以下、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の電子内視鏡システムの構成図である。本実施形態の電子内視鏡システムは、電子内視鏡10,本体装置(電子内視鏡用プロセッサ)20,及び、表示装置30を、備えている。
電子内視鏡10は、光の届かない体腔内を観察するための器具である。図2は、電子内視鏡10の構成図である。電子内視鏡10は、挿入部11,操作部12,ケーブル部13,及び、接続部14に、区分される。
挿入部11は、体腔内に挿入される部分であり、樹脂製の被覆管とこの被覆管に覆われた管状の骨格構造とを主要な構成としている。その骨格構造は、与えられた外力に応じて柔軟に屈曲するとともに、体腔壁を傷つけない程度に屈曲の状態を維持できる剛性を保有する。なお、被覆管と骨格構造は、図示されていない。また、挿入部11の内部の構成については後述する。
操作部12は、アングルノブ121,鉗子口122,ホース継手123,ボタン群124を備えた部分であり、挿入部11の基端に接続されている。なお、アングルノブ121は、図2には示されていない。
アングルノブ121は、挿入部11におけるその先端から基端に向かって所定の長さの部分に組み込まれた図示せぬ湾曲機構を遠隔操作するための把手であり、このアングルノブ121が操作されると、挿入部11の先端部分の湾曲状態が変化する。
鉗子口122は、挿入部11の内部に鉗子チャンネルとして引き通された細管101へ、鉗子や剪刀や凝固電極などの処置具を挿入するための開口である。但し、図1では、鉗子口122には蓋がされている。
ホース継手123は、挿入部11の内部に送気送水チャンネルとして引き通された細管102と図示せぬ送気送水装置又は図示せぬ吸引装置から延びるホースとを接続するための口金である。
ボタン群124は、操作者から各種の指示を受け付けるための遠隔操作器具である。図3は、操作部12の拡大図である。図3に示されるように、本実施形態のボタン群124は、送気送水ボタン124a,吸引ボタン124b,フリーズボタン124c,コピーボタン124d,及び、簡易モード用ボタン124eからなる。送気送水ボタン124aは、本体装置20を介して図示せぬ送気送水装置に対し、送気送水の実行の開始及び停止を遠隔指示するためのボタンである。吸引ボタン124bは、本体装置20を介して図示せぬ吸引装置に対し、吸引の実行の開始及び停止を遠隔指示するためのボタンである。フリーズボタン124cは、表示装置30に映し出される動画像中の何れかのコマを静止画像として表示するように本体装置20に遠隔指示するためのボタンである。コピーボタン124dは、表示装置30に表示されている画像を用紙に印刷する処理を図示せぬ印刷装置に実行させるよう本体装置20に遠隔指示するためのボタンである。簡易モード用ボタン124eについては、後で詳述する。
ケーブル部13は、各種の信号線103〜105とそれら信号線103〜105を覆う樹脂製の管とを備えた電纜であり、その先端は、操作部12の側面に接続されている。ケーブル部13内に引き通された信号線103〜105のうち、信号線103は、操作部12のボタン群124に接続された信号線である。残りの信号線104,105については後述する。
接続部14は、ケーブル部13の基端を本体装置20に着脱自在に装着するためのいわゆるプラグである。この接続部14は、本体装置20の図示せぬソケットに装着される際にその本体装置20側に向けられる当接面に、端子141を備えている。この端子141の各電極には、ケーブル部13内に引き通された信号線103〜105のうち、信号線103,104の端部が接続されている。また、この接続部14は、その側面に、押しボタン142(設定用ボタン)を備えている。この押しボタン142は、信号線を介して端子141内の電極に接続されている。なお、この押しボタン142の機能については、後で詳述する。
これら各部11〜14に区分される電子内視鏡10は、更に、束ねられた多数の光ファイバからなるライトガイド106を内蔵している。ライトガイド106は、接続部14,ケーブル部13,操作部12,及び、挿入部11内に順に引き通されており、ライトガイド106の基端は、接続部14における上記の当接面から突出する金属管143内に固定されている。ライトガイド106の先端部分は、それを構成する多数の光ファイバが二つの束に分けられてそれぞれ別個に束ねられることによって、二股に分岐しており、束ねられてなる各枝部の先端は、双方とも、挿入部11の先端に固定されている。
この挿入部11の先端面には、図示されていないが、五個の貫通孔が形成されている。そのうちの二個の貫通孔は、鉗子チャンネルとしての細管101,及び、送気送水チャンネルとしての細管102にそれぞれ接続されており、鉗子チャンネルの開口端111,及び、送気送水チャンネルの開口端112として機能する。なお、送気送水チャンネルの開口端112には、細管102を通じて送られてきた液体や気体を後述の対物光学系114の表面に向けて噴出するための図示せぬノズルが、装着されている。
また、残りの三個の貫通孔のうち、二個の貫通孔には、配光レンズ113,113が嵌め込まれている。図2に示されるように、二個の配光レンズ113,113には、それぞれ、ライトガイド106の先端部分に形成された各枝部の先端面が対向している。
