JP4646477B2 - 測定システム - Google Patents
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Description
【０００１】
技術分野
本発明は、種々の生体試料中の特定成分を高精度で、迅速かつ容易に定量することのできるバイオセンサに好適な測定システムに関するもので、特に盲人や弱視者のための取扱いが確実な測定システムに関するものである。
【０００２】
背景技術
近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のバイオセンサが開発され、臨床分野への応用が試みられるなかで、迅速にかつ精度よく測定できるバイオセンサが要望されている。
【０００３】
グルコースセンサを例にとると、糖尿病患者数の増加が著しい今日、血糖値を測定し管理するには、従来のように血液を遠心分離して血しょうを測定するのでは非常に煩雑な手順を要するため全血で測定できるセンサが要望されている。
【０００４】
簡易型としては、尿検査の時に使用されている検査紙と同様に、スティック状の支持体に糖（グルコース）にのみ反応する酵素と、酵素反応時または酵素反応の生成物により変化する色素とを含有する担体を設置したものがある。これは、担体上に血液を滴下し、一定時間後の色素の変化を目視または光学的に測定する方式であるが、血液中の着色物による妨害が大きく精度は低い。
【０００５】
一方、電極系をも含めて測定毎の使い捨てが可能となるものが提案されているが、測定操作上きわめて簡易になるものの、白金等の電極材料や構成等の面から、非常に高価なものにならざるを得ない。また、白金電極の製造方法として、スパッタ法や蒸着法などを用いることもできるが、製造上高価なものとなる。
【０００６】
電極系をも含めて使い捨てにし得る方式としては、特開昭６１−２９４３５１号公報に記載のバイオセンサを提案した。これらの測定においては、センサの電極系へ所定の電圧を供給して電極間に流れる電流値を計測し、この信号をもとに試料液中の基質濃度を計算する。図７に示すように、従来は、センサ２９の包装材のアルミパック４０を所定の位置まで開封し、アルミパック４０ごとつまんだ状態で、測定装置５４本体のセンサ保持を行うコネクタ部に差し込み、自動的に電源が入ったことを表示手段３０で確認した後、血液をセンサ２９の先端に点着し測定を行う。
【０００７】
従来の構成の測定システムでは、測定装置のコネクタ部が小さく、その位置も分かりにくいために、センサを測定装置のコネクタ部へ位置決めして入れたり、指先の血液等をセンサの所定の位置に点着する等の作業が困難であり、特に盲人や弱視者には取り扱いが非常に困難であるという欠点があった。
【０００８】
本発明は、指先のガイドを付けることで、測定装置におけるセンサの挿入位置や血液などの点着位置がわかりやすくなり、血液などの生体試料中の特定成分を簡易かつ迅速に、高精度に測定することのできる測定システムを提供することを目的とする。
【０００９】
発明の開示
本発明に係る測定システムは、センサ及び該センサに点着した生体試料中の特定成分を定量する測定装置を備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、被対象物を前記センサへ案内するためのガイドを備えたことを特徴とするものであり、老人や弱視者等の使用者にとって被対象物の測定作業を容易に行うことができ、本システムの簡単な取り扱いが可能となる。
【００１０】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドを前記センサの測定部位の前方側に設けたことを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者が測定装置を把持した状態で、ガイドに沿って指のスライド操作を行うことで、被対象物をセンサ側へ容易に点着することができる。
【００１１】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記測定装置から引き出したり収納できることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者が容易にシステムを確立することができ、測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１２】
本発明に係る測定システムは、センサと、該センサに点着した生体試料中の特定成分を定量する測定装置と、前記測定装置に取り外し可能であり、前記測定装置による測定結果等を音声でアナウンスするオプション装置とを備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、被対象物を前記センサへ案内するためのガイドが前記オプション装置側に装着されることを特徴とするものであり、オプション装置を使用する必要のある弱視者や老人等の使用者が容易にシステムを確立し、被対象物を前記センサに点着することができる。
