JP4654380B2 - 水界面への集積性を有する脱水縮合剤 - Google Patents
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Description
近年、水系溶媒中で使用可能な縮合剤として、カルボジイミド誘導体が開発されている(Nozaki、Chemistry Letters,1997年,pp.1−2)。これは、水を含む溶媒中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)を縮合剤として用いて、ペプチド合成を行う方法である。さらに、水またはアルコール中で使用可能な縮合剤として、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリウムクロリド(DMT−MM)が報告されており(Kunishimaら、Tetrahedron,2001年,57巻,pp.1551−1558)、これは、アミド化合物やエステル化合物の製造に利用されている(国際出願公開WO00/53544号)。しかし、EDCおよびDMT−MMはいずれも水溶性であり、水を含む均一溶媒系で用いられる縮合剤である。そのため、水に不溶性の基質についての使用は、あまり適切ではない。
一方、疎水性溶媒と水との逆ミセル界面で、長鎖アルキル基を有するカルボジイミドを縮合剤として用いるペプチド合成法が報告されている(Ranganathanら、Journal of the American Chemical Society,1989年,111巻,pp.1144−1145)。ミセル界面での脱水縮合反応としては、他に、両親媒性の向山試薬(N−アルキルハロピリジニウム塩)を用いたラクトン化およびラクタム化が報告されている(Ricoら、Journal of Organic Chemistry,1994年,59巻,pp.415−420)。しかし、これらはいずれも収率がよくない。あるいは、酸性水溶液中で形成される疎水場において、ルイス酸によるエステル化反応が熱力学的に行われることが報告されている(Kobayashiら、Journal of the American Chemical Society,2001年,123巻,pp.10101)。この反応は、水が存在しなくても同様に進行することから、反応場は界面ではなく、したがって、界面の特性を利用しているとはいえない。このように、現在のところ、水界面でのカルボン酸の脱水縮合反応に利用可能な縮合剤はこれら以外にはほとんどなく、利用できるカルボン酸の種類も限られている。
上記Kunishimaら、Tetrahedron,2001年,57巻,pp.1551−1558に記載の水中で使用可能な脱水縮合剤DMT−MMが、親水性の4級アンモニウム構造を有することに基づき、DMT−MM様の構造を有する化合物に長鎖アルキル基などの疎水性基を導入することによって、水界面への特異的な集積性を有する両親媒性化合物を得ることができた。
本発明は、以下の式I:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状であり;そしてX−は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、または過塩素酸イオンである)で表される、1,3,5−トリアジン型化合物を提供する。
好適な実施態様では、上記R1およびR2の少なくとも一方はメチル基またはエチル基である。
より好適な実施態様では、上記nは12から16である。
本発明はまた、以下の式I’:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状であり;そしてX−は、トリフラートアニオンである)で表される1,3,5−トリアジン型化合物の製造方法を提供し、この方法は、
以下の式II:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではない)で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸無水物とを、有機溶媒中で混合して、トリフラートを得る工程;および
得られたトリフラートと、以下の式III:
(式中、R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COOCnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンとを、適切な有機溶媒中で混合する工程、を包含する。
本発明はさらに、以下の式I”:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2+1は直鎖状であり;そしてX−は、ハロゲン化物イオンである)で表される1,3,5−トリアジン型化合物の製造方法を提供し、この方法は、
以下の式IV:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく、そして;Xがハロゲン原子である)で表される化合物と、以下の式III:
(式中、R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンとを、適切な溶媒中で混合する工程、を包含する。
