部に不溶相や立方晶等を含んでいても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0017】
特に、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムが、正方晶と斜方晶との相転位点の近傍領域の組成比であるとき、誘電率と歪み率とのバランスは勿論のこと容量温度特性(温度係数)が良好となる。
【0018】
(3)また、第2の観点による発明は、少なくともチタン酸カルシウムおよびチタン酸バリウムを含有する誘電体組成物であって、チタン酸カルシウムをCT、チタン酸バリウムをBTとしたときに、
(CT)x(BT)y(F)1−x−y (Fは任意成分)、
0.4≦x<1、0<y≦0.2
を満足する誘電体組成物である(図2参照)。なお、第三成分Fは特に限定されない。
【0019】
常誘電体であるチタン酸カルシウムと強誘電体であるチタン酸バリウムとの組成比を制御することで、常誘電相および強誘電相のバランスを図り、誘電率が大きくて歪み率が小さく、しかも容量温度特性が平坦である誘電体組成物を得ることができる。
【0020】
チタン酸バリウムの組成モル比(y)が大きいと、誘電率は大きくなるものの歪み率も大きくなるので、誘電率と歪み率とのバランスをとるためには0<y≦0.2であることがより好ましい。また、チタン酸カルシウムの組成モル比(x)が小さいと、誘電率は大きくなるものの温度に対する容量変化率も大きくなる(容量温度特性が悪化する)ので、誘電率と容量温度特性とのバランスをとるためには0.4≦x<1であることがより好ましい。
【0021】
(4)第3の観点による発明は、少なくともチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムを含有する誘電体組成物であって、少なくともこれら3つの組成モル比について、
チタン酸カルシウムの組成モル比(P)が0.5〜0.85、チタン酸ストロンチウムの組成モル比(Q)が0.05〜0.4、チタン酸バリウムの組成モル比(R)が0.1〜0.2、(但しP+Q+R=1)である誘電体組成物である(図3参照)。
【0022】
常誘電体であるチタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムに、強誘電体であるチタン酸バリウムを添加することで、常誘電相および強誘電相のバランスを図り、誘電率が大きくて歪み率が小さく、しかも容量温度特性が平坦である誘電体組成物を得ることができる。
【0023】
チタン酸カルシウムの組成モル比(P)が小さいと、誘電率は大きくなるものの温度に対する容量変化率も大きくなる(温度特性が悪化する)傾向がある。また、チタン酸ストロンチウムの組成モル比(Q)が大きいと歪み率および温度に対する容量変化率の両方が大きくなる傾向がある。さらに、チタン酸バリウムの組成モル比(R)が大きいと、誘電率は大きくなるものの歪み率も大きくなる傾向がある。したがって、誘電率、歪み率および容量温度特性のバランスをとるためには、0.55≦P≦0.8、0.2≦Q≦0.35、0.12≦R≦0.18であり、特に正方晶と斜方晶との相転位点の近傍領域であることがより好ましい。
【0024】
(5)ちなみに、第2および第3の観点による発明において、正方晶または斜方晶の少なくとも何れか一方の結晶構造を含む誘電体組成物であることがより好ましい。主として不溶相を示す組成比では、歪み率が大きくなるので好ましくなく、主として立方晶を示す組成比では歪み率も、温度に対する容量変化率も大きいので好ましくない。
【0025】
(6)上述した第1乃至第3の観点による発明においては、種々の添加物を含んでも良い。
(6−1)この種の添加物としては、MnO,CrOなどの耐還元性助剤を挙げることができる。この耐還元性助剤は、焼結を促進する効果と絶縁抵抗(IR )を改善する効果を有するが、多量に添加すると絶縁抵抗、誘電損失(tanδ)および歪み率が悪化するので、0.1〜1モル%とすることが好ましい。
【0026】
(6−2)また、他の添加物として、ガラス組成物などの焼結助剤を挙げることができる。
【0027】
本発明で好適に用いられる焼結助剤としては、G群:SiO2,Al2O3 、M群:BaO,CaO,SrO、L群:Li2O,Na2O,K2O,B2O3から選ばれる少なくとも1種以上のガラス組成物である。
【0028】
上記発明の誘電体組成物においては、焼成温度が1340℃以上でないと充分な焼結体を得ることができず、この温度未満で焼成すると、誘電率の減少、絶縁抵抗IRの低下が生じ、歪率が増加する。一方、SiO2,Al2O3 ,V2 O5 ,MoO3 ,WO3 ,Co3 O4 の添加物は焼成温度を低下させる副作用があるが、添加量を増加させると絶縁抵抗IRの低下が生じてしまう欠点を有する。一般に焼成温度を低下させることは、内部電極の途切れまたは太りなどの欠陥の発生を抑制する効果と、内部電極の酸化、拡散を抑制する効果がある。したがって、本発明のように焼結助剤を添加することにより内部電極の状態が良好となり、絶縁破壊強度信頼性等が向上する。また、焼結助剤の添加によって容量温度特性にはあまり影響を与えない。
【0029】
ただし、多量に添加すると焼結性にむらが生じ、絶縁抵抗および歪み率が悪化し、少量すぎると低温焼結性の効果がなくなるので、0.2〜5モル%とすることが好ましい。
【0030】
焼結助剤として上記G群、M群およびL群から選ばれる少なくとも1種以上のガラス組成物を用いる場合、好ましくは、G群、M群およびL群の組成比を三角図(G,M,L)で表したとき、焼結助剤の組成比が下記点X1〜X5で囲まれた領域内(線上を含む)である。
【0031】
X1:(0.0,0.0,1.0)
X2:(0.0,0.5,0.5)
X3:(0.1,0.65,0.25)
X4:(0.5,0.0,0.5)
X5:(0.65,0.05,0.3)
また、より好ましくは、G群、M群およびL群の組成比を三角図(G,M,L)で表したとき、焼結助剤の組成比が下記点X1,X6,X7およびX5で囲まれた領域内(線上を含む)である。
【0032】
X1:(0.0,0.0,1.0)
X6:(0.0,0.2,0.8)
X7:(0.3,0.4,0.3)
X5:(0.5,0.0,0.5)
(6−3)他の添加物として、V2 O5 、MoO3 、WO3 、Co3 O4 の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物を挙げることができる。これらは、焼結温度を低下させるとともに歪み率を低下させる効果を有する。なかでもV2 O5 が最も好ましい。これらを多量に添加すると絶縁抵抗および誘電損失が著しく悪化するので、0.01〜0.5mol%とすることが好ましい。
【0033】
(6−4)さらに他の添加物として、Nb2 O5 、Ta2 O5 、Y2 O3 、La2 O3 、CeO2 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、Ho2 O3 の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物を挙げることができる。誘電損失を改善するとともに歪み率を低下させる効果を有する。これらは、0.01〜0.2mol%とすることが好ましい。
【0034】
(7)上述した本発明に係る誘電体組成物は、内部電極と誘電体層とを有するセラミックコンデンサの前記誘電体層の材料として好ましく用いられる。
【0035】
この場合、前記内部電極が、NiまたはNi合金で構成されていることがより好ましい。本発明に係る誘電体組成物は耐還元性に優れているので還元雰囲気中での焼結が可能となり、内部電極としてNiまたはNi合金を用いることができ、コストダウンを図ることができる。
【0036】
なお、このセラミックコンデンサの構造等は特に限定されず、積層型コンデンサの他、単板型コンデンサも含む趣旨である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は本発明の積層セラミックコンデンサの実施形態を示す一部破断斜視図である。
【0038】
この積層型セラミックコンデンサ1は、内部電極11と誘電体層12とが交互に積層され、各内部電極に接続している一対の外部電極13を有するものである。
【0039】
本例では、内部電極11はニッケルまたはニッケル合金から形成され、特に限定はされないがニッケル合金としては、95重量%以上のニッケルと、マンガン、クロム、コバルト、アルミニウムなどの一種以上の合金であることが好ましい。また、ニッケルまたはニッケル合金中には微量成分として0.1重量%以下のリン等が含有されていても良い。
【0040】
内部電極11の厚み等の諸条件は目的や用途に応じて適宜決定すればよいが、通常厚みは1〜5μm、特に2〜3μmである。
【0041】
誘電体層12の材質は、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムを含有するものである。これら3つの組成モル比については、前述のとおりである。このような組成物はペロブスカイト型(ABO3 )構造をとり、そのA/B(モル比)は、原料の品質によるが、0.99〜1.02の範囲であれば充分に特性を満足する。
【0042】
また、この誘電体組成物に、MnO,CrOなどの耐還元性助剤を0.1〜1mol%、G群:SiO2,Al2O3 、M群:BaO,CaO,SrO、L群:Li2O,Na2O,K2O,B2O3から選ばれる少なくとも1種以上のガラス組成物の焼結助剤を0.2〜5mol%、V2 O5 、MoO3 、WO3 、Co3 O4 の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物を0.01〜0.5mol%、Nb2 O5 、Ta2 O5 、Y2 O3 、La2 O3 、CeO2 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、Ho2 O3 の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物を0.01〜0.2mol%添加することが好ましい。
【0043】
なお、外部電極13には、通常銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金等が用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。外部電極13の厚みは任意であり目的や用途に応じて適宜決定すればよいが、通常10〜50μmである。
【0044】
また、このような積層型セラミックコンデンサ1の形状やサイズは目的や用途に応じて適宜決定すればよい。たとえば直方体状の場合は、通常1.6〜3.2mm×0.8〜1.6mm×0.6〜1.2mm程度である。
【0045】
本実施形態の積層型セラミックコンデンサ1は以下のようにして製造することができる。
まず、誘電体層用ペースト、内部電極用ペースト、外部電極用ペーストをそれぞれ製造する。
【0046】