【００１３】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドを前記測定装置とオプション装置を固定するクランプとして用いることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため、弱視者や老人などの使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１４】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記オプション装置から引き出したり収納できることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため 弱視者や老人等の使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１５】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドがＶ字状をしていることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者にとって容易にガイド位置が分かり、ガイドに沿って指のスライド操作を行うことで被対象物をセンサへ容易に点着することができる。
【００１６】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドがばね性を持った材料からなることを特徴とするものであり、弱視者や老人などでも簡単にクランプであるガイドの取扱いを行うことができる。
【００１７】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドには前記測定装置の端部から被対象物をセンサに案内させるための溝が形成されていることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者にとってガイドに沿って指のスライド操作を行うことで被対象物をセンサへ容易に点着することができる。
【００１８】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記測定装置の端部或は上面を押さえることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため、弱視者や老人などの使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１９】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記オプション装置から着脱できることを特徴とするものであり、ガイドの不要時には容易に取り外すことができる。
【００２０】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の測定システムを具体的な実施の形態に基づいて述べる。
図１は測定システムの外観斜視図、図２は測定システムの底面側から見た斜視図、図３はバイオセンサ（以下、センサと略記する）の分解斜視図である。
【００２１】
図１に示すように、測定装置５４がオプション装置５６に結合された状態において、コネクタ１３へ図３に示すセンサ２９を差込み、血液などの被検液をセンサ２９の先端部へ点着することで、測定装置５４での測定結果がオプション装置５６へ送られることにより、オプション装置５６の音声出力手段５７から測定結果が音声により告知される。
【００２２】
また図３に示すように、センサ２９の基板１の上には対極５および測定極４、それらに連なるリード３、２、さらに絶縁層６が設けられている。また、図示していないが、対極５と測定極４を覆うように酵素およびメディエータ（電子受容体）を含有する反応層が形成されている。基板１の上にはスペーサ７を介してカバー９が固定されている。８は試料供給孔であり、ここから被検液（試料）を毛管現象により対極５および測定極４の上に導入させる。被検液の導入とともに、内部の空気は空気孔１０より排出される。１１は逆挿入防止突起であり、この突起により、測定装置５４本体への逆向きの挿入を防止することが出来る。
【００２３】
本発明の測定システムにおけるガイドの使用例を図２，図４及び図５を用いて説明する。
図４は測定システムの側面図である。また図５は測定システムにおいて、センサに体液を点着する部位のガイド５０とセンサ保持部の部分の構成を示す平面図である。
【００２４】
図２に示すように、測定装置５４にオプション装置５６を取り付けた状態で、ガイド５０をオプション装置５６のガイド挿入口４２に差し込み、センサ２９を測定装置５４のコネクタ１３に挿入し、ガイド５０を指先の案内手段として使用する。測定作業者は、ランセットにより指先の穿刺を完了したあと、図５に示すように、ガイド５０に設けられた指先案内のための案内溝５５に沿って、指先をセンサ２９の先端位置までなぞっていくことにより所定の体液の点着動作を行う。本実施の形態ではガイドの形状をＶ字状としたが、測定装置のセンサが装着される端部にまで指先を導く溝があるものであれば、Ｖ字状以外の形状を有していてもよい。