そして、残りの一個の貫通孔には、第1レンズ114aが嵌め込まれている。第1レンズ114aは、挿入部11内に配置された第2レンズ114b及び第3レンズ114cとともに、対物光学系114を構成する。対物光学系114は、挿入部11の先端に対向した被写体の像を形成する光学系である。第1レンズ114aと第2レンズ114bとの間には、明るさ絞り115が配置されている。明るさ絞り115は、第1レンズ114aと第2レンズ114bとの間を通過する光の量を制限する光学素子である。
さらに、挿入部11は、励起光除去フィルタ116を内蔵している。励起光は、蛍光の放射という現象を生体組織において引き起こさせる光であり、励起光除去フィルタ116は、入射してきた光の中からその励起光と同じ波長帯域の光を遮蔽してその他の波長の光を透過させるフィルタである。この励起光除去フィルタ116は、対物光学系114の後方に配置されており、対物光学系114から射出された光からは、励起光と同じ波長成分が除去される。図4は、励起光除去フィルタ116の分光透過率を示すグラフである。図4の実線にて示されるように、励起光除去フィルタ116は、約400nm以上の波長帯域の光を透過させる。なお、励起光は、図4において破線で示されるように、約350nm乃至380nmの波長成分からなる。
さらに、挿入部11は、撮像素子117を内蔵している。撮像素子117は、二次元的に配列された多数の画素により構成される撮像面を有する単板のエリアイメージセンサであり、その撮像面上にはカラーフィルタがオンチップされている。撮像素子117は、励起光除去フィルタ116を挟んで対物光学系114がある側とは反対側に配置されており、その撮像面の位置は、対物光学系114の像面の位置に一致している。
ケーブル部13内に引き通された信号線103〜105のうち、信号線104,105は、更に挿入部11に引き通されており、撮像素子117に接続されている。これら信号線104,105のうち、撮像素子117の出力側の信号線104は、前述したように、接続部14の端子141の電極に直接接続されている。その一方、撮像素子117の入力側の信号線105は、接続部14内に配置されたドライバ144に接続されており、このドライバ144の入力側の信号線が、端子141の電極に接続されている。ドライバ144は、撮像素子117の駆動を制御するための回路であり、2フィールド:1フレームの飛越走査方式にて蓄積電荷を読み出させるように撮像素子117を制御する。
本体装置20は、電子内視鏡10を制御するためのプロセッサである。図5は、本体装置20の構成図である。本体装置20は、タイミングコントロールユニット21,光源ユニット22,画像処理ユニット23,及び、システムコントロールユニット24を、備えている。
タイミングコントロールユニット21は、各種の基準信号を生成してその信号の出力を制御する機器である。タイミングコントロールユニット21は、光源ユニット22,画像処理ユニット23,及び、システムコントロールユニット24に接続されており、これらユニット22〜24へ各基準信号を送出する。
なお、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20に装着されると、このタイミングコントロールユニット21は、接続部14内のドライバ144に接続される。タイミングコントロールユニット21は、ドライバ144に接続されると、このドライバ144にも各基準信号を送出する。ドライバ144は、この各基準信号に従って、飛越走査のタイミングを制御する。
光源ユニット22は、電子内視鏡10のライトガイド106の基端面に光を供給するための機器である。なお、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20に装着されると、接続部14の金属管143が、光源ユニット22内に挿入され、ライトガイド106の基端が、光源ユニット22内に固定される。
図6は、光源ユニット22の構成図である。光源ユニット22は、その光学構成として、白色光源装置221,絞り機構222,回転遮蔽板223,励起光源装置224,ダイクロイックミラー225,及び、集光レンズ226を、備えている。
白色光源装置221は、白色光を平行光として射出する装置である。白色光源装置221は、図示されていないが、焦点から放射される光を反射することにより平行光に変換する放物面鏡,及び、放物面鏡の焦点に配置された発光点から白色光を発するキセノンランプを、主要な構成としている。
絞り機構222は、略円形開口を形成する複数の絞り羽根が変位されるとその開口の直径を変化させる周知の構造を有しており、その開口は、白色光源装置221から平行光として射出される白色光の光路上に、これと同軸に配置されている。絞り羽根を変位させるためのギアには、モータ227の駆動軸の先端に固定されたピニオンギアが噛み合わされており、このモータ227が駆動すると、絞り機構222が開口の直径を変化させ、開口を通過する白色光の光束量が変化する。つまり、絞り機構222は、白色光の調光手段として機能する。
