JP4653934B2 - バクテリオファージによって仲介される免疫化方法 - Google Patents

バクテリオファージによって仲介される免疫化方法 Download PDF

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Description

本発明は、免疫原性タンパク質/ペプチドを発現するように設計されたバクテリオファージを含むワクチンに関する。
遺伝子ワクチンは、核酸をワクチン成分として使用する新しく刺激的な手法である(総説として非特許文献1:Leitner et al., Vaccine 18: 765-777,2000参照)。これと対照的に、従来のワクチンでは、病原微生物またはその抗原部分を使用する必要がある。「従来の」ワクチンには3種類のタイプ:弱毒ワクチン、死菌/サブユニットワクチン、及び組換体ワクチンがある。弱毒ワクチンは病原性が低減された生存微生物を用いるもので、一般に最も有効なワクチンである。しかし、ワクチン成分である菌が抑制されずに成長したり病原性を有するタイプに復帰した場合に面倒な問題を生じるおそれがある。死菌ワクチンまたはサブユニットワクチンは複数回の注射が必要であり、この結果、コストが増す上、適切な投与をする上で問題があり、さらに、微生物が完全に死滅していないおそれもある。組換体ワクチンは、病原性生物由来の抗原を非病原性ベクターに組み込むものであり、効果的であるが、本来の立体構造のまま抗原を発現させるのが困難なため、効果が限定的になる場合が多い。
ワクチンを有効にするには、十分に長い期間にわたって十分な量の抗原を投与し、2次(記憶)応答を誘導する必要がある。しかし、これは従来のワクチンでは問題がある。一方、DNA/RNAワクチンは、長期にわたって病原性抗原のコピーを有効に生産し、生菌ワクチンで見られるのと同様に、MHCクラスI応答とクラスII応答の両方を誘導することができる。しかし、有望であるとされているにもかかわらず、DNAワクチンは、まだその力を十分に発揮していない。感染性生物の攻撃を受けた際、DNAワクチンの多くは、測定可能な体液性(抗体)免疫応答を引き起こすにもかかわらず低い効果しか示さない(非特許文献2:Beard, CW & Mason PW., 1998. Nature Biotech. 16: 132)。
現時点では、核酸が宿主細胞に入り免疫応答を誘導するメカニズムはよくわかっていないが、最も単純な手法は、可溶性注入液として通常筋肉内にDNAを投与することである。一般にはこれとは異なる2つの方法が使用されており、それらは、「遺伝子銃」法(DNAを微小金粒子上に付着させ、ヘリウム高速流を用いてこれを細胞内に強制注入する)とリポソームを用いたトランスフェクション(宿主細胞細胞膜と融合する正電荷脂質によってDNAを被覆し複合体を形成する)である。免疫化部位を囲む細胞がDNAを取り込んでコードされた抗原を発現し、これが免疫系の抗原提示(AP)細胞により「異物」と認識され、これによりT細胞とB細胞が活性化されて抗原に対する免疫応答が誘導されると考えられている。
しかし、これには以下の問題がある。すなわち、(1)大多数のDNAが非AP細胞において発現するため、発現が比較的不十分な上、非特異的である。(2)非AP細胞において外来抗原が発現すると、その細胞がホスト免疫系から「感染状態にある」と認識され、結局その細胞が死んでしまうため、免疫応答が可能な期間が短くなってしまう。さらに、(3)裸のDNA/RNAはヌクレアーゼの作用に非常に敏感である。このため、免疫化に用いる核酸は大多数が免疫化操作直後に分解されてしまう。
国際公開第98/05344号パンフレット(特許文献1)には、外来遺伝子を搬送するために、標的細胞上のレセプターに結合するリガンドをその表面に含むように修飾されたバクテリオファージ・ベクターを用いる方法が記載されている。この文献に記載されたベクターは、概ね遺伝子治療(この場合、ベクターは特定の細胞タイプを標的とする。)のために使用することが意図されている。抗原ペプチドを搬送するために修飾バクテリオファージ・ベクターを使用することも言及されている。
米国特許第5,736,388号公報(特許文献2)には、真核細胞に核酸分子を搬送するために、変異体尾部繊維タンパク質を組み込むか、または真核細胞レセプターに対するリガンドを組み込んで修飾したラムドイド(lamboid)バクテリオファージが記載されている。
米国特許第6,054,312号公報(特許文献3)は、表面にリガンドを表わす繊維状ファージ粒子に関するものであり、リガンドは、ファージ粒子に共有結合しているか修飾されたファージ粒子と複合したファージキャプシドタンパク質との融合タンパク質である。
国際公開第99/55720号パンフレット(特許文献4)も、標的遺伝子送達で使用される異種起源の標的タンパク質を外部に表わすように修飾したファージについて記載している。
しかし、前述の特許/特許出願はすべて、一般に遺伝子治療の目的で核酸を特定の細胞を標的として送達し得るようにファージ表面を修飾することを記載している。
多数の文献(Ishiura, M. et al, Molec. And Cell. Biol., p607-616, 1982(非特許文献3); Aujame, L. et al, Biotechiques, 28 pl202-1213, 2000(非特許文献4); Horst, J. et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 72, p3531-3535, 1975(非特許文献5); Jkayama and Dery, Molec. and Cell. Biol. 5, pll36-1142, 1985(非特許文献6);及びSrivatsan, E. et al, 38, p227-234, 1984(非特許文献7))が、培養哺乳類細胞に感染させ、タンパク質を発現させるためのファージの使用に関係している。しかし、これがインビボに適用し得るという示唆、あるいはワクチンの開発に使用できるかもしれないという示唆はない。