本発明は、カルボン酸誘導体の製造方法を提供し、この方法は、
水溶液中で、カルボン酸と求核性官能基を有する化合物とを、以下の式I:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状であり;そしてX−は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、または過塩素酸イオンである)で表される1,3,5−トリアジン型化合物の存在下で混合する工程、を包含する。
好適な実施態様では、上記カルボン酸は炭素数6から20の脂肪酸である。
より好適な実施態様では、上記カルボン酸は炭素数8から18の脂肪酸である。
別の好適な実施態様では、上記式IにおけるR1およびR2の少なくとも一方はメチル基またはエチル基である。
さらに別の好適な実施態様では、上記式Iにおけるnは12から16である。
好適な実施態様では、上記求核性官能基を有する化合物は、1級アミン化合物または2級アミン化合物である。
本発明はまた、カルボン酸誘導体の別の製造方法を提供し、この方法は、
カルボン酸、
求核性官能基を有する化合物、
以下の式IV:
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく、そして;Xがハロゲン原子である)で表される化合物、および
以下の式III:
(式中、R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状である)で表される3級アミンを、水溶液中で混合する工程、を包含する。
好適な実施態様では、上記カルボン酸は炭素数6から20の脂肪酸である。
より好適な実施態様では、上記カルボン酸は炭素数8から18の脂肪酸である。
別の好適な実施態様では、上記式IにおけるR1およびR2の少なくとも一方はメチル基またはエチル基である。
さらに別の好適な実施態様では、上記式Iにおけるnは12から16である。
好適な実施態様では、上記求核性官能基を有する化合物は、1級アミン化合物または2級アミン化合物である。
好適な実施態様では、上記求核性官能基を有する化合物は、アルコール化合物である。
反応基質が両親媒性である場合、両親媒性である本発明の脱水縮合剤と反応基質とを混合し、水溶液中でミセルを形成させると、これらの反応基質と脱水縮合剤とを水界面に集積させることが可能である。その結果、水界面で局所的に反応基質の濃度が上昇し、分子運動(特に、3次元的な併進運動および等方性の回転運動)が抑制されることによって、反応が加速し、選択性も向上する。したがって、反応基質であるカルボン酸、アミン、アルコールなどを両親媒性誘導体に変換すると、その反応点がすべて界面に集積するため、本発明の脱水縮合剤によって、非常に効率的に縮合反応を行うことができる。また、本発明の脱水縮合剤は、容易に合成することができるため、コスト的にも有利である。
で表される、1,3,5−トリアジン型化合物である。式I中、R1およびR2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、炭素数2から5のヒドロキシアルキル基、−(CH2CH2O)mR6(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である)、−(CH2CH2NR7)mH(ここで、mは1から120までの整数であり、そしてR7は、炭素数が2から5のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノエチル基、または−CH2CH2N+(CH3)3である)、−CH2CH2SO3 −、−CH2CH2N+(CH3)3、または炭素数6から20のアルキル基であるが、R1およびR2は同時に炭素数6から20のアルキル基ではなく;R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、それぞれ独立して、−CH2COO−CnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1であり、ここでnは6から20までの整数であり、−CnH2n+1は直鎖状であり;そして、X−は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン(CF3SO3 −)、硝酸イオン(NO3 −)、硫酸イオン(1/2SO4 −)、硫酸水素イオン(HSO4 −)、スルホン酸イオン(RSO3 −)、四フッ化ホウ酸イオン(BF4 −)、または過塩素酸イオン(ClO4 −)である。
上記式Iにおいて、R1およびR2が炭素数2から5のヒドロキシアルキル基である場合、このヒドロキシアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、または環状であり得、ヒドロキシ基の位置および数は、特に制限されない。好ましくは、直鎖状であり、そして末端ヒドロキシである。炭素数2から5のヒドロキシアルキル基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチルが挙げられる。
