JP4651227B2 - グロープラグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン予熱用のグロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン予熱用のグロープラグとして、筒状の主体金具の先端部内側に、棒状のセラミックヒータの先端部を突出させる形で配置したものが広く使用されている。セラミックヒータへの通電は、主体金具の後端部に設けられた金属軸(電源に接続される)と、該金属軸及びセラミックヒータを接続する金属リード部を介して行われる。従来のグロープラグにおいてセラミックヒータと金属リード部との接続は、例えば特開平10−205753号公報あるいは特開2000−356343号公報に開示されているように、金属リード部の先端部をコイル状に形成し、ヒータ端子が露出形成されたセラミックヒータの後端部をその内側に挿入して、両者をろう付けすることにより行われてきた。また、セラミックヒータの他方の端子を、金属外筒を介して主体金具に接続し、グロープラグが取り付けられるエンジンブロックを介して接地する構造も多く採用されているが、この金属外筒もまた、ろう付けによりセラミックヒータに接合されている。
【0003】
しかしながら、ろう付けによる接合形態は、ろう材を挟み込む形で被接合材を組み立てる工程や、ろう材を溶融させる加熱工程など工数が多いため能率が悪い欠点がある。また、セラミックと金属リードあるいは金属外筒等の金属部材の接合であるため、高価な活性ろう材を使用しなければならず、さらにろう付けのための加熱温度や雰囲気等も調整が微妙であり、前記した工数増大の問題とも相俟って製造コストの高騰につながりやすい。そこで、特開2000−356343号公報には、セラミックヒータの金属外筒への組付けを焼き嵌めにより行なう方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セラミックヒータと金属外筒との組付けを焼き嵌め、圧入等の締まり嵌めにより行う場合、セラミックヒータの外径と金属外筒の内径との径差、いわゆる締め代が重要なパラメータとなる。締め代が小さすぎる場合には、緊束力が不足して十分な接合強度が得られない。逆に締め代が大きすぎる場合には、圧入や焼き嵌めといった接合過程において、セラミックヒータに割れ、クラック等が生じる恐れがある。
【0005】
グロープラグは、エンジンの燃焼室内に露出するかたちで配置されるため数百℃の高温に曝される。一般に、ある温度での金属の線膨張率はセラミックのそれよりも大きいため、高温での使用を考慮して締め代が調整されなければならない。エンジンに組み込まれたグロープラグは、エンジンの圧縮・爆発等の各サイクルにおいて、燃焼室より強い圧力を受ける。そのため、セラミックヒータや金属外筒といった、燃焼室に露出する部材同士の接合が不十分な場合には気密性が保てなくなり好ましくない。
【0006】
本発明の課題は、セラミックヒータと金属外筒とが締まり嵌めにて接合されるグロープラグであって、それらセラミックヒータと金属外筒とが強固に接合され、気密性が良好に保たれたグロープラグを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明のグロープラグは、
自身の先端部に抵抗発熱体が埋設された棒状のセラミックヒータと、該セラミックヒータの外周面に締まり嵌め状態にて取り付けられた金属外筒と、その金属外筒を保持する主体金具とを備え、
セラミックヒータから金属外筒を取り外した分解状態において、室温にて測定される金属外筒の内径をd1、同じく金属外筒の取付位置におけるセラミックヒータの外径をd2としてその径差d2−d1が、5μm以上であって金属外筒の取付位置におけるセラミックヒータの外径の2%以下の範囲に調整されていることを特徴とする。
【0008】
上記本発明のグロープラグの構成では、セラミックヒータと金属外筒との接合方法は、圧入、焼き嵌め、冷し嵌め等の締まり嵌めとされている。締まり嵌め嵌合における重要なファクターの1つに、嵌合させるもの同士の径差、すなわち締め代がある。分解後の締め代が上記の範囲に調整されたグロープラグは、セラミックヒータと金属外筒とが強固に接合され気密性が良好である。なお、分解後締め代は一度組み付けたあとに再度分解した状態にて測定される値である。このような分解後締め代は、セラミックヒータから取り外したときの金属外筒の弾性復帰量、つまり、金属外筒によるセラミックヒータへの弾性緊束力を反映したパラメータと見ることができる。室温での分解後締め代が5μm未満では、燃焼室からの圧力により、必要な緊束力が確保できなくなり気密性の低下を招く。他方、分解後締め代が互いの取付位置におけるセラミックヒータの外径の2%を超えるとセラミックヒータに過剰な緊束力が作用し、割れやクラック等の発生につながる場合がある。また、接合面にロウ材が介在しない形とされているため、セラミックヒータが主体金具や金属外筒に対して傾くことがなく、同芯性を向上させることもできる。