回転遮蔽板223は、開口が一つだけ穿たれた円板である。図7は、回転遮蔽板223の正面図である。図7に示されるように、回転遮蔽板223には、略半円形の開口223aが穿たれている。その開口223aの円弧の中心は、回転遮蔽板223の外周円の中心に一致しており、回転遮蔽板223の中心は、モータ228の駆動軸の先端に固定されている。また、回転遮蔽板223は、白色光源装置221から平行光として射出される白色光の光路に対して垂直に挿入されており、白色光は、回転遮蔽板223の偏心位置に入射する。このため、モータ228が駆動することによって、回転遮蔽板223がその中心軸周りに回転すると、白色光の光路には、開口223aが繰り返し挿入され、回転遮蔽板223における開口223aが無い部分によって白色光が周期的に遮蔽される。従って、回転遮蔽板223における開口223aが無い部分は、シャッタとして機能する。
励起光源装置224は、前述した励起光を射出する装置である。励起光源装置224は、図示されていないが、励起光として使用される波長帯域を持つレーザ光を発光点より放射する半導体レーザ,及び、その発光点に焦点が一致するように配置されることによりその発光点から射出される光を平行光に変換するコリメートレンズを、主要な構成としている。励起光源装置224から平行光として射出される励起光の光路は、絞り機構222及び回転遮蔽板223を挟んで白色光源装置221がある側とは反対側において、この白色光源装置221から平行光として射出される白色光の光路と直交している。
ダイクロイックミラー225は、白色光を透過させるとともに励起光を反射する光学素子である。ダイクロイックミラー225は、白色光の光路と励起光の光路とが交差する位置に配置されており、何れの光路に対しても45°傾いている。これにより、励起光源装置224から平行光として射出された励起光は、ダイクロイックミラー225によって直角に反射され、ダイクロイックミラー225を透過した白色光と同一の光路上を、この白色光と同一の進行方向へ進む。従って、ダイクロイックミラー225は、光路合成素子として機能する。
集光レンズ226は、平行光を収斂させるためのコンデンサレンズである。集光レンズ226は、ダイクロイックミラー225を透過した白色光の光路(すなわち当該ミラー225にて反射された励起光の光路)上に配置されており、電子内視鏡10の接続部14の金属管143内に固定されているライトガイド106の基端面に向けて、これら光を収斂させる。従って、ライトガイド106の基端面は、入射端面として機能し、挿入部11の先端に配置されるライトガイド106の先端面は、射出端面として機能する。
光源ユニット22は、前述した各光源装置221,224及び各モータ227,228の動作を制御するため、更に、第1出力制御回路221a,第2出力制御回路224a,第1駆動回路227a,及び、第2駆動回路228aを、備えている。
これら各回路221a,224a,227a,228aは、何れも、後述のシステムコントロールユニット24に接続されており、このシステムコントロールユニット24からの指示を受けて、各光源221,224及びモータ227,228を制御する。具体的には、システムコントロールユニット24は、三つの動作モードの何れかにて光源ユニット22を動作させる。三つの動作モードは、白色光出力モード,励起光出力モード,及び、交互出力モードである。
白色光出力モードでは、第1出力制御回路221aが白色光源装置221に対して白色光の連続出力を行わせ、第2出力制御回路224aが励起光源装置224の駆動を停止させ、第2駆動回路228aが回転遮蔽板223の開口223aを白色光の光路に挿入させる。これにより、白色光だけがライトガイド106の入射端面に連続的に入射する。その結果、ライトガイド106の射出端面から、電子内視鏡10の挿入部11の先端前方に向けて、白色光が連続的に射出される。
励起光出力モードでは、第1出力制御回路221aが白色光源装置221の駆動を停止させ、第2出力制御回路224aが励起光源装置224に対して励起光の連続出力を行わせる。これにより、励起光だけがライトガイド106の入射端面に連続的に入射する。その結果、ライトガイド106の射出端面から、電子内視鏡10の挿入部11の先端前方に向けて、励起光が連続的に射出される。
交互出力モードでは、第1出力制御回路221aが白色光源装置221に対して白色光の連続出力を行わせ、第2出力制御回路224aが励起光源装置224に対して励起光の周期的な出力を行わせ、第2駆動回路228aが回転遮蔽板223を回転させる。このとき、第2出力制御回路224a及び第2駆動回路228aは、タイミングコントロールユニット21から入力される信号に従って励起光源装置224及び第2駆動回路228aを制御する。具体的には、第2出力制御回路224aは、前述した1フレーム中の第2フィールドの画像データに相当する電荷を撮像素子117が蓄積する間だけ、励起光が出力されるように励起光源装置224の出力周期を制御し、第2駆動回路228aは、1フレーム中の第1フィールドの画像データに相当する電荷を撮像素子117が蓄積する間だけ、開口223aが白色光の光路に挿入されるように回転遮蔽板223の回転位相を制御する。これにより、白色光と励起光とが、ライトガイド106の入射端面に交互に入射する。その結果、ライトガイド106の射出端面から、挿入部11の先端前方に向けて、白色光と励起光とが交互に射出される。図8は、交互出力モードにおいて挿入部11の先端から射出される光のタイミングチャートである。