上記式Iにおいて、R1およびR2が−(CH2CH2O)mR6である場合、mは、1から120までの整数、好ましくは1から50までの整数である。R6は、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基である。この場合、R1およびR2の部分の平均分子量は、好ましくは約45から約5000まで(mが1から120に相当)、より好ましくは約45から約2000まで(mが1から50に相当)である。
上記式Iにおいて、R1およびR2が−(CH2CH2NR7)mHである場合、mは、1から120までの整数、好ましくは1から50までの整数である。R7は、エチル基またはN,N−ジアルキルアミノエチル基であり、該アルキルの炭素数は2から5である。この場合、R1およびR2の部分の平均分子量は、好ましくは約45から約5000まで(mが1から120に相当)、より好ましくは約45から約2000まで(mが1から50に相当)である。
上記式Iにおいて、R1およびR2が炭素数6から20のアルキル基である場合、このアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、または環状であり得る。好ましくは直鎖状である。R1およびR2の炭素数6から20のアルキル基としては、n−ヘキシル、n−ペンチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシルなどが挙げられる。
上記式IのR1およびR2について、本発明の脱水縮合剤の水界面への留まりやすさを考慮すると、R1O−およびR2O−部分は、親水性を有していることが好ましい。以下で詳述するR3、R4、およびR5との組み合わせにより異なるが、好ましくは、R1およびR2の少なくとも一方は、メチル基またはエチル基であり、より好ましくは両方ともメチル基である。R1およびR2が同時に炭素数6から20のアルキル基である場合は、本発明の脱水縮合剤の疎水性が強くなり、水界面に集積しにくくなるため、好ましくない。
上記式IのR3、R4、およびR5であり得る−CH2COOCnH2n+1、−CnH2n+1、または−C6H4−p−CnH2n+1において、nは6から20までの整数であり、そして−CnH2n+1は直鎖状である。例えば、n−オクチルオキシカルボニルメチレン、n−デシルオキシカルボニルメチレン、n−ドデシルオキシカルボニルメチレン、n−ヘキサデシルオキシカルボニルメチレン;n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル;p−(n−ヘキシル)フェニレン、p−(n−オクチル)フェニレン、p−(n−デシル)フェニレン、p−(n−ドデシル)フェニレン、p−(n−テトラデシル)フェニレン、p−(n−ヘキサデシル)フェニレン、p−(n−オクタデシル)フェニレンなどが挙げられる。本発明の脱水縮合剤の水界面への留まりやすさを考慮すると、好ましくは、nは8から18、より好ましくは12から16である。
上記式IのR3、R4、およびR5について、本発明の脱水縮合剤の合成の容易さ、および水界面への留まりやすさを考慮すると、R3、R4、およびR5のうちの1つまたは2つは、メチル基であり、そして残りのR3、R4、およびR5は、炭素数6から20の直鎖アルキル基を有する基である。反応性を考慮すると、より好ましくは、R3、R4、およびR5のうちの2つはメチル基である。R3、R4、およびR5がすべて炭素数6から20の直鎖アルキル基を有する基である場合は、反応効率がよくないので、好ましくない。
上記式IのX−のハロゲン化物イオンとしては、F−、Cl−、Br−、およびI−挙げられる。また、上記式Iのスルホン酸イオン(RSO3 −)のRとしては、メチル基、エチル基、フェニル基、p−トリル基などが挙げられる。本発明の脱水縮合剤の合成の容易さの点で、X−は、Cl−またはトリフラートアニオンであることが好ましい。
上記式Iで表される本発明の脱水縮合剤は、例えば、以下のスキーム1またはスキーム2に記載の方法によって製造できる。
まず、スキーム1について説明する。
上記スキーム1において、R1〜R5は、上記式Iについて定義したものと同様である。
この方法は、Kunishimaら(Tetrahedron Letters,2002年,43巻,pp.3323−3326)によって報告された方法に準じて行われ得る。すなわち、式IIで表される化合物(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン)と、トリフルオロメタンスルホン酸無水物とを、有機溶媒中で混合して、トリフラートを得る工程;および、得られたトリフラートと、以下の式IIIで表される3級アミンとを、適切な有機溶媒中で混合する工程を包含する。
トリフラートを得る工程において、化合物IIに対して、トリフルオロメタンスルホン酸無水物は、好ましくは約1〜2当量、より好ましくは、1〜1.5当量用いられる。この工程において用いられる有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、ジクロロメタンが好ましい。反応を促進させる点で、化合物IIとほぼ当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加することがさらに好ましい。反応は、室温で行うことが可能であり、通常30分〜6時間行われる。より好ましくは、窒素雰囲気下で行われる。