また、締まり嵌めによる接合は、従来の銀ろう等を用いるろう付けが不要となるので組み付けも簡単に行え、手間とコストを低減することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明のグロープラグの一例を、その内部構造とともに示すものである。また、図2は、その要部を拡大して示すものである。該グロープラグ50は、セラミックヒータ1とこれを保持する金属外筒3、及びこれに結合された主体金具4を有する。セラミックヒータ1は棒状の形態を有し、自身の先端部2に抵抗発熱体11が埋設されている。また、抵抗発熱体11に通電するための第一ヒータ端子12aが自身の後端部外周面に露出形成されている。金属外筒3は筒状に形成され、セラミックヒータ1を、後端部及び先端部2をそれぞれ軸線O方向において突出させる形で自身の内側に保持する。主体金具4は、金属外筒3に同軸的に結合される筒状に形成されている。
【0010】
次に、主体金具4の外周面には、図示しないエンジンブロックにグロープラグ50を固定するための、取付部としてのねじ部5が形成され、後端部には金属軸6が取り付けられている。該金属軸6は棒状の形態をなし、主体金具4の後端部内側に軸線O方向に挿入されるとともに、該軸線O方向において自身の先端面65がセラミックヒータ1の後端面2rと対向する形で配置されている。他方、セラミックヒータ1の後端部外周面には、第一ヒータ端子12aと導通する金属製の端子リング14が、締まり嵌め状態にて該第一ヒータ端子12aを覆うように取り付けられている。そして、金属軸6と第一ヒータ端子12aとは、一端が端子リング14に結合され、他端が金属軸6に結合された金属リード部17により、電気的に接続されている。金属リード部17はこの端子リング14に金属/金属接合により取り付けられるので、金属/セラミックのろう付け構造や、金属リード部17のセラミックヒータ1への埋め込み接合といった、工数を要する複雑な構造が排除され、安価に製造可能である。また、端子リング14をセラミックヒータ1に締り嵌めにより嵌合させるので、ろう付けによる従来構造のようにろう材層が介在せず、金属軸6と端子リング14との同軸度を確保しやすい。これにより、金属リード部17と、金属軸6あるいは端子リング14との接合面にずれ等を生じにくくなり、ひいては良好で高強度の接合部を形成できる。
【0011】
セラミックヒータ1の外周面には、軸線O方向において第一ヒータ端子12aよりも前方側に、抵抗発熱体11に通電するための第二ヒータ端子12bが露出形成されている。そして、該第二ヒータ端子12bを覆うとともにこれと導通する円筒状の金属外筒3が、セラミックヒータ1の後端部を自身の後方側に突出させた状態にて、該セラミックヒータ1の外周面に締まり嵌め状態にて取り付けられている。そして、主体金具4は、円筒状のヒータ保持面4aにおいて該金属外筒3の外周面に取り付けられている。
【0012】
この構成により、セラミックヒータ1へ通電するための2つのヒータ端子12a,12bのいずれに対しても、金属外筒3,端子リング14が締り嵌め状態にて取り付けられ、グロープラグの組立構造の一層の簡略化が図られている。
【0013】
次に、第二ヒータ端子12bは、軸線O方向において、第一ヒータ端子12aよりも前方側に配置され、金属外筒3が端子リングに兼用されるとともに、該金属外筒3に主体金具4が取り付けられている。この構成によると、金属外筒3が端子リングに兼用されるので、部品点数が削減され、本発明のグロープラグをより安価に提供できる。
【0014】
主体金具4は、具体的には、該金属外筒3の外周面に取り付けられている。これによると、主体金具4とセラミックヒータ1との間に介挿された金属外筒3をスペーサとすることで、該金属外筒3よりも後方側に突出させたセラミックヒータ1の後端部外周面と、主体金具4のヒータ保持面4aよりも後方側の内周面との間に適度な隙間を形成することができる。これにより、セラミックヒータ1の後端部に端子リング14を配置することが一層容易となる。
【0015】
なお、図8に示すように、主体金具4と金属外筒3(図中破線部に相当)とを兼用した構成を採用することも可能である。金属外筒3を、主体金具4と一体に形成することにより、セラミックヒータ1と主体金具4とを直接嵌合できる。この場合、部品点数を少なくできるという点において有利である。
【0016】
次に、主体金具4と金属外筒3との組み付け形態については、例えば両者の内外周面の隙間を充填する形でろう付けするか、あるいは主体金具4の先端側開口内縁と金属外筒3の外周面とを全周レーザー溶接する形で固定するようにしてもよいが、本実施形態では、主体金具4もヒータ保持面4aにおいて、金属外筒3の外周面に締まり嵌め状態にて取り付けるようにしている。これにより、グロープラグ50の組立て工程を一層簡略化することができる。また、主体金具4の金属外筒3に対する嵌合面(ヒータ保持面4a)が、金属外筒3とセラミックヒータ1との嵌合面と重なる形となるので、セラミックヒータ1に対する金属外筒3の緊束力に主体金具4の緊束力が重畳され、金属外筒3とセラミックヒータ1との嵌合の気密性を一層高めることができる。