誘電体層用ペーストは、上述した誘電体組成物の組成に応じた誘電体原料と有機ビヒクルとを混練するか、または水溶系塗料として製造される。誘電体原料には、上述した複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択し、混合して用いることができる。誘電体原料中の各化合物の含有量は焼成後に上述した誘電体層の組成となるように決定すればよい。誘電体原料は、通常平均粒子径0.1〜3.0μm程度の粉末として用いられる。
【0047】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラールなどの通常の各種バインダから適宜選択すればよい。またこのとき用いられる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など利用する方法に応じてテルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0048】
また、水溶系塗料とは、水に水溶性バインダ、分散剤などを溶解させたものであり、水溶系バインダは特に限定されず、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどから適宜選択すればよい。
【0049】
内部電極用ペーストは、上述した各種導電性金属や合金からなる導電材料あるいは焼成後に上述した導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。また、外部電極用ペーストも、この内部電極用ペーストと同様にして調製される。
【0050】
上述した各ペーストの有機ビヒクルの含有量は特に限定されず、通常の含有量、たとえばバインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。
【0051】
印刷法を用いる場合は、誘電体ペーストおよび内部電極用ペーストをポリエチレンテレフタレートなどの基板上に積層印刷し、所定形状に切断したのち基板から剥離することでグリーンチップとする。これに対して、シート法を用いる場合は、誘電体ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極ペーストを印刷したのちこれらを積層してグリーンチップとする。
【0052】
次に、このグリーンチップを脱バインダ処理および焼成する。脱バインダ処理は焼成前に行われ、通常の条件で行えばよいが、特に内部電極層の導電材としてニッケルやニッケル合金などの卑金属を用いる場合には、空気雰囲気において、昇温速度を5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を180〜400℃、より好ましくは200〜300℃、温度保持時間を0.5〜24時間、より好ましくは5〜20時間とする。
【0053】
グリーンチップの焼成雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すればよいが、導電材としてニッケルやニッケル合金などの卑金属を用いる場合には、焼成雰囲気の酸素分圧を1×10−8〜1×10−12 気圧とすることが好ましい。酸素分圧が低すぎると内部電極の導電材が異常焼結を起こして途切れてしまい、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸化されてしまうからである。また、焼成の保持温度は1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1380℃である。保持温度が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による電極の途切れまたは内部電極材質の拡散により容量温度特性が悪化するからである。
【0054】
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とし、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが望ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを加湿して用いることが望ましい。
【0055】
還元性雰囲気で焼成した場合は、コンデンサチップの焼結体にアニールを施すことが望ましい。アニールは誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより絶縁抵抗を増加させることができる。アニール雰囲気の酸素分圧は、1×10−6気圧以上、より好ましくは1×10−5〜1×10−4気圧とする。酸素分圧が低すぎると誘電体層の再酸化が困難となり、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸化されるおそれがある。アニールの際の保持温度は、1100℃以下、より好ましくは500〜1100℃である。保持温度が低すぎると誘電体層の再酸化が不充分となって絶縁抵抗が悪化し、その加速寿命も短くなる。また、保持温度が高すぎると内部電極が酸化されて容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性、絶縁抵抗およびその加速寿命が悪化する。なお、アニールは昇温行程および降温行程のみから構成することもできる。この場合には、温度保持時間はゼロであり、保持温度は最高温度と同義である。
【0056】
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を0〜20時間、より好ましくは6〜10時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とし、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば窒素ガスを加湿して用いることが望ましい。
【0057】
ちなみに、上述した脱バインダ処理、焼成およびアニール工程において、窒素ガスや混合ガスを加湿するためには、たとえばウェッターなどを用いることができる。この場合の水温は5〜75℃とすることが望ましい。
【0058】
また、これら脱バインダ処理、焼成およびアニールは連続して行っても互いに独立して行っても良い。これらを連続して行う場合には、脱バインダ処理ののち冷却することなく雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行い、続いて冷却してアニールの保持温度に達したら雰囲気を変更してアニール処理を行うことがより好ましい。
【0059】
これに対して、これらを独立して行う場合には、焼成に関しては脱バインダ処理時の保持温度まで窒素ガスあるいは加湿した窒素ガス雰囲気下で昇温したのち、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニールの保持温度まで冷却したのちは、再び窒素ガスまたは加湿した窒素ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、アニールに関しては窒素ガス雰囲気下で保持温度まで昇温したのち雰囲気を変更しても良く、アニールの全工程を加湿した窒素ガス雰囲気としても良い。
【0060】
以上のようにして得られたコンデンサ焼成体に、たとえばバレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、たとえば加湿した窒素ガスと水素ガスとの混合ガス中で600〜800℃にて10分〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じて外部電極の表面にメッキなどにより被覆層を形成する。
【0061】
このようにして製造された本実施形態のセラミックコンデンサ1は、はんだ付けなどによってプリント基板上に実装され、各種電子機器に用いられる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例では、本発明に係る誘電体組成物そのものの特性と、これを誘電体層とする積層型セラミックコンデンサの特性とを評価した。
【0063】
誘電体組成物の作製
粒径が0.1〜1μmのチタン酸バリウムBaTiO3 、チタン酸ストロンチウムSrTiO3 、チタン酸カルシウムCaTiO3 、酸化マンガンMnO、酸化ケイ素SiO2 、酸化バナジウムV2 O5 、必要に応じて希土類酸化物(Nb2 O5 、Ta2 O5 、Y2 O3 、La2 O3 、CeO2 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、Ho2 O3 の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物)の材料粉末をボールミルにより16時間湿式混合し、これを乾燥することによって誘電体材料とした。
【0064】
母材となるチタン酸バリウムBaTiO3 、チタン酸ストロンチウムSrTiO3 、チタン酸カルシウムCaTiO3 は、BaCO3 、CaCO3 、SrCO3 、TiO2 をそれぞれ秤量し、ボールミルを用いて16時間湿式混合し、これを乾燥したのち、1150℃の温度で空気中にて焼成したものをボールミルにより50時間湿式粉砕して作製した。
【0065】
ちなみに、チタン酸バリウムBaTiO3 、チタン酸ストロンチウムSrTiO3 、チタン酸カルシウムCaTiO3 は、水熱合成粉、蓚酸塩法などによって作製された原料を用いても同様の特性が得られた。
【0066】
測定用試料は、上記誘電体組成物に、バインダとしてのポリビニルアルコールを0.05重量%添加して顆粒状になるようにバインダと誘電体組成物とを混合した。次にこの顆粒状の誘電体組成物を0.3g秤量して、外径12mm、厚み0.5mmになるように円盤状にプレス成形した。
【0067】
この成形体を、昇温時間300℃/時間、保持温度800℃、保持時間2時間、空気および加湿した窒素ガス雰囲気(1×10−5気圧)の条件で脱バインダ処理を行った。
【0068】
次いで、この成形体を、昇温速度200℃/時間、保持温度1380℃、保持時間2時間、冷却速度300℃/時間、加湿した窒素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気(1×10−9気圧)の条件で焼成し、外径が約10mm、厚みが0.5mmの焼成体を得た。また、この焼成体を、保持温度900℃、保持時間9時間、冷却速度300℃/時間、加湿した窒素ガス雰囲気(1×10−5気圧)の条件でアニール処理した。なお、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用い、水温は35℃とした。
【0069】
こうして得られた円盤状焼成体の両面に、In−Gaを塗布することでφ6mmの電極を形成し、これを誘電体組成物の試料(以下、円盤状試料ともいう。)として、磁器特性、比誘電率、誘電損失および容量温度特性を測定した。
【0070】
積層型セラミックコンデンサの作製
これと並行して、積層型セラミックコンデンサを作製した。
まず、誘電体層用ペーストについては、各誘電体原料100重量%と、アクリル樹脂4.8重量%、塩化メチレン40重量%、酢酸エチル20重量%、ミネラルスピリット6重量%およびアセトン4重量%とをボールミルにて混合し、ペースト化した。
【0071】