次いで、得られたトリフラートと式IIIの3級アミンとを混合する。3級アミンは、出発物質の化合物IIに対して、好ましくは約1.5〜3当量用いられる。この工程において用いられる有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルムなどが好ましい。反応は、室温で行うことが可能であり、通常15分〜3時間行われる。
このようにして、上記式Iで表される本発明の脱水縮合剤のうち、X−がトリフレートアニオンである化合物I’を高収率で得ることができる。
次に、スキーム2について説明する。
上記スキーム2において、R1〜R5は、上記式Iについて定義したものと同様であり、Xはハロゲン原子である。
この方法は、式IVで表される化合物と、式IIIで表される3級アミンとを、適切な溶媒中で混合する工程を包含する。3級アミンは、出発物質の化合物IVに対して、好ましくは約1.5〜3当量用いられる。この工程において用いられる溶媒としては、中性溶媒であれば特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、およびこれを適宜混和した混合溶媒;ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、ヘキサンなどが挙げられ、テトラヒドロフラン(THF)が好ましい。なお、この工程において用いられる溶媒は、水、緩衝液(リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、炭酸緩衝液など)、およびこれらと混和可能な上記溶媒との混合液であってもよい。反応は、室温で行うことが可能であり、通常15分〜3時間行われる。
このようにして、上記式Iで表される本発明の脱水縮合剤のうち、X−がハロゲン化物アニオンである化合物I”を高収率で得ることができる。
上記式IのX−が硝酸イオンである場合、例えば、上記式I”で表されるハロゲン化物の水溶液に硝酸銀を加えて混合することによるアニオン交換によって、得ることができる。他の硫酸イオン、硫酸水素イオン、スルホン酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、または過塩素酸イオンについても、同様に製造できる。アニオン交換の手段としては、例えば、イオン交換樹脂を用いる手段、過剰の塩類との処理による手段などが挙げられる。
本発明の脱水縮合剤は、カルボン酸化合物と>NH基、−OH基、−SH基などの求核性官能基を有する化合物とからカルボン酸誘導体を製造する際に、好適に用いることができる。特に、カルボン酸化合物とアミン化合物とからアミド化合物を製造する場合、あるいはカルボン酸化合物とアルコール化合物とからエステル化合物を製造する場合に、水溶液中で好適に使用され得る。
本発明の脱水縮合剤を用いてカルボン酸誘導体を製造する場合の脱水縮合反応のメカニズムは、次のように考えられる。本発明の脱水縮合剤は、4級アンモニウム構造中に少なくとも1つの中〜長鎖アルキル基を有するため、両親媒性であり、水溶液中ではミセルを形成し得るか、あるいは他の界面活性剤が形成するミセルに優先的に取り込まれ得る。このとき、例えば、基質であるカルボン酸化合物も疎水性部分を有するため、脱水縮合剤とともにミセルを形成し得るか、あるいは他の界面活性剤が形成するミセルに優先的に取り込まれ得る。そのため、水界面において、本発明の脱水縮合剤の4級アンモニウム部分およびカルボン酸化合物のカルボキシル基の濃度は、溶液状態や凝集状態と比較して、非常に高くなる。したがって、4級アンモニウムカチオンの結合したトリアジノ基への付加によってカルボキシル基が活性化され、水溶液中のアミン化合物やアルコール化合物の求核性官能基と脱水反応を引き起こすことにより、アミド化合物やエステル化合物が生成され得る。なお、ここで形成される分子集合相はどのような形状のミセルであってもよく、球状、層状などであり得る。また、脂質二重層のような膜の水界面(表面)や、ゲル状の水和固体、さらに水と混和しない有機溶媒を添加したエマルションでも同様の効果が期待できる。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において用いられるカルボン酸化合物は、水界面に集積する能力を有する両親媒性のカルボン酸であれば、特に限定されない。このようなカルボン酸としては、好ましくは、長鎖アルキル基のような脂溶性基を有するカルボン酸、より好ましくは炭素数約10から約20の直鎖、分岐鎖、または環状のカルボン酸が挙げられる。具体的には、カプリン酸(デカン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸(ドデシル酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、イコサン酸、イコサトリエン酸、アラキドン酸などが挙げられる。これらのカルボン酸化合物は、通常、ナトリウム塩、カリウム塩などとして提供され得る。