【0017】
セラミックヒータ1への端子リング14及び金属外筒3の組み付けは、例えば図4に示すように、個々の端子リング14あるいは金属外筒3をセラミックヒータ1に対し、端部から軸線方向に挿入しつつ圧入する方法で組み付けることができる。なお、圧入に代えて焼き嵌めを用いてもよい。このうち、端子リング14については、第一ヒータ端子12aとの導通が確保できる程度の緊束力が得られればよい。他方、金属外筒3については、第二ヒータ端子12bとの導通確保に加え、嵌合面における気密性を確保する必要があることから、端子リング14よりは強い緊束力が求められる。いずれも、室温ではもちろん、各部に熱膨張が生ずるセラミックヒータ1の温度上昇時においても、必要十分な緊束力が確保されていることが重要である。一般に、セラミックと金属を比較した場合、インバーなどの特殊な合金を除けば、金属のほうが線膨張率が高く、端子リング14及び金属外筒3は昇温時には緊束力が緩みやすくなる傾向にある。
【0018】
この場合、材質や肉厚tによっても昇温時に確保される緊束力のレベルは異なるが、図5に示すように、セラミックヒータ1から端子リング14を取り外した分解状態において、室温にて測定される端子リング14の内径をD1、同じく該分解状態における第一ヒータ端子12aの形成位置でのセラミックヒータ1の外径をD2として、その径差D2−D1(以下、端子リング14の分解後締め代という)が、5μm以上であって端子リング3の取付位置における前記セラミックヒータ(1)の外径の2%以下の範囲に調整されていることが望ましい。
【0019】
同様に、セラミックヒータ1から金属外筒3を取り外した分解状態において、室温にて測定される金属外筒3のセラミックヒータ1を保持する領域での内径をd1、同じく金属外筒3の取り付け領域におけるセラミックヒータ1の外径をd2として、その径差d2−d1(以下、金属外筒3の分解後締め代という)が、5μm以上であって金属外筒3の取付位置におけるセラミックヒータ1の外径の2%以下の範囲に調整されていることが望ましい。
【0020】
上記分解後締め代は、セラミックヒータ1から取り外したときの端子リング14及び金属外筒3の弾性復帰量、つまり、端子リング14及び金属外筒3によるセラミックヒータ1への弾性緊束力を反映したパラメータと見ることができる。該分解後締め代が5μmを下回ると、前記温度範囲に端子リング14あるいは金属外筒3が昇温したとき、必要な緊束力が確保できなくなる。例えば、端子リング14においては第一ヒータ端子12aとの接触抵抗の増大が、金属外筒3においては第二ヒータ端子12bとの接触抵抗の増大と気密性の低下とが、具体的な不具合として発生することにつながる。他方、分解後締め代が、端子リング14あるいは金属外筒3の取付位置におけるセラミックヒータ1の外径の2%(例えば、該外径が3.5mmの場合、70μm)を超えるとセラミックヒータ1に過剰な緊束力が作用し、割れやクラック等の発生につながる場合がある。なお、端子リング14及び金属外筒3の肉厚が小さい場合は、それら自体の塑性変形量が増加するため、分解後締め代を上記上限値以上に設定することが本質的に不可能な場合がある。なお、上記分解後締め代D2−D1あるいはd2−d1は、より望ましくは15〜40μmの範囲に調整するのがよい。また、同じ分解後締め代の値であっても、弾性緊束力の値を高める観点においては肉厚が大きい方がより有利である。
【0021】
ところで、グロープラグがエンジンに取り付けられたとき、セラミックヒータ1と金属外筒3は、燃焼室に露出する形となるので、それらの嵌合面における気密性が十分に確保されなければならない。エンジンの運転状況にもよるが、金属外筒3の燃焼室側の端部は700℃程度まで昇温する。その反対側の端部は、主体金具4の熱引きの効果があるので、200℃程度である。金属外筒3の内側に保持されているセラミックヒータ1についても同様である。この事実から、締め代がどの程度確保されていると好ましいのかは、各部に熱膨張が生じた状態にて論じるべきである。
【0022】
セラミックヒータ1から金属外筒3を取り外した分解状態で、その各々に実際の使用状態と同じ温度分布を作り出すことは困難であるが、所望の位置・温度条件における内径や外径の変化をシミュレーションにより正確に推定することは可能である。このような熱変形シミュレーションは、例えば対象物を複数の要素に分割して、各要素が有する節点に関する連立方程式を解いて、熱変形量を求める公知の有限要素法解析により行える。対象物の形状には、CAD(Computer Aided Design)データが利用できるため、複雑な形状の対象物に対しても容易に解析が行える。
【0023】
