JP4648534B2 - Ic固定収納トレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はICを収納し、保存、運搬するトレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のIC収納トレーは輸送中の振動によるICとトレーの衝突からゴミの発生やメッキ、端子、表面の印刷等の破損を防止する為に、収納するICの寸法に対応させたサイズのICを収納するポケットを形成したトレーを使用していた。即ち、収納ポケットの側面とICの側面を密着するような形状としたり、トレーを重ねた際に上段のトレーの下面から突出させた硬質の支持材によりICを上方から押さえつけたりしていた。そして、トレーに形成された複数の収納ポケットは全て同一形状にて形成されていた。
【0003】
しかし、特に大型で重いICの場合には上述の様なゴミの発生やメッキ、端子、表面の印刷等の破損が生じ易いものであるが、大型で重いIC、例えばICボディーがセラミック等で作られているものは、寸法のばらつきが大きく、上述の様な従来のトレーでは収納することができず、また、このようなばらつきを考慮してトレーを設計、製作することは非常に困難であり、費用も高額なものになってしまう。かといって寸法にばらつきがあるICをその寸法の違いに関わらず収納可能とすると、収納ポケットをICの寸法より大きく余裕を持って形成することになり、収納ポケット内でICが動いてしまい、ゴミの発生やメッキ、端子、表面の印刷等の破損が生じてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、寸法のばらつきが大きい複数のICであっても、1のトレーで収納することが可能であり、且つ収納した全てのICを安定的に固定することが可能なIC収納トレーの提供が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明では、トレー上面にICを収納する収納部を有し、トレーの下面に、トレーを重ねた際に下段のトレーに形成された収納部に収納されるICの上面端部に対応する箇所に板バネを有する、バネ部を設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に従って説明する。
1はトレーであり、側壁3と底板4に囲まれたICを収納する収納部たる収納ポケット2を適宜数備えていると共に、載置台5、脚部6、側縁7、側脚8を有しているトレー本体11とバネ部9により構成されている。
【0007】
トレー本体11はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性を有する合成樹脂、或はこれらに帯電防止のために導電性や弾力性をもたせる為に導電性を有するグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維、弾力性を有するポリブタジエンなどのゴム等の補強材を添加したもの等を使用して、射出成型等により形成する。
【0008】
収納ポケット2はIC10を収納する収納部たる空間であり、底板4と側壁3に囲まれて形成されている。収納ポケット2は収納するIC10の大きさに適応させて適宜のサイズで、適宜数形成する。収納ポケット2の四隅の底板4上には突起状の載置台5を形成し、IC10を収納ポケット2に収納する際にIC10を載置台5上に載置する。勿論、載置台5は収納ポケット2の底板4上の四隅に限られず、底板4上の外周に渡って形成する等してもよく、又、全く形成しないこととしてもよい。
【0009】
側壁3はIC10を収納ポケット2に収納した際にIC10上端部より高くなるように収納ポケット2の外周に渡って形成し、その側部には側壁3の半分程度の高さを有する脚台31を形成する。尚、側壁3は必ずしも収納ポケット2の全ての外周に渡って形成しなくてもよい。
【0010】
底板4には孔42をトレー1の軽量化、原材料の節約等の為に適宜大、適宜数形成すると共に、トレー本体11とバネ部9の結合のための挿入孔41を収納ポケット2の四隅の対角線が交差する位置に形成する。
【0011】
脚部6は底板4の下面からトレー1,1を重ねた際に下段のトレー1の脚台31上に位置するように植立して、収納ポケット2の一辺に対して一以上の適宜数を適宜幅に、加えてトレー1,1を重ねた際に下段のトレー1の脚台31とはIC10非収納時は接触しない高さ、且に脚台31と接触した際に収納ポケット2に収納されたIC10の高さとバネ部9の高さを加えた高さ以上に収納ポケット2の高さが保たれる高さに形成する。
【0012】
脚部6は隣接する収納ポケット2,2を仕切る一辺の側壁3に対して二の脚部6,6で側壁3を挟み込み、トレー1,1の横ずれを防止している。IC10,10…を収納しトレー1,1…を重ねた際にはIC10及びトレー1の重み或は何らかの外圧等でトレー1が撓む場合があるが、この場合には上段のトレー1の脚部6,6…が下段のトレー1の脚台31,31と接触し、それ以上のトレー1の下方への撓みを防止し、IC10の損傷を防止するものである。
【0013】
側縁7はトレー本体11の外周に張り出した縁であり、トレー1,1を重ねた際に上段のトレー1の側脚8を載置する箇所である。側脚8は側縁7から下方に植立させたトレー1を支える脚である。
【0014】
バネ部9は板バネ91,91…と基部92と挿入突起921から構成され、弾性を有する合成樹脂を使用して射出成形等により成形されている。使用する合成樹脂は適宜の弾性を有するものであれば特に限定されないが、耐疲労性が優れており、曲げ強さなどの機械的性質が優れたポリアセタールで成形することは推奨される。
【0015】