国際公開第98/05344号パンフレット 米国特許第5,736,388号公報 米国特許第6,054,312号公報 国際公開第99/55720号パンフレット Leitner et al., Vaccine 18: 765-777,2000 Beard, CW & Mason PW., 1998. Nature Biotech. 16: 132 Ishiura, M. et al, Molec. And Cell. Biol., p607-616, 1982 Aujame, L. et al, Biotechiques, 28 pl202-1213, 2000 Horst, J. et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 72, p3531-3535, 1975 Jkayama and Dery, Molec. and Cell. Biol. 5, pll36-1142, 1985 Srivatsan, E. et al, 38, p227-234, 1984
本発明の目的は前述の問題点の少なくとも1つを解消及び/または軽減することにある。
第1に、本発明は、表面が修飾されていないバクテリオファージ粒子及び薬学的に許容される担体を含むワクチン処方物を提供する。ここで、バクテリオファージ粒子は、生物の抗原提示細胞の表面で発現及び提示され得るポリペプチドをコードする外来の核酸分子を含み、その生物中で前記ポリペプチドに対する免疫応答が引き起こされるものである。
前述の開示例(例えば、国際公開第98/05344号パンフレット、米国特許第5,736,388号公報、米国特許第6,054,312号公報及び国際公開第99/55720号パンフレット参照)と異なり、本発明のバクテリオファージの表面は、特定の細胞タイプ表面のレセプターに対しファージを標的とすることを目的として、ファージ表面に外来ペプチド/タンパク質(つまり、通常は存在しないペプチド/タンパク質)を含むようには修飾されていない。もっとも、ファージを特定の細胞タイプ表面のレセプターへの標的とすることを目的とせずに、外来ペプチド/タンパク質を含むようにバクテリオファージの表面を修飾してもよいという点は、理解されるべきである。
本発明者は、粒子表面に標的とするペプチドまたはリガンドを含むようには修飾されていないバクテリオファージがAP細胞によって取り込まれることを観察した。このように、本発明のバクテリオファージは「異物」として認識され、従って、ホスト免疫系によって通常の方法で処理されると考えられる。さらに、外来ペプチド/タンパク質(それは選択された哺乳類ホスト中には通常存在しないペプチド/タンパク質である)をコードし得る外来核酸を含むようにバクテリオファージのゲノムを修飾することによって、この外来タンパク質への免疫応答が誘発される。従って、外来ペプチド/タンパク質をコードする核酸は、(抗原提示細胞その他において)発現されAP細胞の表面上で提示される。免疫応答は体液性(つまり抗体)及び/または細胞性免疫応答のいずれでもよい。
外来核酸は、天然には存在しないポリヌクレオチドに関するもので、異種起源のペプチドまたはタンパク質として(つまり、天然に存在するバクテリオファージ中では通常発現されないか生物学的に有意なレベルで発現されないペプチドまたはタンパク質として)発現され得るものである。発現されたペプチドまたはタンパク質は、ワクチンが提示されたホストにおける免疫応答を引き起こすのに十分なレベルで発現される。
本発明は、感染体の(1種または複数の)タンパク質に対して適当な免疫保護反応が惹起され得る限りにおいて、実際上任意の感染症のワクチンの調製に適用できる点が理解されるべきである。適当な疾病の例は、疾病を引き起こす感染体にそのものに対してのワクチンとすること、あるいは、疾病を運ぶベクターに対するワクチンとすることを含む。こうした感染体またはベクターは、ウィルス、バクテリア、真菌類、酵母、原虫類、蠕虫、昆虫及び感染性海綿状脳症を含む。本発明は、ヒト及び動物の両方の感染症に適用可能である。適当な疾病のリストは当業者にはよく知られており、その例は、「O.I.E.標準及び診断試験マニュアル」第3版(O.I.E. Manual of Standards and Diagnostic Tests 3rd Ed., OIE, Paris 1996), トップリー&ウィルソン「微生物学・微生物感染の原理」第8版(Topley & Wilson's Principles of Bacteriology, Virology and Immunity 8th Ed., Eds.Parker M.T. and Collier L.H., Vol. IV (Index), Edward Arnold, London 1990), Bell J.C.他著「人畜共通伝染病:動物から人への感染移行」(The Zoonoses: Infections Transmitted from Animals to Man. Bell J.C. et al., Edward Arnold, London 1988)及びNoble E.R.他著「寄生虫学:動物寄生虫の生物学」第6版(Parasitology: The Biology of Animal Parasites 6th Ed. Noble E.R. et al., Lea Febiger, Philadelphia, 1989.)に見ることができる。さらに、ワクチンタンパク質として癌細胞特異的抗原の発現による癌細胞に対する免疫応答を引き起こすために本発明を使用することができる。
従って、本発明は、外来の核酸(例えばDNA)を、例えば細胞中に存在する例えばヌクレアーゼから保護するため、安定したマトリックス内にカプセル化する方法を提供する。バクテリオファージ表面の「外来」タンパク質は、特に抗原提示(AP)細胞への核酸の直接取り込みを可能にする。理論的に限定されるものではないが、バクテリオファージ粒子は外来抗原と認識されると予想されるものである。粒子全体がこのようにホスト免疫系の抗原提示細胞によって直接取り込まれ、タンパク質被覆が除去され、DNAが放出される。次いで、これが核に移動して発現される。このプロセスは、ワクチンDNAの発現及びその後のポリペプチドの生産が、免疫応答を引き起こすのには最適のルートであるAP細胞内でのみ起こるため効率的であると考えられる。
一般に、「ポリペプチド」という用語は、抗原活性を示す一連のアミノ酸または配列を指し、特定の長さの生成物を指すものではない。ポリペプチドは、必要であれば、インビボで及び/またはインビトロで、例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化及び/または翻訳後開裂によって修飾されてもよく、従って特に、ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質及び融合タンパク質が包まれる。当業者には当然理解されるであろうが、修飾されたポリペプチドは生理的機能(すなわち、免疫応答を引き起こす能力)を保持すべきである。