以上に説明した何れかの動作モードにて動作する光源ユニット22においては、図6に示されるように、さらに、第1駆動回路227aが、後述の画像処理ユニット23に接続されており、画像処理ユニット23から後述の信号が入力されるようになっている。第1駆動回路227aは、入力されるこの信号に従って絞り機構222の開口の直径を制御する。
その画像処理ユニット23は、電子内視鏡10の挿入部11内の撮像素子117が生成する画像データに所定の処理を施してビデオ信号に変換するための機器である。なお、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20に装着されると、画像処理ユニット23は、接続部14の端子141,及び、電子内視鏡10の各部11〜14内の信号線105を介して、挿入部11の先端内の撮像素子117に接続される。図5には、画像処理ユニット23が撮像素子117に接続された状態が、示されている。
図9は、画像処理ユニット23の構成図である。画像処理ユニット23は、前段処理回路231,第1RGBメモリ232,第2RGBメモリ233,第1マトリクス回路234,Cメモリ235,Fメモリ236,演算回路237,合成回路238,及び、後段処理回路239を、備えている。
前段処理回路231は、電子内視鏡10の挿入部11内の撮像素子117がアナログ信号の電送形態で出力した画像データのデータ形式を以後の処理に適切なデータ形式へと変換するための回路である。具体的には、前段処理回路231は、撮像素子117から入力されるアナログ信号に対し、色分離,デジタル化,及び、色空間変換などの処理を施すことによって、RGBの色成分の画像データを生成した後、生成した画像データに対し、カラーバランス等の一般的な処理を施す。
また、この前段処理回路231は、後述のシステムコントロールユニット24から指示された期間だけ、光源ユニット22の第1駆動回路227aへ信号を出力する処理を行う。前段処理回路231は、この処理では、撮像素子117から入力されるアナログ信号から、1フレーム中の第1フィールドの輝度信号を抽出し、この輝度信号における最も高い輝度レベルを読み出し、この輝度レベルが所定のレベルになるような絞り機構222の開口径を算出し、この開口径にするように指示する信号を第1駆動回路227aへ出力する。つまり、この前段処理回路231と光源ユニット22の第1駆動回路227aとによって、白色光の出力量がフィードバック制御される。
また、前段処理回路231は、第1RGBメモリ232,及び、第2RGBメモリ233に接続されており、前述した処理が施されてなるRGBの色成分の画像データを、順次、第1RGBメモリ232及び第2RGBメモリ233に出力する。さらに、前段処理回路231は、マトリクス回路232にも接続されており、第2フィールドのRGB画像データをマトリクス回路234に出力する。
第1RGBメモリ232及び第2RGBメモリ233は、何れも、RGBの各色成分の画像データを一時的に記録しておくための記憶装置である。なお、両メモリ232,233が画像データを保存するか否かは、後述のシステムコントロールユニット24に指示されたタイミングコントロールユニット21によって制御される。また、両メモリ232,233に保存された画像データを出力するタイミングも、タイミングコントロールユニット21によって制御される。
マトリクス回路234は、RGB画像データから輝度成分(Y成分)の画像データを生成するための回路である。このマトリクス回路234は、Cメモリ235及びFメモリ236に接続されており、輝度成分の画像データを、Cメモリ235及びFメモリ236へ順次出力する。
Cメモリ235及びFメモリ236は、何れも、画像データを一時的に記録しておくための記憶装置である。なお、両メモリ235,236が画像データを保存するか否かは、前述したタイミングコントロールユニット21によって制御される。また、両メモリ235,236に保存された画像データを出力するタイミングも、タイミングコントロールユニット21によって制御される。
次に、演算回路237以降の構成の説明をする前に、各メモリ232,233,235,236の入出力タイミングについて説明する。
本実施形態では、システムコントロールユニット24に指示されたタイミングコントロールユニット21は、四つの動作モードの何れかにて画像処理ユニット23を動作させる。四つの動作モードは、通常表示モード,蛍光表示モード,同時表示モード,及び、特殊表示モードである。