【００２５】
その後、体液が点着したセンサ２９の先端部では、酵素反応の進行により体液に関する所定の測定結果がオプション装置５６による音声、圧力或は測定装置５４のＬＣＤなどの表示手段３０などにより告知される。
【００２６】
これらの測定動作が終了した後、測定作業者は、ガイド５０を目印としてセンサ２９の位置を確認し、センサ２９をコネクタ１３から抜き取ることで作業が完了する。
【００２７】
ここでガイド５０は、盲人、弱視者或は老人などが使用する場合に測定装置５４に取り付けることが考えられるオプション装置５６に取り付けられるか、或は測定装置５４とオプション装置５６の嵌合部の間に挿嵌される。この嵌合部の間に挿嵌される場合には、前述の図４に示したような形態になり、一方、ガイド５０がオプション装置５６側へ取り付けられるときには、図６(a)，図６(b)に示すように、測定装置５４とオプション装置５６を一体的に固定するためのクランプとしても使用できる。図６(a)において、ガイド５０の収納形態としては、オプション装置５６内に矢印方向にスライド式で収納される形態をとることで、コンパクトな形状にできる。また図６(b)においては、ガイド５０は、オプション装置５６の支点５３を中心に回転する構成にすることができる。いずれもガイド５０の先端を屈曲させることで、測定装置５４の先端部をクランプ可能な形状とすることができる。
【００２８】
ガイド５０の材質として、特にばね性を持ったもの（例えば、ＳＵＳ材、ジュラコンなど）を使用することで、それ自身のばね性により強固なクランプとして使用することもできる。
【００２９】
以上の実施の形態に示したように、ガイド５０を使用することにより、盲人や弱視者等がセンサ２９を測定装置５４に着脱したり、指先の血液などの体液をセンサ２９の先端へ付着する際の位置決め作業の困難さをなくすことができ、使用時の作業の煩わしさや労力を低減させることができる。また、被測定物をセンサ２９に案内するための機構は、ガイド５０等の簡単な構成で実現することができる。
【００３０】
上記実施の形態においては、センサ２９としては血液を酵素電極部まで導く方式として毛細管現象を利用するタイプについて説明を行ったが、酵素電極部へ直接血液を滴下させるタイプのセンサを使うことでも同様の効果が得られる。
【００３１】
なお、上記実施の形態で説明したもの以外にも、ガイド５０は、測定装置５４に直接取り付ける構成にすることもできる。例えばガイド５０を測定装置５４に着脱自在にしたり、あるいは、図６に似た構成で、測定装置５４にスライド方式で収納可能に構成したり、回転自在に支持させたりすることもできる。
【００３２】
産業上の利用可能性
以上のように本発明に係る測定システムは、センサを測定装置に着脱したり、指先の血液などの体液をセンサの先端に付着する際の位置決め作業の困難さをなくすことができ、特に、本測定システムの使用者が盲人や弱視者等である場合に有用であり、使用時の作業の煩わしさや労力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施の形態における測定システムの斜視図である。
【図２】 本発明の一実施の形態における測定システムを底面側より見た斜視図である。
【図３】 本発明の一実施の形態における測定システムに使用されるバイオセンサの分解斜視図である。
【図４】 本発明の一実施の形態における測定システムにおいて、オプション装置にガイドを装着した状態を示す側面図である。
【図５】 本発明の一実施の形態における測定システムのガイドの使用例を示す測定システムの平面図である。
【図６】 本発明の他の実施の形態における測定システムの断面図である。
【図７】 従来の測定装置の斜視図である。
技術分野
本発明は、種々の生体試料中の特定成分を高精度で、迅速かつ容易に定量することのできるバイオセンサに好適な測定システムに関するもので、特に盲人や弱視者のための取扱いが確実な測定システムに関するものである。
【０００２】
背景技術
近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のバイオセンサが開発され、臨床分野への応用が試みられるなかで、迅速にかつ精度よく測定できるバイオセンサが要望されている。
【０００３】
グルコースセンサを例にとると、糖尿病患者数の増加が著しい今日、血糖値を測定し管理するには、従来のように血液を遠心分離して血しょうを測定するのでは非常に煩雑な手順を要するため全血で測定できるセンサが要望されている。
【０００４】
簡易型としては、尿検査の時に使用されている検査紙と同様に、スティック状の支持体に糖（グルコース）にのみ反応する酵素と、酵素反応時または酵素反応の生成物により変化する色素とを含有する担体を設置したものがある。これは、担体上に血液を滴下し、一定時間後の色素の変化を目視または光学的に測定する方式であるが、血液中の着色物による妨害が大きく精度は低い。