バネ部9は基部92の側面から適宜数の板バネ91,91…を延設すると共に、基部92の上面に挿入突起921を凸設して形成する。基部92は底板4に接触し、板バネ91の支点となる部位である。板バネ91は一の対向する脚部6,6と平行に、その先端が他の対向する脚部6に近接するように、基部92の側面から延設する適宜幅の板状に形成したバネである。
【0016】
より具体的には長方体の基部92の短辺の側面から基部92と板バネ91,91が直線上に位置するように夫々一側面から一本づつの板バネ91を延設すると共に、基部92の長辺の側面から前記直線状となった基部92と板バネ91,91に直交する板バネ91を一側面から夫々二本づつ延設して形成する。勿論バネ部9はこの様な形状に限定されるものではなく、一の基部の四側面から夫々一本づつの4本の板バネを延設して形成された十字形、或はロの字形の基部の四側面から夫々二本づつの8本の板バネを延設して形成された井の字形等としてもよい。
【0017】
又、バネ部9は、基部92上面は底板4の下面に接触するが、板バネ91は上面を基部92より低く形成し、板バネ91は底板4の下面に接触せずにバネが上下するための適宜の空間を有するように形成する。更に、板バネ91の先端部下面は先端に向けて下方に斜状に形成或は板バネ91自体を基部92から先端に向けて下方に延設する。
【0018】
挿入突起921は基部92上面上に挿入孔41に嵌挿可能な形状に植立形成し、挿入突起921を挿入孔41に嵌挿してトレー本体11とバネ部9を結合するためのものである。
【0019】
バネ部9はトレー本体11への装着の便宜のため、及び成形時の便宜のために、適宜数のバネ部9,9…を結合杆93にて結合させて形成することとしてもよい。結合杆93は基部92,92間に介設し、結合杆93はバネ部9をトレー本体11に設置した際に底板4に接触してもよいが、収納したIC10に接触することがないようにバネ部9の底面より高く形成する。この場合には脚部6に底板4に達する切欠部61を形成して、該切欠部62に結合杆93を渡してバネ部9,9…を設置する。
【0020】
尚、バネ部9はトレー本体11と別個に形成せずに一体形成し、或は別個に形成した後に着脱不可に接着等して設置することとしてもよく、更に、バネ部9は基部92を有さずに底板4或は脚部6から直接に板バネのみを延接することとしてもよい。
【0021】
ICを収納する際には載置台5,5…にIC10を載置し、IC10,10…が収納されたトレー1の側縁7上に他のトレー1の側脚8を載置してトレー1,1…を重ねる。この場合に、上段のトレー1に設置されたバネ部9の板バネ91,91…が下段のトレー1に収納されたIC10の上面端部を押止することになり、IC10は収納ポケット2内に固定される。
【0022】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の発明では、トレー上面にICを収納する収納部を有し、トレーの下面に、トレーを重ねた際に下段のトレーに形成された収納部に収納されるICの上面端部に対応する箇所に板バネを有する、バネ部を設けたので、寸法のバラツキが大きい複数のICであっても、板バネによりICを上方から押圧することができるので、ICの寸法には厳密には対応しない、ICを固定することができない収納部が形成されたトレーであっても、ICの寸法を気にせずに一のトレーで収納する全てのICを安定的に固定収納することが可能となった。
【0023】
又、請求項2に記載の発明では、バネ部はトレーを重ねた際に下段のトレーの収納部外周方向に板バネを延設し、その先端部が下段のトレーの収納部に収納されるICの少なくても対向する両上面端部に位置するように形成すると共に、板バネの先端部下面は先端に向けて下方に斜状をなしていることとしたので、その形状によって、より様々なサイズのICに対応し、幅広いサイズのICを確実に保持することが可能であると共に、その作用から、ICの上面端部を斜め上方から押圧することにより、より安定的で確実に且つその機能に悪影響を与えることなくICを固定収納することが可能となった。
【0024】
又、請求項3に記載の発明では、バネ部はトレー本体に着脱自在に設けたので、板バネを装着しないトレーとしても使用することが可能であり、トレーの幅広い利用が可能である。
【0025】
又、請求項4に記載の発明では、各収納部に対応するバネ部を夫々に連結して一連に形成したので、トレー本体への装着時に一個づつバネ部を取り付ける必要がなく大変便利であり、又、成形時にも便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明一実施例一部下面斜視図
【図2】 本発明一実施例一部上面図
【図3】 図2A−A断面図
【図4】 図2B−B断面図
【符号の説明】
1 トレー
11 トレー本体
2 収納ポケット
3 側壁
4 底板
5 載置台
6 脚部
7 側縁
8 側脚
9 バネ部
91 板バネ
92 基部
921 挿入突起
93 結合杆
10 IC
Claims (3)
- トレー上面に平面視四角形のICを収納する収納部を有し、トレーの下面に、トレーを重ねた際に下段のトレーに形成された収納部に収納される平面視四角形のICの上面端部に対応する箇所に板バネを有する、バネ部を設け、該バネ部はトレーを重ねた際に下段のトレーの収納部外周方向に板バネを延設し、板バネの先端部が下段のトレーの収納部に収納される平面視四角形のICの2対の対向する上面端部に位置するように形成すると共に、板バネの先端部下面は先端に向けて下方に斜状をなしていることを特徴とするIC固定収納トレー。
- バネ部はトレー本体に着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1に記載のIC固定収納トレー。
- 各収納部に対応するバネ部を夫々に連結して一連に形成したことを特徴とする請求項2に記載のIC固定収納トレー。
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