図6に示すように、上記分解状態で、例えば金属外筒3とセラミックヒータ1とが分解前に接していた領域(取付位置)に対し、金属外筒3及びセラミックヒータ1の各々に、全体が700℃、あるいは200℃となるような温度条件を与えることができる。セラミックヒータ1の先端部2側であって、該取付位置の端を先端位置、先端部2とは反対側の該取付位置の端を上端位置とし、これら各位置及び各温度条件での金属外筒3の内径、及びセラミックヒータ1の外径を計算することは容易である。なお、径方向への温度分布は均一とする。解析に必要な金属外筒3及びセラミックヒータ1の形状は、CADデータを直接使用できる。CADデータは、すべて室温における値である。また、任意の温度における各々の線膨張率は、後述するようにセラミックヒータ1については、例えば窒化珪素質セラミック(数%の焼結助剤を含む)として知ることができ、金属外筒3については、例えばFe系合金として知ることができるので、解析にはこれらのデータを使用すればよい。なお、後述するようにセラミックヒータ1は、外部の絶縁性セラミック中に導電性セラミックが埋設されたものであるが、熱変形については全体が単一の絶縁性セラミックにより構成されているとして近似してもよい。
【0024】
上記したような解析に必要な条件を与え、公知の有限要素法解析により金属外筒3の上端位置(200℃条件)での内径d1bと、セラミックヒータ1の上端位置(200℃条件)での外径d2aとを求めることができる。それらの径差d2b−d1bで表される上端位置締め代が、4μm以上に調整されていることが望ましい。金属外筒3が燃焼室より受熱して緊束力が弱まる傾向は、温度の高くなりやすい下端位置において顕著である。しかし、少なくとも上記温度条件における上端位置で、締め代が4μm以上に確保されておれば、気密性を保つことができる。
【0025】
上記したように、室温と200℃とで同レベルの気密性を満たすために要求とされる締め代が異なる理由は以下の通りである。すなわち、ある程度熱せられた状態においては、セラミックと金属との馴染みが室温のそれよりも向上し、締め代の減少分を、接合面における摩擦抵抗の増加分が補償した形となるからである。
【0026】
さらに同様にして、金属外筒3の下端位置(700℃条件)での内径d1aと、セラミックヒータ1の下端位置(700℃条件)での外径d2aとをシミュレーションにより求めることができる。それらの径差d2a−d1aで表される下端位置締め代が、2μm以上となるように調整されているとよい。下端位置が高温に熱せられたときにも、その位置において上記締め代が確保されておれば、万が一セラミックヒータ1に破損等の不具合が生じた場合であっても、燃焼室へのヒータの脱落は防げる。
【0027】
端子リング14及び金属外筒3の材質としては、高温強度と材料コストとのバランスを考慮して、一定以上の硬さ及び耐熱性を有したFe系合金を使用することが望ましい。特に、分解後締め代を高めて弾性緊束力を十分に確保するためには、ビッカース硬さ(JIS:Z2244(1998)に規定の方法により荷重10Nにて測定した値)Hvが170以上(望ましくは350以上)のFe系合金の使用が推奨される。このようなFe系合金として、SUS630あるいはSUS631等の析出硬化系ステンレス鋼を好適に使用できる。例えばSUS630は、JISG4303(1988)に規定されたH900、H1025、H1075あるいはH1105のいずれかの熱処理により時効析出硬化させることができ、特にH900処理を行ったものはHv350以上を確保できる。他方、SUS631は同規格のTH1050あるいはRH950の熱処理により時効析出硬化させることができ、いずれもHv350以上を確保できる。また、硬さの点では若干劣るが、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼を使用することもできる。
【0028】
なお、より高い耐熱性を確保し、また、高温での緊束力低下をさらに抑制することが要求される場合には、鉄基超耐熱合金(例えばインコロイ909(インコ社の商品名)、HRA929(日立金属(株)の商品名))の時効硬化品、Ni基超耐熱合金(例えばワスパロイ(ユナイテッド テクノロジー社の商品名))の時効硬化品、あるいは非時効硬化型のNi基耐熱合金(インコネル625(インコ社の商品名))の加工硬化品等を使用することも可能である。ただし、これらの材質は高価であり、グロープラグの通常の使用環境であって、端子リング14の到達温度が50〜200℃程度、金属外筒3の到達温度が500〜700℃程度である場合には、前記した析出硬化型ステンレス鋼など、Ni、Cr、Cu、NbあるいはAlなど、マトリックス固溶強化あるいは析出物形成のために添加する合金元素の合計含有量が、50質量%以下の範囲に制限されたFe系合金にて構成することが望ましい。ただし、これらの合計含有量は、高温強度あるいは耐食性確保の観点から、20質量%以上は添加されていることが望ましい。
【0029】