【０００５】
一方、電極系をも含めて測定毎の使い捨てが可能となるものが提案されているが、測定操作上きわめて簡易になるものの、白金等の電極材料や構成等の面から、非常に高価なものにならざるを得ない。また、白金電極の製造方法として、スパッタ法や蒸着法などを用いることもできるが、製造上高価なものとなる。
【０００６】
電極系をも含めて使い捨てにし得る方式としては、特開昭６１−２９４３５１号公報に記載のバイオセンサを提案した。これらの測定においては、センサの電極系へ所定の電圧を供給して電極間に流れる電流値を計測し、この信号をもとに試料液中の基質濃度を計算する。図７に示すように、従来は、センサ２９の包装材のアルミパック４０を所定の位置まで開封し、アルミパック４０ごとつまんだ状態で、測定装置５４本体のセンサ保持を行うコネクタ部に差し込み、自動的に電源が入ったことを表示手段３０で確認した後、血液をセンサ２９の先端に点着し測定を行う。
【０００７】
従来の構成の測定システムでは、測定装置のコネクタ部が小さく、その位置も分かりにくいために、センサを測定装置のコネクタ部へ位置決めして入れたり、指先の血液等をセンサの所定の位置に点着する等の作業が困難であり、特に盲人や弱視者には取り扱いが非常に困難であるという欠点があった。
【０００８】
本発明は、指先のガイドを付けることで、測定装置におけるセンサの挿入位置や血液などの点着位置がわかりやすくなり、血液などの生体試料中の特定成分を簡易かつ迅速に、高精度に測定することのできる測定システムを提供することを目的とする。
【０００９】
発明の開示
本発明に係る測定システムは、センサ及び該センサに点着した生体試料中の特定成分を定量する測定装置を備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、被対象物を前記センサへ案内するためのガイドを備えたことを特徴とするものであり、老人や弱視者等の使用者にとって被対象物の測定作業を容易に行うことができ、本システムの簡単な取り扱いが可能となる。
【００１０】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドを前記センサの測定部位の前方側に設けたことを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者が測定装置を把持した状態で、ガイドに沿って指のスライド操作を行うことで、被対象物をセンサ側へ容易に点着することができる。
【００１１】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記測定装置から引き出したり収納できることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者が容易にシステムを確立することができ、測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１２】
本発明に係る測定システムは、センサと、該センサに点着した生体試料中の特定成分を定量する測定装置と、前記測定装置に取り外し可能であり、前記測定装置による測定結果等を音声でアナウンスするオプション装置とを備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、被対象物を前記センサへ案内するためのガイドが前記オプション装置側に装着されることを特徴とするものであり、オプション装置を使用する必要のある弱視者や老人等の使用者が容易にシステムを確立し、被対象物を前記センサに点着することができる。
【００１３】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドを前記測定装置とオプション装置を固定するクランプとして用いることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため、弱視者や老人などの使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１４】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記オプション装置から引き出したり収納できることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため 弱視者や老人等の使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１５】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドがＶ字状をしていることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者にとって容易にガイド位置が分かり、ガイドに沿って指のスライド操作を行うことで被対象物をセンサへ容易に点着することができる。