あるいは、脂溶性がないかまたは十分でない(低い)カルボン酸を用いる場合は、水と混和しない有機溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの芳香族または脂肪族の炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化溶媒;酢酸エチルなどのエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテルのようなエーテル系溶媒など)を添加したエマルションを用いるか、または、該カルボン酸化合物に、上記のような長鎖アルキル基を任意の化学結合を介して導入することによって、水界面に集積可能なカルボン酸化合物に変換することができる。ここで、任意の化学結合としては、エステル、酸アミド、エーテル、炭酸エステル、ウレタンなどが挙げられ、そして長鎖アルキル基は、当業者が通常用いる方法によってカルボン酸化合物に導入可能である。これによって、本来脂溶性のないカルボン酸化合物も、水界面に取り込み、脱水縮合反応を行うことが可能である。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において用いられ得るアミン化合物は、特に限定されない。より好ましくは、水界面に集積する能力を有する両親媒性の1級または2級のアミノ基を有する化合物であれば、特に限定されない。このようなアミン化合物としては、脂肪族アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、N−メチルピペラジンなど);芳香族アミン(例えば、アニリン、ベンジルアミン、α−フェネチルアミン、β−フェネチルアミン、2−アミノチアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、インドールなど);カルボキシル基が保護されたアミノ酸誘導体などが挙げられる。これらのアミン化合物は、通常、塩酸塩、硝酸塩などのアミン塩として提供され得る。あるいは、酸アミド基を有する化合物も使用可能である。このようなアミン化合物は、好ましくは、脂溶性のある両親媒性アミンが好ましい。また、脂溶性がないアミン化合物については、上記のカルボン酸化合物の場合と同様に、任意の化学結合を介して脂溶性基(例えば、炭素数約10から約20の長鎖アルキル基)を導入して用いてもよい。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において用いられ得るアルコール化合物は、1級、2級、および3級のヒドロキシル基を有する化合物であり、かつ水界面に集積する能力を有する両親媒性の化合物であれば、特に限定されない。このようなアルコール化合物としては、n−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。また、脂溶性がないアルコール化合物については、上記のカルボン酸化合物の場合と同様に、任意の化学結合を介して脂溶性基(例えば、炭素数約10から約20の長鎖アルキル基)を導入して用いてもよい。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において用いられ得るチオール化合物は、水界面に集積する能力を有する両親媒性のチオール基を有する化合物であれば、特に限定されない。このようなチオール化合物としては、メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、システイン誘導体などが挙げられる。脂溶性がないチオール化合物については、上記のカルボン酸化合物の場合と同様に、任意の化学結合を介して脂溶性基(例えば、炭素数約10から約20の長鎖アルキル基)を導入して用いてもよい。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において使用される、カルボン酸化合物および求核性官能基を有する化合物の量は、特に限定されない。カルボキシル基と求核性官能基との反応は、化学量論的に進行するので、各化合物中の官能基の数に応じて決定され得る。例えば、各官能基を分子内に1個ずつ有する化合物同士の反応の場合、通常、カルボン酸化合物1モルに対して、求核性官能基を有する化合物を、0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.2モルの割合で使用する。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法は、上記のカルボン酸化合物と、求核性官能基を有する化合物とを、本発明の脱水縮合剤の存在下にて、水溶液中で混合する工程を包含する。この工程において、水溶液中に他の界面活性剤を含んでいてもよい。各化合物を混合する順序は、特に限定されない。
この方法で用いられる水溶液としては、水、塩溶液(例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液など)、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、トリス・塩酸緩衝液など)が挙げられる。水溶液のpHは、反応に用いられる化合物によって異なるが、通常、pH6〜11、好ましくは、pH7〜8.5である。塩溶液および緩衝液の場合、溶液中の塩濃度は、反応を阻害しない量であれば、特に限定されない。