内部電極用ペーストについては、平均粒径0.2〜0.8μmのニッケル粒子100重量%と、有機ビヒクル(エチレンセルロース樹脂8重量%をブチルカルビトール92重量%に溶解したもの)40重量%と、ブチルカルビトール10重量%とを3本ロールにより混練しペースト化した。
【0072】
外部電極用ペーストについては、平均粒径0.5μmの銅粒子100重量%と、有機ビヒクル(エチレンセルロース樹脂8重量%をブチルカルビトール92重量%に溶解したもの)35重量%と、ブチルカルビトール7重量%とを混練しペースト化した。
【0073】
次に、上述した誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上に厚さ4.5μmおよび15μmのグリーンシートを形成し、この上に内部電極用ペーストを印刷したのち、PETフィルムからグリーンシートを剥離した。次いで、こうして得られた複数枚のグリーンシートを積層し、加圧圧着することでグリーンチップを作製した。内部電極を有するグリーンシートの積層数は4層とした。
【0074】
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを行って、積層セラミック焼成体を得た。
【0075】
この脱バインダ処理は、昇温時間15℃/時間、保持温度280℃、保持時間8時間、空気雰囲気の条件で行った。また、焼成は、昇温速度200℃/時間、保持温度1380℃、保持時間2時間、冷却速度300℃/時間、加湿した窒素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気(1×10−9気圧)の条件で行った。アニールは、保持温度900℃、保持時間9時間、冷却速度300℃/時間、加湿した窒素ガス雰囲気(1×10−5気圧)の条件で行った。なお、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用い、水温は35℃とした。
【0076】
次いで、この積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨したのち、外部電極用ペーストを端面に転写し、加湿した窒素ガスおよび水素ガス雰囲気中において、800℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサの試料を得た(以下、コンデンサ試料ともいう。)。各試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、誘電体層の厚みは10μmおよび3μm、内部電極の厚みは2.0μmであった。
【0077】
こうして得られた積層セラミックコンデンサの各試料について、容量温度特性および第三次高調波歪み率(THD)を測定した。
【0078】
評価項目および評価方法
磁器特性は、円盤状に成形されて焼成された円盤状試料の寸法と質量とから、焼成時の縮率および磁器密度を算出し、この結果から焼結性の評価とした。
【0079】
また、円盤状試料について、LCRメータを用いて1kHz、1Vrmsの条件下における静電容量および誘電損失(tanδ)を測定した。得られた静電容量と、電極寸法および試料の厚みから比誘電率を算出した。
【0080】
容量の温度特性については、円盤状試料およびコンデンサ試料をLCRメータを用いて、−30℃〜+85℃の温度範囲について1Vの電圧での静電容量を測定し、基準温度を25℃としたときの容量変化割合が±15%以内(電子機械工業会EIA規格のY5R特性)を満足するかどうかを調べた。満足する場合を「○」、満足しない場合を「×」とした。また、このY5R特性を満足した代表的な試料1につき、−30℃〜+85℃の温度範囲における容量変化率を測定した。この結果を図6に示すが、良好な温度特性を示している。
【0081】
第三次高調波歪み率(THD)は、コンデンサ試料について、日本電子機械工業会規格EIAJ RC2111の固定抵抗器の非直線性測定方法の手順にしたがい測定した。測定器は、RE TECNOLOGY AS社のCLT−1を使用した。全てのコンデンサ試料について、10kHzの交流電圧を0.3V/μFの電界強度で印加したときの第三次高調波歪み率を測定した。
【0082】
各試料の組成比等
チタン酸カルシウム(CT)、チタン酸ストロンチウム(ST)およびチタン酸バリウム(BT)の組成比および各種の添加物の添加量を、表1および表2に示すように変えて上述した円盤状試料およびコンデンサ試料を作製した。
【0083】
表1は、MnO,V2O5,SiO2 などの添加物を固定し(具体的には、MnO=0.5モル%、V2O5=0.05モル%、SiO2 =0.2モル%)、CT、STおよびBTの組成比のみを変えた例であり、試料1〜試料26が本発明の実施例であり、試料27〜試料31が本発明の比較例である。それぞれの組成比に対応する試料番号を図5に示す。
【0084】
これに対して、表2は、CT、STおよびBTの組成比を固定し(具体的には、CT=0.6モル%、ST=0.25モル%、BT=0.15モル%)、添加物の種類や添加量を変えた例であり、試料32〜試料36が本発明の実施例であり、試料37〜試料41が本発明の比較例である。
【0085】
また、焼結助剤の有効性を確認するために、G群:SiO2,Al2O3 、M群:BaO,CaO,SrO、L群:Li2O,Na2O,K2O,B2O3の組成比を表3に示すように変えて、上述した積層コンデンサ試料を作成した。表3は、チタン酸カルシウム(CT)、チタン酸ストロンチウム(ST)およびチタン酸バリウム(BT)の組成比や焼結助剤以外の添加物の添加量を固定し(具体的には、CT=0.55モル%、ST=0.33モル%、BT=0.12モル%、MnO=0.5モル%、V2O5=0.05モル%)、焼結助剤の組成比G,M,Lのみを変えた例であり、試料42〜試料55が本発明の実施例であり、試料56〜試料60が本発明の比較例である。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
考察
(1) 以上の結果を表1乃至表3に示す。表中、絶縁抵抗IRの数値において、「mE+n」は「m×10+n」を意味する。なお、焼結性の評価結果についてはこれらの表に示していないが、表1および表2の結果に関し、試料38以外の試料については何ら問題はなかった。ただし、試料38についてはSiO2 の添加量が少ないため焼結性が悪く強度が不充分であった。
【0090】
表1の結果から、まず誘電率、歪み率および容量温度特性のバランスが最も好ましいのが、試料1〜試料11である。これに次いで、試料12〜試料18は、試料1〜試料11に比べて第三次高調波歪み率THDがやや大きくなるものの、他の特性についてはきわめて良好である。また、試料19〜試料22は、試料1〜試料11に比べると比誘電率が若干低下するものの、他の特性についてはきわめて良好である。
【0091】
これに対して、比較例である試料27〜試料29は、比誘電率は大きいが第三次高調波歪み率THDが著しく悪化する。また、試料30は、容量温度特性Y5Rを満足しないし、試料31は誘電損失tanδが著しく大きい。
【0092】
また表2の結果から添加物については、以下のことが理解される。まず、試料32,33と試料37との対比から、MnOの添加量を多くし過ぎると誘電損失tanδおよび絶縁抵抗IRがともに悪化することがわかる。
【0093】
また、試料34,35と試料38,39との対比から、SiO2 の添加量を多くしても少なくしても、誘電損失tanδおよび絶縁抵抗IRがともに悪化することがわかる。
【0094】
さらに、試料35,36と試料40,41との対比から、V2O5の添加量を少なくすると誘電損失tanδおよび絶縁抵抗IRの何れもが悪化し、多くすると絶縁抵抗IRが悪化することがわかる。
【0095】
ちなみに、MnOに代えてCrOを添加し、またSiO2に代えてAl2O3を添加し、上記と同様の条件でそれぞれ評価したが、何れも同じ結果が得られた。またV2 O5 に代えてMoO3 、WO3 、Co3 O4 をそれぞれ添加し、またその他の添加物としてmNb2 O5 、Ta2 O5 、Y2 O3 、La2 O3 、CeO2 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、Ho2 O3 を添加して、上記と同様の条件でそれぞれ評価したが、何れも同じ結果が得られた。
【0096】
(2)また、表3の結果については、図7に示す三角図において、試料42,47,43,44,53,46,45,48にて囲まれる領域、より好ましくは、試料42,47,52,49,45,48にて囲まれる領域のものが、全ての特性において良好である。なお、比較例である試料56〜59は、焼成しても緻密な焼結体が得られなかった。
【0097】
なお、以上説明した実施形態および実施例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態および実施例に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により得られる誘電体組成物は、焼成時の耐還元性に優れ、高誘電率および低歪み率を示すとともに容量温度特性に優れる。また、この誘電体組成物により構成された本発明のコンデンサは、高容量、高絶縁抵抗、低歪み率となり、容量温度特性が平坦であり、しかも内部電極に卑金属を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体組成物の主成分三元組成図である。
【図2】本発明の誘電体組成物の主成分三元組成図である。
【図3】本発明の誘電体組成物の主成分三元組成図である。
【図4】本発明のコンデンサの実施形態を示す一部破断斜視図である。
【図5】実施例における試料1乃至31の組成比を示す三元組成図である。
【図6】実施例の容量温度特性(Y5R)を示すグラフである。
【図7】実施例における試料42乃至60の組成比を示す三角図である。
【符号の説明】
1…積層型セラミックコンデンサ
11…内部電極
12…誘電体層
13…外部電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a dielectric composition and a ceramic capacitor using the same, and has excellent reduction resistance during firing, a high dielectric constant and a low strain ratio, and a dielectric composition excellent in capacitance-temperature characteristics and a high insulation resistance. The present invention relates to a ceramic capacitor having high capacity and low strain characteristics, flat capacity temperature characteristics, and capable of using a base metal for an internal electrode.