【００１６】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドがばね性を持った材料からなることを特徴とするものであり、弱視者や老人などでも簡単にクランプであるガイドの取扱いを行うことができる。
【００１７】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドには前記測定装置の端部から被対象物をセンサに案内させるための溝が形成されていることを特徴とするものであり、弱視者や老人等の使用者にとってガイドに沿って指のスライド操作を行うことで被対象物をセンサへ容易に点着することができる。
【００１８】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記測定装置の端部或は上面を押さえることを特徴とするものであり、特に複雑な機構が必要でないため、弱視者や老人などの使用者が測定のたびに煩わしい操作をすることもなく、容易に測定作業を行うことができる。
【００１９】
本発明に係る測定システムは、前記測定システムにおいて、前記ガイドが前記オプション装置から着脱できることを特徴とするものであり、ガイドの不要時には容易に取り外すことができる。
【００２０】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の測定システムを具体的な実施の形態に基づいて述べる。
図１は測定システムの外観斜視図、図２は測定システムの底面側から見た斜視図、図３はバイオセンサ（以下、センサと略記する）の分解斜視図である。
【００２１】
図１に示すように、測定装置５４がオプション装置５６に結合された状態において、コネクタ１３へ図３に示すセンサ２９を差込み、血液などの被検液をセンサ２９の先端部へ点着することで、測定装置５４での測定結果がオプション装置５６へ送られることにより、オプション装置５６の音声出力手段５７から測定結果が音声により告知される。
【００２２】
また図３に示すように、センサ２９の基板１の上には対極５および測定極４、それらに連なるリード３、２、さらに絶縁層６が設けられている。また、図示していないが、対極５と測定極４を覆うように酵素およびメディエータ（電子受容体）を含有する反応層が形成されている。基板１の上にはスペーサ７を介してカバー９が固定されている。８は試料供給孔であり、ここから被検液（試料）を毛管現象により対極５および測定極４の上に導入させる。被検液の導入とともに、内部の空気は空気孔１０より排出される。１１は逆挿入防止突起であり、この突起により、測定装置５４本体への逆向きの挿入を防止することが出来る。
【００２３】
本発明の測定システムにおけるガイドの使用例を図２，図４及び図５を用いて説明する。
図４は測定システムの側面図である。また図５は測定システムにおいて、センサに体液を点着する部位のガイド５０とセンサ保持部の部分の構成を示す平面図である。
【００２４】
図２に示すように、測定装置５４にオプション装置５６を取り付けた状態で、ガイド５０をオプション装置５６のガイド挿入口４２に差し込み、センサ２９を測定装置５４のコネクタ１３に挿入し、ガイド５０を指先の案内手段として使用する。測定作業者は、ランセットにより指先の穿刺を完了したあと、図５に示すように、ガイド５０に設けられた指先案内のための案内溝５５に沿って、指先をセンサ２９の先端位置までなぞっていくことにより所定の体液の点着動作を行う。本実施の形態ではガイドの形状をＶ字状としたが、測定装置のセンサが装着される端部にまで指先を導く溝があるものであれば、Ｖ字状以外の形状を有していてもよい。
【００２５】
その後、体液が点着したセンサ２９の先端部では、酵素反応の進行により体液に関する所定の測定結果がオプション装置５６による音声、圧力或は測定装置５４のＬＣＤなどの表示手段３０などにより告知される。
【００２６】
これらの測定動作が終了した後、測定作業者は、ガイド５０を目印としてセンサ２９の位置を確認し、センサ２９をコネクタ１３から抜き取ることで作業が完了する。
【００２７】
ここでガイド５０は、盲人、弱視者或は老人などが使用する場合に測定装置５４に取り付けることが考えられるオプション装置５６に取り付けられるか、或は測定装置５４とオプション装置５６の嵌合部の間に挿嵌される。この嵌合部の間に挿嵌される場合には、前述の図４に示したような形態になり、一方、ガイド５０がオプション装置５６側へ取り付けられるときには、図６(a)，図６(b)に示すように、測定装置５４とオプション装置５６を一体的に固定するためのクランプとしても使用できる。図６(a)において、ガイド５０の収納形態としては、オプション装置５６内に矢印方向にスライド式で収納される形態をとることで、コンパクトな形状にできる。また図６(b)においては、ガイド５０は、オプション装置５６の支点５３を中心に回転する構成にすることができる。いずれもガイド５０の先端を屈曲させることで、測定装置５４の先端部をクランプ可能な形状とすることができる。
【００２８】