図2に示すように、金属リード部17は、金属軸6と端子リング14との間で屈曲した形で配置されている。これにより、セラミックヒータ1の発熱により加熱/冷却サイクルが加わった場合でも、金属リード部17は、その屈曲部分で膨張/収縮を吸収することができ、ひいては金属リード部17と端子リング14との接合部に過度の応力が集中して接触不良や断線等の不具合が生ずることを防止できる。他方、金属リード部17と金属軸6との接合を容易にかつ強固に行なうために、金属リード部17の金属軸6との接合端部が金属軸6の外周面先端部に対し、平面状の接合面をもって結合されている。例えば、金属リード部17と金属軸6とを抵抗溶接により接合する場合、接合面を平面状としておくことは、抵抗溶接時の加圧力を均等に付加し、欠陥の少ない溶接部を形成する上でも有利となる。
【0030】
他方、金属リード部17と端子リング14との接合は、端子リング14をセラミックヒータ1に圧入等により組み付ける際に邪魔とならないように、先に端子リング14をセラミックヒータ1に組み付けておいてから、その組み付けられた端子リング14の例えば外周面に金属リード部17の末端部を接合することが望ましい。この場合、その接合方法としては、抵抗溶接を採用できる。
【0031】
次に、セラミックヒータ1は、絶縁性セラミックからなるセラミック基体13中に抵抗発熱体11が埋設された棒状のセラミックヒータ素子として構成されている。本実施形態においては、セラミックヒータ1は、絶縁性セラミックからなるセラミック基体13中に導電性セラミックからなるセラミック抵抗体10が埋設されたものとして構成されている。セラミック抵抗体10は、セラミックヒータ1の先端部に配置される第一導電性セラミックからなり、抵抗発熱体として機能する第一抵抗体部分11と、各々該第一抵抗体部分11の後方側において、セラミックヒータ1の軸線O方向に延伸する形で配置され、先端部が第一抵抗体部分11の通電方向における両端部にそれぞれ接合されるとともに、第一導電性セラミックよりも抵抗率が低い第二導電性セラミックからなる1対の第二抵抗体部分12,12とを有する。そして、セラミック抵抗体10の1対の第二抵抗体部分12,12には、それぞれ軸線O方向における互いに異なる位置に分岐部が形成され、それら分岐部の、セラミックヒータ1の表面への露出部が、それぞれ第一ヒータ端子12a及び第二ヒータ端子12bを形成してなる。
【0032】
なお、抵抗発熱体11への通電は、例えば図7に示すように、セラミック基体13中に埋設されるW等の高融点金属線材からなる埋設リード線18,19を介して行なうこともできる。この場合、第一ヒータ端子は埋設リード線18の、また第二ヒータ端子は埋設リード線19の、各露出部18a及び19aとして形成される。
【0033】
次に、セラミック基体13を構成する絶縁性セラミックとして、本実施形態では窒化珪素質セラミックが採用されている。窒化珪素質セラミックの組織は、窒化珪素(Si)を主成分とする主相粒子が、後述の焼結助剤成分等に由来した粒界相により結合された形態のものである。なお、主相は、SiあるいはNの一部が、AlあるいはOで置換されたもの、さらには、相中にLi、Ca、Mg、Y等の金属原子が固溶したものであってもよい。
【0034】
窒化珪素質セラミックには、周期律表の3A、4A、5A、3B(例えばAl)及び4B(例えばSi)の各族の元素群及びMgから選ばれる少なくとも1種を前記のカチオン元素として、焼結体全体における含有量にて、酸化物換算で1〜10質量%含有させることができる。これら成分は主に酸化物の形で添加され、焼結体中においては、主に酸化物あるいはシリケートなどの複合酸化物の形態にて含有される。焼結助剤成分が1質量%未満では緻密な焼結体が得にくくなり、10質量%を超えると強度や靭性あるいは耐熱性の不足を招く。焼結助剤成分の含有量は、望ましくは2〜8質量%とするのがよい。焼結助剤成分として希土類成分を使用する場合、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを用いることができる。これらのうちでもTb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybは、粒界相の結晶化を促進し、高温強度を向上させる効果があるので好適に使用できる。
【0035】
次に、セラミック抵抗体10を構成する第一抵抗体部分11及び第二抵抗体部分12,12は、前記した通り電気抵抗率の異なる導電性セラミックにて構成されている。両導電性セラミックの電気抵抗率を互いに異なるものとする方法は特に限定されず、例えば、
▲1▼同種の導電性セラミック相を用いつつ、その含有量を互いに異ならせる方法;
▲2▼電気抵抗率の異なる異種の導電性セラミック相を採用する方法;
▲3▼▲1▼と▲2▼の組合せによる方法;
等、種々例示できるが、本実施形態では▲1▼の方法を採用している。
【0036】
導電性セラミック相としては、例えば、炭化タングステン(WC)、二珪化モリブデン(MoSi)及び二珪化タングステン(WSi)等、周知のものを採用できる。本実施形態ではWCを採用している。なお、セラミック基体13との線膨張率の差を縮小して耐熱衝撃性を高めるために、セラミック基体13の主成分となる絶縁性セラミック相、ここでは窒化珪素質セラミック相を配合することができる。従って、絶縁性セラミック相と導電性セラミック相との含有比率を変化させることにより、抵抗体部分を構成する導電性セラミックの電気抵抗率を所望の値に調整することができる。