この方法において用いられ得る他の界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)などの硫酸エステル、ドデカンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸塩、リン酸エステル;陽イオン界面活性剤(例えば、塩化ドデシルトリメチルアンモニウムなどの四級アンモニウムなど);中性界面活性剤(例えば、アルキルポリオキシエチレンエーテル類などの非イオン界面活性剤、ホスファチジルコリンなどの双性イオン界面活性剤など)などが挙げられる。あるいは、脂質二重層を形成し得るリン脂質や人工合成脂質も用いられ得る。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において、本発明の脱水縮合剤の種類および使用量は、水溶液中でミセルを形成し得る量、または、他の界面活性剤によって形成されるミセル中に優先して取り込まれ得る量であれば、特に限定されない。ミセルを形成し得る量は、脱水縮合剤、脂肪酸塩、または他の界面活性剤の有する臨界ミセル濃度を参考にして適宜決定され得る。エマルションを形成する場合、エマルションが形成され得る量であれば、界面活性剤の量や有機溶媒の量は特に限定されない。
上記の工程は、使用する化合物に応じて適宜決定され得、好ましくは室温、より好ましくは20℃〜30℃にて行われ得る。また、反応時間も、特に限定されず、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは1〜6時間である。
あるいは、脱水縮合剤として式I”の化合物を用いる場合は、目的のカルボン酸誘導体の原料であるカルボン酸化合物と求核性官能基を有する化合物との反応系に、本発明の脱水縮合剤の式I”の化合物の原料である式VIの化合物および式IIIの化合物を同時に加えてもよい。
このようにして得られたカルボン酸誘導体は、当業者が通常用いる手段によって、分離・精製され得る。例えば、反応終了後、反応液に有機溶媒を加え、得られたカルボン酸誘導体を有機層に抽出し、クロマトグラフィーなどによって精製することができる。
2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.29g,1.84mmol)の塩化メチレン(40mL)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.57g,2.30mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.24g,1.84mmol)を室温にて加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、有機層を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、減圧濃縮した。濃縮物をテトラヒドロフラン(THF)(4mL)に溶解し、次いでN,N−ジメチルグリシンドデシルエステル(0.2g,0.74mmol)のTHF(6mL)溶液を加え、室温にて30分間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をヘキサンおよびジエチルエーテルを用いた傾瀉により精製して、ドデシル鎖含有縮合剤を得た(収量:0.26g;収率:63%)。
2−(N−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N,N−ジメチルアンモニオ)酢酸1−ドデシルエステル トリフルオロメタンスルホン酸:無色結晶、融点52〜54℃、
[実施例2:オクチル鎖含有縮合剤の合成]
N,N−ジメチルグリシンドデシルエステルの代わりに、N,N−ジメチルグリシンオクチルエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作し、75%の収率でオクチル鎖含有縮合剤を得た。
2−(N−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)4−N,N−ジメチルアンモニオ)酢酸1−オクチルエステル トリフルオロメタンスルホン酸:無色結晶、融点51〜53℃、
[実施例3:ヘキサデシル鎖含有縮合剤の合成]
N,N−ジメチルグリシンドデシルエステルの代わりに、N,N−ジメチルグリシンヘキサデシルエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作し、73%の収率でヘキサデシル鎖含有縮合剤を得た。
2−(N−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N,N−ジメチルアンモニオ)酢酸1−ヘキサデシルエステル トリフルオロメタンスルホン酸:無色結晶、融点59〜61℃、
(比較例1:エチル鎖含有縮合剤の合成)
N,N−ジメチルグリシンドデシルエステルの代わりに、N,N−ジメチルグリシンエチルエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作し、79%の収率でエチル鎖含有縮合剤を得た。