本発明のバクテリオファージは、好ましくは、プロモーター、ターミネーター及び/またはその他同種のものなど、適当な転写/翻訳レギュレーターを含む。典型的には、プロモーターはCMV、SV(シミアンウイルス)40、チミジン・キナーゼ、RSVプロモーターその他の真核生物プロモーターでよい。プロモーターは構成的プロモーターが便利である。しかし、当業者に既知の制御可能なプロモーターも使用してもよい。例えば、構成的プロモーターと制御可能なプロモーターによる制御下に外来核酸を含むコンストラクトを設計してもよい。このようにすれば、当初は構成的プロモーターによって外来核酸の発現を誘導し、別の時点で制御可能なプロモーターを発現させ、それによって外来核酸の発現を引き起こすことができる。これによって、より強い免疫応答をもたらすこともできる。
多数の適当なバクテリオファージが当業者に知られている。適当なバクテリオファージの例はラムダ(λ)である。現在、バクテリオファージλは日常的なDNA操作手順でクローニング・ベクターとして使用されている。これらについては、DNAはファージ構造体とは別個に精製される。しかし、完全なλファージ粒子は、上に挙げた基準を満たす。すなわち、DNAは、ホスト免疫系によって外来抗原と認識される保護タンパク質マトリックス内に包含される。ファージλは通常大腸菌に感染するため、そのDNAは真核細胞では「不活性」、つまり、発現されないと考えられる。しかし、DNAが哺乳類細胞に取込まれた場合、対象とするワクチン(または外来)遺伝子の上流に真核生物プロモーターが組み込まれ、次いでその遺伝子が発現されるのであれば、抗原、つまり、タンパク質/ペプチドが生じるはずである。日常的なクローニング・ベクターとして広範囲に使用されているため、λには多数の変種が存在し、その中には、哺乳類細胞での発現のために設計された強い真核生物のプロモーターが含まれる。通常は、λベクターの適当な部分は、さらに遺伝子操作を行なう前にプラスミドDNAとして除去される。次いで、大腸菌ホスト由来の高度に精製したプラスミドDNAが、遺伝免疫化のために使用される。しかし、真核生物のプロモーター及び対象とするワクチン(つまり、外来)遺伝子を含む完全なλファージ粒子を免疫化のために使用する場合、それはAP細胞によって取り込まれる。タンパク質被覆の除去に続いて、AP細胞内に直接に抗原生産が生じると考えられ、抗原がAP細胞の表面に提示されて免疫応答を引き起こす。この場合、免疫化用ファージ粒子の調製に必要なのは最も基礎的な精製プロセスだけである。プラスミド・クローニング・ベクターと比較して、λを使用するさらなる利点は、より大きなサイズの挿入断片を収容できるという点である。
他の適当なバクテリオファージも、当業者によく知られており、p1ファージ、Tファージ(例えばT1〜T7)、Mu、fdまたはM13並びに繊維状ファージが含まれる。
本発明で好ましいバクテリオファージは、外来の核酸及び関連するプロモーター、エンハンサー、ターミネーター及び/または同様なものを、約0.5〜l00キロベースの間に組み込む能力を有するものである。例えば、既知のラムダファージは、9〜50キロ塩基の間に収容できる。このようにすれば、1つのペプチド/タンパク質または複数のペプチド/タンパク質の単一または多数のコピーを発現することが可能である。
典型的には、本発明のバクテリオファージは、選択された哺乳類のホストの自然なバクテリア相中で溶菌成長(lytic growth)をしない。例えば、「研究室」ファージ株の多くは、非野生株である「研究室」バクテリア菌株にのみ感染できることが知られている。これに加えまたはこれに代えて、バクテリオファージはホストのバクテリアの菌株中でもインビトロでは溶菌成長しないかインビトロではヘルパーファージを必要とするものである。従って、バクテリオファージは、例えば、アンバー変異、温度感受性変異その他を含んでもよい。
AP細胞中で外来核酸の発現を増強するための手段が一般に提供されている。このような手段としては、核酸分解を最小限にすること及び/または核を標的とすることを支援する方法が挙げられる。このような手段の例としては、クロロキンまたは他のリソソーム/エンドソーム酵素異化阻害剤を使用して核酸分解を最小限にする方法、及び/または核移行シグナルを使用して核酸を核に移行させる方法が挙げられる。
ワクチン処方物は、バクテリオファージによって発現させるべきタンパク質源をさらに含んでもよい。このようにすれば、ホストは、タンパク質への1次的な免疫応答を誘発し、次いで、AP細胞の表面で発現され提示されたタンパク質により別のまたは持続的な免疫応答を引き起こすことができる。
別の具体化では、ファージ粒子表面の抗原タンパク質を発現するためにファージを修飾してもよい。例えば、ベクタービヒクルとして完全なバクテリオファージM13粒子を使用することが可能である。M13に対する挿入サイズはλに対するものよりも相当に小さいが、「ファージディスプレイ」法(Hawkins, RE et al. 1992, J. Mol. Biol. 226: 889)は、ファージ粒子が、その外殻タンパク質に融合させた外来抗原部分を担持できることを意味している。従って、ワクチン遺伝子が原核生物プロモーター(例えばLac Zプロモーター)と真核生物プロモーター(例えばCMVプロモーター)の両方の制御を受けるようなコンストラクトを作成することができ、大腸菌ホスト中で成長させた場合、原核生物プロモーターはワクチン抗原の発現を指示し、タンパク質コンジュゲートとしてM13外殻への組込みを可能にし、この結果、ワクチン後に強い1次反応を誘導するはずである。次いで、AP細胞による取り込みに続いて、DNAが放出され、真核生物プロモーターがAP細胞内部からのワクチン抗原の永続的な発現を指示し、強い2次応答が維持されるであろう。
外来核酸は、免疫応答を増大することができるポリペプチドなど、少なくとも1つの別のポリペプチドをコードしてもよい。別のポリペプチドはサイトカインなどの補助のタンパク質やポリペプチドでもよく、例えばγインターフェロン(γIFN)、IL−2、IL−6、IL−7、IL−12、CM−CSFなどのインターフェロンをコードする及び/または他のサイトカイン及び/またはケモカインをコードするものである。さらに、HepBコア抗原のような「ヘルパーエピトープ」が、B細胞を活性化し、かつ強いT細胞反応を誘導するために使用できる。あるいはまたはさらに、CpGオリゴジヌクレオチドなどの免疫刺激信号を使用してもよい。