通常表示モードでは、タイミングコントロールユニット21は、第1RGBメモリ232に対し、入力される全てのRGB画像データを一旦記憶させ、後述の後段処理回路239の処理開始タイミングに合わせて記憶中のRGB画像データを出力させる。一方、第2RGBメモリ233に対しては、タイミングコントロールユニット21は、入力される全てのRGB画像データを記憶させない。さらに、Cメモリ235及びFメモリ236に対しても、タイミングコントロールユニット21は、マトリクス回路234から入力される全ての画像データ(輝度成分データ)を記憶させない。つまり、通常表示モードでは、第1RGBメモリ232だけが、画像データの一時記憶に使用されることとなる。
蛍光表示モードでは、タイミングコントロールユニット21は、第2RGBメモリ233に対し、入力される全てのRGB画像データを一旦記憶させ、後述の後段処理回路239の処理開始タイミングに合わせて記憶中のRGB画像データを出力させる。一方、第1RGBメモリ232に対しては、タイミングコントロールユニット21は、入力される全てのRGB画像データを記憶させない。さらに、Cメモリ235及びFメモリ236に対しても、タイミングコントロールユニット21は、マトリクス回路234から入力される全ての画像データ(輝度成分データ)を記憶させない。つまり、蛍光表示モードでは、第2RGBメモリ233だけが、画像データの一時記憶に使用されることとなる。
同時表示モードでは、タイミングコントロールユニット21は、第1RGBメモリ233に対しては、前述した第1フレーム中の第2フィールドのRGB画像データを記憶させず、第1フィールドのRGB画像データを一旦記憶させて、後述の後段処理回路239における第1フィールドについての処理開始タイミングに合わせて記憶中のRGB画像データを出力させる。一方、第2RGBメモリ233に対しては、タイミングコントロールユニット21は、1フレーム中の第1フィールドのRGB画像データを記憶させず、第2フィールドのRGB画像データを一旦記憶させて、後述の後段処理回路239における第2フィールドについての処理開始タイミングに合わせて記憶中のRGB画像データを出力させる。さらに、Cメモリ235及びFメモリ236に対しては、タイミングコントロールユニット21は、マトリクス回路234から入力される全ての画像データ(輝度成分データ)を記憶させない。つまり、同時表示モードでは、第1RGBメモリ232が、第1フィールドの画像データの一時記憶に使用され、第2RGBメモリ233は、第2フィールドの画像データの一時記憶に使用されることとなる。
特殊表示モードでは、タイミングコントロールユニット21は、第1RGBメモリ233に対し、前述した1フレーム中の第2フィールドのRGB画像データを記憶させず、第1フィールドのRGB画像データを一旦記憶させ、後述の後段処理回路239における第1フィールドと第2フィールドとについての処理開始タイミングに合わせて記憶中のRGB画像データを二度出力させる。一方、第2RGBメモリ233に対しては、タイミングコントロールユニット21は、RGB画像データを記憶させない。さらに、タイミングコントロールユニット21は、マトリクス回路234から出力される画像データ(輝度成分データ)のうち、1フレーム中の第1フィールドのRGB画像データの輝度成分データについては、Cメモリ235にのみ記憶させ、1フレーム中の第2フィールドのRGB画像データの輝度成分データについては、Fメモリ236にのみ記憶させる。これにより、特殊表示モードでは、第2RGBメモリ233は、使用されず、第1RGBメモリ232は、第1フィールドのRGB画像データの一時記憶に使用され、Cメモリ235は、第1フィールドのRGB画像データの輝度成分の一時記憶に使用され、Fメモリ236は、第2フィールドのRGB画像データの輝度成分の一時記憶に使用される。
演算回路237は、特殊表示モードのときにCメモリ235とFメモリ236とから出力される画像データに基づいて新たな画像データを生成するための回路である。この演算回路237が行う処理内容を具体的に説明すると、まず、演算回路237は、Cメモリ235及びFメモリ236からそれぞれ出力された画像データ(輝度成分データ)の双方を、最大輝度値と最小輝度値との間の階調数が互いに等しくなるようにそれぞれ規格化する。続いて、演算回路237は、Cメモリ235からの画像データの規格化後の輝度成分から、Fメモリ236からの画像データの規格化後の輝度成分を、減算する(同一の座標における輝度値の差分を全座標のそれぞれについて算出する)。その後、演算回路237は、その減算の結果得られる差分データにおける各画素値のうち、画素値が所定の閾値を下回る画素についてのみその画素値を0に変換した後、変換後の差分データに基づいてRGBの色成分からなる画像データを生成し、生成したRGB成分の画像データを、患部画像データとして、後述の後段処理回路239が第1フィールドの画像データについて処理を開始するタイミングにて出力するとともに、同じ患部画像データを、後述の後段処理回路239が第2フィールドの画像データについて処理を開始するタイミングにも出力する。