[0002]
[Prior art]
Dielectric compositions used for ceramic capacitors and the like include barium titanate (BaTiO3) Having a high dielectric constant as a main component is known, but since it is a ferroelectric substance, the nonlinear characteristic of the voltage is strong, and the distortion rate is as large as -50 dB to -70 dB. For this reason, a capacitor that requires a low distortion rate, such as a capacitor for a coupling circuit, a capacitor for an acoustic circuit, or a capacitor for an image processing circuit, has BaTiO.3System capacitors cannot be used, and film capacitors and electrolytic capacitors are exclusively used. However, such film capacitors and electrolytic capacitors are difficult to miniaturize and have problems in surface mountability.
[0003]
On the other hand, among ceramic capacitors, CaTiO3, SrTiO3, CaSrZrO3, NdTiO3Such a paraelectric material can be used for a coupling circuit, an acoustic circuit, and the like because of its low distortion rate. However, since it is a paraelectric material, the relative dielectric constant εr is as low as 30 to 200 and has a high capacity. It is difficult to obtain a capacitor.
[0004]
Therefore, as a dielectric composition exhibiting both a high dielectric constant and a low strain rate, SrTiO is used.3, Bi2TiO3, CaTiO3, PbTiO3Has been proposed (for example, see Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-97669).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, a noble metal such as platinum Pt, gold Au or silver Ag is used for the internal electrode of the ceramic capacitor, but it is desirable to use a base metal such as nickel from the viewpoint of cost.
[0006]
Since the dielectric composition described above contains bismuth Bi and lead Pb having a low vapor pressure, they are evaporated when fired in a reducing atmosphere. Therefore, although firing in an oxidizing atmosphere is a prerequisite, when firing in an oxidizing atmosphere, nickel is oxidized when a low-cost base metal, such as nickel, is used for the internal electrode. There was no choice but to use precious metals such as silver.
[0007]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the prior art, and has excellent reduction resistance during firing, a high dielectric constant and a low strain rate, and a dielectric composition excellent in capacity-temperature characteristics. Another object of the present invention is to provide a capacitor that has a high insulation resistance, a high capacity, and a low distortion characteristic, has a flat capacity-temperature characteristic, and can use a base metal for an internal electrode.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
(1) In order to obtain a balanced dielectric composition having a large dielectric constant, a small distortion rate, and a small capacitance change rate with respect to temperature (hereinafter also referred to as flat capacitance-temperature characteristics), the present inventor Obtained the following findings as a result of intensive research.
[0009]
First, the strain rate depends on the electric field dependence and non-linear characteristics (ie, ferroelectricity) of the dielectric constant, but measures to suppress this include improving the linearity of the dielectric constant and crystal anisotropy. It is considered to be effective to reduce the ferroelectricity by reducing or to use a paraelectric phase. However, since the dielectric constant decreases when the ferroelectricity is reduced, the balance between them is important. In addition, since the paraelectric shows negative capacity-temperature characteristics and the ferroelectric shows positive capacity-temperature characteristics, the balance between the ferroelectric and paraelectric is also important for the capacity-temperature characteristics.
[0010]
Such a balance of dielectric constant, strain rate, and capacity-temperature characteristic is preferably achieved by controlling the composition molar ratio of calcium titanate, strontium titanate, and barium titanate. In the present invention, by adding barium titanate as a ferroelectric to calcium titanate (and strontium titanate) as a paraelectric, the balance between the paraelectric phase and the ferroelectric phase is achieved, and the dielectric constant is large. A dielectric composition having a small strain rate and a flat capacitance-temperature characteristic can be obtained.
[0011]
That is, as the composition molar ratio of barium titanate increases, the dielectric constant increases, but the strain rate and the capacity change rate with respect to temperature also increase. In contrast, when the composition molar ratio of strontium titanate is increased, the dielectric constant is also reduced although the strain rate is reduced. Further, when the composition molar ratio of calcium titanate is increased, the dielectric constant is also reduced although the strain rate is reduced.
[0012]
Further, when calcium titanate and strontium titanate are compared, when the composition molar ratio of calcium titanate increases, the capacity change rate with respect to temperature decreases, but the dielectric constant also decreases. On the other hand, when the composition molar ratio of strontium titanate increases, the dielectric constant increases, but the capacity change rate with respect to temperature also increases.
[0013]
(2) Based on such knowledge, the invention according to the first aspect is a dielectric composition containing at least calcium titanate, strontium titanate and barium titanate, and at least barium titanate with respect to these three composition molar ratios. The composition molar ratio is 0.3 or less, and the composition of calcium titanate, strontium titanate and barium titanate has a crystal structure of at least one of tetragonal and orthorhombic. (See FIG. 1).
[0014]
A composition composed of calcium titanate, strontium titanate and barium titanate shows an insoluble phase (cubic) in addition to these three composition ratios, but the composition ratio which mainly shows an insoluble phase. The strain ratio is not preferable because the strain rate is large, and the composition ratio mainly showing cubic crystals is not preferable because the strain rate is large and the capacity change rate with respect to temperature is large.
[0015]
Tetragonal crystals are also shown in the region rich in barium titanate, but in this region, the composition molar ratio of barium titanate is large, so the dielectric constant increases, but the distortion rate also increases. The balance with the rate is bad. Therefore, a tetragonal crystal in a region where the composition molar ratio of barium titanate is 0.3 or less is more preferable.
[0016]
In the above invention, the crystal structure of the obtained dielectric composition is not all composed of at least one of tetragonal and orthorhombic crystals, and the main crystal structure is at least one of tetragonal and orthorhombic crystals. Meaning. Therefore, even if an insoluble phase or a cubic crystal is included in a part thereof, it is included in the technical scope of the present invention.
[0017]
In particular, when calcium titanate, strontium titanate and barium titanate have a composition ratio in the vicinity of the phase transition point between tetragonal and orthorhombic, the balance between the dielectric constant and the strain rate is of course the capacitance temperature. Good characteristics (temperature coefficient).