2−(N−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N,N−ジメチルアンモニオ)酢酸エチルエステル トリフルオロメタンスルホン酸:白色粉末、融点52〜56℃、
[実施例4:オクチル鎖含有縮合剤を用いるラウリン酸ナトリウムとn−ブチルアミンとの脱水縮合反応]
ラウリン酸ナトリウム15mM、n−ブチルアミン塩酸塩20mM、および上記実施例2で得られたオクチル鎖含有縮合剤1.5mMを、20mMリン酸緩衝液(pH8)中で、総容量2mLとし、25℃にて0.5分間、0.75分間、または1分間攪拌した。反応液は、ミセル形成が観察された。所定の時間経過後、1M塩酸を0.3mL加えて反応を停止させ、10分間放置した。次いで、酢酸エチル20mLを加えて攪拌後、酢酸エチル層を回収し、エバポレーターにて濃縮した。得られた残渣に少量の酢酸エチルを加えて完全に溶解させ、これに内部標準物質(n−ヘキサコサン)を加えてガスクロマトグラフィー(GC)にて定量した。同様の操作を2回以上繰り返した。GCによる分析条件は、以下のとおりである:
装置:島津 GC−14B
カラム:担体:シリカゲルSilicone OV−17(GL Sciences社製),長さ:2m,内径3.2mm
カラム温度:200℃
注入温度:230℃
検出温度:230℃
得られたN−ブチルドデシルアミドの各時間における平均収率は、0.5分では41.4%、0.75分では64.8%、および1分では74.5%であった。各時間の生成物収率から、残存している原料化合物の濃度を算出し、以下の式から線形最小2乗法によって擬一次速度定数(k)を算出した:
ln[S]/ln[S]0=−kt
ここで、tは反応時間(分)、[S]は時間t分における縮合剤濃度、[S]0は時間0分における縮合剤の濃度(初期濃度)である。本実施例においては、k=1.39min−1であった。
一方、ミセル形成の見られない単分散系の比較実験として、上記脱水縮合反応において、ラウリン酸ナトリウムの代わりに酪酸ナトリウムを、縮合剤として上記比較例1で得られたエチル鎖含有縮合剤を用いて、同様の反応系で行った。なお、反応時間は、15分、30分、および60分とした。得られたN−ブチルエチルアミドの各時間における平均収率は、15分では2.9%、30分では4.3%、および60分では7.4%であり、k=1.2×10−3min−1であった。したがって、ミセル形成の見られる前者の反応速度は、単分散系の後者の1160倍であった。
[実施例5:種々の脂肪酸とアミンとの脱水縮合反応−1]
以下の表1に記載の種々の脂肪酸ナトリウム15mM、n−ブチルアミン塩酸塩20mM、および以下の表1に記載の種々の縮合剤1.5mMを、20mMリン酸緩衝液(pH8)中で、総容量2mLとし、25℃にて任意の時間攪拌した。反応終了後、上記実施例4と同様にして、生成物をガスクロマトグラフィーにて定量した。各生成物の化学量論反応での相対速度比を、表1に示す。なお、ステアリン酸ナトリウムの場合のみ、n−ブチルアミン塩酸塩の濃度を5mMの濃度で行った。
縮合剤のアルキル鎖が短い場合は、化学量論反応での相対速度が遅かった。また、カルボン酸化合物も、炭化水素鎖長が比較的長いほうが、相対速度が速いことがわかる。特に、ミセル形成下での反応は、単分散系(エチル鎖含有縮合剤と酪酸ナトリウムの場合)での反応と比較して、相対速度が1000倍以上にもなった。このことから、ミセル形成により、反応速度が著しく上昇することがわかる。
[実施例6:種々の脂肪酸とアミンとの脱水縮合反応−2]
以下の表2に記載の種々の脂肪酸ナトリウム15mM、n−ブチルアミン塩酸塩20mM、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン15mM、および以下の表2に記載の3級アミン1.5mMを、20mMリン酸緩衝液(pH8)中で、総容量2mLとし、25℃にて任意の時間攪拌した。反応終了後、上記実施例4と同様にして、生成物をガスクロマトグラフィーにて定量した。各生成物の化学量論反応での相対速度比を表2に示す。
[実施例7:カルボン酸の競合実験]
ラウリン酸ナトリウム15mM、酪酸ナトリウム15mM、およびn−ブチルアミン塩酸塩20mMを含む20mMリン酸緩衝液(pH8)に、25℃にて上記実施例2で得たオクチル鎖含有縮合剤3mMを添加して総容量2mLとし、25℃にて1時間攪拌した。反応終了後、上記実施例4と同様にして、生成物をガスクロマトグラフィーにて定量した。
ラウリン酸のアミドであるN−ブチルドデシルアミドの収率は87.3%であり、そして酪酸のアミドであるN−ブチルブチルアミドの収率は0.4%であった。また、総収率は87.7%であった。このように、反応選択性は、ラウリン酸:酪酸=99.6:0.4であり、反応速度比が収率に反映されることがわかった。
[実施例8:種々の脂肪酸とアルコールとの脱水縮合反応]