【0037】
具体的には、抵抗発熱部をなす第一抵抗体部分11の材質である第一導電性セラミックは、導電性セラミック相の含有率を10〜25体積%、残部を絶縁性セラミック相とするのがよい。導電性セラミック相の含有率が25体積%を超えると、導電率が高くなりすぎて十分な発熱量が期待できなくなり、10体積%未満になると逆に導電率が低くなりすぎ、同様に発熱量が十分に確保できなくなる。
【0038】
他方、第二抵抗体部分12,12は、その第一抵抗体部分11に対する導通経路となるものであり、その材質である第二導電性セラミックは導電性セラミック相の含有率を15〜30体積%、残部を絶縁性セラミック相とするのがよい。導電性セラミック相の含有率が30体積%を超えると焼成による緻密化が困難となり、強度不足を招きやすくなるほか、エンジン予熱のために通常使用される温度域に到達しても電気抵抗率の上昇が不十分となり、電流密度を安定化させるための自己飽和機能が実現できなくなる場合がある。他方、15体積%未満では第二抵抗体部分12,12での発熱が大きくなりすぎて、第一抵抗体部分11の発熱効率が悪化することにつながる。本実施形態では、第一導電性セラミック中のWCの含有率を16体積%(55質量%)、第二導電性セラミック中のWCの含有率を20体積%(70質量%)としている(残部いずれも窒化珪素質セラミック(焼結助剤含む)。
【0039】
本実施形態においてセラミック抵抗体10は、第一抵抗体部分11がU字形状をなし、そのU字底部がセラミックヒータ1の先端側に位置するように配置され、第二抵抗体部分12,12は、該U字形状の第一抵抗体部分11の両端部からそれぞれ軸線O方向に沿って後方に延伸する、互いに略平行な棒状部とされている。
【0040】
セラミック抵抗体10において第一抵抗体部分11は、動作時に最も高温となるべき先端部11aに対して電流を集中するために、該先端部11aを両端部11b、11bよりも細径としている。そして、第二抵抗体部分12,12との接合面15は、その先端部11aよりも径大となった両端部11b、11bに形成されている。
【0041】
なお、図7のように、埋設リード線18,19をセラミック中に配置する構造では、高温下でヒータ駆動用の電圧を印加したときに、埋設リード線18,19を構成する金属原子が、その電界勾配による電気化学的な駆動力を受けてセラミック側に強制拡散する、いわゆるエレクトロマイグレーション効果によって消耗し、断線等を生じやすくなる場合がある。しかし、図2の構成では埋設リード線が廃止されていることから、上記エレクトロマイグレーション効果の影響を本質的に受けにくい利点がある。
【0042】
次に、図1に示すように、主体金具4の後端部内側には、前述の通り、セラミックヒータ1に電力を供給するための金属軸6が主体金具4と絶縁状態にて配置されている。本実施形態では、金属軸6の後端側外周面と主体金具4の内周面との間にセラミックリング31を配置し、その後方側にガラス充填層32を形成して固定する形としている。なお、セラミックリング31の外周面には、径大部の形でリング側係合部31aが形成され、主体金具4の内周面後端寄りに、周方向段部の形で形成された金具側係合部4eに係合することで、軸線方向前方側への抜け止めがなされている。また、金属軸6のガラス充填層32と接触する外周面部分には、ローレット加工等による凹凸が施されている(図では網掛けを描いた領域)。さらに、金属軸6の後端部は主体金具4の後方に延出し、その延出部に絶縁ブッシュ8を介して端子金具7が嵌め込まれている。該端子金具7は、周方向の加締め部9により、金属軸6の外周面に対して導通状態で固定されている。
【0043】
グロープラグ50は、主体金具4の取付部5において、セラミックヒータ1の先端部2が燃焼室内に位置するようにディーゼルエンジンに取り付けられる。そして、端子金具7を電源に接続することで、金属軸6→金属リード17→端子リング14→セラミックヒータ1→金属外筒3→主体金具4→(エンジンブロックを介して接地)の順序で電流が流れ、セラミックヒータ1の先端部2が発熱して、燃焼室内の予熱を行なうことができる。
【0044】
以下、グロープラグ50の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、セラミック抵抗体10となるべき抵抗体粉末成形部34を、射出成形により作成する。また、セラミック基体13を形成するための原料粉末を予め金型プレス成形することにより、上下別体に形成された基体成形体としての分割予備成形体36,37を用意しておく。これら分割予備成形体36,37には、上記抵抗体粉末成形部34に対応した形状の凹部37a(分割予備成形体36側の凹部は図面に表れていない)をその合わせ面に形成しておき、ここに抵抗体粉末成形部34を収容して分割予備成形体36,37を上記合わせ面において嵌め合わせ、さらにプレス・圧縮することにより、図3(b)に示すように、これらが一体化された複合成形体39を作る。