[0018]
(3) The invention according to the second aspect is a dielectric composition containing at least calcium titanate and barium titanate, where the calcium titanate is CT and the barium titanate is BT.
(CT)x(BT)y(F)1-xy (F is an optional component),
0.4 ≦ x <1, 0 <y ≦ 0.2
(See FIG. 2). The third component F is not particularly limited.
[0019]
By controlling the composition ratio between the paraelectric calcium titanate and the ferroelectric barium titanate, the balance between the paraelectric phase and the ferroelectric phase is achieved, and the dielectric constant is large and the distortion factor is small. A dielectric composition having a flat capacitance-temperature characteristic can be obtained.
[0020]
If the composition molar ratio (y) of barium titanate is large, the dielectric constant increases, but the distortion ratio also increases. Therefore, in order to balance the dielectric constant and the distortion ratio, 0 <y ≦ 0.2. Is more preferable. In addition, if the composition molar ratio (x) of calcium titanate is small, the dielectric constant increases, but the capacity change rate with respect to temperature also increases (capacitance temperature characteristic deteriorates). In order to take, it is more preferable that 0.4 ≦ x <1.
[0021]
(4) The invention according to the third aspect is a dielectric composition containing at least calcium titanate, strontium titanate and barium titanate, and at least about these three composition molar ratios.
The composition molar ratio (P) of calcium titanate is 0.5 to 0.85, the composition molar ratio (Q) of strontium titanate is 0.05 to 0.4, and the composition molar ratio (R) of barium titanate is 0. 1 to 0.2, where P + Q + R = 1 (see FIG. 3).
[0022]
By adding the barium titanate, a ferroelectric substance, to the calcium dielectric titanate and strontium titanate, the balance between the paraelectric phase and the ferroelectric phase is achieved, the dielectric constant is large, and the distortion rate is small. In addition, a dielectric composition having a flat capacitance temperature characteristic can be obtained.
[0023]
When the composition molar ratio (P) of calcium titanate is small, the dielectric constant increases, but the capacity change rate with respect to temperature tends to increase (temperature characteristics deteriorate). Moreover, when the composition molar ratio (Q) of strontium titanate is large, both the strain rate and the capacity change rate with respect to temperature tend to increase. Furthermore, when the composition molar ratio (R) of barium titanate is large, the dielectric constant increases, but the distortion rate tends to increase. Therefore, 0.55 ≦ P ≦ 0.8, 0.2 ≦ Q ≦ 0.35, and 0.12 ≦ R ≦ 0.18 in order to balance the dielectric constant, strain rate, and capacitance-temperature characteristics. In particular, a region near the phase transition point between tetragonal and orthorhombic is more preferable.
[0024]
(5) Incidentally, in the inventions according to the second and third aspects, it is more preferable that the dielectric composition includes a crystal structure of at least one of tetragonal crystal and orthorhombic crystal. A composition ratio mainly showing an insoluble phase is not preferable because the strain rate increases, and a composition ratio mainly showing cubic crystals is not preferable because the strain rate and the capacity change rate with respect to temperature are large.
[0025]
(6) In the invention according to the first to third aspects described above, various additives may be included.
(6-1) Examples of this type of additive include reduction resistance aids such as MnO and CrO. This reduction resistance aid has the effect of promoting sintering and insulation resistance (IR), But if added in a large amount, the insulation resistance, dielectric loss (tan δ) and strain rate deteriorate, so 0.1 to 1 mol% is preferable.
[0026]
(6-2) Further, as other additives, a sintering aid such as a glass composition can be mentioned.
[0027]
As a sintering aid suitably used in the present invention, G group: SiO2, Al2O3 , M group: BaO, CaO, SrO, L group: Li2O, Na2O, K2O, B2O3It is at least 1 or more types of glass compositions chosen from these.
[0028]
In the dielectric composition of the invention, a sufficient sintered body cannot be obtained unless the firing temperature is 1340 ° C. or higher. When firing at a temperature lower than this temperature, the dielectric constant decreases and the insulation resistance IR decreases, Distortion increases. On the other hand, SiO2, Al2O3 , V2O5, MoO3, WO3, Co3O4Although the additive has a side effect of lowering the firing temperature, there is a disadvantage that the insulation resistance IR is lowered when the addition amount is increased. In general, lowering the firing temperature has the effect of suppressing the occurrence of defects such as discontinuity or thickening of the internal electrode and the effect of suppressing oxidation and diffusion of the internal electrode. Therefore, by adding the sintering aid as in the present invention, the state of the internal electrode becomes good, and the dielectric breakdown strength reliability and the like are improved. Further, the addition of the sintering aid does not significantly affect the capacity-temperature characteristics.
[0029]
However, if added in a large amount, unevenness in sinterability occurs, insulation resistance and strain rate deteriorate, and if it is too small, the effect of low-temperature sinterability is lost, so 0.2 to 5 mol% is preferable.
[0030]
When at least one glass composition selected from the G group, M group, and L group is used as a sintering aid, the composition ratio of the G group, M group, and L group is preferably a triangular diagram (G, M , L), the composition ratio of the sintering aid is within the region (including the line) surrounded by the following points X1 to X5.
[0031]
X1: (0.0, 0.0, 1.0)
X2: (0.0, 0.5, 0.5)
X3: (0.1, 0.65, 0.25)
X4: (0.5, 0.0, 0.5)
X5: (0.65, 0.05, 0.3)
More preferably, when the composition ratio of the G group, the M group, and the L group is represented by a triangular diagram (G, M, L), the composition ratio of the sintering aid is represented by the following points X1, X6, X7, and X5. It is within the enclosed area (including on the line).
[0032]
X1: (0.0, 0.0, 1.0)
X6: (0.0, 0.2, 0.8)
X7: (0.3, 0.4, 0.3)
X5: (0.5, 0.0, 0.5)
(6-3) As other additives, V2O5, MoO3, WO3, Co3O4There may be mentioned at least one oxide selected from among the above. These have the effect of lowering the sintering temperature and lowering the strain rate. Above all, V2O5Is most preferred. If these are added in a large amount, the insulation resistance and dielectric loss are remarkably deteriorated, so 0.01 to 0.5 mol% is preferable.
[0033]
(6-4) As another additive, Nb2O5, Ta2O5, Y2O3, La2O3, CeO2, Gd2O3, Dy2O3, Ho2O3There may be mentioned at least one oxide selected from among the above. It has the effect of improving the dielectric loss and lowering the distortion rate. These are preferably 0.01 to 0.2 mol%.
[0034]
(7) The dielectric composition according to the present invention described above is preferably used as a material for the dielectric layer of a ceramic capacitor having an internal electrode and a dielectric layer.
[0035]
In this case, it is more preferable that the internal electrode is made of Ni or Ni alloy. Since the dielectric composition according to the present invention is excellent in resistance to reduction, it can be sintered in a reducing atmosphere, and Ni or a Ni alloy can be used as an internal electrode, thereby reducing costs.
[0036]
The structure and the like of the ceramic capacitor are not particularly limited, and include a single plate capacitor in addition to the multilayer capacitor.
[0037]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 4 is a partially broken perspective view showing an embodiment of the multilayer ceramic capacitor of the present invention.
[0038]
This multilayer
[0039]
In this example, the internal electrode 11 is formed of nickel or a nickel alloy, and is not particularly limited, but the nickel alloy is 95% by weight or more of nickel and one or more alloys such as manganese, chromium, cobalt, and aluminum. Is preferred. Further, the nickel or nickel alloy may contain 0.1% by weight or less of phosphorus or the like as a trace component.
[0040]
Various conditions such as the thickness of the internal electrode 11 may be appropriately determined according to the purpose and application, but the thickness is usually 1 to 5 μm, particularly 2 to 3 μm.
[0041]
The material of the dielectric layer 12 contains calcium titanate, strontium titanate, and barium titanate. These three composition molar ratios are as described above. Such a composition is a perovskite type (ABO).3), And the A / B (molar ratio) depends on the quality of the raw material, but if it is in the range of 0.99 to 1.02, the characteristics are sufficiently satisfied.