バクテリオファージは、任意の適当な経路、例えば注入によって投与することができ、例えば、アンプルに入れて、または多数回分の服用容器に入れて単位用量形式(unit dosage form)で調製してもよい。バクテリオファージは、油性もしくは好ましくは水性ビヒクルを用いた懸濁液、溶液または乳剤などの形式でもよい。あるいは、バクテリオファージは凍結乾燥された形とし、投与の際に発熱性物質を含まない滅菌水などのような適当なビヒクルで再構成してもよい。この方法では、タンパク質、糖などの安定化剤をファージ粒子を凍結乾燥する際に加えてもよい。液状でも再構成される凍結乾燥形でも、注入した溶液のpHを適切に調節するのに必要な量の薬剤、好ましくはバッファーを含む。非経口投与、特に、処方物を静脈内投与しようとする場合、溶質の濃度合計は、調製物が等張性であるか低張性またはわずかに高張性であるように調整しなければならない。浸透性の調節には糖のような非イオン物質が好ましく、特にショ糖が好ましい。これらの形式のうちのいずれでも、さらにデンプンまたは糖、グリセリンまたは食塩水などの適当な処方剤を含んでもよい。組成物は、液体でも固体でも、単位容量あたりバクテリオファージ材料を0.1%から99%まで含む。
好ましい実施態様では、ワクチンはアジュバントを含んでもよい。一般にアジュバントは、非特異的にホストの免疫応答を強化する物質を含む。多種多様なアジュバントが当業者に知られている。アジュバントの例としては、フロイント(Freund)完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、リポソーム及び、国際公開第90/11092号パンフレットに記載されているようなニオソーム(niosome)、鉱物油及び非鉱物性油ベースの油中水型乳剤アジュバント、サイトカイン、短い免疫刺激ポリヌクレオチド配列(例えば、Sato Y. et al. (1996) Science Vol. 273pp. 352-354; Krieg A.M. (1996) Trends in Microbial. 4pp. 73-77Sato Y. et al. (1996) Science Vol. 273pp. 352-354; Krieg A.M. (1996) Trends in Microbial. 4pp. 73-77に記載されているようなCpGジヌクレオチドを含むプラスミドDNA)が挙げられる。
バクテリオファージはいわゆる「ビヒクル」に会合させてもよい。ビヒクルは共有結合によって結合することなくバクテリオファージが付着することができる化合物または基質である。典型的な「ビヒクル」化合物は、金粒子、ガラスなどのシリカ粒子などを含む。従って、本発明のバクテリオファージはバイオリスティック(biolistic)な方法を使用して生物体に導入してもよい。例えば、被覆された金粒子を使用する高速爆射法(high-velocity bombard method)が文献に記載されている(Williams R.S. et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88pp. 2726-2730; Fynan E.F. et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 90pp. 11478-11482)。
さらに、ワクチンは1種類またはそれ以上の適当な界面活性化合物または乳化剤、例えばスパン(Span)またはトゥイーン(Tween)を含んでもよい。
本発明のワクチンの投与態様は、対象に本発明の免疫保護量のウィルスを送達するものであれば任意の適当なルートによるものでよい。しかし、ワクチンは、筋肉内または深皮下ルート経由で好ましくは非経口的に投与される。必要であれば、経粘膜(例えば経直腸、経口、経鼻、経膣)投与で、または他の腸管外ルート経由、すなわち、皮内、鼻腔内または静脈内などの他の投与態様も使用できる。経鼻投与のための処方物を開発してもよいし、アジュバントとして例えばキトサンを含んでもよい(Nat. Medicine 5(4) 387-92, 1999)。
しかし、任意の特定のレシピエント生物に対する具体的服用量は、年齢、一般的な健康状態及び性別、投与回数、投与ルート、投与されている他の薬との相乗効果及び求められている保護の程度を含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。もちろん、必要な場合、投与は適当な間隔で繰り返すことができる。
従って、本発明は、別の面では、ヒトまたは動物にここに記述されるようなワクチン処方物の有効量を投与して予防的かつ/または治療的に免疫化する方法を提供する。ここで、有効量はヒト及び/または動物において免疫応答を誘発可能な量である。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施例によってさらに説明する。
図1は、従来の筋肉内DNAワクチンの使用例及び対照例と比較した、本発明のバクテリオファージベースワクチンによるワクチン接種を受けたマウスにおける抗体応答を示すグラフである。
図2は、ワクチン接種を受けたマウスによって生産されたIgG及びIgMの相対量を示すグラフである。
図3は、マクロファージによるインビトロでの外来DNAの取込み及び発現を示す写真である。
図4は、λ−MmmSCライブラリーでワクチン接種を受けたマウスにおける全MmmSC抗原に対する抗体応答を示すグラフである。抗体は全体でラムダMmmSC発現ライブラリー(λMmmSC)でワクチン接種を受けたマウスに由来するMmmSC超音波処理全細胞抽出物に対して応答する。応答はELISAによって測定した。λMmmSCによるワクチン接種を受けた4頭のマウスからの応答は実線によって示す。対照マウスからの代表的な応答は点線によって示す。ワクチン接種の回数は、矢印(0日目及び28日目)によって示す。