合成回路238は、画像データ同士を合成するための回路であり、第1RGBメモリ232と演算回路237とに接続されている。この合成回路238は、通常表示モード,蛍光表示モード,及び、同時表示モードでは、機能しない。すなわち、これら三つのモードでは、演算回路237からは患部画像データが入力されないため、この合成回路238は、第1RGBメモリ232から出力されたRGB画像データに何の処理を施すこともなくそのまま出力する。一方、特殊表示モードでは、この合成回路238には、第1RGBメモリ232と演算回路237とからそれぞれRGB画像データが入力され、この合成回路238は、これらRGB画像データの双方を合成する。具体的には、合成回路238は、第1RGBメモリ232からの画像データの各画素のうち、演算回路237から入力される患部画像データにおけるゼロ以外の輝度値を有する画素と同じ位置にある画素の各色成分の輝度値を、その患部画像データの各色成分の輝度値に置換することにより、双方のRGB画像データを合成する。なお、この合成により、第1RGBメモリ232からのRGB画像データに基づく画像には、患部画像がオーバーレイされることとなる。
後段処理回路239は、RGBの色成分毎の画像データのデータ形式を外部装置へ出力するのに適切なデータ形式へと変換するための回路である。具体的には、後段処理回路239は、通常表示モード,蛍光表示モード,及び、特殊表示モードでは、合成回路238から出力されるRGBの各色成分の画像データに対し、アナログ化及びエンコーディング等の一般的な処理を施すことによって、飛越走査方式に準拠した例えばNTSC信号などのビデオ信号を生成する。一方、同時表示モードでは、この後段処理回路239は、第1RGBメモリ232から出力されるRGB画像データに基づく画像と、第2RGBメモリ233から出力されるRGB画像データに基づく画像とを一画面内に同時に示す合成画像の画像データを生成し、この生成した画像データに対し、前述した一般的な処理を施すことによって、ビデオ信号を生成する。
この後段処理回路239は、生成したビデオ信号を、外部出力端子に接続された表示装置30へ出力する。なお、表示装置30は、画像処理ユニット23からビデオ信号の電送形態で出力された画像データに基づいて、画像を表示する。
以上に説明したタイミングコントロールユニット21,光源ユニット22,及び、画像処理ユニット23は、図5に示されるように、システムコントロールユニット24に接続されている。このシステムコントロールユニット24は、本体装置20全体を制御するための機器である。
このシステムコントロールユニット24は、図5に示されるように、本体装置20の前面に設置されている操作盤241を、備えている。図10は、この操作盤241の正面図である。図10に示されるように、操作盤241には、白色光オンオフボタン241a,励起光オンオフボタン241b,白色観察ボタン241c,蛍光観察ボタン241d,送気送水オンオフボタン241e,送気送水装置電源ボタン241f,及び、画質調整用ボタン群241gを、備えている。
白色光オンオフボタン241aは、白色光源装置221の電源の投入及び切断を指示するためのボタンであり、励起光オンオフボタン241bは、励起光源装置224の電源の投入及び切断を指示するためのボタンである。なお、システムコントロールユニット24は、白色光オンオフボタン241aだけがオンのときには、光源ユニット22を白色光出力モードで動作させ、励起光オンオフボタン241bだけがオンのときには、光源ユニット22を励起光出力モードで動作させ、両ボタン241a,241bがともにオンのときには、光源ユニット22を交互出力モードで動作させる。但し、両ボタン241a,241bがともにオフのときには、システムコントロールユニット24は、光源ユニット22を機能させず、ライトガイド106の入射端面には光が供給されない。
また、白色観察ボタン241cと蛍光観察ボタン241dは、表示装置30に表示される画面の形態を切り替えるためのボタンである。具体的には、システムコントロールユニット24は、白色観察ボタン241cだけがオンのときには、画像処理ユニット23を通常表示モードで動作させる。また、システムコントロールユニット24は、白色観察ボタン241cがオフのときに、蛍光観察ボタン241dが繰り返し押下されると、画像処理ユニット23の動作モードを、オフ→蛍光表示モード→特殊表示モード→同時表示モード→オフと切り替える。但し、両ボタン241c,241dがともにオフのときには、システムコントロールユニット24は、画像処理ユニット23を機能させず、表示装置30には、何の画像も表示されない。
また、送気送水オンオフボタン241eは、図示せぬ送気送水装置に対して送気送水の開始及び停止を指示するためのボタンであり、送気送水装置電源ボタン241fは、図示せぬ送気送水装置の電源の投入及び切断を指示するためのボタンである。また、画質調整用ボタン群241gは、表示装置30に表示される画像の画質の変更を指示するためのボタン群である。
このシステムコントロールユニット24は、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20に装着されると、接続部14の端子141及び信号線103を介して、操作部12のボタン群124に接続される。これらボタン群124は、システムコントロールユニット24に接続されると、所定の操作機能が割り当てられた状態となる。