[0042]
Moreover, 0.1-1 mol% of reduction resistance assistants, such as MnO and CrO, are added to this dielectric composition, G group: SiO.2, Al2O3 , M group: BaO, CaO, SrO, L group: Li2O, Na2O, K2O, B2O30.2 to 5 mol% of a sintering aid for at least one glass composition selected from V, V2O5, MoO3, WO3, Co3O40.01 to 0.5 mol% of at least one oxide selected from among Nb and Nb2O5, Ta2O5, Y2O3, La2O3, CeO2, Gd2O3, Dy2O3, Ho2O3It is preferable to add 0.01 to 0.2 mol% of at least one oxide selected from among the above.
[0043]
In addition, although the copper, copper alloy, nickel, nickel alloy, etc. are normally used for the external electrode 13, silver, the alloy of silver and palladium, etc. can also be used. The thickness of the external electrode 13 is arbitrary and may be appropriately determined according to the purpose and application, but is usually 10 to 50 μm.
[0044]
Further, the shape and size of such a multilayer
[0045]
The multilayer
First, a dielectric layer paste, an internal electrode paste, and an external electrode paste are manufactured.
[0046]
The dielectric layer paste is produced by kneading a dielectric material and an organic vehicle corresponding to the composition of the dielectric composition described above, or as a water-based paint. The dielectric material can be appropriately selected from various compounds that become the composite oxides and oxides described above, for example, carbonates, nitrates, hydroxides, organometallic compounds, and the like, and can be used as a mixture. What is necessary is just to determine content of each compound in a dielectric material so that it may become the composition of the dielectric material layer mentioned above after baking. The dielectric material is usually used as a powder having an average particle size of about 0.1 to 3.0 μm.
[0047]
The organic vehicle is obtained by dissolving a binder in an organic solvent, and the binder used in the organic vehicle is not particularly limited, and may be appropriately selected from usual various binders such as ethyl cellulose and polyvinyl butyral. In addition, the organic solvent used at this time is not particularly limited, and may be appropriately selected from organic solvents such as terpineol, butyl carbitol, acetone, toluene, and the like according to a method to be used such as a printing method or a sheet method.
[0048]
The water-based paint is obtained by dissolving a water-soluble binder, a dispersing agent, and the like in water. The water-based binder is not particularly limited, and may be appropriately selected from polyvinyl alcohol, cellulose, water-soluble acrylic resin, emulsion, and the like. That's fine.
[0049]
The internal electrode paste is prepared by kneading the above-described organic vehicle with the above-described various conductive metals and alloys, or various oxides, organometallic compounds, resinates, and the like that become the above-described conductive material after firing. . The external electrode paste is also prepared in the same manner as this internal electrode paste.
[0050]
The content of the organic vehicle in each paste described above is not particularly limited, and may be a normal content, for example, about 1 to 5% by weight for the binder and about 10 to 50% by weight for the solvent. Each paste may contain additives selected from various dispersants, plasticizers, dielectrics, insulators, and the like as necessary.
[0051]
When using the printing method, the dielectric paste and the internal electrode paste are laminated and printed on a substrate such as polyethylene terephthalate, cut into a predetermined shape, and then peeled off from the substrate to obtain a green chip. On the other hand, when the sheet method is used, a green sheet is formed using a dielectric paste, an internal electrode paste is printed thereon, and these are stacked to form a green chip.
[0052]
Next, the green chip is subjected to binder removal processing and firing. The binder removal treatment is performed before firing, and may be performed under normal conditions. In particular, when a base metal such as nickel or a nickel alloy is used as the conductive material of the internal electrode layer, the temperature increase rate is 5 to 5 in an air atmosphere. 300 ° C / hour, more preferably 10-100 ° C / hour, holding temperature 180-400 ° C, more preferably 200-300 ° C, temperature holding time 0.5-24 hours, more preferably 5-20 hours. To do.
[0053]
The firing atmosphere of the green chip may be appropriately determined according to the type of the conductive material in the internal electrode layer paste, but when a base metal such as nickel or a nickel alloy is used as the conductive material, the oxygen partial pressure of the
[0054]
As other firing conditions, the heating rate is 50 to 500 ° C./hour, more preferably 200 to 300 ° C./hour, the temperature holding time is 0.5 to 8 hours, more preferably 1 to 3 hours, and the cooling rate. Is set to 50 to 500 ° C./hour, more preferably 200 to 300 ° C./hour, and the firing atmosphere is desirably a reducing atmosphere. As the atmosphere gas, for example, a mixed gas of nitrogen gas and hydrogen gas is humidified and used. It is desirable.
[0055]
When firing in a reducing atmosphere, it is desirable to anneal the sintered body of the capacitor chip. Annealing is a process for re-oxidizing the dielectric layer, thereby increasing the insulation resistance. The oxygen partial pressure in the annealing atmosphere is 1 × 10-6Above atmospheric pressure, more preferably 1 × 10-5~ 1x10-4Atmospheric pressure. If the oxygen partial pressure is too low, it is difficult to reoxidize the dielectric layer, and if the oxygen partial pressure is too high, the internal electrode may be oxidized. The holding temperature during annealing is 1100 ° C. or lower, more preferably 500 to 1100 ° C. If the holding temperature is too low, the reoxidation of the dielectric layer is insufficient, the insulation resistance is deteriorated, and the accelerated life is shortened. On the other hand, if the holding temperature is too high, the internal electrode is oxidized and the capacity is lowered, and it reacts with the dielectric substrate, so that the capacity-temperature characteristics, the insulation resistance, and its accelerated life are deteriorated. Note that the annealing can be composed of only the temperature increasing process and the temperature decreasing process. In this case, the temperature holding time is zero, and the holding temperature is synonymous with the maximum temperature.
[0056]
Other annealing conditions include a temperature holding time of 0 to 20 hours, more preferably 6 to 10 hours, a cooling rate of 50 to 500 ° C./hour, more preferably 100 to 300 ° C./hour, and an annealing atmosphere gas. For example, it is desirable to use a humidified nitrogen gas.
[0057]
Incidentally, a wetter or the like can be used, for example, in order to humidify the nitrogen gas or the mixed gas in the binder removal processing, firing and annealing steps described above. In this case, the water temperature is preferably 5 to 75 ° C.
[0058]
Moreover, these binder removal processing, firing and annealing may be performed continuously or independently of each other. When these are performed continuously, the atmosphere is changed without cooling after the binder removal treatment, and then the firing is performed by raising the temperature to the holding temperature at the time of firing, followed by cooling and the annealing holding temperature. It is more preferable to perform the annealing process by changing the atmosphere when the temperature reaches.
[0059]
On the other hand, when these are performed independently, after firing, the temperature is raised in a nitrogen gas or humidified nitrogen gas atmosphere up to the holding temperature during the binder removal process, and then the temperature is further changed by changing the atmosphere. It is preferable to continue, and after cooling to the holding temperature of annealing, it is preferable to change to a nitrogen gas or humidified nitrogen gas atmosphere again and continue cooling. As for annealing, the temperature may be changed after raising the temperature to a holding temperature in a nitrogen gas atmosphere, or a humidified nitrogen gas atmosphere may be used for all the annealing steps.
[0060]
The capacitor fired body thus obtained is subjected to end face polishing, for example, by barrel polishing or sand blasting, and the external electrode paste is printed or transferred and fired to form external electrodes. The firing conditions of the external electrode paste are preferably, for example, about 10 minutes to 1 hour at 600 to 800 ° C. in a mixed gas of humidified nitrogen gas and hydrogen gas. Then, if necessary, a coating layer is formed on the surface of the external electrode by plating or the like.
[0061]
The
[0062]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples of the present invention. In the following examples, the characteristics of the dielectric composition itself according to the present invention and the characteristics of the multilayer ceramic capacitor using the dielectric composition as a dielectric layer were evaluated.
[0063]
Preparation of dielectric composition
Barium titanate BaTiO with a particle size of 0.1-1 μm3, Strontium titanate SrTiO3, Calcium titanate CaTiO3, Manganese oxide MnO, silicon oxide SiO2, Vanadium oxide V2O5If necessary, rare earth oxide (Nb2O5, Ta2O5, Y2O3, La2O3, CeO2, Gd2O3, Dy2O3, Ho2O3The material powder of at least one oxide selected from the above was wet mixed by a ball mill for 16 hours and dried to obtain a dielectric material.