図5は、(A)は精製GFPのイムノブロットを示し、λ−GFP(左側;8レーン、マウス1頭当たり1)、プラスミドpEGFP−C1(中間;6レーン、マウス1頭当たり1)及びポジティブコントロール(ウサギ抗GFP)で免疫したマウスから最終的に採取した血液をプローブしたものである。pEGFP−C1でワクチン接種した、残る2頭のマウスは、異なるイムノブロットで試験したが、純粋なGFPに対する応答は明らかには示さなかった。(B)はλ−GFP(左)またはpEGFP−C1(右)でワクチン接種した3頭の代表的な動物から得た経時的血清によるλタンパク質に対するイムノブロットである。
図6は、DNAワクチン中でインキュベートし、特定の抗血清をプローブとしたマウス腹腔内マクロファージを示す写真(倍率10倍)。i)はワクチンを用いず抗GFPをプローブとしたもの、ii)はλB1(MmmSC pdh遺伝子)と共にインキュベートし抗MmmSCIgGをプローブとしたもの、iii)はλ−GFPと共にインキュベートし抗GFPをプローブとしたもの、及びiv)はプラスミドpEGFPと共にインキュベートし抗EGFPをプローブとしたものである。
図7は、DNAワクチン中でインキュベートし、特定の抗血清をプローブとしたマウス腹腔内マクロファージを示す写真(倍率40倍)。i)〜iv)の条件は図6と同じである。
図8は、λEGFP、pEGFP−C1または非発現しないλ対照(λcI857)と共にインキュベートしたマクロファージからの抗GFP信号のELISAによる測定結果を示す。λEGFP(1)またはEGFP−C1(2)と共にインキュベートしたマクロファージについて3回の別々の分析を行ない、抗GFP信号の平均値及び標準偏差を示す。別に2種類の分析をネガティブ・コントロールとして行ない、それぞれプロットした。分析(3)は、λEGFPに対する2次抗体のみの信号を示し、分析(4)は、バクテリオファージλタンパク質に対する1次及び2次抗体の両者による非特異的な信号を示す。
実施例1:
マイコプラズマ・カプリコルム亜種カプリニューモニエ(Mycoplasma capricolum subspicies capripneumoniae)(Mccp)株F38のゲノムの半ランダム断片(Tsp509I:AATTで切断)をラムダZAP発現ベクター(Stratagene社製)のEcoRI部位にクローン化することによりファージ発現ライブラリーを構築した。このファージは、サイトメガロイルスプロモーター配列及びLacZプロモーターを含むため、原核生物・真核細胞の両方で挿入断片を発現させることができる。
使用する試験「ライブラリー」は、マイコプラズマDNAに基づくもので、より適切なコンストラクトと比較して悪い結果を与える可能性もあり、得られた結果は、この点を考慮して解釈すべきである。より適切なライブラリーコンストラクトを用いれば顕著に良い応答を与えるであろうと考えられる。マイコプラズマDNAは非常にATに富んでいる(Mccp DNAの75%はATである)。従って、ATリッチなプロモーター様配列からの誤った発現が高頻度で生じるであろう。さらに、マイコプラズマDNAのコドン使用には異常性がある。すなわち、トリプトファンに対するコドンはUGA(これはほとんどの他の原核生物と真核生物では「停止」コドンである)である。従って、トリプトファンを含むタンパク質はいずれも適切に発現されないと考えられる。さらに、この例は全−非断片化(unfractionated)ライブラリーに基づく。これは遺伝子間(intergenic)(非コード領域)を含んでいる。さらに挿入断片のうちの1:6だけが所与の発現に対して正確な向きを向いている。これら諸々の理由のため、ライブラリー中コンストラクトの圧倒的大多数は、「DNA」ワクチン接種後にタンパク質(抗原)発現をもたらさないであろうことは明らかである。
ファージの大規模培養物を寒天プレート上で成長させ、収穫して、ポリエチレングリコールとの沈殿と超遠心分離の組合わせによって精製濃縮した(Sambrook J. et al. 1989, Molecular cloning: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y.)。ファージ懸濁液の半分は直接使用して第1群のマウスに接種した(「ファージ」DNAワクチン)。ファージ懸濁液の他の半分からはDNAを抽出して、別群のマウスに接種するために使用した(「裸の」DNAワクチン)。
モンタニド(montanide)ISA206アジュバント25μlと混合したクローン化F38ライブラリー(4×1011粒子/ml)を含むファージ25μlを16頭のマウスの筋肉内に注入した。この免疫原試料のタイターチェックを行ない大腸菌生育層上に塗布した。これはモンタニド(montanide)の添加がどのような形であれファージ粒子を破損していないことを確認するためである。16頭のマウスの別のセットには、抽出したDNA50μg(全ファージ注入液中に含まれるDNA量と等量)をSMバッファー全量50μlとして同様に注入した。DNAはWizardラムダプレップ(プロメガ(Promega))を用いて精製した。8頭のマウスのグループには、ファージライブラリーについて記載した方法で精製したC1857ファージを注入した。これもラムダファージであるが、ネガティブコントロールとして使用した。
開始日においてマウスは、接種前に予備採血(pre-bled)した。34日目に同一の追加(ブースター)注入を行なった。72日目にマウスにマイコプラズマ(全体)を与え83日目に血液採取した。実験の完了まで2週ごとに試験のため採血した。採取した血液は、マイコプラズマ・カプリコルム(Mycoplasma capricolum)株F38の細胞の全体に対するELISAによって試験した。「裸の」DNA対照及びネガティブ・コントロールファージ(cI857)対照群の両方で、細胞全体を含む最終注入まで有意な応答は観察されなかった。これと対照的に、ファージライブラリーで接種を受けたマウスは、最終注入がなされる前に、顕著な陽性応答を示した(図1)。さらに、最終採取血液中に存在する免疫グロブリンの様々なサブタイプの相対量を検査した。ファージライブラリーでワクチン接種を受けたマウスでは、IgMに対するIgGの相対的な濃度が著しく高いことがわかった(図2)。高レベルIgGは2次応答の指標であり、IgMは1次応答の指標である。
実施例2:
抗原提示細胞によるファージ粒子の直接取込みも検討した。この例では、全γMccpライブラリーは使用しなかった。代わりに、大腸菌上に塗布したときポリクローナルなウサギMccp抗血清に対する陽性応答を与えたファージクローンを採取した(IPTGを使用してタンパク質発現を誘導した)。クローンを増幅し精製した。前述のようにしてこのファージからもDNAを抽出した。このクローンDNA及び全ファージ粒子の試料をマウス腹膜マクロファージの培養液に加えた。マクロファージを抽出するために、2頭のマウスに対し、チオグリコレート培地2mlを腹腔内に注入した。5日後にマウスを致死させ、マグネシウム/カルシウムを含まないハンクバッファー塩溶液(HBSS)2mlで腹腔内を洗浄した。これらの抽出細胞を沈殿させHESSで2度洗浄し、トリパンブルーを加えて生細胞数を数えた。106マクロファージを、24ウェルマイクロタイタープレート上、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む1ml RPMI中37℃で2時間インキュベートして付着させる。非接着細胞を含む上清を除去し新鮮な培地を加えた。この特定クローンの109ファージ粒子を、1個のウェルに加え、このクローンから50ナノグラムのDNAを抽出して新鮮な培地に加え、37℃で一夜培養した。挿入断片を含むファージ及びこれらの「非挿入」ファージから抽出したDNAをネガティブ・コントロールとして使用した。
インキュベーション後、4℃に置いてマクロファージをマイクロタイタープレートから分離させ、それらを収穫してHESSで洗浄した。次いで、105個の細胞をガラススライド上に移し、ウサギMccpポリクローナル抗血清を使用して細胞染色を行なった。精製したIgG画分を使用した。この抗血清をさらに精製した(つまり、これはMccp全体に対して形成された多価の抗血清で、広範囲のMccpタンパク質及び他の汚染物質を認識する。このため、信号対雑音比は、試験対象の特定のクローンに対して形成された1価の血清またはモノクローン抗体について期待される値よりはるかに低い。)。発現されたタンパク質を視覚化するために、アビジン/ビオチン/ペルオキシダーゼDABに基づくシステムに第2のビオチン化抗体(ヤギ抗ウサギ免疫グロブリン全体)を加えて使用した。
高いバックグラウンドが観察された(恐らく非特異的ポリクローナル1次抗体の使用、及びIgG分画ではなく全ウサギ免疫グロブリンに対しての2次抗体の使用によるものであろう。)が、挿入断片を含むファージを導入した細胞培養物では、ネガティブ・コントロールと比較してより強い特異的染色が観察された(図3)。
実施例3:
異なる発現ライブラリーを用い、変更を加えたワクチン接種条件を検討した。ファージ発現ライブラリーは、マイコプラズマ・マイコイデス(Mycoplasma mycoides)亜種マイコイデス(mycoides)のゲノムの小コロニー生物型(MmmSC)株T144の半ランダム断片(Tsp509I;AATTで切断)をラムダZAP発現ベクターのEcoRI部位にクローン化することにより構築した。用いたベクター・システム、クローニング操作及びファージ精製操作は、実施例1に記載したのと同様である。但し、ワクチン接種の操作は若干の変更した(投与ルート、アジュバントの存在、免疫化スケジュール)。1群当たり10頭のマウス(BALB/C株、指定された病原体なし。10〜12週齢)を試験した。MmmSCライブラリーを含むファージ(1.7×1011粒子/ml)50μlを(アジュバントなし)マウスに皮下注射した。対照マウスには注射しなかった。マウスは、0日目にワクチン接種する前にあらかじめ予備採血(pre-bled)した。28日目に、同一のブースター注射を行なった。試験採血は0日目、21日目及び42日目に行なった。MmmSC株T144の全細胞抽出を超音波処理し、これに対するELISAによって試験した。10頭の対照(免疫せず)マウスでは1頭も免疫応答を示さなかった。一方、全MmmSC発現ライブラリーで免疫したマウス10頭中2頭は顕著な免疫応答を示し、他の2頭は低レベルの応答を示した(図4)。
実施例4:
特定の抗原(緑色蛍光タンパク質[GFP])を発現するDNAコンストラクトを用いてマウスにワクチン接種し免疫応答を測定した。ワクチン抗原は、精製したプラスミドDNA pEGFP−C1(「裸の」DNA)として、またはバクテリオファージGFPワクチン(GFP)として免疫系に提示された。λ−GFPは、プラスミドpEGFP−C1(クローンテック(Clonetech)社カタログ番号6084-1)及びNM459(ノリーン・マレー(Noreen Murray)から提供を受けた)から構築した。NM459は、マレー及びマレー(1974)「DNA断片レセプター染色体を形成するためのファージλ中での操作及び制限標的」(Manipulation and restriction targets in phage to form receptor chromosomes for DNA fragments), Nature, 251 p476-481によるファージ・コンストラクトXIIのcI857 nin誘導体である。
pEGFP−C1 DNAをEcoRIで消化し、酵素を熱で不活性化した後、フェノール−クロロホルム−イソアミルアルコールで抽出しエタノールで沈殿させた。NM459のDNAも抽出しEcoRIで消化した。次いで制限酵素を熱で不活性化し、断片は後工程での自己ライゲーションを防ぐため(子牛の腸内アルカリフォスファターゼを用いて)脱リン化した。次いで、この酵素を熱で不活性化し、DNAをフェノール−クロロホルム−イソアミルアルコールで抽出しエタノールで沈殿させた。次いで、これらの断片をライゲーションし、クローン化されたDNAは、Promega PackageneラムダDNAパッケージング・システム(カタログ番号K3154)を用いてインビトロでパッケージングした。
パッケージング後、6個のクローンをLB寒天プレートから採取した。これを採取しDNAを抽出してEcoRIで消化し、挿入断片の存在を確認した。次いで、これらのクローンのうちの1つを大規模に増幅し、マウスのワクチン接種のために濃縮ストックを調製した。