このシステムコントロールユニット24は、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20から取り外された時、又は、主電源が投入されたときに起動するプログラムを、図示せぬ内蔵ROMに記憶している。図11は、このプログラムに従ってシステムコントロールユニット24が実行する処理の内容を示す流れ図である。
この処理の開始後、システムコントロールユニット24は、電子内視鏡10の接続部14が本体装置20の図示せぬソケットに接続されるまで、待機する(S1001;NO)。そして、接続部14が図示せぬソケットに接続されると(S1001;YES)、システムコントロールユニット24は、その接続時に接続部14の押しボタン142(設定用ボタン)が押下されていなかったか否かを、判別する(S1002)。
システムコントロールユニット24は、接続部14の接続時に押しボタン142が押下されていなかったと判断した場合(S1002;YES)、本体装置20において通常の操作が行えるように設定して(S1003)、図11に係る処理を終了する。なお、本体装置20において通常の操作が行えるような設定では、図12に示されるように、通常の操作が行えることを意味する「フルモード」の文字が、表示装置30に表示される画面にオーバーレイ表示され、操作盤241上の各ボタンは、前述したような操作を全て行うことができる状態となっている。
一方、システムコントロールユニット24は、接続部14の接続時に押しボタン142が押下されていたと判断した場合(S1002;NO)、本体装置20において簡易操作が行えるように設定して(S1004)、図11に係る処理を終了する。なお、簡易モード用ボタン124eが前述の押しボタン(設定用ボタン)142の機能を兼ねるものとし、接続部14における押しボタン142は設けない構成としてもよい。また、本体装置20において簡易操作が行えるような設定では、図13に示されるように、操作盤241上の一部のボタンの使用が不可となることを意味する「簡易モード」の文字が、表示装置30に表示される画面にオーバーレイ表示され、図14の×印にて示されるように、操作盤241上の各ボタンのうち、白色光オンオフボタン241a,励起光オンオフボタン241b,白色観察ボタン241c,蛍光観察ボタン241dが、使用不可になる。さらに、この設定では、システムコントロールユニット24は、電子内視鏡10の操作部12の簡易モード用ボタン124e(図1乃至図3参照)が機能する状態にする。
簡易モード用ボタン124eが押下されたときの処理内容について具体的に説明する。システムコントロールユニット24は、簡易モード用ボタン124eが押下される毎に、操作盤241上の各ボタン241a〜241dのオンオフの組み合わせを順次切り替える。その組み合わせには、第1乃至第4の組み合わせがあり、簡易モード用ボタン124eの押下毎に第1から第4へ順に移行する。
第1の組み合わせへ切り替えるときには、システムコントロールユニット24は、白色光オンオフボタン241aをオン、励起光オンオフボタン241bをオフ、白色観察ボタン241cをオン、蛍光観察ボタン241dをオフにし、それらオンオフ状態を操作盤241のLEDの点灯状態に反映させる。これにより、光源ユニット22は、白色光出力モードで動作するとともに画像処理ユニット23が通常表示モードで動作する。このため、電子内視鏡10の挿入部11の先端からは、白色光が連続的に射出されるようになり、体腔壁の表面に入射した白色光のうちその表面で反射された光の一部が、対物光学系114及び励起光除去フィルタ116を透過して撮像素子117の撮像面に入射する。また、対物光学系114及び励起光除去フィルタ116を透過した光によって撮像面上に形成された体腔壁の像は、撮像素子117によって画像データに変換され、画像処理ユニット23において第1RGBメモリ232を経由して一般的な処理が施されて表示装置30へ出力され、最終的に、カラーの通常観察画像として表示装置30に映し出される。術者は、この通常観察画像を通じて、体腔壁の状態を観察したり鉗子などの処置具を用いた施術を行ったりすることができる。
つまり、操作者は、わざわざ、操作盤241上の白色光オンオフボタン241aと白色観察ボタン241cとをオンに切り替える操作を行わなくても、手元の操作部12の簡易モード用ボタン124eを押下するだけで、簡単に、白色光照明による体腔内の通常観察を、表示装置30の通常観察画像を通じて行うことができることになる。
第2の組み合わせへ切り替えるときには、システムコントロールユニット24は、白色光オンオフボタン241aをオフ、励起光オンオフボタン241bをオン、白色観察ボタン241cをオフ、蛍光観察ボタン241dをオン(蛍光表示モード位置)にし、それらオンオフ状態を操作盤241のLEDの点灯状態に反映させる。これにより、光源ユニット22は、励起光出力モードで動作するとともに画像処理ユニット23が蛍光表示モードで動作する。このため、電子内視鏡10の挿入部11の先端からは、励起光が連続的に射出されるようになり、体腔壁の表面に入射した励起光のうちその表面で反射された光の一部と体腔壁下の生体組織が発する蛍光の一部とが、対物光学系114へ入射し、励起光と同じ波長の光成分が励起光除去フィルタ116で除去されて、残りの光(つまり蛍光)が撮像素子117の撮像面に入射する。また、対物光学系114及び励起光除去フィルタ116を透過した蛍光によって撮像面上に形成された体腔壁の像は、撮像素子117によって画像データに変換され、画像処理ユニット23において第2RGBメモリ233を経由して一般的な処理が施されて表示装置30へ出力され、最終的に、カラーの蛍光観察画像として表示装置30に映し出される。術者は、この蛍光観察画像を通じて、体腔壁下の生体組織の状態を観察したり鉗子などの処置具を用いた施術を行ったりすることができる。