[0064]
Barium titanate BaTiO as the base material3, Strontium titanate SrTiO3, Calcium titanate CaTiO3Is BaCO3, CaCO3, SrCO3TiO2Each of these was weighed and wet-mixed for 16 hours using a ball mill, dried, and then fired in air at a temperature of 1150 ° C. for 50 hours.
[0065]
By the way, barium titanate BaTiO3, Strontium titanate SrTiO3, Calcium titanate CaTiO3The same characteristics were obtained using raw materials prepared by hydrothermal synthesis powder, oxalate method, and the like.
[0066]
For the measurement sample, 0.05% by weight of polyvinyl alcohol as a binder was added to the dielectric composition, and the binder and the dielectric composition were mixed so as to form granules. Next, 0.3 g of this granular dielectric composition was weighed and press-formed into a disk shape so as to have an outer diameter of 12 mm and a thickness of 0.5 mm.
[0067]
The molded body was heated at 300 ° C./hour, holding temperature 800 ° C., holding
[0068]
Subsequently, the molded body was heated at a temperature rising rate of 200 ° C./hour, a holding temperature of 1380 ° C., a holding time of 2 hours, a cooling rate of 300 ° C./hour, a mixed gas atmosphere of humidified nitrogen gas and hydrogen gas (1 × 10-9And fired under conditions of atmospheric pressure) to obtain a fired body having an outer diameter of about 10 mm and a thickness of 0.5 mm. Further, the fired body was held at a holding temperature of 900 ° C., a holding time of 9 hours, a cooling rate of 300 ° C./hour, and a humidified nitrogen gas atmosphere (1 × 10 10-5Annealing was performed under the conditions of atmospheric pressure). A wetter was used for humidifying each atmospheric gas, and the water temperature was set to 35 ° C.
[0069]
By applying In—Ga to both sides of the disk-shaped fired body thus obtained, a φ6 mm electrode was formed, and this was used as a dielectric composition sample (hereinafter also referred to as a disk-shaped sample). Specific permittivity, dielectric loss, and capacitance-temperature characteristics were measured.
[0070]
Fabrication of multilayer ceramic capacitors
In parallel with this, a multilayer ceramic capacitor was produced.
First, for dielectric layer paste, 100% by weight of each dielectric material, 4.8% by weight of acrylic resin, 40% by weight of methylene chloride, 20% by weight of ethyl acetate, 6% by weight of mineral spirit and 4% by weight of acetone Were mixed with a ball mill to form a paste.
[0071]
For the internal electrode paste, 100% by weight of nickel particles having an average particle size of 0.2 to 0.8 μm, 40% by weight of an organic vehicle (8% by weight of ethylene cellulose resin dissolved in 92% by weight of butyl carbitol) Then, 10% by weight of butyl carbitol was kneaded with three rolls to form a paste.
[0072]
For the external electrode paste, 100% by weight of copper particles having an average particle size of 0.5 μm, 35% by weight of an organic vehicle (8% by weight of ethylene cellulose resin dissolved in 92% by weight of butyl carbitol), and
[0073]
Next, using the above-mentioned dielectric layer paste, 4.5 μm and 15 μm thick green sheets are formed on the PET film, and after printing the internal electrode paste on this, the green sheet is peeled off from the PET film. did. Next, a plurality of green sheets obtained in this manner were stacked and pressure-bonded to produce a green chip. The number of green sheets having internal electrodes was four.
[0074]
Next, the green chip was cut into a predetermined size and subjected to binder removal processing, firing and annealing to obtain a multilayer ceramic fired body.
[0075]
This binder removal treatment was performed under conditions of a temperature rising time of 15 ° C./hour, a holding temperature of 280 ° C., a holding time of 8 hours, and an air atmosphere. Firing is performed at a temperature rising rate of 200 ° C./hour, a holding temperature of 1380 ° C., a holding time of 2 hours, a cooling rate of 300 ° C./hour, a mixed gas atmosphere of humidified nitrogen gas and hydrogen gas (1 × 10-9At atmospheric pressure). The annealing was performed at a holding temperature of 900 ° C., a holding time of 9 hours, a cooling rate of 300 ° C./hour, and a humidified nitrogen gas atmosphere (1 × 10-5At atmospheric pressure). A wetter was used for humidifying each atmospheric gas, and the water temperature was set to 35 ° C.
[0076]
Next, after polishing the end face of this multilayer ceramic fired body by sandblasting, the external electrode paste is transferred to the end face, and fired at 800 ° C. for 10 minutes in a humidified nitrogen gas and hydrogen gas atmosphere to form the external electrode. Then, a multilayer ceramic capacitor sample was obtained (hereinafter also referred to as a capacitor sample). The size of each sample was 3.2 mm × 1.6 mm × 0.6 mm, the thickness of the dielectric layer was 10 μm and 3 μm, and the thickness of the internal electrode was 2.0 μm.
[0077]
For each sample of the multilayer ceramic capacitor thus obtained, the capacitance-temperature characteristic and the third harmonic distortion factor (THD) were measured.
[0078]
Evaluation items and evaluation methods
For the porcelain characteristics, the shrinkage ratio and porcelain density at the time of firing were calculated from the size and mass of the disk-shaped sample molded into a disk shape and fired, and the sinterability was evaluated from the results.
[0079]
Moreover, the electrostatic capacity and dielectric loss (tan δ) of the disc-shaped sample under conditions of 1 kHz and 1 Vrms were measured using an LCR meter. The relative dielectric constant was calculated from the obtained capacitance, electrode dimensions, and sample thickness.
[0080]
Regarding the temperature characteristics of the capacitance, when the electrostatic capacity at a voltage of 1 V is measured for a temperature range of −30 ° C. to + 85 ° C. using a disk-shaped sample and a capacitor sample using an LCR meter, and the reference temperature is 25 ° C. It was investigated whether or not the capacity change ratio of the above satisfied within ± 15% (the Y5R characteristic of the EIA standard of the Electronic Machinery Manufacturers Association). The case where it was satisfied was indicated by “◯”, and the case where it was not satisfied was indicated by “X”. Moreover, the capacity | capacitance change rate in the temperature range of -30 degreeC-+85 degreeC was measured about the
[0081]
The third harmonic distortion factor (THD) was measured for the capacitor sample according to the procedure of the non-linearity measuring method of the fixed resistor of the Japan Electronic Machinery Association Standard EIAJ RC2111. The measuring device used was CLT-1 manufactured by RE TECNOLOGY AS. For all capacitor samples, the third harmonic distortion rate was measured when an AC voltage of 10 kHz was applied with an electric field strength of 0.3 V / μF.
[0082]
Composition ratio of each sample
The disk-shaped sample described above by changing the composition ratio of calcium titanate (CT), strontium titanate (ST) and barium titanate (BT) and the amount of various additives as shown in Tables 1 and 2 A capacitor sample was prepared.
[0083]
Table 1 shows MnO, V2O5, SiO2Etc. (specifically, MnO = 0.5 mol%, V2O5= 0.05 mol%, SiO2= 0.2 mol%), only the composition ratio of CT, ST and BT is changed,
[0084]
On the other hand, Table 2 fixes the composition ratio of CT, ST and BT (specifically, CT = 0.6 mol%, ST = 0.25 mol%, BT = 0.15 mol%) In this example, the type and amount of the additive are changed, sample 32 to sample 36 are examples of the present invention, and sample 37 to sample 41 are comparative examples of the present invention.