ガイド５０の材質として、特にばね性を持ったもの（例えば、ＳＵＳ材、ジュラコンなど）を使用することで、それ自身のばね性により強固なクランプとして使用することもできる。
【００２９】
以上の実施の形態に示したように、ガイド５０を使用することにより、盲人や弱視者等がセンサ２９を測定装置５４に着脱したり、指先の血液などの体液をセンサ２９の先端へ付着する際の位置決め作業の困難さをなくすことができ、使用時の作業の煩わしさや労力を低減させることができる。また、被測定物をセンサ２９に案内するための機構は、ガイド５０等の簡単な構成で実現することができる。
【００３０】
上記実施の形態においては、センサ２９としては血液を酵素電極部まで導く方式として毛細管現象を利用するタイプについて説明を行ったが、酵素電極部へ直接血液を滴下させるタイプのセンサを使うことでも同様の効果が得られる。
【００３１】
なお、上記実施の形態で説明したもの以外にも、ガイド５０は、測定装置５４に直接取り付ける構成にすることもできる。例えばガイド５０を測定装置５４に着脱自在にしたり、あるいは、図６に似た構成で、測定装置５４にスライド方式で収納可能に構成したり、回転自在に支持させたりすることもできる。
【００３２】
産業上の利用可能性
以上のように本発明に係る測定システムは、センサを測定装置に着脱したり、指先の血液などの体液をセンサの先端に付着する際の位置決め作業の困難さをなくすことができ、特に、本測定システムの使用者が盲人や弱視者等である場合に有用であり、使用時の作業の煩わしさや労力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施の形態における測定システムの斜視図である。
【図２】 本発明の一実施の形態における測定システムを底面側より見た斜視図である。
【図３】 本発明の一実施の形態における測定システムに使用されるバイオセンサの分解斜視図である。
【図４】 本発明の一実施の形態における測定システムにおいて、オプション装置にガイドを装着した状態を示す側面図である。
【図５】 本発明の一実施の形態における測定システムのガイドの使用例を示す測定システムの平面図である。
【図６】 本発明の他の実施の形態における測定システムの断面図である。
【図７】 従来の測定装置の斜視図である。
Claims (11)
- センサ及び該センサに点着した生体試料中の特定成分を測定する測定装置を備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、
被対象物を前記センサへ案内するためのガイドを備え、
前記ガイドは被対象物を点着すべき前記センサにまで指先を案内できるように、Ｖ字状をしていることを特徴とする測定システム。 - 請求項１記載の測定システムにおいて、
前記ガイドを前記センサの測定部位の前方側に設けた、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項１記載の測定システムにおいて、
前記ガイドが前記測定装置から引き出したり収納できる、ことを特徴とする測定システム。 - センサと、該センサに点着した生体試料中の特定成分を測定する測定装置と、前記測定装置に取り外し可能であり、前記測定装置による測定結果等を音声でアナウンスするオプション装置とを備え、被対象物の特性を測定する度ごとに、新たなセンサを測定装置に装着して測定を行う測定システムであって、 被対象物を前記センサへ案内するためのガイドが前記オプション装置側に装着される、ことを特徴とする測定システム。
- 請求項４記載の測定システムにおいて、
前記ガイドを前記測定装置とオプション装置を固定するクランプとして用いる、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項４記載の測定システムにおいて、
前記ガイドが前記オプション装置から引き出したり収納できる、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項４記載の測定システムにおいて、
被対象物を点着すべき前記センサにまで指先を案内できるように、前記ガイドがＶ字状をしていることを特徴とする測定システム。 - 請求項１または７記載の測定システムにおいて、
前記ガイドがばね性を持った材料からなる、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項１または７記載の測定システムにおいて、
前記ガイドには、前記測定装置の端部から溝が形成されている、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項５記載の測定システムにおいて、
前記ガイドが前記測定装置の端部或は上面を押さえる、ことを特徴とする測定システム。 - 請求項４記載の測定システムにおいて、
前記ガイドが前記オプション装置から着脱できる、ことを特徴とする測定システム。
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