つまり、操作者は、わざわざ、操作盤241上の励起光オンオフボタン241bと蛍光観察ボタン241dとをオンに切り替える操作を行わなくても、手元の操作部12の簡易モード用ボタン124eを押下するだけで、簡単に、励起光照明による体腔内の蛍光観察を、表示装置30の蛍光観察画像を通じて行うことができることになる。
第3の組み合わせへ切り替えるときには、システムコントロールユニット24は、白色光オンオフボタン241aをオン、励起光オンオフボタン241bをオン、白色観察ボタン241cをオフ、蛍光観察ボタン241dをオン(特殊表示モード位置)にし、それらオンオフ状態を操作盤241のLEDの点灯状態に反映させる。これにより、光源ユニット22は、交互出力モードで動作するとともに画像処理ユニット23が特殊表示モードで動作する。このため、電子内視鏡10の挿入部11の先端からは、白色光と励起光とが第1フィールドと第2フィールドのタイミングに同期しながら交互に射出されるようになり、白色光が照明された体腔壁の像が、撮像素子117によって参照画像データとして画像データに変換されるとともに、蛍光による体腔壁の像が、撮像素子117によって蛍光画像データとして画像データに変換される。そして、画像処理ユニット23において第1RGBメモリ232を経由した参照画像データと、撮像画像データの輝度成分及び蛍光画像データの輝度成分に基づいて生成された患部画像データとが、合成された後、一般的な処理が施されて表示装置30へ出力され、最終的に、参照画像に患部画像がスーパーインポーズされてなる特殊観察画像が表示装置30に映し出される。術者は、この特殊観察画像を通じて、参照画像により体腔壁の輪郭や凹凸を特定できるとともに、その参照画像の中において斑点状や塊状として例えば緑色にて示された部分(患部画像中の輝度値が上記の閾値以上の部分)により、相対的に弱い蛍光を発する生体組織の集合体、すなわち、腫瘍や癌などの病変が生じている可能性の高い部位を、認識することができる。
つまり、操作者は、わざわざ、操作盤241上の白色光オンオフボタン241aと励起光オンオフボタン241bと蛍光観察ボタン241dとをオンに切り替える操作を行わなくても、手元の操作部12の簡易モード用ボタン124eを押下するだけで、簡単に、患部として算出される部位がスーパーインポーズされた特殊観察画像を通じた体腔内の観察を行うことができることになる。
第4の組み合わせへ切り替えるときには、システムコントロールユニット24は、白色光オンオフボタン241aをオン、励起光オンオフボタン241bをオン、白色観察ボタン241cをオフ、蛍光観察ボタン241dをオン(同時表示モード位置)にし、それらオンオフ状態を操作盤241のLEDの点灯状態に反映させる。これにより、光源ユニット22は、交互出力モードで動作するとともに画像処理ユニット23が同時表示モードで動作する。このため、電子内視鏡10の挿入部11の先端からは、白色光と励起光とが第1フィールドと第2フィールドのタイミングに同期しながら交互に射出されるようになり、白色光が照明された体腔壁の像が、撮像素子117によって通常観察画像データとして画像データに変換されるとともに、蛍光による体腔壁の像が、撮像素子117によって蛍光観察画像データとして画像データに変換される。そして、画像処理ユニット23において第1RGBメモリ232を経由した通常観察画像データに基づく画像と、第2RGBメモリ233を経由した蛍光観察画像データに基づく画像とを同時に示す画像データが生成された後、一般的な処理が施されて表示装置30へ出力され、最終的に、通常観察画像と蛍光観察画像とが表示装置30に同時に映し出される。術者は、通常観察画像と蛍光観察画像とを対比させながらこれら画像を観察することにより、相対的に弱い蛍光を発する生体組織の集合体、すなわち、腫瘍や癌などの病変が生じている可能性の高い部位を、認識することができる。
つまり、操作者は、わざわざ、操作盤241上の白色光オンオフボタン241aと励起光オンオフボタン241bと蛍光観察ボタン241dとをオンに切り替える操作を行わなくても、手元の操作部12の簡易モード用ボタン124eを押下するだけで、簡単に、通常観察画像と蛍光観察画像とを対比しながらの観察を、表示装置30に表示中の画像を通じて行うことができることになる。
このように、本実施形態の電子内視鏡システムによれば、操作盤241上の各ボタン241a〜241dを操作しなくても、電子内視鏡10の操作部12の簡易モード用ボタン124eを操作するだけで、本体装置20の動作状態を簡単に変更することができるようになるため、洗浄ができない操作盤241に被検者の体液を付着させてしまうことがなくなる。