マウスはC57株8〜10週齢で、1群当たり8頭とした。第1群は、0日目及び14日目に、T.E.バッファー0.1ml中プラスミドDNA(pEGFP−C1)1μgを筋肉内に注射した。第2群は、0日目及び14日目に、λ−GFPを1ml当たり1011粒子で50μlを筋肉内に注射した。マウスは0日目(ワクチン接種前)、14日目(2回目のワクチン接種前)及び28日目に血液採取した。採血した血液をイムノブロッティングにより試験し、クローンテック(Clontech)社から得た組換えGFP(カタログ番号8360−2)(図5A)またはバクテリオファージλタンパク質(図5B)に対するサイズ特異的免疫応答を検出した。λ−GFPをワクチン接種した8頭のマウスのうちの2頭のマウスが、GFPに対する強い免疫応答を示した(28日目(図5A))。別のマウスは、14日目で応答を示したが28日目に消失した(データとしては示していない。)。但し、このマウスでは14日目と28日目の試料が混合された可能性がある。プラスミドpEGFP−C1でワクチン接種された群のうち、1頭の動物だけがGFPに対する応答を示した。信号は、λ−EGFPでワクチン接種された2頭の陽性動物から見た信号よりはるかに弱かった。λ−EGFPでワクチン接種されたマウスはすべて、14日目及び28日目でバクテリオファージλタンパク質に対する強い免疫応答を示したが、一方、プラスミドpEGFP−C1でワクチン接種されたマウスのいずれも応答を示さなかった(図5B。同一の結果は両群すべての動物で観察された。何頭かの動物から採った血液での結果のみ示す)。
実施例5:
抗原提示細胞によるファージ粒子の直接取込みについても調べた。プラスミドpEGFP−C1も対照として試験した。この実験については、λ−GFP(例3に記載した)及び別のコンストラクト、λB1を試験した。λB1は、実施例3に記載したλMmmSC発現ライブラリーから分離した。λB1は、MmmSC(55kDのタンパク質をコードする)のピルビン酸塩脱水素酵素(pdh)遺伝子及び他のいくつかの未確認のオープンリーディングフレームを含んでいた。このクローンをプラスミドとして切り出し、大腸菌に入れて形質転換し、これらの細胞抽出物をSDS−PAGEゲルにかけ、ニトロセルロースに移し、MmmSCに対して形成されたウサギ超免疫(hyperimmune)抗血清をプローブとしたところ、2種のタンパク質が識別された。これらの2種のタンパク質の分子量は55kDと29kDであり、それらは対照大腸菌(プラスミドのみを含む。pdh挿入断片なし)を使用した場合、または大腸菌のpdh−プラスミドを含む抽出物を対照ウサギ抗血清で調べたときには観察されなかった。
これらのクローンのプラスミドDNA試料及び全ファージ粒子試料を、マウス腹膜マクロファージの培養物に加えた。マクロファージを抽出するために、2頭のマウスにチオグリコレート培地2mlを腹腔内に注入した。5日後にマウスを致死させ、マグネシウム/カルシウムを含まないハンクスバッファー塩溶液(HESS)2mlで腹腔内を洗浄した。これらの抽出細胞を沈殿させHESS中で2度洗浄し、トリパンブルー存在下で生細胞数計測を行なった。106個のマクロファージを24ウェルのマイクロタイタープレートを用いて血清を含まないRPMI中1ml中、37℃で2時間インキュベートしてそれらを付着させた。非付着細胞を含む上清を除去し、付着した細胞を37℃のPBSで2回洗浄し、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むRPMI1mlを加えた。クローンλ−GFP及びλ−B1のファージ粒子109個を個々のウェルに加えるか、あるいはT.E.バッファーに精製プラスミドpEGFP−C1を100ng含有させたものを加えた。細胞を新鮮な培地で覆い、37℃で一夜培養した。
インキュベート後に、マクロファージを4℃で1時間置き、マイクロタイタープレートから分離させ、次いで、これらを収穫してHESSの中で洗った。次いで、5×105個の細胞をスライドグラス上に広げ、ウサギMmmSCポリクローナル抗血清(PBSによる1:1000希釈物;精製IgG画分)またはウサギGFPポリクローナル抗血清(1:5000稀釈物。イントロビジョン(Invitrogen)から入手。カタログ番号R970−01)のいずれかを使用して細胞染色を行なった。いずれの抗血清も、GFPまたはMmmSC pdh遺伝子産物に対する親和性(アフィニティ)により精製したものではなく、従って、比較的高いバックグラウンドを与えると予想される。2次ビオチン化抗体(ヤギ抗ウサギ全免疫グロブリン)をアビジン/ビオチン/ペルオキシダーゼDABに基づくシステムと共に用いて発現されたタンパク質を視覚化した。
若干のバックグラウンド信号が観察された(恐らく非特異的ポリクローナル1次抗体を使用し、IgG分画ではなく全ウサギ免疫グロブリンに対する2次抗体を使用したためであろう。)が、挿入断片を含むファージと共に培養した細胞では、対照と比較してより強い特異的染色が観察された(図6(10倍)及び図7(40倍))。この染色は、マクロファージの一般的な菫色染色と比較して、陽性信号で見られるペルオキシダーゼ/DABシステムの特異的褐色染色間の信号差があるため、色プレート上でより顕著であった。染色が、可視化に先立ってマクロファージに加えられたバクテリオファージラムダ粒子またはpEGFP−C1 DNAに抗血清が結合した結果ではないことを確認するために、次の実験を行なった。ファージ粒子(109)またはpEGFP−C1プラスミドDNA(500ng)をニトロセルロース・フィルター上にスポットし、図6及び6B中で示す実験において使用される同一の1次及び2次抗血清と共にインキュベートした。同じ操作を使用して現像した場合、染色は見られず、これらの図で観察されている信号は、いずれもバクテリオファージλまたはプラスミドDNAのいずれかに対する抗血清の非特異的結合によるものではないことが示された。
実施例6:
抗原提示細胞による直接的なファージ粒子の取り込み及びワクチン抗原の発現についても、定量的ELISAシステムを使用して試験した。この実験のために、λ−GFP(実施例4及び5に記載したもの)及びプラスミドpEGFP−C1を試験した。標準的な非発現バクテリオファージλコンストラクトもネガティブ・コントロール(λ−cI857)として試験した。マクロファージ(実施例4に記載したのと同様のもの)を液体窒素から取り出し、血清/抗生物質を含まないRPMI培地で2回洗い、同じ培地に再懸濁し、ウェル当たり106個の細胞を96ウェルマイクロプレート上に加えた。次いでマクロファージを37℃で2時間インキュベートして細胞を付着させ、次いで、培地を除いて新鮮なRPMI(10%ウシ胎児血清+抗生物質を含む)100μlを各ウェルに加えた。1ウェル当たり109個のファージ(λEGFPまたはネガティブ・コントロールλ−cI857のいずれか)または50ngのpEGFP−C1 DNAを加えた。次いで、試験プレートを5%CO2と共に37℃で一夜インキュベートした。