【0045】
こうして得られた複合成形体39を脱バインダ処理後、ホットプレス等により1700℃以上、例えば約1800℃前後で焼成することにより、焼成体とし、さらに外周面を円筒状に研磨にすればセラミックヒータ1が得られる。そして、図4に示すように、該セラミックヒータ1に端子リング14及び金属外筒3を例えば圧入により締まり嵌め嵌合させ、さらに金属リード部17及び主体金具4などの必要な部品を組み付ければ、図1に示すグロープラグ50が完成する。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験について説明する。
まず、図1に示す形態のセラミックヒータ1を、上記説明した方法により、その外径が2。0mm,3.5mm,5.0mmのものをそれぞれ作製した。ただし、セラミックヒータ1の長さは40mm、第二抵抗体部分12,12の太さは1.0mm、さらに第一ヒータ端子12a及び第二ヒータ端子12bは、各々直径0.8mmの円状領域とした。
【0047】
他方、前記したSUS630(H900時効硬化処理品:Hv=約400)、HRA929(時効硬化処理品720℃8時間+620℃8時間:Hv=約360)を用いて金属外筒3を作製した。金属外筒3は、初期締め代が3〜320μmの種々の値となるように調整したものを用意した。金属外筒3の長さは20mmとした。また、金属外筒3の開口端には、セラミックヒータ1の圧入が容易となるようにC0.3mmの面取りを行った。なお、HRA929は初期締め代を大きく設定し、分解後締め代をより多く確保しようとする場合に、SUS630よりも有利である。
【0048】
次に、上記金属外筒3を、セラミックヒータ1の所定位置に圧入により組み付けた。なお、圧入時において各々の内面には潤滑剤(パスキンM30(商品名:共栄社化学(株))を適量塗布し、圧入後に300℃にて該潤滑剤の分解処理を行なっている。
【0049】
金属外筒3の外周面に主体金具4を圧入により取り付け、JIS−D5103に規定された気密漏洩試験を行った(試験条件:4MPa,15秒)。なお、本試験における判定基準は、漏れが検出されなかった場合に○、0.25cc未満の場合に△、0.25cc以上の場合に×とした(圧入時の破損により測定不可のものを含む)。
【0050】
上記気密漏洩試験の終了後、金属外筒3をセラミックヒータ1から取り外し、金属外筒3の取り付けられていた位置においてセラミックヒータ1の外径d2を求めた。同様にして、金属外筒3の内径d1を求め、分解後締め代を算出した。併せて、セラミックヒータ1の外径に対する分解後締め代の割合を算出した。
【0051】
なお、分解後締め代は、金属外筒3の取り外しを容易に行なうことができたものは、取り外した金属外筒3の内径と、セラミックヒータ1の外径とを直接測定して分解後締め代を算出した。他方、取り外しが困難であったものは、以下のようにして測定を行なった。まず、金属外筒3を内側のセラミックヒータ1とともに縦に2つに切断して分解し、切断後の金属外筒3とセラミックヒータ1との各断片の内周面及び外周面形状をレーザー式3次元形状測定機にて測定した。そして、その測定プロファイルから各周面の弧状の外形線断片を抽出し、それら外形線断片を円周補間して切断前の周面を推定復元し、該復元された各周面の内径及び外径から分解後締め代を算出した。圧入時に破損の生じたものについても、同様の手法にて分解後締め代を算出した。完全に圧入できなかった試験品については圧入できた領域での分解後締め代を算出した。以上、常温での試験結果について表1〜表3に示す。なお、表に示す寸法の単位はすべてmmである。
【0052】
【表1】
Figure 0004651227
【0053】
【表2】
Figure 0004651227
【0054】
【表3】
Figure 0004651227
【0055】
常温においては、金属外筒3の分解後締め代を5μm以上に確保することで、セラミックヒータ1の外径に拠らず、気密漏洩試験において良好な結果を得ることができた。また、分解後締め代が、セラミックヒータ1の外径の2%以上となった試験品については、圧入時に破損やクラックが生じ所定位置まで圧入できない、あるいは一見圧入できたように見えても破損やクラックが生じており気密性が保てない、という不具合があった。
【0056】
次に、セラミックヒータの外径が3.5mmの試験品について、初期締め代を7〜70μmに調整し、全体を200℃に加熱保持して前述の気密漏洩試験を行った。気密漏洩試験終了後、室温に冷却して金属外筒の内径、及びセラミックヒータの外径を測定した。その実測値をもとに、前述した計算機による有限要素法解析により、200℃条件での熱変形シミュレーションを行った。金属外筒3の線膨張率は、予め測定済みのSUS630、HRA929のデータを使用した。セラミックヒータ1の線膨張率は、窒化珪素質セラミックについてのデータを使用した。なお、セラミックヒータ1は、全部が窒化珪素質セラミックであるものとした。シミュレーションにより算出された金属外筒3の上端位置での内径d1b、及びセラミックヒータ1の上端位置での外径d2bの値をもとに、200℃での上端位置における締め代を求めた。以上の実測及び計算機シミュレーションの結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 0004651227