[0085]
In order to confirm the effectiveness of the sintering aid, G group: SiO2, Al2O3 , M group: BaO, CaO, SrO, L group: Li2O, Na2O, K2O, B2O3The composition ratio was changed as shown in Table 3 to prepare the multilayer capacitor sample described above. Table 3 fixes the composition ratio of calcium titanate (CT), strontium titanate (ST), and barium titanate (BT) and the addition amount of additives other than the sintering aid (specifically, CT = 0.55 mol%, ST = 0.33 mol%, BT = 0.12 mol%, MnO = 0.5 mol%, V2O5= 0.05 mol%), and only the composition ratios G, M, and L of the sintering aid are changed. Sample 42 to sample 55 are examples of the present invention, and
[0086]
[Table 1]
[0087]
[Table 2]
[0088]
[Table 3]
[0089]
Consideration
(1) The above results are shown in Tables 1 to 3. In the table, in the numerical value of the insulation resistance IR, “mE + n” is “m × 10+ N"Means. In addition, although the evaluation result of sinterability is not shown in these tables, there was no problem for the samples other than the sample 38 with respect to the results of Tables 1 and 2. However, for sample 38, SiO2Since the amount of addition of was small, the sinterability was poor and the strength was insufficient.
[0090]
From the results shown in Table 1,
[0091]
In contrast, Samples 27 to 29, which are comparative examples, have a large relative dielectric constant, but the third-order harmonic distortion rate THD is remarkably deteriorated. Further, the
[0092]
Moreover, the following is understood about the additive from the result of Table 2. First, it can be seen from the comparison between Samples 32 and 33 and Sample 37 that both the dielectric loss tan δ and the insulation resistance IR deteriorate when the amount of MnO added is excessively increased.
[0093]
Further, from the comparison between the samples 34 and 35 and the samples 38 and 39,
[0094]
Further, from the comparison between the samples 35 and 36 and the
[0095]
Incidentally, CrO is added instead of MnO, and Al instead of SiO2.2O3Were evaluated under the same conditions as above, but the same results were obtained in all cases. V2O5Instead of MoO3, WO3, Co3O4And as other additives mNb2O5, Ta2O5, Y2O3, La2O3, CeO2, Gd2O3, Dy2O3, Ho2O3Was added and evaluated under the same conditions as above, but the same results were obtained in all cases.
[0096]
(2) Regarding the results in Table 3, in the triangular diagram shown in FIG. 7, the region surrounded by the
[0097]
The embodiments and examples described above are described for easy understanding of the present invention, and are not described for limiting the present invention. Therefore, each element disclosed in the above embodiments and examples is intended to include all design changes and equivalents belonging to the technical scope of the present invention.
[0098]
【The invention's effect】
As described above, the dielectric composition obtained by the present invention is excellent in reduction resistance during firing, exhibits a high dielectric constant and a low strain rate, and is excellent in capacity-temperature characteristics. In addition, the capacitor of the present invention composed of this dielectric composition has a high capacity, a high insulation resistance, a low strain rate, a flat capacity-temperature characteristic, and a base metal can be used for the internal electrode.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a main component ternary composition diagram of a dielectric composition of the present invention.
FIG. 2 is a main component ternary composition diagram of the dielectric composition of the present invention.
FIG. 3 is a main component ternary composition diagram of the dielectric composition of the present invention.
FIG. 4 is a partially broken perspective view showing an embodiment of a capacitor of the present invention.
FIG. 5 is a ternary composition diagram showing the composition ratio of
FIG. 6 is a graph showing capacity-temperature characteristics (Y5R) of an example.
FIG. 7 is a triangular diagram showing composition ratios of samples 42 to 60 in Examples.
[Explanation of symbols]
1 ... Multilayer ceramic capacitor
11 ... Internal electrode
12 ... Dielectric layer
13 ... External electrode
Claims (10)
チタン酸カルシウムをCT、チタン酸バリウムをBTとしたときに、下記の関係式を満足し、
【数1】
(CT)x(BT)y(F)1−x−y (Fは任意成分)、
0.4≦x<1、
0<y≦0.2
焼結助剤の含有量が0.2モル%〜5モル%であり、
該焼結助剤は、下記G群、M群およびL群から選ばれる少なくとも1種以上のガラス組成物であり、
G群:SiO 2 ,Al 2 O 3
M群:BaO,CaO,SrO
L群:Li 2 O,Na 2 O,K 2 O,B 2 O 3
前記G群、M群およびL群の組成比を三角図(G,M,L)で表したとき、前記焼結助剤の組成比が下記点X1〜X5で囲まれた領域内(線上を含む)である誘電体組成物。
X1:(0.0,0.0,1.0)
X2:(0.0,0.5,0.5)
X3:(0.1,0.65,0.25)
X4:(0.5,0.0,0.5)
X5:(0.65,0.05,0.3) At least calcium titanate, a dielectric composition containing barium titanate and sintering aid,
When calcium titanate is CT and barium titanate is BT, the following relational expression is satisfied :
[Expression 1]
(CT) x (BT) y (F) 1-xy (F is an optional component),
0.4 ≦ x <1,
0 <y ≦ 0.2
The content of the sintering aid is 0.2 mol% to 5 mol%,
The sintering aid is at least one glass composition selected from the following G group, M group and L group,
Group G: SiO 2 , Al 2 O 3
M group: BaO, CaO, SrO
Group L: Li 2 O, Na 2 O , K 2 O, B 2 O 3
When the composition ratios of the G group, the M group, and the L group are represented by triangular diagrams (G, M, L), the composition ratio of the sintering aid is within the region surrounded by the following points X1 to X5 (on the line). A dielectric composition).
X1: (0.0, 0.0, 1.0)
X2: (0.0, 0.5, 0.5)
X3: (0.1, 0.65, 0.25)
X4: (0.5, 0.0, 0.5)
X5: (0.65, 0.05, 0.3)
チタン酸カルシウムの組成モル比(P)が0.5〜0.85、
チタン酸ストロンチウムの組成モル比(Q)が0.05〜0.4、
チタン酸バリウムの組成モル比(R)が0.1〜0.2、
但しP+Q+R=1
を満たし、
焼結助剤の含有量が0.2モル%〜5モル%であり、
該焼結助剤は、下記G群、M群およびL群から選ばれる少なくとも1種以上のガラス組成物であり、
G群:SiO 2 ,Al 2 O 3
M群:BaO,CaO,SrO
L群:Li 2 O,Na 2 O,K 2 O,B 2 O 3
前記G群、M群およびL群の組成比を三角図(G,M,L)で表したとき、前記焼結助剤の組成比が下記点X1〜X5で囲まれた領域内(線上を含む)である誘電体組成物。
X1:(0.0,0.0,1.0)
X2:(0.0,0.5,0.5)
X3:(0.1,0.65,0.25)
X4:(0.5,0.0,0.5)
X5:(0.65,0.05,0.3) A dielectric composition containing at least calcium titanate , strontium titanate , barium titanate and a sintering aid, the composition molar ratio of calcium titanate, strontium titanate and barium titanate ,
The composition molar ratio (P) of calcium titanate is 0.5 to 0.85,
The composition molar ratio (Q) of strontium titanate is 0.05 to 0.4,
The composition molar ratio (R) of barium titanate is 0.1 to 0.2,
However, P + Q + R = 1
The filling,
The content of the sintering aid is 0.2 mol% to 5 mol%,
The sintering aid is at least one glass composition selected from the following G group, M group and L group,
Group G: SiO 2 , Al 2 O 3
M group: BaO, CaO, SrO
Group L: Li 2 O, Na 2 O , K 2 O, B 2 O 3
When the composition ratios of the G group, the M group, and the L group are represented by triangular diagrams (G, M, L), the composition ratio of the sintering aid is within the region surrounded by the following points X1 to X5 (on the line). A dielectric composition).
X1: (0.0, 0.0, 1.0)
X2: (0.0, 0.5, 0.5)
X3: (0.1, 0.65, 0.25)
X4: (0.5, 0.0, 0.5)
X5: (0.65, 0.05, 0.3)
X1:(0.0,0.0,1.0)
X6:(0.0,0.2,0.8)
X7:(0.3,0.4,0.3)
X5:(0.5,0.0,0.5)A region in which the composition ratio of the sintering aid is surrounded by the following points X1, X6, X7, and X5 when the composition ratio of the G group, the M group, and the L group is represented by a triangular diagram (G, M, L) The dielectric composition according to claim 1 , wherein the dielectric composition is inside (including on a line).
X1: (0.0, 0.0, 1.0)
X6: (0.0, 0.2, 0.8)
X7: (0.3, 0.4, 0.3)
X5: (0.5, 0.0, 0.5)
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