ラウリン酸ナトリウム溶液(50mM)6mLに水12.1mLを加えた溶液を調製し、この溶液1.81mLにドデカノールのアセトン溶液(0.75M)0.04mLを加え、30℃で5分間超音波にかけた。次いで、上記実施例2で得られたオクチル鎖含有縮合剤の40%アセトン溶液(20mM)を0.15mL加え、25℃で攪拌した。反応開始から15分、30分、1時間、10時間、および24時間後、反応液にそれぞれ5Mの塩酸(0.3mL)を加えて、反応を停止させた。反応液をエキストレルート(2g)の上に移し、水(0.2mL)で洗浄した後、10分間静置した。エキストレルートに酢酸エチル(20mL)を流し、溶出液を減圧蒸留し、残渣に内部標準物質(n−エイコサン)の酢酸エチル溶液を加えてよく攪拌した後、GCにて定量した。GCによる分析条件は、以下のとおりである:
装置:島津 GC−17A
カラム:DB−5(内径0.53mm,長さ30m;Agilent Technologies社製)
カラム温度:開始温度260℃で1分保持の後、昇温速度20℃/分で290℃まで昇温し(1.5分)、290℃で3.5分保持
注入温度:300℃
検出温度:300℃
得られたエステルの各時間における平均収率は、15分では72%、30分では62%、1時間では65%、10時間では38%、および24時間では39%であった。この結果から、反応が、25℃では15分以内に終了していることが明らかになった。
DMT−MMを用いてメタノール溶媒中で進行する脱水縮合反応によるエステル化では、約25Mもの高濃度のメタノールを求核剤として作用させているにもかかわらず、脱水縮合反応に室温では3時間を要する(Kunishimaら、Tetrahedron 1999年,55巻,pp.13159−13170)。これに対して本実施例では、アルコール濃度がその1600分の1以下のわずか15mMであるにもかかわらず、エステル化反応が劇的に加速されている。これは、基質が局所濃縮されること、反応する基質が都合良く配向することなどの、界面の効果によるものと考えられる。したがって、この結果は、一連の反応がミセル水界面で進行していることを強く示唆する。
さらに、エステルの生成量が時間とともに減少していることから、反応が速度論的に短時間で進行し、それ以後は界面での加水分解が進行していることが示唆される。
[実施例9:エマルション中でのカルボン酸の競合実験]
酪酸ナトリウム(10μmol、5mM)、安息香酸ナトリウム(10μmol、5mM)、ブチルアミン塩酸塩(40μmol、20mM)、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(3μmol、1.5mM)、およびpH8に調節したリン酸緩衝液(40μmol、20mM)を含む水溶液に、1%トルエン(20μL)を加えて攪拌し、エマルション溶液にした(白濁)。比較のために、トルエンを含まないミセル溶液、ならびに界面活性剤およびトルエンを含まない溶液も調製した。各溶液(1.85mL)に、25℃にて900rpmで攪拌しながら、上記実施例2で得られたオクチル鎖含有縮合剤の3%MeOH溶液(3μmol、1.5mM)を0.15mL加えた。反応開始から12時間後、5.0Mの塩酸(0.3mL)を加えて反応を停止した。各反応液をエキストレルート(2g)の上に移し、水(0.2mL)で洗浄した後、10分間静置した。エキストレルートに酢酸エチル(20mL)を流し、溶出液を減圧留去し、残渣に内部標準物質(n−エイコサン)の酢酸溶液を加え、よく攪拌した後GCにより生成量を定量した。GCの分析条件は、上記実施例4と同様である。結果を表3に示す。
鎖長が短いカルボン酸とアミンとの縮合反応においては、エマルション系において、ミセル系よりもさらに収率および選択性の向上が見られた。
Claims (13)
- 以下の式I:
- 前記R1およびR2の少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項1に記載の化合物。
- 前記nが12から16である、請求項1または2に記載の化合物。
- 以下の式I’:
以下の式II:
得られたトリフラートと、以下の式III:
を包含する、方法。 - 以下の式I”:
以下の式IV:
を包含する、方法。 - アミドまたはエステルの製造方法であって、
水溶液中で、炭素数6から20の脂肪酸と1級アミン化合物、2級アミン化合物またはアルコール化合物とを、以下の式I:
- 前記脂肪酸が炭素数8から18の脂肪酸である、請求項6に記載の方法。
- 前記式IにおけるR1およびR2の少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項6または7に記載の方法。
- 前記式Iにおけるnが12から16である、請求項6から8のいずれかの項に記載の方法。
- アミドまたはエステルの製造方法であって、
炭素数6から20の脂肪酸、
1級アミン化合物、2級アミン化合物またはアルコール化合物、
以下の式IV:
以下の式III:
- 前記脂肪酸が炭素数8から18の脂肪酸である、請求項10に記載の方法。
- 前記式IにおけるR1およびR2の少なくとも一方がメチル基またはエチル基である、請求項10または11に記載の方法。
- 前記式IIIにおけるnが12から16である、請求項10から12のいずれかの項に記載の方法。
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