インキュベート後に、ウェルをPBSで4回洗い、抗原生産を、ベクター・ラブ(Vector labs)ABC ビオチン/アビジン検出システム(カタログ番号PK−6200)を使用して、ELISAによって測定した。1次抗血清はウサギ抗GFP(インビトロジェン(Invitrogen))とした。結合した2次抗体の量はシグマ(SIGMA)社のo−フェニレンジアミン二塩酸塩タブレット(カタログ番号P−9187)を使用して定量した。結果を培養プレート中492nmで測定し、図6に示す。λEGFPを与えられたマクロファージについて観察されたELISA平均値は、2.03±0.25であり、pEGFP−C1を与えられたマクロファージについての実測値(中間値1.54±0.08、p<0.05)より著しく高かった。pEGFP−C1についての実測値は、2つのネガティブ・コントロールについての実測値に比べ明らかに高いとは言えなかった。もっとも、これらは2回の分析を行なっただけであるため、統計的な比較はできない。
従来の筋肉内DNAワクチンの使用例及び対照例と比較した、本発明のバクテリオファージベースワクチンによるワクチン接種を受けたマウスにおける抗体応答を示すグラフである。 ワクチン接種を受けたマウスによって生産されたIgG及びIgMの相対量を示すグラフである。 マクロファージによるインビトロでの外来DNAの取込み及び発現を示す写真である。 λ−MmmSCライブラリーでワクチン接種を受けたマウスにおける全MmmSC抗原に対する抗体応答を示すグラフである。 精製GFPのイムノブロットを示し、(A)はλ−GFP(左側;8レーン、マウス1頭当たり1)、プラスミドpEGFP−C1(中間;6レーン、マウス1頭当たり1)及びポジティブコントロール(ウサギ抗GFP)で免疫したマウスから最終的に採取した血液をプローブしたもの、(B)はλ−GFP(左)またはpEGFP−C1(右)でワクチン接種した3頭の代表的な動物から得た経時的血清によるλタンパク質に対するイムノブロットである。 DNAワクチン中でインキュベートし、特定の抗血清をプローブとしたマウス腹腔内マクロファージを示す写真(10倍)であり、i)はワクチンを用いず抗GFPをプローブとしたもの、ii)はλB1(MmmSC pdh遺伝子)と共にインキュベートし抗MmmSCIgGをプローブとしたもの、iii)はλ−GFPでインキュベートと共に抗GFPをプローブとしたもの、iv)はプラスミドpEGFPでインキュベートと共に抗EGFPをプローブとしたものである。 DNAワクチン中でインキュベートし、特定の抗血清をプローブとしたマウス腹腔内マクロファージを示す写真(40倍)であり、i)〜iv)の条件は図6と同じである。 λEGFP、pEGFP−C1または非発現しないλ対照(λcI857)と共にインキュベートしたマクロファージからの抗GFP信号のELISAによる測定結果を示すグラフであり、1はλEGFP、2はEGFP−C1、3はλEGFPに対する2次抗体のみの信号、4はバクテリオファージλタンパク質に対する1次及び2次抗体の両者による非特異的な信号を示す。

Claims (19)

  1. バクテリオファージ粒子及び薬学的に許容される担体を含み、前記ファージ粒子の表面は、特定の細胞タイプ表面のレセプターにより標的とされる外来ペプチド/タンパク質を含むようには修飾されておらず、バクテリオファージ粒子は真核生物プロモーターで制御される外来の核酸分子を含み、それによりその生物において免疫応答を引き起こすための処方物。
  2. ワクチンとして使用する請求項1に記載の処方物。
  3. 体液性及び/または細胞性免疫応答を引き出すことができる請求項1または2に記載の処方物。
  4. ウィルス、バクテリア、菌類、酵母、原生動物、蠕虫、昆虫または伝染性海綿状脳症に対するワクチン接種で使用するための請求項2または3に記載の処方物。
  5. 癌細胞特異的抗原の発現によって癌細胞に対する免疫応答を引き起こすべく使用するための請求項1〜3のいずれかに記載の処方物。
  6. バクテリオファージが、ポリペプチドの発現を促進するための転写レギュレーター及び/または翻訳レギュレーターを含む請求項1〜5のいずれかに記載の処方物。
  7. CMV、SV40、チミジン・キナーゼ及びRSVプロモーターから選択される真核生物プロモーターを含む請求項6に記載の処方物。
  8. 構成的プロモーター及び制御可能なプロモーターで制御される外来の核酸を含む請求項6に記載の処方物。
  9. バクテリオファージが、ラムダ(λ)、p1ファージ、Tファージ、Mu、fd、M13または繊維状ファージである請求項1〜8のいずれかに記載の処方物。
  10. バクテリオファージが、ポリペプチドの単一コピーもしくは多重コピーまたは複数のポリペプチドを発現し得るものである請求項1〜9のいずれかに記載の処方物。
  11. バクテリオファージが、選択された哺乳類宿主の自然なバクテリアフローラにおける細胞溶解成長をしないものである請求項1〜10のいずれかに記載の処方物。
  12. 選択された哺乳類宿主の自然なバクテリアフローラにおけるリソソーム/エンドソーム酵素の代謝阻害剤及び/または核移行シグナルをさらに含む請求項1〜11のいずれかに記載の処方物。
  13. バクテリオファージによって発現されるポリペプチドをさらに含む請求項1〜12のいずれかに記載の処方物。
  14. ファージ粒子表面においてポリペプチドを発現するようにバクテリオファージが修飾されており、前記ポリペプチドは特定の細胞タイプ表面のレセプターにより標的とされないよう設計されている請求項1〜13のいずれかに記載の処方物。
  15. 外来核酸が免疫応答の促進能を有するポリペプチドをさらにコードする請求項1〜14のいずれかに記載の処方物。
  16. さらにアジュバントを含む請求項1〜15のいずれかに記載の処方物。
  17. バクテリオファージが担体に結合している請求項1〜16のいずれかに記載の処方物。
  18. ヒトまたは動物における疾病の予防及び/または治療で使用される請求項1〜17のいずれかに記載の処方物。
  19. バクテリオファージ粒子の使用であって、前記ファージ粒子の表面は、特定の細胞タイプ表面のレセプターにより標的とされる外来ペプチド/タンパク質を含むようには修飾されておらず、バクテリオファージ粒子は真核生物プロモーターで制御される外来の核酸分子を含み、その生物において発現された外来ポリペプチドに対し免疫応答を引き起こす薬剤を製造するための使用。
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