【0058】
200℃で気密性が保てた試験品は、シミュレーションによって定められる上端位置での締め代が約4μm以上のものであった。次に、セラミックヒータの外径が3.5mmの試験品について、初期締め代を10〜70μmに調整し、全体を700℃に加熱保持し、セラミックヒータの脱落試験を行った。該試験終了後、200℃のときと同様にして、700℃での下端位置における締め代を求めた。以上の実測及び計算機シミュレーションの結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
Figure 0004651227
【0060】
全体を700℃に加熱した状態でも、セラミックヒータが脱落することのなかった試験品は、シミュレーションによって定められる下端位置での締め代が約2μm以上のものであった。
【0061】
なお、上記実施例において、セラミックヒータ1と金属外筒3に与える温度条件は、全体を200℃,700℃としたが、例えば、下端位置での温度を700℃、上端位置での温度を200℃として軸線O方向に線形な温度分布をシミュレーションの温度条件に与えることは可能である。また、例えば下端位置が700℃に保持されるようにセラミックヒータ1を通電加熱した状態で、気密漏洩試験を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグロープラグの一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1の要部を示す縦断面図。
【図3】図1のグロープラグの製造工程の説明図。
【図4】図3に続く説明図。
【図5】分解後締め代の算出に使用する部位を説明する図。
【図6】図5に続く計算機シミュレートにより径が算出される部位を説明する図。
【図7】図1のグロープラグの第一変形例を示す要部縦断面図。
【図8】同じく第二変形例を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1 セラミックヒータ
2 先端部
3 金属外筒
4 主体金具
11 抵抗発熱体
50 グロープラグ
O 軸線

Claims (4)

  1. 自身の先端部(2)に抵抗発熱体(11)が埋設された棒状のセラミックヒータ(1)と、該セラミックヒータ(1)の外周面に締まり嵌め状態にて取り付けられた金属外筒(3)と、その金属外筒(3)を保持する主体金具(4)とを備え、
    前記セラミックヒータ(1)から前記金属外筒(3)を取り外した分解状態において、室温にて測定される前記金属外筒(3)の内径をd1、同じく前記金属外筒(3)の取付位置における前記セラミックヒータ(1)の外径をd2としてその径差d2−d1が、5μm以上であって前記金属外筒(3)の取付位置における前記セラミックヒータ(1)の外径の2%以下の範囲に調整されていることを特徴とするグロープラグ(50)。
  2. 前記セラミックヒータ(1)から前記金属外筒(3)を取り外した分解状態において、前記金属外筒(3)及び前記セラミックヒータ(1)の各々が200℃となるように温度条件を与え、
    前記取付位置における前記先端部(2)とは反対側の端を上端位置とし、該上端位置における前記金属外筒(3)の内径がd1b、前記セラミックヒータ(1)の外径がd2bであるとき、その径差d2b−d1bが4μm以上となるように調整されている請求項1記載のグロープラグ(50)。
  3. 前記セラミックヒータ(1)から前記金属外筒(3)を取り外した分解状態において、前記金属外筒(3)及び前記セラミックヒータ(1)の各々が700℃となるように温度条件を与え、
    前記取付位置における前記先端部(2)側の端を下端位置とし、該下端位置における前記金属外筒(3)の内径がd1a、前記セラミックヒータ(1)の外径がd2aであるとき、その径差d2a−d1aが2μm以上となるように調整されている請求項1記載のグロープラグ(50)。
  4. 前記セラミックヒータ(1)には抵抗発熱体(11)が埋設され、当該抵抗発熱体(11)に通電するための第二ヒータ端子(12b)が前記セラミックヒータ(1)の外周面に露出形成されており、
    この露出形成された第二ヒータ端子(12b)と、当該第二ヒータ端子(12b)と導通する前記金属外筒(3)とが、圧入により接合されるとともに導通が確保されているものであることを特徴とする請求項1記載のグロープラグ(50)。
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